JP2007128060A - 光硬化性組成物及びそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents

光硬化性組成物及びそれを用いたカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】充分な色濃度、分光特性、感度および硬化性が得られ、かつ、カラーフィルタに用いるとき画素のパターンの矩形性及び現像性に優れた光硬化性組成物、及びそれを用いるカラーフィルタを提供する。
【解決手段】着色剤、光重合性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性組成物において、該着色剤の含有量は全固形分の40質量%以上であり、かつ該光重合性化合物はアルカリ可溶性基を有することを特徴とする光硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOSなど)等に用いられるカラーフィルタを構成する着色画像の形成に好適な光硬化性組成物、及び該光硬化性組成物を用いたカラーフィルタに関する。
液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを作製する方法としては、染色法、印刷法、電着法および顔料分散法が知られている。
このうち、顔料分散法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法であり、顔料を使用しているために光や熱等に安定であるという利点を有している。また、フォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が高く、大画面、高精細カラーディスプレイ用カラーフィルタを作製するのに好適な方法として広く利用されてきた。
顔料分散法によりカラーフィルタを作製する場合、ガラス基板上に感放射線性組成物をスピンコーターやロールコーター等により塗布し乾燥させて塗膜を形成し、前記塗膜をパターン露光・現像することによって着色された画素が形成され、この操作を各色ごとに繰り返し行なうことでカラーフィルタを得ることができる。
前記顔料分散法としては、アルカリ可溶性樹脂に光重合性モノマーと光重合開始剤とを併用したネガ型感光性組成物が記載されたものがある(例えば、特許文献1〜5参照。)。
近年、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいては更なる高精細化が望まれている。しかしながら、従来の顔料分散系では解像度を更に向上させることは困難であり、顔料の粗大粒子により色ムラが発生するなど、画素間の色の均一性に問題があった。このため、固体撮像素子のように微細パターンが要求される用途には適さなかった。
かかる問題を解決すべく、従来から顔料に代えて染料を使用する技術が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。しかしながら、一般的に染料を含有する硬化性組成物は、例えば、耐光性、耐熱性、溶解性、塗布均一性など様々な性能につき、顔料を用いた硬化性組成物に比べて劣るという問題があった。
特に、固体撮像素子(イメージセンサ)用カラーフィルタは、シェーディングの改良、デバイスの小型化に対応すべく、厚さを1.5μm以下に薄膜化させる傾向にある。しかし、このような薄膜化をおこなうと、膜中に含有させる着色剤の含有量も必然的に低下するため、色濃度の面で問題となってくる。このような傾向は、着色剤として顔料を用いた場合よりも、染料を用いた場合に特に顕著である。
即ち、有機顔料を用いた場合には、結晶状に発色団となる分子がカラーフィルタ中に凝集した状態で存在しているのに対して、染料を用いた場合には、分子分散した状態で存在しており、しかも耐久性や耐光性を高めるために、発色団分子の他にそれらの特性を改良するための分子鎖が結合していることから、発色団となる分子鎖がさらに希釈され、その分だけ色濃度が低下してしまう。
以上のように、固体撮像素子においてカラーフィルタの薄膜化の要求に応えるためには、カラーフィルタ中の着色剤の含有比率を高める必要がある。この要求は着色剤として顔料を用いた場合よりも染料を用いた場合において、特に重要である。
しかしながら、着色剤の含有比率を高めることは必然的に組成物中に含有させる他の成分の比率を減少させることになる。この場合、当然のこととして他の成分の比率を低下させると、光硬化性やアルカリ現像性が低下してしまうことから、着色剤の含有比率の向上にも限界があった。特に、着色剤として染料を用いる場合には、顔料を用いた場合以上に薄膜化に伴う色濃度の低下が著しく、色濃度以外の実用特性とのバランスを図ることが非常に困難であった。
また、感放射線性成分,結着樹脂、顔料、および溶剤を含有する感放射線着色組成物において、該感放射線性成分が重合性成分として、エチレンオキサイド鎖やプロピレンオキサイド鎖を含む特定の化合物群から選択される少なくとも1種の(メタ)アクリレ−ト化合物を含有する感放射線性着色組成物が提案されている(例えば、特許文献7参照。)。
特開平2−181704号公報 特開平2−199403号公報 特開平5−273411号公報 特開平7−140654号公報 特開平10−332929号公報 特開平6−75375号公報 特開平10−62986号公報
本発明の目的は、充分な色濃度、分光特性、感度および硬化性が得られ、かつ、カラーフィルタに用いるとき画素のパターンの矩形性及び現像性に優れた光硬化性組成物を提供することを目的とする。
また、本発明の目的は、充分な色濃度を有し、画素のパターンの矩形性に優れたカラーフィルタを提供することを目的とする。
前記実情に鑑み本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、上記課題を解決しうることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
<1> 着色剤、光重合性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性組成物において、該着色剤の含有量は全固形分の40質量%以上であり、かつ該光重合性化合物はアルカリ可溶性基を有することを特徴とする光硬化性組成物。
<2> 前記着色剤、前記光重合性化合物及び前記光重合開始剤の総含有量が、前記光硬化性組成物中の全固形分に対して80質量%以上であることを特徴とする上記<1>に記載の光硬化性組成物。
<3> 前記光重合性化合物の重合性官能基数が3以上であることを特徴とする上記<1>または<2>に記載の光硬化性組成物。
<4> 前記着色剤が実質的に染料を主体とすることを特徴とする上記<1>〜<3>の何れか1項に記載の光硬化性組成物。
<5> 前記着色剤の25質量%以上が酸性染料であることを特徴とする上記<1>〜<4>の何れか1項に記載の光硬化性組成物。
<6> 前記光重合性化合物の前記アルカリ可溶性基は、カルボキシル基、リン酸基およびスルホン酸基の少なくとも1種であることを特徴とする上記<1>〜<5>の何れか1項に記載の光硬化性組成物。
<7> 基板上に、上記<1>〜<6>の何れか1項に記載の光硬化性組成物からなる塗布膜を形成し、アルカリ現像を用いたフォトリソ法によるパターニングで形成された画素を有することを特徴とするカラーフィルタ。
<8> 波長400nm〜700nmの範囲において、最小透過率が10%以下で、かつ、前記波長範囲における最大透過率と該最小透過率との差が65%以上である上記<7>に記載のカラーフィルタ。
<9> 前記画素の厚さが0.3μm以上1.5μm以下であることを特徴とする上記<7>又は<8>に記載のカラーフィルタ。
<10> 前記画素の最大辺が5.0μm以下であることを特徴とする上記<7>〜<9>の何れか1項に記載のカラーフィルタ。
本発明によれば、充分な色濃度、分光特性、感度および硬化性が得られ、かつ、カラーフィルタに用いるとき画素のパターンの矩形性及び現像性に優れた光硬化性組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、充分な色濃度を有し、画素のパターンの矩形性に優れたカラーフィルタを提供することができる。
以下、本発明の光硬化性組成物、及び、それを用いて構成されるカラーフィルタについて詳述する。
《光硬化性組成物》
本発明の光硬化性組成物は、着色剤、光重合性化合物、及び光重合開始剤、を含み、前記着色剤の含有量は全固形分の40質量%以上であり、且つ、前記光重合性化合物はアルカリ可溶性基を有することを特徴とし、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂や有機溶剤を含んで構成される。
本発明の光硬化性組成物は、着色剤、光重合性化合物、及び光重合開始剤、を含む光硬化性組成物において、前記着色剤の含有量は全固形分の40質量%以上であり、且つ、前記光重合性化合物はアルカリ可溶性基を有することから、アルカリ可溶性樹脂を実質的に使用しないため、着色剤の含有量が全固形分に対して40質量%と多くなっていても、硬化性成分である光重合性化合物および光重合開始剤の含有量を維持することができる。
また、本発明の光硬化性組成物は、カラーフィルタの塗布膜としての実用特性(色濃度、分光特性、感度、硬化性等)を確保し、得られるカラーフィルタの画素の透過率およびパターンプロファイル(パターンの矩形性)を良好なものにすることができる。
さらに、本発明の光硬化性組成物中における、着色剤、光重合性化合物および光重合開始剤の総含有量は、全固形分に対して80質量%以上であることが好ましい。換言すると、本発明の光硬化性組成物中における、着色剤、光重合性化合物および光重合開始剤以外の固形成分の総含有量は、20質量%未満であることが好ましい。
着色剤、光重合性化合物および光重合開始剤の総含有量が全固形分に対して80質量%以上であると、色濃度、感度および硬化性等を更に十分に向上させることができる。
以下、本発明の光硬化性組成物に含まれる各成分について説明する。
<着色剤>
本発明における着色剤は、特に限定されず、従来公知の種々の染料や顔料を一種又は二種以上を混合して用いることができる。
前記着色剤としては、実質的に染料を主体とすることが好ましく、染料を着色剤の主体とすることにより色特性の均一性を高め、画素間の色濃度分布のバラツキを低下させることができる。
ここで、「実質的に染料を主体」とは、色特性の面で染料の特性を損なわない程度を指し、具体的には、着色剤の総量に対して染料の含有率が60質量%以上であることをいう。
前記着色剤中の染料の含有量が60質量%以上、望ましくは65質量%以上、より望ましくは70質量%以上である。
(染料)
本発明における着色剤としての染料としては、有機溶剤可溶性染料等を特に制限なく使用することができ、例えば、従来カラーフィルタ用として公知の染料などが挙げられる。前記公知の染料としては、例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の色素が挙げられる。また、化学構造の観点からは、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、等が挙げられる。本発明における染料として特に好ましくは、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アントラキノン系、アンスラピリドン系の染料が挙げられる。
また、水またはアルカリ現像を行うレジスト系の場合には現像によりバインダーおよび/または染料を完全に除去するという観点から、本発明における染料として酸性染料および/またはその誘導体を好適に使用できる。そのほか、本発明における染料としては、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/またはこれらの誘導体等も使用することができる。
本発明の光硬化性組成物は、全着色剤に対して25質量%以上が酸性染料であることが好ましい。これにより、アルカリ現像性を維持することができ、パターンの矩形性及び現像性にすることができる。
以下、酸性染料について説明する。
(酸性染料)
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸やフェノール性水酸基等の酸性基を有する色素であれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下、前記酸性染料の具体例を挙げる。但し、本発明における酸性染料はこれらに限定されるものではない。例えば、下記の染料およびこれら染料の誘導体が挙げられる。
Acid Black 24;
Acid Blue 1,7,9,15,83,86,90,103,108,113,120,249;
Acid Green 1,3,5,9,16,50;
Acid Orange 7,8,10,12,50,51,52,63;
Acid Red 4,8,14,17,18,26,27,51,66,73,80,87,88,91,92,94,103,111,114,145,150,151;
Acid Violet 9,17,49;
Acid Yellow 1,7,9,11,17,23,34,36,38,40,65,72,76,135,228;
Direct Yellow 34;
Direct Orange 41,61,70;
Direct Violet 54;
Direct Blue 86,108,109,199;
Mordant Yellow 8,10,20;
Mordant Red 9,32;
Mordant Violet 2,41;
Mordant Blue 1,3;
Mordant Green 4;
Food Yellow 3;
Solvent Yellow 14;
Solvent Orange 2,7,15;
Solvent Red 49;
Valifast Blue 2620
本発明において着色剤として用いることのできる酸性染料としては、下記の化合物を用いることもできる。
−ヘテロ環アゾ系化合物−
ヘテロ環アゾ系化合物は、ヘテロ環にアゾ基(−N=N−)が直結した化合物である。
ここで、ヘテロ環とは、環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、硫黄原子、酸素原子)を持つものである。飽和環及び不飽和環のいずれであってもよいが、不飽和環であることが好ましい。また、単環及び縮合環のいずれでもよく、無置換であっても置換基で置換されていてもよい。
ヘテロ環の具体例としては、フラン、ピロール、ピラゾール、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ピリドン、イソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソチアゾールなどが挙げられる。これらの中では、環内に窒素原子を含有するヘテロ環(含窒素ヘテロ環)が好ましく、その中でもピラゾール、ピリドン、ピリジン、ピリミジンが好ましい。
また、ヘテロ環アゾ系化合物の任意の位置に酸基を含有することが好ましい。ここで、酸基とは、アルカリ性水溶液に対して解離可能な官能基であれば種類を問わないが、具体的には、スルホン酸、カルボン酸、フェノール性水酸基、スルホンアミド、リン酸などが挙げられる。また、これらの酸基が2価以上の金属の塩となっていてもよく、その際の金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、銅、コバルト、鉄などが挙げられる。
前記ヘテロ環アゾ系化合物としては、1)アゾ基の一方の結合手に直結したヘテロ環がピラゾール環であり、アゾ基の他方の結合手にもヘテロ環が直結しており、構造中の任意の位置に酸基を有する化合物が好ましく、更には、
2)アゾ基の一方の結合手に直結したヘテロ環がピラゾール環であり、アゾ基の他方の結合手に直結したヘテロ環がピリジン環であり、構造中の任意の位置にカルボン酸及び/又はスルホンアミドを有する化合物、
3)アゾ基の一方の結合手に直結したヘテロ環がピラゾール環であり、アゾ基の他方の結合手に直結したヘテロ環がピリミジン環であり、構造中の任意の位置にカルボン酸及び/又はスルホンアミドを有する化合物、
が好ましい。
以下、ヘテロ環アゾ系化合物の具体例(例示化合物A1−1〜A1−24、A2−1〜A2−24、A3−1〜A3−24)を示す。但し、本発明においては、これら具体例に限定されるものではない。
Figure 2007128060
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−フタロシアニン系化合物−
フタロシアニン系化合物は、一般に下記一般式1で表される化合物である。
一般式1:
Figure 2007128060
前記一般式1において、Mは、金属類を表し、該金属類としては、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、及びFe等、並びにAlCl、InCl、FeCl、TiCl、SnCl、SiCl、GeCl等の金属塩化物、TiO,VO等の金属酸化物、及びSi(OH)等の金属水酸化物が含まれる。Mとしては、Zn、Pd、Cu、Ni、Co、又はVOが好ましく、更に好ましくはZn、Cu、Co、又はVOであり、最も好ましくはCuである。
、Z、Z、及びZは、各々独立に、炭素原子を含む6員環を形成するために必要な原子群を表す。該6員環は、飽和環であっても不飽和環であってもよく、窒素原子等を含有するヘテロ環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよく、更に他の5員若しくは6員の環が縮合していてもよく、縮環した環がさらに置換基を有していてもよい。具体的には、ベンゼン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、ピリジン環、ナフタレン環などが含まれる。
101、R102、R103、及びR104は、各々独立に、後述する置換基を表す。本発明においては、複数のR101〜R104で表される置換基のうち少なくとも1つが、後述する有機基であることが好ましい。さらに、該有機基としては、硫黄原子を含有する有機基(含硫黄有機基)が好ましい。
n1、n2、n3、及びn4は、各々独立に、0〜4の整数を表す。n1〜n4の値の総和は1以上であることが好ましく、より好ましくは2以上である。
また、フタロシアニン系化合物には、構造中の任意の位置に酸基を有することが好ましい。酸基とは、アルカリ性水溶液に対して解離可能な官能基であれば種類を問わないが、具体的な例としては、スルホン酸、カルボン酸、フェノール性水酸基、スルホンアミド、リン酸などが挙げられる。
また、これらの酸基は、2価以上の金属の塩となっていてもよく、その際の金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、銅、コバルト、鉄などが挙げられる。
フタロシアニン系化合物としては、以下に示すいずれかの場合が好ましい。
1)MがCuであり、Z、Z、Z、及びZが形成する6員環がベンゼン環であり、複数のR101〜R104のうち少なくとも1つが含硫黄有機基である化合物、
2)MがCuであり、Z、Z、Z、及びZが形成する6員環がベンゼン環及び/又はピリジン環であり、複数のR101〜R104のうち少なくとも1つがハロゲン原子又は含硫黄有機基である化合物、である。更には、
3)MがCuであり、Z、Z、Z、及びZが形成する6員環がベンゼン環であり、複数のR101〜R104のうち少なくとも1つが−SR(Rは後述する有機基)であり、該有機基Rの任意の位置に酸基を含有する化合物、
4)MがCuであり、Z、Z、Z、及びZが形成する6員環がベンゼン環及び/又はピリジン環であり、複数のR101〜R104のうち少なくとも1つがハロゲン原子又はスルホンアミド基である化合物、が好ましい。
以下、フタロシアニン系化合物の具体例(例示化合物A4−1〜A4−19)を示す。但し、本発明においては、これらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2007128060
Figure 2007128060
Figure 2007128060
Figure 2007128060
下記の具体例(A5−1〜A5−38)においては、環A1、環A2、環A3、及び環A4は、各々独立にベンゼン環又はピリジン環を表す。ピリジン環の場合は、その縮環方向によりNの位置が異なる位置異性体が存在する。また、置換基の置換位置が異なる異性体もそれぞれに存在する。
Figure 2007128060
Figure 2007128060
−アゾメチン系化合物−
アゾメチン系化合物とは、分子内にアゾメチン基〔RaC(Rb)=N−〕を有する化合物をさす。ここで、Ra、Rbは、任意の有機基を表す。
アゾメチン系化合物としては、ヘテロ環を含むものが好ましい。ヘテロ環としては、既述のヘテロ環アゾ系化合物におけるヘテロ環と同様のものが挙げられる。これらの中では、環内に窒素原子を含有するヘテロ環(含窒素ヘテロ環)が好ましい。
また、本発明においては、既述のヘテロ環が複数縮環した構造を有するものが好ましい。この中でも特に、ピラゾール、ピラゾリン、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾールで選択されるヘテロ環が2つ縮環した構造が好ましい。
また、アゾメチン系化合物には、構造中の任意の位置に酸基を有することが好ましい。酸基とは、アルカリ性水溶液に対して解離可能な官能基であれば種類を問わないが、具体的には、スルホン酸、カルボン酸、フェノール性水酸基、スルホンアミド、リン酸などが挙げられる。また、酸基が2価以上の金属の塩となっていてもよく、その際の金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、銅、コバルト、鉄などが挙げられる。
アゾメチン系化合物としては、1)ピラゾリンとトリアゾールとが縮環した構造を有し、アゾメチン基の窒素原子に芳香環が置換しており、構造中の任意の位置に酸基を有する化合物が好ましく、更には、
2)以下に示すピラゾリンと1,2,4−トリアゾールとが縮環した構造〔左側から、7H−ピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリアゾール又は7H−ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアゾール〕を有し、アゾメチン基の窒素原子に置換した芳香環がキノリン骨格であり、構造中の任意の位置にカルボン酸及び/又はスルホンアミドを有する化合物、が好ましい。
Figure 2007128060
以下、アゾメチン系化合物の具体例(例示化合物A6−1〜A6−28)を示す。但し、本発明においては、これらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2007128060
Figure 2007128060
Figure 2007128060
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−置換基の説明−
本明細書中の「置換基」について説明する。
本明細書において、「置換基」とは、無機、有機を問わず任意の基を表し、具体的には、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、アルキル基(直鎖状、分岐状、環状を含む。)、アルケニル基(直鎖状、分岐状、環状を含む。)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ホルミル基又は、下記群(A)から選択される1種の部分構造とアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、及びヘテロ環基から選択される1種の部分構造とを任意に組み合わせた基が挙げられる。
群(A):エーテル基、アミノ基、チオエーテル基、ケトン基、エステル基、アミド基、ウレタン基〔カルバモイル基 −O−CO−N(R)−〕、ウレア基〔−N(R)−CO−N(R)−〕、スルフィニル基〔−SO−〕、スルホニル基〔−SO−〕、スルホン酸エステル基〔−SO−O−〕、スルホンアミド基〔−SO−N(R)−〕、イミド基〔−CO−N(R)−CO−〕、スルホニルアミド基〔−SO−N(R)−CO−〕、ジスルホニルイミド基〔−SO−N(R)−SO−〕
前記群(A)中の窒素原子に結合しているRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基のいずれかを表す。
前記「置換基」において、アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状いずれであってもよい。環状の場合は、単環、多環のいずれでもよい。アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などが挙げられる。また、これらアルキル基の任意の位置にさらに置換基を有していてもよく、さらなる置換基には上記のアルキル基自身を含め、上記の「置換基」の全てが含まれる。また、環状のアルキル基の場合は、環を構成する炭素−炭素結合の任意の位置に、上述の群(A)から選択される部分構造が挿入されていてもよい。
前記「置換基」において、アルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状いずれであってもよい。環状の場合は、単環、多環のいずれでもよい。アルケニル基としては、炭素数1〜30のアルケニル基が好ましく、具体的には、ビニル基、アリル基、1−メチルビニル基、3−ブテン−1−イル基、シクロペンタン−2−エン−1−イル基、シクロヘキサン−2−エン−1−イル基、シクロヘキサン−1−エン−1−イル基などが挙げられる。また、これらアルケニル基の任意の位置にさらに置換基を有していてもよく、さらなる置換基には上記の「置換基」の全てが含まれる。また、環状のアルケニル基の場合は、環を構成する炭素−炭素結合の任意の位置に、上述の群(A)から選択される部分構造が挿入されていてもよい。
前記「置換基」において、アルキニル基は、エチニル基であるが、エチニル基の水素原子に置き換えて置換基を有していてもよい。ここでの置換基としては、上記の「置換基」の全てが含まれる。
前記「置換基」において、アリール基は、芳香環であれば単環、縮合環のいずれであってもよく、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基などが挙げられる。また、これらアリール基の任意の位置にさらに置換基を有していてもよく、さらなる置換基としては、上記の「置換基」の全てが含まれる。
前記「置換基」において、ヘテロ環基は、環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、硫黄原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環であっても不飽和環であってもよく、単環であっても縮合環であってもよい。例えば、テトラヒドロフラニル基、ジヒドロフラニル基、ジヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基、オキソカニル基、ジオキサニル基、テトラヒドロチオフェニル基、ヂチアニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、テトラヒドロピリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、ピペリジニル基、ピロリル基、フリル基、チオフェニル基、ベンゾピロリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ピラゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、フェナンスリジニル基、フタラジニル基、カルバゾリル基、ウラシル基、ジチオウラシル基、カルボリニル基、プリニル基、チアジアゾリル基等を挙げることができる。また、これらヘテロ環基の任意の位置にさらに置換基を有していてもよく、さらなる置換基としては、上記の「置換基」の全てが含まれる。
また、上述した「有機基」とは、上記の「置換基」のうち、少なくとも炭素原子を含むものをさす。
上記において、前記フタロシアニン系化合物中のR101〜R104で表される有機基としては、含硫黄有機基が好ましく、更には、置換基を有していてもよい、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミド基が好ましい。また、前記アゾメチン系化合物中のRa、Rbで表される有機基としては、Ra、Rbが一緒になって含窒素ヘテロ環を形成していることが好ましい。
−他の染料−
次に、本発明の組成物に含有できる上記以外の他の染料について説明する。
更に含んでもよい他の染料(有機溶剤可溶性染料を含む)としては、特に制限はなく、従来よりカラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の色素が使用できる。
化学構造としては、上記以外のアゾ系染料及び、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、フェノチアジン系、上記以外のアゾメチン系、キサンテン系、上記以外のフタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、アンスラピリドン系、等の色素が挙げられる。
水又はアルカリ現像を行なうレジスト系に構成する場合には、現像により染料を完全に除去するという点で、酸性染料及びその誘導体の少なくとも一種が好適に使用できる場合がある。その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、及びこれらの誘導体等の中から適宜少なくとも一種を選択して使用することも有用である。
以下、酸性染料及びその誘導体について説明する。酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸やフェノール性水酸基等の酸性基を有する色素であれば、特に制限されものではないが、組成物の調製や現像処理に用いる有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
前記酸性染料の具体例、好ましい例としては、特開2005−227722号公報に記載の染料が挙げられるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
前記酸性染料の誘導体としては、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と含窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体等が使用できる。前記酸性染料の誘導体は、硬化性組成物溶液として溶解させることができるものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とする性能の全てを考慮して選択される。
前記酸性染料と含窒素化合物との塩について説明する。
酸性染料と含窒素化合物との塩を形成する方法は、酸性染料の溶解性改良(有機溶剤への溶解性付与)や、耐熱性および耐光性改良に効果的な場合がある。
酸性染料と塩を形成する含窒素化合物、および酸性染料とアミド結合を形成する含窒素化合物について説明する。
含窒素化合物は、塩またはアミド化合物の有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度・透過率、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、着色剤としての耐熱性および耐光性等の全てを勘案して選択される。吸光度・透過率の観点のみで選択する場合には、前記含窒素化合物としてはできるだけ分子量の低いものが好ましく、中でも分子量300以下のものが好ましく、分子量280以下のものがより好ましく、分子量250以下のものが特に好ましい。
酸性染料と含窒素化合物との塩における、含窒素化合物/酸性染料のモル比(以下、「n」という。)について説明する。
前記nは、酸性染料分子と対イオンであるアミン化合物とのモル比率を決定する値であり、酸性染料−アミン化合物の塩形成条件によって自由に選択することができる。具体的には、酸性染料中の酸の官能基数の0<n≦5の間の数値が実用上多く用いられ、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等、必要とする性能の全てを考慮して選択される。吸光度のみの観点で選択する場合には、前記nは0<n≦4.5の間の数値をとることが好ましく、0<n≦4の間の数値をとることがさらに好ましく、0<n≦3.5の間の数値をとることが特に好ましい。
前記に示した酸性染料はその構造上酸性基を導入したことにより、酸性染料となっていることから、その置換基を変更することにより、非酸性染料とすることができる。
酸性染料は、アルカリ現像の際に好適に作用する場合もあるが、一方で過現像となってしまうこともあり、非酸性染料を好適に使用する場合もある。
これら染料は、補色系であるイエロー、マゼンタおよびシアンを構成させるときはそれぞれ単色の染料を用いるが、原色系であるレッド、グリーン、ブルーを構成させる場合には、二種類以上の染料を組合わせを用いる。本発明においては、二種類以上の染料を組合わせて原色系を組上げることが好ましい。
(顔料)
本発明における着色剤として使用できる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく細かいものの使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。
また、上記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができる。具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
上記有機顔料としては、例えば、以下の顔料を挙げることができる。
C.I.ヒ゜ク゛メント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.ヒ゜ク゛メント オレンシ゛36, 38, 43, 71;
C.I.ヒ゜ク゛メント レット゛81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ヒ゜ク゛メント ハ゛イオレット 19, 23, 32, 39;
C.I.ヒ゜ク゛メント フ゛ルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ヒ゜ク゛メント ク゛リーン 7, 36, 37;
C.I.ヒ゜ク゛メント フ゛ラウン 25, 28;
C.I.ヒ゜ク゛メント フ゛ラック 1, 7;
本発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ヒ゜ク゛メント イエロー 11, 24, 108, 109, 110, 138, 139, 150, 151, 154, 167, 180, 185,
C.I.ヒ゜ク゛メント オレンシ゛36, 71,
C.I.ヒ゜ク゛メント レット゛ 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ヒ゜ク゛メント ハ゛イオレット 19, 23, 32,
C.I.ヒ゜ク゛メント フ゛ルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ヒ゜ク゛メント ク゛リーン 7, 36, 37;
C.I.ヒ゜ク゛メント フ゛ラック 1
本発明における光硬化性着色樹脂組成物は、前記有機顔料として緑色、赤色、または青色の有機顔料を含有することが好ましい。
これら夫々の有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。
以下に、上記組合せ等の具体例を示す。
赤の顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独またはそれらの赤顔料同士を組み合わせた混合系顔料、それらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料との混合系顔料などを用いることができる。
例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合が好ましい。
また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:75が好ましい。この範囲をはずれると光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。さらに好ましい質量比としては、100:10〜100:50である。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、または、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。
例えば、このような例としては、C.I.ピグメントグリーン36の単独、あるいはC.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180またはC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。
緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:150が好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。
例えばC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:30が好ましい。
また、本発明の光硬化性組成物において、全固形成分中における前記着色剤の含有量は40質量%以上である。前記着色剤の含有量が40質量%未満であると、画素の膜厚を1.5μm以下とした場合に、充分な色濃度が得られず、例えば、それを用いたイメージセンサ(固体撮像素子)の色分離性を低下させてしまう。
前記着色剤の含有量としては、全固形分に対して40質量%以上であり、好ましくは45質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上である。また、前記着色剤の含有量の上限は特に限定はないが、硬化性および感度の低下を防止すべく、光重合性化合物および光重合開始剤の含有量をある程度確保する観点から、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
(光重合性化合物)
次に、前記光重合性化合物について説明する。
本発明における光重合性化合物は、分子内にアルカリ可溶性基を有することが必要である。ここで、分子内にアルカリ可溶性基を有するとは、従来公知の光重合性化合物の主鎖にアルカリ可溶性基が結合しても、側鎖にアルカリ可溶性基が結合する形態の化合物で形態であっても、特に限定されるものではない。
本発明の光硬化性組成物は、分子内にアルカリ可溶性基を有する光重合性化合物を用いることにより、一般的に用いるアルカリ可溶性樹脂を用いる必要がなくなり、その結果、前記着色剤、光重合性化合物及び光重合性開始剤の総含有量を増すことができ、さらに、光照射することにより膜硬化性を確保することができる。
また、本発明のカラーフィルタの薄膜化においても、本発明の前記光硬化性組成物を用いることにより、充分な色濃度を有し、アルカリ現像性を保持し、かつ、画素のパターンプロファイルの矩形性に優れたものとすることができる。
前記アルカリ可溶性基としては、特に限定されるものではなく、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、などの酸性基である。中でも、カルボキシル基が好ましい。
前記アルカリ可溶性基が結合する前記側鎖としては、特に限定されず、例えば、エチレンオキサイド鎖、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、ヒドロキシ基、スチレン基などが挙げられる。
前記アルカリ可溶性基が結合する前記側鎖の位置としては、側鎖の末端部分であっても、また側鎖の中央部分であっても、特に限定されるものではない。
前記公知の光重合性化合物としては、例えば、ラジカル重合性モノマー等が挙げられる。本発明において用いられる光重合性化合物としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性二重結合(重合性官能基)を有することが好ましく、さらに、前記重合性官能基数は、2以上であり、好ましくは3以上20以下であり、更に好ましくは3以上15以下であり、最も好ましくは3以上10以下である。官能基数があまり多いと反応性が低下するので好ましくない。
更に前記光重合性化合物は、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましく、前記重合性官能基との組合せがより好ましい。
前記ラジカル重合性モノマーの例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの;特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物;を挙げることができる。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも挙げることができる。
本発明における前記光重合性化合物として、下記に具体例を挙げる。ただし、本発明における光重合性化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007128060
本発明の光硬化性組成物中における前記光重合性化合物の含有量は、上述の通り、着色剤および光重合開始剤との総含有量が80質量%以上となるように決定されることが好ましく、色濃度等の観点から、全固形分に対して85質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
<光重合開始剤>
上記光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール;特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物;米国特許USP−4318791、欧州特許公開EP−88050A等に記載のケタール、アセタールまたはベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物;米国特許USP−4199420に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物;Fr−2456741に記載の(チオ)キサントン類またはアクリジン類化合物;特開平10−62986号公報に記載のクマリン類またはロフィンダイマー類等の化合物;特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等;等を用いることができる。
本発明において、上記光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、トリアジン系、ハロメチルオキサジアゾール系、アクリジン類系、クマリン類系、ロフィンダイマー類系、ビイミダゾール系、等の光重合開始剤を用いることが好ましい。
上記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノンなどを好適に挙げることができる。
上記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを好適に挙げることができる。
上記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1等を好適に挙げることができる。
上記ベンゾイン系またはベンゾイル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ゼンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベゾエート等を好適に挙げることができる。
上記キサントン系光重合開始剤としては、例えば、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、モノイソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、等を好適に挙げることができる。
上記トリアジン系光重合開始剤としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メチルビフェニル)−s−トリアジン、p−ヒドロキシエトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル−s−トリアジン、3,4−ジメトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−ベンズオキソラン−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン等を好適に挙げることができる。
上記ハロメチルオキサジアゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾール等を好適に挙げることができる。
上記アクリジン類系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等を好適に挙げることができる。
上記クマリン類系光重合開始剤としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を好適に挙げることができる。
上記ロフィンダイマー類系光重合開始剤としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等を好適に挙げることができる。
上記ビイミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、2,2’−ベンゾチアゾリルジサルファイド等を好適に挙げることができる。
その他、上記光重合開始剤としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明では、以上の光重合開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも使用することができる。例えば、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号および第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
上記光重合開始剤の使用量は、光硬化性着色樹脂組成物の全固形分の0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%である。光重合開始剤の使用量が0.1質量%より少ないと重合が進みにくい場合があり、また、10.0質量%を超えると膜強度が弱くなる場合がある。
(その他の添加剤)
本発明の光硬化性組成物においては、上述の着色剤、光重合性化合物および光重合開始剤以外に添加物を含有させることができる。但し、前記着色剤、光重合性化合物および光重合開始剤以外の総含有量は、組成物の全固形分に対して20質量%未満であることが好ましく、15質量%未満であることが更に好ましく、10質量%未満であることが特に好ましい。
以下に、本発明の光硬化性組成物において、用いることのできる前記着色剤、光重合性化合物および光重合開始剤以外の添加物について説明する。
−アルカリ可溶性バインダー−
まず、アルカリ可溶性バインダーについて説明する。
本発明の光硬化性組成物は、アルカリ可溶性バインダーを本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
前記アルカリ可溶性バインダーは、アルカリ可溶性であれば特に限定はないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
前記アルカリ可溶性バインダーとしては、線状有機高分子重合体であり、且つ、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
前記のほか、前記アルカリ可溶性バインダーとしては、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。
また、前記線状有機高分子重合体は、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよい。この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級若しくは3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のブチル(メタ)アクリレート、または、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
−架橋剤−
本発明においては、補足的に架橋剤を用いて更に高度に硬化させた膜を得ることも可能である。以下、架橋剤について説明する。
本発明に使用可能な架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
前記(a)エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、かつ架橋性を有するものであればいずれであってもよく、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノールAテトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物、等が挙げられる。
前記架橋剤(b)に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が置換している数としては、メラミン化合物の場合2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は3〜4である。
以下、前記(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物およびウレア化合物を総じて、(b)に係る(メチロール基、アルコキシメチル基またはアシロキシメチル基含有)化合物という。
前記(b)に係るメチロール基含有化合物は、(b)に係るアルコキシメチル基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することにより得られる。前記(b)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(b)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
以下、前記置換基を有する(b)に係る化合物の具体例を挙げる。
前記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
前記グアナミン化合物として、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
前記グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
前記ウレア化合物として、例えば、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルウレア、などが挙げられる。
これら(b)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
前記(c)の架橋剤、即ち、メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物は、前記架橋剤(b)の場合と同様、熱架橋により上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制すると共に、膜強度を更に高めるものである。以下、これら化合物を総じて、(c)に係る(メチロール基、アルコキシメチル基またはアシロキシメチル基含有)化合物ということがある。
前記架橋剤(c)に含まれるメチロール基、アシロキシメチル基またはアルコキシメチル基の数としては、一分子当り最低2個必要であり、熱架橋性および保存安定性の観点から、骨格となるフェノール化合物の2位,4位が全て置換されている化合物が好ましい。また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位、パラ位が全て置換されている化合物が好ましい。前記フェノール化合物の3位または5位は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
前記ナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
前記(c)に係るメチロール基含有化合物は、フェノール性OH基の2位または4位が水素原子である化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと反応させることにより得られる。
前記(c)に係るアルコキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより得られる。
前記(c)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
架橋剤(c)における骨格化合物としては、フェノール性OH基のオルト位またはパラ位が未置換の、フェノール化合物、ナフトール、ヒドロキシアントラセン化合物等が挙げられ、例えば、フェノール、クレゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、ビスフェノールAなどのビスフェノール類、4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン、等が使用される。
前記架橋剤(c)の具体例としては、フェノール化合物として、例えば、トリメチロールフェノール、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリメチロールフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、トリ(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロール−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−クレゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、テトラメトキシメチルビスフェノールA、テトラメチロールビスフェノールAの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラメチロール−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、テトラメトキシメチル−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、TrisP−PAのヘキサメトキシメチル体、TrisP−PAのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、ビスヒドロキシメチルナフタレンジオール、等が挙げられる。
また、ヒドロキシアントラセン化合物として、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられ、アシロキシメチル基含有化合物として、例えば、前記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物等が挙げられる。
これらの化合物の中で好ましいものとしては、トリメチロールフェノール、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキサメチロール体またはそれらのメチロール基がアルコキシメチル基およびメチロール基とアルコキシメチル基との両方で置換されたフェノール化合物が挙げられる。
これら(c)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
前記架橋剤の光硬化性組成物における総含有量としては、素材により異なるが、硬化性を向上させる観点から、前記光硬化性組成物の固形分(質量)に対して、0.1〜7質量%が好ましく、0.1〜6質量%がより好ましく、0.15〜5質量%が最も好ましい。
−熱重合防止剤−
本発明の光硬化性組成物には、以上のほか、更に熱重合防止剤を加えておくことが好ましい。例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
熱重合防止剤の含有量としては、光硬化性組成物の安定性の観点から、前記光硬化性組成物の固形分(質量)に対して、0.1〜15質量%が望ましい。
−有機溶剤−
本発明に用いることのできる有機溶剤は、各成分の溶解性や光硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に着色剤等の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。また、本発明の光硬化性組成物を調製する際には、少なくとも2種類の有機溶剤を含むことが好ましい。
前記有機溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、等;
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、等;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等の2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、等;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、等;
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、等;
ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、等が好ましい。
上述の通りこれらの有機溶剤は、本発明の光硬化性組成物の含有成分の溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合してもよく、特に、前記3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液が好適に用いられる。
本発明における有機溶剤の使用量は、塗布性の観点から、本発明の光硬化性組成物の全固形分濃度が5〜80質量%になる量とすることが好ましく、5〜60質量%が更に好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。
−各種添加物−
本発明の光硬化性組成物には、更に各種添加物、例えば充填剤、前記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。
前記各種添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
また、非画像部のアルカリ溶解性を促進し、本発明の光硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、前記組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行うことができる。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
《カラーフィルタ》
次に、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、既述の本発明の光硬化性組成物が用いられる。
本発明のカラーフィルタは、基板上に、前記光硬化性組成物からなる塗布膜を形成し、前記塗布膜を、アルカリ現像を用いたフォトリソ法によってパターニングして形成された画素を有することを特徴とする。
このような構成とすることにより、本発明のカラーフィルタは画素間の色の均一性に優れ、画素のパターンプロファイルの矩形性も優れたものにすることができる。
本発明のカラーフィルタは、波長400nm〜700nmの範囲において、最小透過率が10%以下で、かつ、前記波長範囲おける最大透過率と前記最小透過率との差が65%以上であることが好ましい。
中でも、カラーフィルタの色分離性と透過率の観点から前記最小透過率は8%以下が好ましく、6%以下が特に好ましい。
また、前記波長範囲おける最大透過率と前記最小透過率との差が、より好ましくは70%以上、特に好ましくは75%以上である。
これらの組合せでは、より好ましい組合せがより好ましい。
本発明のカラーフィルタにおいて、基板上に形成される画素の厚みは、カラーフィルタの薄膜化の観点から、1.5μm以下であることが好ましく、1.3μm以下であることが更に好ましく、1.2μm以下であることが特に好ましい。
前記画素の厚みの下限値は、特に限定されないが、カラーフィルタとしての機能、生産性、平滑性の観点から、0.3μm以上、更に0.5μm以上であることが好ましい。
更に、前記画素の最大辺(画素を上方から観察した場合における最大辺)の長さは、画素を高密度にして、高解像度を実現する観点から、5.0μm以下であることが好ましく、4μm以下であることが更に好ましく、3.5μm以下であることが特に好ましい。
前記画素の最大辺の下限値は、特に限定されないが、可視光を透過させるフィルターの機能の性格上、0.4μm以上であることが望ましい。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、具体的には、まず、本発明の光硬化性組成物を基板上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して塗布層(光硬化性組成物層)を形成し、前記層を所定のマスクパターンを介して露光して、アルカリ性水溶液などの現像液でアルカリ現像することによって、ネガ型の着色パターン(画素)を形成することができる(画像形成工程)。
また、必要により、形成された着色パターンを加熱および/または露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
また、本発明のカラーフィルタの作製においては、前記画像形成工程(および必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルタを作製することができる。この際に使用される光若しくは放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
前記基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
前記現像液としては、本発明の光硬化性組成物の未照射部(未硬化部)を溶解する一方、照射部(硬化部)は溶解しない組成よりなるものであればいかなるものも用いることができる。
具体的には、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。前記有機溶剤としては、本発明の光硬化性組成物を調製する際に使用される前述の有機溶剤が挙げられる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。尚、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合は、一般に、現像後水で洗浄する。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」は「質量部」である。
[実施例1]
1)透明層の作製
フォトダイオードが形成された6インチ径のシリコン基板上にスビンコート法により透明層用塗布液CT−2000L(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を塗布し、その後、オーブン中で220℃×1hr加熱乾燥させて、膜厚2μmの透明層を得た。
2)光硬化性組成物の調製
溶剤:シクロヘキサノン ・・・800部
下記光重合性化合物A ・・・ 70部
光重合開始剤:o−アシルオキシム系化合物(CGI−124:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) ・・・ 30部
酸性染料A:Valifast Blue 2620(オリエント化学(株)製)
・・・ 25部
染料B:下記染料(B) ・・・ 75部
を混合して溶解し、光硬化性組成物を調製した。
染料(B)
Figure 2007128060
上記染料Bは、下記スキームにしたがって合成した。
Figure 2007128060
(化合物Bの合成)
上記化合物A25.0g(0.162モル)をメタノール100ml、トリエチルアミン23mlに溶かし、5℃の冷却撹拌下で30%過酸化水素水9mlを、内温25℃までに保ちつつ滴下した。反応液を25℃で更に30分間撹拌し、再び5℃に冷却し、撹拌下に、濃塩酸15mlを滴下し、更に水200mlを添加し、25℃で1時間撹拌した。析出した結晶を濾過し、水で充分洗浄し、得られた結晶を乾燥し、白色結晶(化合物B)24.7gを得た。収率は99.5%であった。
(化合物C、D、Eの合成)
上記化合物B17.5質量部(0.114モル)にトルエン100ml、ジメチルアセトアミド0.25mを加え、還流下に塩化チオニル25mlを10分間で滴下した。更に1時間加熱環流した後、減圧下濃縮し、粘調液体を得た。一方、ジエトキシエチルアミン38.0質量部(0.235モル)にジメチルアセトアミド10ml、アセトニトリル100mlを添加し10℃で撹拌下に、前記粘調液体を15分間で15℃までに保ちつつ滴下した。更に30分間撹拌した後、水100ml、酢酸エチル100mlに注ぎ、酢酸エチル層を分液し、水100mlで2回洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去し、淡黄色粘調液体(化合物C)を得た。
この淡黄色粘調液体(化合物C)に水50ml、エタノール200ml、亜鉛粉末12質量部(0.200モル)を添加し、加熱還流下に硫酸10mlを水40mlに希釈した溶液を20分間で滴下した。更に30分間加熱撹拌し、その後冷却し、不溶物を濾別した。得られた溶液に、飽和食塩水50ml、酢酸エチル100mlを添加し、分液し、酢酸エチル層を水100mlで2回洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去し、淡黄色粘調液体(化合物D)を得た。
この粘調液体(化合物D)を窒素雰囲気下で撹拌下にジメチルアセトアミド70ml、炭酸カリウム15質量部(0.108モル)を添加し、20℃で撹拌下に、3−ニトロフタロニトリル19.7質量部(0.113モル)を25℃以下で徐々に添加した。更に30分間撹拌した後、水300ml撹拌下に注ぎ、得られた結晶を濾過し、充分水洗した。得られた結晶をメタノール70mlで再結晶し、析出した結晶を冷メタノール30mlで洗浄し、乾燥し、白色結晶(化合物E)を35.0質量部(0.082モル)得た。化合物Eの収率は72.6%であった。
〈染料Bの合成〉
化合物E34.4質量部(0.081モル)にブタノール150ml、炭酸アンモニウム6.7質量部(0.070モル)、塩化銅4.7質量部(0.035モル)を添加し、7時間加熱撹拌した。その後ブタノールを減圧下留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、上記染料Bの粉末25質量部(0.020モル)を得た。収率は72.7%であった。
得られた染料Bの酢酸エチル中の吸収はλmax70、6.8nm、ε55.600であった。
3)光硬化性塗膜の作製と露光・現像
前記2)光硬化性組成物の塗布液を1)で得られた透明層上にスピンコート法により塗布し、ホットプレートにより100℃×120secで加熱処理(Prebake)して、膜厚が1μmになるようにして光硬化性塗布膜を得た。
次いで、i線ステッパ露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、その塗布膜に365nmの波長で最大辺2μmのIslandパターンマスクを通して3000mJ/cm2の露光量で照射した。
露光後、スピン・シャワー現像機(DW−30型(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に光硬化性塗布膜を形成させた基板をのせ、現像液CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を使用して、23℃で60sec間パドル現像を行った。
その後、真空チャック方式で前記水平回転テーブルに固定し、回転装置により50rpmで基板を回転しつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給し、Rinse処理した後、スプレー乾燥し、カラーフィルタを得た。
4)カラーフィルタのパターンプロファイル及び残渣の評価方法
前記カラーフィルタについて、それぞれ1つのパターンをSEM(日立製作所(株)製、S−9260A)を用いて真上から観察し、パターンプロファイルについては矩形なものを「○」、矩形性が劣るものを「△」、ぼやけて輪郭がはっきりしないものを「×」と評価した。その画素パターンの形状を図1に示す。図1において、1は画素を表し、2は透明層面を表す。また、残渣については未露光部に残渣がないものを「○」、残渣が少し残るものを「△」、残渣が残るものを「×」と評価した。評価結果を表2に示す。
5)カラーフィルタ用塗布膜の吸収極大透過率、吸収極小透過率の評価方法
光硬化性組成物をガラス基板上にスピンコート法により塗布し、ホットプレートにより100℃×120secで加熱処理(プリベーク)して、膜厚が1.0μmになるようにしてカラーフィルタ用塗布膜を得た。
前記カラーフィルタ用塗布膜を分光光度計(大塚電子(株)製、MCPD−2000)を用いて波長400nm〜700nmの透過率を測定した。
前記透過率の内、最小透過率を吸収極小透過率とし、最大透過率を吸収極大透過率とし、その差を計算した。その評価基準は、65%未満であれば実用上問題である、65%以上75%未満であれば実用上問題ない、75%以上であれば優れている、とした。評価結果は、表2に示す。
[実施例2〜7]
実施例1において、光硬化性組成物に含まれる各組成物を下記表1に示す組成にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、光硬化性組成物を調製し、また、カラーフィルタを作製し、実施例1と同様に評価した。
更に、実施例1の評価方法におけるレジスト層を、前記光硬化性組成物を用いてカラーフィルタ用塗布膜を形成し、評価した。
[比較例1〜4]
実施例1において、光硬化性組成物に含まれる各組成物を下記表1に示す組成にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、比較用の光硬化性組成物を調製し、また、比較用のカラーフィルタを作製し、実施例1と同様に評価した。比較例1における画素パターンの形状を図2に示す。図2において、1は画素を表し、2は透明層面を表す。
また、実施例1の評価方法におけるカラーフィルタ用塗布膜を、前記光硬化性組成物を用いてカラーフィルタ用塗布膜を形成し、実施例1と同様に評価した。
Figure 2007128060
上記表1において各化合物は以下の通りである。
・光重合性化合物C:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)
・酸性染料A:Valifast Blue 2620(オリエント化学(株)製)
・染料B:上記染料B
・樹脂A:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(70/30共重合比 平均分子量30,000)
また、表1中の光重合性化合物A、光重合性化合物B、および光重合性化合物Dは下記に示す通りである。
Figure 2007128060
Figure 2007128060
また、上記表1に示す実施例7で用いた顔料分散液は下記のように調製した。
<顔料分散液の調製>
下記組成を3000r.p.m.の条件でホモジナイザーを用いて1時間攪拌した。得られた混合溶液を、0.1mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し、分散物を得た。
−顔料分散液の組成−
・Pigment Blue 15:6 … 15部
・分散樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=75/25[質量比]、重量平均分子量Mw:16000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) … 9部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(30%)溶液 … 3部
・プロピレンクリコールモノメチルエーテルアセテート … 73部
Figure 2007128060
上記表2に示すように、本発明の実施例では、パターンプロファイルが良好な矩形を示し、現像残渣もなく、色分離性が良好で色濃度(吸収極大透過率と吸収極小透過率との差)が高い画素を得ることができた。
これに対し、比較例1及び比較例3のカラーフィルタのパターンプロファイルは、ぼやけて輪郭がはっきりせず、矩形とはならなかった。さらに、比較例1の未露光部には残渣があり、現像が不十分であった。また、比較例2及び3は、色分離性が不十分であった。
また、図1及び図2から明らかな通り、図1の本発明の実施例1では画素の輪郭がシャープで上から見た画素の角よりも角張っているのに対して、図2の比較例1では、画素の輪郭がぼやけており下地の透明層面との界面ですそが広がった形状になっており、見た画素の角もより丸みを帯びていることが分かる。
実施例1(カルボキシル基を導入した5官能のモノマー使用)のカラーフィルタの画素パターン形状を示す第一の図である。 比較例1(アルカリ可溶性基がない6官能のモノマー使用)のカラーフィルタの画素パターン形状を示す第二の図である。
符号の説明
1 画素
2 透明層面

Claims (10)

  1. 着色剤、光重合性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性組成物において、該着色剤の含有量は全固形分の40質量%以上であり、かつ該光重合性化合物はアルカリ可溶性基を有することを特徴とする光硬化性組成物。
  2. 前記着色剤、前記光重合性化合物及び前記光重合開始剤の総含有量が、前記光硬化性組成物中の全固形分に対して80質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 前記光重合性化合物の重合性官能基数が3以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
  4. 前記着色剤が実質的に染料を主体とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光硬化性組成物。
  5. 前記着色剤の25質量%以上が酸性染料であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光硬化性組成物。
  6. 前記光重合性化合物の前記アルカリ可溶性基は、カルボキシル基、リン酸基およびスルホン酸基の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光硬化性組成物。
  7. 基板上に、請求項1〜6の何れか1項に記載の光硬化性組成物からなる塗布膜を形成し、アルカリ現像を用いたフォトリソ法によるパターニングで形成された画素を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  8. 波長400nm〜700nmの範囲において、最小透過率が10%以下で、かつ、前記波長範囲における最大透過率と該最小透過率との差が65%以上である請求項7に記載のカラーフィルタ。
  9. 前記画素の厚さが0.3μm以上1.5μm以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載のカラーフィルタ。
  10. 前記画素の最大辺が5.0μm以下であることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載のカラーフィルタ。
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WO2009110434A1 (ja) * 2008-03-03 2009-09-11 富士フイルム株式会社 硬化性組成物、およびカラーフィルタ

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