JP2007126349A - Y2o3皮膜およびその製造方法 - Google Patents

Y2o3皮膜およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体製造装置のプラズマエッチィングチャンバー、液晶デバイスなどのプラズマ処理装置などに求められる高い耐プラズマ腐食性を有する部材を提供する。
【解決手段】体積平均粒径が10nm〜300nmであるY23粒子の凝集体からなるY23皮膜。分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmであるY23スラリーを乾燥、熱処理して得られてなるY23皮膜。Y23スラリーの分散媒が多価アルコール誘導体である。Y23スラリーが分散剤としてβ−ジケトンを含む。Y23スラリーがバインダーとしてβ−ジケトン金属錯体を含む。Y23スラリーが、体積平均粒径の異なる分散粒径を有する2種類以上のスラリーの混合スラリーである。分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmであり、Y23濃度が0.1質量%〜40質量%であるY23スラリーを、基材上に、一回の皮膜形成厚さが10nm〜5μmとなるように塗布し、皮膜形成後の熱処理を100℃〜300℃で、10分〜5時間で行う皮膜の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は耐プラズマ腐食性に優れる部材とその製造方法に関するものである。本発明は耐プラズマ腐食性を高めるために基材にY23皮膜を形成するにあたって、原料としてY23ナノ粒子スラリーを用いて形成された皮膜、部材、その皮膜形成方法からなる。
本発明の耐プラズマ腐食性部材は半導体製造装置のプラズマエッチングチャンバー、液晶デバイスなどのプラズマ処理装置に対して適用が可能である。
一般に、半導体および液晶デバイスなどの製造装置であるプラズマエッチング装置の部材に使われている基材としては、AlおよびAl合金などの金属材料、その表面に被覆したAlの陽極酸化膜、あるいはAl23やSi34などの焼結体皮膜などが挙げられるが、これらの材料は、腐食性の高いハロゲンイオンに接すると化学的損傷を受けたり、SiO2やSi34などの微粒子およびプラズマで励起されたイオンによって腐食損傷を受け
ることが知られている。
そこで、基材の耐プラズマ腐食性を高めるために、Y、Sc、La、Ce、Yb、Eu、Dyなどの酸化物や炭化物および窒化物の皮膜を形成する技術がある。例えば、Y23の皮膜形成方法としてはPVD法、CVD法(特許文献1)、溶射法(特許文献2)およびゾルゲル法(特許文献3)などが知られている。
上述した方法のうち、PVD法とCVD法は成膜速度が遅く生産性に劣るほか、CVD法にはCVD原料の分解温度が基材の耐熱温度より高い場合には使用できないという制約があり、例えばエッチングチャンバーに使用されるアルミニウムなどは300℃〜400℃が耐熱の上限であるため適用が難しかった。
また、溶射法およびゾルゲル法は膜中の欠陥が多く、基材をY23で完全に覆うためには300nm程度の厚膜にしないと基材までの連続欠陥が生じ十分な耐プラズマ腐食性が得られなかった。また、従来のゾルゲル法は前記の問題点に加え、プラズマ処理の際にY23微粒子の飛散防止、および皮膜と基材との密着性を良くするためにバインダーとして珪酸塩を添加しているため、珪酸塩由来のチャンバー内汚染が問題になっていた。
特開平10−4083号公報 特許第3510993号公報 特開2003−335589号公報
本発明の目的は、低温条件で皮膜を形成することが可能であり、かつ200nm〜50μmの膜厚でも十分な耐プラズマ腐食性を有する緻密なY23皮膜が形成された部材を提供することにある。
そこで、本発明者等は、上記従来技術に鑑み、鋭意検討した結果、以下の構成の本発明を完成するに至った。
[1]分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmであるY23スラリーを乾燥、熱処理することを特徴とするY23皮膜の製造方法。
[2]分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmであるY23スラリーを塗布、乾燥
、熱処理する[1]のY23皮膜の製造方法。
[3]Y23スラリーの分散媒として多価アルコール誘導体を使用することを特徴とする[1]または[2]のY23皮膜の製造方法。
[4]Y23スラリーが分散剤としてβ−ジケトンを含むことを特徴とする[1]〜[3]のY23皮膜の製造方法。
[5]Y23スラリーがバインダーとしてβ−ジケトン金属錯体を含むことを特徴とする[1]〜[4]のY23皮膜の製造方法。
[6]Y23スラリーが、体積平均粒径の異なる分散粒径を有する2種類以上のスラリーの混合スラリーである[1]〜[5]のY23皮膜の製造方法。
[7]Y23スラリーがβ−ジケトン金属錯体の気相酸化法で製造されたY23粒子を分散媒に分散させたものである[1]〜[6]のY23皮膜の製造方法。
[8]分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmであり、Y23濃度が0.1質量%〜40質量%であるY23スラリーを基材上に一回あたりの皮膜形成厚さが10nm〜5μmとなるように1回または複数回塗布し、皮膜形成後の熱処理を100℃〜300℃の熱処理温度で、10分〜5時間の熱処理時間で行うことを特徴とする[1]〜[7]のY23皮膜の製造方法。
[9]体積平均粒径が10nm〜300nmであるY23粒子の凝集体からなることを特徴とするY23皮膜。
[10]Y23皮膜がエッチングチャンバー部材用である[9]のY23皮膜。
[11][1]〜[8]の方法で製造されたY23皮膜。
[12][9]〜[11]の皮膜で被覆された部材。
[13][9]〜[11]の皮膜で被覆されたエッチングチャンバー用部材。
[14][13]のエッチングチャンバー用部材をそなえたエッチングチャンバー。
以上のように、本発明によれば、プラズマ処理容器および処理容器内の部材表面に、Y23の緻密かつ強固な皮膜を低温でしかも基材の材質を選ばず容易に形成することができる。また、半導体製造装置用途として使用する上で汚染源となる金属を含んでいない点でも優れている。さらに、本発明による皮膜を形成した部材では、膜厚が薄いにも拘わらずハロゲン化合物を含む雰囲気下における耐プラズマエロージョン性が溶射皮膜に対して大幅に向上している。したがって、皮膜形成のコストが大幅に下がる一方、長時間に渡ってプラズマ処理を続けてもチャンバー内はパーティクルによる汚染が少ないため、高品質な製品を効率よく生産することが可能になる。
また、本発明では、Y23スラリーに分散剤およびバインダーを添加しても良い。この場合半導体製造装置用途として使用する上で汚染源となる金属を含まない分散剤およびバインダーを選択することによって、チャンバー内汚染のない皮膜を形成することができる。さらに、本発明によって形成される皮膜は膜に一般的に求められる諸特性、例えば皮膜硬度や対基材密着性およびヒートサイクル耐性などにも優れている。
以下、本発明に係るY23皮膜およびその製造方法および用途について詳細に説明する。
2 3 皮膜
本発明に係るY23皮膜は、体積平均粒径が10nm〜300nmであるY23ナノ粒子の凝集体である。ここでいう凝集体とは前記Y23ナノ粒子がファデルワールス力などにより物理的に極めて強固に固着している状態あるいは化学的に結合(焼結)している状態などをいう。この皮膜は非常に緻密であり、基材まで到達する連続欠陥が無いため200nm〜50μmの膜厚で十分な耐プラズマ腐食性を有する。なお、皮膜には必要に応じて、分散剤、バインダーなどが含まれていても良い。
当該皮膜が、体積平均粒径10nm〜300nmであるY23ナノ粒子の凝集体からなることは、電子顕微鏡で撮影された写真から各粒子の直径を測定(100個以上)し、粒度分布を求めて体積平均粒径を算出することによって確認することができる。分布が二山になる場合も同様に計算する。
2 3 スラリー
本発明に係るY23皮膜は、分散時の粒径が10nm〜300nm(体積平均粒径)であるY23スラリーを用いて形成されてなる。分散時の粒径とは分散スラリーの状態(あるいは分散媒で希釈)で測定された体積平均であり、レーザードップラー法により測定することができる。
スラリー中のY23粒子の分散時の粒径は、さらに好ましくは10nm〜200nm、最も好ましくは10nm〜100nmである。このようなナノオーダーの粒径のY23粒子をY23ナノ粒子とよぶ。分散時の粒径が300nmを越える場合には低温での熱処理では粒子の凝集が不十分となるので、熱処理工程の温度を上げる必要が生じ耐熱温度の低い基材(アルミ板など)の使用が困難となる。熱処理温度を低くするとY23ナノ粒子間の凝集が進まなくなり、結果として皮膜欠陥が大きくなるため、所望する耐プラズマ腐食性を満たすためにより厚い皮膜が必要となる。
また、分散時の粒径を必要以上に小さくすることは、分散させること自体に多大なエネルギーを消費してしまう。
23ナノ粒子の製造方法は気相法(特開2004−168641号公報)や共沈法(特開平8−127773号公報)などが適宜選択可能である。ナノ粒子を分散媒に分散する方法としては超音波法、ボールミル法、ビーズミル法などが適宜選択可能である。ビーズミル法を用いる際はビーズの材質としてはジルコニアなどが使用可能で、ビーズの粒径は5μm〜1mmのものが使用できる。
2 3 スラリーの分散媒
23スラリーの分散媒は、多価アルコール誘導体であることが望ましい。Y23ナノ粒子は相互作用が非常に強く、凝集しやすい性質を持つが、前記分散媒を使用することでY23ナノ粒子をほとんど凝集させること無しに分散することが可能となる。分散媒の種類によって分散性は全く異なり、双極子モーメント、粘度などの観点から、多価アルコール誘導体が好適である。
多価アルコール誘導体は、多価アルコールの、モノエーテル、ジエーテル、モノエステル、ジエステルが好ましい。多価アルコール誘導体としては、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテルなどの2価アルコールの誘導体;グ
リセリンモノアセタート、グリセリンジアセタート、グリセリントリアセタート、グリセリンジアルキルエーテル(例えば、1,2−ジメチルグリセリン、1,3−ジメチルグリセ
リン、1,3−ジエチルグリセリン)などの3価以上の多価アルコール誘導体などが挙げられる。なかでも1−メトキシ−2−プロパノールが特に好ましい。
スラリーの分散剤
23スラリーには分散剤を含んでいてもよい。本発明では、半導体製造装置用途として忌避されるアルカリ金属等を含まないβ−ジケトンが分散剤として特に有用であることを見出した。
β−ジケトンとしては2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(DPM・H)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(DMHD・H)または2,4−ペンタ
ンジオン(acac・H)などが挙げられる。β−ジケトン以外にもβ−ケトエステル類;例えばメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル−3−オキソペンタノエイト、メチル4−メチル−3−オキソペンタノエイト、エチル−4−メチル−3−オキソペンタノエイト、メチル4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイトなども使用できる。
かかる分散剤を用いることによって、分散到達粒径の小粒経化や分散時間の短縮および分散後の再凝集の防止が可能になる。また、β−ジケトンは揮発性であるため塗布後の熱処理工程で気化して皮膜中に残らない。β−ジケトンの添加量としてはY23100質量部に対して1質量部〜10質量部、好ましくは5質量部〜10質量部である。
また、β−ジケトンに併用してノニオン系の界面活性剤を分散剤として添加することもできる。ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型や、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのエステルエーテル型などが挙げられる。ノニオン系の界面活性剤の添加量としてはY23100質量部に対して1質量部〜10質量部、好ましくは5質量部〜10質量部である。
分散剤が多すぎると膜中に不純物として残存して、プラズマ処理の際に分散剤由来の不純物の飛散、または分散剤が飛散した跡のピンホールが部材の腐食原因になってしまうことがあり、好ましくない。また分散剤が少なすぎると十分な分散効果が得られない。
バインダー
23スラリーには、半導体装置部材用途として忌避されるアルカリ金属等を含まないβ−ジケトン金属錯体がバインダーとして含まれていてもよい。
かかるバインダーを用いることによってY23粒子の熱処理工程の温度を下げ、また膜中のナノ粒子間の凝集力を高め、さらに皮膜と部材との密着性を高めることが可能になる。
錯体を構成する金属としては、イットリウムが好ましい。
β−ジケトン金属錯体としては2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(DPM・H)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(DMHD・H)または2,4
−ペンタンジオン(acac・H)のイットリウム錯体などが使用でき、具体的には例えばY(DPM)3、Y(DMHD)3、Y(acac)3などが使用できる。β−ジケトン化合
物の金属錯体以外にもβ−ケトエステル類の金属錯体、例えばメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル−3−オキソペンタノエイト、メチル−4−メチル−3−オキソペンタノエイト、エチル−4−メチル−3−オキソペンタノエイト、メチル−4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル−4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイトの金属錯体の使用も可能である。
β−ジケトン金属錯体の添加量としてはY23100質量部に対して1質量部〜10質量部、好ましくは5質量部〜10質量部である。バインダーが多すぎると皮膜中に不純物として残存して、プラズマ処理の際にバインダー由来の不純物が飛散し、さらにはバインダーが飛散した跡のピンホールが部材の腐食原因になってしまうことがある。またバインダーが少なすぎると十分な分散効果が得られない。
2 3 ナノ粒子
本発明のスラリーに分散させるY23ナノ粒子の製造方法としては、β−ジケトン金属錯体の気相酸化法が挙げられる。この方法の一例としては、β−ジケトン金属錯体の溶液を気化させた気体状のβ−ジケトン金属錯体を含む蒸気と酸素含有ガスまたは酸素とを混合し、管状電気炉等の加熱装置に定量的に供給して、β−ジケトン金属錯体を加熱分解・酸化反応させて金属酸化物微粒子を得る方法がある。また、共沈法など公知の方法によっても可能である。
β−ジケトン金属錯体の気相酸化法によって得られたY23ナノ粒子は、通常数%のカーボン残渣を不純物として含有する。カーボン残渣が多いと膜中に不純物として残存して、プラズマ処理の際にカーボンの飛散、またカーボンが飛散した跡のピンホールが腐食原因になってしまうため好ましくない。これを除去するため、空気雰囲気下100℃〜1000℃の条件で1〜12時間ほど焼成処理を行い、処理後のカーボン残渣を0.5質量%未満とすることが好ましい。
以上の方法によって合成されたY23ナノ粒子は凝集体で存在するため、安定なスラリーを得るためには適切な方法を用いて解砕、微分散させ、かつその分散状態を安定的に維持させる必要がある。凝集体を微分散させる方法には、ビーズミルやジェットミルおよびボールミルなど多くの方法があるが、ナノ粒子の分散を行うためはビーズミルが好ましい。使用するビーズのサイズは、微小であるほど分散速度の向上と到達粒径の低下が可能なので、直径が5μm〜200μm、特に10μm〜100μmのビーズを使用するのが好ましい。また、ビーズの素材は、スラリーへの不純物の混入を最小限とする観点から、耐摩耗性に優れた酸化ジルコニウム製であることが好ましい。
ビーズミルを用いてY23スラリーを作製する方法として具体的には、Y23ナノ粒子と有機分散媒と分散剤とバインダーおよびビーズとを容器に充填し、これらを攪拌する。このときのビーズの容器に対する充填率は、好ましくは85%〜95%であり、Y23ナノ粒子は、Y23ナノ粒子と有機分散媒と分散剤およびバインダーとの合計量を100質量%としたときに、好ましくは1質量%〜50質量%となるような量で使用する。また、攪拌時間は所望する分散到達粒径により適宜決定されるが、通常10分間〜12時間程度である。得られるスラリー中のY23ナノ粒子の分散粒径は、好ましくは10nm〜200nm、さらに好ましくは10nm〜100nmである。
また、ビーズミルを用いてスラリーを作製する際に、前処理として超音波照射や自公転式ミキサーなどによって予め適度な分散をしておいても良い。
2 3 スラリーの粒径分布
23スラリーは、体積平均粒径の異なる分散粒径を有する2種類以上のスラリーを混合スラリーであることがより望ましい。
分散粒径の異なるスラリーを混合すると小さい粒子が大きい粒子の隙間に入り込むことにより、さらなる皮膜の高密度化が可能となる。例えば、分布のピーク径200nm〜300nmと分布のピーク径10nm〜100nmの組み合わせ、あるいは分布のピーク径300nmから200nmと分布のピーク径10nm〜50nmの組み合わせなどが適用できる。
分散粒径の差としては、分布のピーク粒径の差が50〜200nmの範囲にあることが望ましい。
2 3 皮膜の形成
本発明では、Y23スラリーを基材へ塗布、乾燥した後、熱処理を実施してY23皮膜を得る。このとき、スラリー濃度や一回当たりの塗布量および熱処理条件などを最適化することによってクラックやピンホールの無い緻密かつ強固なY23皮膜を形成することが可能となる。
基材
23皮膜の施工対象となる基材としては、半導体製造装置などに使用されるアルミニウムおよびアルミニウム合金、ステンレス鋼を含む各種鉄鋼材料、タングステンおよびタングステン合金、チタンおよびチタン合金、モリブデンおよびモリブデン合金、ガラスなどの酸化物系セラミックス、炭素ならびに非酸化物系セラミックスなどが好適である。また、これらの基材には、皮膜形成前に必要に応じてブラスト処理などを施すか、あるいは耐ハロゲンガス腐食性の高い金属材料から成る皮膜を形成しておいても良い。
2 3 スラリーの塗布
基材へ塗布する際のスラリーのY23濃度は0.1質量%〜40質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%である。濃度が高過ぎると皮膜にクラックを生じることがある。また濃度が低すぎると生産性が低下する。
当該スラリーは基材への塗布、乾燥を繰り返して所望の厚さの皮膜とする。一回あたりの皮膜形成厚さは、10nm〜5μmが好ましく、より好ましくは100nm〜3μmである。一回あたりの皮膜形成厚さが厚すぎると皮膜にクラックを生じることがある。また薄すぎると生産性が低下する。一回あたりの皮膜形成厚さはスラリー濃度、スラリー粘度と塗布量等で調整することが可能である。
最終的なY23皮膜厚は0.05μm〜500μm、好ましくは0.5μm〜50μmである。従来のY23皮膜では300μm以上の厚さが必要であるが、本願の皮膜では50μm以下でも十分な耐プラズマ性を有する。
スラリーの塗布方法としてはエアスプレー法やディップ法およびスピンコート法など公知の方法から施工対象となる基材の寸法、形状などに応じて適宜選択可能である。
2 3 の熱処理
スラリー塗布後の熱処理温度は好ましくは100〜300℃、より好ましくは200〜300℃である。熱処理温度が300℃よりも高くともナノ粒子間の凝集は進み、特に問題はないが、アルミニウムなど耐熱性の低い部材には適用が難しい。また熱処理温度が低すぎると凝集が進まず膜中の欠陥が多くなって皮膜強度が低下する、あるいは分散剤やバインダーが膜中に不純物として残存してしまう、などの不具合が生じることがある。熱処理時間は10分〜5時間が好ましく、より好ましくは30分〜1時間である。熱処理時間の長短は熱処理温度の高低と同じ関係である。
熱処理は角型や円筒型の電気焼成炉やマイクロウエーブ焼成炉などが使用できるが、プ
ラズマを照射することによっても熱処理効果が得られる。なお、皮膜に求められる清浄性によっては、スラリーの塗布や熱処理をクリーンルームあるいはクリーンブースなど清浄な環境下で実施してもよい。
2 3 皮膜の形成例
エアスプレー法によるY23皮膜の形成は以下のような手順で行われる。上記Y23スラリーは有機分散媒(Y23スラリーと同じ分散媒が好ましい。)を用いて0.1質量%〜40質量%に希釈される。この希釈されたスラリーを、エアスプレー装置を用いて部材に対して噴霧し、1分間〜1時間乾燥して有機分散媒を揮発させる。さらに空気雰囲気下100℃〜300℃で10分間〜5時間熱処理してY23ナノ粒子間の凝集を進めるとともにバインダーの分解・酸化反応を起こすことによって部材表面に緻密かつ強固なY23皮膜を形成する。
なお、一回の皮膜形成厚さはスラリーの希釈濃度と噴霧量によって適宜決定されるが、乾燥後、10nm〜5μmの膜厚になるように施工することが好ましく、さらに好ましくは100nm〜3μmである。一回の皮膜形成厚さが厚すぎると膜のクラックを生じ、また薄すぎると生産性が低下するため好ましくない。スラリー塗布後の熱処理温度は好ましくは200℃〜300℃である。熱処理温度が高いとナノ粒子間の凝集は進むがアルミニウムなど耐熱性の低い部材には適用が難しい。また熱処理温度が低すぎると凝集が進まず膜中の欠陥が多くなって皮膜強度が低下する、あるいは分散剤やバインダーが膜中に不純物として残存してしまう、などの不具合が生じるため好ましくない。
同様に、ディップ法によるY23皮膜の形成は以下のような手順で行われる。上記Y2
3スラリーは有機分散媒(Y23スラリーと同じ分散媒が好ましい。)を用いて0.1
質量%〜40質量%に希釈される。この希釈されたスラリーを、ディップコーティング装置を用いて部材に対して塗布し、1分間〜1時間乾燥して有機分散媒を揮発させる。さらに空気雰囲気下100℃〜300℃で10分間〜5時間熱処理してY23ナノ粒子間の凝集を進めるとともにバインダーの分解・酸化反応を起こすことによって部材表面に緻密かつ強固なY23皮膜を形成する。なお、一回の皮膜形成厚さはスラリーの希釈濃度と部材の引き上げ速度によって適宜決定されるが、乾燥後、10nm〜5μmの膜厚に施工することが好ましく、さらに好ましくは100nm〜3μmである。一回の皮膜形成厚さが厚すぎると膜のクラックを生じ、また薄すぎると生産性が低下することがある。スラリー塗布後の熱処理温度は好ましくは200℃〜300℃である。熱処理温度が高いとナノ粒子間の凝集は進むがアルミニウムなど耐熱性の低い部材には適用が難しい。また熱処理温度が低すぎると凝集が進まず膜中の欠陥が多くなって皮膜強度が低下する、あるいは分散剤やバインダーが膜中に不純物として残存してしまう、などの不具合が生じることがある。
同様に、スピンコート法によるY23皮膜の形成は以下のような手順で行われる。上記Y23スラリーは有機分散媒(Y23スラリーと同じ分散媒が好ましい。)を用いて0.1質量%〜40質量%に希釈される。この希釈されたスラリーを、スピンコーティング装置を用いて部材に対して塗布し、1分間〜1時間乾燥して有機分散媒を揮発させる。さらに空気雰囲気下100℃〜300℃で10分間〜5時間熱処理してY23ナノ粒子間の凝集を進めるとともにバインダーの分解・酸化反応を起こすことによって部材表面に緻密かつ強固なY23皮膜を形成する。なお、一回の皮膜形成厚さはスラリーの希釈濃度と滴下量、および部材の回転数と回転時間によって適宜決定されるが、乾燥後、10nm〜5μmの膜厚に施工することが好ましく、さらに好ましくは100nm〜3μmである。一回の皮膜形成厚さが厚すぎると膜のクラックを生じ、また薄すぎると生産性が低下することがある。最終的なY23皮膜厚は0.05μm〜500μm、好ましくは0.5μm〜50μmである。
部材
本発明に係る部材は、上記したY23皮膜が基材表面に形成されてなる。形成されるY23皮膜の厚さとしては特に制限されるものではないが、用途に応じて適宜選択されるが、通常0.05μm〜500μmの厚さが好適である。
基材としては、上記したものが例示される。このような本発明の部材としては、特にエッチングチャンバー用部材に好適である。本発明に係る部材は、高い耐プラズマ腐食性を有しているので、プラズマエッチィングチャンバー、液晶デバイスなどのプラズマ処理装置などに好適である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<製造例1>
図1に示す構成の装置を用いてY23ナノ粒子を作製した。まず、200℃に加熱した気化器(6)にイットリウムトリジピバロイルメタン300gおよびメタノール700gの混合溶液を4mL/minの流速で導入し気化した。酸化性物質(1)として空気を40L/minの量で予熱器(5)へ流し200℃に加熱した。気体状のイットリウムトリジピバロイルメタンおよびメタノールと空気とを管状電気炉(7)入口の同軸ノズルへ供給した。管状電気炉内での燃焼温度は950℃とし、イットリウムトリジピバロイルメタンおよびメタノールを酸化してY23を生成させた。捕集器(8)に捕集されたY23ナノ粒子の収率は95%以上であった。
このY23ナノ粒子は数%のカーボン残渣を不純物として含有する。これを除去するため、空気雰囲気下500℃で8時間焼成処理した。熱天秤装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6200)を用いた熱重量測定によりカーボン残渣は0.5質量%未満であった。また、電界放出型走査型電子顕微鏡(日立社製 S−900)の観察によるY23粒子の一次粒径は約20nmであった。
<製造例2>
80℃に加温した1mol/L硝酸イットリウム溶液400mLに、攪拌しながら0.4mol/L蓚酸アンモニウム溶液1.65Lを1時間掛けて滴下した。滴下終了後さらに80℃で1時間攪拌した。攪拌終了後室温まで冷却したのち、沈殿をろ過した。沈殿は更に2Lの水でろ過洗浄した。沈殿を80℃で減圧乾燥し蓚酸イットリウムを得た。乾燥した沈殿を磁製ルツボに入れ空気雰囲気下700℃で3時間焼成処理することによってY23とした。得られたY23ナノ粒子の収率は99%以上であった。また、電子顕微鏡の観察によるY23粒子の一次粒径は約20nmであった。
(実施例1)
製造例1で得られたY23ナノ粒子15gと1−メトキシ−2−プロパノール352gを混合し、分散剤1としてアセチルアセトン1.5gを、分散剤2として難水溶性トリオール系分散剤(旭電化社製 アデカカーポールGL−100)1.5gを、またバインダーとしてイットリウムトリアセチルアセトン5gを添加して超音波処理に1時間付し、均一なスラリーを得た。このスラリーを、直径50μmの酸化ジルコニウム製ビーズ400gを入れたビーズミル(コトブキ技研社製 UAM−015)で6時間処理し、4質量%のY23スラリーを得た。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計(日機装社製 Nanotrac UPA−EX150)で測定した結果、体積平均粒径18nm、最大粒径102nmであった。
(実施例2)
製造例2で得られたY23ナノ粒子15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質量%のY23スラリーを得た。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、体積平均粒径20nm、最大粒径102nmと実施例1で得られたスラリーと同等の結果となった。
(比較例1)
製造例1で得られたY23ナノ粒子15gとメタノール360gを混合して、超音波処理に1時間付し、均一なスラリーを得た。このスラリーを、実施例1と同様にビーズミル処理して4質量%のY23スラリーを得た。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、体積平均粒径890nm、最大粒径3270nmであった。表1に結果をまとめた。
(実施例3)
実施例1、2で得られたY23スラリーをY23濃度が1質量%になるように、1-メトキシ-2-プロパノールで希釈し、アルミニウム製試験片(寸法:幅50mm×長さ50m
m×厚さ5mm)に、図2に示すようなエアスプレー装置を用いて噴霧し、空気雰囲気下で5分間乾燥して1−メトキシ−2−プロパノールを揮発させた。この試験片を空気雰囲気下300℃で1時間熱処理して試験片表面にY23皮膜を形成した。一回の皮膜形成厚さを200nmとし、この工程を5回繰り返すことによって厚さ1μmに施工した。同じく一回の皮膜形成厚さを1μmとし、この工程を10回繰り返すことによって厚さ10μmに施工した。さらに、一回の皮膜形成厚さを2μmとし、この工程を25回繰り返すことによって厚さ50μmに施工した。また、ガラス製試験片へも同様に厚さ1μmの施工を行った。膜厚は前述の電界放出型走査型電子顕微鏡によって測定した。実施例1のスラリーを用いてガラス基材上に1μm施工した皮膜の電子顕微鏡写真を図3に示す。ナノ粒子によって形成されたため、緻密な皮膜となっていることがわかる。
(比較例2)
比較例1で得られたY23スラリーをY23濃度が1質量%になるように、メタノールで希釈した以外は、実施例3と同様にして、アルミニウム製試験片およびガラス基板上にそれぞれ膜厚1μmのY23皮膜を形成した。
(実施例4)
実施例1で得られたY23スラリーをY23濃度が1質量%になるように1−メトキシ−2−プロパノールを用い希釈し、アルミニウム製試験片(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm)に、ディップコーティング装置を用いて塗布し(引き上げ速度:3cm/min)、空気雰囲気下で5分間乾燥して1−メトキシ−2−プロパノールを揮発させた。この試験片を空気雰囲気下300℃で1時間熱処理して試験片表面にY23皮膜を形成した。この操作を繰り返し、それぞれ1μm、10μmおよび50μmの厚さの皮膜を得た。
(実施例5)
実施例1で得られたY23スラリーをY23濃度が1質量%になるように1−メトキシ−2−プロパノールを用い希釈し、アルミニウム製試験片(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm)に、スピンコーティング装置を用いて塗布し(回転数:30rpm、30秒)、空気雰囲気下で5分間乾燥して1−メトキシ−2−プロパノールを揮発させた。この試験片を空気雰囲気下300℃で1時間熱処理して試験片表面にY23皮膜を形成した。この操作を繰り返し、それぞれ1μm、10μmおよび50μm厚さの皮膜を得た。
(比較例3、4)
アルミニウム製試験片(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm)を基材とし、その表面に大気プラズマ溶射法によってY23溶射皮膜を形成した。プラズマ溶射とは、材料となるY23粉末がプラズマジェットによって加熱されて溶融液滴となり、これを高速で基材に吹き付けることによって皮膜を形成する方法である。ここでは、供給電流850A、プラズマ供給ガス流量85L/min、Y23粉末送り量5g/minおよび溶射距離100mmの条件で、それぞれ膜厚100μm、300μmに施工した。
評価
実施例3〜5、及び比較例2〜4で作製した試験片について、密着強度測定および熱衝撃試験(500℃に保持されている電気炉中で20分間加熱した後、炉外にて急冷する操作を1サイクルとして10サイクル繰り返す試験)を行った。
さらに、アルミニウム製試験片については、下記条件にてプラズマエッチング処理を行い、チャンバー内に静置した直径8インチのシリコンウエハーの表面に付着したパーティクル数を測定し、一般的なチャンバー内の管理限界値30個を超えるまでに要した時間を比較した。用いた表面検査装置はパーティクル数レーザー光の散乱を利用してパーティクル数をカウントするもので、粒径0.2μm以上のものについて測定した。
(1) ガス流量:NF3/Ar/O2=100/200/80
(1分間当たりの流量cm3
(2) 圧力:3.5(Pa)
(3) 高周波電力:800(W)
表2に試験結果をまとめた。
実施例3のエアスプレー法による皮膜については、実施例1および2で得られたY23スラリーともに、試験片の種類と膜厚によらず密着強度が比較例2〜4の皮膜に対して大幅に向上していることが確認された。また、膜厚によらずパーティクル数が30個を超えるまでに要した時間が比較例3,4の溶射皮膜よりも十分に長く、膜厚が薄いにも拘わらずハロゲン化合物を含む雰囲気下における耐プラズマエロージョン性が溶射皮膜に対して大幅に向上していることが確認された。
また、実施例4のディップ法および実施例5のスピンコート法による皮膜についても、エアスプレー法と同様に、膜厚によらず密着強度が比較例3、4の溶射皮膜に対して大幅に向上しており、パーティクル数が30個を超えるまでに要した時間が比較例よりも十分に長く、膜厚が薄いにも拘わらずハロゲン化合物を含む雰囲気下における耐プラズマエロージョン性が、比較例3,4の溶射皮膜に対して大幅に向上していることが確認された。なお、今回の実施例では熱衝撃試験で剥離したものはなかった。
23ナノ粒子を調製するための装置の模式図を示す。 23スラリーを塗布するためのスプレー装置の模式図を示す。 実施例3のY23膜(ガラス基板)の電子顕微鏡写真。

Claims (14)

  1. 分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmであるY23スラリーを乾燥、熱処理することを特徴とするY23皮膜の製造方法。
  2. 分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmであるY23スラリーを塗布、乾燥、熱処理することを特徴とする請求項1に記載のY23皮膜の製造方法。
  3. 23スラリーの分散媒として多価アルコール誘導体を使用することを特徴とする請求項1または2に記載のY23皮膜の製造方法。
  4. 23スラリーが分散剤としてβ−ジケトンを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のY23皮膜の製造方法。
  5. 23スラリーがバインダーとしてβ−ジケトン金属錯体を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のY23皮膜の製造方法。
  6. 23スラリーが、体積平均粒径の異なる分散粒径を有する2種類以上のスラリーの混合スラリーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のY23皮膜の製造方法。
  7. 23スラリーがβ−ジケトン金属錯体の気相酸化法で製造されたY23粒子を分散媒に分散させたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のY23皮膜の製造方法。
  8. 分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmであり、Y23濃度が0.1質量%〜40質量%であるY23スラリーを基材上に一回あたりの皮膜形成厚さが10nm〜5μmとなるように1回または複数回塗布し、皮膜形成後の熱処理を100℃〜300℃の熱処理温度で、10分〜5時間の熱処理時間で行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のY23皮膜の製造方法。
  9. 体積平均粒径が10nm〜300nmであるY23粒子の凝集体からなることを特徴とするY23皮膜。
  10. 23皮膜がエッチングチャンバー部材用であることを特徴とする請求項9に記載のY23皮膜。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法で製造されたY23皮膜。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載の皮膜で被覆された部材。
  13. 請求項9〜11に記載の皮膜で被覆されたエッチングチャンバー用部材。
  14. 請求項13に記載のエッチングチャンバー用部材をそなえたエッチングチャンバー。
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