JP2007125962A - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧液の第1及び第2の液溝内での流れをスムーズにでき、圧液の流動音を低減することができるパワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】内側に複数の第1の液溝4aを有するバルブボディ4と、第1の液溝4aに対応する第2の液溝5aを周面に有し、操舵手段の操舵により前記バルブボディ4に相対角変位を可能に嵌合されたバルブスプール5とを備え、第1及び第2の液溝4a,5aの幅方向両側の溝縁で構成される絞り部4b,5bの絞り量に基づいて昇圧する圧液により操舵補助するように構成されており、前記第1及び第2の液溝4a,5aの両方を断面略V字形とし、圧液の液溝4a,5aでの流れをスムーズにした。
【選択図】図2
【解決手段】内側に複数の第1の液溝4aを有するバルブボディ4と、第1の液溝4aに対応する第2の液溝5aを周面に有し、操舵手段の操舵により前記バルブボディ4に相対角変位を可能に嵌合されたバルブスプール5とを備え、第1及び第2の液溝4a,5aの幅方向両側の溝縁で構成される絞り部4b,5bの絞り量に基づいて昇圧する圧液により操舵補助するように構成されており、前記第1及び第2の液溝4a,5aの両方を断面略V字形とし、圧液の液溝4a,5aでの流れをスムーズにした。
【選択図】図2
Description
本発明はバルブボディとバルブスプールとの相対角変位を利用して液圧の制御動作をなす回転式の液圧制御弁を備えるパワーステアリング装置に関する。
液圧制御弁を備える車両用のパワーステアリング装置は、操舵輪に繋がって回転することが可能な入力軸と、該入力軸にトーションバーにより同軸的に連結された出力軸と、車両の舵取機構中に配置された操舵補助用の液圧シリンダ及び液圧ポンプに連なり、且つ操舵輪の操舵に応じて圧液の給排動作をなす液圧制御弁とを備えており、前記出力軸がラックアンドピニオン式の舵取装置に繋がり、前記液圧シリンダの作動によって舵取機構の舵取軸を車両の左右方向へ移動させることにより操舵補助するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、液圧制御弁は、内側に複数の第1の液溝を有する円筒形のバルブボディと、第1の液溝に対応する第2の液溝を周面に有するバルブスプールとを備える。第1及び第2の液溝は、トーションバーに捩れが生じていない中立状態において、周方向に千鳥配置され、第1の液溝の夫々は第2の液溝間のランドに対向し、第2の液溝の夫々は第1の液溝間のランドに対向して、バルブボディとバルブスプールとの嵌合周上には、液圧ポンプPの吐出側に連通する給液室と、液圧シリンダの一方のシリンダ室に連通する第1の送液室と、液圧シリンダの他方のシリンダ室に連通する第2の送液室と、液タンクに連通する排液室とが並んだ状態となり、第1及び第2の液溝の幅方向両側の溝縁で構成される絞り部の絞り量に基づいて昇圧する圧液により前記液圧シリンダを動作させるように構成されている。
このように構成されたパワーステアリング装置において、操舵輪が操舵中立位置に停止しているとき、液圧ポンプは回転しており、液圧ポンプから液圧制御弁の給液室へ送給された圧液は排液室を経てタンクへ排出され、液圧シリンダによる操舵補助はなされない。
前記操舵輪が操舵中立位置から左又は右方向へ操舵されることにより、前記液圧制御弁のバルブボディ及びバルブスプールが相対角変位をなし、液圧ポンプから液圧制御弁の給液室へ送給された圧液は、第1又は第2の送液室を経て液圧シリンダの一方の液室へ送給され、他方の液室はタンクに連通する。これにより液圧シリンダは、他方の液室との間に生じる圧力差に応じた液圧力を発生し、この液圧力が操舵補助力として舵取機構の舵取軸に加えられることとなる。
特開2000−142438号公報
しかしながら、特許文献1に示された液圧制御弁の第1及び第2の液溝は、溝底の幅方向両縁から放射線と平行に形成されており、断面凹形をなしているため、操舵輪の操舵に応じて第1及び第2の液溝内で圧液の給排動作をなすとき、圧液の流れが乱れることになり、圧液の流動音が高くなる傾向にあり、改善策が要望されていた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は圧液の第1及び第2の液溝内での流れをスムーズにでき、圧液の流動音を低減することができるパワーステアリング装置を提供することにある。
第1発明に係るパワーステアリング装置は、内側に複数の第1の液溝を有するバルブボディと、第1の液溝に対応する第2の液溝を周面に有し、操舵手段の操舵により前記バルブボディに相対角変位を可能に嵌合されたバルブスプールとを備え、第1及び第2の液溝の幅方向両側の溝縁で構成される絞り部の絞り量に基づいて昇圧する圧液により操舵補助するパワーステアリング装置において、第1及び第2の液溝の少なくとも一方は断面略V字形であることを特徴とする。
第2発明に係るパワーステアリング装置は、前記バルブボディは筒形をなし、少なくとも一方の液溝は、溝縁から溝底にかけて液溝中央上の放射線に対し傾斜していることを特徴とする。
第1発明にあっては、第1及び第2の液溝の少なくとも一方の内面は液溝中央上の放射線に対し周方向に傾斜し、第1及び第2の液溝間で圧液が流れ易くなっているため、圧液の液溝内での流れをスムーズにでき、流動音を低減することができる。また、第1及び第2の液溝が断面略V字形である構成にあっては、圧液の液溝内での流れをより一層スムーズにでき、圧液の流動音をより一層低減することができる。
第2発明にあっては、少なくとも一方の液溝の内面は、溝縁から溝底にかけて液溝中央上の放射線に対し周方向に傾斜し、第1及び第2の液溝間で圧液が流れ易くなっているため、圧液の液溝内での流れをスムーズにでき、圧液の流動音を低減することができる。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係るパワーステアリング装置の一部の構成を示す断面図、図2は要部の構成を示す模式的縦断平面図、図3はバルブボディとバルブスプールとの間に相対角変位が生じている状態を示す模式的縦断平面図、図4はバルブボディとバルブスプールとの嵌合周上に並ぶ給油室、送油室及び排油室を直線展開して示した動作説明図であり、(a) はバルブボディとバルブスプールとの間に相対角変位が生じていない状態(中立状態)を示しており、(b) はバルブボディとバルブスプールとの間に相対角変位が生じている状態を示している。図5はパワーステアリング装置の全体の構成を示す模式図である。
パワーステアリング装置は、操舵手段としての操舵輪Aに繋がって回転することが可能な入力軸1と、該入力軸1にトーションバー2により同軸的に連結された出力軸3と、入力軸1に連結された筒形のバルブボディ4と、該バルブボディ4に相対角変位が可能に嵌合され、入力軸1に連結されたバルブスプール5と、バルブボディ4が回転を可能に内嵌される圧液室6aを有するバルブハウジング6とを備えている。
入力軸1はトーションバー2を連結する側に筒部1aを有しており、該筒部1aの先端に円筒形をなすバルブスプール5が一体的に設けられている。このバルブスプール5及び筒部1a内にはトーションバー2が挿入され、該トーションバー2の一端が筒部1aの基端にダウエルピン7により連結されている。また、筒部1aの先端はすべり軸受8により出力軸3の一端部に回転自在に支持されている。
出力軸3は一端部に嵌合孔3aを有し、他端部に後記するラック軸のラック歯に噛合するピニオン9を有しており、嵌合孔3aにトーションバー2の他端及びすべり軸受8が夫々内嵌されている。トーションバー2はスプライン嵌合により連結されている。
バルブボディ4は、出力軸3の一端に連結ピン10により一体的に連結された円筒形をなしており、トーションバー2の捩れの範囲内でバルブスプール5と相対角変位が可能になっている。この相対角変位の量は最大で約5°であり、最大相対角変位量以上、換言すればトーションバー2の捩れの範囲以上ではバルブボディ4及びバルブスプール5が一体に回転する。
バルブボディ4の内側には、夫々等しい幅を有する複数個の第1の液溝4aが周方向に等配をなして並設されており、バルブスプール5の外周部には、同様に、夫々等しい幅を有する複数個の第2の液溝5aが周方向に等配をなして並設されている。
第1及び第2の液溝4a,5aは、トーションバー2に捩れが生じていない中立状態において、図2に示すように周方向に千鳥配置され、第1の液溝4aの夫々は第2の液溝5a,5a間のランドに対向し、第2の液溝5aの夫々は第1の液溝4a,4a間のランドに対向して、バルブボディ4とバルブスプール5との嵌合周上には、第1の液溝4aの内側の第1の液室と、第2の液溝5aの外側の第2の液室とが交互に並んだ状態となり、第1及び第2の液室間の連通部、即ち、第1及び第2の液溝4a,5aの幅方向両側の溝縁間は、前記相対角変位に応じて夫々の連通面積(絞り面積)を増減する絞り部4b,5bとして作用する。
第1及び第2の液溝4a,5aは、幅方向両側の溝縁から溝底の中央にかけて液溝中央上の放射線に対し周方向に傾斜し、断面略V字形をなしている。第1の液溝4aはバルブボディ4を形成する形成用型により断面略V字形に成形されるのであり、成形後にバルブボディ4の内周部が切削される。
第2の液溝5aは、フライス盤によって切削加工された後、円板形をなし外周部を断面略V字形に尖らせた砥石をその回転中心が液溝5aの幅方向となるように配置し、該砥石を回転させつつ断面略V字形に研削する。
また、バルブボディ4は、一つおきのランドを径方向に貫通し液圧源たる液圧ポンプPの吐出側に連通する給液孔4cと、該給液孔4cを有するランドの一側に配された第1の液溝4aから径方向に貫通し液圧シリンダSの一方のシリンダ室に連通する第1の送液孔4dと、給液孔4cを有するランドの他側に配された第1の液溝4aから径方向に貫通し液圧シリンダSの他方のシリンダ室に連通する第2の送液孔4eとを有する。また、バルブスプール5は、第1及び第2の送液孔4d,4e間に配されたランドに臨む第2の液溝5aを径方向に貫通し排液先となる液タンクTに連通する排液孔5cを有する。
給液孔4cに臨む第2の液溝5aは給液室40を構成し、第1及び第2の送液孔4d,4eに臨む第1の液室4a,4aは第1及び第2の送液室41,42を構成し、排液孔5cに臨む第2の液溝5aは排液室43を構成し、給液室40の両側には、第1の送液室41又は第2の送液室42を経て排液室43に至る液路が夫々形成され、給液室40と送液室41,42とが絞り部4bを介して連通し、また送液室41,42と排液室43とが絞り部5bを介して連通される。
バルブハウジング6は図1に示すように給液孔4cと、第1及び第2の送液孔4d,4eと、排液孔5cとに対応する位置で圧液室6aに開口するポート6b,6c,6d,6eが夫々設けられており、夫々のポート6b,6c,6d,6eと液圧ポンプP、液圧シリンダS、液圧タンクTとが液管11〜14により接続されている。
以上のように構成されたパワーステアリング装置は、操舵手段としての操舵輪Aが操舵中立位置から操作されることにより、入力軸1を介してトーションバー2に捩れが発生するとともに、バルブボディ4及びバルブスプール5に相対角変位が発生し、液圧ポンプPから液管11、ポート6b及び給液孔4cを経て給液室40に供給された圧液が絞り部4bにより流量制御され、一方の送液室41又は42に開口する送液孔4d又は4eから液圧シリンダSの一方のシリンダ室に圧液が供給され、液圧シリンダSのピストンの一端に連結されたラック軸Rが軸長方向へ移動し、該ラック軸R及びピストンの他端に連結された一対の車輪が転向され、操舵補助が行われる。
この操舵補助が行われる場合、給液室40、第1及び第2の送液室41,42、排液室43を構成する第1及び第2の液溝4a,5aは、断面略V字形をなし幅方向両側の溝縁から溝底の中央にかけて液溝中央上の放射線に対し周方向に傾斜しているため、圧液の給液室40から第1又は第2の送液室41,42への流れをスムーズにできるとともに、圧液の第1又は第2の送液室41,42から排液室43への流れをスムーズにできる。従って、圧液を給排するときの圧液の流動音を低減できる。
尚、以上説明した実施の形態では第1及び第2の液溝4a,5aが断面略V字形をなす構成としたが、その他、第1及び第2の液溝4a,5aの一方は、溝底の幅方向両縁から放射線と平行に形成された断面凹形をなし、他方は断面略V字形をなす構成としてもよい。また、第1の液溝4a及び/又は第2の液溝5aは長手方向の全長にかけて断面略V字形である他、長手方向の中央側を断面略V字形とし、長手方向両端部を断面非V字形としてもよい。また、第1及び第2の液溝4a,5aは幅方向両側の溝縁から溝底の中央にかけて液溝中央上の放射線に対し周方向に傾斜する傾斜面を有する構成とする他、幅方向両側の溝縁から溝底の中央部近傍にかけて傾斜する傾斜面を有する構成としてもよい。
4 バルブボディ
4a 第1の液溝
4b 絞り部
5 バルブスプール
5a 第2の液溝
5b 絞り部
A 操舵輪(操舵手段)
4a 第1の液溝
4b 絞り部
5 バルブスプール
5a 第2の液溝
5b 絞り部
A 操舵輪(操舵手段)
Claims (2)
- 内側に複数の第1の液溝を有するバルブボディと、第1の液溝に対応する第2の液溝を周面に有し、操舵手段の操舵により前記バルブボディに相対角変位を可能に嵌合されたバルブスプールとを備え、第1及び第2の液溝の幅方向両側の溝縁で構成される絞り部の絞り量に基づいて昇圧する圧液により操舵補助するパワーステアリング装置において、第1及び第2の液溝の少なくとも一方は断面略V字形であることを特徴とするパワーステアリング装置。
- 前記バルブボディは筒形をなし、少なくとも一方の液溝は、溝縁から溝底にかけて液溝中央上の放射線に対し傾斜している請求項1記載のパワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005319452A JP2007125962A (ja) | 2005-11-02 | 2005-11-02 | パワーステアリング装置 |
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JP2005319452A JP2007125962A (ja) | 2005-11-02 | 2005-11-02 | パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007125962A true JP2007125962A (ja) | 2007-05-24 |
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ID=38149002
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JP (1) | JP2007125962A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100976025B1 (ko) | 2008-06-24 | 2010-08-18 | 영신정공 주식회사 | 조향펌프 |
-
2005
- 2005-11-02 JP JP2005319452A patent/JP2007125962A/ja active Pending
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