JP2007118622A - スチールコードとゴムとの複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】加硫反応および接着反応の同期化によってコードとゴムとの界面での確実な接着を実現した、コードおよびゴム複合体を提供する。
【解決手段】周面にブラスめっきを施したスチールワイヤの1本または複数本からなるスチールコードとゴムとの複合体において、スチールコードとゴムとの界面に接着層を、さらに該接着層のブラスめっき側に、厚さが3nm以上の亜鉛濃化層を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、スチールコードとゴムとの複合体、例えばトラック・バス用タイヤ、乗用車用タイヤおよびライトトラック用タイヤに代表されるラジアルタイヤのベルトやカーカスに適用される、スチールコードとゴムとの複合体に関する。
従来、ラジアルタイヤでは、ブラスめっきを施したスチールワイヤの複数本を撚り合わせたスチールコードをゴムに接着させたものを、ベルトやカーカス用のプライに適用して、タイヤ補強材としての機能を発揮させている。この機能を十分に発揮させるためには、スチールコードとゴムとが強固に接着されていることが肝要であり、両者間で優れた接着性を維持する観点から、ブラスめっきを施したワイヤの表面構造を精密に調整すること(特許文献1参照)、さらにゴムの接着プロモーター、架橋剤および加硫促進剤の種や量を最適化する方策などが採られている。
特開平6−49783号公報
ここで、加硫反応と接着反応は、競合関係であると同時に相補的な関係にもあり、両反応の同期化こそがスチールコードおよびゴム複合体の接着にとって重要な制御指針とされている。
しかしながら、接着反応の追跡はゴムとコードの破壊試験を通じてしか評価出来ないため、常に加硫ゴムの特性に影響される。例えば、架橋ゴムの強力が小さければ、接着の完成度が低くても見かけ上、剥離後のゴム付きが多くなり、接着性が良好になったかのような現象が生じることもあるし、初期接着に於いて100%のゴムつきを示す二つの複合体でも、本質的に接着性が同じである保証は全くない。また、外部から腐食ガス成分が進入したとき両者のゴム付きに差異が生じたとしても、ゴムの劣化特性によって差異が生じたのか、或いは接着界面の劣化によって差異が発生したのかの判断もできていない。
そこで、本発明は、加硫反応および接着反応の同期化によってコードとゴムとの界面での確実な接着を実現した、コードおよびゴム複合体を提供しようとするものである。
発明者は、コード表面のブラスめっきの組成とゴム組成物とを個別に最適化する従来の手法から脱却し、広くスチールコードおよびゴム複合体の接着完成度を、従来の加硫接着物の破壊試験による評価でなく、ゴムの加硫とは独立した尺度、即ち接着反応をべ一スに複合体のコードとゴムとの界面の接着性を直接的に評価することによって、該界面での接着完成度を確実に高める手段を見出し、複合体の特に耐久接着性が向上する方策を生み出した。
すなわち、上記課題を解決するために、各種条件で伸線したワイヤを撚り合わせたコードと、接着プロモータや加硫剤の種と量を変更したゴムとを組み合わせた複合体について、コードとゴムとの界面の構造を複合体のままで直接的に観察すること、即ち複合体の界面をガリウムイオンのような重原子イオンビームを用いて切断する(Foucused Ion Beam:FIB)等の処理技術で作り出し、その複合体検体を透過型電子顕微鏡で直接、定性および定量する分析手段を採用することによって、ゴムの加硫が完成する段階にて接着反応の結果として発生する新たな界面構造を解明し、それを制御して形成させることで接着の完成度を高めることに成功した。具体的には、めっき表面からCuが拡散したために生成される亜鉛主体の亜鉛濃化層が一定以上厚さを持って界面全体を均一に覆っている場合に、接着の完成度は高まり、特に耐久接着は向上することを新たに知見した。
本発明の要旨は次の通りである。
(1)周面にブラスめっきを施したスチールワイヤの1本または複数本からなるスチールコードとゴムとの複合体であって、スチールコードとゴムとの界面に接着層を有し、該接着層のブラスめっき側に、厚さが3nm以上の亜鉛濃化層を有することを特徴とするスチールコードとゴムとの複合体。
(2)複合体が加硫される温度でのゴム組成物の最適加硫時間をT0.9で表示したとき、ゴムの加硫度が0.8×T0.9〜1.5×T0.9である上記(1)に記載のスチールコードとゴムとの複合体。
(3)前記亜鉛濃化層の平均厚みが9nm以上である上記(1)または(2)に記載のスチールコードとゴムとの複合体。
(4)前記亜鉛濃化層は、該層中の銅および亜鉛の総量に対する亜鉛の含有率が50〜95at%である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のスチールコードとゴムとの複合体。
(5) 前記接着層の厚さが30nm以上300nm以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のスチールコードとゴムとの複合体。
(6)前記スチールワイヤーのブラスめっきにおけるZnO量が30〜60mg/mm2である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のスチールコードとゴムとの複合体。
ここで、上記ゴムの加硫度は、図1に加硫時間とレオメーターによるトルクとの関係を示すように、ゴム組成物の加硫特性についてレオメーターを用いて加硫曲線を測定したときの、加硫時間にて把握することができる。すなわち、加硫度は、図1における最大トルクFmax.の0.9倍のトルクを示す時間T0.9に係数を掛けることで表示され、このT0.9の段階は架橋反応が完成したことの目安となり、最適加硫を意味し、物性的にもっとも優れた特性を示す。
本発明によれば、コードとゴムとの界面に、初期接着後の安定した接着を実現する亜鉛濃化層を形成することによって、コードとゴムとの界面での接着の劣化を防止した、耐久接着に優れたスチールコードとゴムとの複合体を提供できる。
さて、スチールコード(以下、1本のワイヤによる場合を含めコードと総称する)およびゴムの接着反応は、スチールコード表面のブラスめっき中の銅(Cu)とゴム組成物中の硫黄(S)とがそれら界面にてCuxSを形成する界面反応であるが、硫黄はゴムの架橋反応にも使われるため、硫黄の消費を両反応で競合する結果如何によって、接着の良し悪しが決まる。一方で、ゴムとCuxSとは、化学結合もしくは3次元的なインターロックを介して直接接着するので、上記界面反応と架橋反応とは、それぞれ全く独立に進行して良い反応でもない。加硫反応と何らかの同期化が必要とされる所以である。つまり、スチールコードとゴムの接着を考える場合、CuxSの積層成長および架橋反応が同期化しながら進行することが望ましいことを意味している。初期接着は、このような観点から達成されるべきものである。
一方、複合体製品では、加硫・接着が完成した後にコードおよびゴム界面に水や酸素などの活性分子が長期間にわたって進入し、両者の接着は劣化の過程を辿るのが通例である。特に、タイヤは動的な入力や高温に晒される過酷な使用環境にあるため、その劣化の進行を抑制することは極めて重要である。
従って、耐久接着性こそが製品寿命を向上する上でのキーポイントになる。
近年の電子顕微鏡、特に分析電子顕微鏡とその検体作製技術の進歩は著しく、めっき表面の微細構造をnmのオーダーで、加工、そして観察することを可能にしている。かかる技術の進歩を基に、スチールコードおよびゴム複合体の界面の構造を直接的に観察し、該界面の形態と接着完成度との関係を解明した結果、本発明を導くに到った。
ここに、接着完成度の高い界面の構造の典型例について、走査型電子顕微鏡写真を図2(a)に、その界面構造の解説を図2(b)にそれぞれ示す。すなわち、コードのめっき表面とゴムとの界面には、加硫処理に伴ってCuxSとゴムとからなる接着層が形成されるが、この接着層のめっき側に亜鉛濃化層を有することが肝要である。
さらに、耐久接着性が改善される亜鉛濃化層に関する条件を究明したところ、図3に耐久接着の半減期指数と亜鉛濃化層の厚さとの関係を示すように、この亜鉛濃化層の厚さを3nm以上とすることが極めて重要であるとの知見を得た。すなわち、亜鉛濃化層の厚さが3nm未満になると、急激な耐久接着の低下を招くことになる。この様な薄い厚さの部分は、それが部分的に存在する場合も望ましくない。
なお、耐久接着の半減期指数は、供試サンプル(初期接着評価に用いたサンプル)を湿度90%および温度75℃の下で劣化処理を施し、CRAテストでゴム被膜率が50%に至るまで低下するのに要した日数を、同一処理下で比較例1の事例で要した日数をコントロールとして相対指数化した数値である。
すなわち、接着耐久性を大幅に改良するためには、ゴムの加硫処理、具体的には加硫反応が完成する目安である上記T0.9までに接着も十分に完成させることが重要である。即ち、CuxSとゴムから成る接着層の生成と、この接着層のめっき側に亜鉛濃化層が均一かつ厚く新たに形成されることが、重要である。
しかしながら、従来の、ゴムとスチールコードの剥離試験による接着性の評価は、あくまで見掛けのゴム付が100%になっているかどうかを判定しているに過ぎず、真の意味で接着が完成していることを意味しない。つまり、ミクロ的に接着が完成していなくともマクロ的に100%のゴム付さえ確保できていれば完成と見做していた。なぜなら、「100%以上」の接着は評価できないからである。耐久接着性は、初期接着の完成度によって支配されるにも関わらず真の完成度を評価出来ないために、劣化試験を行い100%以下に低下する過程を追跡して耐久接着を評価しているに過ぎないものであった。
さて、ゴムとめっきのブラス成分との結合は、主にCuxSが担うが、その後の活性分子による劣化、特に水および酸素による劣化は、ブラスめっきからの脱亜鉛反応であり、めっきと接着層との間での破壊であることから、ここに亜鉛の濃化層が存在することによって、めっきと接着層間での破壊を回避することが可能になる。すなわち、めっきおよび接着層間における亜鉛濃化層の安定性が耐久接着を支配することになる。
しかし、亜鉛濃化層の形成のために、単にコードのめっき表面の酸化を進行させてめっき表層に酸化亜鉛を濃化しても、一方でCuの拡散が妨害される結果、接着反応が遅くなる。場合によっては接着しない状態に至る場合もある。Cuの拡散をより進行させながら、新たに形成される亜鉛濃化層の水および酸素に対する安定性を確保することが重要である。
さて、新たな界面としての亜鉛濃化層の組成は亜鉛が主体、具体的には亜鉛濃化層中の銅と亜鉛との総量に対する亜鉛の含有率が50〜95 at%であるが、旧めっき表層の酸化亜鉛が残存することになるので酸化亜鉛層と言っても過言ではない。この酸化亜鉛は既に電気化学的には安定状態にあるため、この層が如何に均一かつ一定の厚さを確保できるかが重要となる。なぜなら、複合体界面での局部電池形成を如何に抑制するかが重要であるからであり、好ましくは加硫反応が完結する加硫度において、コードのめっき表面に全面的に均一に、即ち亜鉛濃化層の存在しない部分がないように接着反応が完成していることが肝要である。
具体的にはnmレベルでの均一性を確保すること、すなわちコードのめっき表面に均等に3nm以上の厚みの亜鉛濃化層が確保されていれば、上記局部電池形成の抑制が実現する。すなわち、亜鉛濃化層の厚みが3nm未満の部分があると、コードの外側から活性元素が侵入してきたとき、その部分の安定性が劣るために局部電池が形成され、急激な劣化が進行するからである。さらには、9nm以上、そして12nm以上の厚みを有することが好ましい。
なお、最適加硫度の段階、即ち複合体の加硫される温度において、加硫時間T0.9の段階で亜鉛濃化層が完成されていない場合には、加硫時間延長によって進行させることも可能では有るが、接着完成度に関する差異を補うことはできない。また、加硫時間を延長することは、生産性にはもちろん、ゴムの物性にとっても望ましい方向でない。このゴムの物性の観点から、現実的なタイヤ等の適正加硫時間が設定されるから、この適正加硫時間内での接着完成度が低ければ、当然耐久接着は劣ることになる。
ちなみに、最適加硫度のゴムは、その引張強さが最大となる。これより加硫度が低い場合でも高い場合でも、引張強さは低下するため、タイヤのベルト耐久性等の製品の破壊特性は劣るものとなる。
更に、複合体の加硫度レベルで亜鉛濃化層が完成されている場合、亜鉛濃化層の酸化亜鉛量が多いほど接着安定性は高くなるため、使用ワイヤ表面の酸化亜鉛が多いことが望ましい。
ここに、通常のコード製造条件において、生コード(加硫前コード)の酸化亜鉛量は10〜29mg/mm2であるが、この酸化亜鉛量を30〜60mg/mm2に調整したワイヤを用いることが好ましい。すなわち、30mg/mm2未満では酸化亜鉛としての安定性が相対的に低くなり、上記した効果が小さいからである。一方、60mg/mm2を超えると表層が脆くなりすぎて伸線できなくなるからである。
なお、ワイヤの酸化亜鉛量を調整するには、ワイヤ伸線時の液温度と最終パスの減面率とを、制御することが有効である。
また、上記亜鉛濃化層を含めない接着層の厚さは、30nm以上300nm以下とすることが好ましい。なぜなら、30nm未満では、所期した亜鉛濃化層が形成されないだけでなく、めっきと接着層の結合が不十分でなり、一方300nmを超えると、接着層自身の膜強度が必要となり動的接着耐久が不足するからである。
ここで、スチールコードとゴムとの界面に亜鉛濃化層を所定の厚みで形成するには、スチールコードにおいては、めっき組成が同じならばワイヤ表面の酸化亜鉛を多くし、かつ表面潤滑膜が除去されるような伸線条件を選択することが有効であり、例えば焼結ダイヤダイスを最終数パスに採用することが適合する。一方、ゴムにおいては、加硫の段階でワイヤ表面の潤滑被膜を溶解させ得る配合剤、たとえばレゾンシン系の薬品を適量で活用することである。
なお、耐水および耐酸素による接着層の劣化を抑制する意味から、スチールコードとしては、1×Nおよび1+N(N:1〜6)や、2+Nなどの乗用車向けタイヤのベルトに活用されるコードへの適用が望ましいが、大型タイヤに於いても活性分子が作用する場合には、層燃りや複燃りコードへの適用も望ましい。
以下に、本発明の具体例について、現実に使用されているブラスめっきワイヤによるコードおよび実用配合ゴムの複合体と対比して、詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。
表1に示す仕様のスチールコードおよびゴムを組み合わせて複合体を製造する際、加硫処理に先立つ種々の処理を利用して、表1に示す亜鉛濃化層を有する複合体を、165℃×8分、即ち最適加硫度の条件で製造した。
かくして得られた複合体について、初期接着性並びに耐久接着性を調査した。その結果を、表1に併記する。
ここで、初期接着性は、乗用車用タイヤ製造時の加硫温度および時間の一般に対応する条件の下で加硫接着させた複合体について、JIS G 3510(1992)の参考に規定されたゴム接着試験方法に準拠してコード/ラバー接着(Cord-Rubber Adhesion)テストを行って評価した。その結果を、剥離後のゴム被覆率で示してある。
また、耐久接着性は、初期接着に供した試料を湿度90%および温度75℃の条件の下で劣化処理を施して、上記CRAテストにてゴム被覆率が50%にまで低下するまでの時間を測定し、比較例1の測定値を100としたときの相対指数で表したものである。この数値が大きいほど、耐久接着性に優れることを示している。
なお、表1に示したコード表層の燐量は、X線光電子分光法(XPS)を用いてコードのブラスめっき表面のP量をアトミック%で定量した数値である。
また、複合体界面の各層の厚さは、上記FIB加工したTEM観察用検体を1サンプル当たり5個作製し、図1(a)に示したようなワイヤ断面の1μm視野を1.5nm分解能で面分析を行い、図4に示すようなライン分析結果から求めた。
まず、比較例1は、乗用車用タイヤの実用ベルトゴムと実用コードとを組み合わせた一般的な複合体の例である。一方、発明例1は、コードにダイヤダイス伸線にて表面燐酸量を低減したワイヤを適用し、接着プロモーターとしてコバルト塩を配合したゴムと組み合わせた複合体の事例である。この発明例1は、亜鉛濃化層の平均厚さが著しく増大し、かつ亜鉛濃化層の厚さが3nm以下の部分が存在しないため、耐久接着性が比較例1対比で1.4倍にも向上した。
発明例2および3は、ダイヤダイスの枚数を増やして表面潤滑皮膜を更に減少させると共に表面酸化亜鉛量も増やしたコードとの組み合わせた事例であり、耐久接着性を150%、170%まで改良できた。
比較例2、3、4および5と、発明例4、5、6、7および8とは、ゴム組成物に接着プロモーターとしてCo塩に加えて更にレゾルシンを配合したゴム組成物を採用し、コードにはダイヤダイスを用いて伸線したワイヤを用いてブラスめっき組成を変更した事例である。一般に、高Cu濃度のブラスめっきでは、初期接着性は改善されるが耐久接着性に劣ることが知られている。確かに比較例2、3、4では亜鉛濃化層の平均厚さは多少増大するが、3nm未満の亜鉛濃化層部分が存在している上、ワイヤ表面の酸化亜鉛量が減少していることに対応した接着特性を示す。
一方、発明例4、5、6、7および8は、亜鉛濃化層の平均厚さと共に3nm以下の部分比率もゼロになり、耐久接着も大幅に改善されている。ここで、一般に低Cu濃度のブラスめっき組成では、初期接着性が遅く実用に適さないとされているが、ダイヤダイス伸線を用いて潤滑皮膜を低減することで好ましい亜鉛濃化層平均厚さを確保し、3nm以下の亜鉛濃化層をなくすることに成功した結果、耐久接着性は大幅に改良され、実用に供することが可能になった。
加硫時間とレオメーターによるトルクとの関係を示す図である。 耐久接着性に優れた複合体の界面の走査型電子顕微鏡写真およびその説明図である。 耐久接着性と亜鉛濃化層の厚さとの関係を示す図である。 ライン分析結果の一例を示す図である。

Claims (6)

  1. 周面にブラスめっきを施したスチールワイヤの1本または複数本からなるスチールコードとゴムとの複合体であって、スチールコードとゴムとの界面に接着層を有し、該接着層のブラスめっき側に、厚さが3nm以上の亜鉛濃化層を有することを特徴とするスチールコードとゴムとの複合体。
  2. 複合体が加硫される温度でのゴム組成物の最適加硫時間をT0.9で表示したとき、ゴムの加硫度が0.8×T0.9〜1.5×T0.9である請求項1に記載のスチールコードとゴムとの複合体。
  3. 前記亜鉛濃化層の平均厚みが9nm以上である請求項1または2に記載のスチールコードとゴムとの複合体。
  4. 前記亜鉛濃化層は、該層中の銅および亜鉛の総量に対する亜鉛の含有率が50〜95at%である請求項1ないし3のいずれかに記載のスチールコードとゴムとの複合体。
  5. 前記接着層の厚さが30nm以上300nm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載のスチールコードとゴムとの複合体。
  6. 前記スチールワイヤーのブラスめっきにおけるZnO量が30〜60mg/mm2である請求項1ないし5のいずれかに記載のスチールコードとゴムとの複合体。
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WO2008136455A1 (ja) 2007-04-27 2008-11-13 Nec Corporation セクタアンテナ
JP2011149130A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム補強用スチールコード及びその製造方法

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