JP2007112758A - (メタ)アクリル酸エステル類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱水エステル化による(メタ)アクリル酸エステルの製造のための、改良された製造方法を提供すること。
【解決手段】加熱還流条件下、溶剤中におけるアルコール類化合物と(メタ)アクリル酸との、酸触媒存在下での反応によるアクリル酸エステルの製造方法であって、該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒よりなる群より選択された少なくとも1種の化合物を、該群のうち選択されなかった残りの化合物と該溶剤との混合物よりなる加熱還流液中に又は該群の全ての化合物が選択されたときは該溶剤よりなる加熱還流液中に、該加熱還流液中の反応で生ずる水分の上昇を該加熱還流液からの留出水分を除去することにより抑制しつつ、徐々に添加することを特徴とする、製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】加熱還流条件下、溶剤中におけるアルコール類化合物と(メタ)アクリル酸との、酸触媒存在下での反応によるアクリル酸エステルの製造方法であって、該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒よりなる群より選択された少なくとも1種の化合物を、該群のうち選択されなかった残りの化合物と該溶剤との混合物よりなる加熱還流液中に又は該群の全ての化合物が選択されたときは該溶剤よりなる加熱還流液中に、該加熱還流液中の反応で生ずる水分の上昇を該加熱還流液からの留出水分を除去することにより抑制しつつ、徐々に添加することを特徴とする、製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、酸触媒存在下でのアルコール類化合物と(メタ)アクリル酸との反応による(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関し、特に、エステル化工程中における(メタ)アクリル酸の重合を、金属性重合防止剤を用いることなしに防止するとともに、合成反応後の処理工程を大幅に簡略化することのできる製造方法に関する。
(メタ)アクリル酸エステルの工業的製造には、アルコールと(メタ)アクリル酸との酸触媒下での脱水エステル化反応が用いられている。この反応において副反応として起こるアクリル酸の重合を防止するために、従来、銅酸化物、塩化第一銅等の銅塩、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が、重合防止剤として反応系に添加されてきた(特許文献1〜3参照)。しかしながら、反応系に重合防止剤を多量に使用しても、重合体が少量副生することは避けられず、その結果、触媒や残存するアクリル酸除去を目的とするアルカリ洗浄工程等で、有機層と水層との間に中間層が生じ、製品収率の低下や、洗浄回数の増加、洗浄時間の増加、銅含有廃液量の増大等をもたらしていた。また、塩化第一銅等のような重合防止剤に起因する銅イオン又は銅化合物を製品から除去するために、製品を酸性水等により洗浄する工程を加える必要もあり、これは更なる収率低下に繋がっていた。工業的な脱水エステル化反応では、(メタ)アクリル酸の重合を防止する能力の高い重合防止剤の検討や、反応触媒の種類や最適量を見極める検討、製品から金属系重合防止剤を除去する方法の検討等、上記の不便を改善するために、様々な検討が行われてきたが、未だ十分なものはない。
特開昭52−113916号公報
特許第3107851号公報
特開2001−26596号公報
本発明者は、(メタ)アクリル酸エステルの製造における、上記問題点を解決することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために種々検討の結果、アルコール類化合物、(メタ)アクリル酸、酸触媒のうち少なくとも1の成分の反応系への供給を、加熱還流下にある反応系内へ、系内の水分を除去しつつ徐々に添加する形で行うことにより、銅酸化物や銅塩等の銅系の重合防止剤を使用しないでも上記重合物の発生が従来に比してほぼ完全に近く抑制され、殆ど100%に近い収率で目的のエステル体を得ることができることを見出した。本発明は、この知見に更に検討を加えて完成させたものである。
すなわち本発明は、以下を提供するものである。
(1)加熱還流条件下、溶剤中におけるアルコール類化合物と(メタ)アクリル酸との、酸触媒存在下での反応によるアクリル酸エステルの製造方法であって、該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒よりなる群より選択された少なくとも1種の化合物を、該群のうち選択されなかった残りの化合物と該溶剤との混合物よりなる加熱還流液中に又は該群の全ての化合物が選択されたときは該溶剤よりなる加熱還流液中に、該加熱還流液中の反応で生ずる水分の上昇を該加熱還流液からの留出水分を除去することにより抑制しつつ、徐々に添加することを特徴とする、製造方法。
(2)該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒のうち1種の化合物を選択するものである、上記1の製造方法。
(3)該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒のうち2種の化合物を選択するものである、上記1の製造方法。
(4)該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒の全て化合物を選択するものである、上記1の製造方法。
(5)該溶剤が、沸点50〜200℃の炭化水素である上記1ないし4の何れかの製造方法。
(6)金属系重合防止剤を反応混合物が含有しないものである、上記1ないし5の何れかの製造方法。
(7)反応混合物中の水分含量が5.0質量%以下となるように、加えられる化合物の添加速度を調整するものである、上記1ないし6の何れかの製造方法。
(8)該アルコール類化合物が、次の一般式(1)又は(2)、
(1)加熱還流条件下、溶剤中におけるアルコール類化合物と(メタ)アクリル酸との、酸触媒存在下での反応によるアクリル酸エステルの製造方法であって、該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒よりなる群より選択された少なくとも1種の化合物を、該群のうち選択されなかった残りの化合物と該溶剤との混合物よりなる加熱還流液中に又は該群の全ての化合物が選択されたときは該溶剤よりなる加熱還流液中に、該加熱還流液中の反応で生ずる水分の上昇を該加熱還流液からの留出水分を除去することにより抑制しつつ、徐々に添加することを特徴とする、製造方法。
(2)該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒のうち1種の化合物を選択するものである、上記1の製造方法。
(3)該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒のうち2種の化合物を選択するものである、上記1の製造方法。
(4)該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒の全て化合物を選択するものである、上記1の製造方法。
(5)該溶剤が、沸点50〜200℃の炭化水素である上記1ないし4の何れかの製造方法。
(6)金属系重合防止剤を反応混合物が含有しないものである、上記1ないし5の何れかの製造方法。
(7)反応混合物中の水分含量が5.0質量%以下となるように、加えられる化合物の添加速度を調整するものである、上記1ないし6の何れかの製造方法。
(8)該アルコール類化合物が、次の一般式(1)又は(2)、
(式中、置換基R1、R2、R3、R4、R5及びR6 は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基又はポリC2〜C3アルキレンオキシド基を表し、R1、R2、R3、R4 のうち少なくとも1つはヒドロキシル基又はポリC2〜C3アルキレンオキシド基であり、R5及びR6 のうち少なくとも1つはヒドロキシル基又はポリC2〜C3アルキレンオキシド基であり、
A及びBは、同一又は異なって、単結合又はC1〜C10の、直鎖状若しくは分枝鎖状の又は芳香環を含んでよい炭化水素基であり、
p及びqは、同一又は異なって、0〜4の整数を表す。)で示されるものである、上記1ないし7の何れかの製造方法。
(9)得られる(メタ)アクリル酸エステルが、式(1)又は(2)で示されるアルコール類化合物が有するヒドロキシル基の全部若しくは一部が(メタ)アクリル酸エステル化されたものである、上記8の製造方法。
(10)該アルコール類化合物が、iso−ブタノール、t−ブタノール、iso−オクタノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、並びにこれらの(エチレン及び/又はプロピレン)オキシド付加物、及びポリオキシ(エチレン及び/又はプロピレン)グリコールよりなる群より選ばれるものである、上記8又は9の製造方法。
(11)キノン系重合禁止剤、アルキルフェノール系重合禁止剤、アミン系重合禁止剤及びN−オキシル系重合禁止剤よりなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を、該加熱灌流液中に含有させ、及び/又は、これに添加される他の化合物と混合した状態で添加するものである、上記1ないし10何れかの製造方法。
A及びBは、同一又は異なって、単結合又はC1〜C10の、直鎖状若しくは分枝鎖状の又は芳香環を含んでよい炭化水素基であり、
p及びqは、同一又は異なって、0〜4の整数を表す。)で示されるものである、上記1ないし7の何れかの製造方法。
(9)得られる(メタ)アクリル酸エステルが、式(1)又は(2)で示されるアルコール類化合物が有するヒドロキシル基の全部若しくは一部が(メタ)アクリル酸エステル化されたものである、上記8の製造方法。
(10)該アルコール類化合物が、iso−ブタノール、t−ブタノール、iso−オクタノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、並びにこれらの(エチレン及び/又はプロピレン)オキシド付加物、及びポリオキシ(エチレン及び/又はプロピレン)グリコールよりなる群より選ばれるものである、上記8又は9の製造方法。
(11)キノン系重合禁止剤、アルキルフェノール系重合禁止剤、アミン系重合禁止剤及びN−オキシル系重合禁止剤よりなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を、該加熱灌流液中に含有させ、及び/又は、これに添加される他の化合物と混合した状態で添加するものである、上記1ないし10何れかの製造方法。
本発明によれば、従来のように金属性重合防止剤の使用を必要とすることなしに、(メタ)アクリル酸の重合反応を実質上完全に近く抑制して高収率及び高純度で、種々のアルコール類化合物の(メタ)アクリル酸エステルを直接エステル化反応により製造することができる。またこれにより、製品であるエステル体からの銅の洗浄除去工程が不要となり、この工程を含めて従来全体として12時間程度要した洗浄工程が6時間程度へと、約50%短縮でき、生産効率の向上をもたらすことができる。さらに本発明によれば、従来避けがたかった製品中への15ppm程度の塩素イオン残留という問題を解消できるが、これは製品を電材用途に用いる場合に好ましい特性である。加えて、従来の直接エステル化で多量に発生していた銅廃水の処理工程も不要となり、処理コスト及び環境への負荷の問題が共に解消される。また、金属製重合防止剤を用いない反応においても、重合防止剤の使用量を削減することができる。
本発明において、「(メタ)アクリル酸」の語は、アクリル酸及びメタクリル酸の双方を包含する。
本発明において、「溶剤」は、好ましくは、沸点50〜200℃の炭化水素であり、より好ましくは、沸点60〜115℃の炭化水素である。また、それらのうち鎖状又は環状アルカンが特に好ましい。特に好ましい炭化水素の例としては、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ヘプタン、iso−ヘプタン、iso−オクタン、メチルシクロヘキサン、トルエン等が挙げられる。また、溶剤を混合して用いてもよく、その場合も、混合溶剤の沸点は、好ましくは、沸点50〜200℃、より好ましくは、沸点60〜115℃である。混合溶剤を用いる場合、上記溶剤に芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等)を添加して用いてもよい。
本発明は、直接エステル化に際して従来問題であった(メタ)アクリル酸の重合を効果的に抑制するという効果がある点以外は、直接エステル化反応自体の効率について実質上変るところがないから、本発明を適用できるアルコール類化合物は、特に限定されない。従って、本発明によれば、アルコール類化合物として、従来(メタ)アクリル酸との直接エステル化反応の対象とし得ることが知られている何れの化合物も好適にエステル化することができる。
そのようなアルコール類化合物としては、例えば次の式(1)又は(2)で示されるもの、
(式中、置換基R1、R2、R3、R4、R5及びR6 は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基又はポリC2〜C3アルキレンオキシド基を表し、R1、R2、R3、R4 のうち少なくとも1つはヒドロキシル基又はポリC2〜C3アルキレンオキシド基であり、R5及びR6 のうち少なくとも1つはヒドロキシル基又はポリC2〜C3アルキレンオキシド基であり、
A及びBは、同一又は異なって、単結合又はC1〜C10の、直鎖状若しくは分枝鎖状の又は芳香環を含んでよい炭化水素基であり、
p及びqは、同一又は異なって、0〜4の整数を表す。)の何れかで示されるものである、上記1ないし7の何れかの製造方法が包含される。
A及びBは、同一又は異なって、単結合又はC1〜C10の、直鎖状若しくは分枝鎖状の又は芳香環を含んでよい炭化水素基であり、
p及びqは、同一又は異なって、0〜4の整数を表す。)の何れかで示されるものである、上記1ないし7の何れかの製造方法が包含される。
上記式中、置換基R1、R2、R3、R4、R5及びR6 について、「ポリC2〜C3アルキレンオキシド基」は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド単位から構成される基−O−(C2〜C3アルキレン−O)n−Hをいい、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合型のポリアルキレンオキシド基が包含される。nは1〜20の範囲の整数であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜5であることが更に好ましく、1〜3であることが特に好ましい。
上記式中、A及びBが炭化水素基であるときは、それぞれ、C1〜C8のものがより好ましく、C1〜C6のものが更に好ましい。また、A及びBの炭素数の和は、0〜40でよく、より好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20である。
上記式中、p及びqは、より好ましくは0〜3の整数、更に好ましくは0〜2の整数である。p又はqが0とき、基−(CH2)p−又は−(CH2)q−は、それぞれ単結合を表す。
上記式で表されるアルコールの例としては、限定される訳ではないが、該アルコール類化合物が、iso−ブタノール、t−ブタノール、iso−オクタノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、並びにこれらの(エチレン及び/又はプロピレン)オキシド付加物、及びポリオキシ(エチレン及び/又はプロピレン)グリコール自体が挙げられる。ここに、「(エチレン及び/又はプロピレン)オキシド付加物」とは、エチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物、及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドを任意の比率で構成単位としてなるアルキレンオキシド付加物を意味する。同様に、「ポリオキシ(エチレン及び/又はプロピレン)グリコール」とは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドを任意の比率で構成単位としてなるポリアルキレングリコールを意味する。ここに、(エチレン及び/又はプロピレン)オキシド付加物におけるポリ(エチレン及び/又はプロピレン)オキシド基のエチレン及び/又はプロピレンオキシド単位の個数nは1〜20の範囲の整数であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜5であることが更に好ましく、1〜3であることが特に好ましい。また、「ポリオキシ(エチレン及び/又はプロピレン)グリコール」のエチレン及び/又はプロピレンオキシド単位の個数nは1〜20の範囲の整数であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜5であることが更に好ましく、1〜3であることが特に好ましい。
本発明において、酸触媒としては、アルコール類化合物と(メタ)アクリル酸との直接エステル化反応の触媒として知られている慣用の酸触媒を何れも好適に使用することができる。そのような酸触媒は、有機又は無機の強酸であり、特に限定されないが、具体的には、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の鉱酸及びそれらの部分中和塩;タングステン酸、モリブデン酸、タングストケイ酸、モリブドケイ酸、タングストリン酸、モリブドリン酸等のヘテロポリ酸及びそれらの部分中和塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸;トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等のハロゲン化酢酸;フッ化ホウ素、塩化ホウ素、塩化アルミニウム、二塩化スズ、四塩化スズ等のルイス酸;スルホン酸基及びアルキルスルホン酸基の少なくとも1種のイオン交換基を有する酸性イオン交換樹脂;モルデナイト型、X型、Y型、β型、ZSM−5型等の酸性ゼオライト等が挙げられる。これらの酸触媒は、1種のものを単独で使用してもよく、2種以上を混合物する等して組み合わせて使用してもよい。これらのうち、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸が好ましい。
本発明において、アルコール類化合物、(メタ)アクリル酸及び酸触媒の何れを加熱灌流液側に最初から加えておくか、すなわち何れの化合物を後から徐々に添加される側の化合物とするか、については、特に限定されない。従って、次の種々の手順を採用することができる。
(i) 酸触媒及びアルコール類化合物を溶剤に加えて加熱還流させ、これにアクリル酸を徐々に添加する。
(ii) 酸触媒及び(メタ)アクリル酸を溶剤に加えて加熱還流させ、これにアルコール類化合物を徐々に添加する。
(iii) (メタ)アクリル酸及びアルコール類化合物を溶剤に加えて加熱還流させ、これに酸触媒を徐々に添加する。
(iv) 酸触媒を溶剤に加えて加熱還流させ、これに(メタ)アクリル酸及びアルコール類化合物を徐々に添加する。
(v) (メタ)アクリル酸を溶剤に加えて加熱還流させ、これにアルコール類化合物及び酸触媒を徐々に添加する。
(vi) アルコール類化合物を溶剤に加えて加熱還流させ、これに(メタ)アクリル酸及び酸触媒を徐々に添加する。
(vii) 溶剤のみを加熱還流させ、これにアルコール類化合物、(メタ)アクリル酸及び酸触媒を徐々に添加する。
徐々に添加する化合物が2種以上あるときは、それらの化合物は混合液として添加してもよく、それぞれを同時に添加してもよいが、混合液として添加する方がより好ましい。また、徐々に添加する化合物は、そのままの形で添加してもよいが、溶媒(例えば、加熱還流液の成分として用いることのできる溶媒)の溶液の形で添加することもできる。
(i) 酸触媒及びアルコール類化合物を溶剤に加えて加熱還流させ、これにアクリル酸を徐々に添加する。
(ii) 酸触媒及び(メタ)アクリル酸を溶剤に加えて加熱還流させ、これにアルコール類化合物を徐々に添加する。
(iii) (メタ)アクリル酸及びアルコール類化合物を溶剤に加えて加熱還流させ、これに酸触媒を徐々に添加する。
(iv) 酸触媒を溶剤に加えて加熱還流させ、これに(メタ)アクリル酸及びアルコール類化合物を徐々に添加する。
(v) (メタ)アクリル酸を溶剤に加えて加熱還流させ、これにアルコール類化合物及び酸触媒を徐々に添加する。
(vi) アルコール類化合物を溶剤に加えて加熱還流させ、これに(メタ)アクリル酸及び酸触媒を徐々に添加する。
(vii) 溶剤のみを加熱還流させ、これにアルコール類化合物、(メタ)アクリル酸及び酸触媒を徐々に添加する。
徐々に添加する化合物が2種以上あるときは、それらの化合物は混合液として添加してもよく、それぞれを同時に添加してもよいが、混合液として添加する方がより好ましい。また、徐々に添加する化合物は、そのままの形で添加してもよいが、溶媒(例えば、加熱還流液の成分として用いることのできる溶媒)の溶液の形で添加することもできる。
本発明の方法は、特に好ましくは、反応中における反応混合物中の水分量が所定のレベルに達しないように、添加速度が調整される。反応混合物中の水分量は、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは1.50質量%以下、更に好ましくは0.35質量%以下である。反応中における反応混合物中の水分含量が所定のレベルに達しないようにすることによって、(メタ)アクリル酸の重合を実質的に阻止することができる。反応中の水分含量のモニタリングは、反応液からサンプルを採取して、例えばカールフィッシャー水分計により測定することで、簡便に行うことができる。これにより、反応させようとするアルコール類化合物及び(メタ)アクリル酸について、特定スケールでの化合物の添加速度を一旦設定すれば、その後は同じ添加速度を踏襲することによって、本発明を簡便に実施することができる。
また本発明は(メタ)アクリル酸の重合防止効果が高いため、金属系重合防止剤を使用する必要はなく、使用しない場合、目的生成物に金属イオンが混入しない点で好ましいが、金属イオンの混入が問題とならない用途については、金属系重合防止剤の使用を排除するものではない。金属系以外の重合防止剤については、目的とするエステル体の用途にとって不都合でない限り、これを使用することは何ら差し支えない。本発明において用いることのできる重合防止剤としては、一般にラジカル重合禁止剤として用いられるものであれば、何れも使用することができる。その代表例としては、具体的には、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール等のキノン系重合禁止剤;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合禁止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のアミン系重合禁止剤;ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系重合禁止剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明によれば、これらの重合防止剤を加える場合でも、その量はごく従来アルコール類化合物と(メタ)アクリル酸との直接エステル化で使用されていた重合防止剤の量に比して、大きく低減させることができる。例えば、従来、重合体の生成を抑制する必要から、アルコール類化合物と(メタ)アクリル酸と直接エステル化においては、目的とするエステル体の理論量に対して、塩化第一銅(ハイドロキノンの約22倍の重合防止効果を有する)0.12質量%と、メトキシフェノール(ハイドロキノンの0.4倍の重合防止効果を有する)0.48質量%を加えることが行われていたが、本発明の製造方法によれば、例えばハイドロキノンでは、目的とするエステル体の理論量の0.02質量%程度の添加で済み、それにより重合体の生成を実質上完全に阻止することが可能である。従って、本発明の製造方法では、重合防止剤により追加の重合防止効果を求めるとしても、従来の直接エステル化反応に比して高々、0.02/(0.12×22+0.48×0.4)=1/142程度の追加的効果があればよい。
本発明により直接エステル化されるアルコール類化合物の特に好ましい具体例として、so−ブタノール、t−ブタノール、iso−オクタノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンポリオキシエチレン付加物、グリセリンポリオキシエチレン付加物が挙げられるが、それらに限定されない。
以下、実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが、本発明がそれら実施例に限定されることは意図しない。
[実施例1] (メタ)アクリル酸添加法(1,9−ノナンジオールジアクリレートの製造)
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)、ハイドロキノン0.08g(0.0008mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gを、それぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にアクリル酸248g(3.45mmol)を5時間かけて反応液に滴下することにより添加した。アクリル酸添加中は反応液の水分値が0.35%以下になるようにアクリル酸滴下速度を制御した。アクリル酸添加終了後2時間で反応液のガスクロマトグラフ分析を行い原料1,9−ノナンジオールと、1,9−ノナンジオールモノアクリレートのピークが消失していることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計0.5g程度であった。洗浄は、開始から6時間で完了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品である1,9−ノナンジオールジアクリレートを414g得た。収率は99%であった。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)、ハイドロキノン0.08g(0.0008mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gを、それぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にアクリル酸248g(3.45mmol)を5時間かけて反応液に滴下することにより添加した。アクリル酸添加中は反応液の水分値が0.35%以下になるようにアクリル酸滴下速度を制御した。アクリル酸添加終了後2時間で反応液のガスクロマトグラフ分析を行い原料1,9−ノナンジオールと、1,9−ノナンジオールモノアクリレートのピークが消失していることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計0.5g程度であった。洗浄は、開始から6時間で完了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品である1,9−ノナンジオールジアクリレートを414g得た。収率は99%であった。
[実施例2] 原料アルコール体添加法(1,9−ノナンジオールジアクリレートの製造)
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、アクリル酸248g(3.45mmol)、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)、ハイドロキノン0.08g(0.0008mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次に加熱溶解した1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)を5時間かけて反応液に滴下することにより添加した。1,9−ノナンジオール添加中は反応液の水分値が0.35%以下になるように1,9−ノナンジオール添加速度を制御した。1,9−ノナンジオール添加終了後2時間で反応液のガスクロマトグラフ分析を行い原料1,9−ノナンジオールと、1,9−ノナンジオールモノアクリレートのピークが消失していることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計0.5g程度であった。洗浄は、開始から6時間で完了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品である1,9−ノナンジオールジアクリレートを414g得た。収率は99%であった。製品中の塩素イオン分を測定したが、塩素イオンは認められなかった。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、アクリル酸248g(3.45mmol)、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)、ハイドロキノン0.08g(0.0008mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次に加熱溶解した1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)を5時間かけて反応液に滴下することにより添加した。1,9−ノナンジオール添加中は反応液の水分値が0.35%以下になるように1,9−ノナンジオール添加速度を制御した。1,9−ノナンジオール添加終了後2時間で反応液のガスクロマトグラフ分析を行い原料1,9−ノナンジオールと、1,9−ノナンジオールモノアクリレートのピークが消失していることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計0.5g程度であった。洗浄は、開始から6時間で完了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品である1,9−ノナンジオールジアクリレートを414g得た。収率は99%であった。製品中の塩素イオン分を測定したが、塩素イオンは認められなかった。
[実施例3] 触媒添加法(1,9−ノナンジオールジアクリレートの製造)
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)、アクリル酸248g(3.45mmol)、ハイドロキノン0.08g(0.0008mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にp−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)を5時間かけて反応液に添加した。p−トルエンスルホン酸添加中は反応液の水分値が0.35%以下になるようにp−トルエンスルホン酸添加速度を制御した。p−トルエンスルホン酸添加終了後2時間で反応液のガスクロマトグラフ分析を行い原料1,9−ノナンジオールと、1,9−ノナンジオールモノアクリレートのピークが消失していることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計0.5g程度であった。洗浄は、開始から6時間で完了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を414g得た。収率は99%であった。製品中の塩素イオン分を測定したが、塩素イオンは認められなかった。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)、アクリル酸248g(3.45mmol)、ハイドロキノン0.08g(0.0008mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にp−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)を5時間かけて反応液に添加した。p−トルエンスルホン酸添加中は反応液の水分値が0.35%以下になるようにp−トルエンスルホン酸添加速度を制御した。p−トルエンスルホン酸添加終了後2時間で反応液のガスクロマトグラフ分析を行い原料1,9−ノナンジオールと、1,9−ノナンジオールモノアクリレートのピークが消失していることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計0.5g程度であった。洗浄は、開始から6時間で完了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を414g得た。収率は99%であった。製品中の塩素イオン分を測定したが、塩素イオンは認められなかった。
[実施例4](メタ)アクリル酸添加法(ビスフェノールAエチレンオキシド付加物ジアクリレートの製造)
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた1Lのガラス製5ツ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキシド(EO)付加物であるジオール(1分子あたり2個のジエチレンオキシド基を有する)260g(0.64mmol)、p−トルエンスルホン酸7.8g(0.045mmol)、ハイドロキノン0.03g(0.0003mmol)、溶媒としてトルエン540g、ヘキサン100gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度85℃程度でヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にアクリル酸229g(1.59mmol)を8時間かけて反応液に滴下することにより添加した。アクリル酸添加中、反応液の水分値が0.20質量%以下になるように添加速度を制御した。アクリル酸添加終了後2時間で反応液の高速液体クロマトグラフ分析を行い、原料ジオールのピークが1.0%(面積%)以下であることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。
次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計0.5g程度であった。洗浄は開始から6時間で終了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を325g得た。収率は99%であった。製品中の塩素イオン濃度を測定したが、塩素イオンは認められなかった。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた1Lのガラス製5ツ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキシド(EO)付加物であるジオール(1分子あたり2個のジエチレンオキシド基を有する)260g(0.64mmol)、p−トルエンスルホン酸7.8g(0.045mmol)、ハイドロキノン0.03g(0.0003mmol)、溶媒としてトルエン540g、ヘキサン100gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度85℃程度でヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にアクリル酸229g(1.59mmol)を8時間かけて反応液に滴下することにより添加した。アクリル酸添加中、反応液の水分値が0.20質量%以下になるように添加速度を制御した。アクリル酸添加終了後2時間で反応液の高速液体クロマトグラフ分析を行い、原料ジオールのピークが1.0%(面積%)以下であることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。
次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計0.5g程度であった。洗浄は開始から6時間で終了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を325g得た。収率は99%であった。製品中の塩素イオン濃度を測定したが、塩素イオンは認められなかった。
[実施例5]原料アルコール体添加法(ビスフェノールAエチレンオキシド付加物ジアクリレートの製造)
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた1Lのガラス製5ツ口フラスコに、アクリル酸229g(1.59mmol)、p−トルエンスルホン酸7.8g(0.045mmol)、ハイドロキノン0.03g(0.0003mmol)、溶媒としてトルエン540g、ヘキサン100gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度85℃程度でヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にビスフェノールAエチレンオキシド(EO)付加物であるジオール(1分子あたり2個のジエチレンオキシド基を有する)250g(0.64mmol)を7時間かけて反応液に滴下することにより添加した。ジオール添加中、反応液の水分値が0.20%以下になるように添加速度を制御した。ジオール添加終了後2時間で反応液の高速液体クロマトグラフ分析を行い、原料ジオールのピークが1.0%(面積%)以下であることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。
次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は0.5g程度であった。洗浄は開始から6時間で終了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を324.5g得た。収率は99%であった。製品中の塩素イオン濃度を測定したが、塩素イオンは認められなかった。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた1Lのガラス製5ツ口フラスコに、アクリル酸229g(1.59mmol)、p−トルエンスルホン酸7.8g(0.045mmol)、ハイドロキノン0.03g(0.0003mmol)、溶媒としてトルエン540g、ヘキサン100gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度85℃程度でヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にビスフェノールAエチレンオキシド(EO)付加物であるジオール(1分子あたり2個のジエチレンオキシド基を有する)250g(0.64mmol)を7時間かけて反応液に滴下することにより添加した。ジオール添加中、反応液の水分値が0.20%以下になるように添加速度を制御した。ジオール添加終了後2時間で反応液の高速液体クロマトグラフ分析を行い、原料ジオールのピークが1.0%(面積%)以下であることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。
次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は0.5g程度であった。洗浄は開始から6時間で終了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を324.5g得た。収率は99%であった。製品中の塩素イオン濃度を測定したが、塩素イオンは認められなかった。
[実施例6]触媒添加法(ビスフェノールAエチレンオキシド付加物ジアクリレートの製造)
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ツ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物であるジオール(1分子あたり2個のジエチレンオキシド基を有する)260g(0.64mmol)、アクリル酸229g(1.59mmol)、ハイドロキノン0.03g(0.0003mmol)、溶媒としてトルエン540g、ヘキサン100gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度85℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にp−トルエンスルホン酸7.8g(0.045mmol)を7時間かけて反応液に添加した。p−トルエンスルホン酸添加中は反応液の水分値が0.20%以下になるようにp−トルエンスルホン酸添加速度を制御した。p−トルエンスルホン酸添加終了後2時間で高速液体クロマトグラフ分析を行い、原料ジオールのピークが1.0%(面積%)以下であることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。
次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計0.5g程度であった。洗浄は開始から6時間で終了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を325g得た。収率は99%であった。製品中の塩素イオン濃度を測定した結果、塩素イオンは認められなかった。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ツ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物であるジオール(1分子あたり2個のジエチレンオキシド基を有する)260g(0.64mmol)、アクリル酸229g(1.59mmol)、ハイドロキノン0.03g(0.0003mmol)、溶媒としてトルエン540g、ヘキサン100gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度85℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にp−トルエンスルホン酸7.8g(0.045mmol)を7時間かけて反応液に添加した。p−トルエンスルホン酸添加中は反応液の水分値が0.20%以下になるようにp−トルエンスルホン酸添加速度を制御した。p−トルエンスルホン酸添加終了後2時間で高速液体クロマトグラフ分析を行い、原料ジオールのピークが1.0%(面積%)以下であることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。
次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄2回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計0.5g程度であった。洗浄は開始から6時間で終了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を325g得た。収率は99%であった。製品中の塩素イオン濃度を測定した結果、塩素イオンは認められなかった。
[比較例1] 重金属系重合防止剤使用下での慣用法(1,9−ノナンジオールジアクリレートの製造)
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)、アクリル酸248g(3.45mmol)、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)、塩化第一銅0.5g(0.005mmol)、ハイドロキノンモノメチルエーテル2g(0.016mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まった。7時間で反応液のガスクロマトグラフ分析を行い原料1,9−ノナンジオールと、1,9−ノナンジオールモノアクリレートのピークが消失していることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は1.5g程度あった。次いで分液ロートに反応液を移し替え、酸洗浄3回、アルカリ洗浄4回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計20g程度であった。重金属(銅)廃水は60gであった。洗浄は、開始から終了まで12時間を要した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を402g得た。収率は96%であった。製品中の塩素イオン分を測定した結果、15ppmが検出された。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)、アクリル酸248g(3.45mmol)、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)、塩化第一銅0.5g(0.005mmol)、ハイドロキノンモノメチルエーテル2g(0.016mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まった。7時間で反応液のガスクロマトグラフ分析を行い原料1,9−ノナンジオールと、1,9−ノナンジオールモノアクリレートのピークが消失していることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は1.5g程度あった。次いで分液ロートに反応液を移し替え、酸洗浄3回、アルカリ洗浄4回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計20g程度であった。重金属(銅)廃水は60gであった。洗浄は、開始から終了まで12時間を要した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を402g得た。収率は96%であった。製品中の塩素イオン分を測定した結果、15ppmが検出された。
[比較例2] 実施例と同量の重合防止剤(ハイドロキノン)使用下での慣用法(1,9−ノナンジオールジアクリレートの製造)
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)、アクリル酸248g(3.45mmol)、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)、ハイドロキノン0.08g(0.0008mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gをそれそれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、2時間で反応液が重合を起こし、ゲル化した。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)、アクリル酸248g(3.45mmol)、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)、ハイドロキノン0.08g(0.0008mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gをそれそれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、2時間で反応液が重合を起こし、ゲル化した。
[比較例3] 反応液水分値を高く設定した(メタ)アクリル酸添加法(1,9−ノナンジオールジアクリレートの製造)
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)、ハイドロキノン0.08g(0.0008mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にアクリル酸248g(3.45mmol)を4時間かけて反応液に滴下することにより添加した。アクリル酸添加中は反応液の水分値が0.50%より高くなるようにアクリル酸添加速度を制御した。アクリル酸添加終了後2時間で反応液のガスクロマトグラフ分析を行い原料1,9−ノナンジオールと、1,9−ノナンジオールモノアクリレートのピークが消失していることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄5回、水洗浄5回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計220g程度であった。洗浄開始から終了まで24時間を要した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を251g得た。収率は60%であった。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた2Lのガラス製5ッ口フラスコに、1,9−ノナンジオール250g(1.56mmol)、p−トルエンスルホン酸11g(0.06mmol)、ハイドロキノン0.08g(0.0008mmol)、溶媒としてシクロヘキサン332gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でシクロヘキサンの還流が始まり、水分離器への留出を確認した。次にアクリル酸248g(3.45mmol)を4時間かけて反応液に滴下することにより添加した。アクリル酸添加中は反応液の水分値が0.50%より高くなるようにアクリル酸添加速度を制御した。アクリル酸添加終了後2時間で反応液のガスクロマトグラフ分析を行い原料1,9−ノナンジオールと、1,9−ノナンジオールモノアクリレートのピークが消失していることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は全く見られなかった。次いで分液ロートに反応液を移し替え、アルカリ洗浄5回、水洗浄5回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計220g程度であった。洗浄開始から終了まで24時間を要した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を251g得た。収率は60%であった。
[比較例4]重金属系重合防止剤使用下での慣用法(ビスフェノールAエチレンオキシド付加物ジアクリレートの製造)
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた1Lのガラス製5ツ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物であるジオール(1分子あたり2個のジエチレンオキシド基を有する)260g(0.64mmol)、アクリル酸229g(1.59mmol)、p−トルエンスルホン酸7.8g(0.045mmol)、ハイドロキノン0.33g(0.003mmol)、溶媒としてトルエン540g、ヘキサン100gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でヘキサンの還流が始まった。10時間で反応液の高速液体クロマトグラフ分析を行い、原料ビスフェノールAEO付加物ジオールのピークが1.0%(面積%)以下であることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は1.5g程度あった。
次いで分液ロートに反応液を移し替え、酸洗浄3回、アルカリ洗浄4回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計40g程度であった。重金属(銅)廃水は60gであった。洗浄は開始から12時間で終了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を316g得た。収率は96%であった。
製品中の塩素イオン濃度を測定したところ、塩素イオンは25ppmであった。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌機を取り付けた1Lのガラス製5ツ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物であるジオール(1分子あたり2個のジエチレンオキシド基を有する)260g(0.64mmol)、アクリル酸229g(1.59mmol)、p−トルエンスルホン酸7.8g(0.045mmol)、ハイドロキノン0.33g(0.003mmol)、溶媒としてトルエン540g、ヘキサン100gをそれぞれ仕込んだ。次にフラスコ内に空気を吹き込みながら、フラスコ内を加熱攪拌した。反応温度80℃程度でヘキサンの還流が始まった。10時間で反応液の高速液体クロマトグラフ分析を行い、原料ビスフェノールAEO付加物ジオールのピークが1.0%(面積%)以下であることを確認し反応終了とした。反応液は直ちに室温まで冷却した。フラスコ内面への重合物の付着は1.5g程度あった。
次いで分液ロートに反応液を移し替え、酸洗浄3回、アルカリ洗浄4回、水洗浄3回を続けて行った。反応中発生した重合物が原因とされる中間層の量は合計40g程度であった。重金属(銅)廃水は60gであった。洗浄は開始から12時間で終了した。得られた洗浄済み有機層にハイドロキノンモノメチルエーテル0.05gを加えて減圧濃縮を行い、製品を316g得た。収率は96%であった。
製品中の塩素イオン濃度を測定したところ、塩素イオンは25ppmであった。
本発明は、種々のアルコール類化合物の(メタ)アクリル酸エステルを、金属性重合防止剤の使用を必要とすることなしに、高収率及び高純度で、また効率的且つ環境への重金属負荷なしに、直接エステル化反応により製造するために利用することができる。また、銅イオンや塩素イオンを含まないエステルの製造にも利用することができる。
Claims (11)
- 加熱還流条件下、溶剤中におけるアルコール類化合物と(メタ)アクリル酸との、酸触媒存在下での反応によるアクリル酸エステルの製造方法であって、該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒よりなる群より選択された少なくとも1種の化合物を、該群のうち選択されなかった残りの化合物と該溶剤との混合物よりなる加熱還流液中に又は該群の全ての化合物が選択されたときは該溶剤よりなる加熱還流液中に、該加熱還流液中の反応で生ずる水分の上昇を該加熱還流液からの留出水分を除去することにより抑制しつつ、徐々に添加することを特徴とする、製造方法。
- 該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒のうち1種の化合物を選択するものである、請求項1の製造方法。
- 該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒のうち2種の化合物を選択するものである、請求項1の製造方法。
- 該アルコール類化合物、該(メタ)アクリル酸及び該酸触媒の全て化合物を選択するものである、請求項1の製造方法。
- 該溶剤が、沸点50〜200℃の炭化水素である請求項1ないし4の何れかの製造方法。
- 金属系重合防止剤を反応混合物が含有しないものである、請求項1ないし5の何れかの製造方法。
- 反応混合物中の水分含量が5.0質量%以下となるように、加えられる化合物の添加速度を調整するものである、請求項1ないし6の何れかの製造方法。
- 該アルコール類化合物が、次の一般式(1)又は(2)、
(式中、置換基R1、R2、R3、R4、R5及びR6 は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基又はポリC2〜C3アルキレンオキシド基を表し、R1、R2、R3、R4 のうち少なくとも1つはヒドロキシル基又はポリC2〜C3アルキレンオキシド基であり、R5及びR6 のうち少なくとも1つはヒドロキシル基又はポリC2〜C3アルキレンオキシド基であり、
A及びBは、同一又は異なって、単結合又はC1〜C10の、直鎖状若しくは分枝鎖状の又は芳香環を含んでよい炭化水素基であり、
p及びqは、同一又は異なって、0〜4の整数を表す。)で示されるものである、請求項1ないし7の何れかの製造方法。 - 得られる(メタ)アクリル酸エステルが、式(1)又は(2)で示されるアルコール類化合物が有するヒドロキシル基の全部若しくは一部が(メタ)アクリル酸エステル化されたものである、請求項8の製造方法。
- 該アルコール類化合物が、iso−ブタノール、t−ブタノール、iso−オクタノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、並びにこれらの(エチレン及び/又はプロピレン)オキシド付加物、及びポリオキシ(エチレン及び/又はプロピレン)グリコールよりなる群より選ばれるものである、請求項8又は9の製造方法。
- キノン系重合禁止剤、アルキルフェノール系重合禁止剤、アミン系重合禁止剤及びN−オキシル系重合禁止剤よりなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を、該加熱灌流液中に含有させ、及び/又は、これに添加される他の化合物と混合した状態で添加するものである、請求項1ないし10何れかの製造方法。
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