JP2007110951A - リン脂質を塩基交換する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】二相系でのリン脂質の塩基交換反応において、生成するリン脂質の収率を上げる方法、及び、分離を簡便にする方法を提供する。
【解決手段】リン脂質とヒドロキシル基含有化合物とを、ホスホリパーゼDの存在下、非極性溶媒、極性溶媒及び水からなる二相系中で反応させる工程を含み、
極性溶媒の含有量が、非極性溶媒及び極性溶媒の合計量に対して、容積基準で20%を超え、かつ80%以下の量であり、
リン脂質に対するヒドロキシル基含有化合物のモル比が4以上30以下であることを特徴とするリン脂質の塩基交換方法、及び、
リン脂質とヒドロキシル基含有化合物とを、食用油及びホスホリパーゼDの存在下、非極性溶媒、極性溶媒及び水からなる二相系中で反応させる工程を含む、リン脂質の塩基交換方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ホスホリパーゼDを用いたリン脂質の塩基交換方法に関する。更に詳しくは、ホスホリパーゼDを用いたリン脂質の塩基交換反応において、非極性溶媒と極性溶媒との配合比及びリン脂質とヒドロキシル基含有化合物との配合比を限定して反応を行う方法、又は、食用油を用いて反応を行う方法に関する。
ホスホリパーゼD(以下、PLDと略す)は、リン脂質の塩基交換反応を触媒することが知られている。PLDは、例えば、ホスファチジルコリン(以下、PCと略す)、ホスファチジルエタノールアミン(以下、PEと略す)のようなリン脂質と、受容体であるアルコールとの間の塩基交換反応を触媒する。例えば、アルコールとしてグリセロールを用いた場合には、ホスファチジルグリセロール(以下、PGと略す)が生産される。また、アルコールとしてセリンを用いた場合には、ホスファチジルセリン(以下、PSと略す)が生産される。一方、受容体としてアルコールの代わりに水を用いた場合には、リン脂質の加水分解反応が進行し、ホスファチジン酸(以下、PAと略す)が生産される。
一般的に、PLDを用いたリン脂質の塩基交換反応は、水系または水相及び有機溶媒相からなる二相系で行われるが、反応系中に水が存在することにより、塩基交換反応と共に副反応として加水分解反応も進行する。なかでも二相系の場合、反応系中の水の含量が多くなると、塩基交換反応よりも加水分解反応が促進されて、塩基交換反応の収率が悪くなる等の影響がある。特にヘプタン、アセトン及び水を用いた場合、水の量が多くなると、収率の低下に加えて生成物の分離が困難になるという問題点がある。
そこで、塩基交換反応の収率をあげるため、様々な方法が報告されている。
水系の場合、塩類(カルシウム塩等)や界面活性剤を添加して加水分解反応を抑制する方法、または塩基交換反応を促進する方法が知られている。
二相系においては、水の量を最小限(10%以下)にして加水分解反応を抑制する方法が考案されている。二相系の場合、主として水相にPLD、アルコール等の受容体等が含まれるが、例えばこれらの成分を含む水相を逆ミセル中に封入して反応系に添加する方法(特許文献1参照)、リン脂質と受容体とを担体に吸着させたPLDに接触させて、反応系中の水分含量が1重量%以下の状態でリン脂質と受容体とを反応させる方法がある(特許文献2参照)。
これらの方法でPAの生成は抑制されたが、目的とするリン脂質の収率が充分ではなく、更に収率を上げることが望まれている。
塩基交換反応での収率を更に上げるためには、アルコール等の受容体の添加量を増やす必要があるが、受容体の水への溶解度に限界があることから、受容体の添加量を増やすと必然的に水の量も増加せざるを得ないという問題がある。
一方、塩基交換反応後の生成物の分離については、塩基交換反応によるPSの製造方法において、濃縮工程又は溶媒除去工程の前に、塩基交換反応で得られたPS含有溶液に希釈油を添加して、流動性のよいPS組成物を効率よく得る方法が報告されている(特許文献3参照)。
しかしながら、塩基交換反応での収率がよく、かつ、生成物の分離が簡便な方法はまだ知られていない。
特公平7−16426号公報 特公平3−67676号公報 特開2003−304814号公報
本発明は、上記現状に鑑み、二相系でのリン脂質の塩基交換反応において、生成するリン脂質の収率を上げる方法、及び、分離を簡便にする方法を提供する。
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、反応系中の非極性溶媒と極性溶媒との配合比、及び、リン脂質とヒドロキシル基含有化合物との配合比を限定することにより、生成物の収率が向上することを見出した。また、二相系でリン脂質の塩基交換反応を行う際、反応系中に食用油を添加することにより、収率を下げることなく生成物の分離が容易になることを見出した。
すなわち第一の本発明は、リン脂質とヒドロキシル基含有化合物とを、ホスホリパーゼDの存在下、非極性溶媒、極性溶媒及び水からなる二相系中で反応させる工程を含み、極性溶媒の含有量が、非極性溶媒及び極性溶媒の合計量に対して、容積基準で20%を超え、かつ80%以下の量であり、リン脂質に対するヒドロキシル基含有化合物のモル比が4以上、30以下であることを特徴とするリン脂質の塩基交換方法である。
また、第二の本発明は、リン脂質とヒドロキシル基含有化合物とを、食用油及びホスホリパーゼDの存在下、非極性溶媒、極性溶媒及び水からなる二相系中で反応させる工程を含む、リン脂質の塩基交換方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
第一の本発明であるリン脂質の塩基交換方法は、ホスホリパーゼDの存在下、非極性溶媒、極性溶媒及び水からなる二相系中で、極性溶媒の含有量が、非極性溶媒及び極性溶媒の合計量に対して容積基準で20%を超え、かつ80%以下の量で、リン脂質とヒドロキシル基含有化合物とを反応させることからなる。
上記非極性溶媒としては特に限定されず、例えば、ヘプタン、ヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;四塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。上記非極性溶媒としては、ヘプタン、ヘキサンが好ましい。
上記極性溶媒としては特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。上記極性溶媒としては、アセトンが好ましい。
本発明の塩基交換方法において、極性溶媒の含有量が20%以下であるか、又は80%を超えると、目的リン脂質の収率が低くなる。上記極性溶媒の含有量は、好ましくは25〜50%である。
本発明の塩基交換方法で用いる水としては、イオン交換水、精製水、蒸留水、水道水等が挙げられる。さらに、これらに酢酸等を含有させてpH調整のための緩衝液としてもよい。好ましくは、イオン交換水、精製水又は蒸留水が用いられる。
本発明の塩基交換方法では、水の含有量が、非極性溶媒及び極性溶媒の合計に対して容積基準で30〜250%であることが好ましく、30〜200%であることがより好ましい。更に好ましくは、50〜100%である。
また、本発明の塩基交換方法は、リン脂質に対するヒドロキシル基含有化合物のモル比が4以上30以下の条件下で行う。ヒドロキシル基含有化合物のモル比が4未満であると、生成するリン脂質の収率が低くなる。上記モル比は、6以上が好ましく、8以上がより好ましい。また、上記モル比が30を超えるとコストが高くなり、非現実である。
本発明の塩基交換方法で用いられるリン脂質は、いかなる起源のものでもよく、リン脂質を含む天然物、天然物からの抽出物、当該抽出物を精製したもの、合成リン脂質等が好適に用いられる。このようなリン脂質の例としては、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルイノシトール(PI)、これらの混合物等が挙げられる。上記リン脂質は、単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよく、一般的には、大豆レシチン、卵黄レシチン、菜種レシチン等が用いられる。
リン脂質の純度は、好ましくは、上記の化合物の全質量を基準として20〜99.5質量%である。また、上記リン脂質は、本反応系中で0.1〜60質量%用いるのが好ましい。なお、リン脂質と非極性溶媒及び極性溶媒からなる有機溶媒との割合は特に限定されないが、塩基交換反応時にリン脂質が有機溶媒相に溶解していることが好ましく、通常、リン脂質1gに対して有機溶媒が1〜10mlである。
上記ヒドロキシル基含有化合物としては、例えば、アルコール類、含窒素アルコール類、糖類、ポリオール類、ヒドロキシ環状化合物等が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アスコルビン酸等が挙げられる。
含窒素アルコール類としては、例えば、セリンなどのアミノ酸;1−アミノ−2−プロパノールなどが挙げられる。
糖類としては、例えば、アデノシン、グアノシン、イノシン、キサントシン、デオキシアデノシン、デオキシグアノシン等のヌクレオシド;グルコース、トレハロース、N−アセチル−D−グルコサミン等が挙げられる。
ポリオール類としては、例えば、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
ヒドロキシ環状化合物としては、例えば、麹酸、アルブチン等が挙げられる。
本発明の塩基交換方法において、上記ヒドロキシル基含有化合物と水との割合は特に限定されないが、塩基交換反応時に上記ヒドロキシル基含有化合物が水に溶解していることが好ましく、例えばヒドロキシル基含有化合物としてセリンを用いる場合、セリン1gに対して、3〜10mlの水を配合するのが好ましい。
本発明の塩基交換方法は、ホスホリパーゼD(PLD)の存在下で行う。上記PLDとしては、リン脂質の塩基部分を加水分解、及び/または塩基交換することができるものであれば特に限定されず、例えば植物由来のPLD、微生物由来のPLD等が挙げられる。植物由来のPLDとしてはキャベツ、大豆由来のPLD等が挙げられ、微生物由来のPLDとしては放線菌、糸状菌由来のPLD等が挙げられる。
本反応系中におけるPLDの濃度は、リン脂質1gに対し、好ましくは5〜200U、より好ましくは20〜100Uである。なお、1Uは、95%大豆ホスファチジルコリンを基質とし、基質濃度0.16%の0.2M酢酸緩衝液(pH4.0、10mMのCaCl、1.3%のTriton X−100を含む)を37℃にて反応させた時、1分間に1μmolのコリンを遊離する酵素量である。
上記塩基交換反応は、pH3.5〜10の条件で行うことが好ましく、pH4〜9がより好ましい。反応温度は、10〜40℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。
また、反応系が二相系であることから、塩基交換反応を行う間は反応系を攪拌することが好ましい。
本発明の塩基交換方法は、また、二相系中に食用油を含むことが好ましい。食用油の存在下で塩基交換反応を行うことにより、水相と有機溶媒相が分離し、生成するリン脂質の分離が容易になる。食用油の添加については、後述する第二の本発明の塩基交換方法と同様に行うことができる。
上記塩基交換反応により、例えばリン脂質中のPC、PE等と、セリン等のヒドロキシル基含有化合物とが反応してPS等が得られる。
塩基交換反応を行った後は、例えば加熱等の処理でPLDを失活させ、遠心分離法等により有機溶媒層と水層を分離して有機溶媒層を得たあと、有機溶媒を減圧下で除去することによって濃縮する。次いで、アセトン又はエタノールで晶析を行い、固液分離によって固形物を得、乾燥することにより、塩基交換反応で生成したリン脂質を単離することができる。
次に第二の本発明であるリン脂質の塩基交換方法について説明する。
第二の本発明の塩基交換方法は、リン脂質とヒドロキシル基含有化合物とを、食用油及びホスホリパーゼDの存在下、非極性溶媒、極性溶媒及び水からなる二相系中で反応させる工程を含む。
上記食用油としては、植物由来のもの、魚油等の動物由来のもの、微生物由来のもの等が挙げられ、ココナツ油、ヤシ油、パーム油、グレープフルーツ油及び中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)の様な飽和脂肪酸を多く含む油類;或いは大豆油、ごま油、シソ油、落花生油、米ぬか油(米胚芽油)、小麦胚芽油、トウモロコシ油、菜種油、綿実油、カボチャ種子油、オリーブ油、グアバ種子油、ナツメヤシ種子油、ブドウ種子油、ツバキ種子油、ヒマワリ油、月見草種子油、サフラワー油などの様な不飽和脂肪酸を多く含む油類の何れか、またはこれらの混合油類を使用できる。上記食用油は天然のものであってもよいし、加工したものであってもよい。また、上記食用油は、液状であってもよいし、反応時に液状となるものであれば固体であってもよい。
食用油の添加量は、リン脂質100重量部に対して、5重量部以上が好ましい。5重量部未満であると、水相と有機溶媒相が充分に分離せず、リン脂質の分離精製が困難となる場合がある。より好ましくは、5〜80重量部である。
上記食用油は、塩基交換反応を開始する前に添加してもよいし、反応を開始した後に添加してもよいが、本発明においては反応を開始する前に添加することが好ましい。塩基交換反応の開始前に添加すると、水相と有機溶媒相が良好に分離し、反応後のリン脂質の分離精製が容易である。
本発明で用いるリン脂質、ヒドロキシル基含有化合物、ホスホリパーゼD、非極性溶媒、極性溶媒及び水の種類や配合量、反応時のpHや反応温度、塩基交換反応後のリン脂質の単離は、上述の第一の本発明と同様である。
これまで二相系中での塩基交換反応では、水相と有機溶媒相が乳化するため反応後にリン脂質の分離精製が困難であったが、本発明の方法では、反応系中に食用油を添加することにより、リン脂質の収率を下げることなく、反応後に水相と有機溶媒相が良好に分離し、リン脂質の精製が容易となる。
第一の本発明の塩基交換方法では、非極性溶媒と極性溶媒との配合比、リン脂質とヒドロキシル基含有化合物との配合比を限定することにより、反応系に水が多く含まれても効率よく塩基交換反応が進むので、ヒドロキシル基含有化合物を多く配合することができ、目的とするリン脂質の収率を上げることができる。
第二の本発明の塩基交換方法では、反応系に食用油を添加することにより、リン脂質の収率を下げることなく反応後も水相と有機溶媒相が良好に分離するので、生成するリン脂質の分離精製が簡便となり、高純度のリン脂質が得られる。
以下に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
レシチンとしてSLP−PC55(辻製油社製、PC54.4重量%、PE12.2重量%)を、20%(重量/容量)になるように、ヘプタンおよびアセトンの混合液に溶解した。ヘプタンおよびアセトンの混合比は、ヘプタン:アセトン=8.0:2.0、7.5:2.5、7.0:3.0、6.5:3.5および6.0:4.0(容量:容量)とした。以後、この溶液をレシチン溶液という。
次にL−セリン(協和発酵社製)を25%(重量/容量)になるように、0.6M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)に溶解した。以後、この溶液をセリン溶液という。
上記の通り、調製したレシチン溶液およびセリン溶液を、レシチンとセリンのモル比が、レシチン:セリン=1:2、1:4、1:6、1:8および1:10となる比率で、全量が1mlになるように、2mlエッペンドルフチューブに分注した。さらに、ホスホリパーゼD(ナガセケムテックス社製)をレシチン1g当り90Uとなるように添加し、TITEC社製のBio Shaker M−BR−022UPを用い、30℃で16時間攪拌して、反応を行った。以後、このレシチン溶液とセリン溶液の混合液を反応液という。
リン脂質組成は、反応液50μlをクロロホルム:メタノール=1:1(容量:容量)の混合液に溶解し、遠心分離にて不溶物を除去した後、下記の条件の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分析した。
使用カラム:GL Sciences製 Unisil Q NH(内径4.6mm×25cm)
移動相:アセトニトリル:メタノール:10mMリン酸二水素アンモニウム=619:291:90(v/v/v)
流速:1.3ml/min
カラム温度:37℃
検出:UV 205nm
また、PSの生成率は反応前のPCおよびPE量に対する生成したPS量を表した。
PS生成率%=(生成したPS量/反応前のPC+PE量)×100
PSの生成率を表1及び図1で示す。なお、反応後レシチン溶液とセリン溶液の分離状態はセリン溶液の量の増加に伴って、悪くなっていった。
Figure 2007110951
実施例2
レシチンとしてイカ由来のリン脂質(日本科学飼料社製、PC49.1重量%、PE8.7重量%)を、20%(重量/容量)になるように、ヘプタンおよびアセトンの混合液に溶解した。ヘプタンおよびアセトンの混合比は、ヘプタン:アセトン=7.0:3.0、6.5:3.5、6.0:4.0、5.0:5.0および4.0:6.0(容量:容量)とした。以後、この溶液をレシチン溶液という。
セリン溶液は実施例1と同様に調製した。
上記の通り、調製したレシチン溶液およびセリン溶液を、レシチンとセリンのモル比が、レシチン:セリン=1:8、1:10、1:12、1:14、1:16、1:18、および1:20となる比率で、全量を1mlになるように、2mlエッペンドルフチューブに分注した。さらに、ホスホリパーゼD (ナガセケムテックス株式会社製)をレシチン1g当り90Uとなるように添加し、TITEC社製のBio Shaker M−BR−022UPを用い、30℃で5時間攪拌した。
リン脂質組成の分析は、実施例1記載の方法で行った。PSの生成率を表2及び図2で示す。尚、反応後レシチンとセリン溶液の分離状態は悪かった。
Figure 2007110951
実施例3
レシチンとしてSLP−PC55(辻製油社製、PC54.4重量%、PE12.2重量%)を、20%(重量/容量)になるように、ヘプタンおよびアセトンの混合液に溶解した。ヘプタン及びアセトンの混合比は、ヘプタン:アセトン=7:3(容量:容量)とした。さらに菜種油(ナカライテスク社製)をレシチン100重量部に対して、表3に示すように0〜100重量部添加して、レシチン溶液とした。
セリン溶液は実施例1と同様に調製した。
上記の通り、調製したレシチン溶液およびセリン溶液を、レシチンとセリンのモル比が、レシチン:セリン=1:10となる比率で、全量を100mlになるように、500ml栓付ビンに分注し、30℃の水浴中で、5時間、マグネットスターラーを用いて攪拌し、反応を行った。
反応後、2時間静置し、レシチン溶液とセリン溶液の分液状態、レシチン溶液の濁り等を目視により確認した。また、PSの生成率は実施例1記載の方法で実施した。結果は表3で示す。
Figure 2007110951
実施例4
レシチンとしてイカ由来のリン脂質(日本科学飼料社製、PC49.1重量%、PE8.7重量%)を、20%(重量/容量)になるように、ヘプタンおよびアセトンの混合液に溶解した。ヘプタンおよびアセトンの混合比は、ヘプタン:アセトン=6:4(容量:容量)とした。さらに菜種油(ナカライテスク社製)をレシチン100重量部に対して、表4に示すように0〜50重量部添加して、レシチン溶液とした。
セリン溶液は実施例1と同様に調製した。
上記の通り、調製したレシチン溶液およびセリン溶液を、レシチンとセリンのモル比が、レシチン:セリン=1:8、1:12、1:16、1:18、および1:20となる比率で、全量を1mlになるように、2mlエッペンドルフチューブに分注した。さらに、ホスホリパーゼD (ナガセケムテックス社製)をレシチン1g当り90Uとなるように添加し、TITEC社製のBio Shaker M−BR−022UPを用い、30℃で5時間攪拌した。
リン脂質組成の分析は、実施例1記載の方法で行った。反応後、2時間静置し、レシチン溶液とセリン溶液の分液状態を目視により確認した。結果は表4で示す。
Figure 2007110951
第一の本発明の塩基交換方法では、非極性溶媒と極性溶媒との配合比、リン脂質とヒドロキシル基含有化合物との配合比を限定することにより、反応系に水が多く含まれても効率よく塩基交換反応が進むので、ヒドロキシル基含有化合物を多く配合することができ、目的とするリン脂質の収率を上げることができる。
第二の本発明の塩基交換方法では、反応系に食用油を添加することにより、リン脂質の収率を下げることなく反応後も水相と有機溶媒相が良好に分離するので、生成するリン脂質の分離精製が簡便となり、高純度のリン脂質が得られる。
実施例1でのPSの生成率を表すグラフである。 実施例2でのPSの生成率を表すグラフである。

Claims (5)

  1. リン脂質とヒドロキシル基含有化合物とを、ホスホリパーゼDの存在下、非極性溶媒、極性溶媒及び水からなる二相系中で反応させる工程を含み、
    極性溶媒の含有量が、非極性溶媒及び極性溶媒の合計量に対して、容積基準で20%を超え、かつ80%以下の量であり、
    リン脂質に対するヒドロキシル基含有化合物のモル比が4以上30以下であることを特徴とするリン脂質の塩基交換方法。
  2. 水の含有量が、非極性溶媒及び極性溶媒の合計に対して、容積基準で30〜200%である請求項1記載の方法。
  3. 更に、二相系中に食用油を含む請求項1又は2記載の方法。
  4. リン脂質とヒドロキシル基含有化合物とを、食用油及びホスホリパーゼDの存在下、非極性溶媒、極性溶媒及び水からなる二相系中で反応させる工程を含む、リン脂質の塩基交換方法。
  5. 塩基交換反応を開始する前に食用油を添加する請求項4記載の方法。
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