JP2007108129A - 被測定物検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁波の照射による被測定物を検出する際の近距離における被測定物の検出を容易にすると共に、被測定物検出装置と被測定物との間にある阻害物体による検出感度の低下を改善する。
【解決手段】被測定物検出装置1であって、パルス状のレーザ光を拡散的に放射する投光部4と、投光部4から放射されたレーザ光を平行光に変換する凸レンズ9と、凸レンズ9で変換されたレーザ光が被測定物14に照射され、被測定物14で反射したレーザ光を、凸レンズ9を経由して受波する受光部5と、投光部4と凸レンズ9との間、および受光部5と凸レンズ9との間に介在し、投光部4から出射されたレーザ光を凸レンズ9に導くと共に、被測定物14で反射したレーザ光を凸レンズ9から受光部5に導くPBS6と、投光部4から放射されたレーザ光と、受光部5にて受波されたレーザ光とを比較し、被測定物14までの距離を検出する距離検出部13とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】被測定物検出装置1であって、パルス状のレーザ光を拡散的に放射する投光部4と、投光部4から放射されたレーザ光を平行光に変換する凸レンズ9と、凸レンズ9で変換されたレーザ光が被測定物14に照射され、被測定物14で反射したレーザ光を、凸レンズ9を経由して受波する受光部5と、投光部4と凸レンズ9との間、および受光部5と凸レンズ9との間に介在し、投光部4から出射されたレーザ光を凸レンズ9に導くと共に、被測定物14で反射したレーザ光を凸レンズ9から受光部5に導くPBS6と、投光部4から放射されたレーザ光と、受光部5にて受波されたレーザ光とを比較し、被測定物14までの距離を検出する距離検出部13とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、被測定物に対して電磁波を放射し、被測定物で反射して戻ってきた電磁波に基づいて被測定物を検出する被測定物検出装置に関する。
周知のように、被測定物検出装置としては、放射手段から例えばレーザ光や電波等の電磁波を放射し、放射された電磁波を回転ミラーで反射しながら周囲空間に走査し、電磁波の走査により形成された走査領域で反射して戻ってきた電磁波を受波手段で受波し、この受波した電磁波に基づいて走査領域中の被測定物の有無や、被測定物までの距離を検出するものが一般的である。
この種の被測定物検出装置の一例としては、例えば下記の特許文献1に記載のものが挙げられる。同文献に記載の被測定物検出装置100は、図2に示すように、電磁波としてレーザ光を利用したもので、投光部101からレーザ光のスポット形状をライン(線)状に出射し、このライン状のレーザ光を被測定物に照射するようになっている。詳述すると、投光部101から出射されたライン状のレーザ光は、光軸上に配置された投光用レンズ102を介して回転ミラー103に入射される。回転ミラー103は、光軸に対して所定角度で傾斜しており、回転ミラー103に入射したライン状のレーザ光は所定方向に反射する。そして、この回転ミラー103は、前記光軸を中心として回転し、ライン状のレーザ光が周囲に走査されるようになっている。また、走査領域中の被測定物で反射したレーザ光は、同一の回転ミラー103で再び反射され、投光用レンズ102の回りにドーナツ状に別体に形成された受光用レンズ104によって集束され、受光部105で受光されるようになっている。
しかしながら、上記の特許文献1に記載の被測定物検出装置100は、投光部101及び投光用レンズ102が、受光用レンズ104の中心にあるため、被測定物が近接している場合には、受光部105で光を受光できないという問題がある。
また、走査領域中の被測定物に対してライン状のレーザ光が照射されるため、ドッド状のレーザ光を照射した場合に比してレーザ光の照射領域がレーザ光の長手方向に拡大するため、被測定物の検出を阻害するようなレーザ光の光路中に存在するゴミなどの阻害物体の影響を軽減し、走査領域中における被測定物の検出感度の向上が期待できる。
しかしながら、同文献に記載の被測定物検出装置100において、阻害物体の影響軽減能力は、レーザ光の長手方向のみに限定される。例えば、レーザ光の長手方向の長さを10mmとし、阻害物体のレーザ光照射方向に直交する断面形状を直径5mmの円とした場合、照射レーザ光が、被測定物検出装置と被測定物との間にある阻害物体を照射する場合、照射レーザ光の約半分は阻害物体から反射され、残りの約半分のみが被測定物から反射される。この場合、検出すべき被測定物を、正常に検出することが困難となる。
また、レーザ光の長手方向の長さは、投光用レンズ102の大きさにより制限を受ける。しかも、投光用レンズ102の大きさは、周囲に形成された受光用レンズ104の大きさによる制限を受ける。したがって、レーザ光の長手方向の長さを10mm以上とすることが困難となる場合もある。
なお、上記の問題は、レーザ光以外の電磁波を使用した場合であっても同様に生じ得る。
本発明の課題は、電磁波の照射による被測定物を検出する際の近距離における被測定物の検出を容易にすると共に、被測定物検出装置と被測定物との間にある阻害物体による検出感度の低下を改善することにある。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る被測定物検出装置は、パルス状の電磁波を拡散的に放射する放射手段と、放射手段から拡散的に放射された電磁波の放射形態を、平行直進的放射形態に変換する第一放射形態変換手段と、第一放射形態変換手段で変換された電磁波が被測定物に照射され、被測定物から反射された電磁波を、第一放射形態変換手段を経由して受波する受波手段と、放射手段と第一放射手段変換手段との間、及び受波手段と第一放射手段変換手段との間に介在し、放射手段から放射された電磁波を第一放射形態変換手段に導くと共に、被測定物から反射された電磁波を第一放射形態変換手段から受波手段に導く分波手段と、放射手段から放射された電磁波と、受波手段で受波された電磁波とを比較して、放射手段又は受波手段から被測定物までの距離を検出する距離検出手段とを備えたものである。なお、上記の「平行直進的放射形態」には、電磁波の放射形態が幾何学的に完全に平行に直進する放射形態のみならず、電磁波の放射形態が実質的に平行に直進する放射形態とみなせる場合も含む。
このような構成によれば、放射手段から拡散的に放射された電磁波は、第一放射形態変換手段を通過することで、第一放射形態変換手段の有効断面形状を持った平行直進的放射形態に変換される。例えば、第一放射形態変換手段の有効断面形状を直径30mmの円とする。この場合、第一放射形態変換手段を通過して被測定物に照射される電磁波の直径は、30mmの円となる。このことは、本発明に係る被測定物検出装置が、特許文献1における投光用レンズ102の大きさに対する重大な制約から解放されたことにより、容易に実現可能となったものである。ここで、特許文献1の説明で例示したのと同様に、本発明に係る被測定物検出装置と被測定物との間に、直径が10mmの阻害物体がある場合を考察する。この場合、第一放射形態変換手段を介して被測定物に照射される電磁波は、直径が30mmの円であるので、その面積は約707mm2である。他方、直径が10mmなる阻害物体の面積は、約79mm2である。従って、阻害物体からは、照射した電磁波の79/707=0.11分のみが反射され、他の1−0.11=0.89分は検出目標である被測定物から反射される。特許文献1に係る被測定物検出装置は、直径が5mmの阻害物体の影響を容易に受けたのに対し、本発明に係る被測定物検出装置では、例えば直径が10mmなる阻害物体による影響を大幅に低減することができる。
さらに、本発明に係る被測定物検出装置においては、第一放射形態変換手段と被測定物との距離が、例えば1cmのように極端に短い場合においても、被測定物で反射された電磁波は第一放射形態変換手段と分波手段とを経て、確実に受波手段に到達することができる。これは、特許文献1における被測定物検出装置100においては、被測定物からの反射光が受波手段に至る光路の中心に、投光部101と、投光用レンズ102が存在したのに対し、本発明に係る被測定物検出装置においては、被測定物で反射した電磁波が受波手段に至るまでの電磁波の導波経路を阻害する物体がないために得られた効果である。
また、本発明における請求項2に係る被測定物検出装置においては、放射手段と分波手段との間、又は分波手段と第一放射形態変換手段との間に配置され、第一放射形態変換手段を通過した電磁波の波軸と直交する断面形状が円形となるように、放射手段から拡散的に放射された電磁波の放射形態を整形する第二放射形態変換手段を更に備えている。なお、上記の「円形」には、真円形のみならず、実質的に円形とみなせる楕円形等も含まれる。
このようにすれば、放射手段から放射された電磁波は、第一放射形態変換手段に入る段階で、第二放射形態変換手段によって円錐状の放射形態に整形され、第一放射形態変換手段を通過した電磁波は、円柱状の放射形態となる。これにより、放射手段から放射される電磁波が、円錐状でない場合であっても、被測定物検出装置と被測定物との間に阻害物体がある場合の影響を軽減させる本発明の効果を、最大限に発揮することが可能となる。具体的には、放射手段として半導体レーザ(LD:Laser Diode)を用いた場合には、半導体レーザから出射されるレーザ光は、光軸(波軸)に対する広がり角が例えば5°〜30°の範囲で順次変化し、その放射形態の光軸と直交する断面形状が楕円形状を示すものが多い。そこで、第二放射形態変化手段として例えばシリンドリカルレンズを用いて、かかるレーザ光の光軸に対する広がり角を、例えば30°にほぼ一定化することが可能となる。
本発明の請求項3に係る被測定物検出装置においては、放射手段と第一放射形態変換手段との間に配置され、電磁波の波面を制御する波面制御手段を更に備えている。
このようにすれば、放射手段から放射される電磁波が、被測定物にて反射され、効率良く受波手段に到達することが可能となる。放射手段としてLDを用い、分波手段として特定の直線偏波面を有する光のみを効率良く反射し、且つこの偏波面と垂直な偏波面を有する光のほとんどを透過する偏光ビームスプリッタ(PBS:Polarizing Beam Splitter)を用いた場合を例にとって説明する。半導体レーザからは、特定方向の直線偏波面をもつ光が放射される。この偏波面を偏光ビームスプリッタが効率良く光を反射する方向に設定し、偏光ビームスプリッタと第一放射形態変換手段であるレンズとの間に、波面制御手段の一種であるλ/4板を配置する。半導体レーザから放射された後、偏光ビームスプリッタで反射されるレーザ光は特定方向の直線偏波面をもつが、λ/4板を通過したレーザ光は円偏波となる。このレーザ光は、検出対象である被測定物で反射すると、光の進行方向に対する回転方向が、上記の円偏波に対して逆転した円偏波となる。この回転方向が逆転した円偏波をもつレーザ光が再びλ/4板を通過すると、上記の特定方向の直線偏波面と90°異なる偏波面の直線偏波のレーザ光となる。このような偏波面を持つレーザ光が偏光ビームスプリッタに入射すると、入射したレーザ光のほとんどが偏光ビームスプリッタを透過し、受波手段に到達する。
当然のことながら、半導体レーザから放射される光の偏波面と、偏光ビームスプリッタが特徴的に持つ偏波面の方向を整合させるため、半導体レーザから放射される光の偏波面を適宜回転させる光学素子を放射手段と分波手段との間に配置してもよい。
本発明の請求項4に係る被測定物検出装置においては、分波手段と被測定物との間に配置され、分波手段を介して放射される電磁波を所定方向に反射する反射手段と、分波手段を介して反射部材に至る電磁波の波軸を回転中心として、反射部材を回転駆動する回転駆動手段と、反射部材の角度位置を検出する角度検出手段とを更に備え、距離検出手段を、被測定物までの距離と反射部材の角度位置に基づいて、前記被測定物の位置を検出するように構成したものである。
このようにすれば、被測定物までの距離のみならず、被測定物が存在する位置を検出することが可能となる。
本発明の請求項5に係る被測定物検出装置においては、電磁波を透過する透過窓を備えたハウジングで最外部を覆ったものである。
このようにすれば、電磁波の導波経路を妨げることなく、ハウジング内部へのゴミ等の阻害物体の侵入を防止することが可能となり、被測定物の検出を安定して行うことが可能となる。また、仮に、このハウジングの透過窓自体に阻害物体が付着した場合であっても、電磁波の放射形態が、第一放射形態変換手段の有効断面形状を持った平行直進的放射形態とされているため、大部分の電磁波が阻害物体の影響を受けることなく透過窓を往来するので、被測定物の検出感度を良好に維持することが可能となる。したがって、透過窓のクリーニング作業を低減することができ、結果として装置の長期間の連続使用が可能となる。
以上の構成において、前記放射手段から放射された電磁波としては、例えばレーザ光又は電波を使用することができる。
以上のような本発明によれば、放射手段から拡散的に放射された電磁波は、第一放射形態変換手段を通過することで、第一放射形態変換手段の有効断面形状を持って平行に直進する放射形態に変換されるため、電磁波の導波経路上にゴミ等の阻害物体が存在する場合であっても、かかる阻害物体の影響を大幅に低減しつつ、検出対象となる被測定物を確実に検出することが可能となる。加えて、被測定物で反射された電磁波は、第一放射形態変換手段と分波手段とを経て、確実に受波手段に到達するため、被測定物が近距離に存在する場合であっても、被測定物の検出を容易に行うことが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る被測定物検出装置の全体構成を示す概略縦断面図である。この被測定物検出装置1は、電磁波としてレーザ光を利用したもので、円筒状の投受光窓(透過窓)2を備えたハウジング3の内部に、投光部(放射手段)4と、受光部(受波手段)5と、偏光ビームスプリッタ(分波手段)6と、シリンドリカルレンズ(第二放射形態変換手段)7と、λ/4板(波面制御手段)8と、凸レンズ(第一放射形態変換手段)9と、回転ミラー(反射部材)10と、回転駆動部11と、角度検出部12と、距離検出部13とを基本的な構成要素として備えた被測定物検出装置本体が格納されている。
詳述すると、投光部4は、レーザ発光素子の持つ広がり角(例えば半値幅:5°〜30°)でパルス状のレーザ光を拡散しながら水平方向(図1の左右方向)に放射するようになっている。この投光部4から放射されたレーザ光は、光軸Xと直交する断面形状(スポット形状)が楕円となる略円錐状の放射形態とされる。具体的には、本実施形態では、投光部4として半導体レーザを利用している。一般的に、半導体レーザ4から放射されるレーザ光の偏波面は、上記楕円の短径方向に平行となっている。なお、ここでいうパルス状のレーザ光には、いわゆる孤立パルスのみならず、断続的に放射される所定の強度変調が施されたレーザ光も含まれる。
そして、半導体レーザ4から出射されたレーザ光は、光軸X上に配置されたシリンドリカルレンズ7に入射する。シリンドリカルレンズ7は、半導体レーザ4から放射される楕円状の断面形状の短径方向の広がり角を、約5°から約30°に調整し、この方向と直交する上記楕円の長径方向の広がり角には影響を与えない。すなわち、シリンドリカルレンズ7を通過したレーザ光は、広がり角が約30°でほぼ一定化された断面形状が実質的に円形となる円錐状の放射形態となる。
また、シリンドリカルレンズ7を通過したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ6に入射する。この偏光ビームスプリッタ6は、レーザ光を反射しやすい方向の偏波面が鉛直方向(図1の上下方向)を向くように配置される。この際、半導体レーザ4から放射されるレーザ光の楕円状の断面形状の短径方向を、これと同一方向に予め設定しておく。すると、半導体レーザ4から放射されたレーザ光は、シリンドリカルレンズ7を経由し、偏光ビームスプリッタ6にて、その大半が鉛直方向上向きに反射される。凸レンズ9は、偏光ビームスプリッタ6によって鉛直方向上向きに反射されたレーザ光の放射形態を円錐状から円柱状に変換して鉛直方向上向きに誘導するようになっている。この凸レンズ9を通過したレーザ光は、光軸Yと直交する断面形状が実質的に円形となる。なお、本実施形態では、凸レンズ9は、単焦点距離の有効直径が10mm以上となる単一のレンズから構成されている。
回転ミラー10は、鉛直方向上向きに誘導された円柱状の放射形態を示すレーザ光の光軸Yに対して約45度で傾斜すると共に、この光軸Yを中心として回転駆動部11により回転駆動されるようになっており、凸レンズ9で円柱状の放射形態とされたレーザ光を水平方向に反射しながら回転し、ハウジング3の投受光窓2を介して光軸Yを中心とするハウジング3外部の周囲空間にレーザ光を走査するようになっている。
一方、ハウジング3の投受光窓2を介してハウジング3内部へほぼ水平方向に導入されたレーザ光は、回転ミラー10で鉛直下向きに反射され、半導体レーザ4から放射されたレーザ光とほぼ同じ光路を逆向きに通って、同一の凸レンズ9で円錐状の放射形態に集束され、偏光ビームスプリッタ6を透過して受光部5の位置に焦点として結像されるようになっている。この受光部5としては、例えばフォトダイオード等の光センサが利用される。
また、回転ミラー10の走査角度を検出する角度検出部12は、本実施形態では、回転ミラー10と同期して回転し、且つ、径方向に伸びる光学的スリットを周方向に複数配列してなるスリット板12aと、スリット板12aの回転経路上に配置固定されたフォトインタラプタ12bによって構成されており、このフォトインタラプタ12bによって検出された回転ミラー10の走査角度が距離検出部13に入力される。
距離検出部13は、投光部4から出射されたレーザ光と、受光部5で受光されたレーザ光とを比較して、被測定物14までの距離を演算するようになっている。さらに、距離検出部13は、演算された被測定物14までの距離と角度検出部12によって検出された回転ミラー10の走査角度とを組み合わせて被測定物14の位置を検出するようにもなっている。
次に、以上のように構成した被測定物検出装置1の動作について説明する。
投光部4から出射された断面形状が楕円形状の略円錐状の放射形態を示すレーザ光は、シリンドリカルレンズ7にて、断面形状が円形状の略円錐状の放射形態となる。また、該レーザ光の波面は、鉛直方向に平行となっている。このレーザ光の大半が偏光ビームスプリッタ6で鉛直方向上向きに反射された後、λ/4板8に導入される。λ/4板8を経由したレーザ光は、例えば放射方向に対し右方向に回転する円偏波となる。このレーザ光は、凸レンズ9へ入射し、この凸レンズ9で放射形態を円錐状から円柱状に変換される。そして、この円柱状の放射形態を示すレーザ光が、回転ミラー10に鉛直上向きに入射した後、回転ミラー10で水平方向に反射される。この際、回転ミラー10は回転駆動部11により回転駆動され、高速回転しているので、投光部4から出射されて回転ミラー10で水平方向に反射されたレーザ光は、図1に示すように、ハウジング3の投受光窓2を介して、光軸Yを中心とする例えば周囲約360度の走査領域に連続的に走査される。
そして、この走査領域の被測定物14で反射して戻ってきたレーザ光は、光の進行方向に対し、左方向に回転する円偏波となっている。このようなレーザ光は、投受光窓2を介してハウジング3の内部に導入され、回転ミラー10にほぼ水平方向から入射する。その後、回転ミラー10で鉛直下向きに反射され、凸レンズ9で略円錐状の放射形態に集束されながら、再びλ/4板8に導入される。λ/4板8に導入された反射光は、放射光とは逆の左旋回の円偏波となっているので、λ/4板8を透過した反射光は、放射光の直線偏波面と直交する直線偏波面を持つ光となっている。このため、この光は、偏光ビームスプリッタ6で反射されずに透過して受光部5で受光される。そして、距離検出部13は、投光部4から出射されたレーザ光と、受光部5で受光されたレーザ光とを比較して、被測定物14までの距離を演算すると、角度検出部12によって検出された回転ミラー10の走査角度に基づいて、被測定物14の位置を検出する。
以上のように、本実施形態に係る被測定物検出装置1によれば、投光部4から拡散的に放射されたレーザ光は、シリンドリカルレンズ7によって光軸Xと直交する断面形状が実質的に円形となるように整形され後、凸レンズ9を通過することで、凸レンズ9の有効断面形状をもって平行に直進する円柱状の放射形態に変換される。したがって、かかる円柱状の放射形態を呈するレーザ光を回転ミラー10で周囲に走査すれば、レーザ光の光路上にゴミ等の阻害物体が存在する場合であっても、かかる阻害物体の影響を大幅に低減しつつ、検出対象となる被測定物14を確実に検出することが可能となる。加えて、被測定物14で反射されたレーザ光は、投光部4から放射されたレーザ光と同一の凸レンズ9を通過した後、偏光ビームスプリッタ6を経て、確実に受光部5に到達するため、被測定物14が近距離に存在する場合であっても、被測定物14の検出を容易に行うことが可能となる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、偏光ビームスプリッタ6と回転ミラー10との間に、凸レンズ9を配置したものを例示したが、凸レンズ9をハウジング3の投受光窓2の位置に取り付けると共に、かかるハウジング3を回転ミラー10と一体に回転するように構成してもよい。
また、上記の実施形態では、投光部4から放射されたレーザ光を回転ミラー10によって、周囲に走査する走査型の被測定物検出装置を例示したが、検出対象となる被測定物14の状況に応じて、回転ミラー10を所定の走査角度で固定したり、或いは回転ミラー10自体を省略して、所定方向のみにレーザ光を投光し、その方向に存在する被測定物14で反射したレーザ光を受光するように構成し、非走査型の被測定物検出装置としてもよい。
また、上記の実施形態における被測定物14までの距離を測定する方式は特に限定されるものではないが、例えば、投光部4から出射される測距光を孤立パルスに強度変調して、投光部4からレーザ光を放射してから受光部5でレーザ光を受光するまでの時間差から被測定物14までの距離を求めるTOF(Time Of Flight)方式や、投光部4から放射されるレーザ光をある一定の周波数で強度変調して、投光部4から放射されたレーザ光と、受光部5で受光されたレーザ光との位相差から被測定物14までの距離を求めるAM(Amplitude Modulation)方式や、投光部4から出射される測距光を三角波の形で波長変調し、投光部4から出射さらた測距光と、受光部5で受光された測距光との干渉光の周波数信号から被測定物14までの距離を求めるFM(Frequency Modulation)方式などを問題なく適用することができる。
1 被測定物検出装置
2 投受光窓
3 ハウジング
4 投光部
5 受光部
6 偏光ビームスプリッタ
7 シリンドリカルレンズ
8 λ/4板
9 凸レンズ
10 回転ミラー
11 回転駆動部
12 角度検出部
13 距離検出部
2 投受光窓
3 ハウジング
4 投光部
5 受光部
6 偏光ビームスプリッタ
7 シリンドリカルレンズ
8 λ/4板
9 凸レンズ
10 回転ミラー
11 回転駆動部
12 角度検出部
13 距離検出部
Claims (6)
- パルス状の電磁波を拡散的に放射する放射手段と、
前記放射手段から拡散的に放射された電磁波の放射形態を、平行直進的放射形態に変換する第一放射形態変換手段と、
前記第一放射形態変換手段で変換された電磁波が被測定物に照射され、前記被測定物から反射された電磁波を、前記第一放射形態変換手段を経由して受波する受波手段と、
前記放射手段と前記第一放射手段変換手段との間、及び前記受波手段と前記第一放射手段変換手段との間に介在し、前記放射手段から放射された電磁波を前記第一放射形態変換手段に導くと共に、前記被測定物から反射された電磁波を前記第一放射形態変換手段から前記受波手段に導く分波手段と、
前記放射手段から放射された電磁波と、前記受波手段で受波された電磁波とを比較して、前記放射手段又は前記受波手段から前記被測定物までの距離を検出する距離検出手段とを備えたことを特徴とする被測定物検出装置。 - 前記放射手段と前記分波手段との間、又は前記分波手段と前記第一放射形態変換手段との間に配置され、前記第一放射形態変換手段を通過した電磁波の波軸と直交する断面形状が円形となるように、前記放射手段から拡散的に放射された電磁波を整形する第二放射形態変換手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の被測定物検出装置。
- 前記放射手段と前記第一放射形態変換手段との間に配置され、前記被測定物にて反射された電磁波の波面を制御する波面制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の被測定物検出装置。
- 前記分波手段と前記被測定物との間に配置され、前記分波手段を介して放射される電磁波を所定方向に反射する反射手段と、
前記分波手段を介して前記反射部材に至る電磁波の波軸を回転中心として、前記反射部材を回転駆動する回転駆動手段と、
前記反射部材の角度位置を検出する角度検出手段とを更に備え、
前記距離検出手段が、前記被測定物までの距離と前記反射部材の角度位置とに基づいて、前記被測定物の位置を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被測定物検出装置。 - 電磁波を透過する透過窓を備えたハウジングで最外部を覆ったことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の被測定物検出装置。
- 前記放射手段から放射される電磁波が、レーザ光又は電波であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の被測定物検出装置。
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Cited By (8)
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