JP2007105686A - 洗浄方法および超音波洗浄用洗浄剤 - Google Patents
洗浄方法および超音波洗浄用洗浄剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007105686A JP2007105686A JP2005301244A JP2005301244A JP2007105686A JP 2007105686 A JP2007105686 A JP 2007105686A JP 2005301244 A JP2005301244 A JP 2005301244A JP 2005301244 A JP2005301244 A JP 2005301244A JP 2007105686 A JP2007105686 A JP 2007105686A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cleaning
- solution
- cleaned
- concentration
- mol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
- Detergent Compositions (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
【課題】安全で環境負荷物質を使用しない洗浄液を用いて効率的に有機物質を除去することができ、被洗浄物に変色やダメージを与えずに、被洗浄物から有機物質を除去する洗浄方法および超音波洗浄用洗浄剤を提供する。
【解決手段】被洗浄物を電解質水溶液に接触させつつ超音波を印加することにより被洗浄物から有機物質を除去する。その電解質水溶液はイオン強度が0.0025mol/l乃至1.0mol/lであって溶存酸素濃度が4mg/l乃至飽和濃度の無機酸塩水溶液またはホウ酸水溶液から成る。印加する超音波の周波数は100乃至400kHzである。
【選択図】なし
【解決手段】被洗浄物を電解質水溶液に接触させつつ超音波を印加することにより被洗浄物から有機物質を除去する。その電解質水溶液はイオン強度が0.0025mol/l乃至1.0mol/lであって溶存酸素濃度が4mg/l乃至飽和濃度の無機酸塩水溶液またはホウ酸水溶液から成る。印加する超音波の周波数は100乃至400kHzである。
【選択図】なし
Description
本発明は、被洗浄物を電解質水溶液に接触させつつ超音波を印加することにより被洗浄物から有機物質を除去する方法に関する。
食料品関連業、繊維関連業、化学・窯業関連業、鉄・非鉄関連業、金属製品関連業、機械関連業、電子・輸送関連業などの各種製造業の製品製造プロセスでは、装置や製品等の表面を洗浄する操作が行われる。このような洗浄において、有機物質からなる汚れ物質を洗浄する場合には、界面活性剤入り洗浄剤を用いた水系洗浄法が多く用いられる。
洗浄剤を用いた従来の水系洗浄は、(1)洗浄水溶液に浸漬させて、装置や製品等の表面に付着した有機物質からなる汚れ物質を洗い落とす洗浄槽、(2)洗浄水溶液がアルカリ性、酸性の場合に行う中和槽、(3)水に浸漬させて、装置や製品等の表面に残存した洗浄剤や中和剤を流れ落とすすすぎ槽、(4)熱風、遠心、真空による乾燥から成る。
また、接着、塗装、メッキ、撥水処理、蒸着等の表面処理の前処理工程として行われる精密洗浄では、製品の高性能化、高精密化を目的として、高い清浄度が求められている。完全に清浄化された表面は、表面自由エネルギーが高く表面処理し易いためである。例えば、銅やガラスでは、水の接触角で20°以下の清浄度が求められている。これを汚れ物質の付着量に換算すると0.03μg/cm2以下に相当する。一方、外観の清浄のみを目的として行われるような一般洗浄では、視覚的に汚れが見えない程度の清浄度があれば十分である。例えば、例えば、銅やガラスでは、水の接触角で70°以下の清浄度が求められている。これを汚れ物質の付着量に換算すると0.40μg/cm2以下に相当する。
一方、近年では、洗浄排水による環境への負荷低減を目的として、界面活性剤等の環境負荷物質を使わない機能水洗浄の研究開発が盛んに行われている。代表的な機能水はオゾン水、水素水、酸素水が挙げられる。オゾン水とはオゾンを水中に溶解させた水をいい、不安定なオゾンが水中で分解することで高い酸化性を示し、被洗浄物上の有機物質(汚れ物質)の除去に効果を発揮することが知られている。さらに、水素水、酸素水などをもちいて、超音波照射を併用して洗浄すると、微粒子の除去に効果を発揮することが明らかにされている。
たとえば、特許文献1では、脱イオン水にオゾンを吸収させた液をウェーハ上に流し、有機物質を不溶性ガスに酸化することによって、ウェーハから有機物質を除去する技術が開示されている。
また、特許文献2では、超純水に水素ガスを溶解した液に過酸化水素を添加し、アンモニア水でpH調整した液を洗浄液とし、洗浄液に超音波を照射することによって、粒子の除去性を向上させる技術が開示されている。この方法において、H2O2分解剤添加手段からH2O2分解剤を供給しつつ洗浄を行うことで、粒子の除去性をさらに向上させる。
また、特許文献3では、脱気処理した純水に酸素を溶解させて洗浄液を調整し、この洗浄液に超音波振動を付与して被洗浄物を洗浄することで、被洗浄物表面のパーティクル等の汚染物を効果的に除去させる技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に示された方法では、オゾンを使用するため、作業者の健康を害する危険性があることおよびオゾン製造装置が必要となるため経済的でないという問題があった。
また、特許文献2に示された方法では、水素を使用するため爆発の恐れがあること、また、過酸化水素の添加濃度が3%以上では被洗浄物に変色、ダメージがあるという問題があった。
また、特許文献3に示された方法では、酸素を溶存させた超純水に超音波を照射することでヒドロキシラジカルを増大させることで被洗浄物上のパーティクルを除去できるとしているが、洗浄に利用するにはヒドロキシラジカルの発生量が極めて少ないという問題があった。
本発明は、上記従来技術に鑑み、安全で環境負荷物質を使用しない洗浄液を用いて効率的に有機物質を除去することができ、被洗浄物に変色やダメージを与えずに、被洗浄物から有機物質を除去する洗浄方法および超音波洗浄用洗浄剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る被洗浄物から有機物質を除去する洗浄方法は、被洗浄物を電解質水溶液に接触させつつ超音波を印加することにより被洗浄物から有機物質を除去する洗浄方法であって、前記電解質水溶液は無機酸塩水溶液またはホウ酸水溶液から成り、イオン強度が0.0025mol/l乃至1.0mol/lであって溶存酸素濃度が4mg/l乃至飽和濃度であり、印加する超音波の周波数は100乃至400kHzであることを特徴とする。
前記電解質水溶液は緩衝溶液から成ってもよい。
前記電解質水溶液には、過酸化水素が0.1乃至3.0wt%添加されていることが好ましい。
前記被洗浄物は金属、セラミックまたはガラスから成ることが好ましい。
本発明に係る超音波洗浄用洗浄剤は、イオン強度が0.0025mol/l乃至1.0molであって溶存酸素濃度が4mg/l乃至飽和濃度の無機酸塩水溶液またはホウ酸水溶液から成ることを特徴とする。
前記電解質水溶液には、過酸化水素が0.1乃至3.0wt%添加されていることが好ましい。
前記被洗浄物は金属、セラミックまたはガラスから成ることが好ましい。
本発明に係る超音波洗浄用洗浄剤は、イオン強度が0.0025mol/l乃至1.0molであって溶存酸素濃度が4mg/l乃至飽和濃度の無機酸塩水溶液またはホウ酸水溶液から成ることを特徴とする。
本発明によれば、界面活性剤を用いない水溶液で効率的に短時間で有機物質(汚れ物質)を除去でき、かつ、(1)被洗浄物の錆、変色、ダメージがない、(2)界面活性剤を全く使用しないことで排水と廃水処理液の量を大幅に削減できる、(3)法規制物質を全く使用しないことで環境汚濁の予防と法規制物質の管理が軽減できる、(4)十分な清浄度を得るための多量のエネルギー、多量の水を削減できる、(5)被洗浄物表面に界面活性剤が残存しない、(6)爆発のおそれがある水素を使用しない、という利点がある。本発明は、有機物質からなる汚れ物質の洗浄に適用することができる。
本発明によれば、安全で環境負荷物質を使用しない洗浄液を用いて効率的に短時間で有機物質を除去することができ、被洗浄物に変色やダメージを与えずに、被洗浄物から有機物質を除去する洗浄方法および超音波洗浄用洗浄剤を提供することができる。これにより、環境負荷の低減を図ることができ、また、排水を従来技術に比べて極めて減少させることができる。
上記の発明に関して、以下に詳細に説明する。
電解質水溶液は、超純水に電解質を添加して成ることが好ましい。電解質水溶液のイオン強度は、0.0025mol/l以上1.0mol/l以下であり、さらに、0.025mol/l乃至1.0mol/lであることが洗浄度の観点から好ましい。電解質としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ホウ酸が好ましく、特に、排水基準の観点からは炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましく、pHの観点からはリン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムが好ましい。
電解質水溶液は、超純水に電解質を添加して成ることが好ましい。電解質水溶液のイオン強度は、0.0025mol/l以上1.0mol/l以下であり、さらに、0.025mol/l乃至1.0mol/lであることが洗浄度の観点から好ましい。電解質としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ホウ酸が好ましく、特に、排水基準の観点からは炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましく、pHの観点からはリン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムが好ましい。
超純水としては、蒸留とイオン交換の機能を備えた超純水製造装置等で製造された超純水で、電気伝導度が25℃で0.05μS/cm以下であれば、特に限定されない。
電解質水溶液は緩衝溶液から成ってもよい。緩衝溶液は、溶液のpHを一定に保つために用いる溶液である。緩衝溶液は、緩衝作用を示す溶液であればよく、例えば、炭酸水素ナトリウム−水酸化ナトリウム、ホウ酸−水酸化ナトリウム、リン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウムが好ましく、特に、pHの観点からは炭酸水素ナトリウム−水酸化ナトリウムが好ましく、排水基準の観点からは炭酸水素ナトリウム−水酸化ナトリウムが好ましい。緩衝溶液のイオン強度は、0.0025mol/l以上1.0mol/l以下であり、さらに、0.025mol/l乃至1.0mol/lであることが洗浄度の観点から好ましい。
電解質水溶液は緩衝溶液から成ってもよい。緩衝溶液は、溶液のpHを一定に保つために用いる溶液である。緩衝溶液は、緩衝作用を示す溶液であればよく、例えば、炭酸水素ナトリウム−水酸化ナトリウム、ホウ酸−水酸化ナトリウム、リン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウムが好ましく、特に、pHの観点からは炭酸水素ナトリウム−水酸化ナトリウムが好ましく、排水基準の観点からは炭酸水素ナトリウム−水酸化ナトリウムが好ましい。緩衝溶液のイオン強度は、0.0025mol/l以上1.0mol/l以下であり、さらに、0.025mol/l乃至1.0mol/lであることが洗浄度の観点から好ましい。
また、電解質水溶液はいずれのpHでも十分に洗浄度を向上させることができるが、被洗浄物の変色、ダメージの観点から、銅であればpH4〜12、ステンレスであればpH4〜13、炭素鋼であればpH4〜13、ケイ素・鉄であればpH4〜13、真鍮であればpH4〜11.5、スズであればpH4〜11.5、アルミニウムであればpH4〜10、亜鉛であればpH4〜10、セラミックであればpH2〜13、ガラスであればpH2〜13が好ましい。
溶存酸素ガス濃度は、4mg/l乃至飽和濃度以下であること好ましい。溶存酸素ガス濃度が4mg/lより低いと洗浄効果が不十分となる傾向があるためである。溶存酸素ガス濃度は、隔膜電極法を利用した溶存酸素メーターで測定した濃度である。
飽和濃度の溶存酸素ガス濃度は、1atmの場合、温度ごとに、表1に示す溶解度となる。しかしながら、1atmを超える高圧酸素を溶解させてもよく、その場合、溶存酸素ガス濃度は、表1に示す溶解度を超えた値となる。
飽和濃度の溶存酸素ガス濃度は、1atmの場合、温度ごとに、表1に示す溶解度となる。しかしながら、1atmを超える高圧酸素を溶解させてもよく、その場合、溶存酸素ガス濃度は、表1に示す溶解度を超えた値となる。
緩衝溶液の調整に用いる水は、蒸留とイオン交換の機能を備えた超純水製造装置等で製造された超純水で、電気伝導度が25℃で0.05μS/cm以下であることが好ましい。
電解質水溶液のイオン強度は、参考文献1(株式会社東京化学同人 化学辞典第1版p99)により計算した。参考文献1のイオン強度は以下の通り表される。溶液中のイオン種iの電荷数をzi,そのモル濃度をci,その質量モル濃度をmiとすると、次式で表される2種類の量はいずれもイオン強度とよばれる。
ここでΣは溶液中のすべてのイオン種についての和である。
電解質水溶液のイオン強度は、参考文献1(株式会社東京化学同人 化学辞典第1版p99)により計算した。参考文献1のイオン強度は以下の通り表される。溶液中のイオン種iの電荷数をzi,そのモル濃度をci,その質量モル濃度をmiとすると、次式で表される2種類の量はいずれもイオン強度とよばれる。
電解質水溶液に空気または酸素ガスを溶解させる場合には、その前に溶解しているガスを脱気装置で除去することが好ましい。脱気後の電解質水溶液に含まれる窒素ガス、炭酸ガスなどの溶存ガス濃度は、10mg/l以下が好ましく、2mg/l以下がより好ましい。溶存ガス濃度が10mg/lを超えると、酸素ガスが溶解しにくくなり、所望の酸素ガス濃度が得られなくなる傾向がある。なお、空気を溶解させる場合には、上記脱気操作を省略してもかまわない。
電解質水溶液に酸素ガスを溶解させる方法としては、例えば、超純水にガス透過膜を介して酸素ガスを注入して溶解する方法、超純水中に酸素ガスをバブリングして溶解させる方法、超純水中にエジェクターを介して酸素ガスを溶解させる方法、ガス溶解槽に超純水を供給するポンプの上流側に酸素ガスを供給し、ポンプ内の攪拌によって溶解させる方法などがあげられる。ガス溶解槽において電解質水溶液に溶解せしめる酸素ガス濃度は、20mol%〜100mol%、とくには高純度酸素ガスを用いることが好ましく、実用的には空気が好ましい。20mol%未満では、洗浄効果が不十分となる傾向がある。
溶解せしめる酸素ガスとして、空気を用いる場合、超音波の照射により硝酸が生成されることで洗浄液のpHが酸性側に変化し被洗浄物が変色、ダメージを受ける傾向があるが、洗浄液に緩衝溶液を選択することでこれを解消することができる。
印加する超音波の周波数は100〜1000kHz、特には、100〜400kHzが好ましい。これは、超音波の化学作用は周波数依存性があり、100〜400kHzではOHラジカルの発生量が最も高いためであると推察している。
被洗浄物を洗浄液に接触させつつ、被洗浄物を洗浄液によって洗浄する方法としては、洗浄液中に被洗浄物を浸漬して洗浄するバッチ洗浄法、洗浄液を循環させながら被洗浄物と接触させて洗浄する循環洗浄法、洗浄槽の底部側から洗浄液を供給し、洗浄槽の上部からオーバーフローさせながら洗浄するフロー洗浄法、被洗浄物に洗浄液をシャワー状に吹き掛けて洗浄する方法、高速回転させた基板に洗浄液を吹きかけて洗浄する方法などがあげられる。超音波を照射する場合、たとえば、バッチ洗浄法では洗浄槽内に供給した洗浄液に被洗浄物を浸漬した状態で照射するなどの方法が採用され、洗浄液を被洗浄物にノズルなどから吹き掛けて洗浄する方法の場合には、洗浄液噴射ノズルの上流部において洗浄液に超音波を照射する方法が採用される。
上記の発明の構成に加えて、電解質水溶液に過酸化水素を添加することによりさらに洗浄の効果をあげることが可能である。具体的には、30wt%の過酸化水素水を0.01〜3.0wt%、とくに0.1〜3.0wt%になるように添加することが好ましい。過酸化水素の添加濃度が0.01wt%未満では、洗浄効果が不十分となる傾向があり、また、3.0wt%をこえると、基板にダメージを与えたりする傾向があるためである。
また、過酸化水素は、過酸化水素水として添加することができる。
また、上記の洗浄を行う前工程として、分散洗浄を行うことがより効果的である。
分散洗浄方法は、超音波による有機物の乳化作用を利用する方法であり、洗浄液として浄水または超純水を使用し、被洗浄物に洗浄液を接触させ、超音波を印加することにより、被洗浄物の洗浄を行う方法である。
また、上記の洗浄を行う前工程として、分散洗浄を行うことがより効果的である。
分散洗浄方法は、超音波による有機物の乳化作用を利用する方法であり、洗浄液として浄水または超純水を使用し、被洗浄物に洗浄液を接触させ、超音波を印加することにより、被洗浄物の洗浄を行う方法である。
印加する周波数は、乳化作用が最も高い28.8ないし40.0kHzが好ましい。
また、洗浄液として浄水を使用する場合には、浄水は、濁度1mg/l以下、pH6.5〜8.0が好ましい。超純水を使用する場合には、蒸留とイオン交換の機能を備えた超純水製造装置等で製造された超純水で、電気伝導度が25℃で0.05μS/cm以下であれば、特に限定されない。
また、洗浄液として浄水を使用する場合には、浄水は、濁度1mg/l以下、pH6.5〜8.0が好ましい。超純水を使用する場合には、蒸留とイオン交換の機能を備えた超純水製造装置等で製造された超純水で、電気伝導度が25℃で0.05μS/cm以下であれば、特に限定されない。
分散洗浄の場合でも、洗浄液に、超音波を照射しながら被洗浄物を洗浄するが、被洗浄物を洗浄液によって洗浄する方法としては、洗浄液中に被洗浄物を浸漬して洗浄するバッチ洗浄法、洗浄液を循環させながら被洗浄物と接触させて洗浄する循環洗浄法、洗浄槽の底部側から洗浄液を供給し、洗浄槽の上部からオーバーフローさせながら洗浄するフロー洗浄法、被洗浄物に洗浄液をシャワー状に吹き掛けて洗浄する方法、高速回転させた基板に洗浄液を吹きかけて洗浄する方法などがあげられる。
印加する超音波としては10〜100kHz、とくには25〜45kHzの周波数のものが好ましい。
分散洗浄の場合でも、超音波を照射する場合、たとえば、バッチ洗浄法では洗浄槽内に供給した洗浄液に被洗浄物を接触した状態で照射するなどの方法が採用され、洗浄液を被洗浄物にノズルなどから吹き掛けて洗浄する方法の場合には、洗浄液噴射ノズルの上流部において洗浄液に超音波を照射する方法が採用される。
分散洗浄の場合でも、超音波を照射する場合、たとえば、バッチ洗浄法では洗浄槽内に供給した洗浄液に被洗浄物を接触した状態で照射するなどの方法が採用され、洗浄液を被洗浄物にノズルなどから吹き掛けて洗浄する方法の場合には、洗浄液噴射ノズルの上流部において洗浄液に超音波を照射する方法が採用される。
以下に、実施例を用いて本発明の方法およびそれに用いる装置を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、洗浄評価は以下の手法で行った。
評価用の基板としては、100(W)×30(D)×0.3(T) mmのハルセル試験用銅板を水系アルカリ洗浄したものに、汚染物で強制的に汚染し、遠心振り切りにより付着膜厚を数μmに制御したものを被洗浄物(以下標準試験片)として用いた。
評価用の基板としては、100(W)×30(D)×0.3(T) mmのハルセル試験用銅板を水系アルカリ洗浄したものに、汚染物で強制的に汚染し、遠心振り切りにより付着膜厚を数μmに制御したものを被洗浄物(以下標準試験片)として用いた。
水系アルカリ洗浄としては、水の接触角が20°以下になるまで清浄化した。
強制的な汚染方法は、水系アルカリ洗浄した基板を、汚染物に浸漬させる方法を採用した。
付着膜厚の制御法は、浸漬後の基板を、2000rpmで回転することで余分な汚染物を遠心振り切りし付着膜厚を数μmとした。
そして、この基板を超純水に浸漬し周波数が28.8kHzの超音波を印加して分散洗浄し、これを標準試験片とした。なお、この分散洗浄後の標準試験片の汚染物付着量は50μg/cm2であった。
強制的な汚染方法は、水系アルカリ洗浄した基板を、汚染物に浸漬させる方法を採用した。
付着膜厚の制御法は、浸漬後の基板を、2000rpmで回転することで余分な汚染物を遠心振り切りし付着膜厚を数μmとした。
そして、この基板を超純水に浸漬し周波数が28.8kHzの超音波を印加して分散洗浄し、これを標準試験片とした。なお、この分散洗浄後の標準試験片の汚染物付着量は50μg/cm2であった。
洗浄後の金属板の洗浄度評価は、洗浄前後のX線光電子分光分析装置、フーリエ変換赤外分光分析装置及び水の接触角測定により行った。
[実施例1]
標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液中に飽和濃度に近い酸素ガスをバブリングすることによって酸素を溶解した緩衝溶液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った(実験例1-1)。
緩衝液は、NaHCO3-NaOH(pH10.0)を用いた。
なお、酸素ガス濃度は溶存ガスメーターにより、隔膜電極法で測定した。
印加した超音波の周波数は、200kHz である。
洗浄結果を表2に示す。
標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液中に飽和濃度に近い酸素ガスをバブリングすることによって酸素を溶解した緩衝溶液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った(実験例1-1)。
緩衝液は、NaHCO3-NaOH(pH10.0)を用いた。
なお、酸素ガス濃度は溶存ガスメーターにより、隔膜電極法で測定した。
印加した超音波の周波数は、200kHz である。
洗浄結果を表2に示す。
また、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液(NaHCO3-NaOH(pH10.0)) 中に飽和濃度に近い酸素をバブリングして200kHz の超音波のみを照射して洗浄した場合(実験例1-2)、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液(NaHCO3-NaOH(pH10.0))中に飽和濃度に近い酸素をバブリングして28.8kHz の超音波のみを照射して洗浄した場合(実験例1-3)、洗浄液としてNaHCO3-NaOH(pH10.0)緩衝溶液に代えてガス脱気装置を用いて脱気したKH2PO4-NaOH(pH7)緩衝溶液中に飽和濃度に近い酸素をバブリングして200kHz の超音波のみを照射して洗浄した場合(実験例1-4)、ガス脱気装置を用いて脱気した超純水中に飽和濃度に近い酸素をバブリングして、3wt%になるように過酸化水素水を添加した液に200kHz の超音波のみを照射して洗浄した場合(比較実験例1-1)、ガス脱気装置を用いて脱気した超純水中に飽和濃度に近い酸素をバブリングし200kHz の超音波のみを照射して洗浄した場合(比較実験例1-2)も合わせて示す。なお、洗浄後の有機物質の付着量は、X線光電子分光分析装置(XPS)で評価を行った。
実験例1-1では、洗浄液にNaHCO3-NaOH(pH10)緩衝溶液を用いることによって洗浄後の有機物質の付着量が比較実験例1-1、1-2に比べ1/6であり、従来技術(比較実験例1-1,1-2)にくらべ洗浄効果が極めて高いことが確認された。比較実験例1-1と1-2を比較すると同等の洗浄効果であり、比較実験例1-1では過酸化水素の添加は効果がなかった。また、実験例1-1と実験例1-4を比較すると、緩衝溶液の種類とpHは異なるものの同等の洗浄効果であり、緩衝溶液の種類に関係なく緩衝溶液を使うことが洗浄効果に大きく寄与していることが確認された。また、実験例1-1と実験例1-3を比較すると、超音波の周波数200kHz を用いた実験例1のほうが、洗浄後の有機物の付着量が28.8kHz を用いた実験例1-3に比べ2/7以下であり、超音波の周波数200kHz の洗浄効果が高いことが確認された。また、実験例1-1と実験例1-2を比較すると、酸素を飽和近くまで溶存させた実験例1-1のほうが、洗浄後の有機物の付着量がガスを脱気した実験例1-2に比べ2/5以下であり、酸素を飽和近くまで溶存させることが、洗浄効果に大きく寄与していることが確認された。
また、前記実施例において、周波数が200kHz の超音波印加素子を用いたが、その他の周波数、たとえば、周波数が100kHz 、300kHz 、400kHz の超音波素子を用いても、同様の効果が確認された。
[実施例2]
つぎに、溶存酸素濃度による洗浄度の違い確認する目的として、標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液中に酸素ガスをバブリングすることによって飽和の濃度に近い酸素(45mg/l)を溶解した緩衝溶液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った(実験例2-1)。
緩衝溶液は、NaHCO3-NaOH(pH10.0)を用いた。
なお、酸素ガス濃度は溶存ガスメーターにより、隔膜電極法で測定した。
印加した超音波の周波数は、200kHz である。
つぎに、溶存酸素濃度による洗浄度の違い確認する目的として、標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液中に酸素ガスをバブリングすることによって飽和の濃度に近い酸素(45mg/l)を溶解した緩衝溶液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った(実験例2-1)。
緩衝溶液は、NaHCO3-NaOH(pH10.0)を用いた。
なお、酸素ガス濃度は溶存ガスメーターにより、隔膜電極法で測定した。
印加した超音波の周波数は、200kHz である。
また、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液(NaHCO3-NaOH(pH10.0)) 中に酸素ガスをバブリングして所定の濃度の酸素を溶解した緩衝溶液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った。所定の濃度とは、30mg/l(実験例2-2)、15mg/l(実験例2-3)、7mg/l(実験例2-4)、0.1mg/l(実験例2-5)である。なお、洗浄後の有機物質の付着量は、X線光電子分光分析装置(XPS)で評価を行った。
結果を表3に示す。
溶存酸素濃度を変えた実験例2-1〜2-5では、溶存酸素の濃度に依存して洗浄度が向上することが確認された。
結果を表3に示す。
溶存酸素濃度を変えた実験例2-1〜2-5では、溶存酸素の濃度に依存して洗浄度が向上することが確認された。
[実施例3]
つぎに、pHによる洗浄度の違いを確認する目的として、標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液中に酸素ガスをバブリングすることによって飽和の濃度に近い酸素を溶解した緩衝溶液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った。
緩衝溶液は、pH7.0のKH2PO4-NaOH (実験例3-1)、pH8.0のH3BO3-NaOH(実験例3-2)、pH9.0のH3BO3-NaOH(実験例3-3)、pH10.0のH3BO3-NaOH(実験例3-4)、pH9.6のNaHCO3-NaOH(実験例3-5)、pH10.0のNaHCO3-NaOH(実験例3-6)、pH11.0のNaHCO3-NaOH(実験例3-7)を用いた。
なお、酸素ガス濃度は溶存ガスメーターにより、隔膜電極法で測定した。
印加した超音波の周波数は、200kHz である。
なお、洗浄後の有機物質の付着量は、X線光電子分光分析装置(XPS)で評価を行った。
表4に結果を示す。
つぎに、pHによる洗浄度の違いを確認する目的として、標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液中に酸素ガスをバブリングすることによって飽和の濃度に近い酸素を溶解した緩衝溶液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った。
緩衝溶液は、pH7.0のKH2PO4-NaOH (実験例3-1)、pH8.0のH3BO3-NaOH(実験例3-2)、pH9.0のH3BO3-NaOH(実験例3-3)、pH10.0のH3BO3-NaOH(実験例3-4)、pH9.6のNaHCO3-NaOH(実験例3-5)、pH10.0のNaHCO3-NaOH(実験例3-6)、pH11.0のNaHCO3-NaOH(実験例3-7)を用いた。
なお、酸素ガス濃度は溶存ガスメーターにより、隔膜電極法で測定した。
印加した超音波の周波数は、200kHz である。
なお、洗浄後の有機物質の付着量は、X線光電子分光分析装置(XPS)で評価を行った。
表4に結果を示す。
実験例3-1〜3-7を比較すると、緩衝溶液の種類は異なるものの、洗浄効果は大きく、洗浄後の有機物質の付着量は同等であることが確認された。また、緩衝溶液にH3BO3-NaOHを用いた実験例3-2〜3-4を比較すると、pHが上がるにつれ洗浄後の有機物の付着量が少なくなるという傾向が確認された。緩衝溶液にNaHCO3-NaOHを用いた実験例3-4〜3-7を比較すると、H3BO3-NaOHと同様、pHが上がるにつれ洗浄後の有機物の付着量が少なくなるという傾向が確認された。また、実験例3-1〜3-7を比較すると、特にイオン強度の高い実験例3-1、3-4、3-7において洗浄後の有機物の付着量が少なく、高い洗浄効果が確認された。
[実施例4]
つぎに、緩衝溶液の濃度による洗浄度の違いを確認する目的として、標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液中に酸素ガスをバブリングすることによって飽和の濃度に近い酸素を溶解した緩衝溶液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った。
緩衝液濃度としては、0.5mol/lの炭酸水素ナトリウム溶液50mlに1.0mol/lの水酸化ナトリウム溶液22.7mlを加え水で100mlに希釈したpH11の炭酸水素ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝溶液を濃度比1とし、緩衝液の濃度比で、0.0(実験例4-1)、0.01(実験例4-2)、0.1(実験例4-3)、1.0(実験例4-4)とした。結果を表5に示す。
つぎに、緩衝溶液の濃度による洗浄度の違いを確認する目的として、標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝溶液中に酸素ガスをバブリングすることによって飽和の濃度に近い酸素を溶解した緩衝溶液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った。
緩衝液濃度としては、0.5mol/lの炭酸水素ナトリウム溶液50mlに1.0mol/lの水酸化ナトリウム溶液22.7mlを加え水で100mlに希釈したpH11の炭酸水素ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝溶液を濃度比1とし、緩衝液の濃度比で、0.0(実験例4-1)、0.01(実験例4-2)、0.1(実験例4-3)、1.0(実験例4-4)とした。結果を表5に示す。
なお、酸素ガス濃度は溶存ガスメーターにより、隔膜電極法で測定した。
印加した超音波の周波数は、200kHzである。
なお、洗浄後の有機物質の付着量は、X線光電子分光分析装置(XPS)で評価を行った。
実験例4-1〜4-4を比較すると、緩衝液濃度比が0.01以上で洗浄度の向上効果が得られることが確認された。洗浄度は緩衝液濃度に依存して向上した。濃度比0.1以上で効果はほぼ一定となりほとんどの有機物が除去された。
印加した超音波の周波数は、200kHzである。
なお、洗浄後の有機物質の付着量は、X線光電子分光分析装置(XPS)で評価を行った。
実験例4-1〜4-4を比較すると、緩衝液濃度比が0.01以上で洗浄度の向上効果が得られることが確認された。洗浄度は緩衝液濃度に依存して向上した。濃度比0.1以上で効果はほぼ一定となりほとんどの有機物が除去された。
[実施例5]
つぎに、イオン強度による洗浄度の違いを確認する目的として、標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した炭酸水素ナトリウム水溶液中に酸素ガスをバブリングすることによって飽和の濃度に近い酸素を溶解した炭酸水素ナトリウム水溶液中に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った。
イオン強度としては、10-7mol/l(実験例5-1)、0.00252mol/l(実験例5-2)、0.0253mol/l(実験例5-3)、0.253mol/l(実験例5-4)とした。
つぎに、イオン強度による洗浄度の違いを確認する目的として、標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した炭酸水素ナトリウム水溶液中に酸素ガスをバブリングすることによって飽和の濃度に近い酸素を溶解した炭酸水素ナトリウム水溶液中に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った。
イオン強度としては、10-7mol/l(実験例5-1)、0.00252mol/l(実験例5-2)、0.0253mol/l(実験例5-3)、0.253mol/l(実験例5-4)とした。
なお、酸素ガス濃度は溶存ガスメーターにより、隔膜電極法で測定した。
印加した超音波の周波数は、200kHzである。
なお、洗浄後の有機物質の付着量は、X線光電子分光分析装置(XPS)で評価を行った。
結果を表6に示す。
実験例5-1〜5-4を比較すると、イオン強度が0.0025mol/l以上で洗浄度が向上し、洗浄度はイオン強度に依存して向上した。
印加した超音波の周波数は、200kHzである。
なお、洗浄後の有機物質の付着量は、X線光電子分光分析装置(XPS)で評価を行った。
結果を表6に示す。
実験例5-1〜5-4を比較すると、イオン強度が0.0025mol/l以上で洗浄度が向上し、洗浄度はイオン強度に依存して向上した。
[実施例6]
つぎに、イオン強度による洗浄度の違いを確認する目的として、標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝液(pH11)中に酸素ガスをバブリングすることによって飽和の濃度に近い酸素を溶解した緩衝液を所定の濃度の過酸化水素を含有するよう調整した液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った。
過酸化水素の濃度としては、0.1 wt%(実験例6-1)、1.0wt%(実験例6-2)、3.0wt%(実験例6-3)とした。結果を表7に示す。
つぎに、イオン強度による洗浄度の違いを確認する目的として、標準試験片を被洗浄物として、本発明の洗浄を実施した。洗浄方法としては、ガス脱気装置を用いて脱気した緩衝液(pH11)中に酸素ガスをバブリングすることによって飽和の濃度に近い酸素を溶解した緩衝液を所定の濃度の過酸化水素を含有するよう調整した液に標準試験片を浸漬して超音波を印加しながら、標準試験片の洗浄を行った。
過酸化水素の濃度としては、0.1 wt%(実験例6-1)、1.0wt%(実験例6-2)、3.0wt%(実験例6-3)とした。結果を表7に示す。
なお、酸素ガス濃度は溶存ガスメーターにより、隔膜電極法で測定した。緩衝溶液としては、炭酸水素ナトリウム-水酸化ナトリウムを用いた。
印加した超音波の周波数は、200kHzである。
なお、洗浄後の有機物質の付着量は、X線光電子分光分析装置(XPS)で評価を行った。
印加した超音波の周波数は、200kHzである。
なお、洗浄後の有機物質の付着量は、X線光電子分光分析装置(XPS)で評価を行った。
また、比較例として、ガス脱気装置を用いて脱気した超純水に飽和の濃度に近い酸素を溶解させ1 wt%過酸化水素を含有するよう調整した液で洗浄した場合(比較実験例6-1)、ガス脱気装置を用いて脱気した超純水に飽和の濃度に近い酸素を溶解させ3 wt%過酸化水素を含有するよう調整した液で洗浄した場合(比較実験例6-2)ガス脱気装置を用いて脱気した超純水に飽和の濃度に近い酸素を溶解させ7wt%過酸化水素を含有するよう調整した液で洗浄した場合(比較実験例6-3)も合わせて示す。
洗浄結果を表7に示す。
洗浄結果を表7に示す。
実験例6-1〜6-3を比較すると、過酸化水素を含有することによって洗浄度が向上し、含有量に依存して向上した。また、比較実験例6-1〜6-3を比較すると、過酸化水素の含有量を増やしても洗浄度の向上は見られない上、比較実験例3においては標準試験片の表面がひどく変色してしまうため、洗浄には全く使えないことが確認された。過酸化水素をガス脱気装置を用いて脱気した炭酸水素ナトリウム-水酸化ナトリウム緩衝液(pH11)中に飽和濃度に近い酸素ガスを溶解したのち、所定量の過酸化水素を添加した液に対して、超音波を照射しながら、前記のごとく分散洗浄した標準試験片の洗浄を行った。
また、前記実施例において、周波数が200kHzの超音波印加素子を用いたが、その他の周波数、たとえば、周波数が150kHz、300kHzなどの超音波素子を用いても、同様の効果が確認された。
Claims (5)
- 被洗浄物を電解質水溶液に接触させつつ超音波を印加することにより被洗浄物から有機物質を除去する洗浄方法であって、
前記電解質水溶液は無機酸塩水溶液またはホウ酸水溶液から成り、イオン強度が0.0025mol/l乃至1.0mol/lであって溶存酸素濃度が4mg/l乃至飽和濃度であり、印加する超音波の周波数は100乃至400kHzであることを特徴とする被洗浄物から有機物質を除去する洗浄方法。 - 前記電解質水溶液は緩衝溶液から成ることを特徴とする請求項1記載の被洗浄物から有機物質を除去する洗浄方法。
- 前記電解質水溶液に過酸化水素が0.1乃至3.0wt%添加されていることを特徴とする請求項1または2に記載の被洗浄物から有機物質を除去する洗浄方法。
- 前記被洗浄物は金属、セラミックまたはガラスから成ることを特徴とする請求項1,2または3に記載の被洗浄物から有機物質を除去する洗浄方法。
- イオン強度が0.0025mol/l乃至1.0molであって溶存酸素濃度が4mg/l乃至飽和濃度の無機酸塩水溶液またはホウ酸水溶液から成ることを特徴とする超音波洗浄用洗浄剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005301244A JP2007105686A (ja) | 2005-10-17 | 2005-10-17 | 洗浄方法および超音波洗浄用洗浄剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005301244A JP2007105686A (ja) | 2005-10-17 | 2005-10-17 | 洗浄方法および超音波洗浄用洗浄剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007105686A true JP2007105686A (ja) | 2007-04-26 |
Family
ID=38031957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005301244A Pending JP2007105686A (ja) | 2005-10-17 | 2005-10-17 | 洗浄方法および超音波洗浄用洗浄剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007105686A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009203268A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Yuta Mizutani | 洗浄組成物及びその使用方法 |
JP4485598B1 (ja) * | 2009-09-10 | 2010-06-23 | 善博 平川 | 超音波を用いた物品の洗浄方法 |
CN104399694A (zh) * | 2014-11-26 | 2015-03-11 | 成都川硬合金材料有限责任公司 | 一种适用于铝表面的超声波清洗工艺 |
CN104588350A (zh) * | 2014-11-26 | 2015-05-06 | 成都川硬合金材料有限责任公司 | 一种适用于钢碳表面的超声波清洗工艺 |
CN106583323A (zh) * | 2016-12-02 | 2017-04-26 | 江苏毅合捷汽车科技股份有限公司 | 一种高效绿色的汽车涡轮增压器再制造钢件清洗工艺 |
CN112387693A (zh) * | 2019-08-19 | 2021-02-23 | 深圳市海博源光电科技有限公司 | 一种掩膜板的清洗方法及清洗装置 |
-
2005
- 2005-10-17 JP JP2005301244A patent/JP2007105686A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009203268A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Yuta Mizutani | 洗浄組成物及びその使用方法 |
JP4485598B1 (ja) * | 2009-09-10 | 2010-06-23 | 善博 平川 | 超音波を用いた物品の洗浄方法 |
WO2011030917A1 (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-17 | Hirakawa Yoshihiro | 超音波を用いた物品の洗浄方法 |
JP2011056408A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Yoshihiro Hirakawa | 超音波を用いた物品の洗浄方法 |
CN104399694A (zh) * | 2014-11-26 | 2015-03-11 | 成都川硬合金材料有限责任公司 | 一种适用于铝表面的超声波清洗工艺 |
CN104588350A (zh) * | 2014-11-26 | 2015-05-06 | 成都川硬合金材料有限责任公司 | 一种适用于钢碳表面的超声波清洗工艺 |
CN106583323A (zh) * | 2016-12-02 | 2017-04-26 | 江苏毅合捷汽车科技股份有限公司 | 一种高效绿色的汽车涡轮增压器再制造钢件清洗工艺 |
CN112387693A (zh) * | 2019-08-19 | 2021-02-23 | 深圳市海博源光电科技有限公司 | 一种掩膜板的清洗方法及清洗装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3690619B2 (ja) | 洗浄方法及び洗浄装置 | |
JP4232002B2 (ja) | デバイス基板用の洗浄組成物及び該洗浄組成物を用いた洗浄方法並びに洗浄装置 | |
DE60225817T2 (de) | Prozess und vorrichtung zur behandlung eines arbeitsstücks, wie zum beispiel eines halbleiterwafers | |
RU2429313C2 (ru) | Способ очистки стального листа и система непрерывной очистки стального листа | |
JP2743823B2 (ja) | 半導体基板のウエット処理方法 | |
JP2007105686A (ja) | 洗浄方法および超音波洗浄用洗浄剤 | |
KR100453415B1 (ko) | 세정액및세정방법 | |
JP3940742B2 (ja) | 洗浄方法 | |
JPH09153473A (ja) | ウエット処理方法 | |
JPH08187474A (ja) | 洗浄方法 | |
US7754019B2 (en) | Method for removing particles from a semiconductor surface | |
TW452833B (en) | Semiconductor wafer treatment | |
TW200949016A (en) | Etching solution, etching pre-treating solution and etching process for copper or copper alloy | |
JP2008205490A (ja) | デバイス基板用の洗浄組成物及び該洗浄組成物を用いた洗浄方法並びに洗浄装置 | |
JP6969750B2 (ja) | 炭酸水素水及びこれを使用する洗浄方法 | |
JPWO2005084831A1 (ja) | アルカリ可溶型感光性樹脂の剥離方法 | |
JP2001262383A (ja) | アルミニウム缶ボディーの酸洗浄方法 | |
JP2005150768A (ja) | 洗浄方法および電子部品の洗浄方法 | |
US20150007856A1 (en) | Method for treating a substrate surface using ozonated solvent and ultraviolet light | |
JPH1071375A (ja) | 洗浄方法 | |
JP2000279902A (ja) | 基板の洗浄方法 | |
KR20080015477A (ko) | 세정 장치 및 세정 방법 | |
JP3507590B2 (ja) | ウエット処理方法及び処理装置 | |
JP2015146435A (ja) | デバイス用Ge基板の洗浄方法、洗浄水供給装置及び洗浄装置 | |
JP2002045806A (ja) | 洗浄装置 |