JP2007103925A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高濃度のドーピングを行うことが可能で、電極と良好なオーミック接触を取ることを可能とする。
【解決手段】 III−V族化合物半導体を用いた半導体装置において、エミッタ電極と該エミッタ電極に接触する金属電極接触層とを有し、前記金属電極接触層が量子構造で構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、III−V族化合物半導体を用いた半導体装置及びその製造方法に係り、特にヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、電界効果トランジスタ(FET)或いは高電子移動度トランジスタ(HEMT)に好適なものである。
GaAsを代表とするIII−V族化合物半導体を用いた半導体装置は、歪みが小さく、効率の良いGHz以上の高周波特性を実現できることから、携帯電話を初めとする多くの通信機器における増幅器などに広く使用されている。そのなかでもエミッタ・ベース接合にヘテロ接合を用いたHBTは、エミッタ層のバンドギャップがベース層のバンドギャップよりも広いことにより、エミッタ注入効率を高くすることができるため、特に高周波特性に優れ、携帯電話用高出力トランジスタ等に広く使用されている。
図4に示した従来のInGaP/GaAs系HBTを例にとって、その構造を説明する。
InGaP/GaAs系HBTは、半絶縁性GaAs基板上に、MOVPEやMBE法といった気相エピタキシャル成長法により、n型GaAsサブコレクタ層7、n型GaAsコレクタ層6、コレクタ空乏化領域となるn型GaAsコレクタ層5、p型GaAsベース層4、n型InGaPエミッタ層3、n型GaAsエミッタコンタクト層2及びn型InGaAsノンアロイ層1の各エピタキシャル層を積層することにより形成される。なお、n型InGaAs層をノンアロイ層とするのは、アロイ層と比べて接触抵抗が低いからである。
コレクタ層5,6、ベース層4及びエミッタ層3の導電型としては、p−n−pタイプもあるが、図示例のようにn−p−nタイプのエピタキシャル層を積層する場合が殆どである。ここで、nタイプのドーパントとしてはSiが一般に使われる。pタイプのドーパントとして炭素、亜鉛、ベリリウムといった元素が用いられる。
HBTおいては、n型InGaAsノンアロイ層1の上にエミッタ(金属)電極14が、p型GaAsベース層4の上にベース電極13が、そしてn型GaAsサブコレクタ層7の上にコレクタ電極12が形成される。エミッタ接地の場合は、電源15から、コレクタ電極12に正の電圧を印加し、ベース電極13よりベース電流を信号入力として流し、出力となるコレクタ電流を制御する。
ここでHBTの動作原理を、図6を用いて説明する。
図6はn−p−nタイプHBTのエネルギーバンド構造を示す。HBTはエミッタ、ベース、コレクタの3つの基本領域を有する半導体素子であり、上記各層1〜7に対応して、ノンアロイ領域31、エミッタコンタクト領域32、エミッタ領域33、ベース領域34、コレクタ空乏化領域35、コレクタ領域36、サブコレクタ領域37を具備する。図中、9は伝導帯下端、10は価電子帯上端、11はフェルミ準位である。
ノンアロイ領域31、エミッタコンタクト領域32を経てエミッタ領域33から注入された電子8はベース領域34に入り、ベース領域34を高速で通り抜ける。また、ベース領域34からエミッタ領域33へ注入されるホールは、InGaPによるワイドギャップ・エミッタの採用で効果的に抑制されるので、エミッタ・ベース間に順方向のバイアスがかかっていても、電流伝送率が低下しない。電子は、ベース領域34・コレクタ領域36間のコレクタ空乏化領域35に到達した後、ベース・コレクタ間の大きな電界で加速されてコレクタ領域36に入る。n−p−nタイプHBTは、電子がエミッタ電極14からコレクタ電極12に到達するまでの時間が短いので高速で動作する。
HBTで最も重要なのはベース領域34である。即ち、エミッタ領域33よりベース領域34へ電子8を注入し、これがベース領域34中の正孔と再結合せず、コレクタ領域35、36へ伝送されることが理想であり、電流ロスを少なくしなければならない。その為ベース領域34は最適に設計される必要がある。
HBT素子を全体的に見ると、ベース領域34以外に電流ロスが発生する個所が幾つかある。例えば、サブコレクタ領域37とこれに接触するコレクタ電極12、及び金属電極接触層のノンアロイ領域31とこれに接触するエミッタ電極14である。
ここでベース領域34は1019〜1020[cm-3]程度のp型GaAs層であり、サブコレクタ領域37も3.0〜5.0×1018[cm-3]と非常に高濃度にドーピングされたn型GaAs層であり、金属電極であるベース電極13、コレクタ電極12とそれぞれ良好なオーミック接触を取ることが出来る。
これに対し、金属電極接触層であるノンアロイ領域31に対応するノンアロイ層1は、通常GaAs層を用いるが、図4に例示したように、n型GaAs層ではなくn型InGaAs層を用いることが多い。これはInGaAsの方がGaAsに比べ金属ライクな性質を示し、また多量のドーパントをドーピング出来る為、1×1019[cm-3]のn型層を形成することが出来る。更にこれらの金属ライクで、多量のドーパントをドーピングできるという特性は、Inの組成を上げることにより増幅される、といった長所があるためである。したがって、ノンアロイ層1が金属電極であるエミッタ電極14と良好なオーミック接触を取るためには、ノンアロイ層1を構成するInGaAsのIn組成を大きくすることが好ましい。
しかし、InGaAsのIn組成を増加させると、その格子定数がGaAsのそれより遠ざかる。この為、図5に示すように、エミッタコンタクト層2に対応するGaAs層16上に、ノンアロイ層1に対応するInxGa1-xAs層17を所望のIn組成比xで直接堆積させると、その界面には図5に示すような転位18が発生する。この転位18は結晶欠陥の一種であるから、例えば半導体素子を作製した場合、この転位を含む素子は電気的不良が発生する。
この事態を回避する為には、ノンアロイ層1とエミッタコンタクト層2との界面で格子定数を合わせるために、In組成を変化させてInGaAsノンアロイ層17を成長させる必要がある。即ち、GaAs層上にInxGa1-xAsを堆積させる場合、先ずIn組成の設定は0とし、徐々にIn組成を増やして、良好なオーミック接触を取ることが可能な所望の組成まで変化させることを行う。
例えば、特許文献1では、InGaAsノンアロイ層を、In組成をステップ状に変えたステップグレーデッド層と、その上に形成したIn組成を均一とした均一組成層で構成することを提案している。
また特許文献2では、ノンアロイ層とオーミックコンタクト層との間にIn組成を0から60%まで変化させた傾斜層(リニアグレーデッド層)を挿入している。In組成を60%としているのは、本来C(炭素)をドーピングするとp型キャリア濃度を示すInGaAs層が、そのIn組成xを0.5以上にすることで、n型のキャリア濃度を示すことを利用し、InGaAsノンアロイ層のIn組成xを0.6程度とすることでn型のInGaAsノンアロイ層とし、これにより接触抵抗を下げている。
一方、金属電極接触層であるノンアロイ領域31に対応するノンアロイ層1に、通常通りGaAs層を用いる場合は、n型ドーピングとして専らSiが使われている。
特開2004−207546号公報 特開2005−79268号公報
(1)金属電極接触層にInGaAsを用いる場合
上記したIn組成を徐々に所望の組成まで増加させる従来技術の方法には、次のような課題がある。すなわち、所望のIn組成を持つInxGa1-xAs層の膜厚が臨界膜厚を超えた場合、転位の発生を抑制することが困難であるということである。ここで臨界膜厚とは、あるIn組成xに対して転位が発生しない最大のInxGa1-xAs膜厚を意味する。例えば、x=0.5では数nmの臨界膜厚しか持たない。臨界膜厚は、In組成xが増加すれば減少し、逆にIn組成xが減少すれば増加する。したがって、所望のIn組成を持つInGaAs層の膜厚は、容易に臨界膜厚を超えてしまうおそれがあり、転位の発生をもたらす。
(2)金属電極接触層にGaAsを用いる場合
金属電極接触層であるノンアロイ層に、通常通り、In組成をゼロとしたGaAsを用いる場合は、ノンアロイ層より下層にあるGaAs層と同じ材料を用いるので、エピタキシャル層界面に欠陥が発生することは無い。しかし、GaAsが金属ライクでないこと、また、n型ドーパントとしてSiを用いたのでは、1×1019[cm-3]以上にn型ドーピングすることは困難である。したがって、金属電極との良好なオーミック接触を取ることが困難である。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、高濃度のドーピングを行うことが可能で金属電極と良好なオーミック接触を取ることが可能な金属電極接触層を有する半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
第1の発明は、III−V族化合物半導体を用いた半導体装置において、エミッタ電極と該エミッタ電極に接触する金属電極接触層とを有し、前記金属電極接触層が量子構造で構成されていることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記量子構造は、臨界膜厚以下のInxGa1-xAs(x=0.1〜1)層とその上に設けたGaAs層とを1周期として複数周期積層して構成されていることを特徴とする。
第3の発明は、第1の又は第2の発明において、前記量子構造で構成されている金属電極接触層がノンアロイ層であることを特徴とする。
第4の発明は、第1ないし第4の発明において、前記量子構造が、量子ドット、量子細線、若しくは量子井戸のいずれかであることを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、前記金属電極接触層を、前記量子構造で構成する代わりに、Seが1×1019cm-3以上の濃度でドープされたn型GaAs層で構成したことを特徴とする。
第6の発明は、第1ないし第5の発明において、前記半導体装置がヘテロ接合バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ又は高電子移動度トランジスタのいずれかであることを特徴とする。
第7の発明は、エミッタ電極と該エミッタ電極に接触する金属電極接触層とを有するIII−V族化合物半導体を用いた半導体装置の製造方法において、前記金属電極接触層を量子構造で形成したことを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明において、前記量子構造を、臨界膜厚以下のInxGa1-xAs(x=0.1〜1)層とその上に設けたGaAs層とを1周期として複数周期積層して形成したことを特徴とする。
第9の発明は、第7又は第8の発明において、前記量子構造で構成されている金属電極接触層がノンアロイ層であることを特徴とする。
第10の発明は、第7ないし第9の発明において、前記量子構造が、量子ドット、量子細線、若しくは量子井戸のいずれかであることを特徴とする。
第11の発明は、第7の発明において、前記金属電極接触層を、前記量子構造で形成する代わりに、Seを1×1019cm-3以上の濃度でドープしたn型GaAs層で形成し、前記GaAs層を、前記金属電極接触層下のGaAs層を成長したときよりも遅く成長させることを特徴とする。
第12の発明は、第7ないし第11の発明において、前記半導体装置がヘテロ接合バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ又は高電子移動度トランジスタのいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、高濃度のドーピングを行うことができ、金属電極と良好なオーミック接触を取ることができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて説明する。
第1の実施の形態
[量子構造を用いたノンアロイ層]
InxGa1-xAs層の臨界膜厚はIn組成xの値により変化する。前述したように、InxGa1-xAs層は、x=0.5では数nmの臨界膜厚しか持たない。よって、その膜厚を利用した構造は必然的に量子構造となる。本発明の一態様はこの知見に基づいて創案されたものである。
本発明の一態様は、エミッタコンタクト層と、その上に形成する金属電極接触層としてのノンアロイ層との界面に生じる転位の発生を抑制可能とする方法として、ノンアロイ層を量子構造にすることを提案する。量子構造の種類としては、量子井戸、量子細線、量子ドットがある。
図2に、エミッタコンタクト層を構成するGaAs層19上に金属電極接触層として設けられるノンアロイ層を、ノンアロイ層とGaAs19との界面の歪みを緩和するための超格子バッファ層としても利用される量子井戸構造で構成した一例を示す。量子井戸構造は、臨界膜厚以下のn型InxGa1-xAs井戸層20と、その上に形成する非常に薄いn型GaAs障壁層21とを1周期として複数周期積層した積層構造により構成されている。図示例では5周期積層している。
ノンアロイ層をこのような量子井戸構造とすることにより、GaAs層19とノンアロイ層との界面における転位の発生を抑制しつつ、ノンアロイ層を所望の面内抵抗になるように、その膜厚を制御できるようにする。InxGa1-xAs井戸層のIn組成は、好ましくはx=0.1〜1とする。組成をこのような範囲とすれば、GaAsに比べ金属ライクな性質を示し、またInxGa1-xAs井戸層に多量のn型ドーパントをドーピング出来る。
In組成xが小さいうちはInxGa1-xAsは二次元成長を行うため、上述したように量子構造は量子井戸になる。In組成xが0.5〜0.7を超えるあたりから臨界膜厚は数原子層オーダーになり、成長モードが二次元から三次元へ移行し、3次元成長を引き起こして直ぐに成長を停止させると、図3に示すようなInGaAsからなる微小結晶粒(量子ドット)23がGaAs22上に多数個形成される。この量子ドット23の周囲を非常に薄いGaAs層24で埋め込み成長を行う。図3の形態は、このInGaAsからなる量子ドット23を含む非常に薄いGaAs層24を、1周期として複数周期積層した積層構造により構成された形態である。図示例では3周期積層している。
量子構造は、上述した量子井戸、量子ドットの他に量子細線でもよい。また、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ又は高電子移動度トランジスタのいずれにおいても、その金属電極接触層としてのノンアロイ層に対して適用することができる。
金属電極接触層を図2又は図3の如く構成することにより、金属電極接触層とn型GaAs層との界面における転位の発生を抑制した金属電極接触層を堆積させることが出来るようになり、半導体素子における電気的な特性の損失を抑えることができる。
図1に本発明の実施形態に係るInGaP/GaAs系HBTの構造を示す。
InGaP/GaAs系HBTは、半絶縁性GaAs基板上に、MOVPE法により、n型GaAsサブコレクタ層7、n型GaAsコレクタ層6、コレクタ空乏化領域となるコレクタ層5、p型GaAsベース層4、n型InGaPエミッタ層3、n型GaAsエミッタコンタクト層2及び量子構造ノンアロイ層25を積層することにより形成される。量子構造ノンアロイ層25の上にはエミッタ電極14が、p型GaAsベース層4の上にはベース電極13が、そしてn型GaAsサブコレクタ層7の上にはコレクタ電極12が形成される。エミッタ接地の場合は、電源15から、コレクタ電極12に正の電圧を印加し、ベース電極13よりベース電流を信号入力として流し、出力となるコレクタ電流を制御する。
上記エミッタ電極14、ベース電極13、及びコレクタ電極12はともに金属電極である。
上記量子構造ノンアロイ層25は、n型InxGa1-xAsのIn組成xを比較的小さくして二次元成長させ、臨界膜厚以下のn型InxGa1-xAs層とn型GaAs層の薄膜を交互に積み重ねて量子井戸構造にしている。量子構造ノンアロイ層25を周期的な量子井戸構造とすることにより、転位の発生を抑制しつつ所望の面内抵抗になるようにその膜厚を制御することができるようになる。
上記実施例では、HBTの例について説明したが、本発明はFETやHEMTにも適用することができる。
第2の実施の形態
[GaAs層を用いたノンアロイ層]
次に、金属電極接触層(ノンアロイ層)に量子構造を用いる代わりに、n型GaAs層を用いる場合について説明する。
ノンアロイ層にn型GaAsを用いる場合は、ノンアロイ層より下層にあるn型GaAsエミッタコンタクト層と同じ材料を用いているので、エピタキシャル層界面に欠陥が発生することは無い。しかし、この場合は高濃度のn型ドーピングを行う工夫が必要である。
金属電極接触層をn型GaAsから成るノンアロイ層で構成した場合、n型ドーパントとしてSiを用いたのでは、1×1019[cm-3]以上にn型ドーピングすることが難しい。このためGaAsをノンアロイ層として用いる場合はドーパントとしてSeを用い、更に高濃度ドーピングさせるために、成長速度を従来の3分の1程度(0.3〜0.7nm/sec)に抑えて効率を上げる。更にV族原料とIII族原料との供給量比、いわゆるV/III比を上げて、p型化する原因となるC濃度雰囲気を低減させる。
上述したように本実施の形態によれば、金属電極接触層に量子構造を用いているので、転位の発生を抑制したInGaAs層を堆積させることが出来るようになり、半導体素子における電気的な特性の損失を抑えることができる。
また、金属電極接触層にGaAsを用いた場合には、金属電極接触層より下層にある同じ材料のGaAsの成長速度よりも遅い速度で成長させるので、効率良く高濃度のn型ドーピングを行うことができる。このため、金属電極と良好なオーミック接触を取ることができる。更にV/III比を上げているので、p型化する原因となるC濃度雰囲気を低減させることができる。
また、ノンアロイ層の膜厚は半導体素子の面内抵抗特性に影響を与える。そのため、本来、ノンアロイ層の膜厚は自由に変更でき、半導体素子の面内抵抗値を簡易に変更するためのパラメータの1つとして用いることができる必要がある。この点で、本実施の形態によれば、ノンアロイ層を複数周期の積層により形成するので、ノンアロイ層の膜厚を自由に変更でき、ノンアロイ層の膜厚を上記ようなパラメータとして用いることができる。
<実施例1>
半絶縁性GaAs基板の(001)面より[110]方向へ2°微傾斜した直径4インチの基板上に、有機金属気相成長法(MOVPE法)により、n型GaAsサブコレクタ層(膜厚500〜800nm、キャリア濃度3〜5×1018cm-3)、n型GaAsコレクタ層(膜厚600〜1200nm、キャリア濃度1×1016cm-3)、n型GaAsコレクタ層(コレクタ空乏化領域)(膜厚600〜1200nm、キャリア濃度1×1016cm-3)を積層した。
さらにp型GaAsベース層4(膜厚80〜100nm、キャリア濃度1〜4×1019cm-3)、n型InGaPエミッタ層(膜厚30〜100nm、キャリア濃度3〜5×1017cm-3)、n型GaAsエミッタコンタクト層(膜厚80〜200nm、キャリア濃度3〜5×1018cm-3)及び量子構造ノンアロイ層を積層して、InGaP/GaAs系HBT用エピタキシャルウェハを作製した。
ここで量子構造ノンアロイ層25には、In組成x=0.1、膜厚20nmのn型In0.1Ga0.9As井戸層と、膜厚50nmのn型GaAs障壁層とを交互に5周期成長させた量子井戸構造を用いた。
また、使用した原料は、As原料にアルシン(AsH3)、Ga原料にトリメチルガリウム(TMG)、及びトリエチルガリウム(TEG)、In原料にトリメチルインジウム(TMI)、リン原料にフォスフィン(PH3)を用いた。またn型キャリアのドーパントとしてSiとSeを用い、この原料としてジシラン(Si26)、セレン化水素(H2Se)を用いた。またp型キャリアのドーパントとしてCを用い、この原料として四臭化炭素(CBr4)を用いた。
上述した本実施例1の大面積HBT用エピタキシャルウェハ(直径4インチ)を透過型電子顕微鏡(TEM)で測定した結果、エミッタコンタクト層とノンアロイ層との間に転位の発生は確認されなかった。また、フォトルミネッセンス(PL)測定において、ノンアロイ層からの発光を確認することが出来たので、良好な結晶が形成されていることもわかった。
そして、このHBT用エピタキシャルウェハを加工し、図1に示すように、量子構造ノンアロイ層25の上にはエミッタ電極14を、GaAsベース層4の上にはベース電極13を、そしてサブコレクタ層7の上にはコレクタ電極12をそれぞれ形成して、特性評価用HBTを作製した。このHBTのエミッタ電極14と量子構造ノンアロイ層25とは良好なオーミック接触が取れていた。また、このHBTの基本的特性、高周波特性等、HTB特性は良好であった。
<比較例1>
実施例1において、量子構造ノンアロイ層25に、In組成x=0.2、膜厚20nmのn型In0.2Ga0.8As井戸層と、GaAs障壁層50nmとを交互に5周期成長させた以外は、実施例1と同じ条件でHBT用エピタキシャルウェハ、及びHBTを作製した。
比較例1の構造におけるHBT特性は、場所により良好な結果を得ることが出来なかった。またTEMにより観察したところ、図5に示すような転位が数カ所に渡り確認された。更に平面TEMによる観察においてもミスフィット転位が確認された。なおPL測定では、ノンアロイ層からの発光は確認できたものの、実施例1で観察された発光強度に対して50%程度の強度しか得られなかった。
このことから、同じ膜厚(20nm)でも、In組成xを0.1から0.2に高くすると、GaAs層とInGaAs層との界面の格子不整合量が増加して、転位(欠陥)が入りやすくなり、良好な結晶が得られないことが分かる。
<実施例2>
実施例1において、In組成x=0.2、膜厚10nmのIn0.2Ga0.8AsとGaAs層50nmを交互に5周期成長させた以外は実施例1と同じ条件でHBT用エピタキシャルウェハ、及びHBTを作製した。
本実施例2の構造における大面積におけるHBT用エピタキシャルの特性は良好であった。またTEMによる測定の結果、転位の発生は確認されなかった。なおPL測定において、ノンアロイ層からの発光を確認することが出来た。ここで面内のシート抵抗は実施例1の時の約2倍の値を示した。即ち膜厚に比例して面内抵抗の制御が可能なことを示唆する結果となった。
<実施例3>
実施例1において、金属電極接触層であるノンアロイ層の材料としてn型GaAsを用いた以外は、実施例1と同じ条件でHBT用エピタキシャルウェハ、及びHBTを作製した。このとき用いたn型ドーパントはSeである。このGaAs層の成長に用いる成長速度を従来の1.0〜2.0nm/sec程度として成長を行ったところ、当該GaAs層にドープされたキャリア濃度は1.0〜1.5×1019[cm-3]程度であった。更に、この成長速度を従来の3分の1程度に抑え、0.3〜0.7nm/secに低下させて成長したところ、キャリア濃度は1.5〜2.0×1019[cm-3]と1.5〜2倍程度の増加が見られた。
<比較例2>
実施例3において、GaAsの成長速度を従来の1.0〜2.0nm/sec程度とし、V/III比を10〜100として成長させた以外は実施例3と同じ条件でHBT用エピタキシャルウェハ、及びHBTを作製した。このときのキャリア濃度は1.1〜1.3×1019[cm-3]と大きな変化は見られなかった。比較例2の意図は、V/III比を上げることでCのオートドーピングを低減させ、p型キャリアの低減を図ろうとしたものであるが、思った程の効果を得ることは出来なかつた。これは成長によって結晶中に取り込まれるC濃度が、n型のドーピング濃度に対して2〜3桁小さいオーダーであるために、影響が殆ど無かった為と考えられる。
以上述べたように、本実施の形態により、転位の発生を抑制したn型InxGa1-xAs(x=0.1〜1)層、またはn型GaAs層を堆積させることで、半導体装置における電気的な特性の損失を抑えることができる。
以下に本発明の好ましい態様を付記する。
第1の態様は、n型GaAs基板上にn型InGaPエミッタ層、n型GaAsエミッタコンタクト層、およびエミッタ電極を接触させるための金属電極接触層を有するInGaP/GaAs半導体ウェハにおいて、前記金属電極接触層が量子構造で構成されており、前記量子構造は、臨界膜厚以下のn型InxGa1-xAs(x=0.1〜1)層とその上に設けたn型GaAs層とを1周期として複数周期積層して構成されていることを特徴とする。
第2の態様は、第1の態様において、前記量子構造で構成されている金属電極接触層がノンアロイ層であり、前記量子構造が、量子ドット、量子細線、若しくは量子井戸のいずれかであることを特徴とする。
第3の態様は、第1の態様において、前記金属電極接触層を、前記量子構造で構成する代わりに、Seが1×1019cm-3以上の濃度でドープされたn型GaAs層で構成したことを特徴とする。
第4の態様は、第1ないし第3の態様において、前記InGaP/GaAs半導体ウェハがヘテロ接合バイポーラトランジスタ用、電界効果トランジスタ用又は高電子移動度トランジスタ用のいずれかであることを特徴とする。
第5の態様は、n型GaAs基板上にn型InGaPエミッタ層、n型GaAsエミッタコンタクト層、およびエミッタ電極を接触させるための金属電極接触層を有するInGaP/GaAs半導体ウェハの製造方法において、前記金属電極接触層を量子構造で形成し、前記量子構造は、臨界膜厚以下のn型InxGa1-xAs(x=0.1〜1)層とその上に設けたn型GaAs層とを1周期として複数周期積層して形成したことを特徴とする。
第6の態様は、第5の態様において、前記量子構造で構成されている金属電極接触層がノンアロイ層であり、前記量子構造が、量子ドット、量子細線、若しくは量子井戸のいずれかであることを特徴とする。
第7の態様は、第5の態様において、前記金属電極接触層を、前記量子構造で形成する代わりに、Seを1×1019cm-3以上の濃度でドープしたn型GaAs層で形成し、前記GaAs層を、前記金属電極接触層下のGaAs層を成長したときよりも遅く成長させることを特徴とする。
第8の態様は、第5ないし第7の態様において、前記InGaP/GaAs半導体ウェハがヘテロ接合バイポーラトランジスタ用、電界効果トランジスタ用又は高電子移動度トランジスタ用のいずれかであることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係るHBTの構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るInGaAs/GaAs量子構造のノンアロイ層とGaAsエミッタコンタクト層の断面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るInGaAs/GaAs量子ドット構造のノンアロイ層とGaAsエミッタコンタクト層の断面図である。 従来のHBTの構造を示す断面図である。 InGaAs/GaAs界面の転位の様子を示す図である。 従来のHBTのエネルギーバンド図である。
符号の説明
1 ノンアロイ層(n型InGaAs)
2 エミッタコンタクト層(n型GaAs)
3 エミッタ層(n型InGaP)
4 ベース層(p型GaAs)
5 コレクタ(コレクタ空乏化領域)層(n型GaAs)
6 コレクタ層(n型GaAs)
7 サブコレクタ層(n型GaAs)
8 電子
9 伝導帯下端
10 価電子帯上端
11 フェルミ準位
12 コレクタ電極
13 ベース電極
14 エミッタ電極
15 電源
16 GaAs層
17 InxGa1-xAs層
18 転位
19 GaAs層(エミッタコンタクト層)
20 n型InxGa1-xAs井戸層
21 n型GaAs障壁層
22 GaAs層(エミッタコンタクト層)
23 量子ドット
24 GaAs層
25 量子構造ノンアロイ層

Claims (12)

  1. III−V族化合物半導体を用いた半導体装置において、
    エミッタ電極と該エミッタ電極に接触する金属電極接触層とを有し、
    前記金属電極接触層が量子構造で構成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記量子構造は、臨界膜厚以下のInxGa1-xAs(x=0.1〜1)層とその上に設けたGaAs層とを1周期として複数周期積層して構成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体装置において、
    前記量子構造で構成されている金属電極接触層がノンアロイ層であることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記量子構造が、量子ドット、量子細線、若しくは量子井戸のいずれかであることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記金属電極接触層を、前記量子構造で構成する代わりに、Seが1×1019cm-3以上の濃度でドープされたn型GaAs層で構成したことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記半導体装置がヘテロ接合バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ又は高電子移動度トランジスタのいずれかであることを特徴とする半導体装置。
  7. エミッタ電極と該エミッタ電極に接触する金属電極接触層とを有するIII−V族化合物半導体を用いた半導体装置の製造方法において、
    前記金属電極接触層を量子構造で形成した
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記量子構造を、臨界膜厚以下のInxGa1-xAs(x=0.1〜1)層とその上に設けたGaAs層とを1周期として複数周期積層して形成したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記量子構造で構成されている金属電極接触層がノンアロイ層であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
    前記量子構造が、量子ドット、量子細線、若しくは量子井戸のいずれかであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記金属電極接触層を、前記量子構造で形成する代わりに、Seを1×1019cm-3以上の濃度でドープしたn型GaAs層で形成し、
    前記GaAs層の成長速度は、前記金属電極接触層下のGaAs層の成長速度よりも遅いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項7ないし11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
    前記半導体装置がヘテロ接合バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ又は高電子移動度トランジスタのいずれかであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015135966A (ja) * 2014-01-16 2015-07-27 トライクイント・セミコンダクター・インコーポレイテッドTriQuint Semiconductor,Inc. ヘテロ接合バイポーラトランジスタ用のエミッタコンタクトエピタキシャル構造およびオーミックコンタクト形成

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