JP2007101879A - 画像形成装置用クリーニングブレード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構成モノマーとしてアクリロニトリルを含み、かつ結合アクリロニトリル量が15〜50%である熱硬化性エラストマーを含む樹脂組成物から成形してなる画像形成装置用クリーニングブレードを提供する。
【選択図】図1
Description
従って、複数枚の記録紙に順次複写を行うためには、上記工程において、感光体より記録紙にトナー像を転写した後、感光体の表面に残留するトナーを除去する必要がある。その除去方法の一つとして、クリーニングブレードを感光体表面に圧接し、感光体を摺接してクリーニングするブレード・クリーニング方式が知られている。
(1)高温高湿時において摺動振動に基づく鳴き現象が生じやすい。
(2)感光体に対しカウンター方式で使用され、残留トナーが少ない領域ではエッジ部が感光体の回転方向に持っていかれるという反転現象が起きやすい。
(3)高画質化のためトナーの球形微細化が進んだ結果、クリーニングブレードの圧接力を大きくしないと残留するトナーの除去が困難となり、クリーニング不良が生じやすくなる。
(4)低温低湿時においては材料特性の変化によりびびり現象や圧接力低下現象が起こり、ひいてはクリーニング不良が生じやすくなる。
しかし、ブレード表層への加工は製造工程数が増え、コストが高くなり、さらに精度も低下するという問題がある。また、感光体表層への潤滑剤の塗布は塗布装置を搭載させなければならないため部品点数が増加しコストが高くなるなどの問題がある。
しかしながら、フレキシブルダイアモンドライクカーボン層により低摩擦係数が実現され、摺動振動に基づく鳴き現象は改善されるが、エッジ部にのみフレキシブルダイアモンドライクカーボンを付着しているだけであるため、耐久性や耐摩耗性は実用的に十分とはいえないと認められる。さらに、基材である弾性体にフレキシブルダイアモンドライクカーボン層を形成するためプラズマ化学気相蒸着を行う必要があり、製造工程管理が複雑となり、製造コストも上昇するという問題がある。
例えば、特開平5−24049号公報(特許文献2)には、ポリイソシアネートとポリオールの一部とを反応させてプレポリマーを製造し、得られたプレポリマーに残りのポリオールと硬化剤とを添加して注型架橋することにより、硬度や強度などの機械的性質および低温特性を低減させることなく、倒れ歪量を低減し、耐久性に優れた電子写真複写機用クリーニングブレードを得ることができることが記載されている。
しかし、上記特許文献2では実施例においてウレタン硬化物のガラス転移温度Tgが示されているだけであり、低温条件でのクリーニング性能については評価を行っていない。さらに、一般的にポリウレタンゴムにおいてガラス転移温度Tgが0℃以上であると低温特性が悪いとされている。ゆえに、上記特許文献に記載の発明では電子写真複写機用クリーニングブレードにおける低温特性の改善には至っていないと認められる。
しかし、上記特許文献3ではニトリルゴムにおける結合アクリロニトリル量について全く記載も示唆もされていない。さらに、上記特許文献3に記載の半導電性エラストマー部材はJIS A硬度が通常20〜60と低硬度であることを特徴している(0036欄、0094欄)が、このような低硬度な部材はクリーニング性能が劣るため、現実にクリーニングブレードとして使用することは困難である。
画像形成装置用クリーニングブレードを構成する樹脂組成物として、構成モノマーとしてアクリロニトリルを含み、かつ結合アクリロニトリル量が15〜50%である熱硬化性エラストマーを用いれば、低温低湿時におけるびびり現象や圧接力低下現象を抑制でき、その結果低温環境下におけるクリーニング性能を向上させることができる。
前記結合アクリロニトリル量は25〜42%であることがより好ましく、28〜40%であることがさらに好ましい。
熱硬化性エラストマーの結合アクリロニトリル量はJIS K 6384に記載されている方法にしたがって測定することができる。また、市販品では結合アクリロニトリル量が表示されているので、本発明に規定の結合アクリロニトリル量を有する商品を用いればよい。
なお、本発明において好適な熱硬化性エラストマーであるHNBRの原料となるNBRについても同様である。
(液状アクリロニトリルブタジエンゴム)等が挙げられる。
前記「他のエラストマー」としては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
50質量部≦エラストマーa≦90質量部とし、10質量部≦エラストマーb≦50質量部としたのは、エラストマーaの配合量が50質量部よりも少なく、エラストマーbの配合量が50質量部を超えると、本発明の画像形成装置用クリーニングブレードの物理的強度が低下するおそれがある。一方、エラストマーaの配合量が90質量部を超え、エラストマーbの配合量が10質量部よりも少ないと、エラストマーbの性能が発揮されないおそれがある。
前記数平均分子量は7万以上50万以下であることがより好ましく、7万以上30万以下であることが特に好ましい。
なかでも、本発明の組成物は前述のエラストマー成分(A)に加えてさらに充填剤(B)と架橋剤(C)とを含んでいることが好ましい。
充填剤(B)はエラストマー成分(A)100質量部に対し0.1〜80質量部の割合で含まれていることが好ましい。充填剤(B)の配合量をエラストマー成分(A)100質量部に対し0.1〜80質量部としたのは、充填剤(B)の配合量が0.1質量部未満であるとエラストマー成分が十分に補強されなかったり、架橋されなかったりするおそれがあるからであり、一方充填剤(B)の配合量が80質量部を超えると硬度が大きくなりすぎ、本発明のクリーニングブレードが感光体を傷つけるおそれがあるからである。
架橋剤(C)はエラストマー成分(A)100質量部に対し0.1〜30質量部の割合で含まれていることが好ましい。架橋剤(C)の配合量をエラストマー成分(A)100質量部に対し0.1〜30質量部としたのは、架橋剤(C)の配合量が0.1質量部未満であると架橋密度が小さくなり所望の物性が得られなくなるおそれがあるからであり、一方架橋剤(C)の配合量が30質量部を超えると過剰な架橋反応により硬度が大きくなりすぎ、本発明のクリーニングブレードが感光体を傷つけるおそれがあるからである。
共架橋剤としては、メタクリル酸エステル、メタクリル酸もしくはアクリル酸の金属塩に代表されるエチレン性不飽和単量体、多官能ポリマー類またはジオキシム等を用いることができる。
(a)アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類、
(b)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類、
(c)上記(a)、(b)のエステルまたは無水物、
(d)(a)〜(c)の金属塩、
(e)1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、
(f)スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、
(g)トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニルピリジンなどの複素環を有するビニル化合物、
(h)その他、(メタ)アクリロニトリルもしくはα−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンもしくはビニルブチルケトンなどのビニルケトン類
等が挙げられる。
アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ブチルアミノエチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;
ベンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどの芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリレート;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどの各種官能基を有する(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、テトラハイドロフルフリルメタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;
等が挙げられる。
前記(c)の「無水物」としては、例えばアクリル酸無水物、マレイン酸無水物等が挙げられる。
メタクリル酸;
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、テトラハイドロフルフリルメタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレートなどのメタクリル酸高級エステル;
アクリル酸アルミニウム、メタクリル酸アルミニウム、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸マグネシウム等のメタクリル酸もしくはアクリル酸の金属塩;
トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルイタコネート、ビニルトルエン、ビニルピリジンまたはジビニルベンゼン
等が挙げられる。
前記ジオキシムとしては、例えばp−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等が挙げられる。
前記無機促進剤としては、消石灰、MgO等の酸化マグネシウム、酸化チタンまたはリサージ(PbO)等が挙げられる。
前記有機促進剤としては、チラウム類、チアゾール類、チオウレア類、ジチオカーバミン酸塩類、グアニジン類およびスルフェンアミド類等が例示される。
チラウム類としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドまたはジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
チアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロヘキシルベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドまたはN,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等が挙げられる。
チオウレア類としては、N,N’−ジエチルチオウレア、エチレンチオウレアまたはトリメチルチオウレア等が挙げられる。
ジチオカーバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカーバミン酸銅、ジメチルジチオカーバミン酸鉄(III)、ジエチルジチオカーバミン酸セレン、ジエチルジチオカーバミン酸テルル等が挙げられる。
グアニジン系促進剤としては、ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等が挙げられる。
スルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等が挙げられる。
加硫促進助剤としては、亜鉛華等の金属酸化物;ステアリン酸、オレイン酸もしくは綿実脂肪酸等の脂肪酸;炭酸亜鉛;その他従来公知の加硫促進助剤が挙げられる。なお、亜鉛華等の金属酸化物は下記の補強剤としての役割も果たす。
当該加硫促進助剤の配合量はエラストマー成分の物性が十分発揮される量であればよく、通常はエラストマー成分100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲から選択される。
アミン類としては、スチレン化ジフェニルアミン、ジアルキルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンまたはN,N’−ジ−6−ナフチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
イミダゾール類としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール等が挙げられる。
フェノール類としては、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、スチレン化メチルフェノール、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、モノ(α−メチルベンジル)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、トリ(α−メチルベンジル)フェノールまたは1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。
前記老化防止剤の配合量はエラストマー成分の物性が十分発揮される量であればよく、通常はエラストマー成分100質量部に対して1〜10質量部の範囲から選択される。
より具体的には、ジブチルフタレート(DBP)、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート等のジオクチルフタレート(DOP)、ジイソオクチルフタレート(DIOP)、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、アジピン酸ポリエステル、ジブチルジグリコール−アジペート、ジ(ブトキシエトキシエチル)アジペート、イソオクチル−トール油脂肪酸エステル、トリブチルホスフェート(TBP)、トリブトキシエチルホスフェート(TBEP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、ジフェニルアルカン等が挙げられる。
なかでも、補強効果、コスト、分散性および耐摩耗性の観点より、カーボンブラックを用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては、例えばSAFカーボン(平均粒径18〜22μm)、SAF−HSカーボン(平均粒径20μm前後)、ISAFカーボン(平均粒径19〜29μm)、N−339カーボン(平均粒径24μm前後)、ISAF−LSカーボン(平均粒径21〜24μm)、I−ISAF−HSカーボン(平均粒径21〜31μm)、HAFカーボン(平均粒径26〜30μm)、HAF−HSカーボン(平均粒径22〜30μm)、N−351カーボン(平均粒径29μm前後)、HAF−LSカーボン(平均粒径25〜29μm)、LI−HAFカーボン(平均粒径29μm前後)、MAFカーボン(平均粒径30〜35μm)、FEFカーボン(平均粒径40〜52μm)、SRFカーボン(平均粒径58〜94μm)、SRF−LMカーボン、GPFカーボン(平均粒径49〜84μm)等が例示される。なかでも、FEFカーボン、ISAFカーボン、SAFカーボンまたはHAFカーボンを用いることが好ましい。
アミド化合物としては、脂肪族系アミド化合物または芳香族系アミド化合物が挙げられるが、脂肪族系アミド化合物を用いることが好ましい。脂肪族系アミド化合物における脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、エルカ酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、パルミトレイン酸、エイコセン酸、エルシン酸、エライジン酸、トランス−11−エイコセン酸、トランス−13−ドコセン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸等が挙げられる。なかでも、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドが好ましい。
脂肪酸金属塩としては、脂肪酸がラウリル酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミステリン酸またはオレイン酸であり、金属が亜鉛、鉄、カルシウム、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、セリウム、チタン、ジルコニウム、鉛またはマンガンである塩が挙げられる。
ワックスとしては、パラフィン系ワックス、モンタン系ワックス、アマイド系ワックス等が挙げられる。
硫黄としては、通常回収硫黄を粉砕し微粉としたものが使用される。分散性などを改良した表面処理硫黄も適宜使用することができる。また、未加硫ゴムからのブルームを避けるために不溶性硫黄も使用することができる。
有機含硫黄化合物としてはN,N’−ジチオビスモルホリンなどが挙げられる。
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキシド、1,1−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)−3−ヘキセン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−tert−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)−3−ヘキセン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が挙げられる。
耐熱性架橋剤としては、1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、ヘキサメチレン−1,6−ビスチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6−ビス(ジベンジルチオカルバモイルジスルフィド)ヘキサン等が挙げられる。
樹脂架橋剤としては、タッキロール201、タッキロール250−III(以上、田岡化学工業(株)製)、ヒタノール2501(日立化成工業(株)製)などのアルキルフェノール樹脂または臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
各成分の混合順序は特に限定されず、全ての成分を一度に混練装置に投入して混合してもよいし、一部の成分を混練装置に投入して予め混練しておき、得られた混合物に残りの成分を添加し混練してもよい。好ましくは、エラストマー成分(A)と充填剤(B)を予め混練しておき、得られた混合物に架橋剤(C)を添加し混練するという方法がよい。
本発明の画像形成装置用クリーニングブレードは、前記のようにして得られた組成物を圧縮成形あるいは射出成形などの公知の成形方法を用いて成形することにより得られる。
硬度はJIS−A 60〜90であることが好ましい。これはJIS−A硬度が60未満であるとブレード先端に圧力がかからなくなりトナー除去ができない問題があり、JIS−A硬度が90を越えると感光体を傷つける問題があるからである。より好ましくは、JIS−A 70〜85である。
引張強度は6.0MPa以上であることが好ましい。これは引張強度が6.0MPa未満であると、ブレードがもろくなり磨耗が激しくなる問題があるからである。引張強度は6.0〜30MPaであることが好ましく、特に9.0〜30MPaであることが好ましい。
反発弾性率は15〜70%であることが好ましい。これは、反発弾性率が15%未満であるとブレードがトナーを除去するための反発力がなくなり、トナーを除去できなくなる問題があり、70%を越えるとびびりが激しくなりトナーが除去できなくなる問題があるからである。より好ましくは、反発弾性率は15〜60%である。
ガラス転移温度は10℃以下であることが好ましい。これはガラス転移温度が10℃を越えると低温低湿時のクリーニング性能が悪くなるからである。ガラス転移温度は−20〜10℃であることが好ましく、−20〜6℃であることがより好ましい。
例えば、熱硬化性エラストマーに充填剤を配合することにより、熱硬化性エラストマーおよび/または充填剤がクリーニングブレードの表層にブリードし、クリーニングブレードと感光体との間の摩擦係数を低くコントロールすることができる。このように摩擦係数を低くコントロールすることにより、従来問題点であった摩擦係数が大きいために起こるエッジ部の反転現象をより回避することができ、さらには高温高湿の摺動振動に基づく鳴き現象や低温低湿の摺動振動に基づくびびり現象をより改善することができる。また、配合によって弾性をコントロールすることにより感光体への圧接力を高めることができ、残留する球状微細トナーをより確実に除去することが可能となり、高画質化のために球状微細トナーが用いられた場合も満足すべき水準のクリーニング性能を有するクリーニングブレードが得られるようになる。
図1に示すように、本発明のクリーニングブレード20は、接着剤により支持部材21に接合されている。支持材21は剛体の金属、弾性を有する金属、プラスチックまたはセラミック等で形成されたものが用いられるが、金属製が好ましく、クロムフリーSECC製が特に好ましい。
クリーニングブレード20と支持部材21とを接合するために用いる接着剤としては、ポリアミド系もしくはポリウレタン系ホットメルト接着剤や、エポキシ系もしくはフェノール系接着剤等を用いる。これらのなかではホットメルト接着剤を用いることが好ましい。
まず、感光体12が図中の矢印の方向に回転し、帯電ローラ11によって感光体12が帯電された後に、鏡16を介してレーザー17が感光体12の非画像部を露光して除電し、画線部に相当する部分が帯電した状態になる。次に、トナー15aが感光体12上に供給されて、帯電画線部にトナー15aが付着し1色目の画像が形成される。このトナー画像は一次転写ローラ19aを介して中間転写ベルト13上へ転写される。同様にして、感光体12上に形成されたトナー15b〜15dの各色の画像が中間転写ベルト13上に転写され、転写ベルト13上に4色のトナー15(15a〜15d)からなるフルカラー画像が一旦形成される。このフルカラー画像は二次転写ローラ19bを介して被転写体(通常は紙)18上へ転写され、所定の温度に加熱されている定着ローラ14を通過することで被転写体18の表面へ定着される。
前記工程において、複数枚の記録紙に順次複写を行うために、中間転写ベルト13上へ転写されず感光体12上に残留したトナーは、感光体12表面に圧接されたクリーニングブレード20で感光体を摺擦することにより除去され、トナー回収ボックス22で回収される。
エラストマー成分(A)としては、結合アクリロニトリル量が28〜40%で、数平均分子量が7万以上20万以下であるNBRを用いている。
充填剤(B)としては、共架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、補強剤または添加剤を用いている。
前記共架橋剤としてはメタクリル酸を用いることが好ましい。メタクリル酸の配合量はエラストマー成分100質量部に対し5〜10質量部、好ましくは7〜10質量部である。
前記加硫促進剤としては、無機促進剤である酸化マグネシウム、または有機促進剤であるチアゾール類もしくはチラウム類を用いることが好ましい。チアゾール類としてはジベンゾチアジルジスルフィドが最も好ましく、チラウム類としてはテトラメチルチウラムモノスルフィドが最も好ましい。酸化マグネシウムの配合量はエラストマー成分100質量部に対し5〜10質量部、好ましくは7〜10質量部である。チアゾール類またはチラウム類の配合量はエラストマー成分100質量部に対し0.5〜3質量部である。
前記補強剤としてはカーボンブラックを用いることが好ましく、なかでもISAFカーボンを用いることがより好ましい。カーボンブラックの配合量はエラストマー成分100質量部に対し10〜80質量部、好ましくは10〜60質量部である。
前記添加剤としては脂肪酸金属塩を用いることが好ましい。脂肪酸金属塩としてはステアリン酸の金属塩を用いることがより好ましく、ステアリン酸亜鉛を用いることが特に好ましい。添加剤の配合量はエラストマー成分100質量部に対し1〜20質量部、好ましくは5〜15質量部である。
前記硫黄としては粉末硫黄を用いることが好ましい。硫黄の配合量はエラストマー成分100質量部に対し0.5〜5質量部、好ましくは1〜3質量部である。架橋剤(C)として硫黄を用いる場合は、充填剤(B)として加硫促進剤と加硫促進助剤を用いることが好ましい。
前記有機過酸化物としてはジクミルパーオキシドを用いることが好ましい。有機過酸化物の配合量はエラストマー成分100質量部に対し0.5〜10質量部、好ましくは1〜6質量部である。架橋剤(C)として有機過酸化物を用いる場合は、充填剤(B)として共架橋剤を用いることが好ましい。
まず、エラストマー成分(A)と充填剤(B)を一軸押出機、1.5軸押出機、二軸押出機、オープンロール、ニーダー、バンバリーミキサーまたは熱ロールなどの混練装置を用いて混練する。混練温度は80〜120℃、混練時間は5〜6分である。混練温度が80℃未満、混練時間が5分未満ではエラストマー成分(A)が十分に可塑化せず混練りが不十分となるからであり、混練温度が120℃を超え、混練時間が6分を超えてはエラストマー成分(A)が分解するおそれがあるからである。
ついで、得られた混合物に架橋剤(C)を添加し、上記のような混練装置を用いて混練する。混練温度は80〜90℃、混練時間は5〜6分である。混練温度が80℃未満、混練時間が5分未満では混合物が十分に可塑化せず混練りが不十分となるからであり、混練温度が90℃を超え、混練時間が6分を超えては架橋剤(C)が分解するおそれがあるからである。
クリーニングブレード20は、厚さ1〜3mm、幅10〜40mm、長さ200〜500mmの短冊状に成形・加工することが好ましい。
成形方法としては特に限定されず、射出成形や圧縮成形など公知の成形方法を用いればよい。具体的には例えば上記組成物を金型内にセットして、155〜175℃にて10〜30分間プレス加硫するという方法が挙げられる。加硫温度が155℃未満、加硫時間が10分未満では加硫不足になるからであり、加硫温度が175℃を超え、加硫時間が30分を超えてはゴム焼けが発生するおそれがあるからである。
このような物性を有するがゆえに、本発明のクリーニングブレード20は、下記実施例に詳細を示した試験において、びびり現象が観察されず、常温ではもちろん低温環境下においても全てのトナーを確実に掻き取ることができる。
エラストマー成分(A)および充填剤(B)を表1に示す配合量計量し、二軸押出機、オープンロール、バンバリーミキサーまたはニーダーなどのゴム混練装置に投入して、80〜120℃に加熱しながら5〜6分間程度混練りした。
得られた混合物と表1に示す配合量の架橋剤(C)をオープンロール、バンバリーミキサーまたはニーダーなどのゴム混練装置に投入して、80〜90℃に加熱しながら5〜6分間程度混練りした。
得られたゴム組成物を金型内にセットし、155〜175℃にて10〜30分間程度プレス加硫して、2mm厚のシートおよびφ27.5mm×12mm厚の圧縮玉(成形基材)を作製した。
さらに、2mm厚のシートから幅27mm、長さ320mmのクリーニングブレードを切り出し、当該クリーニングブレードをクロムフリーSECC製の支持部材にホットメルト(ダイヤボンド製材質)を用いて貼り付け、ついでシート中心部をカットしてクリーニング部材を作製した。
・NBR
アクリロニトリル量28%;日本ゼオン製 Nipol DN2850
〃 39%:バイエルポリマー製 Perbunan NT3965
〃 15%と52%の比較例のNBR: JSR製試作品
・カーボンブラック;東海カーボン(株)製「シーストISAF」
・ステアリン酸;日本油脂(株)製「つばき」
・ステアリン酸亜鉛;日本油脂(株)製「ジンクステアレート」
・加硫促進剤A;ジベンゾチアジルジスルフィド(大内新興化学工業(株)製「ノクセラ−DM」)
・加硫促進剤B;テトラメチルチウラムモノスルフィド(大内新興化学工業(株)製「ノクセラ−TS」)
・硫黄;粉末硫黄(鶴見化学(株)製)
・有機過酸化物;ジクミルパーオキシド(日本油脂(株)製「パークミルD」)
(1)硬度;JIS K 6253に従って、作成した圧縮玉を用いてタイプAにて硬度を測定した。
(2)引張強度;作成した2mm厚のシートからダンベル状3号試験片を打ち抜いて作成し、JIS K 6251に従って引張速度500mm/分で引張強度を測定した。
(3)反発弾性率;作成した圧縮玉を用いて、JIS K 6255のリュプケ式により温度23℃での反発弾性率を測定した。
(4)ガラス転移温度Tg;2mm厚シートより5×40mm幅の試験片を作成し、粘弾性スペクトロメーター((株)上島製作所製「VR−7110」)を用いてtanδを測定し、tanδのピークをTgとした。測定条件は引張モードにて正弦波測定、周波数は10Hzにて行った。
図2に示すように、水平におかれたOPC(自社製のOrganic Photo Conductor)を塗布したガラス23上に粒径10μmの重合トナー(キャノン、富士ゼロックの市販のプリンタより抜きだした市販のトナー)を付着させた。実施例および比較例で作製したクリーニングブレード20をOPC塗布ガラス23に対し20〜40度の角度で保持し、その角度を保ったままOPC塗布ガラス23を200mm/秒で移動させた。その際、びびり現象の有無、トナーの掻き取り具合を観察した。試験は温度23℃、湿度55%の条件で行った。クリーニング性能については温度10℃、湿度15%の低温低湿条件でも試験を行い評価した。
びびり現象については、びびり現象が全く観察されなかった場合を「○」、わずかにびびり現象が観察された場合を「△」、ひどくびびり現象が観察された場合を「×」と評価した。
クリーニング性能については、完璧に全てのトナーが掻き取れた場合を「◎」、トナーが掻き取れた場合を「○」、わずかでもトナー残が観察された場合を「△」、トナー残が目視で十分確認できる場合を「×」と評価した。
比較例2のクリーニングブレードでは、結合アクリロニトリル量が大きいためガラス転移温度が高くなり、特に低温クリーニング性能に問題がある。
実施例のクリーニングブレードでは、比較例で見られた問題点は生じず、びびり現象が観察されず、常温ではもちろん低温環境下でも優れたクリーニング性能を発揮できることがわかった。
12 感光体
13 中間転写ベルト
14 定着ローラ
15 トナー
19a、19b 転写ローラ
20 クリーニングブレード
21 支持部材
22 トナー回収容器
23 OPC塗布ガラス
Claims (5)
- 構成モノマーとしてアクリロニトリルを含み、かつ結合アクリロニトリル量が15〜50%である熱硬化性エラストマーからなるゴム成分を含む樹脂組成物から成形されていることを特徴とする画像形成装置用クリーニングブレード。
- 前記熱硬化性エラストマーの数平均分子量が5万以上である請求項1に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
- 前記ゴム成分となる熱硬化性エラストマーが、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、該NBRに他のエラストマーを混合した混合NBR、あるいは残存二重結合が10%以下の水素添加したアクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)から選択される請求項1または請求項2に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
- 前記樹脂組成物は前記ゴム成分と共に充填剤と架橋剤とを含み、
前記充填剤の含有量が前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜80質量部、
前記架橋剤の含有量が前記ゴム成分100質量部に対し0.1〜30質量部である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置用クリーニングブレード。 - 硬度がJIS−A 60〜90、引張強度が6.0MPa以上、反発弾性力が15〜70%である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
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