JP2007101496A - プローブカード - Google Patents

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Abstract

【課題】 プローブカードそのものの熱変形量を少なくし、撓みなどの機械的変形を抑制しプローブテストの精度を向上し得るプローブカードを提供する。
【解決手段】 プローブカードを構成するカード基板の絶縁材料に、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られる引張弾性率が5〜30GPaのポリイミド樹脂を使用したプローブカードであり、さらにはポリイミド樹脂の面方向での線膨張係数が0〜10ppm/℃であるプローブカードである。
【選択図】なし

Description

本発明は、本発明は、ウエハ表面に形成した半導体回路などの検査に際し、半導体回路と試験装置の電気的接触に用いられる接触素子が配されたコンタクタ、あるいはプローブカードと呼ばれる部材に関する。
ICパッケージなどの半導体装置の製造工程は、ウエハに集積回路を形成するまでの工程(前工程)と、形成したそれぞれの半導体チップを切断分割するダイシングからリードを取り付け電子部品化するパッケージングまでの工程(後工程)とに大別できる。半導体装置としての検査は、それぞれの工程の最終段階で実施されるが、不良品を可能な限り工程の少ない時点で発見し、以降の工程に流さないことで費用の低減を計るため、前工程での検査(以下、プローブテストという。)に比重が置かれるようになってきた。この前工程での検査では、ウエハに多数の半導体回路が形成された状態で行わなければならず、量産の効率化に伴って、ウエハサイズの大口径化や半導体チップすなわちダイサイズの縮小化が行われ、同時に検査する回路数が増加し、半導体回路と検査のアルゴリズムを有する計算機とのインターフェイスを担うプローブカードの役割が大きくなってきている。
従来、プローブテストにおいては、半導体チップに要求される環境温度の上限での動作を保証するため、ウエハを90℃〜150℃程度に加熱しながら行われる。この結果、プローブカードもウエハと共に加熱され、50μm〜500μm程度撓んでしまう。従来は、それでも、回路の密度も大きく、ウエハに形成された半導体チップの数も少ないときには、プローブカードに圧力を加えて撓みを矯正することで、接触不良を避けることはできたが、近年のように、回路の密度が高く、ウエハに形成される半導体チップの数も多くなると、プローブカードに圧力を加えて撓みを矯正すると、プローブの位置が検査する回路からはずれてしまうようなことも起こり、また、撓んだままであると、半導体回路の検査パッドとプローブカードのプローブとの接触不良を誘発し、検査の続行が困難になるという課題がある。プローブカードの絶縁材料としてポリイミド樹脂を使用することも提案されている(特許文献1参照)が、撓みなどの機械的変形の発生特に高温での撓みなどの機械的変形を充分に抑制することができない場合が多かった。
これらの現象を改善するために、例えば、プローブカードを構成するカード基板板厚を厚くする、カード基板に金属コア層を追加し低熱膨張性・高放熱性を付与する、等の対策が講じられてきたが、厚さを増しすぎると基板の厚さ方向の熱伸縮によりスルーホールなどの層間接続部の信頼性が低下するという問題が顕在化した。また、カード基板自体の配線密度が高くなってきており、金属コア層を設けると、接続のためのスルーホールやバイアホールを設けることが困難になるという課題がある。さらには、プローブについても、長さの短縮化、材質の高熱伝導化、低熱膨張化等が図られ、また、プローブを固定するブロックについても、材質の高熱伝導化、低熱膨張化等が図られたが、これらの対策によっても、撓みを抑制できなかった。また、上記の課題解決のためにプローブカードの両面を過熱することが提案されている(特許文献2参照)。
特開平 10−185952号公報 特開2000−138268号公報
本発明は、プローブカードの絶縁性材料に特定物性のポリイミドを使用することで、プローブカードそのものの熱変形量を少なくし、プローブカード表裏両面加熱などの複雑な手法を加えることなく、上記課題を解決し得るプローブテストの精度を向上し得るプローブカードを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
1.半導体回路が形成されたウエハなどの被試験体と試験装置の基板とを電気的に接続するための、少なくともプローブ基板とカード基板とで構成されるプローブカードであって、プローブカードを構成するカード基板の絶縁材料に、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られる引張弾性率が5〜30GPaのポリイミド樹脂を用いたことを特徴とするプローブカード
2.ポリイミド樹脂の面方向での線膨張係数が0〜10ppm/℃である1.記載のプローブカード。
本発明の、プローブカードを構成するカード基板の絶縁材料に、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られる引張弾性率が5〜30GPaのポリイミド樹脂を用いたプローブカード、またポリイミド樹脂の面方向での線膨張係数が0〜10ppm/℃である前記のプローブカードは、プローブカードのカード基板を構成する絶縁材料がベンゾオキサゾール骨格を有するポリイミド樹脂(フィルム)であり、かかる化学構造を有するポリイミドフィルムは線膨張係数が小さく、ほぼシリコンなどと同等の値となる。またフィルムの均質性に優れ、表裏の物性差、フィルムの中央部、端部における物性差が小さく、結果として得られる多層プリント基板であるカード基板は、熱変形量が小さく、カード基板の変形に伴うプローブピン先の位置精度高いためにバーンインテストを安定に行うことができるようになる、そのためプローブカードの表裏両面を加熱するなど複雑な手法を講じることなく、プローブカードそのものの熱変形量が少なく、プローブテストの精度を向上させることができ半導体検査などに極めて有意義である。
本発明におけるプローブカードとは、多層構造を有する配線板の表面にウエハの電極部とコンタクトするプローブが設けられた物である。プローブカードは、主に配線を担うカード基板とプローブを保持するためのプローブ基板を組み合わせて構成される。また配線密度が比較的低い場合、プローブ数が比較的少ない場合にはカード基板に直接プローブを設ける場合もある。
本発明におけるプローブカードを用いた検査装置のプローブカード周辺の構成を図1に模式的に示す。検査される半導体ウエハは被検査面を表にして、ウエハ保持台に主に真空チャック、ないしは仮止め用の粘着テープなどで固定される。
一方、ウエハ被検査面の電極とコンタクトを取るためのプローブはプローブ基板を介してカード基板に保持されている。
本発明において配線基板(カード基板)面に設けられるプローブ基板は特に限定されず、公知のプローブ基板を用いればよい。すなわちコンタクト部分には金属ないし高導電体からなるニードル、ブレード、ポゴピン、触針や導電体によるパッド、バンプなどを用い、接触圧は素材本来の弾性を利用、ないし板バネ、ないしコイルバネ、ねじりバネなどを用いることができる。
例示ではピンブロック、プローブ基板を介してカード基板に取り付けているが、かかる取り付け手段は特に限定されず、プローブのタイプに応じて適宜、適切な手段を用いれば良い。
本発明の特徴はかかるプローブカードを構成するカード基板の絶縁性材料に、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類からなる引張弾性率が5〜30GPaのポリイミド樹脂を用いたことにある。
本発明のベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とが重縮合(以下、重合ともいう)して得られるポリイミド樹脂は、例えばフィルムであれば、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類とを溶媒中で重縮合して得られるポリアミド酸の溶液を、支持体上に流延して乾燥し、ポリアミド酸の自己支持性であるフィルム(グリーンフィルム又は前駆体フィルム)とし、これを高温処理してイミド化してポリイミドフィルムとする方法などで得られるものである。
本発明のポリイミド樹脂に用いられるベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられる。
Figure 2007101496
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これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを70モル%以上使用することが好ましい。
本発明は、前記事項に限定されず下記の芳香族ジアミンを使用してもよいが、好ましくは全芳香族ジアミンの30モル%未満であれば下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種又は二種以上、併用してのポリイミドフィルムである。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明で用いられる芳香族テトラカルボン酸類は例えば芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
Figure 2007101496
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これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種又は二種以上、併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物。
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸(無水物)類とを重縮合(重合)してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。 これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/又は混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の質量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが3.0dl/g以上が好ましく、4.0dl/g以上がさらに好ましく、なおさらに5.0dl/g以上が好ましい。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、例えばポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥するなどによりグリーンフィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラム又はベルト状回転体などが挙げられる。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラム又はベルト状回転体などが挙げられる。また、適度な剛性と高い平滑性を有する高分子フィルムを利用する方法も好ましい態様である。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
高温処理によるイミド化方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができるが、ポリイミドフィルム表裏面の表面面配向度の差が小さいポリイミドフィルムを得るためには、熱閉環法が好ましい。
熱閉環法の加熱最高温度は、100〜500℃が例示され、好ましくは200〜480℃である。加熱最高温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、フィルムが脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
化学閉環法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
熱閉環反応であっても、化学閉環法であっても、支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体フィルム(グリーンフィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
ポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、後述するプリント配線基板用ベース基板に用いることを考慮すると、通常1〜150μm、好ましくは3〜50μmである。 またスティフナーとして使用する場合には15〜150μm、さらには25〜150μm、なおさらには60〜150μmの厚さが好ましい。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
本発明のポリイミド樹脂において例えばフィルム状物の場合は、通常は無延伸フィルムであるが、1軸又は2軸に延伸しても構わない。ここで、無延伸フィルムとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
延伸倍率はフィルム幅方向に1.005倍〜1.50倍程度が好ましく1.005〜1.30倍程度がさらに好ましい。また延伸倍率はフィルム長手方向には1.000倍〜1.60倍、好ましくは1.005倍〜1.2倍程度である
本発明のポリイミド樹脂からのフィルムの厚さは特に限定されないが、プローブカードの絶縁材として用いる場合は、その厚さが10〜250μmであると好適である。
本発明におけるポリイミド樹脂は引張弾性率が5〜30GPaであることが必須であり、さらに引っ張り弾性率が7〜18GPaであることが好ましい。弾性率がこの範囲に満たない場合はカード基板の剛性が不足し、プローブカード全体が撓むことによりプローブ位置に誤差が出る場合がある。また弾性率がこの範囲を超えると、積層加工の際に柔軟性が不足し、積層プレス時に局所的な応力過多が生じ、配線の断線などのトラブルが生じる可能性が高くなる。ポリイミド樹脂の弾性率は、ポリイミド樹脂の構成成分であるジアミン類にベンゾオキサゾール構造を有するジアミン類を70mol%以上用いることにより所帯の範囲に収めることができる。
本発明における面方向での線膨張係数(CTE)の測定は下記による。
<ポリイミドフィルムの線膨張係数測定>
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、90℃〜100℃、100℃〜110℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃から350℃までの全測定値の平均値をCTE(平均値)として算出し、MD方向、TD方向の線膨張係数の平均値を面方向での線膨張係数とした。MD方向、TD方向の意味は、流れ方向(MD方向;長尺フィルムの長さ方向)および幅方向(TD方向;長尺フィルムの幅方向)を示すものである。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 10mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
引張破断強度、引張弾性率、引張破断伸度の測定は下記による。
<ポリイミドフィルムの引張破断強度、引張弾性率、引張破断伸度の測定>
測定対象のポリイミドフィルムを、MD方向およびTD方向にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定した。
以下、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は、前記したもの以外は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(又は、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。(ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドの場合は、N,N−ジメチルアセトアミドを使用してポリマーを溶解し、測定した。)
2.ポリイミドフィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの融点、ガラス転移温度
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件で示差走査熱量測定(DSC)を行い、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K 7121に準拠して求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温終了温度 ; 600℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
4.ポリイミドフィルムの熱分解温度
測定対象のポリイミドフィルムを充分に乾燥したものを試料として、下記条件で熱天秤測定(TGA)を行い、試料の質量が5%減る温度を熱分解温度とみなした。
装置名 ; MACサイエンス社製TG−DTA2000S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 10mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
〔参考例1〕
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部を加えて完全に溶解させた後,コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(登録商標)DMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え,25℃の反応温度で24時間攪拌すると,褐色で粘調なポリアミド酸溶液Aが得られた。このもののηsp/Cは4.0dl/gであった。
〔参考例2〕
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、200質量部のジアミノジフェニルエーテルを入れた。次いで、4170質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(登録商標)DMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、と217質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Bが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は3.7dl/gであった。
〔参考例3〕
(無機粒子の予備分散)
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、108質量部のフェニレンジアミンを入れた。次いで、4010質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(登録商標)DMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)と292.5質量部のジフェニルテトラカルボン酸二無水物を加えて、25℃にて12時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Cが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は4.5dl/gであった。
〔製造例1〕
参考例1で得たポリアミド酸溶液Aを、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑材面上に、コンマコーターを用いてコーティングし(ギャップは、150μm、塗工幅1240mm)、90℃にて60分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、厚さ21μm、幅1200mmのグリーンフィルムを得た。
得られたグリーンフィルムをフィルム搬送の横方向に傾斜角3〜13度となるように炭素鋼製のピン(高さ10mm)が植え込まれたピンシートと、太さ0.5mmのコーネックス(登録商標)製の毛材を有する日本ユニット株式会社製のユニットブラシを巻き加工して得られたブラシロールをフィルム押し込み具として有するピンテンターを用い、グリーンフィルムをピンに射し込んで把持しテンターにて熱処理を行った。
テンターの熱処理設定は以下の通りである。第1段が200℃で5分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として450℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。またテンター内の最大風速は0.5m/秒であった。
テンターの第1段目の中間地点までは両端のピンの幅を2%縮め初期幅の98%とした。第1段目の後半ではピン幅をやや広げ初期幅の99%とし、昇温区間にて102%まで広げ、第2段目の中間点までさらにピン幅を広げて103%とし、以後は一定幅にて処理した。その後、5分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈するポリイミドフィルムAを得た。得られたフィルムの物性値を表1に示す。
〔製造例2〕
参考例2で得られたポリアミド酸溶液Bを用い、以下同様に操作してポリイミドフィルムBを得た
〔製造例3〕
参考例3で得られたポリアミド酸溶液Cを用い、以下同様に操作してポリイミドフィルムCを得た
<実施例1>
製造例1により得られたポリイミドフィルムを絶縁材料として用いてカード基板を作製し、図1に模式図を示す直径400mmのプローブカードを試作した。
カード基板は、製造例1にて得られたポリイミドフィルムを用いた多層基板である。すなわち、ポリイミドフィルムを活性ガス中にてプラズマ表面処理し、BTレジン系接着剤と18ミクロン電解銅箔をプレス積層した両面銅張り積層基板を元に、一般的な貫通スルーホールによる層間接続を用いて12層の多層基板を得てカード基板とした。
得られたプローブカードをバーンインテスタに用い、直径200mmのシリコンウエハをチャックに取り付けて、検査を行う状態として、検査雰囲気の温度を25℃、75℃、100℃、125℃、150℃と変えて、ウエハ中央部に対向するプローブピン先とウエハ端部(中央から95mm離れた位置)に対向するプローブピン先の変位量との差を3次元測定器で測定した。結果を表2に示す。
なお、BTレジン系接着剤は、三菱ガス化学株式会社製の多層基板用低誘電率材料GHPL−950K Type SKを用いた。
<実施例2)
製造例1で得られたポリイミドフィルムとエポキシ系接着剤を用い、実施例1と同様に 18ミクロン電解銅箔をプレス積層した両面銅張り積層基板を元に、一般的な貫通スルーホールによる層間接続を用いて12層の多層基板を得てカード基板とした。
以下、実施例と同様にバーンインテスタを用いて、プローブピン先の変位量差を測定した、結果を表2に示す。
なお、エポキシ系接着剤としては、日立化成工業株式会社製の高弾性・低熱膨張多層材料MCL−E−679Fを用いた。
<比較例1>
製造例2で得られたポリイミドフィルムを用い、実施例1と同様にしてカード基板を作製し、同様にプローブピンを設置してプローブカードを得た。
以下、実施例1と同様にバーンインテスタを用いて、プローブピン先の変位量差を測定した、結果を表2に示す。
<比較例2>
製造例3で得られたポリイミドフィルムを用い、実施例1と同様にしてカード基板を作製し、同様にプローブピンを設置してプローブカードを得た。
以下、実施例1と同様にバーンインテスタを用いて、プローブピン先の変位量差を測定した、結果を表2に示す。
Figure 2007101496
表1中、L側はフィルム作製時のフィルム巻出し側から見てフィルム左側、フィルム中央より500mmの位置を示し、R側はフィルム作製時のフィルム巻出し側から見てフィルム右側、フィルム中央より500mmの位置を示す。
Figure 2007101496
以上に述べてきたように、本発明におけるポリイミド樹脂を用いて作製した多層基板をカード基板として用いたプローブカードは、カード基板の熱変形が小さくプローブカードピン先の変位が小さいため、より微細な電極パッドを有する大口径のシリコンウエハにおいても、均一なコンタクトが得られ、バーンインテストの安定化に極めて有効なるものである。
プローブカードの構成と半導体などの被検査体との関係を示す模式図。
符号の説明
1.カード基板
2.プローブ基板
3.プローブピン
4.ピンブロック
5.被検査ウエハ
6.ウエハ保持台

Claims (2)

  1. 半導体回路が形成されたウエハなどの被試験体と試験装置の基板とを電気的に接続するための、少なくともプローブ基板とカード基板とで構成されるプローブカードであって、プローブカードを構成するカード基板の絶縁材料に、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られる引張弾性率が5〜30GPaのポリイミド樹脂を用いたことを特徴とするプローブカード。
  2. ポリイミド樹脂の面方向での線膨張係数が0〜10ppm/℃である請求項1記載のプローブカード。
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