JP2007098636A - 被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板および成形品 - Google Patents

被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板および成形品 Download PDF

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【課題】合成樹脂系塗膜に発泡ビーズやインナーワックスを含有させることにより、被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板を提供すること。
【解決手段】金属板の少なくとも一方の面に、発泡ビーズ、及びインナーワックスを含有する合成樹脂系塗膜をプレコートしたプレコート金属板である。発泡ビーズとしては、発泡温度70℃〜250℃のものを用いており、合成樹脂系塗膜の厚みが0.5〜100μmである。発泡ビーズは、熱膨張性のマイクロスフェアーであることが好ましい。合成樹脂系塗膜は、樹脂ビーズを含有することが好ましい。インナーワックスの含有量は、合成樹脂系塗膜中の合成樹脂固形分100重量部に対し、0.05〜20重量部であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板に関する。
従来より、アルミニウム合金板、鋼板等の金属板の表面を合成樹脂系塗膜にてコーティングしてなるプレコート金属板は、耐食性に優れ、軽量であり、かつ成形後に塗装を施す必要がないという優れた特性を有している。
そのため、プレコート金属板は、家電製品や、OA機器ならびに、カーオーディオの筐体や、機構部品等の材料として広く使われている。特に金属板がアルミニウム合金板である場合には、軽量化を図ることができ、非常に有効である。
最近では、家電製品やOA機器は、軽量化、小型化、省電力化がますます進み、内部に組み込まれる光ディスクドライブ等も軽量化、小型化、省電力化が要求されている。従来、ディスクを挿入するトレーを持たないスロットインタイプの光ディスクドライブは、光ディスクの取り込みや排出時に、筐体に接触することがないよう、十分なクリアランスの確保が可能であった。しかしながら、最近の省スペース化に伴い、筐体への接触なしに光ディスクの取り込みや排出をすることが難しくなってきた。
また、オーディオ機器に用いられるチェンジャー機能を有するスロットインタイプの光ディスクドライブにおいても、各ディスクを保持する機器部品が、ディスクの挿入、排出時、ならびに振動などにより、ディスクと接触しながら摺動する。したがって、摺動性に優れ、かつ光ディスクを傷付けることが少ない処理が必要とされる。しかし、これまでは、生産効率が悪く、大幅なコストアップを招きながらも、必要部位に傷を付けにくい塗料をポストコートする方法等がとられていた。
傷付け防止効果が期待できるものとして、例えば、熱膨張マイクロカプセルを含有することにより、表面を凹凸仕上げする金属板塗料が提案されている(特許文献1)。この場合には、マイクロカプセルによる緩衝効果により、傷付け防止効果が期待できる。しかしながら、上記従来の金属板塗料は、車両や建築内装などに質感を与えることを目的として開発された塗料であり、摺動性については考慮されない。そのため、上述したディスクドライブへの適用を考えると、ディスクがひっかかり、その適用が困難となる。
また、プレコートは一般にロールコート法により行われるため、塗装焼付時間が短く、塗装後の加工に耐えられるような成形性や耐傷つき性が要求される。このため、プレコートに適用可能な樹脂が、ポストコートに適用可能な樹脂よりも少ない。さらに、光ディスクに使用されるポリカーボネート樹脂は、非常に傷付きやすいことから、摺動時に光ディスクを傷つけないようなプレコート塗膜の開発は困難であり、これらを十分に満足するプレコート塗膜は、少なくとも現在では存在していない。
スロットインタイプのドライブは、今後大きな伸びが期待される分野であり、また、エンドユーザーの品質要求が高まっている。そのため、その部品として、摺動性に優れ、傷付け防止性の高いプレコート金属板の実現が望まれている。また、摺動性に優れ、傷付け防止性の高いプレコート金属板の開発が実現すれば、上述したスロットインタイプのドライブに限らず、種々の機器の部品に広く利用され、機器のさらなる小型化等に大いに役立つと考えられる。
特開2001−234120号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、被接触物に対する傷付け防止性及び摺動性に優れたプレコート金属板を提供しようとするものである。
第1の発明は、金属板の少なくとも一方の面に、発泡ビーズ、及びインナーワックスを含有する合成樹脂系塗膜をプレコートしたプレコート金属板であって、
上記発泡ビーズとしては、発泡温度70℃〜250℃のものを用いており、上記合成樹脂系塗膜の厚みが0.5〜100μmであることを特徴とする被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板にある(請求項1)。
本発明は、上記のごとく、金属板の少なくとも一方の面に、発泡ビーズ、及びインナーワックスを含有する合成樹脂系塗膜をプレコートしたプレコート金属板である。そのため上記プレコート金属板は、傷付け防止性ならびに摺動性に優れ、例えば光ディスクドライブの筐体等の機器部品に好適な、被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたものとなる。
すなわち、プレコートされた上記合成樹脂系塗膜は、上記発泡ビーズを含有している。この発泡ビーズは後述するごとく中空状となっており、弾性的に変形しやすく、緩衝材としての役割を発揮する。そのため、このプレコート金属板の合成樹脂系塗膜に非接触物が接触した際に、その表面に対して緩衝効果を伴って接触するので、被接触物が傷つくことを防止することができる。
また、上記のプレコートされた合成樹脂系塗膜には、インナーワックスも含有させてある。そのため、上記プレコート金属板に対してプレス加工等の成形を加えるときの潤滑性が向上し、成形性が向上すると共に、上記非接触物が摺動する際の潤滑効果も発揮する。そして、このインナーワックスによる摺動する際の潤滑効果が、被接触物との摺動性を大幅に向上させる。
また、上記発泡ビーズとしては、発泡温度70℃〜250℃のものを用いる。
上記プレコート金属板における発泡ビーズは既に発泡済みで中空状の形態となっているが、その製造方法としては、塗装前には発泡していない原料粒子を用いてコーティングし、その焼き付け時の加熱によって上記原料粒子を発泡させて膨張させて上記発泡ビーズとすることが最も好ましい。ここで、上記発泡ビーズの発泡温度が70℃未満の場合には、焼付け時の塗料硬化前に部分発泡してしまい、合成樹脂系塗膜から発泡ビーズが脱落する数が増加するおそれがある。また、上記発泡ビーズの発泡温度が250℃を超える場合には、塗料の焼付け温度よりも高温になるため、塗料焼付け時に発泡不良となるおそれがある。
したがって、上記発泡ビーズを上記特定の発泡温度のものに限定することによって、健全な発泡ビーズを適正量具備した上記合成樹脂系塗膜を容易に得ることができるのである。
また、上記合成樹脂系塗膜の厚みは、0.5〜100μmとする。
上記合成樹脂系塗膜の厚みが0.5μm未満の場合には、合成樹脂系塗膜の樹脂ビーズの脱落が増加し、傷付け防止性と耐傷つき性が低下するおそれがある。一方、100μmを超える場合には、省スペース化の要求に応え難いという問題がある。ここで、上記合成樹脂系塗膜の厚みは、上記発泡ビーズや後述の樹脂ビーズ等を含有していない部分の厚みをいう。例えば、後述する図1においては、上記合成樹脂系塗膜の厚みは、厚みxの部分である。
第2の発明は、上記第1の発明の上記プレコート金属板を用いて成形してなると共に、被接触物と接触して摺動する用途に用いられることを特徴とする被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れた成形品にある(請求項7)。
本発明の成形品は、上記の優れたプレコート金属板を素材として用いて成形したものであるので、被接触物と接触して摺動する用途に用いられた場合に、非常に優れた傷付け防止性ならびに摺動性を発揮する。それ故、上記成形品は、スロットインタイプのドライブをはじめ、非接触物と摺動する部分を有する機器の部品として、非常に好適である。
本発明における上記発泡ビーズは、上述したごとく、発泡温度が70〜250℃のものであり、上記合成樹脂系塗膜の塗装前には、未発泡の状態で塗料に含まれており、塗料焼付け時に発泡が起こる。
上記発泡ビーズの発泡前の(原料粒子の)粒径はφ1〜100μmであることが好ましい。上記原料粒子の粒径がφ1μm未満の場合には、発泡後の緩衝効果が十分得られないおそれがあり、一方、φ100μmを超える場合には、発泡後の粒径が大きくなりすぎるおそれがある。
また、上記発泡ビーズの発泡後の粒径はφ3〜500μmであることが好ましい。この場合には、上記発泡ビーズによる上述した作用効果を比較的容易に得ることができる。上記発泡ビーズの粒径がφ3μm未満の場合には、緩衝効果が十分には得られないというおそれがあり、一方、φ500μmを超える場合には、弾性的に変形しやすいといえども厚みが大きすぎるいうおそれがある。
なお、上記発泡ビーズの粒径は、顕微鏡拡大写真により確認することができる。
さらに、上記発泡ビーズの含有量は、上記合成樹脂系塗膜中の合成樹脂固形分100重量部に対し、0.01〜10重量部であることが好ましい。上記発泡ビーズの含有量が、上記合成樹脂系塗膜中の合成樹脂固形分100重量部に対し0.01未満である場合には、発泡ビーズによる上記作用効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、10重量部を超える場合には、ビーズの脱落数が増加するおそれがある。
また、上記発泡ビーズは、熱膨張性のマイクロスフェアーを発泡させたものであることが好ましい(請求項2)。すなわち、上記発泡ビーズの原料粒子として上記マイクロスフェアーを用いることが好ましい。この場合には、上記の特定の温度範囲での発泡を確実に実現することができると共に、健全な発泡ビーズを容易に得ることができる。
上記マイクロスフェアーとは、ガスや低沸点炭化水素などの芯材を内包した熱可塑性樹脂の皮膜に覆われた微小球体である。上記ガスとしては、例えば、二酸化炭素及び窒素等が挙げられる。また、上記低沸点炭化水素としては、例えば、プロパンやヘキサン等の炭化水素が挙げられる。また、上記マイクロスフェアーを形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリロニトリル及び塩化ビニリデン等が挙げられる。そして、このマイクロスフェアーは、加熱によって芯材が熱膨張することにより微小球体が膨らみ、上記の発泡ビーズとなる。
また、上記合成樹脂系塗膜は、樹脂ビーズを含有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、摺動性や、耐傷つき性が向上するという効果を得ることができる。
さらに、上記樹脂ビーズの含有量は、合成樹脂系塗膜中の合成樹脂固形分100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましい。5重量部未満の場合には、摺動性が低下するおそれがあり、一方、200重量部を超える場合には、樹脂ビーズが合成樹脂系塗膜から脱落するおそれがある。
また、上記樹脂ビーズの直径は0.05〜200μmであることが好ましい。0.05μm未満の場合には、摺動性や耐傷つき性の向上への効果が十分でないおそれがあり、200μmを超える場合には、省スペースへの要求に応えることができないというおそれがある。
上記樹脂ビーズは、上記発泡ビーズとは異なり、塗装焼き付け時において膨張等することがなく、中実状のものである。上記樹脂ビーズとしては、例えば、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、ウレタンビーズ、フッ素樹脂ビーズ、及びシリコーンビーズ等を用いることができる。
また、上記インナーワックスの含有量は、上記合成樹脂系塗膜中の合成樹脂固形分100重量部に対し、0.05〜20重量部であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、摺動性が向上するという効果を得ることができる。
上記インナーワックスの含有量が上記合成樹脂系塗膜中の合成樹脂固形分100重量部に対し、0.05重量部未満の場合には、摺動性が低下するおそれがあり、また、20重量部をこえる場合には、コストアップにつながるため望ましくない。
上記インナーワックスとしては、例えば、カルナウバ、ラノリン、パラフィン、マイクロクリスタリン、及びポリエチレン等が挙げられる。また、これらは、上記インナーワックス含有量の範囲内において、必要に応じて組み合わせて使用することができる。
上記合成樹脂系塗膜は、数平均分子量が5000〜40000の合成樹脂を主成分とすることが好ましい(請求項5)。
上記合成樹脂系塗膜の主成分となる合成樹脂の数平均分子量が5000未満である場合には、上記合成樹脂系塗膜が硬くなり、成形性が悪くなるおそれがある。また、上記数平均分子量が40000を超える場合には、上記合成樹脂系塗膜が軟らかくなり、耐傷付き性が低下するおそれがある。
上記合成樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びアクリル系樹脂等が挙げられる。
また、上記金属板は、塗布型あるいは反応型のリン酸クロメート、またはクロムフリー化成皮膜層が形成されたアルミニウム合金板であることが好ましい(請求項6)。この場合には、上記金属板がアルミニウム合金よりなるため、その優れた加工性、強度特性、及び軽量である点等を活かして、広く利用することができる。そして、特に上記塗布型あるいは反応型のリン酸クロメート、またはクロムフリー化成皮膜層が形成されているので、上述した合成樹脂系塗膜との密着性を向上させることができ、加工性、耐久性を向上させることができる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってのみ限定されるものではない。
本例では、複数種類の試料(プレコート金属板)を作製し、本発明の実施例(試料E1〜試料E16)及び比較例(試料C1〜試料C4)として、その特性を評価した。
各試料を製作するに当たっては、まず、金属板として、厚さ0.5mmの5052−H34のアルミニウム合金板を使用した。
また、上記金属板には、塗装前の下地処理を施した。具体的には、アルカリ系脱脂材で上記金属板を脱脂後、リン酸クロメート浴中でリン酸クロメート処理を実施した。クロメート皮膜量は皮膜中のCr含有量として20±5mg/m2である。
塗装処理は、下地処理後の上記金属板の一方の面に対して、市販のポリエステル樹脂系塗料を、バーコーターを用いて所定量塗布し、アルミニウム表面の温度が230℃になるよう240℃のオーブンの中で60秒焼付け、硬化することにより合成樹脂系塗膜を形成した。なお、形成された塗膜は、表1および表2に示す。
Figure 2007098636
Figure 2007098636
また、作製した試料(プレコート金属板)の代表的な構成を図1に示す。同図に示すごとく、各試料は、5052−H34のアルミニウム合金板よりなる金属板10と、該金属板10の一方の面に形成した合成樹脂系塗膜2とよりなる。該合成樹脂系塗膜2は、発泡ビーズ21、インナーワックス22、樹脂ビーズ23、及び合成樹脂24を含有する合成樹脂系塗料を塗布して硬化させることにより形成してある。本例では、上記インナーワックス22は、同図に示すごとく、硬化時に表層に集まって層状となっている。なお、同図は、インナーワックス22が塗膜の全面を覆う状態を示したが、実際には、島状に所々にインナーワックス22が存在する場合が多い。また、インナーワックスの種類によっては、塗膜中の表層近傍に塊状で存在する場合もある。また、上記合成樹脂系塗膜2は、金属板10の表面に形成されたクロムフリー化成皮膜層3を介して形成してある。また、同図は試料E12〜試料E16を示すものであり、試料E1〜E11においては、上記合成樹脂系塗膜2は上記樹脂ビーズ23を含有していない。
本例では、各試料について傷付け防止性試験、摺動性試験、塗膜の耐傷つき性試験を実施した。
<傷付け防止性試験>
塗装面を上側に設置したプレコート金属板の上に、接触面積が1005m2となるように切断した自重2gのポリカーボネート製CD−R板に400gの重りをのせ、水平に50mm摺動させた後に、目視で摺動面の傷を確認し、傷付け防止性を評価し、○を合格とした。
(評価基準)
○:摺動面に傷が確認できないもの
×:傷が確認されるもの
<摺動性試験>
バウデンレーベン試験にて、荷重100g、直径φ4.8mmの剛球を10回摺動させたときの摩擦力から動摩擦係数を求め、摺動性を評価し、評価が×のものを不合格とした。
(評価基準)
◎:0.15未満の場合
○:0.15以上、0.20未満の場合
△:0.20以上、0.25未満の場合
×:0.25を越える場合
<耐傷つき性試験>
バウデンレーベン試験にて、荷重500g、直径φ4.8mmの剛球を100回摺動させた時の摺動痕3箇所において傷の幅を測定し、耐傷つき性を評価し、×のものを不合格とした。
(評価基準)
◎:傷の幅が3箇所とも0.15mm未満の場合
○:傷の幅が3箇所とも0.15mm以上、0.25mm未満の場合
△:傷の幅が3箇所とも0.25mm以上、0.35mm未満の場合
×:幅が0.35mm以上の傷が1箇所でもある場合
これらの評価結果は表3に示す通りである。総合評価としては、傷付け防止性、摺動性、塗膜の耐傷つき性という全ての評価項目において、×がない試料を合格とし、一つでも×がある試料を不合格とした。
本例の実施例E1〜E16は、傷付け防止性、摺動性、塗膜の耐傷つき性という全ての評価項目において、いずれも良好な結果を示し、総合評価が合格であった。
表3より知られるごとく、試料E1、試料E7及び試料E8はインナーワックスの含有量が本発明の好ましい範囲内にあり、インナーワックスの添加量が本発明の好ましい範囲の下限を下回っている試料E6と比較すると、摺動性がさらに優れていることが分かる。
また、試料E1、試料E9、試料E10は上記合成樹脂系塗膜の主成分となる合成樹脂の数平均分子量が本発明の好ましい範囲内にあり、合成樹脂の数平均分子量が本発明の好ましい範囲の上限を上回っている試料E11と比較すると、耐傷つき性がさらに優れていることが分かる。
また、表4より知られるごとく、比較例C1は、インナーワックスが添加されていないため、摺動性と耐傷つき性が不合格であった。
また、比較例C2は、発泡ビーズが添加されていないため、傷つけ防止性が不合格であった。
比較例C3は、塗膜が本発明の範囲の下限よりも薄いため、傷付け防止性ならびに耐傷つき性が不合格であった。
比較例C4は、発泡ビーズの発泡温度が本発明の範囲の下限を下回るため、傷付け防止性が不合格であった。
Figure 2007098636
Figure 2007098636
本発明の被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板を示す説明図。
符号の説明
1 プレコート金属板
10 金属板
2 合成樹脂系塗膜
21 発泡ビーズ
22 インナーワックス
23 樹脂ビーズ
24 合成樹脂
3 化成皮膜層

Claims (7)

  1. 金属板の少なくとも一方の面に、発泡ビーズ、及びインナーワックスを含有する合成樹脂系塗膜をプレコートしたプレコート金属板であって、
    上記発泡ビーズとしては、発泡温度70℃〜250℃のものを用いており、上記合成樹脂系塗膜の厚みが0.5〜100μmであることを特徴とする被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板。
  2. 請求項1において、上記発泡ビーズは、熱膨張性のマイクロスフェアーを発泡させたものであることを特徴とする被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板。
  3. 請求項1または2において、上記合成樹脂系塗膜は、樹脂ビーズを含有することを特徴とする被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記インナーワックスの含有量は、上記合成樹脂系塗膜中の合成樹脂固形分100重量部に対し、0.05〜20重量部であることを特徴とする被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項おいて、上記合成樹脂系塗膜は、数平均分子量が5000〜40000の合成樹脂を主成分とすることを特徴とする被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記金属板は、塗布型あるいは反応型のリン酸クロメート、またはクロムフリー化成皮膜層が形成されたアルミニウム合金板であることを特徴とする被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れたプレコート金属板。
  7. 請求項1〜6に記載の上記プレコート金属板を用いて成形してなると共に、被接触物と接触して摺動する用途に用いられることを特徴とする被接触物に対する傷付け防止性ならびに摺動性に優れた成形品。
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