JPH1157611A - プレス加工性に優れた被覆鋼板および潤滑樹脂組成物 - Google Patents

プレス加工性に優れた被覆鋼板および潤滑樹脂組成物

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JPH1157611A
JPH1157611A JP9216747A JP21674797A JPH1157611A JP H1157611 A JPH1157611 A JP H1157611A JP 9216747 A JP9216747 A JP 9216747A JP 21674797 A JP21674797 A JP 21674797A JP H1157611 A JPH1157611 A JP H1157611A
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JP
Japan
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steel sheet
friction coefficient
press
dynamic friction
coating film
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JP9216747A
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English (en)
Inventor
Tadashige Nakamoto
忠繁 中元
Hiroaki Nakano
博昭 中野
Takeshi Watase
岳史 渡瀬
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速連続プレス加工を行っても塗膜が疵つい
たり剥離することのないプレス加工性に優れた被覆鋼板
を提供する。 【解決手段】 両表面に被覆層が施された鋼板におい
て、該被覆層最表面の−10〜200℃の温度領域にお
ける最大動摩擦係数が0.20以下である被覆鋼板であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス油などの潤
滑剤を使用しない所謂無潤滑状態でも優れたプレス成形
性を発揮することのできる被覆鋼板、およびプレス成形
性を向上することのできる潤滑樹脂組成物に関するもの
である。本発明の鋼板は、自動車用オイルフィルターを
始めとする自動車用部品、家庭用電気製品、屋内外の様
々な機材、更には建築物の屋根壁やシャッター等の素材
に幅広く適用することができる。
【0002】
【従来の技術】鋼板をプレス加工するに当たっては、加
工性の向上を目的として、一般に鋼板表面にプレス油が
塗布されている。ところが鋼板表面に塗膜が被覆された
塗装鋼板の場合には、塗装面に油が付着すると表面外観
が劣化する為、プレス油の使用はできるだけ避けること
が好ましい。一方、塗膜には潤滑性を有するワックス成
分が元々含有されていることから、上述した弊害を招く
プレス油を敢えて使用せずにプレス加工されることが多
い。
【0003】しかしながら、この様な塗装鋼板を高速連
続プレス加工すると、プレス時に型かじりが起こって塗
膜に疵がついたり、塗膜が剥離する等の弊害が見られ、
塗膜中のワックス成分による潤滑効果のみでは不充分で
あった。特に連続プレス加工では、プレス回数が多くな
ると金型の温度が上昇し、それに伴って金型に接する塗
装鋼板の温度も高くなる為、塗装鋼板の潤滑性が劣化
し、塗膜の剥離が顕著になる傾向があった。この様な不
具合を是正する為に塗膜面に保護フィルムを貼り付けて
プレス加工する方法も考えられるが、コスト高になって
しまう。
【0004】そこで、保護フィルムを使用する代わり
に、鋼板若しくは塗装鋼板の表面に、潤滑性を有する樹
脂を塗布した種々の潤滑鋼板が提案されている。例えば
特開昭63−162886号公報には、カルボキシル化
ポリオレフィン系樹脂にエポキシ樹脂を配合してなるコ
ーティング剤を鋼板表面に塗布した後、低温で架橋造膜
化する方法が提案されている。しかしながら、この様に
低温で架橋造膜するコーティング剤は安定性に乏しく、
特に高速連続プレス加工の様に高温下での操業を余儀な
くされる場合には、塗膜が疵ついたりする等の弊害が生
じてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、その目的は、高速連続プ
レス加工を行っても塗膜が疵ついたり剥離することのな
いプレス加工性に優れた被覆鋼板、更にはプレス加工後
に皺等の発生も見られず表面外観にも優れた被覆鋼板を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成すること
ができた本発明の被覆鋼板は、両表面に被覆層が施され
た鋼板において、該被覆層最表面の−10〜200℃の
温度領域における最大動摩擦係数が0.20以下である
ところに要旨を有するものである。この様な被覆鋼板
は、高速連続プレス加工を長時間行ったとしても、塗膜
が疵ついたり剥離することがなく、プレス加工性に極め
て優れているものである。
【0007】また、両表面に被覆層が施された鋼板にお
いて、該被覆層最表面の−10〜200℃の温度領域に
おける最大動摩擦係数と、該温度領域における最小動摩
擦係数の差が0.05以下である被覆鋼板も本発明の範
囲内に包含される。この様な被覆鋼板は、プレス加工終
了時に皺等の発生も見られず、均一に安定した表面外観
が得られるので非常に有用である。該被覆鋼板におい
て、前記の要件を満足するもの、即ち、被覆層最表面の
−10〜200℃の温度領域における最大動摩擦係数が
0.20以下であるものは、高速連続プレス加工しても
塗膜が疵ついたり剥離することがないという効果も併せ
て得られるので極めて有用である。
【0008】これらの本発明鋼板における被覆層として
は、潤滑性を有する樹脂皮膜(以下、潤滑樹脂皮膜と呼
ぶ場合がある)、若しくは塗膜が挙げられる。従って、
鋼板の両面または片面に該潤滑樹脂皮膜のみが被覆され
た鋼板、鋼板の両面または片面に塗膜のみが被覆された
鋼板、鋼板の両面または片面に塗膜が被覆された鋼板の
少なくとも片面に潤滑樹脂皮膜が被覆された鋼板のいず
れの態様も本発明の範囲内に包含される。
【0009】更に上記課題を達成することができた本発
明のプレス加工性を高める潤滑樹脂組成物は、軟化温度
の差が20℃以上である異なったワックスを少なくとも
2種含有するところに要旨を有するものである。この様
なワックスを潤滑樹脂皮膜中に含有する被覆鋼板を使用
すれば、高速連続プレス加工しても塗膜が疵ついたり剥
離することがなく、更には、プレス加工終了時に皺等の
発生も見られず表面外観に優れた鋼板を提供し得るので
極めて有用である。ここで、該潤滑樹脂皮膜中に占める
ワックスの含有量を合計で0.2〜30重量%に調整し
たものは、より優れたプレス加工性を得るうえで非常に
有用である。また、該潤滑樹脂皮膜中に1.0〜20重
量%の架橋剤を更に添加したり、該潤滑樹脂皮膜の付着
量を0.2〜5g/m2 に調整することにより、プレス
加工性を著しく向上することができる。
【0010】尚、本発明における「鋼板」には、冷延鋼
板やめっき鋼板(例えば亜鉛系めっき鋼板、アルミニウ
ム系めっき鋼板など)、化成処理鋼板(例えばクロメー
ト処理鋼板、リン酸塩処理鋼板など)などの他、めっき
鋼板に化成処理を施した化成処理めっき鋼板(例えばク
ロメート処理めっき鋼板、リン酸塩処理めっき鋼板な
ど)なども本発明の範囲内に包含される。上記鋼板の原
板鋼種は特に限定されず、Alキルド鋼、IF鋼等を使
用することができる。
【0011】また、本発明における「潤滑樹脂皮膜」と
は前述した通り、潤滑性を有する樹脂皮膜のことであ
り、通常の塗膜とは異なり所謂「クリアー塗膜」とも呼
ばれる非常に薄い皮膜(約1μm程度)を意味し、基本
的にはベース樹脂にワックスを含有し、必要に応じて架
橋剤等が配合されたものである。
【0012】この様に上記「潤滑樹脂皮膜」が極薄皮膜
であるのに対し、本発明における「塗膜」は約20μm
程度の厚い皮膜であり、その構成成分もベース樹脂やワ
ックスの他、架橋剤、顔料、溶剤、可塑剤、安定剤、滑
剤、触媒等の添加剤が多数配合されたものである。
【0013】更に本発明は、両表面に被覆層が施された
鋼板を対象とするものであり、最表面に形成される皮膜
は、上記潤滑樹脂皮膜であっても良いし、或いは塗膜で
あっても良い。図1に、本発明を適用することのできる
各種被覆鋼板の概略図を示す。図1中(a)は鋼板表面
に塗膜のみが形成された塗装鋼板、(b)〜(e)は鋼
板の少なくとも片面に塗膜が施された塗装鋼板の表面
(片面または両面)に潤滑樹脂皮膜が形成された潤滑樹
脂塗装鋼板、(f)は鋼板表面に潤滑樹脂皮膜が形成さ
れた潤滑樹脂鋼板であり、これらのいずれの態様も本発
明の範囲に包含される。プレス加工性向上の観点からす
れば、両面に潤滑樹脂皮膜が施された態様を使用するこ
とが最も推奨されるが、片面のみに該皮膜が施された態
様であっても、充分良好なプレス加工性が得られる。そ
の理由は詳細には不明であるが、たとえ片面であっても
潤滑性が著しく改善されれば鋼板全体のプレス加工性は
充分改善されるからと考えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、プレス加工性に優
れた被覆鋼板を提供すべく、特に動摩擦係数(μ)に着
目して鋭意検討した結果、被覆層最表面の−10〜20
0℃の温度領域における最大動摩擦係数(μmax ,単に
「μmax 」と略記する場合がある)を0.20以下に制
御することが有効であり、この様な物性を満足する被覆
鋼板は、高速連続プレス加工を長時間行ったとしても、
塗膜が疵ついたり剥離することがなく、プレス加工性に
極めて優れていることを見出した。
【0015】プレス加工性を高める為には、例えば潤滑
樹脂皮膜表面の動摩擦係数を低くすれば良いことは予想
される事項であり、従来の潤滑鋼板においても動摩擦係
数を低下させるべく、該潤滑樹脂皮膜中に添加する樹脂
やワックスの種類を特定したりしていた。例えば特開平
5−39458号の実施例には、特定の樹脂やワック
ス、架橋剤を組合わせることにより、動摩擦係数が0.
1前後に低く抑えられた樹脂塗装鋼板が挙げられてい
る。ところが、同公報によれば、たとえ動摩擦係数を
0.1程度に低く制御し得た鋼板であっても耐型かじり
性等が悪くなり、結果的にプレス加工性に劣るものが多
数見られた。
【0016】この原因につき本発明者らは鋭意検討し
た。その結果、上記公報おける動摩擦係数は室温での測
定値(ワンポイント)に過ぎないのに対し、プレス加工
の際には、その初期から後期にわたって温度が広範囲に
変化する。この様な温度変化に伴って動摩擦係数も大き
く変化することが予想され、この様な動摩擦係数の変動
がプレス加工性に大きな影響を及ぼすのではないかと考
えた。
【0017】そこで、このことを確認すべく、潤滑樹脂
皮膜中にワックスを1種類添加し、温度を−10〜20
0℃近傍まで広範囲に変化させた場合における該潤滑樹
脂皮膜層の動摩擦係数の推移を調査した。その結果を図
2にグラフ化して示す。
【0018】図2より、潤滑樹脂皮膜中のμは、使用す
るワックスの軟化温度近傍で最小となり、該軟化温度か
ら高温側若しくは低温側に向かうにつれ大きく上昇して
いくことが分かる。この様なグラフのパターンは、ワッ
クスの種類が異なっても同様に見られ、潤滑樹脂皮膜中
にワックスを1種類添加する限りは全て同様の傾向が得
られることが分かった。
【0019】一方、従来の被覆鋼板では、潤滑樹脂皮膜
中にワックスを1種類のみ添加しており、これでは、た
とえ特定種のワックスを使用する等して室温でのμを低
く設定したとしても、プレス加工時の到達温度領域、即
ち、開始時における−10℃付近から加工終了時におけ
る200℃という非常に広範囲の温度領域にわたってμ
max を低く制御することは極めて困難であり、従って良
好なプレス加工性を発揮することができないことが分か
った。
【0020】本発明はこの様な知見をもとになされたも
のであり、低温域から高温域の広範囲にわたって温度が
変化するプレス加工においては、如何なる温度領域にお
いてもμmax を低く制御することが必要であり、これに
よって始めて高速連続プレス加工時における加工性を著
しく高めることができることを見出し、本発明を完成し
たのである。この様な極めて広範囲の温度領域における
μmax が上記要件を満足するものは、使用する樹脂やワ
ックスの種類等によらず全て塗膜の剥離を防止すること
ができ、プレス加工性に優れたものである。
【0021】尚、塗膜の剥離防止という観点からすれ
ば、μmax が上記要件を満足しさえすれば良いが、本発
明者らが更に検討したところによれば、被覆層最表面の
−10〜200℃の温度領域における最大動摩擦係数
と、該温度領域における最小動摩擦係数値との差(Δ
μ)が大きくなるとプレス加工後に皺がよって外観が変
化し、安定して優れた表面外観が得られないことが分か
った。そこで本発明では、プレス加工性を制御する因子
として、更にΔμを特定することにしたのである。
【0022】即ち、本発明では塗膜の剥離防止という観
点からμmax を制御し、一方、皺の発生防止という観点
からΔμを制御するものであり、いずれも優れた表面外
観を得、プレス加工性を向上させるための要件として極
めて重要なものである。
【0023】この様に本発明の被覆鋼板は、被覆層最表
面の−10〜200℃の温度領域におけるμmax が0.
20以下、及び/又は、該被覆層最表面の−10〜20
0℃の温度領域におけるΔμが0.05以下であるとこ
ろに最大の特徴を有するものである。以下、上記各要件
を特定した理由につき、図3〜6を用いて詳細に説明す
る。これらの図は、以下の供試材を用い、オモテ面・ウ
ラ面の−10〜200℃における動摩擦係数の最大値
(μmax )および変動値(Δμ)、並びにプレス加工性
を下記要領で測定・評価した結果を夫々グラフ化したも
のである。
【0024】[供試材] オモテ面:冷延鋼板+クロメート処理(Cr:30mg
/m2 )+2層の塗膜(ポリエステル系塗料、下層5μ
m,上層15μm) ウラ面 :冷延鋼板+クロメート処理(Cr:30mg
/m2 )+潤滑樹脂皮膜[ポリエステル系樹脂+ポリエ
チレンワックス(軟化温度80℃,120℃)、2g/
cm2
【0025】[動摩擦係数の測定条件] 測定機 :ヘイドン表面性試験機器 荷 重 :500g 測定面 :オモテ面、ウラ面(別個に測定) サンプル温度:−10〜200℃
【0026】[プレス加工条件] 80Tonクランクプレス(アイダエンジニアリング社
製,NCL−80TS)を用い、下記条件下、無塗油で
連続して100回プレスした後、摺動面の外観につき、
塗膜の剥離および肌荒れの程度(皺の有無など)に分け
て夫々目視評価した。 金 型 :円筒型 金型寸法 :ブランク径110mmφ,パンチ外径
50mmφ,ダイ内径51.76mmφ,パンチR5m
m,ダイR5mm クリアランス :0.88mm 加工速度 :40spm しわ押さえ圧力:1kgf/cm2
【0027】 [評価基準] 塗膜の剥離について ◎:塗膜の剥離全くなし ○: 〃 がやや見られる △: 〃 が多く見られる ×: 〃 が顕著に見られる 肌荒れの程度について ◎:肌荒れ全くなし (皺の発生も全くなし) ○: 〃 が僅かに見られる(皺の発生がやや見られる程度) △: 〃 が多く見られる (皺の発生が多く見られる) ×: 〃 が顕著に見られる(皺の発生が顕著に見られる)
【0028】図3に、オモテ面のμmax とプレス後の塗
膜剥離との関係を、図4に、ウラ面のμmax とプレス後
の塗膜剥離との関係を夫々グラフ化して示す。これらの
図より明らかな様に、−10〜200℃の温度範囲にわ
たって、該被覆層表面のμmax を0.20以下に制御し
たものは、連続プレスを行ったとしても塗膜の剥離が見
られず、優れたプレス加工性が得られることが分かる。
【0029】また図5は、オモテ面のΔμとプレス後の
肌荒れとの関係を、図6は、ウラ面のΔμとプレス後の
肌荒れとの関係を夫々グラフ化したものである。これら
の図より明らかな様に、−10〜200℃の温度領域に
おけるΔμを0.05以下に制御したものは、連続プレ
スを行ったとしても肌荒れが見られず、優れたプレス加
工性が得られることが分かる。
【0030】上述した様にΔμを低く制御することによ
りプレス加工後にも安定して優れた外観が得られる理由
については以下の様に考えられる。実際のプレス加工で
は、被覆層表面のμに応じて適切なプレス条件(例えば
しわ押さえ圧力等)を設定する。プレス条件は一旦設定
すれば全て同一条件で実施され、その後にμが変動した
としても変更することはない。設定したプレス条件に対
し、−10〜200℃におけるμmax が高くなると前述
した様に塗膜の剥離が生じ易くなるが、一方、設定した
プレス条件に対して該μmin が低くなると、すべり過ぎ
て皺がより易くなることが分かった。具体的にはΔμが
0.05を超えるとプレス加工後に皺がよる等して外観
が変化してしまい、たとえ高温になるにつれμmax が低
下し、0.20以下になったとしてもこの様な外観変化
は避けられないことが分かった。
【0031】尚、これらの数値は小さければ小さい程好
ましく、具体的にはμmax :0.10以下(更に好まし
くは0.08以下)、Δμ:0.03以下(更に好まし
くは0.01以下)にすることが推奨される。
【0032】更に本発明では上記μmax およびΔμの両
方が前記要件を満足するものは最も推奨される態様であ
り、これにより、塗膜の剥離を有効に防止できるのみな
らず、皺もよらず肌荒れを有効に防止することができ、
プレス加工性に極めて優れた被覆鋼板を得ることができ
る。
【0033】尚、本発明において、μmax およびΔμを
−10〜200℃の温度範囲内において特定したのは以
下の理由によるものである。即ち、プレス加工は通常連
続して行われるが、プレス金型の温度はプレス回数が増
加するにつれ上昇し、最終的には100℃を超える様に
なる。その為、プレス初期では良好な加工が施されたと
しても連続プレス後にはプレス金型の温度が高くなり、
金型に接する塗装鋼板の温度も上昇する為、鋼板の潤滑
性が低下してしまい、加工の際、塗膜に疵がついたり塗
膜が剥離し易くなる。プレス加工に伴う温度の上限は、
200℃を目安にすれば充分であり、その温度範囲以下
の動摩擦係数に留意すれば良い。一方、プレス加工は通
常室温で行われるが、寒冷地などでは、プレス時の初期
温度が氷点下以下になるときもある。この様な低温下で
プレス加工する際には、金型に接する塗装鋼板の温度も
低くなり、鋼板の潤滑性が著しく低下してしまう。低温
下でのプレス初期の温度としては−10℃を目安にすれ
ば良く、その温度範囲以上での動摩擦係数に留意すれば
良いことから、上記温度範囲を設定したものである。
【0034】上述した様に本発明の鋼板は、−10〜2
00℃の温度領域におけるμmax 及び/又はΔμを制御
することが必要であるが、この様な物性を得る為には、
軟化温度の異なる(具体的には軟化温度の差が20℃以
上である)ワックスを少なくとも2種類含有する潤滑樹
脂組成物を潤滑樹脂皮膜中に添加することが必要であ
る。前述した様に従来の鋼板では、潤滑性の向上に当た
り、ワックスの種類やその軟化温度等が特定されたワッ
クスを1種類のみ潤滑樹脂皮膜中に添加していたのに対
し、本発明では、ワックスを1種類ではなく2種類以上
組合わせて使用すると共に、ワックスの種類やそれ自体
の軟化温度等ではなく組合わせるワックス間の軟化温度
の差に着目した点に技術的特徴を有し、この様なワック
スを2種類以上組合わせて使用することにより始めて上
記要件を満足することのできる鋼板を提供できることを
見出したのである。
【0035】図7に、潤滑樹脂皮膜中に軟化温度の差が
20℃以上ある3種類のワックス(軟化温度:80℃,
120℃、160℃)を、夫々単独で添加した場合と、
全て混合して添加した場合におけるμmax の推移をグラ
フ化して示す。図7より明らかな様に、これらのワック
スを夫々単独で添加した場合には、軟化温度を境にして
それよりも低温側若しくは高温側に向かうにつれμmax
が大きくなっていくのに対し、これらのワックスを組合
わせて添加した場合には、−10〜200℃におけるμ
max およびΔμが極めて小さく抑えられ、本発明の範囲
内に制御できることが分かる。
【0036】尚、組合わせるワックス間の軟化温度の差
は少なくとも20℃以上であることが必要である。この
差が20℃未満では、−10〜200℃の広範囲の温度
域にわたって、μmax やΔμを本発明で規定する様に低
く設定することが困難である。好ましくは30℃以上、
より好ましくは50℃以上である。その上限は特に規定
されないが、差があまり大きくなるとμmax やΔμが本
発明で規定する上限値を超えてしまう様になる。好まし
くは100℃以下(より好ましくは80℃以下)に制御
することが推奨される。
【0037】この様に本発明では、組合わせて使用する
ワックス間の軟化温度の差を特定したところに構成上の
最重要ポイントが存在し、個々のワックスの軟化温度自
体は特に制限されないが、より優れたプレス加工性を発
揮させる為には、軟化温度の下限が20℃以上(より好
ましくは80℃以上)であり、その上限が170℃以下
(より好ましくは150℃以下)の範囲内のワックスの
なかから選択することが好ましい。上記下限値を下回る
ワックスは、ワックス自体の安定性が悪く、潤滑向上作
用に乏しく、一方、上記上限値を超えるワックスも、や
はり潤滑向上作用に乏しいからである。なかでも組合わ
せ使用するワックスの少なくとも1種類の軟化温度は1
00℃以上(より好ましくは120℃以上)であること
が好ましい。その理由は、連続プレス時の板温は、10
0〜150℃の温度範囲で一定になる傾向があるからで
ある。具体的には、例えば軟化温度が20〜60℃、6
1〜100℃、101〜140℃、141〜170℃の
範囲内にあるワックスのなかから、ワックス間の軟化温
度の差が少なくとも20℃以上となる様なワックスを少
なくとも2種類選択するに当たっては、そのうちの少な
くとも1種類の軟化温度が100℃以上になる様にうま
く選択すれば良く、例えばワックスの軟化温度が全て
100℃以上である組合わせ(例えば120℃と150
℃、120℃と170℃、130℃と170℃、140
℃と170℃、120℃と140℃と160℃等)、お
よび軟化温度が100℃未満と100℃以上の組合わ
せ(30℃と120℃、30℃と150℃、80℃と1
20℃、80℃と150℃、30℃と80℃と120
℃、80℃と120℃と150℃、80℃と100℃と
130℃と160℃、20℃と80℃と120℃等)の
いずれの態様も包含される。
【0038】使用するワックスの種類は特に限定され
ず、例えばポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワ
ックス、酸化ポリプロピレンワックス、カルナバワック
ス、パラフィンワックス、モンタンワックス、ライスワ
ックス、テフロンワックス、二硫化モリブデン、二硫化
炭素、グラファイト等を使用することができ、なかでも
ポリエチレンワックス等の使用が推奨される。組合わせ
使用するワックスの種類は同種であっても異種であって
も構わない。
【0039】尚、潤滑樹脂皮膜中に占めるワックスの含
有量は、合計で0.2〜30重量%であることが好まし
い。0.2重量%未満では皮膜の潤滑性が不足する。よ
り好ましくは1重量%以上である。一方、30重量%を
超えると皮膜の密着性が低下し、加工時に塗膜の剥離が
起こり易くなり、所望のプレス加工性が得られない。よ
り好ましくは10重量%以下、更により好ましくは5重
量%以下である。
【0040】本発明における潤滑樹脂皮膜は、上述した
ワックスの他、ベース樹脂を必須的に含むものである。
このベース樹脂については特に限定されず、ポリエステ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系
樹脂、ウレタン変成ポリオレフィン系樹脂等が挙げら
れ、これらのうち1種若しくは2種以上を併用して使用
することができる。尚、上記ベース樹脂は、トルエン、
キシレン、メチルエチルケトン、ベンゼン、酢酸エチ
ル、ジクロロメタン、アセトンなどの有機溶剤に溶解し
た溶剤型としても使用することができるし、乳化剤や分
散剤等によって水性化したものも使用することができ
る。
【0041】本発明に用いられるベース樹脂としては、
具体的に「バイロン23CS」、「バイロン29C
S」、「バイロン20SS」、「バイロン29SS」
(いずれも東洋紡績社製)等のポリエステル系樹脂、
「KD−200AS」、「KD−200AM」(いずれ
も喜多村社製)等のフッ素系樹脂などの市販品が挙げら
れる。また、ウレタン変成ポリオレフィン系樹脂として
は、ウレタンポリエーテル、ウレタンポリエステル等の
ウレタン変成したポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブチレンなどのポリα−オレフィン類若しくはこれらの
共重合体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オ
レフィンの1種または2種以上と、アクリル酸及び/又
はメタクリル酸との共重合体の前記ウレタン変成物等が
挙げられ、具体的には、ウレタン変成ポリエチレン樹
脂、ウレタン変成ポリプロピレン樹脂、ウレタン変成ポ
リブチレン樹脂などが挙げられる。
【0042】本発明に用いられる潤滑樹脂皮膜には、更
に架橋剤を添加することができる。この架橋剤は、上記
ベース樹脂中の官能基と反応してベース樹脂を立体的に
架橋せしめ、皮膜を硬質化することによって摺動性、ひ
いては加工性を高める作用を発揮する他、耐食性や耐候
性を高めることにより表面被覆向上作用も発揮するもの
である。従って、その種類は、ベース樹脂中の官能基の
種類に応じて適宜選択して決定されるべきであるが、好
ましいのはメラミン系化合物やイソシアネート化合物
(例えば、日本ポリウレタン工業社製の「ミリオネート
MT」、「ミリオネートMR」、「コロネートN」、
「コロネートT」、「コロネートHL」、「コロネート
L」、「コロネートHK」、「コロネートEH」、「コ
ロネート2030」、「コロネート2067」、「スプ
ラセック3240」、「スプラセック3340」、「ダ
ルトセック1350」、「ダルトセック2170」、
「ダルトセック2280」;三井サイアミッド社製の
「サイメル25」等)が挙げられる。
【0043】上記架橋剤の配合量は、潤滑樹脂皮膜中に
対して1〜20重量%にすることが好ましい。1重量%
未満では架橋密度が不足し、潤滑樹脂皮膜の潤滑性向上
作用や耐候性向上作用を有効に発揮させることができな
い。より好ましくは5重量%以上である。一方、20重
量%を超えると、該樹脂皮膜中に含まれる極性基の量が
多くなり過ぎる為、耐食性に悪影響を及ぼす様になる。
より好ましくは15重量%以下である。更に上記潤滑樹
脂皮膜中には、コロイダルシリカなどの各種添加剤を、
本発明の作用を損なわない範囲で添加することができ
る。
【0044】本発明に用いられる潤滑樹脂皮膜の付着量
は0.2〜5g/m2 とすることが好ましい。0.2g
/m2 未満では、該皮膜形成によるプレス加工性の改善
効果を有効に発揮することができない。より好ましくは
1g/m2 以上である。一方、5g/m2 を超えると、
加工時における該皮膜の剥離量が増加し、金型加工面に
剥離皮膜が蓄積する為、鋼板の外観形状が逆に悪化する
傾向が見られる。より好ましくは3g/m2 以下であ
る。
【0045】上記潤滑樹脂皮膜は、塗膜面及び/又は非
塗膜面に、ロール塗装やスプレー塗装などの任意の方法
で上述した成分を塗布し、乾燥することによって形成す
ることができる。
【0046】また、本発明に用いられる塗膜成分として
は、ポリエステル系、エポキシ系、フッ素系、メラミン
系、アクリル系等の樹脂等が挙げられる。上記塗膜成分
は、鋼板の片面または両面に、単層または複層塗布する
ことができる。
【0047】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0048】
【実施例】
実施例1 本実施例は、鋼板のオモテ面には塗膜のみを、そのウラ
面には潤滑樹脂皮膜のみを施した鋼板のプレス加工性を
検討したものであり、その詳細は表1〜3に示す通りで
ある。
【0049】具体的には、冷延鋼板、亜鉛系めっき鋼
板、Al系めっき鋼板にクロメート処理若しくはリン酸
塩処理を施した鋼板を使用し、そのオモテ面にポリエス
テル塗料を2層(下層5μm、上層15μm)塗布し
た。塗膜面の動摩擦係数は、ワックスの種類や添加濃度
を調整することにより変化させた。一方、そのウラ面に
は潤滑樹脂[ベース樹脂(ポリエステル)+ポリエチレ
ンワックス+イソシアネート系架橋剤]を溶媒(キシレ
ン+シクロヘキサノン)中に均一に混合分散したものを
ロールにより塗布し、220℃で乾燥させた。この様に
して得られた塗装鋼板の−10〜200℃における最大
動摩擦係数(μmax )および該動摩擦係数の変動値(Δ
μ)を前述の方法で評価した。プレス加工性について
は、摺動面の耐塗膜剥離性および肌荒れを別々に下記基
準にて目視判定した。 耐塗膜剥離性:◎極めて良好,○良好,△悪い,×極め
て悪い 肌荒れの有無:◎肌荒れが無く極めて良好,○良好,△
肌荒れが見られる,×肌荒れが顕著に見られる 得られた結果を表1〜3に併記する。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】表1〜3より以下の様に考察することがで
きる。No.1〜52は、μmax およびΔμの両方が本発
明の要件を満足する実施例であるが、耐塗膜剥離性が極
めて良好であると共に肌荒れもなく、プレス加工性に優
れていることが分かる。
【0054】これに対してμmax が本発明の要件を満足
しないNo 53〜56,66〜71は耐塗膜剥離性に劣
り、一方、Δμが本発明の要件を満足しないNo.53,
57〜71は肌荒れが顕著に見られた。
【0055】実施例2 本実施例は、鋼板のオモテ面には塗膜のみを、そのウラ
面には塗膜および潤滑樹脂皮膜を順次施した鋼板のプレ
ス加工性を検討したものであり、その詳細は表4に示す
通りである。
【0056】具体的には、亜鉛系めっき鋼板にクロメー
ト処理を施した鋼板を使用し、そのオモテ面にポリエス
テル塗料を2層(下層5μm、上層15μm)塗布し
た。塗膜面の動摩擦係数は、ワックスの種類や添加濃度
を調整することにより変化させた。一方、そのウラ面に
はポリエステル塗料を1層塗布した後、潤滑樹脂[ベー
ス樹脂(ポリエステル)+ポリエチレンワックス+イソ
シアネート系架橋剤]を溶媒(キシレン)中に均一に混
合分散したものをロールにより塗布し、220℃で乾燥
させた。この様にして得られた塗装鋼板のμmax 、Δμ
およびプレス加工性を実施例1と同様にして評価した。
得られた結果を表4に併記する。
【0057】
【表4】
【0058】表4より以下の様に考察することができ
る。No.72〜84は、μmax およびΔμの両方が本発
明の要件を満足する実施例であるが、耐塗膜剥離性が極
めて良好であると共に肌荒れもなく、プレス加工性に優
れていることが分かる。
【0059】これに対してμmax およびΔμの両方が本
発明の要件を満足しないNo.85〜87は、耐塗膜剥離
性に劣ると共に肌荒れの程度も悪く、プレス加工性に劣
るものであった。
【0060】実施例3 本実施例は、鋼板のオモテ面には塗膜および潤滑樹脂皮
膜を順次施し、そのウラ面には潤滑樹脂皮膜のみを施し
た鋼板のプレス加工性を検討したものであり、その詳細
は表5に示す通りである。
【0061】具体的には、亜鉛系めっき鋼板にクロメー
ト処理を施した鋼板を使用し、そのオモテ面にポリエス
テル塗料を1層(15μm)塗布した後、潤滑樹脂[ベ
ース樹脂(ポリエステル)+ポリエチレンワックス+イ
ソシアネート系架橋剤]を溶媒(キシレン+シクロヘキ
サノン)中に均一に混合分散したものをロールにより塗
布し、220℃で乾燥させた。また、そのウラ面には、
オモテ面と同じ潤滑樹脂皮膜を同様に形成させた。この
様にして得られた塗装鋼板のμmax 、Δμおよびプレス
加工性を実施例1と同様にして評価した。得られた結果
を表5に併記する。
【0062】
【表5】
【0063】表5より以下の様に考察することができ
る。No.88〜95は、μmax およびΔμの両方が本発
明の要件を満足する実施例であるが、耐塗膜剥離性が極
めて良好であると共に肌荒れもなく、プレス加工性に優
れていることが分かる。これに対して本発明の要件を満
足しないNo.96〜98は、耐塗膜剥離性に劣り、且つ
肌荒れの程度も悪く、プレス加工性に劣るものであっ
た。
【0064】実施例4 本実施例は、鋼板のオモテ面およびウラ面の両方に、塗
膜および潤滑樹脂皮膜を順次施した鋼板のプレス加工性
を検討したものであり、その詳細は表6に示す通りであ
る。
【0065】具体的には、亜鉛系めっき鋼板にクロメー
ト処理を施した鋼板を使用し、その両面にポリエステル
塗料を1層(15μm)塗布した後、潤滑樹脂[ベース
樹脂(ポリエステル)+ポリエチレンワックス+イソシ
アネート系架橋剤]を溶媒(キシレン+シクロヘキサノ
ン)中に均一に混合分散したものをロールにより塗布
し、220℃で乾燥させた。この様にして得られた塗装
鋼板のμmax 、Δμおよびプレス加工性を実施例1と同
様にして評価した。得られた結果を表6に併記する。
【0066】
【表6】
【0067】表6より以下の様に考察することができ
る。No.99〜106は、μmax およびΔμの両方が本
発明の要件を満足する実施例であるが、耐塗膜剥離性が
極めて良好であると共に肌荒れもなく、プレス加工性に
優れていることが分かる。これに対して本発明の要件を
満足しないNo.107〜109は、耐塗膜剥離性に劣
り、且つ肌荒れの程度も悪く、プレス加工性に劣るもの
であった。
【0068】
【発明の効果】本発明の被覆鋼板は上記の様に構成され
ているのでプレス加工性に優れており、特に高速連続プ
レスを長時間行っても塗膜が剥離せず、更にはプレス加
工後の皺の発生も有効に防止することができ、極めて表
面外観に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用し得る被覆鋼板の概略図である。
【図2】潤滑樹脂皮膜にワックスを1種類添加した場合
の動摩擦係数(μ)の推移を示すグラフである。
【図3】オモテ面の最大動摩擦係数(μmax )とプレス
後の塗膜剥離との関係を示すグラフである。
【図4】ウラ面の最大動摩擦係数(μmax )とプレス後
の塗膜剥離との関係を示すグラフである。
【図5】オモテ面の動摩擦係数の変動値(Δμ)とプレ
ス後の肌荒れとの関係を示すグラフである。
【図6】ウラ面の動摩擦係数の変動値(Δμ)とプレス
後の肌荒れとの関係を示すグラフである。
【図7】潤滑樹脂皮膜に、軟化温度の異なるワックスを
単独で添加した場合と混合添加した場合の動摩擦係数の
推移を夫々示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両表面に被覆層が施された鋼板におい
    て、 該被覆層最表面の−10〜200℃の温度領域における
    最大動摩擦係数が0.20以下であることを特徴とする
    プレス加工性に優れた被覆鋼板。
  2. 【請求項2】 両表面に被覆層が施された鋼板におい
    て、 該被覆層最表面の−10〜200℃の温度領域における
    最大動摩擦係数と、該温度領域における最小動摩擦係数
    の差が0.05以下であることを特徴とするプレス加工
    性に優れた被覆鋼板。
  3. 【請求項3】 前記被覆層最表面の−10〜200℃の
    温度領域における最大動摩擦係数が0.20以下である
    請求項2に記載の被覆鋼板。
  4. 【請求項4】 前記被覆層が、潤滑性を有する樹脂皮
    膜、若しくは塗膜である請求項1〜3のいずれかに記載
    の被覆鋼板。
  5. 【請求項5】 軟化温度の差が20℃以上である異なっ
    たワックスを少なくとも2種含有することを特徴とする
    プレス加工性を高める潤滑樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 潤滑樹脂皮膜中に占めるワックスの含有
    量が合計で0.2〜30重量%である請求項5に記載の
    潤滑樹脂組成物。
JP9216747A 1997-08-11 1997-08-11 プレス加工性に優れた被覆鋼板および潤滑樹脂組成物 Pending JPH1157611A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347170A (ja) * 2001-03-19 2002-12-04 Toyo Seikan Kaisha Ltd 自己潤滑性を有する樹脂被覆金属板及びその製造方法、並びに金属缶及び缶蓋
JP2020143980A (ja) * 2019-03-06 2020-09-10 トヨタ自動車株式会社 動摩擦係数計測装置
WO2022044193A1 (ja) * 2020-08-27 2022-03-03 日本製鉄株式会社 表面処理鋼板、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板の加工方法

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