JP2007094053A - ブルーレーザ用光学成形体 - Google Patents

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進太郎 池田
Kiyokazu Hashimoto
清和 橋本
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Abstract

【課題】波長400nm前後のブルーレーザ光の積算照射量が多くなっても光線透過率の低下が少なく、且つ低複屈折性で高光線透過率のブルーレーザ用光学成形体を提供する。
【解決手段】1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンなどの芳香環を有するノルボルネン系単量体(A)と、エチレンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン(B)とを架橋型メタロセン化合物などを含むメタロセン触媒等によって付加重合し、さらに芳香環を水素化率90%以上となるように水素化し、数平均分子量が15,000以上である付加重合体水素化物を得、これを成形することによって、ブルーレーザ用光学成形体を得る。
【選択図】なし。

Description

本発明は、ブルーレーザ用光学成形体に関し、さらに詳しくは、波長400nm前後のブルーレーザ光の積算照射量が多くなっても光線透過率の低下が少なく、且つ低複屈折で高光線透過率のブルーレーザ用光学成形体に関する。
光学用成形体は、屈折、反射、回折、複屈折などの光学的現象を利用して、種々用途に適用される成形体である。光学用成形体としては、例えば、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ、コリメートレンズ、レンチキュラーレンズ、ピックアップレンズ、グレーティングレンズ、ジオデシックレンズ、fθレンズ、非球面レンズなどの光学機器用レンズ;プリズム;MO、DVD、CD等の光情報記録媒体;位相差板、偏光板、光反射板、光拡散板、導光板、プリズムシートなどの表示装置用光学シート若しくは板;などが挙げられる。
これらの中で、光によって情報の書き込み及び読み取りを行う情報機器に用いられる光学成形体、例えば、ピックアップレンズやプリズムなどは、光の積算照射量が多くなっても、その特性が変わらないことが強く求められている。特に、高い記録密度を実現可能なブルーレーザ光を用いた情報機器が開発され、これに対応したブルーレーザ用光学成形体の開発が求められている。
特許文献1には、炭素数2〜20のα−オレフィンと、ノルボルネン系単量体とを重合し、水素化して得られる環状オレフィン系重合体と、酸化防止剤と、界面活性剤とを含む樹脂材料を成形してなるプラスチック製光学成形体が開示されている。特許文献1は、酸化防止剤を配合した樹脂材料で成形された光学素子が波長約400nmの光線を1000時間照射しても光線透過率の劣化が1%以下であると、述べている。しかし、この光学素子は、酸化防止剤や界面活性剤を添加しているので光線透過率がもともと低く、また、成形条件によって複屈折性が高くなりやすいので、レンズやプリズムにしたときに収差が生じやすい。
特許文献2には、縮合シクロへキサン環を有するノルボルネン系単量体をモノマー単位として含む新規な重合体樹脂を、光学分野等に適用することが提案されている。しかしながら、特許文献2の実施例等で具体的に開示された樹脂を用いた光学成形体では、ブルーレーザの照射積算量が多くなると、光線透過率が低下しやすいことがわかった。
特開2004−197067号公報 国際公開WO99/09085号公報
本発明の目的は、波長400nm前後のブルーレーザ光の積算照射量が多くなっても光線透過率の低下が少なく、且つ低複屈折性で高光線透過率のブルーレーザ用光学成形体を提供することにある。
本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、芳香環を有するノルボルネン系単量体(A)と、炭素数2〜20のα−オレフィン(B)との付加重合体を水素化したものであって、芳香環構造の水素化率が90%以上であり、数平均分子量が15,000以上である、付加重合体水素化物を含有する材料を成形してなる成形体は、酸化防止剤を含有していなくても、波長400nm前後のブルーレーザ光が多量に照射されても光線透過率の低下が少なく、且つ低い複屈折性と高い光線透過率を示すことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、芳香環を有するノルボルネン系単量体(A)と、炭素数2〜20のα−オレフィン(B)との付加重合体を水素化したものであって、芳香環構造の水素化率が90%以上であり、数平均分子量が15,000以上である、付加重合体水素化物を含有する、ブルーレーザ用光学成形体が提供される。
本発明のブルーレーザ用光学成形体は、酸化防止剤が含有されていなくても、波長400nm前後のブルーレーザ光が多量に照射されても光線透過率の低下が少なく、且つ低い複屈折性と高い光線透過率を示す。このような特性を持つので、本発明のブルーレーザ用光学成形体は、例えば、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ、コリメートレンズ、レンチキュラーレンズ、グレーティングレンズ、ジオデシックレンズ、fθレンズ、非球面レンズなどの光学機器用レンズ;プリズム;MO、DVD、CD等の光情報記録媒体;位相差板、偏光板、光反射板、光拡散板、導光板、プリズムシートなどの表示装置用光学シート若しくは板;などの光学部材として利用できる。特に、ブルーレーザ光によって情報の書き込み及び読み取りを行う情報機器に用いられる光学素子、例えば、ピックアップレンズ、プリズムなどとして、好適である。
本発明のブルーレーザ用光学成形体は、
芳香環を有するノルボルネン系単量体(A)と、
炭素数2〜20のα−オレフィン(B)との
の付加重合体を水素化したものであって、
芳香環の水素化率が90%以上であり、
数平均分子量が15,000以上である、
付加重合体水素化物を含有するものである。
本発明に用いる付加重合体水素化物は、芳香環を有するノルボルネン系単量体(A)と炭素数2〜20のα−オレフィン(B)との付加重合体を水素化したものである。
芳香環を有するノルボルネン系単量体(A)は、ノルボルネン環構造を少なくとも1つ有し、且つ芳香環を少なくとも一つ有する単量体である。好ましい単量体(A)は、脂環に縮合した芳香環を有するノルボルネン系単量体である。
単量体(A)は、脂環に縮合した芳香環を有するものと、脂環に置換基として結合した芳香環を有するものとがある。
脂環に縮合した芳香環を有するものとしては、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−クロロ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−ブロモ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロジベンゾフラン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロジベンゾチアジン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾール、1,4−メタノ−9−フェニル−1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾール、7,10−メタノ−6b,7,10,10a−テトラヒドロフルオランセン、7,10−メタノ−6b,7,10,10a−テトラヒドロフルオランセンにシクロペンタジエンを付加した化合物、アセアントリレンにシクロペンタジエンを付加した化合物、アセフェナントリレンにシクロペンタジエンを付加した化合物、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、14,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコサンなどが挙げられる。
脂環に置換基として結合した芳香環を有するものとしては、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−o−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−m−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−p−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−o−エチルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−m−エチルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−p−エチルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−p−イソプロピルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−(ナフタレン−1−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどが挙げられる。
これらのうち脂環に縮合した芳香環を有するノルボルネン系単量体が好ましく、特に1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンが好ましい。単量体(A)の量は、重合させる全単量体に対して、好ましくは15〜55モル%、より好ましくは20〜50モル%である。
炭素数2〜20のα−オレフィン(B)は、不飽和炭化水素化合物であり、末端の炭素とその隣にある炭素との間に不飽和結合があるものである。α−オレフィン(B)としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブタ−1−エン、ペンタ−1−エン、ヘキサ−1−エン、オクタ−1−エン、デカ−1−エン、ドデカ−1−エン、テトラデカ−1−エン、ヘキサデカ−1−エン、オクタデカ−1−エン、エイコサ−1−エン;3−メチルブタ−1−エン、3−メチルペンタ−1−エン、3−エチルペンタ−1−エン、4−メチルペンタ−1−エン、4−メチルヘキサ−1−エン、4,4−ジメチルヘキサ−1−エン、4,4−ジメチルペンタ−1−エン、4−エチルヘキサ−1−エン、3−エチルヘキサ−1−エン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロへキセン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらのうちエチレンが好ましい。
α−オレフィン(B)の量は、重合させる全単量体に対して、好ましくは45〜85モル%、より好ましくは50〜80モル%である。
本発明に用いる付加重合体は、必要に応じて、前記(A)及び(B)と共重合可能な他のノルボルネン系単量体(C)が含まれていてもよい。ノルボルネン系単量体(C)は、ノルボルネン環構造を少なくとも1つ有し、単量体(A)に属しない単量体である。
ノルボルネン系単量体(C)としては、例えば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(テトラシクロドデセンとも言う)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9−エチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジクロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロペンタデカジエンなどが挙げられる。
本発明に用いる付加重合体は、前記(A)及び(B)以外に、前記(A)、(B)、及び(C)と共重合可能な単量体(D)をさらに含んでいてもよい。
単量体(D)としては、シクロブテン、1−メチルシクロブテン、3−メチルシクロブテン、3,4−ジイソプロペニルシクロブテン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、シクロオクテン、1−メチルシクロオクテン、5−メチルシクロオクテン、シクロオクタテトラエン、1,5−シクロオクタジエン、シクロドデセン;アセチレン、プロピン、1−ブチン;1,4−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエンなどが挙げられ、さらにアクリル酸やメタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、イタコン酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸及びその酸無水物;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル;アクリルアミド、メタクリルアミド;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン;塩化ビニル、フッ化ビニル、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
これら単量体(C)及び(D)の量は特に限定されず、本発明の効果が損なわれない範囲であればよい。単量体(C)及び(D)の量は、重合させる全単量体に対して、好ましくは0〜40モル%ある。
本発明に用いる付加重合体は、例えば、メタロセン触媒の存在下に、前記(A)及び(B)並びに必要に応じて(C)及び/又は(D)を付加共重合することにより得ることができる。
メタロセン触媒は、従来から付加重合反応に用いられている公知の触媒である。特に本発明においては、特に遷移金属のメタロセン化合物(a)と有機アルミニウムオキシ化合物(b)又はボレート若しくはボラン化合物(c)とからなる触媒が好ましい。
メタロセン化合物(a)として、例えば、架橋型メタロセン化合物及びハーフメタロセン化合物が挙げられる。芳香環を有するノルボルネン系単量体(A)を効率的に重合させるために、架橋型メタロセン化合物が好ましい。
架橋型メタロセン化合物としては、例えば、一般式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2007094053
式(1)中、M1はチタン、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群より選ばれる金属原子であり、触媒活性に優れることからジルコニウムが好ましい。
X1及びX2は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、又はハロゲン基である。
R6及びR7は、それぞれ独立に、シクロペンタジエニル基、インデニル基、又はフルオレニル基であり、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基;フェニル基若しくは、ベンジル基で置換されていてもよい。
R5は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などの低級アルキレン基;イソプロピリデン基などのアルキリデン基;ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基;ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基などの置換シリレン基、又はシリレン基である。
式(1)で表される架橋型メタロセン化合物としては、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)[1−(3−メチル)シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン−(9−フルオレニル)[1−(3−t−ブチル)シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン−(1−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドなどを挙げることができる。
なお、ハーフメタロセン化合物としては、(t−ブチルアミド)ジメチル−1−インデニルシランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−1−インデニルシランチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−フルオレニルシランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−フルオレニルシランチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−(3,6−ジメチルフルオレニル)シランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−[3,6−ジ(i−プロピル)フルオレニル]シランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−[3,6−ジ(t−ブチル)フルオレニル]シランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−[2,7−ジ(t−ブチル)フルオレニル]シランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジメチル−9−(2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)シランチタンジメチルなどが好ましいものとして挙げられる。
メタロセン触媒を構成する、有機アルミニウムオキシ化合物(b)、又はボレート若しくはボラン化合物(c)は、メタロセン化合物を活性化するための活性化剤である。
有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、従来公知のアルミノオキサンであってもよく、また、特開平2−78687号公報に開示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
ボレート若しくはボラン化合物(c)は、メタロセン化合物と反応してメタロセン化合物をカチオン種に変換可能な活性化剤である。
ボレート若しくはボラン化合物(c)としては、例えば、トリエチルアンモ二ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのボレート化合物;トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンなどのボラン化合物が挙げられる。
メタロセン触媒には、必要に応じて有機アルミニウム化合物(d)を含有させることができる。有機アルミニウム化合物(d)としては、上記有機アルミニウムオキシ化合物以外の有機アルミニウム化合物が挙げられる。有機アルミニウム化合物(d)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムハライド;ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;ジメチルアルミニウムメトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシド等が挙げられる。
重合反応時のメタロセン化合物(a)の濃度は、好ましくは0.00005〜1ミリモル/リットル、より好ましくは0.0001〜0.3ミリモル/リットルである。また有機アルミニウムオキシ化合物(b)又はボレート若しくはボラン化合物(c)は、メタロセン化合物(a)に対して、1〜10,000当量であることが好ましい。
有機アルミニウム(d)は、メタロセン化合物(a)に対して0.1〜1,000当量であることが好ましい。
付加重合反応は、その重合反応形態で制限されず、溶液重合、塊状重合、スラリー重合などの重合法から採用することができ、また、連続式及びバッチ式のいずれでもよい。
重合反応に用いられる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、灯油などの鎖状脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリンなどの環状脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;などを挙げることができる。これら溶媒は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合反応は、通常、−50〜+230℃、好ましくは−30〜+200℃、さらに好ましくは−20〜+150℃の温度範囲で、通常2分間〜5時間、好ましくは5分間〜3時間行われる。反応時の圧力(ゲージ圧)は、通常10MPa以下、好ましくは5MPa以下である。
重合反応に用いられる単量体、触媒、溶媒を反応器に添加する手順は特に制限されず、前記(A)及び(B)並びに必要に応じて(C)及び/又は(D)を添加し、次いで触媒を添加してもよいし;前記(A)及び(B)並びに必要に応じて(C)及び/又は(D)の一部を添加し、触媒を添加し、次いで前記(A)及び(B)並びに必要に応じて(C)及び/又は(D)を一括又は少量ずつ添加してもよいし;触媒を先に反応器に添加し、次いで前記(A)及び(B)並びに必要に応じて(C)及び/又は(D)を一括又は少量ずつ添加してもよい。
メタロセン触媒は、それを構成する、メタロセン化合物(a)と、有機アルミニウムオキシ化合物(b)又はボレート若しくはボラン化合物(c)、さらに有機アルミニウム化合物(d)とを、重合反応器に別々に添加してもよいし、反応器外でこれらを混合してから重合反応器に添加してもよい。
前記(A)及び(B)の付加重合体、並びに必要に応じて(C)及び/又は(D)をさらに共重合させた付加重合体を水素化する方法は、特に制限されない。例えば、付加重合体の溶液に、水素化触媒の存在下に水素を供給して、反応させる方法がある。
水素化触媒としては、公知の均一系触媒又は不均一系触媒が挙げられる。
均一系触媒としては、例えば、ウィルキンソン錯体、すなわち、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)や、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウムなどの遷移金属化合物/アルキル金属化合物の組み合わせからなる触媒が挙げられる。
不均一系触媒としては、例えば、ニッケル、パラジウムなどの水素化触媒として公知の金属を担体に担持したものが挙げられる。金属としてはニッケルが最も好ましい。担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、珪藻土などが挙げられる。
水素化反応は通常溶媒中で行われる。溶媒としては、前記重合時に使用可能な溶媒と同じものが挙げられる。水素化反応は、通常100〜200℃、好ましくは130〜195℃の温度範囲で、通常0.1〜100kgf/cm、好ましくは0.5〜60kgf/cm、より好ましくは1〜50kgf/cmの水素圧(ゲージ圧)で行われる。
この水素化反応によって、芳香環構造の水素化率を90%以上に、好ましくは95%以上に、より好ましくは99%以上にする。芳香環構造の水素化率は、H−NMRスペクトルによって、水素化前の芳香環構造の量と、水素化後の芳香環構造の量を測定して、水素化反応前後のそれらの値から計算して求めることができる。この水素化率が小さいと耐ブルーレーザ性に劣る。
重合及び水素化反応後、触媒等が除去される。除去方法は特に制限されず、遠心分離、濾過などの方法が挙げられる。さらに、水やアルコールなどの触媒不活性化剤を添加したり、また活性白土、アルミナ、珪素土などの吸着剤を添加したりして、触媒の除去を促進させることができる。
本発明に用いる付加重合体水素化物は、数平均分子量が15,000以上であり、好ましくは、15,000〜100,000である。
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される重合体の分子量分布は、好ましくは1.5〜5.0、より好ましくは1.5〜3.0、特に好ましくは1.5〜2.5である。なお、本発明において数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した、標準ポリマー換算値である。
本発明に用いる付加重合体水素化物は、そのガラス転移温度によって制限されないが、成形体の成形性を考慮すると、その下限は通常100℃、好ましくは110℃、より好ましくは120℃であり、上限は通常250℃、好ましくは200℃である。
本発明に用いる付加重合体水素化物は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、滑剤、溶剤などを適宜配合したものであってもよい。本発明に用いる付加重合体水素化物は酸化防止剤を含有しなくても、耐ブルーレーザ性に優れたブルーレーザ用光学成形体を与えるが、必要に応じて酸化防止剤を含有してもよい。配合方法は、特に限定されない。たとえば、前記付加重合体水素化物をロール、ニーダー、押出混練機、バンバリーミキサー、フィーダールーダー等の混練器で練りながら、前記配合剤を添加する方法;付加重合体水素化物の溶液と配合剤を溶解又は分散させた液とを混ぜ合わせ、次いで該混合液から溶媒を除去する方法;などが挙げられる。混練時の温度は好ましくは200〜400℃、さらに好ましくは240〜350℃である。
本発明のブルーレーザ用光学成形体は、公知の成形方法によって得ることができる。成形方法としては、例えば、溶液流延法、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法等が挙げられる。
このようにして得られる成形体は、ブルーレーザに対する耐性が高いので、ブルーレーザを使用する光学部品、特にピックアップレンズやプリズムレンズなどのブルーレーザ光の積算照射量が多くなる光学部材に好適である。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
実施例及び比較例で行った評価方法は以下のとおりである。
(1)付加重合体水素化物の分子量
付加重合体水素化物の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、シクロヘキサンを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリイソプレン換算値として求めた。
(2)繰り返し単位組成
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン/エチレン付加共重合体の繰り返し単位組成は、重クロロホルム溶媒中(テトラメチルシラン(TMS)基準)でのH−NMRスペクトルより求めた。
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン単位に由来する芳香環のシグナル(6.7−7.6ppm)の積分値をもとに、脂肪族に基づくシグナル(0.4〜4.0ppm)中のエチレン単位の占める割合を求め、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン単位とエチレン単位とのモル比を求めた。
(3)芳香環の水素化率
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン/エチレン付加共重合体の芳香環の水素化率は、重クロロホルム溶媒中(TMS基準)でのH−NMRスペクトルより求めた。
TMSを内部標準に用い、0ppmのシグナルの積分値を基準にして、水素化反応前後での芳香環のシグナル(6.7〜7.6ppm)の減少率から、水素化率を求めた。
(4)ガラス転移温度
付加重合体水素化物のガラス転移温度(Tg)は、毎分10℃で昇温させたときの示差走査熱量分析(DSC)によって求めた。
(5)複屈折性
280℃で厚さ1.2mm、直径85mmのディスクを射出成形した。このディスクの中心から半径25mmの位置における複屈折値を、偏光顕微鏡(ニコン社製、546nmセナルモンコンペンセータ)を用いて測定した。複屈折値がゼロに近いほど低複屈折性であることを示す。
(6)光線透過率
光線透過率は厚さ3mm、縦65mm、横65mmの樹脂成形板を用いて可視分光光度計(日本分光社製、V−570)で測定した。
(7)高照射量短波長レーザ照射
分光老化試験機(スガ試験機社製、XSP型)を用いて、波長400±10nmのレーザ光線を、上記(6)で用いたのと同じ樹脂成形板に、積算光量で520kJ/cm照射した。そしてレーザ光線照射後の樹脂成形板の光線透過率を上記同様にして測定した。
(合成例1)
攪拌機付き耐圧反応器に、トルエン860部、1,4−メタノ−1,4,4a−9a−テトラヒドロフルオレン200部、及びトルエン5.18部に溶解したトリエチルアルミニウム0.630部を仕込んだ。
ガラス容器に、トルエン43.5部、rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド0.04部、及びトルエン2.56部に溶解したメチルアルミノキサン0.499部を仕込み、混合し、これらを前記耐圧反応器に添加した。
0.2MPaのエチレンガスを耐圧反応器に導入し、40℃で重合反応を開始した。30分間経過後、脱圧して、メタノール5部を添加し、重合反応を停止させた。この溶液をラジオライト#800で濾過し、多量の塩酸酸性メタノールに注いで重合体を析出させた。析出した重合体を分取し、洗浄し、80℃で15時間減圧乾燥した。付加重合体の重量平均分子量(THFを溶剤に用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算))は120,000、数平均分子量は60,000、付加重合体中の1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン単位/エチレン単位のモル比が39/61で、ガラス転移温度が147℃であった。
(合成例2)
合成例1で得た付加重合体150部をトルエン283部及びシクロヘキサン567部の混合溶媒に溶解し、ニッケル−シリカ担持触媒(日揮化学社製、E22U)45部を添加し、かき混ぜた。電熱加熱装置と電磁攪拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに前記溶液を仕込んだ。オートクレーブの内圧を4.5MPa、温度180℃に維持して水素を供給し、10時間水素化反応を行った。反応液をラジオライト#800で濾過し、無色透明な溶液を得た。この溶液を多量のメタノールに注ぎ、重合体水素化物を析出させた。析出した重合体水素化物を分取し、洗浄し、100℃で15時間減圧乾燥した。重合体水素化物の重量平均分子量は72,000、数平均分子量は40,000、ガラス転移温度は143℃であった。H−NMRスペクトル中に芳香環のシグナルは観測されず、芳香環の水素化率は99%以上であった。
(比較例1)
合成例1で得た付加重合体を射出成形して複屈折率測定用のディスクと光線透過率測定等用の樹脂成形体とを得、評価した。複屈折値は17nmであった。樹脂成形板の波長400nmでの光線透過率(T)は86%であった。レーザレーザ光線照射後の400nmの光線透過率(T)は50%であった。光線透過率の保持率(T/T)は58.1%であった。合成例1で得られた付加重合体は、芳香環の水素化を行っていないため、この付加重合体を用いた光学成形体は、耐ブルーレーザ性に劣ることがわかる。
(実施例1)
合成例2で得た重合体水素化物を比較例1と同じ方法で射出成形して、ディスクと樹脂成形板とを得、評価した。複屈折値は6nmであった。樹脂成形板の波長400nmでの光線透過率(T)は90%であった。レーザレーザ光線照射後の400nmの光線透過率(T)は85%であった。光線透過率の保持率(T/T)は94.4%であった。合成例2で得た重合体水素化物を用いることによって、酸化防止剤を添加しなくても、光学成形体は耐ブルーレーザ性に優れ、光線透過率が高く維持されることがわかる。
(合成例3)
合成例1で得た付加重合体について、以下に記載する通り、特開2004−197067号公報の実施例1に記載された方法に準拠して水素化した。
合成例1で得た付加重合体150部をトルエン283部及びシクロヘキサン567部の混合溶媒に溶解した。この溶液に、ラニーニッケル触媒(ニッケル含有量40重量%)4.33部を添加し、かき混ぜた。電熱加熱装置と電磁攪拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに前記溶液を仕込んだ。オートクレーブの内圧を3MPa、温度100℃に維持して水素を供給し、4時間水素化反応を行った。反応液をラジオライト#800で濾過し、無色透明な溶液を得た。この溶液を多量のメタノールに注ぎ付加重合体水素化物を析出させた。析出した付加重合体水素化物を分取し、洗浄し、100℃で15時間減圧乾燥した。得られた付加重合体水素化物は、H−NMRによって芳香環のシグナルが観測され、芳香環の水素化率は20%であった。
(比較例2)
合成例3で得た付加重合体水素化物を比較例1と同じ方法で射出成形しディスクと樹脂成形板とを得、評価した。複屈折値は14nmであった。また樹脂成形板の400nmでの光線透過率(T)は89%であった。
また樹脂成形板に波長400±10nmのレーザ光線を、積算照射量(積算光量)が520kJ/cmになるまで照射したところ、400nmでの光線透過率(T)が77%であった。光線透過率の保持率(T/T)は86.5%であった。
以上の結果から、芳香環を有するノルボルネン系単量体とα−オレフィンとを用いて得られる付加重合体の、前記芳香環を水素化していないもの(比較例1)や、芳香環の水素化が不十分であるもの(比較例2)では、酸化防止剤を配合していないと、ブルーレーザの積算照射量が多くなると光線透過率が低下してくる。これに対して、芳香環を90%以上水素化したもの(実施例1)では、酸化防止剤を配合していなくても、耐ブルーレーザ性に優れ、光線透過率の保持率も低下しないことがわかる。

Claims (3)

  1. 芳香環を有するノルボルネン系単量体(A)と、
    炭素数2〜20のα−オレフィン(B)との、
    の付加重合体を水素化したものであって、
    芳香環の水素化率が90%以上であり、
    数平均分子量が15,000以上である、
    付加重合体水素化物を含有する、
    ブルーレーザ用光学成形体。
  2. 芳香環を有するノルボルネン系単量体(A)が、脂環に縮合した芳香環を有するノルボルネン系単量体である請求項1記載のブルーレーザ用光学成形体。
  3. 芳香環を有するノルボルネン系単量体(A)が、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンである、請求項1記載のブルーレーザ用光学成形体。
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