JP2007092917A - 既設管の補修構造、補修装置及び該補修装置を用いた既設管の補修方法 - Google Patents

既設管の補修構造、補修装置及び該補修装置を用いた既設管の補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既設管に生じた亀裂等の漏水箇所からの漏水を確実に防止することのできる補修構造及び該補修構造を用いた既設管の補修方法を提供する。
【解決手段】既設管10に樹脂製の補修部材20を挿入し、この補修部材20が被覆層20aとして既設管10の内周面に被覆される補修構造において、少なくとも既設管10の軸方向における漏水箇所11の前後には、被覆層20aの外周面に位置し、既設管10の内周面と圧接して被覆する水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水層21aが設けられる。
【選択図】図4

Description

本発明は、地中に埋設された既設管の漏水箇所を補修部材等によって補修する補修構造、補修装置及び該補修装置を用いた既設管の補修方法に関する。
従来より、地中に埋設されている例えば下水用や建築用等の既設管は、老朽化や地盤変動などが起因となって管内面に亀裂等の破損が生じることがある。このため、このような破損した箇所から、例えば湧水や雨水などの土中水が漏水し、既設管の内部に流入するおそれがあった。
このような漏水箇所を補修するための技術として、例えば既設管の管路内面を熱可塑性樹脂の補修部材により補修することで、既設管を補修することが行われている。この補修方法によれば、既設管に所定長を有する熱可塑性樹脂製の円筒状補修部材を挿入し、この補修部材を加熱して元の形状に復元させて既設管の内面に密着させるので、平滑な内面が得られ、既設管を補強して更生させることができた。また、上記のような補修方法の他、既設管の漏水箇所に例えば光や熱により化学反応を伴い硬化するFRP(Fiber Reinforced Plastics )や短尺の金属リングを密着させて漏水部分を補修する方法も公知である。
しかしながら、上述した補修部材は、加熱して、元の形状に復元させることにより既設管の内面に密着して新たな管路内面を形成するものの、既設管との間を水密着構造で完全に漏水箇所を封止するためのものではないので、漏水を完全に防止することが困難であった。さらに、既設管の漏水箇所を上記補修部材以外の部材として光や熱により化学反応して硬化するFRPを用いた場合、光や熱による未反応部分が生じ、その部分の強度が低下してしまうという問題があった。また、補修部材として金属リングを用いた場合では、腐食等の長期的な品質安定性を考慮した際、補修構造としての信頼性に欠けるという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、既設管の老朽化や地盤変動など伴う管内面の漏水部分を補修し、漏水箇所からの漏水を確実に防止することができる既設管の補修構造、補修装置及び該補修装置を用いた既設管の補修方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1記載の既設管の補修構造は、既設管に熱可塑性樹脂製の円筒形状補修部材を挿入し、該補修部材が被覆層として前記既設管の内周面に被覆される既設管の補修構造において、
少なくとも前記補修部材の軸方向の前後外周面に、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水バンドを設け、前記補修部材を拡径させることにより、前記既設管の内周面に前記補修部材の外周面及び前記止水バンドを圧接させることを特徴とする既設管の補修構造。
請求項1記載の既設管の補修構造では、少なくとも補修部材の軸方向の前後外周面に、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水バンドを設け、補修部材を拡径させることにより、既設管の内周面に補修部材の外周面及び止水バンドを圧接させることで、漏水箇所からの漏水を確実に防止することができる。
請求項2記載の既設管の補修構造は、既設管に熱可塑性樹脂製の円筒状補修部材を挿入し、該補修部材が被覆層として前記既設管の内周面に被覆される既設管の補修構造において、
前記被覆層の外周面に位置し、前記既設管の内周面と圧接して被覆する水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水層を設けることを特徴とする。
請求項2記載の既設管の補修構造では、補修部材を既設管の内周面に被覆して被覆層を設けるとともに、被覆層の外周面に位置し、既設管の内周面と圧接して被覆する水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水層を設ける。これにより、既設管と被覆層との間を完全に密着させることができ、既設管と補修部材との間隙からの漏水を確実に防止する効果を奏する。
請求項3記載の既設管の補修構造は、請求項1又は2記載の既設管の補修構造において前記補修部材は、硬質ポリ塩化ビニル樹脂からなることを特徴とする。
請求項3記載の補修構造では、止水層の材質を硬質ポリ塩化ビニルにすることで、加熱処理により確実に軟化して既設管の内周面に被覆するように拡径することができ、且つ、長期的な品質安定性を有するので、信頼性の高い補修構造を提供することができる。
請求項4記載の既設管の補修構造は、請求項1記載の既設管の補修構造において、前記止水バンドは、前記補修部材の外周面のほぼ全面に亘って形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の既設管の補修構造では、止水バンドが補修部材の外周面のほぼ全面に亘って形成されているので、既設管と補修部材よりなる被覆層との間隙からの漏水を防止することができる。
請求項5記載の既設管の補修構造は、請求項1記載の既設管の補修構造において、前記止水バンドに代えて、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水体で漏水箇所を囲繞するように被覆することを特徴とする。
請求項5記載の既設管の補修構造では、止水バンドに代えて水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水体を用いて漏水箇所を囲繞するように被覆した場合であっても、止水バンドを用いた補修構造と同様に、漏水箇所からの漏水を確実に防止することができる。
請求項6記載の既設管の補修構造は、請求項2記載の既設管の補修構造において、前記止水層は、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーと非水膨張性ゴムとの複合構造であることを特徴とする。
請求項6記載の既設管の補修構造は、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーと非水膨張性ゴムとの複合構造である止水層を用いることで、水や外力に対する耐久性が増し、より信頼性のある補修構造を提供することができる。
請求項7記載の既設管の補修構造は、既設管に熱可塑性樹脂製の円筒形状補修部材を挿入し、該補修部材が被覆層として前記既設管の内周面に被覆される既設管の補修構造において、
前記補修部材と、少なくとも前記既設管の軸方向における漏水箇所の前後に位置し、前記補修部材の外周面の全周に亘って無端状に形成された水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなり止水バンドとを一体形成した複合止水部材を拡径させて、前記既設管の内周面に前記複合止水部材の外周面を圧接して被覆することを特徴とする。
請求項7記載の既設管の補修構造では、止水バンドと補修部材とを一体形成した複合止水部材を拡径させて、既設管の内周面に複合止水部材の外周面を圧接して被覆することにより複合止水部材が既設管の内周面に密着し、漏水箇所からの漏水を防止することができる。
請求項8記載の補修装置は、既設管に熱可塑性樹脂製の円筒形状補修部材を挿入し、該補修部材を前記既設管の内周面に密着させることにより前記既設管を補修する補修装置において、 前記補修部材へ加熱用又は冷却用の流体を圧送可能な流体圧送部と、
補修時の位置固定及び前記補修部材加熱時における前記加熱用流体の拡散を防止するための栓用エアーバッグと、
水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーからなる止水バンドを外周面に配置した前記補修部材を巻装する拡径用エアーバッグと、
前記専用エアーバックと前記拡径用エアーバックとにそれぞれ接続され、該各エアーバックに空気を加圧又は排気するためのポンプと、
を備えたことを特徴とする。
請求項8記載の補修装置では、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーからなる止水バンドを配置した補修部材を巻装した状態で既設管の漏水箇所まで搬入し、搬入後、栓用エアーバッグで位置固定し、流体圧送部で補修部材を加熱して軟化させ、この軟化した補修部材と止水バンドとを拡径用エアーバッグで拡径させた後流体圧送部で冷却して固定することで、補修部材と止水バンドとを既設管の内周面に密着させることができる。
請求項9記載の既設管の補修方法は、請求項8記載の補修装置を用いて既設管に熱可塑性樹脂製の円筒状補修部材を挿入し、該補修部材を前記既設管の内周面に密着させることにより前記既設管を補修する既設管の補修方法において、
前記補修装置を前記既設管の漏水箇所まで搬入するステップと、
前記栓用エアーバックに空気を加圧して膨張させ前記補修装置の位置固定をするステップと、
前記流体圧送部から前記加熱用流体を噴出して、前記補修部材を加熱して軟化させるステップと、
前記ポンプから空気を加圧して前記拡径用エアーバックを膨張させ、前記補修部材と該補修部材に配置された前記止水バンドとを拡径させながら前記既設管の内周面に圧接して被覆させるステップと、
前記流体圧送部から冷却用流体を噴出して前記拡径した補修部材を冷却して固定するとともに、前記ポンプで前記栓用エアーバック内の空気を排気するステップと、
前記補修部材を固定後、前記拡径用エアーバック内の空気を排気するステップと、を含むことを特徴とする。
請求項9記載の既設管の補修方法では、請求項8記載の補修装置を用いて既設管の漏水箇所を補修する際、補修部材を既設管の内周面に被覆して被覆層を設ける作業と、漏水箇所からの漏水を防止するための止水バンドを圧接して止水層を設ける作業とを同時に行うことができるので、前工程を増やすことなく確実に既設管の漏水箇所を補修することができる。
本発明に係る既設管の補修構造によれば、漏水箇所に補修部材を被覆させた被覆層と、少なくとも既設管の軸方向における漏水箇所の前後に、補修部材の外周面と既設管の内周面とを水密シールする水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水層とを設けたので構成であるため、漏水箇所から土中水が流入しても、止水層が吸水し膨張するため、既設管と補修部材との間隙が水密封止されて確実に漏水を防止することができる。
また、本発明に係る補修装置を用いた既設管の補修方法によれば、止水バンドを配置した補修部材を巻装した補修装置を既設管内の漏水箇所まで搬入した後、栓用エアーバックで位置固定して加熱し、この加熱により軟化した補修部材を拡径用エアーバッグにより完全に拡径して、補修部材と補修部材に配置された止水バンドとを既設管の内周面に被覆させることができるので、漏水部分を確実に補修できる信頼性の高い補修方法を提供することができる。
以下、本発明に係る補修構造及び既設管の補修方法の最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は本発明に係る補修構造を説明するための説明図、図1(b)は図1(a)におけるIーI線で切断したときの矢視図、図2は本発明に係る既設管の補修方法で使用する補修装置を説明するための概略構成図、図3は本発明に係る既設管の補修方法において補修装置を搬入した状態を示す説明図、図4は本発明に係る既設管の補修方法において補修装置の位置固定した状態を示す説明図、図5は本発明に係る既設管の補修方法において補修部材を加熱している状態を示す説明図、図6は本発明に係る既設管の補修方法において補修部材を拡径している状態を示す説明図、図7は本発明に係る既設管の補修方法において補修部材を冷却している状態を示す説明図、図8は本発明に係る既設管の補修方法において補修工程の完了状況を示す説明図である。
本発明による補修構造は、図1(a)、(b)に示すように、例えば下水管や建築配管などの既設管10の内部に生じた漏水箇所11を熱可塑性樹脂の補修部材20を専用の補修装置30を用いて補修する補修構造に採用される。補修部材20は、熱可塑性樹脂よりなる所定長を有する円筒形状であり、その材質には例えば硬質ポリ塩化ビニル樹脂などを使用することができる。補修部材20は、外径が、補修対象となる既設管10の内径よりも小さく、各端面部分が内面取りされて成形されており、約60〜80℃で軟化する。なお、補修部材20の外径は、補修対象である既設管10の内径よりも小さく、且つ、これを巻装する補修装置30に巻装できる程度の外径であれば、特に限定はされない。
補修部材20の既設管10への挿入は、後に詳述するように、専用の補修装置30に巻装して挿入される。既設管10に挿入された補修部材20は、まず補修装置30によって60〜80℃程度に加熱されることで軟化し、この軟化した補修部材20を拡径して既設管10の内壁面に密着させることで補修部材20からなる被覆層20aを設けている。また、このような補修構造において、既設管10と被覆層20aとの間における所定漏水箇所の少なくとも前後には、既設管10と被覆層20aとの間を水密シールするための止水バンド21からなる止水層21aが介装されている。
止水バンド21は、厚さが0.5〜1mm程度の厚さの水分と接触することにより膨張する吸水膨張性を有する水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーからなり、既設管の内周面の全周に亘って無端状(例えば円筒形状や環形状又は帯状に形成された止水バンド21の端部同士を突き合わせて固定した形状など)に形成される。止水バンド21は、被覆層20aの外周面に配置され、少なくとも既設管10の軸方向における漏水箇所11の前後に、既設管10の内周面と圧接して被覆する。すなわち、止水バンド21は、補修部材20とともに外挿され、補修部材20が加熱処理後に拡径されることで既設管10の内周面に密着されることとなる。したがって、被覆層20aと既設管10との間には、水の侵入により吸水膨張して被覆層20aの外周面と既設管10の内周面とを水密シールするための水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水層21aが設けられることになる。
なお、止水バンド21の形状は、例えば環状に形成された止水バンド21を既設管の長手方向に連続するように設けて略円筒状に形成されるような形状、補修部材20の外周面全体を被覆するような一つの筒体形状、補修部材20の外周面のほぼ全面に亘って形成された形状など、少なくとも既設管10の軸方向における漏水箇所11の前後において、既設管の内周面の全周に亘って無端状に形成されていれば、特に限定はされない。
このように、上述した補修構造では、加熱処理後に拡径されて漏水箇所11に密着する補修部材20と、少なくとも既設管10の軸方向における漏水箇所11の前後には、被覆層20aの外周面に位置し、既設管10の内周面と圧接して被覆する水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水バンド21を止水層21aとして設けている。このため、漏水箇所11から土中水が流入しても、止水層21aが吸水し膨張するため、既設管10と被覆層20aとの間隙が水密封止されて密着性が一層高まり、漏水を確実に防止することができる。
次に、図2〜図8を参照しながら、本発明に係る既設管の補修方法について具体的事例を挙げて説明する。ここでは、地中に埋設された下水管の漏水箇所11を補修するため、専用の補修装置30を用いて補修作業を行う場合を例に挙げて説明する。
まず、本発明の補修方法で使用する補修装置30について説明する。図2に示すように、補修装置30は、例えばマンホールなどから既設管10の漏水箇所11まで搬送し、所定操作を行って漏水箇所11を補修する装置であり、補修作業時の位置固定及び補修部材20加熱時における加熱用流体の拡散を防止するための栓用エアーバッグ31と、補修部材20へ加熱用流体を圧送可能な流体圧送部32と、巻装した補修部材20を拡径する拡径用エアーバッグ33と、空気を加圧又は排気するためのポンプ34(34a、34b)を備えて構成される。
栓用エアーバッグ31と拡径用エアーバッグ33は、それぞれに接続されたポンプ34a(34)、34b(34)を操作して空気を加圧又は排気することで各エアーバッグの膨張又は収縮を行う。また、流体圧送部32は、補修部材20を軟化させるため、補修部材20に約60〜80℃程度に加熱された加熱用流体を噴出するとともに、軟化後に拡径された補修部材20を冷却して密着させるための冷却用流体を噴出する。なお、この場合の加熱用流体としては、空気、蒸気等を好適に用いることができる。
そして、上記補修装置30を用いた補修方法としては、図3に示すように、まず既設管10の内部に生じた漏水箇所11を補修するため、まず外周面に止水バンド21が配置された所定長の補修部材20を巻装させた補修装置30を、漏水箇所11近傍のマンホール41から補修装置30を搬入して補修部材20を漏水箇所11まで搬送する。補修装置30の既設管内への導入の仕方としては、例えばマンホール41から補修装置30を搬入し、補修装置30の先端に固定した引っ張りベルトをマンホール42から引っ張ることにより行われる。また、このような引っ張りベルトを使用しない場合には、自走ロボット等を既設管10内に取り込み、この自走ロボット等により牽引させてもよい。
既設管10内部の漏水箇所11まで搬送した後、補修作業時の位置固定と補修部材20の加熱時に加熱用流体の拡散を防止するため、図4に示すように、ポンプ34a(34)から栓用エアーバッグ31に空気を加圧して膨張させる。そして、図5に示すように、栓用エアーバッグ31により補修装置30の位置を固定した後、流体圧送部32から約60〜80℃程度に加熱された流体を補修部材20の基端側から噴出して、所定時間、高温高圧の流体が加えられた状態のままとすることで、補修部材20を軟化させる。
補修部材20が軟化した後、補修部材20の外周面が既設管10の内周面に密着して被覆させるため、図6に示すように、ポンプ34b(34)から拡径用エアーバッグ33に空気を加圧して膨張させて軟化した補修部材20を既設管10の内周面に圧接する。これにより、補修部材20を拡径して既設管10の内周面に被覆させるとともに止水バンド21も拡径し、既設管10の内周面と補修部材20の外周面との間に密着される。
そして、拡径用エアーバッグ33で補修部材20と止水バンド21とを完全に拡径した後、図7に示すように、加熱された補修部材20を冷却するための流体圧送部32から冷却用流体を噴出し、補修部材20及び止水バンド21を冷却して固定する。これと同時に、栓用エアーバッグ31を加圧していた空気を排気して、栓用エアーバッグ31に充填された空気をポンプ34a(34)で排気する。そして、加熱された補修部材20及び止水バンド21が完全に冷却されたのを確認した後、図8に示すように、拡径用エアーバッグ33に充填された空気をポンプ34b(34)で排気して補修装置30を撤去し、補修作業が完了する。
このように、既設管10との補修方法によれば、既設管10の漏水箇所11まで水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーからなる止水バンド21を所定位置に配置した補修部材20を巻装した補修装置30を搬入する。そして、栓用エアーバッグ31で位置固定し、流体圧送部32で補修部材20を加熱して軟化させ、この軟化した補修部材20と止水バンド21とを拡径用エアーバッグ33で拡径させた後流体圧送部32で冷却して固定し、補修部材20と止水バンド21とを既設管10の内周面に密着させる。これにより、補修部材20の挿入とともに止水バンド21の挿入が行え、且つ、補修部材20の拡径と同時に止水バンド21を、既設管10と被覆層20aとの間に密着させることができるので、前工程を増やすことなく既設管10の漏水を確実に防止することができる。
ところで、上述した形態では、補修部材20の外周面の全周に亘って無端状に形成された止水バンド21を配置して止水層21aを設けた補修構造として説明したが、止水層21aは、少なくとも既設管10の軸方向における漏水箇所11の前後に配置して漏水を防止できる構造であればよいので、例えば止水バンド21の代わりに水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーからなる止水体を用いて漏水箇所を囲繞するように被覆したり、補修部材と、少なくとも既設管の軸方向における漏水箇所の前後に位置し、補修部材の外周面の全周に亘って無端状に形成された水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなり止水バンドとを一体形成した複合止水部材を用いた場合であっても、上述した補修構造と同様の効果を奏する。
また、上述した形態において、止水層21aは、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水バンドを止水層21aとして設けた構成であるが、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーと非水膨張性ゴムとの複合構造とした止水バンド21を止水層21aとして設けることで、水や外力による耐久性が向上し、より信頼性の高い既設管の補修構造を提供することができる。
さらに、漏水箇所11からの漏水が通常よりも激しい場合は、補修部材20の外周面に湿気硬化型の接着剤を塗布することにより、通常の漏水時と同様に既設管10の内周面と補修部材20の外周面に密着させることができ、長期的な品質安定を実現ことができる。
(a) 本発明に係る補修構造を説明するための説明図である (b) 図1(a)におけるIーI線で切断したときの矢視図である。 本発明に係る既設管の補修方法に用いる補修装置を説明するための概略構成図である。 本発明に係る既設管の補修方法において補修装置を搬入した状態を示す説明図である。 本発明に係る既設管の補修方法において補修装置の位置固定した状態を示す説明図である。 本発明に係る既設管の補修方法において補修部材を加熱している状態を示す説明図である。 本発明に係る既設管の補修方法において補修部材を拡径している状態を示す説明図である。 本発明に係る既設管の補修方法において補修部材を冷却している状態を示す説明図である。 本発明に係る既設管の補修方法において補修工程の完了状況を示す説明図である。
符号の説明
10 既設管
11 漏水箇所
20 補修部材
20a 被覆層
21 止水バンド
21a 止水層
30 補修装置
31 栓用エアーバッグ
32 流体圧送部
33 拡径用エアーバッグ
34a、34b ポンプ

Claims (9)

  1. 既設管に熱可塑性樹脂製の円筒形状補修部材を挿入し、該補修部材が被覆層として前記既設管の内周面に被覆される既設管の補修構造において、
    少なくとも前記補修部材の軸方向の前後外周面に、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水バンドを設け、前記補修部材を拡径させることにより、前記既設管の内周面に前記補修部材の外周面及び前記止水バンドを圧接させることを特徴とする既設管の補修構造。
  2. 既設管に熱可塑性樹脂製の円筒状補修部材を挿入し、該補修部材が被覆層として前記既設管の内周面に被覆される既設管の補修構造において、
    前記被覆層の外周面に位置し、前記既設管の内周面と圧接して被覆する水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水層を設けることを特徴とする既設管の補修構造。
  3. 前記補修部材は、硬質ポリ塩化ビニル樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2記載の既設管の補修構造。
  4. 前記止水バンドは、前記補修部材の外周面のほぼ全面に亘って形成されていることを特徴とする請求項1記載の既設管の補修構造。
  5. 前記前後の止水バンドに代えて、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなる止水体で漏水箇所を囲繞するように被覆することを特徴とする請求項1記載の既設管の補修構造。
  6. 前記止水層は、水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーと非水膨張性ゴムとの複合構造であることを特徴とする請求項2記載の既設管の補修構造。
  7. 既設管に熱可塑性樹脂製の円筒形状補修部材を挿入し、該補修部材が被覆層として前記既設管の内周面に被覆される既設管の補修構造において、
    前記補修部材と、少なくとも前記既設管の軸方向における漏水箇所の前後に位置し、前記補修部材の外周面の全周に亘って無端状に形成された水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーよりなり止水バンドとを一体形成した複合止水部材を拡径させて、前記既設管の内周面に前記複合止水部材の外周面を圧接して被覆することを特徴とする既設管の補修構造。
  8. 既設管に熱可塑性樹脂製の円筒形状補修部材を挿入し、該補修部材を前記既設管の内周面に密着させることにより前記既設管を補修する補修装置において、
    前記補修部材へ加熱用又は冷却用の流体を圧送可能な流体圧送部と、
    補修時の位置固定及び前記補修部材加熱時における前記加熱用流体の拡散を防止するための栓用エアーバッグと、
    水膨張性ゴム及び/又は水膨張性エラストマーからなる止水バンドを外周面に配置した前記補修部材を巻装する拡径用エアーバッグと、
    前記専用エアーバックと前記拡径用エアーバックとにそれぞれ接続され、該各エアーバックに空気を加圧又は排気するためのポンプと、
    を備えたことを特徴とする補修装置。
  9. 請求項7記載の補修装置を用いて既設管に熱可塑性樹脂製の円筒状補修部材を挿入し、該補修部材を前記既設管の内周面に密着させることにより前記既設管を補修する既設管の補修方法において、
    前記補修装置を前記既設管の漏水箇所まで搬入するステップと、
    前記栓用エアーバックに空気を加圧して膨張させ前記補修装置の位置固定をするステップと、
    前記流体圧送部から前記加熱用流体を噴出して、前記補修部材を加熱して軟化させるステップと、
    前記ポンプから空気を加圧して前記拡径用エアーバックを膨張させ、前記補修部材と該補修部材に配置された前記止水バンドとを拡径させながら前記既設管の内周面に圧接して被覆させるステップと、
    前記流体圧送部から冷却用流体を噴出して前記拡径した補修部材を冷却して固定するとともに、前記ポンプで前記栓用エアーバック内の空気を排気するステップと、
    前記補修部材を固定後、前記拡径用エアーバック内の空気を排気するステップと、を含むことを特徴とする既設管の補修方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012215192A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Tokyo Electric Power Co Inc:The 鋼管内周の劣化部分を補修する補修機及び当該補修機を用いた補修方法
KR101607525B1 (ko) 2015-08-28 2016-04-11 (주)국제피스코 지하매설관의 부분 파손 및 균열 보수를 위한 비씨피 공법

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