JP2007092322A - 排尿情報測定便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本来の便器の機能を損なうことなく、下水配管内の圧力変動に起因する、前記した便器トラップの破封防止、準備動作を含めた測定時間の短縮、測定範囲の確保という問題を解決した排尿情報測定便器を提供することである。
【解決手段】 本発明では、使用者が前記ボールに***した尿に関して少なくとも尿量を含む排尿情報を求める排尿情報測定便器において、尿量測定に必要な水位を選定するための情報を取得する水位選定情報取得手段と、前記水位選定情報取得手段によって取得された前記情報に基づいて前記設定水位を選定する溜水水位選定手段とを有し、水位形成手段は選定された設定水位に各水位を形成することによって、待機水位及び/又は測定開始水位の設定水位を変更可能としたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、衛生設備配管に接続される便器に伝達される現場特有の下水排管内の圧力変動状態に応じた排尿情報の測定環境を設定することに係り、特に尿量・尿流率等に関する所定の排尿情報測定機能の実現と、前記排尿情報測定機能の使い勝手向上の両立に好適な排尿情報測定便器に関する発明である。
従来の尿量・尿流率などの排尿情報測定便器は、一般に使用されるトラップ式便器のボールを排尿収集容器として使用し、便器ボール部の溜水の水位を通常の便器として使用する待機水位(便器を使用しない待機状態のときの水位)である溢流水位(ボール部の溜水がトラップから溢れて下水配管に流失する水位)より低い測定開始水位(実際に測定を開始するときの水位)にセットした後、測定は排尿に伴う溜水の水位変化を計測し、その結果を溜水量変化に換算して排尿情報を得るものがある(例えば、特許文献1参照。)
この場合、ボール部溜水の水位変化の測定自体はボール部溜水がゼロの水位から原理的には可能であるがこの文献例でも使用している通常のトラップ式便器では、下水配管とトイレ内の大気との連通を遮断する封水として機能する溜水をトラップに形成させることによって、下水配管内部で発生する下水臭や衛生害虫がトイレ内に侵入することの防止を計っている。
従って、溜水水位がトラップの封水水位(便器ボール面に開口しているトラップ口を完全に水没させる水位)未満ではトラップが破封状態となり下水配管からの汚臭の逆流・拡散が問題となる。
また、溜水水位がトラップの溢流水位を超えるとボール部溜水が下水配管に流出する溢流が発生するためボール部溜水の水位変化はなくなり測定不能となる。
即ち、トラップ式便器を測定に利用する形態では、測定に利用可能な溜水水位の範囲は、封水水位から溢流水位までの範囲に限定されることになり、測定開始水位もこの範囲で設定する必要がある。また、設定された測定開始水位から溢流水位までの溜水量に相当する量が測定可能な最大尿量値となる。
一方、便器が接続されている下水配管内の圧力は接続されている他の器具の使用状態によって変動し、その圧力変動が過大な場合、負圧では溜水が全て下水配管に吸引されることになり、正圧では溜水がボール外に吹き上げることになる。それらの現象が発生することを防止するため、空気調和・衛生工学会規格SHASE−S206において、下水配管内部で発生する圧力変動レベルが大気圧±40mmAqa以内となるよう、建物の設備配管設計に対して要求している。
そして、このような下水配管内の圧力変動が発生すると便器の溜水も圧力変動の影響を受けることになり、本発明における測定対象であるボール部溜水の水位も変化する。そのため、測定開始水位での封水深(便器ボール面に開口しているトラップ口を完全に水没させる水位位置からその時の溜水水位位置までの深さ)をあまり小さくしすぎると、下水配管の圧力変動が前記の規格内であっても、トラップが破封状態となり易く、下水配管から便器内への汚臭の逆流・拡散が問題となり、かつ乾燥面が広くなり***物飛沫で便器内部のボール面に汚れが発生しやすくなる。
従って測定開始水位は、前記規格の圧力変動レベルの最大圧時にも破封を起こさないことが必要で、トラップの封水水位よりこの下水配管の圧力変動も考慮した分だけさらに高い水位以上の範囲に設定しなければならないことになる。その場合、測定開始水位が高くなるほど、少ない***尿量でボール部の尿混じりの溜水がトラップを溢流してしまうため、測定できる最大尿量値が小さく即ち測定可能範囲が狭くなる。
ここで、尿量測定が対象とする被験者の排尿量は一回の排尿量を測定するだけでなく、例えば一定期間に***された複数回の尿を集めた蓄尿量を測定することも想定される。従って、測定できる最大尿量値は大きいほど、即ち、測定可能範囲が広いほど多くの測定機会に対応可能となる。
そのため、トラップ式の便器を測定に使用する場合において測定可能範囲を広くとる場合には、測定開始水位を上記した設定可能範囲内で出来るだけ低く設定する必要がある。すなわち、封水深を小さくしなければならない。
ところが、この文献例でも使用されている通常のトラップ式の便器は、封水水位から溢流水位までのボール面に貯められる溜水の量即ち一回の測定で測定可能な最大尿量は、このような尿量測定が対象とする被験者の各種の排尿量に対してそれ程余裕のあるものではない。従って、このような便器を使用する限り測定可能範囲を大きくとるために測定開始水位を低く設定するほど、封水深(封水水位位置からその時の溜水水位位置までの深さ)は小さくなり、前述した下水配管の圧力変動に対して破封状態が発生する可能性が高くなる。
ここまで述べてきたことは主として測定開始水位に関係する諸問題であったが、待機水位に関しても以下に述べる問題がある。即ち、便器などの下水配管に接続される設備器具に対しては、建築基準法施工令(以下「法令」と呼ぶ)において、封水深を50mm以上100mm以下とすることが要求されている。従って、排尿情報測定便器においてもこの法令が適用されるため、法令を遵守する限りにおいては、測定を行なわない待機状態のときの水位は少なくとも封水深を50mm以上とることが必要となる。
そのため、測定開始水位は種々の要因によって前述したような範囲で適宜設定可能であるが、待機水位と測定開始水位とを異なる水位に設定した場合は、測定に際して溜水の水位を待機水位から測定開始水位へ変更する測定準備動作に時間がかかることになり、被験者はトイレに行っても直ぐに排尿できず、使い勝手が悪くなるという問題がある。
一方、待機水位と測定開始水位とを同じ水位に設定した場合は、ただちに放尿して測定開始することが可能となるが、待機水位を前記の法令を遵守する水位とするならば測定開始水位は最低でも封水深は50mmの水位とせざるを得なくなる。そのため、測定可能範囲は前述したように狭くなりカバーできる測定対象も限られてくる。
以上述べてきたように、本発明に関する排尿情報測定便器の測定仕様は、下水配管の圧力変動量、測定可能範囲、準備動作を含めた測定時間といった因子が相互に関係するものである。
即ち、下水配管の圧力変動量に関しては建物の設備配管設計仕様で決まるため、実際に発生する圧力変動の最大値は本発明に関する排尿情報測定便器の設置される現場毎に異なる。
また、測定可能範囲に関しても設置現場の使用形態等によって必要とされる最大尿量値は異なる。
さらにまた、準備動作を含めた測定時間という使い勝手も被験者の好みや使用形態等の設置現場の状況によって異なってくる。
このように、本発明に関する排尿情報測定便器の溜水水位の設定に際しては、設置現場の状況に応じて異なる設定が必要と想定されるが、この設置現場の状況は実際に設置してみないと真の最適な条件は判明しない性質のものである。
WO2004/113630号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、下水配管内の圧力変動に起因する便器トラップの破封防止など本来の便器の機能を損なうことなく、準備動作を含めた測定時間の短縮、測定範囲の確保という測定に関わる諸問題を設置される現場の状況に応じて設置現場で最適に解決出来る排尿情報測定便器を提供することである。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、使用者の尿を受けるボールと、
前記ボールと下水配管とを連通させ、且つこの下水配管を水封する溜水を形成するトラップと、
前記溜水の、便器使用後に形成され次回便器使用時まで待機するときの前記溜水の水位である待機水位及び使用者が測定のために放尿を開始するときの前記溜水の水位である測定開始水位を、各々所定の設定水位に形成する水位形成手段と、
ボール内の前記溜水の水位を測定する水位測定手段とを有し、
前記水位測定手段の測定値に基づいて使用者が前記ボールに***した尿に関して少なくとも尿量を含む排尿情報を求める排尿情報測定便器において、
前記設定水位を選定するために必要な水位選定情報を取得する水位選定情報取得手段と、
前記水位選定情報取得手段によって取得された情報に基づいて前記設定水位を選定する溜水水位選定手段とを有し、
前記水位形成手段は溜水の水位を選定された前記設定水位に形成することによって、
前記待機水位及び前記測定開始水位の設定水位を変更可能としたことを特徴とすることにより、
下水配管の圧力変動状態や測定範囲等の水位設定に必要な情報を水位設定情報として取得することによって、排尿情報測定便器が設置される現場毎に異なる装置の測定仕様の設定が、装置の設置環境に応じて変更可能となるため、測定中の溜水の溢流による測定誤差の発生や便器破封による汚臭の逆流などの不具合の発生等を防止しながら、装置の設置環境に最適な排尿情報測定を行なうことができる。
上記目的を達成するために請求項2記載の発明によれば、前記水位選定情報取得手段が前記下水配管内の圧力変動が前記溜水の水位に与える影響量を計測する下水圧変動影響量計測手段を有していることを特徴とすることにより、
設置現場の圧力変動状態を自動的に計測することが可能となるため、変動状態の観測が困難な設置現場毎の下水圧変動環境に対して最適な装置の測定仕様を容易に設定できる。
また、請求項3記載の発明のよれば、前記溜水水位選定手段は前記設定水位を選定する閾値として下水圧変動量の所定値を有し、
前記下水圧変動影響量計測手段の計測した所定期間の観測値が前記所定値以下であるときは、
前記溜水水位選定手段は前記待機水位及び前記測定開始水位として予め定められた第1所定水位を選定し、前記水位形成手段は便器使用後に選定された前記第1所定水位を形成して次回使用時まで待機し、
前記観測値が前記所定値を超えているときは、
前記溜水水位選定手段は、前記待機水位として前記第1所定水位より高く且つ便器の溢流水位以下の予め定められた第2所定水位及び前記測定開始水位として前記第1所定水位より低い水位の予め定められた第3所定水位を選定し、また前記水位形成手段は、便器使用後に選定された前記第2所定水位を形成して次回使用時まで待機するとともに、次回測定開始前には選定された前記第3所定水位に水位を形成することを特徴とすることにより、
下水圧変動の影響量が小さい時は、測定準備動作のための待ち時間無くすぐに測定が実施でき、また、影響量が大きい時でも便器の破封による汚臭の発生や測定中の溜水の溢流による誤測定を防止できる、といった設置された現場の下水圧変動環境に対して最適な使い勝手と排尿情報の測定仕様設定が人手を介することなく自動的に行なえる。
また、請求項4記載の発明のよれば、前記第2所定水位を溢流水位とする
ことを特徴とすることにより、
待機水位が溢流水位であるため、設定水位形成のための水位設定手段の精度がそれ程必要とされず装置の構成が簡単となる。また通常の便器洗浄動作で水位設定が行なえ測定のためだけの動作を必要としないため、一回の測定に必要とする測定サイクル時間が短縮でき、次回の測定がより短時間で可能となる。
また、請求項5記載の発明のよれば、前記溜水水位選定手段は、前記待機水位及び/または測定開始水位の設定水位を手動で指定する設定水位指定手段を有することを特徴とすることにより、
使い勝手と衛生性のどちらを優先するかの判断を、設置現場の器具管理者の考え方に委ねることを可能とした。
また、請求項6記載の発明のよれば、排尿情報測定中に、前記水位選定手段の選定に使用した前記観測値と異なる圧力値を前記下水圧変動影響量計測手段が測定した時には、
排尿情報測定の結果に測定信頼性に関する情報を付加する
ことを特徴とすることにより、
排尿情報を利用する医療関係者が測定値に関する信頼性を把握した上で処置を検討できるため、処置の誤りが発生することを防止すると共に、仮に処置の誤りが発生したとしても、迅速な対処を促すことを可能とした。
また、請求項7記載の発明のよれば、前記下水圧変動影響量計測手段は下水圧力を測定する下水圧力測定手段であることを特徴とすることにより、
下水排管内の圧力変動を計測してそれが溜水水位に与える水位変化量を影響量として演算するようにしたため、
単純に圧力センサーを設けるだけで便器に大掛かりな加工を施す必要が無く、簡便にボール部とトラップの溜水が受ける影響量を求めることができる。
本発明によれば、設置現場の下水排管内圧力変動状態や現場管理者の判断を考慮して排尿情報測定便器の設定水位や測定範囲等の装置仕様を設定することが可能となるため、便器トラップの破封防止、準備動作を含めた測定時間の短縮、測定範囲の確保という相反する課題を、設置現場でその状況に応じて個別に設定できるという効果がある。
図1は本発明を実施した第1の実施例における排尿情報測定便器(以下「本装置」と呼ぶ)全体を示す斜視図である。図1を使用して、被験者と設備管理者の使い方について述べる。
本実施例における排尿情報測定便器101は、洋風大便器102と、排尿情報測定便器101を作動きせる種々の機能部と制御部120を収納したキャビネット104と、を有する。本形態では、さらに尿中の特定成分濃度等を測定する採尿装置114と便器に組み込まれた衛生洗浄装置を併せ持っているが、いずれも尿量測定に対しては必須のものではない。
洋風大便器102は、陶器製であり、その上部には、樹脂製の便座110及び便ふた112が回動自在に取り付けられている。
壁には、排尿情報測定便器を操作するための操作・表示部122として排尿情報測定部リモコン134と測定結果等を出力するプリンター136が設置されている。また、便器に組み込まれた衛生洗浄装置を動作させるための衛生洗浄装置リモコン132が併設されているが、排尿情報測定便器に対しては必須のものではない。
排尿情報測定部リモコン134は被験者がトレイに入室し、排尿情報を測定する時に操作するもので、測定開始意思を示す準備操作スイッチと、排尿が終了したことを示す排尿終了スイッチが設置されている。この排尿情報測定部リモコン134には被験者の経時的なデータを取得するために、個人認証スイッチやIDカード等の読み込み手段が設けられている。
測定結果はプリンター136を使用して被験者に開示されるようになっているが、排尿情報測定部リモコン134の表示部で被験者に開示しても良い。さらにまた、本排尿情報測定便器を医療機関に設置した場合は、複数の被験者データを看護師が所定の時刻に排尿情報測定部リモコン134を操作して、プリンター136からデータを取り出すことも考えられる。
図2は本実施例の構成を示すブロック図である。
便器1は排水ソケット10を介して下水配管9に接続されている。下水配管9に対して、トラップ5によって溜水4が形成されており、下水配管内で発生した臭気や衛生害虫がトイレ内に侵入しないよう衛生面が配慮されている。便器1の内側には被験者が***を行うボール2が形成されており、ボール2は水位形成手段6からのリム吐水ノズル7への給水によって周面が洗浄されるようになっており、またゼット吐水ノズル8への給水によってサイホン現象を発生させ、***物を下水配管に送出するようになっている。
水位形成手段6は便器1のリム吐水ノズル7とゼット吐水ノズル8へそれぞれ水を供給するリム吐水手段71とゼット吐水手段81とを備えている。ゼット吐水手段81からゼット吐水ノズル8への供給流路は分岐部82を持ち、溜水水位測定手段14への導圧水路83が分岐接続されている。導圧水路83は、溜水水位を測定するために溜水水位測定手段14に溜水4の水位ヘッドを伝達するためのものである。
水位形成手段6はサイホン現象によって溜水を排出するゼット吐水手段81と、空になったボール2に対して水を供給するリム吐水手段71、および、正確な水位を設定するための補水手段91で構成されている。本実施例では、前述の補水手段91による通水動作は分岐部82を介して、ゼット吐水ノズル8からボール2に供給されるようにしている。
下水配管との接続部分となる排水ソケット10には、下水圧変動影響量計測手段16が接続されている。水位形成手段6、溜水水位測定手段14、操作・表示部22、および下水圧変動影響量計測手段16は共通の制御部15に接続されており、それぞれ給水動作の制御、排尿情報の測定、被験者の操作受付処理や測定結果の出力等の各種の制御が行なわれる。
ここで、下水圧変動影響量計測手段16は、本装置が接続されている下水配管の圧力変動が本装置が尿量測定に使用している便器の溜水の水位に与える影響量を測定するものであり、本実施例では排水ソケット10に連通する管路に後述する圧力センサー121を設置して、前記影響量因子として便器のトラップ5の圧力変動を計測する形態をとっている。圧力センサー121の設置方法としては、下水配管の圧力変動を測定できればその設置形態は問わず、この他にも便器トラップに設置、あるいは下水配管部の圧力変動を測定するものでも採用可能である。
また、前記影響量を測定する方法としてこの他にも、下水配管の圧力変動の影響によって引き起こされる溜水の水位変化を通常用いられる各種の水位測定手段を設けて測定する方法を採用することも可能である。この場合、本発明の背景基盤となっている下水配管の圧力変動による水位変化量を直接得られるため実際の尿量測定で得られる溜水水位測定値の補正が簡単になる。
制御部15にはまた、下水圧変動影響量計測手段16の測定値を用いて、溜水4の水位の設定値を選定する溜水水位選定手段17が内蔵されており、その結果によって水位形成手段6を動作させるようになっている。また、制御部15は、排尿情報算出手段18が算出した種々の測定結果や個人認証結果・測定時刻などの測定環境情報を、被験者だけでなく、測定データを利用する医師・看護師などの医療関係者や、排尿情報測定便器の動作を管理する設備管理者との間で伝達する外部入出力手段(図示せず)を備えている。
なお、本実施例では溜水水位測定手段14の水位検出手段として水位変化に比例する出力がとれる圧力センサーを使用している。
その測定原理は、圧力センサーで求められる溜水の水位測定値を予め記憶された水位と溜水量の関係を求めた検量線から溜水量に換算し、排尿前後の溜水量差から尿量、また、時間的な溜水量変動カーブの微係数から尿流率などの排尿情報を求めるものであり、これを排尿中に連続して行なうことにより測定開始から任意の時刻の排尿量を精度良く計算することができる。この場合、水位変動を直接測定できることから装置の構成が簡単になる。
水位検出手段のその他の事例としては、非接触の超音波変位センサーなどを便器1に設けるようなものがあり、汚水と接しないことから高信頼性の動作を期待できることになる。
溜水水位測定手段14には、溜水の波立ちの影響を取り除く除振手段14aや、水位測定値の校正動作を実施する校正手段14bも合わせて内蔵されている。
下水圧変動影響量計測手段16は、下水排管内の圧力変動が溜水水位に及ぼす影響量を測定するものであり、後述する下水排管内の圧力変動を直接計測する圧力センサーや下水排管内の圧力変動によって引き起こされる溜水水位の変化量を計測する水位センサーなどが用いられる。
本発明が対象とする排尿情報測定便器によって行なわれる尿量測定は、便器のボール部の溜水の水位変化を計測するものであるが、前述したようにボール部の溜水はトラップを介して下水配管に接続されているため、溜水の水位は下水配管内の圧力変動の影響を受ける。
図3は下水配管内の圧力変動による溜水挙動の模式図である。図3を参照して、下水配管内圧力変動の影響を説明する。
図3(a)は、下水配管内の圧力が大気圧と等しい場合のボール2内及びトラップ5内の溜水の水位を示す図であり、(b)は下水配管内の圧力が負圧の場合、(c)は正圧の場合の水位を示す図である。
図3(a)に示すように、下水配管内の圧力が大気圧と等しい場合には、ボール2内の水位とトラップ5内の水位は等しい。これに対して、図3(b)のように、下水配管内の圧力が負圧になると、トラップ5内の溜水が下水配管の方に吸引されるので、トラップ5内の水位は上昇し、ボール2内の水位は下降する。逆に、図3(c)のように、下水配管内の圧力が正圧になると、トラップ5内の溜水が押され、トラップ5内の水位が下降し、ボール2内の水位が上昇する。
以上述べたように下水排管内部の下水圧変動は本発明が対象とする排尿情報測定便器による排尿情報の測定においては考慮すべき影響要因である。その対応策として、本発明を適用した排尿情報測定便器の実施例では、設置された場所の下水排管内で発生する圧力変動の大きさによって待機水位と測定開始水位の形態を本装置が自動的に選定する。
図4は下水配管内の圧力変動に対応する本発明の実施例における測定待機時と測定時の溜水水位を示す模式図である。図4を参照して、下水配管内圧力変動への対応の考え方を説明する。
なお、便器の最大封水深は便器固有の構造で決まるものでここでは「機械的封水深」と呼ぶ。
図4(a)は下水排管内で発生する圧力変動が所定値より小さい場合(設定水位モード1)の、待機時と測定時の溜水水位と封水深を示す。このように、待機時の待機水位と測定開始時の測定開始水位を同じ水位(第1所定水位)としている。図4(b)は下水排管内で発生する圧力変動が所定値より大きな場合(設定水位モード2)の、待機時と測定時の溜水水位を示す。このように、待機時の水位を溢流水位と同じ水位(第2所定水位)とし、測定開始時の溜水水位を図4(a)の場合の測定開始水位より低い水位(第3所定水位)としている。
なお、前述した圧力変動の所定値の設定に当たっては、圧力変動によって溜水水位が変動しても、本装置の仕様として設定される溜水の待機時封水深及び測定可能最大尿量値が確保できることが前提となる。ここで、待機時封水深は前述したとおり法令によって構造的に50mm以上であることが求められている。また測定可能最大尿量値は、標準的には病院等の入院患者当の被験者の通常***する排尿量の最大値(調査データによると約800mL)をカバーすることが必要である。
したがって本実施例では、機械的封水深78mmの便器に対して仕様値として、測定可能最大尿量値800mL以上を設定し、待機時封水深を法令を遵守する範囲で測定可能尿量値を最も大きく出来る50mmとした。また圧力変動の前記所定値を、調査データによって設置場所の圧力変動の多くの場合を占めると思われる±10mmAqaと定めた。したがって、本実施例では下水排管内で発生する圧力変動が±10mmAqaを超えるような現場では図4(b)の設定とし、圧力変動が±10mmAqaを超えない現場では図4(a)の設定とするものである。
図4(a)のように、測定開始水位を待機時水位とする場合においては、待機時封水深は前述のとおり法令によって構造的に50mm以上であることが求められているため、待機水位は封水深50mm以上となる水位に設定しなければならない。したがって、この形態では測定開始水位も封水深50mm以上の高い水位にせざるを得ない。一方、測定可能最大尿量値は溢流水位と測定開始水位の各溜水量差で決まるため、本形態は図4(b)の形態に比べて測定可能最大尿量値はより小さくならざるを得ない。
通常のトラップ式便器と言われる便器は機械的封水深はそれ程大きくなく、本実施例で採用している便器のそれも前述したとおり78mmであり、法令によって待機水位に必要とされる水位の最低水位である封水深50mmの水位を測定開始水位として採用すると、測定可能最大尿量値の仕様値800mL以上に対してあまり余裕がない。
さらに、圧力変動発生時にトラップに負圧が加わった場合は、トラップ5の溜水水位は溢流水位に近づくことから、測定できる最大尿量値は更に小さくなってしまうことになる。
従って、この形態を適用するには、下水配管内で発生する圧力変動が小さい、言い換えるとボール2とトラップ5の間に発生する水位差が小さいことがその条件となる。圧力変動が大きな現場で本方式を採用した場合、溜水水位が圧力変動によってシフトして測定中に溜水の溢流が生じ、所定の尿量測定範囲を確保できないことになる。
しかしながらこの形態の場合は、測定開始水位を創生する準備動作が測定開始前には不要であり、被験者がすぐに排尿しても尿混じりの溜水が溢流することは無く、溜水水位変化を測定して尿量をはじめとする排尿情報の算出が可能である。したがって被験者は待ち時間無く測定動作ができるため、使い勝手がよい。
図4(a)の場合より高い溜水水位(第2所定水位、本実施例では溢流水位)として、図4(b)のように、待機時は法令の最小封水深(50mm以上)を遵守した溜水水位とし、測定時のみ溜水水位を下げて測定開始水位を創ることとする場合、測定開始水位は法令に規制されず自由に選択できることになる。したがって、測定開始水位を前述した図4(a)の形態と比較してより下方の水位(第3所定水位)を測定開始水位に選定すれば、図4(a)の形態と比べて尿量測定範囲自体を拡大しているため、圧力変動発生時も十分な尿量測定範囲を確保できることになる。
なお、この形態の測定開始水位は本装置使用開始時にセットされるものであり、したがって、法令の封水深(50mm)が想定しているような時間経過による溜水4の蒸発による破封を考えないで良い。また、実際に下水配管設備発生し得る圧力変動の最大値とされている±40mmAqaの正圧または負圧によってボール側あるいはトラップ側に溜水が片寄せられたとしても、便器の破封による下水配管内の汚臭の逆流は発生しないと考えられる封水深25mmの水位設定が推奨される。。
またこの形態では、待機中の水位は測定開始水位ではないため、尿量測定するためには水位を待機時水位から測定開始水位に変更するための測定準備動作が必要となる。したがって、被験者は測定するに際して、溜水4の水位が測定開始水位になるのを待つことになり、すぐに排尿することはできない。
このように、この形態は測定開始前の準備動作が必要なため、被験者に排尿を一時待ってもらうという使い勝手面の制約はある反面、測定開始後に下水配管内の圧力変動によってボール2とトラップ5の間に発生する水位差がある程度大きくなった場合でも、溜水4が溢流することが無く測定できることになり、尿量測定範囲を拡大できる。
なお、本実施例ではこの設定水位モードでは待機水位は溢流水位として、待機水位の創成を使用後に行なう通常の便器洗浄動作で行なうこととしているが、この形態の変形例として、待機水位は溢流水位ではなく、法令の最低封水深(50mm以上)を遵守する封水深50mm以上で本実施例に採用した便器の機械的封水深78mm以下の任意水位としておくことも採用可能である。
このように本実施例では設置現場の下水圧変動量の所定期間の測定結果によって前記した2種類の設定水位形態から本装置自身が自動的にどちらかの形態を選定している。ここで、圧力変動の発生レベルは建物の設備設計に起因することから、建物毎で発生する圧力レベルは違いがある。また、器具の同時使用で圧力変動値は大きくなりその場合が設置現場での最大圧力変動となることが多いが、同時使用の発生頻度は多くないことから、最大圧力が働くのは短い時間帯と考えられる。従って、本実施例では設置現場の圧力変動の傾向を把握するために、下水排管内の圧力変動の所定期間として生活習慣リズムの単位と考えられる1日を採用して、その間の変動の最大値を実測して、その結果によって図4(a)または(b)のモードのいづれかを選定している。
圧力変動のレベルで本装置自身が自動的に図4(a)または(b)の設定水位モードを選定する方法を前述したが、本実施例では最大尿量測定範囲を大きくしたい時などに装置の管理者等が設定水位の選定方法を選択可能とするため設けられている後述する図示しない水位設定方法選択スイッチによって図4(b)の設定水位モードを選定することも可能となっている。この用途としては、被験者が毎回の排尿量を測定するのではなく、看護師がカテーテルで導尿した蓄尿バックの全体容量を測定する時など複数回の排尿が蓄積された大尿量の測定が想定される。
逆に、圧力変動の発生は器具の同時使用など、設備利用者側の使い方のバラツキによって、その圧力変動値は変化する。従って、トラップからの溢流が起こるような圧力変動の発生を検知して、本装置が図4(b)の設定水位モードを選定しても、設備管理者がリスクを判断し、図4(a)の設定水位モードに切り替えて、被験者の使い勝手を優先する設定水位モード選択手段を採用してもよい。
その場合、本装置が測定中に過大な圧力変動を検出した場合は、測定誤差が発生している恐れのあることを測定結果に付記するようにして、排尿情報を利用する医療関係者が測定値に関するの信頼性を把握した上で処置を検討することによって、処置の誤りが発生することを防止することも可能である。反対に、万一の下水臭拡散や衛生害虫の侵入防止を優先し、器具が図4(a)の設定水位モードを選定しても、設備管理者が図4(b)の設定水位モードに切り替えて、万一の衛生性問題発生防止を優先することも可能になる。
図5は本発明の排尿情報測定便器の測定部114dの詳細構成と各水位を示した図であり、この図を用いて下水配管圧力変動量が所定値より小さい場合、すなわち前記図4(a)で示した設定水位モード1の動作について詳説する。
洋風大便器102は、被験者の尿、便等を受けるボール106と、このボール106のリム部分から洗浄水を吐水させるリム吐水ノズル107と、ボール106の底部と連通し、ボール106を水封するトラップ108と、を有する。また、洋風大便器102は、ボール106の底部に配置され、トラップ108に向けて洗浄水を噴出するゼット吐水ノズル109を有する。また、ボール106の上方には、図示しない便座と当接するリム面106aが形成されている。
図5に示すように、待機時においては、排尿情報測定便器101のボール106内の溜水水位は、Yで示す測定開始水位になっている。測定開始水位Yは下水配管内の圧力変動による破封防止を配慮した水位であり、破封水位X2に対して封水深50mm以上の位置である。トラップの頂部108aの位置である溢流水位Hと、測定開始水位Yの溜水量差が尿量測定範囲ということになる。
被験者が測定を開始しようとした時、操作・表示部122には「待機中」と表示されている。被験者が着座前に準備スイッチ(図示せず)を操作、又はIDカードやタグなどの個人認証手段(図示せず)を操作すると、補助タンク119kに溜められた水は、ポンプ119lと開閉弁119mと開閉弁119nを経て、一端が大気に開放されている校正管119fに導かれる。導かれた水は校正管119fの分岐部119qまで上昇した後、トラップ管路118bを経て、排水ソケット10に排出される。
この動作によって校正管119fの内部には分岐部119qの高さまで水が充填されることになる。したがって、分岐部119qの高さは常に一定で既知であるため、校正管119fの一端に接続された溜水水位を測定する圧力センサー118は、このときの校正管119f内部の水位を測定して原点校正を実施する。また、校正管119fの水位という常に一定圧力のものと比較して校正を行うことで、圧力センサー118 は水位を絶対位置として測定できるようになる。
なお、圧力センサー118は前述の校正動作によって絶対値が測定できるようになっているため、測定開始水位を設定するための給水量にばらつきが生じたり、測定開始水位に設定された溜水が蒸発して水位を減じたとしても、前記検量線を使用して、排尿前後の溜水量差を尿量をはじめとする排尿情報に換算できるようになっている。
本実施例で使用する圧力センサー118 は溜水水位を圧力変動値として測定するセンサーである半導体圧力センサーを想定しているが、組み込まれた半導体ダイアフラムは通電や環境温度によって出力が変化するドリフト現象を発生することがあるため、それらの影響を防止するために測定の都度、測定開始直前の準備動作として校正を行っている。
次に、制御手段120は校正管119fに通水を行った開閉弁119mと開閉弁119nを閉止し、溜水水位を測定すべく開閉弁119bを開放して準備動作を終了すると測定可能な状態となり、操作・表示部122 の表示は「測定中」になる。
表示が「測定中」に変化したのを確認して、被験者はボール106に排尿する。被験者が排尿すると、図5に示すように、ボール106内の水位は上昇し、水位Zとなる。排尿が終わった後、被験者が、操作・表示部122 の排尿終了スイッチ(図示せず)を操作するか、または一定時間継続して溜水水位変化がなくなることにより排尿終了が検知されると、制御手段120は、圧力センサ118によって排尿後水位Zにおける圧力が測定される。そして、この測定された圧力値を予め求められている校正曲線によって溜水の水位に変換し、さらにこれも予め求められている水位と溜水量との関係である検量線によって溜水量に変換している。
ここで、溜水4と校正管119f内部の水とは導圧管路を介して繋がっているため、溜水4の水位変化に合わせて校正管119f内部の水位は上下することになるが、導圧管路・校正管径が小さいと溜水水位変化に対して校正管119f内部の水位変化が鋭敏になり圧力センサー118の出力が脈動しやすい。対して、導圧管路・校正管径が大きいと溜水水位変化に対する校正管119f内部の水位変化が鈍感になり、圧力センサー118の出力が脈動しにくくなる。すなわち、圧力導管118aに対する校正管119fの管径の組み合わせで、圧力変動(脈動)に対する測定系の感度が変化することがわかった。
本実施例では排尿量だけでなく、排尿能力を判断するための指標であり溜水4の水位の時間的変化率として求められる尿流率も併せて測定しているため、この圧力変動(脈動)の影響は大きい。従って、求められる測定精度によって、導圧管路や校正管の管径を最適なものに調整している。
また圧力導管118aの途中に管路径を絞る絞りオリフィスを加えると、溜水水位変化に対する圧力センサー118の検知挙動に遅れは増大するものの、溜水水位変化に伴う脈動が圧力センサー118に伝わり難くなり、脈動の影響が小さくなることも判明した。
圧力センサー118によって計測される溜水4の水位は前述の下水排管内圧力変動によって水位が影響を受けてシフトするため、圧力センサー118によって計測される溜水水位値も下水圧変動に対して脈動分である1〜3Hzの振動を制御的なフィルターで取り除き、測定系の持つ遅れ時間(位相ずれ)分だけ換算すべき時間をずらし、溜水水位を圧力変動が無かった場合の水位に補正する。
排尿前後の溜水量差が尿量であり、制御手段15に内蔵された排尿情報算出手段18で演算された尿量・尿流率などの排尿情報は、操作・表示部122に表示される。出力形態としては、プリンター136から紙面でプリントアウトされたり、電子記憶媒体や施設内LANなどに電子情報として出力されるものであってもよい。なお病院で本技術の排尿情報測定便器101を使用する場合、医療行為として測定される尿量測定値が被験者としての患者に対して精神的な圧迫を与えて患者の病状に悪影響が出ると判断される時には、測定結果の表示機能を省略することも考えられる。出力形態については、被験者としての患者ではなく、そのデータを活用する医療関係者のニーズを十分配慮した上で、適宜、出力仕様を見直すべきである。
測定が終了すると、操作・表示部122の表示が「測定準備中」に変化する。被験者が操作をする、または、所定時間以上離座すると便器洗浄動作を開始する。制御手段120は、リム吐水ノズル107から所定時間吐水させ、図5に示すように、ボール106内の水位がトラップ108の満水水位W近傍まで上昇すると共に、旋回流で汚物が中央に集められる。次いで、制御手段120は、リム吐水ノズル107からの吐水を停止し、ゼット吐水ノズル109 から吐水させる。ゼット吐水ノズル109からの吐水により、トラッブ部108にサイホン現象が発生し、ボール106 内の洗浄水及び尿がトラップ108に吸い込まれ、ボール106 内の水位が低下する。サイホン現象終了後、制御手段120は、再びリム吐水ノズル107から所定時間吐水させ、ボール106内の水位を測定開始水位Yまで上昇させて、待機状態に戻る。その後、操作・表示部122の表示が「待機中」に変化する。
なお、測定開始水位Yが目標とする所定水位より低い場合、補助タンク119k中の水を、圧力導管118aとゼット吐水ノズル109経由で、ポンプ119lで追加供給して所定水位に修正するようにしても良い。この場合、補助タンク119kから供給される水が、圧力導管118aからボール106に向けた送出されるため、圧力導管118aの内部洗浄も実施できることになり、長期の動作信頼性が配慮されていることになる。
前記図2のブロック図で示した水位形成手段6は、給水を行う流路切替手段116と補助タンク119k、および、設定した水位を確認する圧力センサー118ということになる。リム吐水ノズル107とゼット吐水ノズル109からの給水によって、溜水水位選定手段17が指定する所定の水位が作り出されるようになっている。下水排管内で発生した圧力変動量は圧力センサー121で計測される。
計測された下水圧変動量に基づいて、前記したように、下水排管内で発生する圧力変動量が所定値より小さい時は、図4(a)の状態を選定し、所定値より大きい時は、図4(b)の状態を選定することになる。下水排管内で発生した圧力変動による溜水4の水位が受ける影響量を把握するのが目的であるから、本実施例のように大気圧に対する圧力差を測定するタイプの測定手段である圧力センサーだけでなく、他に非接触方式の超音波センサーや、接触方式の検知電極配置方式を用いた水位測定手段でボール部及び/又はトラップの水位を直接測定しても良い。
測定されるボール部水位からその時の溜水量を求めるためには、任意のボール部水位における溜水量の関係である検量線を予め求めておく必要があるが、洋風大便器102は陶器製であり形状面で個体差が大きいため、本実施例では検量線を求める機能を持たせて、便器ボール部の個体間差をなくすことによって、より高精度な測定が行なえるようにしている。
すなわち、ボール106内の溜水を所定毎、圧力導管118aと開閉弁119d経由でポンプ119hが吸引、トラップ119iを介して排水導管118b経由で下水配管9に排出しながら、そのときの水位を測定することとよって検量線は設定される。
なお、前記の検量線設定動作に先立って、溜水中の異物を排出するための洗浄動作を実施することで前記の溜水中の異物の吸引を防止している。また、検量線設定動作は排尿情報測定便器101を使用する可能性が小さな夜中などに実施される。このような校正とすることで、検量線設定のための手間が無く、施工作業者や性能・機能の維持管理者の手間を煩わすことがない。検量線の設定方法としては、ボール106の溜水4を排水する方式だけでなく、複数回に分けて所定量の水をボール106に投入しながら、水位と溜水量の検量線を求めるようにしてもよい。
図6は本発明の排尿情報測定便器の下水配管圧力変動量が所定値より大きい場合、すなわち前記図4(b)で示した設定水位モード2の場合の測定部114dの詳細構成と各水位を示した図であり、測定部114dの詳細構成は設定水位モード1の場合と同じである。
以下、その動作を詳説するが、前述した設定水位モード1の場合と同じ部分の説明は省略して、異なる部分のみ説明する。
本実施例では、被験者が測定のためトイレに入った時、排尿情報測定便器101のボール106内の溜水水位は、Hで示す溢流水位になっている。測定開始水位Yは使用者が測定のための排尿を開始する前に、準備動作によって設定される水位であり、下水排管内圧力変動±40mmAqaを配慮し、破封水位X2に対して封水深20〜25mmの位置としている。トラップの頂部108aの位置である溢流水位Hと、測定開始水位Yの溜水量差が尿量測定範囲ということになる。
また、操作・表示部122には「待機中」と表示されている。被験者が排尿前に準備スイッチ(図示せず)を操作、又はIDカードやタグなどの個人認証手段(図示せず)を操作すると、通常の便器動作が開始されサイホン現象の発生によって内溜水4はトラップ108を経由して下水配管に排出されてボール106の水位が低下する。
サイホン現象終了後、制御手段120は、再びリム吐水ノズル107から所定時間吐水させ、ボール106内の水位を測定開始水位Yまで上昇させて、排尿情報を測定可能な溜水水位にセットが完了する。なお、測定開始水位Yが所定量より少ない場合、補助タンク119k中の水を、圧力導管118aとゼット吐水ノズル109経由で供給するようにしている。
測定開始水位のセットが終了すると、操作・表示部122 の表示は「測定可」になる。以降、設定水位モード1の場合と同様、溜水水位変化を測定して尿量に換算演算を実施することになる。測定終了後、被験者の操作や利座を検知することによって通常の便器洗浄が行なわれ、待機状態になる。
すなわち、本設定水位モードでは待機水位が通常の便器洗浄の溜水排出後のリム給水によってなされることになるため、待機水位は溢流水位にセットされるようになっている
図7は本発明の排尿情報測定便器の実施例の測定開始時と測定待機時の各水位の設定値の組み合わせである設定水位モード設定と、それに応じた装置動作を示すフローチャートであり、以下に詳説する。なお、本実施例では設定水位の選定方法を手動でも指定可能とするため水位設定方法選択スイッチ(図示せず)を設けている。
本装置が施工現場に取り付けられ、水位測定のために必要な水位測定手段の出力校正作業や溜水水位と溜水量との関係を求める補正曲線の作成作業等の設置作業が完了すると、先ずステップS10で設備管理者又は設置業者が本装置に設けられている水位設定方法選択スイッチで設定水位の選定方法をセットする。水位選定方法の選択は本装置の自動設定機能に委ねる「自動」と、設定水位の選定に関係する水位選定情報を手動で選択指定できる「手動」の2種類に大別され、その選択された内容はステップS11で記憶される。
S12で設定入力値を判断して、「自動」の場合はステップS13で下水排管内圧力変動状態の測定を開始し、その1日分の測定値を蓄積する。蓄積された圧力変動状態をステップS14で判断し、設定水位モードを決定する。本実施例では蓄積された圧力変動の中での最大値によって前述した2種類の設定水位モードのどちらかが選択される。すなわち、圧力変動の最大値が所定値以下の場合はステップS15で待機水位を測定開始水位と同じ水位(第1所定水位)としてそのまま測定を開始する設定水位モード1が選定され、ステップS16で待機水位が第1所定水位にセットされる。また所定値を超える場合はステップS17で待機水位として第2所定水位が選定され、、ステップS17でモードの待機水位が溢流水位にセットされる。
なお、データ蓄積期間として1日分としたのは、建物の使われ方に関するサイクルが1日を同一サイクルとして繰返す場合が多いためである。従って、建物の使われ方によっては、データ蓄積期間の所定期間を別途変更することにしても良い。
また、S12で設定入力値を判断して、水位選定方法が「手動」の場合、ステップS21で水位設定方法選択スイッチで選択された水位設定情報の内容に応じた待機水位の設定水位が溜水水位選定手段によって選定され、ステップS22で選定された待機水位に水位がセットされる。
なお、水位設定方法選択スイッチが「手動」の場合の前記水位選定情報の指定方法としては、予め定められた複数の設定水位の組み合わせからいづれか一つを選択する方法や、待機水位や設定水位そのものを数値指定する方法等、設定作業で通常用いられる各種の選択方法が採用可能である。
いずれの水位選定方法を選択しても、以上で本装置の設置時の測定準備動作は終わり、測定のための使用が可能な状態となる。ここまで取付け施工時に設定水位モードを設定する場合を想定して説明してきたが、本実施例では、施工設置後ある期間実際に排尿情報の測定を行なった後、下水排管内圧力変動状態や測定対象者の排尿量の分布状態に応じて、水位設定方法選択スイッチの「手動」モードを選択して、再度、設定水位モード設定を変更することも可能である。
以上述べたように、本実施例の水位設定方法選択スイッチの「自動」を選択した場合、待機水位及び測定開始水位の設定水位の選定に使用する水位選定情報は、下水圧変動影響量計測手段が下水圧力を計測することによって得られる下水圧変動の観測値であり、それを本装置が自動的に取得し、その大きさによって設定水位が異なる2種類の設定水位モードのどちらかを判断して決定する。また、「手動」を選択した場合は、人手によって入力された水位選定情報を本装置が取得し、それに基づいて設定水位を選定する。
すなわち、本実施例は「自動」及び「手動」という2種類の水位選定情報の取得形態(モード)を兼ね備えている。本実施例の変形例として、取得形態を「手動」モードのみ、即ち、水位選定情報取得手段の構成を、水位選定に必要な水位選定情報を人手で全て入力する水位選定情報入力部を設けることによって装置が情報取得する構成として、水位選定情報を自動で取得する手段の一つである下水圧変動影響量計測手段を設けない構成とすることも可能である。
次に、実際の排尿情報の測定動作の詳細について、図8の本発明の排尿情報測定便器の実施例の測定動作を示すフローチャートを使用して以下に述べる。
S101で被験者が測定開始を入力することによって、本装置の表示を「待機中」から「測定準備中」に切り替えるとともに、本装置は測定モードとなり測定準備動作をスタートする。測定開始の入力は、操作・表示部のスイッチ操作であったり、IDカードの本装置への挿入であったり、IDタグをかざすものであったり、種々の方法が採用可能で測定開始操作方法を限定するものではない。医療機関において、測定結果の経時的な動向が問題となることが多いため、個人情報と時刻情報が同時に取得できる方法が望まれることが多い。
次に、測定準備を行う。S102において、記憶されている設定水位モードを判断し、それが設定水位モード1の場合、待機水位は測定開始水位(第1所定水位)にセットされているため、ただちに、溜水水位を測定する圧力センサー118と下水圧変動量を測定する圧力センサー121の出力を校正する。ここで、圧力センサー121の出力は大気圧を基準として校正されれた後、本装置の表示を「測定準備中」から「測定可」に切り替えて、測定準備動作を終了する。
また、記憶されている設定水位モードがモード2の場合、S104で溜水水位を待機している溢流水位(第2所定水位)から測定開始水位(第3所定水位)に変更する水位変更動作が実施された後、S105で圧力センサーの校正動作が行われ、本装置の表示を「測定準備中」から「測定可」に切り替えて、測定準備動作を終了する。
被験者は、表示が「測定準備中」から「測定可」に切り換わったのを確認した後、S106で測定開始スイッチを操作して排尿動作を開始する。
測定開始スイッチが操作されると、S107で測定時刻タイマーがスタートし、圧力センサー118、121によって。夫々溜水水位と下水圧力の測定が継続して行なわれ記録される。
測定開始スイッチ操作を省略するために、測定準備操作後に被験者が便座に着座したことを検出して、自動的に測定を開始するものであっても良い。
S107で測定終了操作が行なわれると、表示が「測定可」から「測定準備中」に切り換わり、記録された溜水水位と下水圧力の測定データの処理動作を開始する。なお、排尿終了は、被験者のスイッチ操作入力だけでなく、溜水の水位変化が観測された後に所定時間溜水の水位変化が無いことを検出を排尿終了と見なして測定終了処理を実施しても良い。
S109は測定された下水圧変動の経時変動データから、非定常成分を取り除くステップである。得られたの測定データに含まれる1〜3Hzの脈動成分(以下この成分を「非定常成分」という)を取り除き、実際の変動成分(以下この成分を「定常成分」という)だけを取り出す。そのために、移動平均や適応フィルターなど各種デジタル処理を実施して、この非定常成分を除去する処理を実施する。
次にS109で、得られた下水圧変動に含まれる定常成分と、溜水水位測定系の遅れ時間(位相ずれ)を勘案して、測定された所定時刻の溜水水位を圧力変動無しの状態に換算する。溜水水位の測定系は圧力導管118aを介して測定されるため下水配管内圧力変動に対して遅れ(出力波形の位相がずれる)が生じる。したがって、その遅れが0.2秒であれば、0.2秒前の時刻の下水配管内圧力変動値を利用して溜水水位を圧力変動無しの状態に換算するものである。
なお、溜水水位の測定系が非定常成分を含む下水配管内圧力変動に対して追従するような状態であれば、S110の処理は削除され、各時刻毎に溜水水位は圧力変動無し状態に換算することも可能であるが、本実施例の測定システムは前述したようにその構成による応答遅れがあるため、溜水水位の経時測定データと、下水圧変動の経時測定データを記録し終わってから、溜水水位の経時データを圧力変動無しの状態に換算している。S111は尿量・尿流率などの排尿情報を選定するステップである。S110で得られた各時刻毎の溜水水位情報は、予め求められている溜水水位と溜水量との関係を示す検量線によって溜水量に換算される。したがって、排尿前後の溜水量の差が尿量になり、また溜水量の時刻変動データを時間微分すると、尿量の時間的変化率である尿量変動率が得られることになる。そして、1秒間毎の溜水量差が医療分野で用いられる尿流率といわれる指標である。
S111は測定結果を出力するステップである。出力としては測定結果の画面表示、紙への印刷、電子媒体への記憶、および、通信回線への情報伝送が考えられる。また、測定中に過大な下水排管内圧力変動があったり、溜水が溢流したりして測定誤差が発生している恐れがあり得られた測定結果に信頼性の懸念がある場合はその旨を測定結果の出力に付記することで、医療関係者が医学的な判断を誤ることの防止も計られている。
以上で排尿情報の測定及びデータ処理が完了して本装置の表示を「測定可」から「測定準備中」に切り替えて、測定モードを終了する。
次に、S113で被験者が便器洗浄操作を行なうとS114で記憶されている設定水位モードを判断して、次に述べる通常の便器洗浄動作に相当した便器洗浄動作が実施される。便器洗浄操作をせずに離座した場合は、一定時間経過後自動的にこの便器洗浄動作を実施するものであっても良い。なお、この便器洗浄操作は本フローチャートでは説明の都合上、S112の演算結果出力処理終了後に実施するようにしているが、破線で参考表示しているように、S108の測定終了操作後、続けて操作するようにしても良く、さらには測定終了操作を便器洗浄操作と兼用させて測定終了操作後ただちに便器洗浄を実施するように構成しても良い。
設定水位モードがS114でモード1と判断された場合は、S115でゼット吐水が行なわれサイホン現象によって、***物が溜水とともに下水配管に送出される。その後、S116で記憶している設定水位モードの設定に合わせた所定量の溜水がリム吐水および補水手段によってボールに供給され所定の待機水位(第1所定水位)にセットされる。またモード2と判断された場合は、同様にS117で***物が溜水とともに下水配管に送出された後、S118でリム吐水によって溜水の水位は溢流水位(第2所定水位)にセットされる。
次に、設定水位が装置管理者又はメンテナンス者によって指定されている場合を以下に説明する。水位設定動作を指定する場合において、その選択肢にここまで述べてきたような設定水位モード1あるいは設定水位モード2を含んでその他に所定の特殊な待機動作を行なわせるモードを設定する構成とすることも可能であるが、ここでは説明を簡素化するために、その代表例として、待機水位を設定水位モード1や設定水位モード2とは異なる水位に指定し測定もその水位で開始することを選択指定した場合について設定水位モード1や設定水位モード2とは異なる部分を主として述べる。
この場合、測定準備動作ではまずS201で指定された測定開始水位の水位設定を行なう。次に、S202で前述した設定水位モード1の場合と同様に溜水圧力センサーの出力校正を行なう。
また測定終了後に便器洗浄操作が行なわれると、S203で***物が溜水とともに下水配管に送出された後、S204でリム吐水によって溜水の水位は指定された待機水位にセットされる。
以上の動作で溜水の水位は設定水位モードに応じた水位にセットされた状態で一連の動作シーケンスは終了し、次回の被験者を待つ待機状態となる。
図9は本発明の排尿情報測定便器の実施例における設定水位モードが設定水位モード1の場合の各構成要素の動作を示すタイミングチャートである。タイムチャートの流れに従い、設定水位モード1の排尿情報測定便器の動作を説明する。
被験者が排尿情報測定便器近傍に近づいた時、操作・表示部は待機中を表示している。被験者が操作スイッチの押し下げや、IDカードの挿入など、本装置の起動動作を実施すると表示は測定準備中に変わり、下水配管内圧力変動を測定する圧力センサー121を起動し、合わせて校正動作を実施すべく開閉弁119mとポンプ119lと開閉弁119nを起動し、校正管に通水し圧力センサー118の絶対値校正を実施する。校正動作が終了すると、表示は測定可に切り替わる。同時に溜水水位を測定すべく開閉弁119を開放して、溜水水位を測定する圧力センサー118とボールを圧力導管118aで連通させる。その時の水位は、トラップが溢流するまで尿量を測定することが可能な測定開始水位Yである。
被験者は脱衣、着座して、排尿を開始する。溜水は排尿に伴い水位を上昇することとなる。排尿終了後、前述の測定データ処理アルゴリズムにより溜水水位は下水圧変動が無いときの状態に換算され、測定結果として尿量や尿流率等の各種排尿情報が排尿情報部リモコン134に表示されることになる。
次いで、被験者が便器洗浄を実施すると、先ず水位形成手段6からの給水はリム側に給水して、ボールの水位をトラップ108の満水水位Wにまで上昇させる。次いで、ゼット吐水によってサイホン現象を発生させ、***物と溜水を下水配管に排出する。その後、再びリム給水を実施しボールの水位を測定開始水位に復帰させる。溜水水位を確認して測定開始水位Yに対して不足している溜水量は、開閉弁119mとポンプ119lを起動して、補水タンクからボールに向けて供給される。正確な測定開始水位の再現が実現されるため、下水圧変動に対する破封防止と、測定開始水位変化による測定範囲の変化防止の両立が計られるようになっている。測定開始水位に復帰して、再び次の被験者の測定準備が整うと、表示は待機中に切り替わる。
図10は本発明の排尿情報測定便器の実施例における設定水位モードが設定水位モード2の場合の各構成要素の動作示すタイミングチャートである。
タイムチャートの流れに従い、設定水位モード2の排尿情報測定便器の動作を説明する。
被験者が排尿情報測定便器近傍に近づいた時、操作・表示部は待機中を表示している。被験者が操作スイッチの押し下げや、IDカードの挿入など、本装置の起動動作を実施すると表示は測定準備中に変わり、溜水水位を溢流水位Hから測定開始水位Yに変更する動作を実施する。先ず水位形成手段6からの給水はリム側に給水して、ボールの水位をトラップ108の満水水位Wにまで上昇させる。次いで、ゼット吐水によってサイホン現象を発生させ、***物と溜水を下水配管に排出する。その後、再びリム給水を実施しボールの水位を測定開始水位に復帰させる。このとき、溜水水位を確認して測定開始水位Yに対して不足している場合は、開閉弁119mとポンプ119lを起動して、補水タンクからボールに向けて溜水が供給される。このように構成すると、正確な測定開始水位の再現が実現されるため、下水圧変動に対する破封防止と、測定開始水位変化による測定範囲の変化防止の両立が計られるようになっている。
また、測定開始水位設定中、下水配管内圧力変動を測定する圧力センサー121を起動し、合わせて校正動作を実施すべく開閉弁119mとポンプ119lと開閉弁119nを起動し、校正管に通水し圧力センサー118の絶対値校正を実施する。校正動作が終了すると、表示は測定可に切り替わる。同時に溜水水位を測定すべく開閉弁119を開放して、溜水水位を測定する圧力センサー118とボールを圧力導管118aで連通させる。その時の水位は、トラップが溢流するまで尿量を測定することが可能な測定開始水位Yである。
被験者は脱衣、着座して、排尿を開始する。溜水は排尿に伴い水位を上昇することとなる。排尿終了後、前述の測定データ処理アルゴリズムにより溜水水位は下水圧変動が無いときの状態に換算され、測定結果として各種排尿情報が排尿情報部リモコン134に表示されることになる。
次いで、被験者が便器洗浄を実施すると、先ず水位形成手段6からの給水はリム側に給水して、ボールの水位をトラップ108の満水水位Wにまで上昇させる。次いで、ゼット吐水によってサイホン現象を発生させ、***物と溜水を下水配管に排出する。その後、再びリム給水を実施しボールの水位を溢流水位Hに復帰させる。溢流水位に復帰して、表示は待機中に切り替わる。
以上述べた実施例では待機水位及び測定開始水位の設定水位を装置が選定する場合、排尿情報測定便器の接続されている下水配管の圧力変動量あるいは水位指定値を水位選定情報の指定情報として設定水位を選定するものについて説明してきたが、
本発明の別の実施形態として、最大測定可能量を設定水位の水位選定情報の優先情報として取り扱って設定水位を選定する、すなわち測定可能範囲を水位選定プロセスで優先する形態も考えられる。
その場合、今まで述べた下水圧変動による測定中の溜水の溢流による測定誤差の発生や便器破封による汚臭の逆流などの不具合の発生等を防止して指定された測定可能範囲を実質的に意味のある範囲に選定可能とするために、下水配管の圧力変動による溜水水位の影響量を抑制するを影響量抑制手段を併せ持つ構成が好ましい。影響量抑制手段の構成としては、例えば下水配管の管路系を完全に遮断する開閉弁や所定値以上の圧力変動をカットする圧力弁をトラップに設けること等が考えられる。
このように構成して、測定中あるいは待機中に関わらず、水位選定情報として取得する最大測定可能量を保障するための測定開始水位や待機水位及び測定中の水位などの溜水水位が、その時想定される下水配管の最大圧力変動に対して前記の不具合を発生させる可能性があると判断される場合は、前記影響量抑制手段を作動させて下水配管の圧力変動を所定値以上にならないようにする。
このように本発明を適用した排尿情報測定便器は各種の水位選定情報を取得してその情報に基づいて設定水位を選定する手段を有するため、形成する溜水の設定水位を設置環境に応じて不具合の発生しない適切な水位に変更可能となる。
本発明を適用した排尿情報測定便器の実施例の全体を示す斜視図である。 本発明の排尿情報測定便器の実施例の測定系の構成を示すブロック図である。 下水配管内の圧力変動による溜水挙動を示す模式図である。 設定水位モードが自動に設定された場合における、下水配管内の圧力変動量に応じた2つのモードの待機時と測定時の各溜水水位を示す模式図である。 本発明の排尿情報測定便器の実施例の測定系の詳細構成と、設定水位モードが自動に設定された場合における、設定水位モード1の溜水の各水位を示すである。 本発明の排尿情報測定便器の実施例の測定系の詳細構成と、設定水位モードが自動に設定された場合における、設定水位モード2の溜水の各水位を示す図である。 本発明の排尿情報測定便器の実施例の設定水位モード設定に関する処理動作を示すフローチャートである。 図8は本発明の排尿情報測定便器の実施例の測定動作を示すフローチャートである。 本発明の排尿情報測定便器の実施例の設定水位モードが自動に設定された場合の、設定水位モード1における各要素の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の排尿情報測定便器の第二実施例の設定水位モードが自動に設定された場合の、設定水位モード2における各要素の動作を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1・・・・・便器
2・・・・・ボール
3・・・・・リム
4・・・・・溜水
5・・・・・トラップ
6・・・・・水位形成手段
7・・・・・リム吐水ノズル
8・・・・・ゼット吐水ノズル
9・・・・・下水配管
10・・・・排水ソケット
14・・・・溜水水位測定手段
14a・・・除振手段
14b・・・校正手段
15・・・・制御部
16・・・・下水圧変動影響量計測手段
17・・・・溜水水位選定手段
18・・・・排尿情報算出手段
22・・・・操作・表示部
71・・・・リム吐水手段
81・・・・ゼット吐水手段
82・・・・分岐部
83・・・・導圧水路
91・・・・補水手段
101・・・排尿情報測定便器
102・・・洋風大便器
104・・・キャビネット
106・・・ボール
106a・・リム面
107・・・リム吐水ノズル
108・・・トラップ
108a・・頂部
109・・・ゼット吐水ノズル
110・・・便座
112・・・便ふた
114・・・採尿装置
114a・・採尿器
114b・・採尿アーム
114c・・採尿ユニット
114d・・尿成分測定部
116・・・水位切替手段
118・・・圧力センサー
118a・・圧力導管
118b・・トラップ管路
119b・・開閉弁
119d・・開閉弁
119f・・校正管
119h・・ポンプ
119i・・トラップ
119k・・補助タンク
119l・・ポンプ
119m・・開閉弁
119n・・開閉弁
119q・・分岐部
120・・・制御手段
121・・・圧力センサー
122・・・操作・表示部
132・・・衛生洗浄装置リモコン
134・・・排尿情報測定部リモコン
136・・・プリンター
H・・・・・溢流水位
W・・・・・満水水位
X・・・・・空水位
X2・・・・封水水位
Y・・・・・測定開始水位
Z・・・・・排尿後水位

Claims (7)

  1. 使用者の尿を受けるボールと、
    前記ボールと下水配管とを連通させ、且つこの下水配管を水封する溜水を形成するトラップと、
    前記溜水の、便器使用後に形成され次回便器使用時まで待機するときの前記溜水の水位である待機水位及び使用者が測定のために放尿を開始するときの前記溜水の水位である測定開始水位を、各々所定の設定水位に形成する水位形成手段と、
    ボール内の前記溜水の水位を測定する水位測定手段とを有し、
    前記水位測定手段の測定値に基づいて使用者が前記ボールに***した尿に関して少なくとも尿量を含む排尿情報を求める排尿情報測定便器において、
    前記設定水位を選定するために必要な水位選定情報を取得する水位選定情報取得手段と、
    前記水位選定情報取得手段によって取得された情報に基づいて前記設定水位を選定する溜水水位選定手段とを有し、
    前記水位形成手段は前記溜水の水位を選定された前記設定水位に形成することによって、
    前記待機水位及び前記測定開始水位の設定水位を変更可能としたことを特徴とする排尿情報測定便器。
  2. 前記水位選定情報取得手段が前記下水配管内の圧力変動が前記溜水の水位に与える影響量を計測する下水圧変動影響量計測手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の排尿情報測定便器。
  3. 前記溜水水位選定手段は前記設定水位を選定する閾値として下水圧変動量の所定値を有し、
    前記下水圧変動影響量計測手段の計測した所定期間の観測値が前記所定値以下であるときは、
    前記溜水水位選定手段は前記待機水位及び前記測定開始水位として予め定められた第1所定水位を選定し、前記水位形成手段は便器使用後に選定された前記第1所定水位を形成して次回使用時まで待機し、
    前記観測値が前記所定値を超えているときは、
    前記溜水水位選定手段は、前記待機水位として前記第1所定水位より高く且つ便器の溢流水位以下の予め定められた第2所定水位及び前記測定開始水位として前記第1所定水位より低い水位の予め定められた第3所定水位を選定し、また前記水位形成手段は、便器使用後に選定された前記第2所定水位を形成して次回使用時まで待機するとともに、次回測定開始前には選定された前記第3所定水位に水位を形成することを特徴とする請求項2に記載の排尿情報測定便器。
  4. 前記第2所定水位を溢流水位とする
    ことを特徴とする請求項3に記載の排尿情報測定便器。
  5. 前記溜水水位選定手段は、前記待機水位及び/または測定開始水位の設定水位を手動で指定する設定水位指定手段を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の排尿情報測定便器。
  6. 排尿情報測定中に、前記水位選定手段の選定に使用した前記観測値と異なる圧力値を前記下水圧変動影響量計測手段が測定した時には、
    排尿情報測定の結果に測定信頼性に関する情報を付加する
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の排尿情報測定便器。
  7. 前記下水圧変動影響量計測手段は下水圧力を測定する下水圧力計測手段であり、計測された圧力変動量から影響量である溜水変化量を算出することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載の排尿情報測定便器。

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