JP2007091884A - 透明高熱伝導性樹脂組成物、透明高熱伝導体、及び発光ダイオード - Google Patents

透明高熱伝導性樹脂組成物、透明高熱伝導体、及び発光ダイオード Download PDF

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敏弘 新井
Tomoaki Yoshida
智明 吉田
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Abstract

【課題】 樹脂本来の透明性を失わず高熱伝導性と透明性とを兼ね備えた、炭素繊維を樹脂に配合してなる透明高熱伝導性樹脂組成物に関し、透明高熱伝導体として、光を透過し、しかも高熱伝導性を必要とする各種の材料、例えば透明高熱伝導性膜、透明高熱伝導性フィルム、あるいは透明高熱伝導性シート、発光ダイオードの封止材等として有用である透明高熱伝導性樹脂組成物、透明高熱伝導体、及び発光ダイオードを提案する。
【解決手段】 本発明の透明高熱伝導性樹脂組成物は、樹脂に炭素繊維を配合してなる導電性組成物であり、繊維外径0.1μm以下、アスペクト比10〜15000及び圧密比抵抗0.02Ωcm以下の気相法炭素繊維を含有し、透明性を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂本来の透明性を失わず高熱伝導性と透明性とを兼ね備えた、炭素繊維を樹脂に配合してなる透明高熱伝導性樹脂組成物に関し、透明高熱伝導体として、光を透過し、しかも高熱伝導性を必要とする各種の材料、例えば透明高熱伝導性膜、透明高熱伝導性フィルム、あるいは透明高熱伝導性シート、発光ダイオードの封止材等として有用である透明高熱伝導性樹脂組成物、透明高熱伝導体、及び発光ダイオードに関する。
一般に、高熱伝導性の塗膜やフィルム乃至シートは、塗料やフィルム材料に高熱伝導性材料を混合して製造されている。高熱伝導性材料としては、金属粉末や無機粉末、炭素粉末などが広く用いられている。
ところが、上記高熱伝導性材料のうち、金属粉末は酸化や腐蝕によって熱伝導性が低下するという欠点がある。また、酸化や腐食が起きにくい貴金属(例えば銀)のような場合は、IC等の配線等に使用するとマイグレーションを起こし、ショートする等の問題点がある。炭素粉末は金属粉末のような問題は少ないが、金属粉末に比べて熱伝導性が低いので、熱伝導性を高めるためにアスペクト比が大きく特異な粒径分布を有する易黒鉛化性の炭素繊維を配合した樹脂組成物(特許文献1)や、炭素繊維を磁場により配向させた樹脂組成物(特許文献2)などが提案されている。
特開2002−97372号公報 特開2005−146057号公報
しかし、これらの高熱伝導性材料を樹脂に添加した場合、熱伝導性を高めるために高熱伝導性材料の添加量を多くすると、樹脂本来の透明性が失われるという問題があった。例えば炭素繊維の場合、十分な熱伝導性を得ようとすると数十質量%の量を必要とし、塗膜やフィルムの厚さが1mm程度のときに透過率が30%程度になり、殆ど光を透過しない不透明な膜やフィルムになるものであった。他方、透明性を維持するために炭素繊維の添加量を少なくすると、樹脂フィルムや塗膜の熱伝導性が大幅に低下するものであった。
そこで、本発明は、従来の高熱伝導性膜や高熱伝導性フィルムなどにおける上記問題を解消し、外径が格段に細く、しかも熱伝導性に優れた炭素繊維、特に気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCFと略記することがある。)を用いることによって、樹脂本来の透明を失わずに高い熱伝導性を有することができるようにした透明性を兼ね備えた透明高熱伝導性樹脂組成物及びその組成物を用いた透明高熱伝導体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、樹脂本来の透明性を失わずに高熱伝導性の樹脂組成物を鋭意研究を重ねた結果、外径が極細でも分岐部分を含めた繊維全体が連通した中空構造を維持し、従って、極細でありながら優れた導電性及び熱伝導性を有する分岐状気相法炭素繊維を樹脂に添加することにより目的を達成できることを見出した。この分岐状気相法炭素繊維は、外径が極細でありながら分岐が連通した中空構造を有し、炭素繊維自体の導電性や熱伝導性が大きく、樹脂、ゴム等あるいは各種電池の電極に漆加した際に網目状に広く分散して導電性及び熱伝導性を高めることができる。
すなわち、本発明は以下の構成からなる透明高熱伝導性組成物、及び透明高熱伝導体を提供するものである。
[1]樹脂に炭素繊維を配合してなる導電性組成物であり、繊維外径0.1μm以下、アスペクト比10〜15000及び圧密比抵抗0.02Ωcm以下の気相法炭素繊維を含有し、透明性を有することを特徴とする透明高熱伝導性樹脂組成物。
[2]炭素繊維が円筒状の中空構造を有し、繊維外径0.05〜0.1μm、繊維長さ1〜100μm及びアスペクト比10〜2000の気相法炭素繊維である[1]に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
[3]気相法炭素繊維の配合量が組成物全体の0.01〜40質量%である[1]又は[2]に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
[4]熱伝導率が0.5W/m/K以上で、0.5μmの厚さのフィルムに成形したときの透過率が60%以上である[1]乃至[3]の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
[5]炭素繊維が、炭素結晶の面間隔d002が0.339nm以下、及び圧密比抵抗0.018Ωcm以下の気相法炭素繊維である[1]乃至[4]の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
[6]炭素繊維が、圧密比抵抗0.018Ωcm以下の分岐状気相法炭素繊維であり、かつ分岐部分の中空構造が連通している[2]に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
[7]気相法炭素繊維が、中空構造が連通している分岐状繊維を10質量%以上含有する繊維である[6]に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
[8]炭素繊維がホウ素又はホウ素と窒素を0.01〜3質量%含有する[1]乃至[7]の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
[9]炭素繊維が0.001〜0.05質量%のフッ素を含む[1]乃至[8]の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
[10]炭素繊維の表面が20〜70質量%の酸化アルミニウムによって被覆されている[1]乃至[9]の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
[11]気相法炭素繊維と共に窒化ホウ素を含有する[1]乃至[10]の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
[12][1]乃至[11]の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物によって形成された透明高熱伝導体。
[13]発光ダイオードの封止樹脂として[12]に記載の気相法炭素繊維を添加した透明高熱伝導体を用いた発光ダイオード。
本発明の透明高熱伝導性樹脂組成物に用いる分岐状繊維を含む気相法炭素繊維は、外径が極細でありながら分岐が連通した中空構造を有し、炭素繊維自体の導電性や熱伝導性が大きく、樹脂やゴム等や電池の電極に添加した際に網目状に広く分散して熱伝導性を高めることができる。また、従来の炭素繊維よりも極細の繊維であるため、樹脂等に配合して塗膜やフィルム、シートなどを形成した場合、比較的多量に配合しても樹脂本来の透明性を保つことができ、熱伝導性の高い透明な塗膜やフィルムないしシートなどを得ることができる。したがって、本発明の透明高熱伝導性組成物は、樹脂本来の透明を失わず、しかも優れた熱伝導性を有するものとなる。
例えば炭素粉末や従来の炭素繊維などを配合した導電性組成物は透明性が低いが、本発明の透明高熱伝導性組成物は、炭素繊維の配合量が比較的多くても樹脂の透明性があまり低下しないので、高い熱伝導性と透明性を兼ね備えたものであり、さらに、この透明高熱伝導性組成物は、発光ダイオードの封止材として好適に用いることが出来る。
まず、本発明に用いる分岐状気相法炭素繊維について説明する。
この炭素繊維は、気相法によって製造された分岐状の繊維であって、円筒状の中空構造を有し、外径0.5μm以下及びアスペクト比10以上であり、圧密比抵抗が0.02Ωcm以下であり、好ましくは、圧密比抵抗が0.018Ωcm以下であって分岐部分の中空構造が連通していることを特徴とする分岐状気相法炭素繊維である。
本発明に用いる好適な分岐状気相法炭素繊維は、図1、図2の顕微鏡写真(倍率:100,000倍)に示すように、分岐部分を含めて繊維全体が互いに連通した中空構造を有している。そのため円筒部分を構成する炭素層が連続しており、極細でありながら優れた導電性及び熱伝導性を有する。なお、従来の炭素繊維は導電性や熱伝導性は繊維どうしの接触や接着に依存しているが、繊維の分岐部分は、例えば図3の顕微鏡写真(倍率:100,000倍)に示すようにコブ状に結合しており、このため導電性や熱伝導性は本発明のものより小さい。
本発明に用いる分岐状気相法炭素繊維において、中空構造とは炭素層が円筒状に巻いている構造をいい、完全な炭素シートの円筒でないもの、部分的な切断箇所を有するもの、積層した二層の炭素層が一層に結合したものなどを含む。また、円筒の断面は完全な円に限らず楕円や多角形のものを含む。なお、炭素層の結晶性について炭素層の面間隔d002は限定されない。因みに、好ましいものはX線回折法による炭素層の面間隔d002が0.339nm以下、より好ましくは0.338nm以下であって、結晶のc軸方向の厚さLcが40nm以下のものである。
本発明に用いる分岐状気相法炭素繊維は、繊維外径0.5μm以下及びアスペクト比10以上の極細の炭素繊維であり、好ましくは、繊維外径0.05〜0.5μmであって繊維長1〜100μm(アスペクト比10〜2000)、あるいは、繊維外径0.002〜0.05μmであって繊維長0.5〜50μm(アスペクト比10〜25000)のものである。繊維外径が0.5μmより太いと樹脂中で混合しにくいので適当ではない。また、繊維外径が0.002μm未満では繊維の強度が弱く、繊維の切断が多くなるので好ましくない。
なお、原料と触媒金属を含有する液滴を反応炉壁に吹き付けて炭素繊維を製造する方法(特許2778434号)によれば、外径0.05〜0.5μm及び繊維長さ1〜100μmの炭素繊維を製造することができるが、本発明はこれよりさらに1桁細い極細(外径0.01〜0.1μm)の炭素繊維を含む。このような極細の炭素繊維は、析出した炭素繊維を黒鉛化処理する際に、好ましくは、ホウ素などの結晶化促進元素の触媒的な作用を利用し、この元素を炭素結晶中にドープ(少量を添加)させることによって得られる。ホウ素換算でのドープ量は、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%が適当である。5質量%を上回るホウ素をドープするのは難しく、一方、ホウ素のドープ量が0.01質量%より少ないと、十分な効果が得られない。ホウ素を含有させることによって炭素層の面間隔d002が小さくなり、結晶化が進む。
本発明に用いる分岐状気相法炭素繊維は、“嵩密度0.8g/cm3に押し固めたときの圧密比抵抗”(以下、単に圧密比抵抗という。)が0.02Ωcm以下のものであり、好ましくは、0.018Ωcm以下のものである。後述の実施例に示すように、従来の気相法によって製造した分岐状繊維を含む炭素繊維の圧密比抵抗は、0.021Ωcm程度であり、これを樹脂に混合して調製した導線性ペーストの体積抵抗は、0.38〜0.45Ωcmの水準である。一方、実施例に示す分岐状繊維を含む炭素繊維は、これよりも導電性が高く、圧密比抵抗は0.005〜0.018Ωcmである。
本発明に用いる分岐状気相法炭素繊維は、熱伝導率が100kcal(mh℃)-1以上、又は嵩密度0.8g/cm3に押し固めたときの熱伝導率が100kcal(mh℃)-1以上のものであり、これを樹脂に混合した時には、その形態が分岐状であること、及び結晶性が進んでいることから、樹脂に配合した時にその複合材の熱伝導性を高くすることができる。この効果を発現するには分岐状繊維を含む気相法炭素繊維を樹脂に10質量%以上混合することが好ましい。なお、熱伝導率と導電性は相関する特性となっており、導電性の良いものは熱伝導率も良い。
次に、本発明に用いる分岐状気相法炭素繊維の製造方法の一例を以下に示す。
出発材料となる分岐状気相法炭素繊維は、原料と触媒金属を含有する液滴を反応炉壁に吹き付けて気相法炭素繊維を製造する方法(特許2778434号)によって得ることができる。
最初に触媒となる遷移金属を含む有機遷移金属化合物を用いて、有機化合物、特に炭化水素類を熱分解することにより粗微細炭素繊維を得る。ここで使用される有機遷移金属化合物は、周期律第IVa、Va、VIa、VIIa、VIII族の金属を含む有機化合物である。中でもフェロセン、ニッケルセン等の化合物が好ましい。
分岐状繊維の割合を高めるには、原料に添加するフェロセンなどの触媒金属の濃度を高めるのが好ましい。従来の触媒金属の濃度は4質量%程度であるが、これを5〜10質量%、好ましくは7質量%前後にするのが良い。また、その他助触媒として硫黄化合物を用いることができる。硫黄化合物の形態は特に制限は無く、炭素源の有機化合物に溶解するものなら良い。その硫黄化合物として、チオフェンや各種チオールあるいは、無機硫黄等が用いられる。その使用量は、有機化合物に対して0.01〜10.0質量%、好ましくは0.03〜5.0質量%、さらに好ましくは0.1〜4.0質量%が良い。
炭素繊維の原料となる有機化合物は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、ナフタレン、フェナントレン、シクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン有機化合物や揮発油、灯油等あるいはCO、天然ガス、メタン、エタン、エチレン、アセチレン等のガス及びそれらの混合物も可能である。中でもベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物が特に好ましい。
この際、通常キャリヤーガスとして、水素ガスをはじめとする還元性のガスが使用される。キャリヤーガスを予め500〜1300℃に加熱しておくことが好ましい。キャリヤーガスを加熱する理由は、反応時に触媒の金属の生成と炭素化合物の熱分解による炭素源の供給を一致させ、反応を瞬時に起こすようにして、より微細な炭素繊維が得られるようにするためである。キャリアーガスを原料と混合した際に、キャリアーガスの加熱温度が500℃未満では、原料の炭素化合物の熱分解が起こりにくく、1300℃を超えると炭素繊維の径方向の成長が起こり、径が太くなりやすい。
キャリアーガスの使用量は、炭素源(有機化合物)1.0モルに対し1〜70モルが適当である。炭素繊維の径は、炭素源とキャリアーガスの比率を変えることにより、制御することが出来る。原料は、炭素源の有機化合物に遷移金属化合物及び助触媒の硫黄化合物を溶解し調整する。
従来、原料と触媒金属をガス化して反応炉に供給する製造方法が知られているが、この方法では分岐状繊維を殆ど生成しない。そこで、本発明では、ベンゼンなどの有機化合物原料とフェロセンなどの触媒金属を含む溶液を液体のままキャリアーガスで噴霧して反応炉へ供給するか、キャリアーガスの一部をパージガスとして気化させて反応炉へ供給する。特に繊維径の細い炭素繊維を得る場合は原料を気化して反応炉へ供給することが好ましい。また、液状で反応炉壁に吹き付けて反応させることにより、原料及び触媒金属の濃度が局所的に濃くなり、分岐状繊維が析出し易くなる。これを回収し、結晶化工程を経て分岐部分の中空構造が連通した分岐状繊維を10質量%以上含む分岐状気相法炭素繊維を得ることができる。
反応炉は、通常縦型の電気炉を使用する。反応炉温度は800〜1300℃、好ましくは1000〜1300℃である。所定の温度に昇温した反応炉へ、原料液とキャリアーガスあるいは原料を気化させた原料ガスとキャリアーガスとを供給し、反応させ炭素繊維を得る。
反応炉で製造した分岐状繊維を含む炭素繊維を回収し、アルゴンガスなどの非酸化性雰囲気下で、800℃〜1500℃に加熱焼成して結晶化を進める。次いで、さらに非酸化性雰囲気下で、2000〜3000℃に加熱して黒鉛化する。この黒鉛化処理のときに、結晶化促進元素を炭素結晶にドープ(少量を添加)して結晶性を高める。結晶化促進元素としてはホウ素が好ましい。なお、黒鉛化した微細な炭素繊維は、表面が緻密なベーサルプレーン(六角網目構造の平面)で覆われているので、ホウ素をドーピングするためには結晶があまり発達していない1500℃以下で熱処理された炭素繊維を用いるのが好ましい。結晶性の低い炭素繊維を用いても、ホウ素をドープする(ホウ素化処理)ときに黒鉛化温度まで加熱処理されるので、結晶性の高い炭素繊維を得ることができる。
炭素に対するホウ素のドーピング量は、一般に5質量%以下であり、0.1〜5質量%のホウ素換算量をドープすることによって効果的に炭素繊維の結晶性を高めることができる。この量になるように結晶化促進化合物として、元素状ホウ素又はホウ素化合物(例えば酸化ホウ素(B23)、炭化ホウ素(B4C)、ホウ酸エステル、ホウ酸(H3BO3)又はその塩、有機ホウ素化合物)を炭素繊維に加える。反応率を考慮すると、炭素量に対してホウ素化合物は、ホウ素換算で0.1〜5質量%添加すればよい。ただし、ホウ素は熱処理における繊維の結晶化の際に存在すればよく、高結晶化した後の高温処理等によってホウ素が揮散し、添加量よりも濃度が低くなっても構わないので、処理後の繊維中の残留ホウ素(B)量としては概ね0.01質量%以上であれば良い。
ホウ素を炭素の結晶内又は炭素繊維表面に導入するために必要な処理温度は、2000℃以上、好ましくは2300℃以上である。処理温度が2000℃未満では、ホウ素と炭素の反応性が低いのでホウ素の導入が難しい。なお、炭素の結晶性を高めて炭素結晶の面間隔d002を0.338nm以下にするには、処理温度を2300℃以上に保つことが好ましい。熱処理の雰囲気は、非酸化性の雰囲気、好ましくはアルゴン等の希ガス雰囲気である。熱処理時間が長すぎると焼結が進行して収率が低下するので、中心部の温度が目標温度に達した後にこの温度を1時間以下の保持する程度でよい。
気相法によって製造した炭素繊維は、嵩密度が非常に小さいために、好ましくは炭素繊維とホウ素又はホウ素化合物を均一に混合して成形、造粒、又は圧縮し、高密度化して加熱処理するのが好ましい。高密度化した繊維は、熱処理すると一部分が焼結してフロック状になるので、これを解砕して各種の材料に用いる。
次に本発明の透明高熱伝導性組成物について説明する。
本発明の透明高熱伝導性組成物は、樹脂、特に透明樹脂からなるバインダーに炭素繊維を配合してなる組成物であって、外径0.01〜0.1μm、アスペクト比10〜15000、及び圧密比抵抗0.02Ωcm以下の気相法炭素繊維を用い、熱伝導率が0.5W/m/K以上であることを特徴とし、透明性と高熱伝導性を兼ね備え、透明性放熱材料として、塗膜、吹付け膜、フィルム、又はシート、発光ダイオードの封止材等に用いられるものである。
本発明の透明高熱伝導性組成物に用いる炭素繊維は気相法によって製造されたものである。前述の通り、気相法炭素繊維(VGCF)は、炭化水素等の原料ガスを金属触媒の存在下で気相熱分解し、繊維状に成長させることによって製造される炭素繊維であり、例えば、ベンゼン等の有機化合物を原料とし、この原料を触媒として用いるフェロセン等の有機遷移金属化合物と共にキャリアーガスによって高温の反応炉に導入し、基盤上にVGCFを生成させる方法(特開昭60−27700号公報)、浮遊状態でVGCFを生成させる方法(特開昭60−54998号公報)、或いは原料と触媒金属を含有する液滴を反応炉壁に吹き付けてVGCFを成長させる方法(特許第2778434号)などが開示されている。これらの製造方法によれば、外径0.01〜0.5μm程度、アスベクト比10〜500程度のものが得られる。
本発明では、炭素繊維として気相法炭素繊維であって外径0.01〜0.1μm、アスペクト比10〜15000のものを用いる。炭素繊維の外径が0.1μmより大きいと樹脂に配合したときに樹脂の透明性を大きく低下させる。一方、繊維の外径が0.01μmより細いと繊維の強度が弱く、樹脂に配合したときに切断し易くなる。また、アスペクト比が15000より大きいと繊維が長すぎて繊維どうしの絡み合いが過剰になり、樹脂中で均一に分散するのが難くなる。
原料と触媒金属を含有する液滴を反応炉壁に吹き付けて気相法炭素繊維を製造する製造方法(特許第2778434号)によれば、外径0.05〜0.5μm及び繊維長さ1〜100μmの炭素繊維を製造することができるが、本発明の透明高熱伝導性組成物では、繊維外径が0.01〜0.1μmの炭素繊維を用いる。さらに結晶性を向上させた極細の炭素繊維を得るには、析出した炭素繊維を黒鉛化することがある。この際に、ホウ素、あるいはホウ素と窒素などの結晶化促進元素の触媒的な作用を利用し、これらの元素を炭素結晶中又は炭素繊維表面にドープさせることによって、黒鉛化炭素繊維を得ることができる。ドープ元素量は0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%、さらに好ましくは0.2〜2.0質量%が適当である。5質量%を上回る量をドープするのは難しく、一方、ドープ量が0.01質量%より少ないと十分な効果が得られない。ホウ素等を含有させることによって炭素層の面間隔d002が小さくなり、結晶化が進み、従来のものより繊維外径が細く、しかも導電性が高く、樹脂等への分散性の良い炭素繊維を得ることができる。
さらに、本発明の透明高熱伝導性組成物で用いる気相法炭素繊維は、圧密比抵抗が0.02Ωcm以下のものであり、好ましくは、0.018Ωcm以下、さらに好ましくは0.015Ωcm以下のものである。因みに、従来の気相法によって製造した炭素繊維の圧密比抵抗は0.021Ωcm程度であるが、本発明で用いる炭素繊維はこれよりも導電性が高く、例えば、圧密比抵抗0.005〜0.018Ωcmのものが適当である。圧密比抵抗が0.02Ωcmより大きいと、透明性を保ちながら熱伝導率0.5W/m/K以上の熱伝導性を得るのが難しい。
本発明の透明高熱伝導性組成物において好ましく用いられる気相法炭素繊維は、前述した通り、分岐状炭素繊維を多く含み、分岐状繊維の分岐部分を含めて繊維全体が互いに連通した中空構造を有している分岐状気相法炭素繊維である。このような中空構造の分岐状気相法炭素繊維は、円筒部分を構成する炭素層が連続しており、極細でありながら優れた導電性及び熱伝導性を有する。なお、従来の炭素繊維は、導電性や熱伝導性は繊維どうしの接触や接着に依存しているが、繊維の分岐部分はコブ状に結合しており、このため導電性や熱伝導性は分岐部分の中空が連通したものに比べて小さい。
本発明の透明高熱伝導性組成物に用いる気相法炭素繊維は、0.001〜0.05質量%のフッ素を含むようにフッ素処理したものでも良い。フッ素処理は、例えば、フッ素含有ガス(F2、HFなど)下、0〜200℃で接触処理するか、CF4などの低級フッ素化炭化水素などでプラズマ処理(例えば、特開平8−31404号公報)することにより行われる。フッ素処理した炭素繊維を用いることによって表面の撥水性を向上させることにより、結果として炭素繊維が凝集しにくくなって分散性を良くすることができる。なお、フッ素含有量が0.001質量%未満であると、フッ素処理の効果が乏しく、フッ素量が0.05質量%より多いと、炭素面が破れて、炭素繊維表面が粗くなるのであるので適当ではない。
本発明で用いる気相法炭素繊維は、アルミニウム化合物(例えば、アルミナゲル、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、アルミン酸塩、アルミン酸エステル、水酸化アルミニウム)、好ましくはアルミナゲル、ケイ酸アルミニウム、アルミン酸塩、水酸化アルミニウムによって処理され、20〜70質量%の酸化アルミニウムによって表面が被覆されたものでも良い。例えば、気相法炭素繊維を炭酸ガス賦括して活性炭素繊維とした後、これを10%程度の硫酸に浸積し水洗した後、アルミニウム化合物溶液に加え、繊維表面にアルミナ皮膜を形成できる。
このような表面処理した炭素繊維を用いることによって表面の親水性を向上させることができる。このことにより樹脂との接着性が良くなり、分散性が向上する。なお、被覆量が20質量%未満であるとその効果が乏しく、また被覆量が70質量%より多いと炭素繊維どうしの互着が増えるので適当ではない。
本発明の透明高熱伝導性組成物において、気相法炭素繊維の配合量は組成物全体で5〜40質量%、好ましくは5〜20質量%が適当である。この配合量において高い透明性と高熱伝導性を有する。具体的には、熱伝導率0.5W/m/K以上の熱伝導性を有し、厚さ0.5μmにおいて透過率70%以上の透明性を有することができる。
本発明の透明高熱伝導性樹脂組成物に用いるバインダー樹脂としては、透明性を有する樹脂であれば特に限定するものではない。例えば、環状オレフィン系重合体であるシクロオレフィン重合体やシクロオレフィン共重合体、透明アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエンゴム補強メチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチルアクリレート−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、透明ポリアミド、ポリサルホン、ポリエーテルスルホン、エポキシ樹脂、非晶ポリアリレート、非晶性ポリエーテルイミド、透明エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの中で、ポリカーボネート、透明エポキシ樹脂、スチレン系共重合体が好ましい。特に好ましいのは、炭素繊維の分散が容易であるという理由でポリカーボネートが好ましい。
更に本発明の透明高熱伝導性樹脂組成物には、必要に応じて、硬度、強度、導電性、成形性、耐久性、耐候性、耐水性等を改良する目的で、更にガラスファイバー、ウィスカー、金属酸化物、有機繊維、紫外線安定剤、酸化防止剤、離型剤、滑剤、撥水剤、増粘剤、低収縮剤、親水性付与剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の透明高熱伝導性樹脂組成物を製造する方法としては、一般的な押出し機やニーダーなどで各成分を混練する方法を用いることができる。繊維の破断を抑えるため、溶融した樹脂に炭素繊維を供給した方がいい。樹脂ペレットを用いる場合は、炭素繊維の供給はホッパーよりもサイドフィードでの方がいい。樹脂パウダーを用いる場合は、ヘンシェルミキサー等により炭素繊維と事前混合してホッパーフィードしてもいい。
本発明の炭素繊維はきわめて高分散性を示すため、混練機のミキシングエレメントを強くする必要はない。スクリュー回転数は、コンパウンド生産性に依るが、可能な範囲で低回転数にした方が繊維の破断および炭素繊維の過分散を抑えられ、高熱伝導性を発現させることができる。混練時の温度は、樹脂の劣化が起きない範囲において、上限に設定した方がいい。高温にすることで樹脂の粘度を低下させ、ミキシング時の剪断力を抑えることができ、繊維の破断および炭素繊維の過分散を抑えられるからである。また、成形法としては、プレス成形、押し出し成形、真空成形、ブロー成形、射出成形などを挙げることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、下記の記載により本発明は限定されるものでない。なお、下記の例において、分岐状繊維含有量(面積%)、ホウ素含有量、嵩密度(タッピング密度)(g/cm3)、圧密比抵抗(Ωcm)は以下の方法により測定した。
1)分岐状繊維含有量(質量%):
透過電子顕微鏡(TEM)による炭素繊維の断面写真において、炭素繊維の断面合計に対する分岐状炭素繊維の断面積の割合を求め、比重を1として質量%とした。
2)ホウ素含有量:
炭素繊維の粉末試料に炭酸カルシウムを加え、酸素気流中800℃で灰化した後、この灰に炭酸カルシウムを加え、加熱して溶融させ、その溶融物を水に溶解し、水溶液を高周波誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma;ICP)発光分析法により定量分析した。
3)嵩密度(タッピング密度)(g/cm3):
試料を一定量(6.0g)秤量して15mmφの測定用セルに入れ、タッピング装置にセットする。落下高さを45mm、タッピング速度を2秒/回とし、400回自由落下させた後、その体積を測定し、この体積と質量との関係から嵩密度を算出する。
4)圧密比抵抗(Ωcm):
被測定試料を図4に示す樹脂製のセル4に上方および下方から圧縮ロッド2により加圧し、一定圧のもとで電流を流し、その試料途中に設置された電圧測定端子間の電圧を読み、容器断面積、電圧端子間距離から比抵抗を計算する。この比抵抗値は加圧条件により変化し、低加圧の時は高抵抗を示すが、加圧を増すに従い、ある加圧値以上では加圧条件にかかわらずほぼ一定値となるが、本発明では以下の操作によって嵩密度0.8g/cm3に押し固めた時の体積比抵抗値(圧密比抵抗)とした。すなわち、被測定物5に電流を流すための銅板製の電流端子3を備えた平面積(1×4)cm2、深さ10cmの樹脂製で、途中に電圧測定様端子1を備えた圧密比抵抗測定用のセル4に一定量の試料を入れ、上部から圧縮ロッド2に圧縮をかけ、試料を圧縮して行き、圧縮を測定しながら順次電流0.1Aを流し、嵩密度0.8g/cm3の時点で容器底部から差し込まれた2つの電圧測定用端子1の2.0cm間の電圧(E)Vを読み、以下の式から抵抗値(R)(Ωcm)を計算した。
R(Ωcm)=(E/0.1)×D(cm2)/2(cm)
(式中、Dは粉体の電流方向の断面積(深さ×幅)=10dである。)
「炭素繊維1」
特許第2778434号公報の記載に従って、ベンゼンにフェロセン7質量%を溶解し、この液滴を炉壁に吹き付けて熱分解させる方法によって気相法炭素繊維 を製造した。この気相法炭素繊維 をアルゴン雰囲気下で1200℃に加熱処理し、さらにアルゴン雰囲気下で2800℃に加熱処理した。加熱処理後にフロック状に集合した繊維を解砕して、繊維外径0.1〜0.2μm、繊維長さ10〜20μm、アスペクト比50〜200の気相法炭素繊維 を得た。透過電子顕微鏡(TEM)観察によりこの炭素繊維は分岐状の繊維を22質量%含有することが確認された。また、この炭素繊維の嵩密度(タッピング密度)は0.035g/cm3であった。この炭素繊維を嵩密度0.8g/cm3まで圧縮して圧密比抵抗(粉体抵抗)を測定したところ0.018Ωcmであった。また、この炭素繊維の分岐部分の顕微鏡写真(倍率:100,000倍)を図1に示す。炭素繊維1は図1の透過電子顕微鏡写真(倍率:100,000倍)に示す通り、分岐部分にコブ状の変形がみられず、内部の中空構造が連通している。
[炭素繊維2]
特許第2778434号公報の記載に従って、ベンゼンにフェロセン7質量%を溶解し、この液滴を炉壁に吹き付けて熱分解させる方法によって気相法炭素繊維を製造した。その気相法炭素繊維に炭化ホウ素粉末(B4C)を4質量%添加して均一に混合し、黒鉛ルツボに装入して圧縮し、アルゴン雰囲気下、2700℃で60分間加熱処理した。これを解砕し、分岐状繊維を含むホウ素を含有した気相法炭素繊維を得た。このホウ素含有量は1.8質量%であった。この炭素繊維について、嵩密度(タッピング密度)0.036g/cm3、圧密粉体比抵抗0.005Ωcmであった。また、この炭素繊維の分岐部分の顕微鏡写真(倍率:100,000倍)を図2に示す。中空構造が連通している様子が観察される。
「封止材1」:エポキシ樹脂に炭素繊維1を1質量%添加して、脱泡ニーダーで500回転/分で5分間混練し、封止材1を得た。
「封止材2」:エポキシ樹脂に炭素繊維1を3質量%添加して、脱泡ニーダーで500回転/分で5分間混練し、封止材2を得た。
[封止材3]:エポキシ樹脂に炭素繊維2を3質量%添加して、脱泡ニーダーで500回転/分で5分間混練し、封止材3を得た。
「封止材4」:エポキシ樹脂を用いた(炭素繊維の添加なし)。
〔実施例1〕
青色LED(□300)を35mm×28mm×18mmの大きさのパッケージに入れ、その周囲、及び上面を封止材1で封止した。この発光ダイオードの光度と温度を測定した。結果を図5及び表1に示した。
〔実施例2〕
青色LED(□300)を35mm×28mm×18mmの大きさのパッケージに入れ、その周囲、及び上面を封止材2で封止した。この発光ダイオードの光度と温度を測定した。結果を図5及び表1に示した。
[実施例3]
青色LED(□300)を35mm×28mm×18mmの大きさのパッケージに入れ、その周囲、及び上面を封止材3で封止した。この発光ダイオードの光度と温度を測定した。結果を図5及び表1に示した。
〔比較例1〕
青色LED(□300)を35mm×28mm×18mmの大きさのパッケージに入れ、その周囲、及び上面を封止材4で封止した。この発光ダイオードの光度と温度を測定した。結果を図5及び表1に示した。
〔発光ダイオードにおける光度測定結果〕
図5及び表1より明らかなように、最大、光度劣化を2%抑えて、チップの温度を5℃下げることが確認した。
光を透過し、しかも高熱伝導性を必要とする各種の材料、例えば透明高熱伝導性膜、透明高熱伝導性フィルム、あるいは透明高熱伝導性シート、発光ダイオードの封止材等として利用できる。
分岐状気相法炭素繊維が分岐部分を含めて繊維全体が互いに連通した中空構造を有する状態を示す顕微鏡写真(倍率:100,000倍)である。 本発明に用いる分岐状気相法炭素繊維が、分岐部分を含めて繊維全体が互いに連通した中空構造を有する状態を示す顕微鏡写真(倍率:100,000倍)である。 従来の炭素繊維が、繊維どうしの接触や接着でコブ状に結合した分岐部分を形成している状態を示す顕微鏡写真(倍率:100,000倍)である。 実施例における圧密比抵抗(Ωcm)の測定方法を示す説明図である。 実施例における発光ダイオードの光度と温度との関係を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 樹脂に炭素繊維を配合してなる導電性組成物であり、繊維外径0.1μm以下、アスペクト比10〜15000及び圧密比抵抗0.02Ωcm以下の気相法炭素繊維を含有し、透明性を有することを特徴とする透明高熱伝導性樹脂組成物。
  2. 炭素繊維が円筒状の中空構造を有し、繊維外径0.05〜0.1μm、繊維長さ1〜100μm及びアスペクト比10〜2000の気相法炭素繊維であることを特徴とする請求項1に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
  3. 気相法炭素繊維の配合量が組成物全体の0.01〜40質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
  4. 熱伝導率が0.5W/m/K以上で、0.5μmの厚さのフィルムに成形したときの透過率が60%以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
  5. 炭素繊維が炭素結晶の面間隔d002が0.339nm以下、及び圧密比抵抗0.018Ωcm以下の気相法炭素繊維であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
  6. 炭素繊維が圧密比抵抗0.018Ωcm以下の分岐状気相法炭素繊維であり、かつ分岐部分の中空構造が連通していることを特徴とする請求項2に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
  7. 気相法炭素繊維が中空構造が連通している分岐状繊維を10質量%以上含有する繊維であることを特徴とする請求項6に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
  8. 炭素繊維がホウ素又はホウ素と窒素を0.01〜3質量%含有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
  9. 炭素繊維が0.001〜0.05質量%のフッ素を含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
  10. 炭素繊維の表面が20〜70質量%の酸化アルミニウムによって被覆されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
  11. 気相法炭素繊維と共に窒化ホウ素を含有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載の透明高熱伝導性樹脂組成物によって形成されたことを特徴とする透明高熱伝導体。
  13. 発光ダイオードの封止樹脂として請求項12に記載の気相法炭素繊維を添加した透明高熱伝導体を用いたことを特徴とする発光ダイオード。
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