JP2007091711A - 疲労の予防又は改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】筋肉の持久力を向上させることができる筋肉疲労の予防又は改善剤、および鉄分不足に起因する疲労の予防又は改善剤、及び食品組成物を提供する。
【解決手段】 本発明者らは、シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとのキレート錯体を経口投与する場合に、鉄が効率よく生体内に吸収されて筋肉内に多く分布すること、及び無機鉄に比べて筋肉への分布率が格段に高いことを、それぞれ見出した。また、シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとのキレート錯体を経口投与することにより、無機鉄投与に比べて、筋持久力が高くなることを見出した。シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとのキレート錯体の投与により、筋肉組織の鉄含量の増加に伴い生体内貯蔵鉄量が増加し、貧血の予防・改善、持久力の向上、疲労感・倦怠感の軽減効果が得られる。
【選択図】図3

Description

本発明は、筋肉持久力向上や倦怠感の改善のような、疲労の予防又は改善のために用いられる医薬組成物、及び食品組成物に関する。
近年、日本人の食生活及び健康に対する意識は高くなり、食品に安全性及び機能性が求められるようになってきた。通常の食事で不足する成分を補うため栄養補助食品などを摂取する人の割合もますます増えてきている。一方、国民栄養調査によると、鉄の平均摂取量は性別や年代に関係なく、所要量を下回る状態が続いている。また、鉄は吸収率が低く、摂取した量のほとんどが***されてしまうことが知られている。このことから、鉄は積極的に摂取する必要がある栄養素のひとつである。
鉄が不足した状態が長く続くと鉄欠乏性貧血になるばかりでなく、運動及び学習能力が低下したり、免疫力が低下したりするなど、人体に様々な悪影響を及ぼす。中でも、筋肉中には、ヘム鉄を含むミオグロビンが存在し、このミオグロビンが血液中の酸素を細胞内に取り込むことによって筋肉は収縮する。そのため、筋肉中の鉄が不足すると酸素の取り込み量が不足して筋力低下や疲労、倦怠感をもたらす。
また、成人の生体内の総鉄量の約30%は貯蔵鉄であるフェリチンとして、主に肝臓中に存在しており、この他、脾臓・骨髄・筋肉にも存在している。筋肉の鉄濃度は肝臓・脾臓・骨髄と比較して低いが、筋肉組織が生体に極めて大量にあるため、その含鉄量を無視することはできない(「サプリメントデータブック」平成17年,オーム社発行,178頁)。このため、筋肉内の鉄量が少なくなると、全身の鉄保有量の低下に繋がり、貧血を引き起こしたり、疲労感をもたらしたりする。
鉄不足を改善するには、一般に、ヒトが吸収し易いヘム鉄を多く含む畜肉又は魚類を摂取することが有効といわれている。しかし、畜肉又は魚類を多量に摂取するには食習慣を大きく変える必要があり、またこれらを過剰に摂取すると栄養のバランスが悪くなる。一方、野菜などの植物に含まれる鉄は非ヘム鉄であり、非ヘム鉄の吸収率はヘム鉄の吸収率の1/2から1/5程度である。さらに非ヘム鉄は食物繊維や緑茶に含まれるカテキン等によって吸収が阻害され易い。従って、植物から充分量の鉄を摂ることは現実的でない。
本発明は、筋肉の持久力を向上させることや、倦怠感を改善させることができる疲労の予防又は改善剤、及び食品組成物を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために本発明者は研究を重ね、以下の知見を得た。
(i) シデロフォア、又はシデロフォアの3価鉄キレート錯体をラットに経口投与すると、意外なことに、筋肉内に比較的大量に鉄が分布し、鉄の分布量は投与量に依存して増大する。その筋肉内への鉄の分布量は、医療用及び食用の無機鉄補給剤として使用されている塩化鉄に比べて格段に多い。
(ii) シデロフォア、又はシデロフォアの3価鉄キレート錯体を経口投与する場合と、塩化鉄を経口投与する場合とでは、鉄の生体内分布が異なる。従って、シデロフォアにキレート化された鉄は、塩化鉄とは異なる経路で吸収、輸送されて筋肉に分布すると考えられる。
(iii) シデロフォア、又はシデロフォアの3価鉄キレート錯体をマウスに経口投与すると、塩化鉄を経口投与する場合に比べて、マウスの筋肉の持久力が増大する。
本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下の筋肉及び全身の疲労の予防又は改善剤、及び食品組成物などを提供する。
項1. シデロフォアを含む疲労の予防又は改善剤。
項2. さらに、3価鉄イオンを含む項1に記載の疲労の予防又は改善剤。
項3. シデロフォアと3価鉄イオンとがキレート錯体の形態で含まれている項2に記載の疲労の予防又は改善剤。
項4. シデロフォアがヒドロキサム酸を含むものである項1〜3のいずれかに記載の疲労の予防又は改善剤。
項5. ヒドロキサム酸を含むシデロフォアがフェリクローム類である項4に記載の疲労の予防又は改善剤。
項6. フェリクローム類がデフェリフェリクリシンである項5に記載の疲労の予防又は改善剤。
項7. 疲労が、筋肉疲労である項1〜6のいずれかに記載の疲労の予防又は改善剤。
項8. 疲労が、鉄分不足による疲労である項1〜6のいずれかに記載の疲労の予防又は改善剤。
項9. 筋肉鉄量向上を介して疲労を予防又は改善するものである項1〜8のいずれかに記載の疲労の予防又は改善剤。
項10. シデロフォアを含み、疲労を予防又は改善する作用を有するものであることを特徴とし、疲労を予防又は改善するために用いられる旨の表示を付した食品組成物。
項11. さらに、3価鉄イオンを含む項10に記載の食品組成物。
項12. シデロフォアと3価鉄イオンとがキレート錯体の形態で含まれている項11に記載の食品組成物。
項13. シデロフォアがヒドロキサム酸を含むものである項10〜12のいずれかに記載の食品組成物。
項14. ヒドロキサム酸を含むシデロフォアがフェリクローム類である項13に記載の食品組成物。
項15. フェリクローム類がデフェリフェリクリシンである項14に記載の食品組成物。
項16. 疲労が、筋肉疲労である項10〜15のいずれかに記載の食品組成物。
項17. 疲労が、鉄分不足による疲労である項10〜15のいずれかに記載の食品組成物。
項18. 筋肉鉄量向上を介して疲労を予防又は改善するものである項10〜17のいずれかに記載の食品組成物。
項19. シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとを、シデロフォアと3価鉄イオンとのキレート錯体に換算して0.1〜30mg/g含む固体状又はゲル状食品組成物。
項20. シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとを、シデロフォアと3価鉄イオンとのキレート錯体に換算して0.05〜10mg/ml含む液状又は流動状食品組成物。
本発明によれば、シデロフォアと3価鉄とのキレート錯体を経口投与すると、生体内に鉄が効率的に吸収されて、筋肉に多く分布することが示された。また、シデロフォアだけを経口投与する場合も、シデロフォアが消化管内の3価鉄イオンをキレートするため、キレート錯体を投与した場合と同じ状態になる。このように、シデロフォアだけを経口投与しても、その鉄錯体は鉄源として利用可能である。従って、経口投与されたシデロフォアが貧血を引き起こすということはない。
筋肉では、ヘム鉄であるミオグロビンが血液中の酸素を筋肉に取り込むことにより、筋肉が収縮する。従って、筋肉での鉄不足により酸素が不足して疲労感や倦怠感が生じたり、筋力の持続力が低下したりする。
この点に関し、本発明によれば、シデロフォア、又はその3価鉄とのキレート錯体を経口投与すると、筋力が持続するようになり、日常生活における活動時だけでなく、筋肉を酷使するような活動をしても筋肉が疲労し難くなることが示された。また、日常活動による疲労感・倦怠感だけでなく、筋肉酷使による疲労感・倦怠感を軽減することができる。これは、ミオグロビンの酸素貯蔵機能及び酸素運搬機能の強化と、筋肉鉄量の増大による体内の総貯蔵鉄量の増大に起因すると考えられる。
筋肉疲労は無機鉄による貧血治療では回復し難いとされているが、シデロフォア、又はその3価鉄キレート錯体は、無機鉄である塩化鉄に比べて、筋肉内への分布率が格段に高いことから、筋肉疲労を回復することが期待される。
また、前述したように、シデロフォア、及びその3価鉄錯体を摂取することにより、無機鉄やヘム鉄を含む通常の食餌に由来する肝臓貯蔵鉄量だけでなく、筋肉内鉄含有量を増大させることができる。全身鉄保有量に占める筋肉鉄保有量の比率は高いことから、シデロフォア、及びその3価鉄錯体の摂取により、全身の総貯蔵鉄量が増大し、貧血が予防又は改善され、鉄分不足に起因する持久力の低下、疲労感・倦怠感の軽減効果が得られる。
また、シデロフォアの3価鉄とのキレート錯体は、用量依存的に筋肉内に分布するため、筋肉分布量を薬理効果が得られるだけの所望の値にすることができる。
この鉄キレート錯体は、清酒や酒粕のような麹を用いた食品に元来含まれていることから、その安全性は歴史的に証明されている。また後述するように、肝機能・腎機能、体重増加量、摂食量などを低下させず、生体に悪影響を及ぼさないことが判明した。従って、鉄欠乏による筋肉疲労の改善又は治療のためのみならず、予防のために継続的に使用するのに適している。同様に、健常人が摂取する栄養機能食品又は特定保健用食品のような保健機能食品などとしても好適である。
また、シデロフォア、又はシデロフォアの3価鉄キレート錯体は、麹を用いた食品に元来含まれていることからも分かるように、強い味や臭いを有さないため、医薬品や食品の成分、特に食品添加物として使用し易い。
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)疲労の予防又は改善剤
本発明の疲労の予防又は改善剤は、シデロフォアを含み、特にこれを有効成分として含む。また、シデロフォアに加えて3価鉄イオンを含むことが好ましい。シデロフォアと3価鉄イオンとは別々に含まれていてもよく、又は、キレート錯体として含まれていてもよい。
本発明の疲労の予防又は改善剤における「疲労」には、筋肉疲労、及び全身疲労が包含される。前述したように、シデロフォアは、筋肉内貯蔵鉄量を増大させることにより、全身の総鉄保有量を増大させ、その結果、鉄分不足による全身疲労も予防または改善することができる。
シデロフォア
「シデロフォア」には、3価鉄イオンをキレート化できる化合物が含まれる。
シデロフォアの由来は特に限定されず、どのような生物に由来するものであってもよい。多くの微生物は、外界の鉄濃度が低いときに必須成分である鉄を効率的に取り込むためにシデロフォアを生産する。微生物は容易に増殖させることができるため、微生物を用いることによりシデロフォアを容易に大量生産することができる。この点で微生物に由来するシデロフォアが好ましい。さらに、シデロフォア合成酵素群をコードする遺伝子の組換えによりシデロフォアを多量に生産する宿主を容易に作製できる点でも、微生物に由来するシデロフォアが好ましい。
微生物由来のシデロフォアの種類は特に限定されない。例えば、エンテロバクチン、ビブリオバクチン、アグロバクチン、アングイバクチンのようなカテコール類;コプロゲン、フェリクローム類、フェリオキサミン、N,N’,N’’―トリアセチルフザリニンCのようなヒドロキサメート類;及びリゾフェリンのようなポリカルボキシレート類などが挙げられる。
特に、鉄キレート力の点で、ヒドロキサメート類(ヒドロキサム酸を含むシデロフォア)が好ましい。その中でも安定性の点で、環状であるフェリクローム類がより好ましい。
フェリクローム類は、3個のヒドロキサム酸を含む環状ペプチド化合物の総称であり、下記一般式(1)で表される化合物を含む。なお、一般式(1)はフェリクローム類に鉄を配位したものを表す。
Figure 2007091711
(式中、R1は水素原子、又はヒドロキシメチル基を示し;Rは水素原子、メチル基又はヒドロキシメチル基を示し;R、R、Rは、同一又は異なって、メチル基、N−(トランス−5−ヒドロキシ−3−メチルペント−2−エノイル)基、N−(シス−5−ヒドロキシ−3−メチルペント−2−エノイル)基、又はN−(トランス−4−カルボキシ−3−メチルペント−2−エノイル)基を示す。)
一般式(1)の化合物の中では、フェリクローム、ジグリシルフェリクローム、フェリクリシン、フェリクロームC、フェリクロシン、アスペルクロームD1、アスペルクロームB1、フェリルビン、フェリロジン、フェリクロームA、デス(ジセリルグリシル)フェリロジン(フェリロジンにおいて=Ser−Ser−Gly−を除いた化合物)が好ましく、フェリクリシンが最も好ましい。
これらの化合物の一般式(1)における官能基であるR〜Rを以下の表1にまとめて示す。
Figure 2007091711
これらのフェリクローム類は、アスペルギルス属、ニューロスポラ(Neurospora)属、ウスティラゴ(Ustilago)属などの真菌により生産される。アスペルギルス属糸状菌であるアスペルギルス・オリゼは、清酒、味噌、醤油などの生産において使用されてきたため、ヒトは古くからフェリクローム類を摂取してきた。従って、フェリクロームは、その安全性が歴史的に確認されている点で好ましい。麹菌が生産するフェリクローム類の中でもフェリクリシンは、アスペルギルス・オリゼが比較的多量に生産するため、生産性がよい点で好ましい。
本発明において、シデロフォアは、天然型シデロフォアの他、3価鉄のキレート化作用を有する天然型シデロフォアの誘導体も使用できる。天然型シデロフォアの誘導体としては、アセチル化、ニトロ化したものや、アミノ酸の一部が置換されたもの等が挙げられる。
シデロフォアは、生物から回収することにより製造できる。生物を鉄制限下で生育させると、鉄を含まないデフェリ体(シデロフォア)が生成される。このデフェリ体に鉄を加えることにより通常3価鉄イオンをキレート化した錯体となる。生物から回収されたシデロフォアは粗標品のままであってもよく、精製されたものであってもよい。
シデロフォアの精製は、公知の精製方法、例えばイオン交換、疎水、ゲルろ過、アフィニティのような各種クロマトグラフィー等により行えばよい。例えば、糸状菌からシデロフォアを回収する場合は、液体培養して上清中に生産されたものを回収してもよく、固体培養して固体培養物から水又は緩衝液を用いて抽出した抽出液から回収してもよい。いずれにしても本発明の疲労の予防又は改善剤には、例えば生物由来の夾雑物が含まれる場合がある。
またシデロフォアは、市販品を購入することもできる。また、これらのシデロフォアの混合物であってもよい。
フェリクリシン
フェリクリシンを構成する配位子であるデフェリフェリクリシンは、麹造り(固体培養)においてアスペルギルス・オリゼが多量に生産することが知られているフェリクローム類の1種である。アスペルギルス・オリゼが生産するフェリクローム類の殆どがデフェリフェリクリシンである。デフェリフェリクリシンは3価鉄イオンをキレート化してフェリクリシンになる。
デフェリフェリクリシンは、例えば以下の方法でアスペルギルス・オリゼから回収することができる。即ち、アスペルギルス・オリゼを培養する培地として、例えばポテトデキストロース培地(ニッスイ社)または最少培地(2%グルコース(又はスターチ)、0.3%NaNO、0.2%KCl、0.1%KHPO、0.05%MgSO、pH6.0)等を使用できる。培地は、固体培地でも液体培地でもよいが、デフェリフェリクリシンを回収し易い点で、液体培地を使用することが好ましい。また、米麹のような固体培地も、そこからデフェリフェリクリシンを回収、精製することなく、そのまま食品組成物に使用できる点で好ましい。
培養温度は、アスペルギルス・オリゼの生育可能温度範囲であればよく、例えば25〜42℃程度が挙げられる。培養時間は、その他の条件によって異なるが、通常2〜7日間程度とすればよい。
培養終了後、菌体をろ過後、培養液からデフェリフェリクリシンを回収する。さらに、この培養上清を、公知のタンパク質精製方法、例えばイオン交換、疎水、ゲルろ過、アフィニティなどの各種クロマトグラフィーに供することにより精製デフェリフェリクリシンが得られる。
3価鉄イオン
シデロフォア(デフェリ体)と3価鉄イオンとが混合されることにより、通常、速やかにキレート錯体が生成する。シデロフォアと3価鉄イオンとを含む本発明の筋肉疲労の予防又は改善剤が投与されると、3価鉄イオンはシデロフォアにキレートされて、筋肉内の鉄濃度を効果的に向上させる。本発明の疲労の予防又は改善剤中には、シデロフォアが3価鉄イオンに対して同モル数または過剰量含まれていればよい。この範囲であれば、鉄イオンを効果的に筋肉内に分布させることができる。
また前述したように、本発明の疲労の予防又は改善剤が3価鉄イオンを含まない場合でも、投与されたシデロフォアは、消化管内に存在する3価鉄イオンをキレートして、筋肉内の鉄濃度を効果的に向上させる。
製造方法
本発明の疲労の予防又は改善剤は、シデロフォアと3価鉄イオンとを混合すること、又は、組み合わせることにより製造できる。また、シデロフォア単独でもよい。
製剤
本発明の疲労の予防又は改善剤において、シデロフォア、又はシデロフォア及び3価鉄イオン(好ましくはこれらのキレート錯体)は、薬学的に許容される各種担体(賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、付湿剤等が含まれる)と配合して、適当な製剤とされる。また、この製剤には慣用の添加剤が含まれていてよい。
製剤形態は、特に限定されず、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤等の経口投与剤;注射剤、点滴剤、外用剤、座剤等の非経口投与剤などの各種製剤形態を挙げることができる。経口投与剤の方が、非経口投与剤に比べて患者への負担が小さいために、使用し易い。この点、シデロフォア及び3価鉄イオンは、これらを組み合わせて経口投与する場合に、効果的に筋肉中鉄濃度を増加させることができるため、経口投与剤の形態で好適に使用できる。
賦形剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖等の各種の糖類、バレイショデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン等の各種デンプン類、結晶セルロース等の各種セルロース類、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等の各種無機塩類等が挙げられる。
結合剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、結晶セルロース、プルラン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が挙げられる。
崩壊剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
潤沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油などが挙げられる。
付湿剤としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、大豆リン脂質、グリセリン、ソルビトールなどが挙げられる。
製剤中のシデロフォア及び3価鉄イオンの含有量は、シデロフォアの種類、投与経路、投与対象又は患者の年齢、体重、症状等によって異なり一概に規定できないが、3価鉄キレート錯体の形態と仮定した場合の1日投与量が通常20〜170mg程度、より好ましくは40〜80mg程度になる量とすればよい。また、製剤中に3価鉄が含まれない場合は、製剤中のシデロフォアの全量が3価鉄イオンをキレート化した場合の1日量が上記範囲になるようにすればよい。1日1回投与する場合は、1製剤中にこの量が含まれていればよく、1日3回投与する場合は、1製剤中にこの3分の1量が含まれていればよい。
また、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤のような固形製剤の場合は、製剤中にシデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとが、キレート錯体に換算して5〜30重量%程度含まれていればよい。また、シロップ剤のような液体製剤の場合は、シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとが、キレート錯体に換算して0.2〜1重量%程度含まれていればよい。また、注射剤、点滴剤の場合は、シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとが、キレート錯体に換算して0.4〜2重量%程度含まれていればよい。外用剤の場合は、シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとが、キレート錯体に換算して1〜10重量%程度含まれていればよい。座剤の場合は、シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとが、キレート錯体に換算して2〜20重量%程度含まれていればよい。上記の含有量の範囲であれば、筋肉の持久力の増大、疲労感・倦怠感の軽減などの効果が十分に得られるとともに、副作用が現れることがない。
本発明において「キレート錯体に換算した量」「キレート錯体の形態での量」は、シデロフォアと3価鉄とがキレート錯体を形成した場合の含有量を指し、必ずしもキレート錯体の形態で含まれていなくてもよい。また、製剤または食品組成物におけるシデロフォアが3価鉄より過剰である場合は、過剰のシデオロフォアが生体内にもともと存在する3価鉄をキレートして得られるキレート錯体の量も含めた量を指す。
シデロフォア、又はシデロフォアの3価鉄キレート錯体は高温(例えば120℃程度)高圧(例えば200kPa程度)処理によっても変性しない又は変性し難いことから、医薬組成物の成分として用いる場合に、加熱加圧滅菌できるという利点を有する。またシデロフォア、又はシデロフォアの3価鉄キレート錯体は、従来麹を用いた食品に含まれていることから、その安全性が歴史的に確認されており、医薬組成物の成分として使用する場合に副作用が生じない又は適性用量では副作用が生じない。
(II)食品組成物
本発明の食品組成物は、シデロフォア、又はシデロフォア及び3価鉄イオン(好ましくはキレート錯体)を含む組成物である。
この食品組成物を摂取することにより、筋肉を酷使するような労働やスポーツをする場合に限らず、一般の生活においても、筋肉鉄量の増加により、肉体的疲労感や倦怠感が軽減されるとともに、筋肉持久力が増強する。これは、ミオグロビンの酸素貯蔵機能及び酸素運搬機能の向上と、筋肉内の貯蔵鉄量の増大に起因すると考えられる。さらに、筋肉内の貯蔵鉄量が増大することから、総鉄保有量が増大して、貧血の予防又は改善にも効果を奏する。
このように、筋肉疲労の予防若しくは改善作用、又は筋肉持久力の増強作用、及び総鉄貯蔵量の増大による貧血の予防又は改善による、疲労感・倦怠感の軽減効果を有することから、これらの目的で用いられる旨の表示を付した食品組成物とすることができる。この食品組成物は、栄養機能食品又は特定保健用食品のような保健機能食品として好適に使用できる。この場合、シデロフォア又は上記錯体は有効成分として含まれている。
シデロフォア、又はシデロフォアの3価鉄キレート錯体は従来清酒に含まれている成分であり、食品の風味を損ねるような味や匂いを有さない。従って、食品の種類は特に限定されない。例えば、飴、ガム、ケーキ、パイ、クッキー、クラッカー、ゼリー、チョコレート、プディング、アイスクリーム、ポテトチップス、羊羹、煎餅、饅頭、中華饅頭のような菓子;酒類、茶類、コーヒー類、スポーツドリンク類、清涼飲料水、スープ、乳飲料のような飲料;ヨーグルト、バター、チーズのような乳製品;ハム、ソーセージ、蒲鉾、竹輪のような練り物;ソース、ドレッシング、マヨネーズ、醤油、味噌、酢、味醂、トマト加工品(ケチャップ、トマトペースト、トマトピューレ)、カレールウ、酒粕、顆粒だしのような調味料;ふりかけ、漬物、佃煮、塩昆布のような常備惣菜類;惣菜;麺、米飯、粥のような主食類などが挙げられる。
シデロフォア、又はシデロフォアの3価鉄キレート錯体は、高い水溶性を有しているため、飲料や、ソース、ドレッシング、醤油、酢、味醂のような液状調味料等の液状食品が好ましく、酒類、茶類、コーヒー類、スポーツドリンク類、清涼飲料水、乳飲料、及びスープのような飲料がより好ましい。最も好ましいのは、酒類、茶類、コーヒー類、スポーツドリンク類、及び清涼飲料水である。また、鉄化合物の水溶性が低くなることがある低pH条件下でもシデロフォア、又はシデロフォアの3価鉄キレート錯体は高い水溶性を示すため、マヨネーズやドレッシングのような液状酸性食品の添加剤としても好適に使用できるという利点がある。また前述したように高温高圧処理に耐えるため、本発明の鉄補給剤を添加した食品の加熱加圧滅菌を行えるとともに、レトルト処理のような特殊な製造工程を経ることもできる。さらにシデロフォア、又はシデロフォアの3価鉄キレート錯体は、従来麹を用いた食品に含まれていることから、その安全性が歴史的に確認されている点でも、食品添加物として好適である。
食品組成物中のシデロフォア、又はシデロフォア及び3価鉄イオンの含有量は、シデロフォアの種類、投与対象又は患者の年齢、体重、症状等によって異なり一概に規定できないが、キレート錯体の形態での1日摂取量が、20〜170mg程度、特に40〜80mg程度になる量とすればよい。
また、食品中のシデロフォア、又はシデロフォア及び3価鉄イオンの濃度は、食品の種類などによって異なるが、固体状又はゲル状食品の場合は、キレート錯体に換算して0.1〜30mg/g程度が好ましく、0.1〜5mg/g程度がより好ましく、0.2〜3mg/g程度がさらにより好ましく、0.25〜1.5mg/g程度がさらにより好ましい。ヨーグルトのような半固体状食品も、飲むものではなく食する上で流動性が必要とされない点で固体状食品に含まれる。液状又は流動状食品の場合は、キレート錯体に換算して0.05〜10mg/ml程度が好ましく、0.1〜5mg/ml程度がより好ましく、0.2〜1mg/ml程度がさらに好ましい。食品の形態によって異なるが、一般的な固形状食品の1回の摂取量は10〜50g程度であり、液体形状の食品の1回摂取量は50ml〜500ml程度であることから、上記の含有量の範囲であれば、1日1回から数回の摂取により十分な筋肉疲労の予防又は改善などの効果が得られるとともに、鉄過剰症になる恐れがない。
液体状食品の中でも、酒類、特に日本酒に、シデロフォア又はシデロフォア及び3価鉄イオンが上記比率で含まれることにより、筋肉疲労の予防又は改善効果が十分に得られるとともに、副作用を生じず、さらに飲むときに不快感を抱かせることがない。
本発明の食品組成物には、食品組成物の調製に当たり慣用されている各種添加剤を添加配合することができる。添加剤としては、例えば、安定化剤、pH調整剤、糖類、甘味料、香料、各種ビタミン類、ミネラル類、抗酸化剤、賦形剤、可溶化剤、結合剤、滑沢剤、懸濁剤、湿潤剤、皮膜形成物質、矯味剤、矯臭剤、着色料、保存剤等を例示することができる。
また、本発明の食品組成物は、筋肉疲労の予防又は改善のための栄養補助食品、即ちサプリメントとしても好適に使用できる。この場合の食品組成物中には、シデロフォア及び3価鉄イオンの他に、サプリメントの担体として公知の成分が含まれていればよい。このような担体として、例えば糖類、デンプン類、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、植物油が挙げられる。
サプリメント中のシデロフォア、又はシデロフォア及び3価鉄イオンの含有量は、キレート錯体に換算して、0.2〜20重量%程度であることが好ましく、0.4〜10重量%程度であることがより好ましい。上記範囲であれば、十分に疲労の予防又は改善効果が得られるとともに、多すぎて副作用が現れることがない。
サプリメントの形状は特に限定されないが、例えば、錠剤状、粉状、顆粒状などの形状が挙げられる。
(III)疲労の予防又は改善方法・貧血の予防又は改善方法
シデロフォアの3価鉄キレート錯体は、生体内への鉄の吸収率が高く、筋肉への分布量が多い。従ってシデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとをヒトに投与することにより、筋肉の活動による鉄の消費を補い、筋持久力を増強し、筋持久力の低下や疲労倦怠感を効果的に予防、または改善することができる。また、3価鉄イオンを含まないシデロフォア単独でヒトに投与することによっても、同様の効果が得られる。さらに、シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとをヒトに投与することにより、筋肉内の鉄保有量ないしは鉄貯蔵量を増大させて、貧血を予防又は改善することができ、鉄分不足に起因する持久力の低下、疲労感・倦怠感の軽減効果が得られる。
本発明の疲労の予防又は改善剤、及び食品組成物の投与対象は、特に限定されないが、筋肉を酷使する環境にあるヒト、鉄分が不足しているために筋力が低下しているヒト、鉄分不足のために疲れ易くなっているヒトなどが好適である。また、通常の生活環境にあるヒトも鉄分不足の予防の点から好適である。
投与量は、シデロフォアの種類、投与対象の症状、年齢、体重などによって異なるが、キレート錯体の形態での1日投与量が20〜170mg程度、特に40〜80mg程度となる量を1日1回又は数回に分けて投与すればよい。
投与経路は、経口又は非経口のいずれであってもよいが、経口投与する場合にも効果的に筋肉中の鉄濃度を向上させることができることから、簡便な経口投与が好ましい。
実施例
以下、本発明を実施例及び試験例を示してより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
フェリクリシンの調製
米麹を水で抽出した抽出液(デフェリフェリクリシン含有)に、デフェリフェリクリシンと等モルの塩化第二鉄を加えてフェリクリシン溶液を作製した後、限外濾過膜を用いて分子量5000以上のタンパク質などの高分子を除去し、ろ液をカラムクロマトにより濃縮した。フェリクリシンは430nmに極大吸収を示す性質が知られている(Agr.Biol.Chem.,Vol.31,No.12,p1482)ため、上記の手法で調製された溶液をHPLC分析し、430nmの吸収を示す物質の大半がフェリクリシンであることを確認した。フェリクリシンのHPLC分析は、430nmに吸収を示す物質がほとんどフェリクリシンであったことを示す定性分析である。
4週齢のSD系雄ラット15匹に、鉄欠乏飼料にクエン酸鉄を添加した鉄調整飼料(鉄を35ppm含む)、及び蒸留水を1週間自由摂取させた。
次いで、ラットを3群に分け、第1群に体重1kg当たり50mgのフェリクリシン(体重1kg当たり3.5mgの鉄)を、第2群に体重1kg当たり300mgのフェリクリシン(体重1kg当たり21mgの鉄)を、第3群に体重1kg当たり10.3mgの塩化鉄(FeCl)(体重1kg当たり3.5mgの鉄)を、それぞれ強制経口投与した。フェリクリシンおよび塩化鉄は、生理食塩水に溶解させ、鉄化合物含有液の投与量が1mlとなるよう調整した。各鉄化合物は、非放射性化合物である。鉄欠乏飼料、及び蒸留水は自由摂取させた。各鉄化合物含有液を3日間の反復投与した後、24時間絶食した。
次いで、各鉄化合物を鉄の放射性同位元素[59Fe]で標識した投与試料を調整し、それぞれ強制経口投与した。投与放射能量は、体重150g当たり1μCiとした。さらに3時間は蒸留水のみ自由摂取させ、その後、鉄欠乏飼料及び蒸留水を自由摂取させて、放射性鉄化合物投与から24時間後に、ラットをエーテルで屠殺し、各臓器、血液、骨、筋肉および糞のγ線放射性エネルギー(cpm)をAuto Well Gamma System ARC−360(Aloka)で測定した。さらに、γ線放射性エネルギーからラットの体内鉄分布量を算出した。
結果を図1に示す。筋肉では、体重1kg当たり3.5mgの鉄投与量となるようにフェリクリシンを投与した群(Fcy50−Fe)では、体重1kg当たり同じ3.5mgの鉄投与量となるように塩化鉄を投与した群(FeCl)に比べて、筋肉内の鉄分布量が有意に多かった。一方、他の組織では、同じ鉄投与量では塩化鉄を投与した群の方が、鉄分布量が多かった。また、体重1kg当たり3.5mgの鉄投与量となるようにフェリクリシンを投与した群に比べて、体重1kg当たり21mgの鉄投与量となるようにフェリクリシンを投与した群では、筋肉内の鉄分布量は多かった。
また、ラット生体内へ吸収された鉄の各組織への分布比率を図2に示す。筋肉内への鉄の分布比率は、体重1kg当たり3.5mgの鉄投与量となるようにフェリクリシンを投与した群では10.3±0.9%であった。一方、体重1kg当たり同じ3.5mgの鉄投与量となるように塩化鉄を投与した群では、1.6±0.8%であった。両群の分布率の差異は、筋肉で特に著しかった。
以上の結果から、フェリクリシンは、消化器官で分解された後、塩化鉄のような無機鉄とは異なる機構で吸収・輸送され、筋肉に多くの鉄を供給することができると考えられる。
マウスの遊泳時間延長作用
5週齢のBALB/c系雄マウス9匹ずつを1群とした。第1群には、鉄濃度を35ppmに調整した塩化鉄(FeCl)含有精製飼料及び蒸留水を自由摂取させつつ飼育した。第2群には、鉄濃度を35ppmに調整したフェリクリシン含有精製飼料及び蒸留水を自由摂取させつつ飼育した。週に2回、定期的に30分間強制的に遊泳させた。飼育開始14日目、及び28日目には、体重の7%の重さのオモリを胸部に固定した状態で強制的に遊泳させ、疲労困憊するまでの遊泳持続時間を測定し、各群の平均値を求めた。
結果を図3に示す。飼育28日目の遊泳持続時間の平均は、フェリクリシン摂取群では31分間であり、塩化鉄摂取群では26分間であり、フェリクリシン摂取群の方が塩化鉄摂取群より遊泳時間の延長傾向が認められた。
酒類(液体状食品)への配合量の検討
清酒100mlに、フェリクリシンを、それぞれ1mg、5mg、10mg、20mg、50mg、100mg、200mg、500mg、1000mg添加して鉄強化清酒を調製した。得られた鉄強化清酒中のフェリクリシン濃度は、0.01mg/ml、0.05mg/ml、0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.5mg/ml、1mg/ml、2mg/ml、5mg/ml、10mg/mlである。
各鉄補強清酒について、25人のパネラーにより官能試験を行った。結果を以下の表2に示す。表1中、+++は20人以上のパネラーが美味しいと感じたことを示し、++は7〜19人のパネラーが美味しいと感じたことを示し、+は1〜6人のパネラーが美味しいと感じたことを示し、−は美味しいと感じたパネラーがいなかったことを示す。
Figure 2007091711
表2から明らかなように、酒類にフェリクリシンを1mg/ml(0.1重量%)以下、特に0.5mg/ml(0.05重量%)以下、さらに特に0.2mg/ml(0.02重量%)以下の範囲で添加した場合に官能評価が良好であった。
菓子(固形状食品)への配合量の検討
クッキー100gに、フェリクリシンを、それぞれ5mg、10mg、20mg、50mg、150mg、300mg、500mg、1000mg、2000mg添加して鉄強化クッキーを調製した。得られた鉄強化クッキー中のフェリクリシン濃度は、0.05mg/g、0.1mg/g、0.2mg/g、0.5mg/g、1.5mg/g、3.0mg/g、5.0mg/g、10mg/g、20mg/gである。
各鉄補強クッキーについて、25人のパネラーにより官能試験を行った。結果を以下の表3に示す。表3中、+++は20人以上のパネラーが美味しいと感じたことを示し、++は7〜19人のパネラーが美味しいと感じたことを示し、+は1〜6人のパネラーが美味しいと感じたことを示し、−は美味しいと感じたパネラーがいなかったことを示す。
Figure 2007091711
表3から明らかなように、クッキーにフェリクリシンを3mg/g(0.3重量%)以下、特に1.5mg/g(0.15重量%)以下、さらに特に0.5mg/g(0.05重量%)以下の範囲で添加した場合に官能評価が良好であった。
処方例
以下に、本発明の食品組成物の処方例を示す。
<処方例1 クッキー>
小麦粉(薄力粉)100g、ベーキングパウダー2.5g、食塩1.5g、フェリクリシン200mgを混合し、これにバター40gとミルク50gを加え、これをオーブンで180℃、10分間焼き上げ、鉄強化クッキーを得た。得られたクッキーには、フェリクリシンが1.5mg/g含まれていた。
<処方例2 ゼリー>
ゼラチン5g、ショ糖20g、水50gから膨潤ゼラチンを作る。プレーンヨーグルト140gにフェリクリシン160mgを加え、上記膨潤ゼラチンを加えて冷やす。これを固めて鉄強化ゼリーを得た。得られたゼリーには、フェリクリシンが0.75mg/g含まれていた。
<処方例3 飴>
上白糖500g、水飴440gを少量の水に溶解し、さらにフェリクリシン4gを添加して減圧下130℃で煮詰めた。その後、クエン酸3.5g、酒石酸1.5g、脱脂卵黄蛋白分解物1gを添加した。これを冷却して鉄強化飴を得た。得られた飴には、フェリクリシンが5mg/g含まれていた。
<処方例4 アイスクリーム>
牛乳1200g、生クリーム310g、上白糖300g、脱脂粉乳60g、脱脂卵黄蛋白分解物1g、増粘安定剤6g、フェリクリシン800mgに水を加えて全量2000mlにして溶解した。これを80℃まで加熱した後、ホモミキサーで予備乳化し、引き続きホモジナイズした。冷却し熟成させた後バニラエッセンス2gを加えフリージングを行った。その後−40℃まで急冷して鉄強化アイスクリームを得た。得られたアイスクリームには、フェリクリシンが0.4mg/g含まれていた。
<処方例5 羊羹>
糸寒天7.5gを溶かし、これに小豆漉し餡660g、グラニュー糖300g、水550ml、フェリクリシン2gを混ぜて溶かして煮詰め、冷やして鉄強化羊羹を得た。得られた羊羹には、フェリクリシンが2mg/g含まれていた。
<処方例6 ヨーグルト>
20%脱脂乳を120℃で、3秒間殺菌した後、ストレプトコッカス・サーモフィルス及びラクトバチルス・カゼイの種菌を培養してヨーグルトベース400gを得た。さらに、砂糖70g、ペクチン3g、フェリクリシン800mgを水に溶解させ、水を加え全量を600gとした。この溶液を120℃で、3秒間殺菌してシロップを得た。上記のヨーグルトベースとシロップを混合し、香料を1g添加した後、均質化して、鉄強化ヨーグルトを得た。得られたヨーグルトには、フェリクリシンが0.8mg/g含まれていた。
<処方例7 牛乳>
牛乳100mlにフェリクリシン40mgを入れてよく撹拌し、鉄強化牛乳を得た。得られた牛乳には、フェリクリシンが0.4mg/ml含まれていた。
<処方例8 チョコレート>
カカオマス25g、カカオバター15g、全脂粉乳15g、粉砂糖30g、粉ミルク15gとフェリクリシン250mgを混和し、45℃で暖めた後に冷却し、鉄強化チョコレートを得た。得られたチョコレートには、フェリクリシンが2.5mg/g含まれていた。
<処方例9 マヨネーズ>
卵黄20gに食塩2.5g、蔗糖1.5g、マスタード1.5g、胡椒0.1g、レモン汁5g、フェリクリシン3.2gを加え、これに酢10gとサラダ油160gとを加えてよく攪拌して鉄強化マヨネーズを得た。得られたマヨネーズには、フェリクリシンが16mg/g含まれていた。
<処方例10 ケチャップ>
トマト1kgを皮をむいてミキサーにかけ、加熱して煮詰めた後、すりおろしたタマネギ10g、ニンニク3gを加え、さらに砂糖10g、塩2g、フェリクリシン4.8gを加える。弱火にして香辛料(シナモンスティック、クローブ、胡椒、唐辛子)1g、酢を30g加え、一度加熱した後、冷まして鉄強化ケチャップを得た。得られたケチャップには、フェリクリシンが16mg/g含まれていた。
<処方例11 カレールウ>
小麦粉(薄力粉)125g、バター100g、カレー粉20gとフェリクリシン1.0gに、少量の水を加えて混和し、固めて鉄強化カレールウを得た。得られたカレールウには、フェリクリシンが4mg/g含まれていた。
<処方例12 蒲鉾>
魚のすり身100g、粉末マッシュポテト10g、小麦粉5g、卵白50g、塩2g、砂糖0.2g、みりん10g、フェリクリシン1.3gを加え、これらを混ぜてペースト状にし、蒸し器で蒸して鉄強化蒲鉾を得た。得られた蒲鉾には、フェリクリシンが7mg/g含まれていた。
<処方例13 佃煮>
戻した昆布25g、かつおだし150ml、砂糖15g、醤油15g、酢10g、フェリクリシン400mgを混合し、沸騰させてから中火で煮詰めて鉄強化佃煮を得た。得られた佃煮には、フェリクリシンが5mg/g含まれていた。
<処方例14 ふりかけ>
いりごま15g、味付けごま20g、味付け削り節10g、味付けかつお塩顆粒10g、味付けのり顆粒10g、フェリクリシン1.6gをよく混合して、鉄強化ふりかけを得た。得られたふりかけには、フェリクリシンが25mg/g含まれていた。
<処方例15 米飯>
白米150g、水220gとフェリクリシン160mgを混合し、炊飯器で炊き上げ、鉄強化米飯を得た。得られた米飯には、フェリクリシンが0.5mg/g含まれていた。
<処方例16 うどん麺>
水400g、塩50gを混合して塩を溶かし、これに小麦粉(中力粉)1000g、フェリクリシン1.6gを混ぜ、よくこねた。固まったらこれをよく伸ばし、5mm幅に切った。これを10分茹でて、その後冷やして鉄強化うどん麺を得た。得られたうどん麺にはフェリクリシンが3mg/g含まれていた。
<処方例17 清酒>
清酒100mlにフェリクリシン20mgを加え、よく撹拌して鉄強化清酒を得た。得られた清酒には、フェリクリシンが0.2mg/ml含まれていた。
<処方例18 焼酎>
焼酎100mlにフェリクリシン40mgを加え、よく撹拌して鉄強化焼酎を得た。得られた焼酎には、フェリクリシンが0.4mg/ml含まれていた。
<処方例19 ワイン>
ワイン100mlにフェリクリシン20mgを加え、よく撹拌して鉄強化ワインを得た。得られたワインには、フェリクリシンが0.2mg/ml含まれていた。
<処方例20 ビール>
ビール100mlにフェリクリシン12mgを加え、撹拌して鉄強化ビールを得た。得られたビールには、フェリクリシンが0.12mg/ml含まれていた。
<処方例21 ウィスキー>
ウィスキー100mlにフェリクリシン100mgを加え、よく撹拌して鉄強化ウィスキーを得た。得られたウィスキーには、フェリクリシンが1mg/ml含まれていた。
<処方例22 ブランデー>
ブランデー100mlにフェリクリシン100mgを加え、よく撹拌して鉄強化ブランデーを得た。得られたブランデーには、フェリクリシンが1mg/ml含まれていた。
<処方例23 スピリッツ>
スピリッツ100mlにフェリクリシン100mgを加え、よく撹拌して鉄強化スピリッツを得た。得られたスピリッツには、フェリクリシンが1mg/ml含まれていた。
<処方例24 リキュール>
リキュ−ル100mlにフェリクリシン100mgを加え、よく撹拌して鉄強化リキュールを得た。得られたリキュールには、フェリクリシンが1mg/ml含まれていた。
<処方例25 みりん>
みりん100mlにフェリクリシン400mgを加え、よく撹拌して鉄強化みりんを得た。得られたみりんには、フェリクリシンが4mg/ml含まれていた。
<処方例26 茶>
お茶100mlにフェリクリシン40mgを加え、よく撹拌して鉄強化茶を得た。得られた茶には、フェリクリシンが0.4mg/ml含まれていた。
<処方例27 コーヒー>
コーヒー100mlにフェリクリシン40mgを加え、よく撹拌して鉄強化コーヒーを得た。得られたコーヒーには、フェリクリシンが0.4mg/ml含まれていた。
<処方例28 スポーツドリンク>
水100ml、果糖5g、ショ糖2g、クエン酸0.3g、ナトリウム20mg、カルシウム2mg、カリウム20mg、アルギニン20mg、イソロイシン10mg、バリン10mg、ロイシン10mg、ビタミンC100mg、β−カロチン1mgにフェリクリシン15mgを加え、よく撹拌して鉄強化スポーツドリンクを得た。得られたスポーツドリンクには、フェリクリシンが0.15mg/ml含まれていた。
<処方例29 清涼飲料水>
バレンシアオレンジ果汁30ml、レモン果汁3ml、果糖1.5g、クエン酸0.5g、ビタミンC0.1gにフェリクリシン15mgを加え、これに水を加えて100mlとし、よく撹拌した後に炭酸ガスを封入し、鉄強化清涼飲料水を得た。得られた清涼飲料水には、フェリクリシンが0.15mg/ml含まれていた。
<処方例30 スープ>
ポタージュスープ100mlにフェリクリシン40mgを加え、よく撹拌して鉄強化スープを得た。得られたスープには、フェリクリシンが0.4mg/ml含まれていた。
ラット各臓器への吸収量を、フェリクリシンと塩化鉄(FeCl)との間で比較した結果を示す図である。 ラット各臓器への分布量を、フェリクリシンと塩化鉄(FeCl)との間で比較した結果を示す図である。 マウスの遊泳持続時間を、フェリクリシン摂取群と塩化鉄(FeCl)摂取群との間で比較した結果を示す図である。

Claims (20)

  1. シデロフォアを含む疲労の予防又は改善剤。
  2. さらに、3価鉄イオンを含む請求項1に記載の疲労の予防又は改善剤。
  3. シデロフォアと3価鉄イオンとがキレート錯体の形態で含まれている請求項2に記載の疲労の予防又は改善剤。
  4. シデロフォアがヒドロキサム酸を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の疲労の予防又は改善剤。
  5. ヒドロキサム酸を含むシデロフォアがフェリクローム類である請求項4に記載の疲労の予防又は改善剤。
  6. フェリクローム類がデフェリフェリクリシンである請求項5に記載の疲労の予防又は改善剤。
  7. 疲労が、筋肉疲労である請求項1〜6のいずれかに記載の疲労の予防又は改善剤。
  8. 疲労が、鉄分不足による疲労である請求項1〜6のいずれかに記載の疲労の予防又は改善剤。
  9. 筋肉鉄量向上を介して疲労を予防又は改善するものである請求項1〜8のいずれかに記載の疲労の予防又は改善剤。
  10. シデロフォアを含み、疲労を予防又は改善する作用を有するものであることを特徴とし、疲労を予防又は改善するために用いられる旨の表示を付した食品組成物。
  11. さらに、3価鉄イオンを含む請求項10に記載の食品組成物。
  12. シデロフォアと3価鉄イオンとがキレート錯体の形態で含まれている請求項11に記載の食品組成物。
  13. シデロフォアがヒドロキサム酸を含むものである請求項10〜12のいずれかに記載の食品組成物。
  14. ヒドロキサム酸を含むシデロフォアがフェリクローム類である請求項13に記載の食品組成物。
  15. フェリクローム類がデフェリフェリクリシンである請求項14に記載の食品組成物。
  16. 疲労が、筋肉疲労である請求項10〜15のいずれかに記載の食品組成物。
  17. 疲労が、鉄分不足による疲労である請求項10〜15のいずれかに記載の食品組成物。
  18. 筋肉鉄量向上を介して疲労を予防又は改善するものである請求項10〜17のいずれかに記載の食品組成物。
  19. シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとを、シデロフォアと3価鉄イオンとのキレート錯体に換算して0.1〜30mg/g含む固体状又はゲル状食品組成物。
  20. シデロフォア、又はシデロフォアと3価鉄イオンとを、シデロフォアと3価鉄イオンとのキレート錯体に換算して0.05〜10mg/ml含む液状又は流動状食品組成物。
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