JP2007088367A - アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート - Google Patents

アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート Download PDF

Info

Publication number
JP2007088367A
JP2007088367A JP2005278086A JP2005278086A JP2007088367A JP 2007088367 A JP2007088367 A JP 2007088367A JP 2005278086 A JP2005278086 A JP 2005278086A JP 2005278086 A JP2005278086 A JP 2005278086A JP 2007088367 A JP2007088367 A JP 2007088367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
alloy plate
mass
printed circuit
entry sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005278086A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Naoyuki
進 直之
幸男 ▲巽▼
Yukio Tatsumi
Masahiro Takada
昌宏 高田
Katsumi Koyama
克己 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Showa Denko Materials Co Ltd
Furukawa Sky KK
Original Assignee
Adeka Corp
Hitachi Chemical Co Ltd
Furukawa Sky KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp, Hitachi Chemical Co Ltd, Furukawa Sky KK filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2005278086A priority Critical patent/JP2007088367A/ja
Publication of JP2007088367A publication Critical patent/JP2007088367A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drilling And Boring (AREA)
  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、ドリルの穴位置精度が良好で、ドリルが破損し難く、更に、削りカスの排出性が良好なアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートを提供することにある。
【解決手段】本発明のプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートは、アルミニウム合金板の少なくとも1面に、潤滑剤の塗布皮膜を備えてなるプリント基板穴あけ用エントリーシートにおいて、アルミニウム板合金板のアルミニウム含量が85.0質量%以上99.0質量%未満であり、残余がSi、Cu、Zn、Fe、Mn、Mg、Cr、Ti及びZrからなる群から選ばれる1種または2種以上の元素から構成され、かつCu及び/またはZnの合計量は、Mn及び/またはMgの合計量よりも多いことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント基板等の配線板を製造するに際し、配線板に小径の穴を形成するのに使用されるアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート、及び該アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートを使用するプリント基板の穴あけ方法に関するものである。
近年、電子機器の高機能化、高密度化に伴い、電子部品は軽薄短小化、高集積化、高速化の傾向にある。このために、プリント基板においても、薄型化及び軽量化が求められており、配線密度あるいはそこに実装される電子部品も高密度化している。プリント基板には、スルーホール、ディスクリート部品の実装用の穴、及び実装時の実装ピン挿入穴等が必要とされている。この中で、ディスクリート部品の実装用の穴は、部品の小型化及び製品の高性能化に伴う部品の高密度化により、穴が小口径化すると共に穴の間隔が狭まり、加工精度の安定化がより一層求められている。
プリント基板等の穴あけ加工では、位置ずれの防止とバリ(プリント基板の金属箔のカエリ)を押さえるために、以下の特許文献3に開示されているような純アルミニウム(アルミニウム純度99.0質量%以上:JIS H4000)又はアルミニウム合金からなるエントリーシートが用いられていた。こうしたエントリーシートに必要な性能は、ドリルの穴位置精度が良好(穴の位置がずれない)であり、ドリルが破損しにくく、プリント基板の削りカスの排出性が良好で、プリント配線板の穴内壁(切削面)にスミヤ(焼き付き)の発生がなく、切削面が奇麗であることである。
しかし、プリント基板の重ね枚数の増加等により、ドリルに掛る負荷が大きくなり、ドリルの破損が頻繁に起ったり、ドリルの穴位置精度が悪くなったりするようになった。そこで、アルミニウムのエントリーシートに各種潤滑剤を塗布し、摩擦係数を下げることによりドリルの寿命を延ばすこと等が提案されている。例えば、特許文献1には、絶縁体に金属箔が接着された積層体に表裏導通用のドリル孔明けを該積層体の片面或いは両面に水溶性滑剤を配置して行う方法において、該水溶性滑剤が分子量が600〜9,000のポリエチレングリコールであることを特徴とするプリント配線板の孔明け加工法(請求項1)が開示されている。
また、特許文献2には、特定の水溶性高分子膜層形成材料を準備する工程と、積層基板を構成する複数の基板のうちの少なくとも金属箔張基板の基板面に上記水溶性高分子膜層形成材料を用いて水溶性高分子膜層を形成する工程と、上記金属箔張基板の水溶性高分子膜形成金属箔面が貫通孔開始面となるように上記複数の基板を積層して積層基板を形成する工程とを備え、上記金属箔の水溶性高分子膜を介して上記積層基板に貫通孔を穿設することを特徴とする積層基板の孔あけ加工法が開示されている。
更に、特許文献3には、アルミニウム合金単板の片面または両面に塗布、焼き付けて皮膜を形成するために用いられる、特定の成膜性樹脂と、特定の潤滑性付与剤とを含有することを特徴とするプリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤が開示されている。また、特許文献3の[0030]段落には、アルミニウム単板として、純アルミニウム系のA/N30、Al−Mn系の3000系合金の3003合金、3004合金、Al−Mg系の5005合金、5025合金が例示されている。ここで、純アルミニウム系とは、アルミニウム純度99.0質量%以上の材質を示し、3003合金は、Si0.6質量%、Fe0.7質量%、Cu0.05質量%、Mn1〜1.5質量%、Zn0.1質量%の組成を有し、3004合金は、Si0.3質量%、Fe0.7質量%、Cu0.25質量%、Mn1〜1.5質量%、Zn0.1質量%、Mg0.8〜1.3質量%の組成を有し、5005合金は、Si0.3質量%、Fe0.7質量%、Cu0.20質量%、Mn0.20質量%、Zn0.25質量%、Mg0.5〜1.1質量%、Cr0.1質量%の組成を有し、5052合金は、Si+Fe0.4質量%、Cu0.10質量%、Mn0.10質量%、Zn0.25質量%、Mg0.5〜1.1質量%、Cr0.1質量%の組成を有するものである。
特開平4−92488号公報 特許請求の範囲 特開平7−308895号公報 特許請求の範囲 特開平10−330777号公報 特許請求の範囲[0030]段落
上述の特許文献1〜3に記載されているような潤滑剤を塗布することにより、穴あけ時のドリル発熱を防止して破損を抑え、更に、ドリルの穴位置精度を向上させることもできるが、純アルミニウムや特定のアルミニウム合金を使用した公知のエントリーシートでは、長時間穴あけを行っていると、削りカスがドリルに巻き付き、切削面が荒れたりする等の問題がある。これらは、削れた純アルミニウム又はアルミニウム合金がドリルに巻き付き、それに伴ってプリント基板の削りカスが外部に排出され難くなるために発生する現象であり、潤滑剤を塗布しただけでは、削りカスの排出性を改善することは困難であった。
従って、本発明の目的は、ドリルの穴位置精度が良好で、ドリルが破損し難く、更に、削りカスの排出性が良好なアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートを提供することにある。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の組成を有するアルミニウム合金板に、優れた削りカス排出性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、アルミニウム合金板の少なくとも1面に、潤滑剤の塗布皮膜を備えてなるプリント基板穴あけ用エントリーシートにおいて、アルミニウム板合金板のアルミニウム含量が85.0質量%以上99.0質量%未満であり、残余がSi、Cu、Zn、Fe、Mn、Mg、Cr及びTiからなる群から選ばれる1種または2種以上の元素から構成され、Cu及び/またはZnの合計量は、Mn及び/またはMgの合計量よりも多く、かつ不可避不純物含量が0.3質量%以下であることを特徴とするプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートを提供することにある。
また、本発明は、上記プリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートを、潤滑剤塗布皮膜がドリル進入側になるように配置して、プリント基板に穴をあけることを特徴とするプリント基板の穴あけ方法を提供することにある。
本発明のプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートによれば、ドリルの穴位置精度が良好で、ドリルが破損し難く、更に、優れた削りカスの排出性を有するという効果を奏するものである。
アルミニウムは展伸性に富むが、用途によっては更に強度を高めたり、耐熱性を向上させたりする必要があるため、アルミニウムに種々の金属元素を加えたり、熱処理を行うこと等の処理によって、様々な種類のアルミニウム合金が製造されている。こうした様々なアルミニウム合金の中でも、99.0質量%以上の純度を持つ所謂純アルミニウム板は柔らないため、エントリーシートとして利用すると削れたアルミニウムがドリルに巻き付き、プリント基板の削りカスがうまく排出できない。削りカスの排出性を良くするためにはアルミニウム板にある程度の硬度が必要になるため、エントリーシートに使用するアルミニウム板としてはその他の金属を含んだアルミニウム合金板が望ましい。本発明のアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートに使用できるアルミニウム合金板は、アルミニウム含量として85.0質量%以上99.0質量%未満、より好ましくは85.0〜96.0質量%、更に好ましくは87.0〜95.0質量%の組成を有するものである。アルミニウム含量が85.0質量%未満の場合は、アルミニウム合金が硬くなりすぎて、ドリル寿命が短くなる場合や、穴位置精度も悪くなる場合がある。
本発明に使用できるアルミニウム合金板は、アルミニウム含量が85.0質量%以上99.0質量%未満のアルミニウム合金であり、残余は、Si、Cu、Zn、Fe、Mn、Mg、Cr及びTiからなる群から選ばれる1種または2種以上の元素から構成される。より好ましくは、Fe、Cu及び、Znからなる群から選ばれる1種または2種以上の元素を含有するアルミニウム合金である。
ここで、アルミニウム合金板中のCu及び/またはZnの合計量は、Mn及び/またはMgの合計量よりも多いことが必要である。これは、Mn及び/またはMgの合計量よりCu及びZnの合計量が多いアルミニウム合金板は、切削性を向上して削りカス排出性を改善するが、Mn及び/またはMgの含量が多いと切削性が低下して削りカス排出性に劣る場合があるためである。
次に、アルミニウム合金板中のCu含量は、0.3質量%以上、好ましくは0.3〜8質量%、最適には2〜8質量%の範囲内である。ここで、Cu含量が0.3質量%未満であると、削れたアルミニウム合金がドリルへ巻き付く場合や、ドリル寿命が短くなる場合があるために好ましくない。また、Zn含量もまた0.3質量%以上、好ましくは0.3〜8質量%、最適には2〜8質量%の範囲内である。ここで、Zn含量が0.3質量%未満であると、削れたアルミニウム合金がドリルへ巻き付く場合や、ドリル寿命が短くなる場合があるために好ましくない。更に、Cu含量とZn含量の合計量は、0.3質量%以上、好ましくは0.3〜8質量%、最適には2〜8質量%の範囲内である。ここで、Cu含量とZn含量の合計量が0.3質量%未満であると、削れたアルミニウム合金がドリルへ巻き付く場合や、ドリル寿命が短くなる場合があるために好ましくない。
また、アルミニウム合金板中のSi含量は、0.05〜1.0質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%の範囲内である。ここで、Si含量が0.05質量%未満であると、耐食性に劣る場合があるために好ましくない。また、1.0質量%を超えると、切削面が荒れる場合やドリルの寿命が短くなる場合があるために好ましくない。なお、Siを添加することにより、アルミニウム合金板の熱膨張率を抑えることができるという効果を付与することができる。
更に、アルミニウム合金板中のFe含量は、ゼロまたは2.0質量%以下、好ましくはゼロまたは0.1〜1.5質量%の範囲内である。ここで、Fe含量が2.0質量%を超えると、切削面が荒れる場合やドリル寿命が短くなる場合があるため好ましくない。なお、Feを添加することにより、アルミニウム合金板の強度を上げることができるという効果を付与することができる。
また、アルミニウム合金板中のMn含量は、ゼロまたは3質量%以下、好ましくはゼロまたは0.1〜1.0質量%の範囲内である。ここで、Mn含量が3質量%を超えると、削りカスの排出性に劣る場合があるのに加え、切削面が荒れる場合やドリルの寿命が短くなる場合もあるため好ましくない。なお、Mnを添加することにより、アルミニウム合金板の強度を上げることができるという効果を付与することができる。
また、アルミニウム合金板中のMg含量は、ゼロまたは3質量%以下、好ましくはゼロまたは0.1〜3.0質量%の範囲内である。ここで、Mg含量が3質量%を超えると、削りカスの排出性に劣る場合があるのに加え、切削面が荒れる場合やドリルの寿命が短くなる場合もあるため好ましくない。なお、Mgを添加することにより、アルミニウム合金板の強度を上げることができるという効果を付与することができる。
なお、Mn含量とMg含量の合計量が4質量%を超えると、削りカスの排出性に劣る場合があるのに加え、切削面が荒れる場合やドリルの寿命が短くなる場合もあるため好ましくない。
更に、アルミニウム合金板中のCr含量は、ゼロまたは0.5質量%以下、好ましくはゼロまた0.01〜0.3質量%の範囲内である。ここで、Cr含量が0.5質量%を超えると、切削面が荒れる場合やドリル寿命が短くなる場合があるため好ましくない。
また、アルミニウム合金板中のTi含量は、ゼロまたは0.3質量%以下、好ましくはゼロまたは0.02〜0.2質量%の範囲内である。ここで、Ti含量が0.3質量%を超えると、切削面が荒れる場合やドリルの寿命が短くなる場合があるために好ましくない。
更に、アルミニウム合金板中には、アルミニウム含量が85.0質量%以上、99.0質量%未満の規定値を満たす範囲であれば、不純物を含んでいてもよい。不純物含量は、0.3質量%以下、好ましくは0.2質量%以下、最適には0.1質量%以下である。ここで、不純物含量が0.3質量%を超えると、切削面が荒れる場合やドリル寿命が短くなる場合があるため好ましくない。
更に、本発明のアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートに使用されるアルミニウム合金板の調質条件は特に規定する必要はないが、材料強度の向上あるいは更なる切削性の向上を図るために、JIS規格(JIS H0001)の質別記号H(加工硬化したもの)又はT(焼きなまししたもの)の調質を施すことが好ましい。又、アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートにおいては、アルミニウム合金板に高い平坦度が要求されることから、いずれの調質条件においても、レベラー等による矯正を行うことが好ましい。
本発明のアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートに使用されるアルミニウム合金板の厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜200μmであり、より好ましくは80〜180μmであり、更に好ましくは100〜160μmである。厚さが50μm未満ではドリル穴あけ時に発生するバリの抑制が不十分となる場合があり、又、200μmを超えると、あけ加工の位置精度やドリル寿命の低下を招く場合がある。
本発明のアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートに使用されるアルミニウム合金板の表面粗さ(算術平均粗さRa)は特に限定されるものではないが、Raは0.1μm以上が好ましく、0.1〜0.6μmがより好ましく、0.14〜0.4μmが更に好ましく、0.16〜0.3μmが最も好ましい。Raが0.1μm未満ではドリルの横滑りが起き易く、下層基板の穴位置精度が低下する場合や、塗布してある潤滑剤が剥れる場合がある。又、Raが0.6μmを超えると、微妙な凹凸の影響でドリル位置のずれが起き易く、穴位置精度が低下する場合がある。なお、Raが0.1μm以上の面は、アルミニウム合金板の両面でも片面でも良いが、片面の場合はドリル進入側の面がRa0.1μm以上であることが好ましい。ここで、Raは、JIS B0601[製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義及び表面性状パラメータ]により定義されるものであり、触針式表面粗さ測定機、光波干渉式表面粗さ測定機等により測定することができるものである。
本発明のアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートは、上述のアルミニウム合金板に潤滑剤を塗布したものであり、アルミニウム合金板に塗布する潤滑剤は、公知のものをいずれも使用することができる。なお、アルミニウム合金板に潤滑剤を塗布しないと、摩擦係数の増大により熱等が発生するためドリルの寿命が短くなるために好ましくない。
本発明に使用できる潤滑剤には、水溶性潤滑剤と非水溶性潤滑剤があるが、水溶性潤滑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール共重合体、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノペンチルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘプチルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールモノノニルエーテル、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノウンデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノトリデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノペンタデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘプタデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノノナデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクタデシニルエーテル等のポリエチレングリコール誘導体;上記ポリエチレングリコール誘導体と脂肪酸とのエステル類;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリグリセリン等の水溶性ポリマー;脂肪酸石鹸、水溶性のウレタン変性物、水溶性のエポキシ変性物等を挙げることができる。上記で使用できる脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸(酪酸)、ペンタン酸(吉草酸)、イソペンタン酸(イソ吉草酸)、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸(カプリル酸)、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、ノナン酸(ペラルゴン酸)、イソノナン酸、デカン酸(カプリン酸)、イソデカン酸、ウンデカン酸、イソウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、イソドデカン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、イソステアリン酸、エイコサン酸(アラキン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、ヘキサコサン酸(セロチン酸)、オクタコサン酸(モンタン酸)、10−ウンデセン酸、ゾーマリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレン酸、エルカ酸、セラコレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、天然油脂から得られる混合脂肪酸等が挙げられる。
非水溶性潤滑剤としては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の非水溶性のポリアルキレングリコール類;オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ヘキサデカンジオール、オクタデカンジオール等のアルカンジオール類;非水溶性のウレタン変性物、非水溶性のエポキシ変性物等が挙げられる。
これらの潤滑剤をアルミニウム合金板に塗布する場合、潤滑剤の塗布皮膜の厚みは、10〜300μmの範囲内が好ましく、20〜200μmの範囲内がより好ましく、50〜150μmの範囲内が更に好ましい。塗布皮膜の厚みが10μm未満になると、穴位置精度が悪くなる場合があり、また、300μmを超えると高湿度下で吸湿してベタツキが生じる場合や、経済的に不利となる場合があるために好ましくない。
これらの潤滑剤は、1種若しくは2種以上を混合して使用することができるが、穴あけ後の洗浄等の観点から、水溶性の潤滑剤を使用するのが好ましく、水溶性の潤滑剤の中でもポリエチレングリコール誘導体を使用するのがより好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸(モノ、ジ)エステル、ポリオキシエチレングリコールが更に好ましい。また、非水溶性と水溶性の潤滑剤を混合して使用する場合は、水溶性の潤滑剤が全潤滑剤中の50質量%以上になるように混合するのが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
本発明のプリント基板の穴あけ方法は、本発明のアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートを潤滑剤塗布面がドリル進入側になるようにプリント基板上に配置して、ドリルで穴をあける方法である。本発明のアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートを使用することにより、径の小さなドリルによる穴あけの場合でも横滑りが少なく、位置精度が高い穴あけ加工ができるので、口径が1〜6mm程度の比較的大きな穴あけ加工にも使用できるが、小口径の穴あけ加工に好ましく使用することができ、特に、口径0.1〜0.4mm、より好ましくは口径0.1〜0.3mmであり、更に好ましくは口径0.1〜0.2mmの穴あけ加工に使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、以下の実施例等において、「%」及び「ppm」は特に記載がない限り質量規準である。
実施例
表1に示す組成の鋳塊を溶製し、550℃で2時間の均質化処理を行った後、400℃で熱間圧延して板厚5mmの熱間圧延板を得た。得られた熱間圧延板に対して、ロール粗度を調整した実験用小型2段冷間圧延機(株式会社小野ロール製作所、2RM−250S型)を用いて1パス当たり30%の圧延率にて冷間圧延を施すことにより、表1に併記する板厚及び表面粗さを有するアルミニウム合金板を得た。得られたアルミニウム合金板は、更に各種調質処理及び平坦度を上げるためにロールレベラー(株式会社理工社 R30L−1560型)を用いて2%の塑性変形を与える設定で矯正を行った。なお、板厚はデシダルリニアゲージ(株式会社小野測定、DG−825)にて測定した任意の3点の平均値であり、表面粗さは、共焦点レーザースキャン顕微鏡(Carl Zeiss社、LSM5PASCAL)にて測定した。
Figure 2007088367
また、試験に用いた潤滑剤は下記の通りである:
B−1:ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB:16.2)
B−2:ポリオキシエチレングリコール(分子量6000)
表1で示したアルミニウム合金板を水平面上に固定し、その片面に90〜100℃で溶融した上記潤滑剤をアプリケーターで一定の厚さに塗布してアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートを作成し、下記の方法で穴あけ試験を行った。穴あけ試験では、ドリル寿命、穴位置精度、及びドリルへのアルミニウム材の巻き付きについて評価し、得られた結果を表2に記載した。
<穴あけ加工方法>
紙−フェノール積層板(捨て板)の上に、厚さ0.2mmのガラスエポキシ両面銅張板(銅箔35/35μm)を8枚重ね、最上部に潤滑剤側を上にしてアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートを置いて固定し、直径0.2mm、刃長6.0mmのドリルを用いて、回転数8000rpm、送り速度1.8mm/分の条件で、4000穴の穴あけ加工を行った。
<試験1:ドリル耐折損性>
◎:4000ショット(穴あけ回数)までドリル破損やドリルが摩耗せず、良好;
○:4000ショットまでドリル破損はしないがドリルの摩耗が見られる;
△:3000〜4000ショットの間にドリルが破損;
×:1〜3000ショットの間にドリルが破損。
<試験2:穴位置精度>
最上部の基板(1枚目)と最下部の基板(8枚目)について、3991〜4000ショット(10個)の穴の設定穴位置からのずれをプリント基板穴位置外形検査機(竹内製作所製、型式PXL−2000V)により測定し、それらの値の平均値を計算した。なお、ドリルが破損して4000ショットまでもたなかったエントリーシートは、破損する直前の10ショットの穴について測定した。
<試験3:ドリルへのアルミニウム材の巻き付き>
1〜100ショットの穴あけを目視で観察し、アルミニウム材のドリルへの巻き付きを下記の評価規準で評価した。
◎:ドリルへの巻き付きが全く見られない;
○:わずかに巻き付きが見られるが許容範囲である;
△:巻き付きが見られ、安定的な穴あけができない;
×:多量の巻き付きが見られる。
Figure 2007088367
表2中、調質は、JIS H0001記載の質別を表し、それぞれ以下の処理を施した:
H:冷間圧延のまま;
O:360℃で2時間の焼き鈍し処理を施した;
T:500℃で10分間の溶体化処理後、扇風機を使用して10分間の強制空冷を施した。
本発明のアルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートは、プリント基板等の配線板を製造するに際し、配線板に小径の穴を形成するために好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. アルミニウム合金板の少なくとも1面に、潤滑剤の塗布皮膜を備えてなるプリント基板穴あけ用エントリーシートにおいて、アルミニウム板合金板のアルミニウム含量が85.0質量%以上99.0質量%未満であり、残余がSi、Cu、Zn、Fe、Mn、Mg、Cr及びTiからなる群から選ばれる1種または2種以上の元素から構成され、Cu及び/またはZnの合計量は、Mn及び/またはMgの合計量よりも多いことを特徴とするプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート。
  2. アルミニウム合金板は、Fe、Cu及びZnからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有してなる、請求項1記載のプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート。
  3. アルミニウム合金板中のCu含量、Zn含量またはそれらの合計量は、0.3質量%以上である、請求項1または2記載のプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート。
  4. アルミニウム合金板中のCu含量、Zn含量またはそれらの合計量は、2〜8質量%の範囲内である、請求項1ないし3のいずれか1項記載のプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート。
  5. アルミニウム合金板は、JISH0001に規定された質別記号HまたはTの調質を施されている、請求項1ないし4のいずれか1項記載のプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート。
  6. アルミニウム合金板の厚さは、50〜200μmの範囲内である、請求項1ないし5のいずれか1項記載のプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート。
  7. アルミニウム合金板の平均表面粗さは、0.1μm以上である、請求項1ないし6のいずれか1項記載のプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項記載のプリント基板穴あけ用アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシートを、潤滑剤塗布皮膜がドリル進入側になるように配置して、プリント基板に穴をあけることを特徴とするプリント基板の穴あけ方法。
JP2005278086A 2005-09-26 2005-09-26 アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート Pending JP2007088367A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005278086A JP2007088367A (ja) 2005-09-26 2005-09-26 アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005278086A JP2007088367A (ja) 2005-09-26 2005-09-26 アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007088367A true JP2007088367A (ja) 2007-04-05

Family

ID=37975023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005278086A Pending JP2007088367A (ja) 2005-09-26 2005-09-26 アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007088367A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017063980A1 (en) * 2015-10-12 2017-04-20 Agfa Graphics Nv An entry sheet for perforating electric boards such as printed circuit boards
JP2023013893A (ja) * 2021-07-01 2023-01-26 ▲こう▼正科技股▲ふん▼有限公司 回路基板穴あけ用上カバー及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0273943A (ja) * 1988-09-06 1990-03-13 Kobe Steel Ltd 熱間鍛造用快削アルミニウム合金鋳造材
JPH10335780A (ja) * 1997-05-30 1998-12-18 Mitsubishi Alum Co Ltd プリント配線板の孔明け加工用当て板及びプリント配線板の孔明け加工法
JP2001107169A (ja) * 1999-09-30 2001-04-17 Showa Alum Corp 快削性アルミニウム合金およびその合金材の製造方法
JP2005224895A (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Asahi Denka Kogyo Kk 穴あけ加工用エントリーシート及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0273943A (ja) * 1988-09-06 1990-03-13 Kobe Steel Ltd 熱間鍛造用快削アルミニウム合金鋳造材
JPH10335780A (ja) * 1997-05-30 1998-12-18 Mitsubishi Alum Co Ltd プリント配線板の孔明け加工用当て板及びプリント配線板の孔明け加工法
JP2001107169A (ja) * 1999-09-30 2001-04-17 Showa Alum Corp 快削性アルミニウム合金およびその合金材の製造方法
JP2005224895A (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Asahi Denka Kogyo Kk 穴あけ加工用エントリーシート及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017063980A1 (en) * 2015-10-12 2017-04-20 Agfa Graphics Nv An entry sheet for perforating electric boards such as printed circuit boards
JP2023013893A (ja) * 2021-07-01 2023-01-26 ▲こう▼正科技股▲ふん▼有限公司 回路基板穴あけ用上カバー及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4522972B2 (ja) 銅張積層基板用高光沢圧延銅箔
JP4716520B2 (ja) 圧延銅箔
WO2008041584A1 (fr) Plaque en alliage de cuivre pour composants électriques et électroniques
JP6055242B2 (ja) Cu−Mg−P系銅合金Snめっき板及びその製造方法
JP6113674B2 (ja) 耐熱性に優れる表面被覆層付き銅合金板条
JP2001347602A (ja) 潤滑性樹脂被覆金属板及びそれを使用したプリント配線基板の孔開け加工方法
US20170111997A1 (en) Entry sheet for drilling
KR101586594B1 (ko) 압연 동박
CN111164228A (zh) 磁盘用铝合金基板及其制造方法、以及使用该磁盘用铝合金基板的磁盘
JP2009242846A (ja) 銅合金箔
JP2007088367A (ja) アルミニウム合金板潤滑剤複合エントリーシート
JP5105483B2 (ja) 樹脂被覆アルミニウム板
JP2005068484A (ja) 高屈曲性圧延銅箔
JP2006016690A (ja) プリント配線基板用金属材料
JP2007070674A (ja) 平版印刷版用アルミニウム合金板およびその製造方法
EP3906161A1 (en) Systems and methods for laminating can end stock
JP4126205B2 (ja) 銅系材料用圧延油組成物
TWI828828B (zh) 銅合金板、附鍍敷被膜之銅合金板及此等之製造方法
JP4990527B2 (ja) 金属加工用潤滑油組成物
JP5698636B2 (ja) 圧延銅箔
CA2723299C (en) Drawing/ironing (di) forming water-based coolant of laminated metal sheet and method for di forming laminated metal sheet
JP6266905B2 (ja) 缶ボディ用アルミニウム合金板及びその製造方法
JP5698634B2 (ja) 圧延銅箔
JP2006218523A (ja) 成形加工用マグネシウム合金板の圧延方法および加工方法
JP2008207423A (ja) 成形加工用樹脂被覆アルミニウム板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110428

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110627

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110906