JP2005224895A - 穴あけ加工用エントリーシート及びその製造方法 - Google Patents

穴あけ加工用エントリーシート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】重ねて加工するプリント基板の枚数が多くても加工精度が高く、ドリルの折損やバリの発生が少ない穴あけ加工用エントリーシートを提供する。
【解決手段】金属アルミニウム又はアルミニウム合金からなる穴あけ加工用エントリーシートにおいて、厚さが60〜200μm、中心線平均表面粗さ(Ra)が0.1〜0.5μm、且つ表面粗さの最大高さ(Ry)が4μm以下であることを特徴とする、穴あけ加工用エントリーシート。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント基板等の穴あけ加工に用いられるエントリーシート(エントリーボードともいう)及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の高機能化、高密度化に伴い、電子部品は軽薄短小化、高集積化、高速化の傾向にある。このために、プリント基板においても、薄型化及び軽量化が求められており、配線密度あるいは、そこに実装される電子部品も高密度化している。プリント基板には、スルーホール、ディスクリート部品の実装用の穴、及び実装時の実装ピン挿入穴等が必要とされている。この中で、ディスクリート部品の実装用の穴は、部品の小型化及び製品の高性能化にともなう部品の高密度化により、穴が小径化すると共に穴の間隔が狭まり、穴内粗さの低減と穴位置精度の向上など加工精度の向上がより一層求められている。
プリント基板等の穴あけ加工では、主に基板表面への傷を防止しバリ(プリント基板の金属箔のカエリ)を押さえるために、アルミニウム合金などからなるエントリーシートが用いられているが、最近では加工精度を向上させるため、エントリーシートに潤滑剤を付与したものが上市され、また、穴位置精度を向上させるため表面を粗面加工したエントリーシート(例えば、特許文献1〜3を参照)や高平滑性表面を有するエントリーシート(例えば、特許文献4を参照)等が検討されている。
一方プリント板の穴あけ加工では、複数枚を重ねて加工するが、重ねる枚数が増加するほど、あるいは穴数が増大するほど加工精度が低下する傾向がある(例えば、特許文献5を参照)。重ねる枚数が多いほど、又、穴あけ可能な穴数が増大するほどプリント基板の生産性向上及びコストダウンには有利であるので、重ねる枚数が増加してもあるいは穴あけ穴数が増大しても、加工精度の低下が少ないエントリーシートが求められている。
実開平4−57309号公報 特開平9−216198号公報 特開平10−202599号公報 特開2003−117891号公報 特開2003−71794号公報
前述のように、エントリーシートとしては、主に基板表面への傷を防止しバリ(プリント基板の金属箔のカエリ)を押さえるために、アルミニウム合金などからなるシートが用いられているが、ドリルの被削性が悪いためとドリルの横滑りのため、穴内粗さや穴あけ位置精度などの加工精度が不充分であった。従って、重ねる枚数の増加あるいは穴あけ穴数が増大することにより加工精度が低下すると共に、ドリルの折損が発生するという問題があった。従って、本発明が解決しようとする課題は、重ねるプリント基板の枚数が多くても加工精度が高い穴あけ加工用エントリーシート及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題について鋭意検討し、まず、エントリーシートのアルミニウム又はアルミ合金の硬度を向上し、穴あけ時のアルミニウム又はアルミ合金の被削性を向上して、ドリルの劣化を低減することによりドリルの横滑りを低減した。さらに上記アルミニウム合金の表面を特定の範囲で粗化することにより、ドリルの横滑りを低減することにより、重ねるプリント基板の枚数が多くても加工精度が高いことを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、金属アルミニウム又はアルミニウム含金からなる穴あけ加工用エントリーシートにおいて、厚さが60〜200μm、中心線平均表面粗さ(Ra)が0.1〜0.5μm、且つ表面粗さの最大高さ(Ry)が4μm以下であることを特徴とする、穴あけ加工用エントリーシートに関する。
また本発明は、厚さが60〜200μmの金属アルミニウム若しくはアルミニウム合金のシートを、化学エッチング法又は電解エッチング法により、中心線平均表面粗さ(Ra)が0.1〜0.5μmであり、且つ、表面粗さの最大高さ(Ry)が4μm以下に粗面加工することを特徴とする穴あけ加工用エントリーシートの製造方法に関する。
本発明の穴あけ加工用エントリーシートでは、金属アルミニウム又はアルミニウム合金の中心線平均表面粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)を最適化することにより、重ねて加工するプリント基板の枚数が多くても加工精度が高く、ドリルの折損やバリの発生が少ない穴あけ加工用エントリーシートを提供することができる。
本発明のエントリーシートの材質は、金属アルミニウム又はアルミニウム合金である。本発明において、金属アルミニウムとは、アルミニウムの含量が少なくとも99質量%である金属をいい、アルミニウム合金とは、金属アルミニウムの含量が80質量%以上、99質量%未満である金属をいう。
金属アルミニウムとしては、例えば、JIS H 4000に記載された、A1050、A1060、A1070、A1080、A1085、A1100、A1200、A1230、A1N00、A1N30、A1N90、A1N99等が挙げられる。
また、アルミニウム合金としては、例えば、JIS H 4000に記載された、A2011、A2014、A2017、A2018、A2024、A2025、A2117、A2118、A2218、A2219、A2618、2N01等のAl−Cu系アルミニウム合金:A3003、A3004、A3005、A3104、A3105、A3203等のAl−Mn系アルミニウム合金;A4032、A4043等のAl−Si系アルミニウム合金;A5005、A5052、A5056、A5082、A5083、A5086、A5154、A5182、A5254、A5454、A5652、A5N01、A5N02等のAl−Mg系アルミニウム合金;A6003、A6061、A6063、A6101、A6151、A6N01等のA1−Mg−Si系アルミニウム合金;A7003、A7050、A7072、A7075、A7N01等のA1−Zn−Mg系アルミニウム合金;A8021、A8079等のAl−Fe系アルミニウム合金等が挙げられる。
本発明のエントリーシートの厚さは60〜200μmであり、好ましくは80〜180μmであり、更に好ましくは100〜160μmであり、最も好ましくは100〜150μmである。厚さが60μm未満ではドリル穴あけ時に発生するバリの抑制が不十分となる場合があり、200μmを超えると穴あけ加工の位置精度やドリル寿命の低下を招く場合があるからである。
本発明のエントリーシートの中心線平均表面粗さ(Ra)は0.1〜0.5μmであり、且つ表面粗さの最大高さ(Ry)は4μm以下である。ここにRa及びRyは、JIS B 0601(製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ)により定義されるものであり、触針式表面粗さ測定機、光波干渉式表面粗さ測定機等により測定することができる。RaおよびRyの値は、それぞれJIS B 0601記載のエントリーシートからランダムに選んだ10点を測定したときの平均値である。
Raは、好ましくは0.14〜0.35μmであり、更に好ましくは0.16〜0.30μmであり、最も好ましくは0.18〜0.25μmである。Raが0.12μm未満ではドリルの横滑りが起き易く、プリント基板を重ねて穴を開けた場合の下層の基板の穴精度位置が低下する問題があり、0.35μmを超えると表面の凹凸が大きくなりすぎてしまい、ドリル進入時に穴位置精度が悪くなるからである。
また、Ryは、好ましくは2.5μm以下であり、更に好ましくは2.0μm以下であり、最も好ましくは1.5μm以下である。Ryが3.0μmを超えると、ドリル進入時に穴位置精度が悪くなるからである。
本発明のエントリーシートは、厚さが60〜200μmであるような金属アルミニウム又はアルミニウム合金の表面を粗面化することにより得ることができる。粗面化はシートの両面でもよいし、片面のみでもよい。
粗面化する方法としては、例えば、サンドブラスト、ショットブラスト・ガラスビーズブラスト、ホーニング処理、ベルト研磨、ブラシ研磨、スチールウール研磨、バフ研磨、ラッピング等の物理的粗面化方法、酸性溶液若しくは又はアルカリ性溶液による化学エッチング法、電解エッチング法等が挙げられるが、シートの変形が少なく、Ra及びRyの制御が容易であることから、化学エッチング法及び電解エッチング法が好ましく、化学エッチング法が更に好ましい。
化学エッチング法としては、例えば、酸によるエッチング、アルカリによるエッチング等が挙げられる。
酸によりエッチングして粗面化する場合の酸としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸、リン酸、クロム酸、フッ化アンモニウム、塩化鉄、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ヒドロキシプロパンスルホン酸等が挙げられる。これらの酸の中でも、塩酸、リン酸及びフッ化アンモニウムが好ましく、塩酸及びリン酸が更に好ましい。
エッチング液中の酸の濃度は、酸の種類、エッチング温度、エッチング時間等により異なるが、塩酸の場合は、1〜25質量%が好ましく、3〜20質量%が更に好ましく、5〜15質量%が最も好ましい。同様に、リン酸の場合は、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%が更に好ましく、30〜60質量%が最も好ましい。また、フッ化アンモニウムの場合は、1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%が更に好ましく、3〜10質量%が最も好ましい。
アルカリによりエッチングして粗面化する場合のアルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。これらのアルカリの中でも、特に、水酸化ナトリウムが好ましい。エッチング液中のアルカリの濃度は、アルカリの種類、エッチング温度、エッチング時間等により異なるが、水酸化ナトリウムの場合は、1〜30質量%が好ましく、3〜25質量%が更に好ましく、5〜20質量%が最も好ましい。
化学エッチングにより粗面化する場合には、上記の酸又はアルカリのみでも十分であるが、エッチング液に、更に、水溶性酸化剤又は有機アミン化合物を配合することにより、Ra及びRyの制御が容易になる。
水溶性酸化剤としては、例えば、過酸化水素;過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム等の過塩素酸塩類;過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム等の過ヨウ素酸塩類;過硫酸(ペルオキソ二硫酸とも言う)、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸又はその塩;カロー酸(ペルオキソ一硫酸とも言う)、カロー酸ナトリウム・カロー酸カリウム、カロー酸アンモニウム等のカロー酸又はその塩:過ギ酸、過酢酸、過プロピオン酸、ペルオキシフタル酸、モノペルオキシコハク酸等の有機過酸又はその塩;ペルオキソリン酸、ペルオキソリン酸ナトリウム、ペルオキソリン酸カリウム等の、ペルオキソリン酸又はその塩;等が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素、過硫酸又はその塩及びカロー酸又はその塩が好ましく、過酸化水素、過塩素酸カリウム及び過塩素酸ナトリウムが更に好ましく、過酸化水素が最も好ましい。水溶性酸化剤の配合量は、エッチング液に対して、0.5〜8質量%が好ましく、1〜6質量%が更に好ましく、2〜5質量%が最も好ましい。
有機アミン化合物としては、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、トリブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン、N−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン等挙げられる。有機アミン化合物の配合量は、エッチング液に対して、0.005〜3質量%が好ましく、0.1〜2質量%が更に好ましく、0.5〜1.5質量%が最も好ましい。
化学エッチング法によりエントリーシートを粗面化する場合のエッチング液の温度は、10〜90℃が好ましく、20〜90℃がより好ましく、25〜70℃が更に好ましく、30〜50℃が最も好ましい。エッチング液の温度が、10℃未満の場合には、温度の制御が困難であり、90℃を超える場合には、エッチング液中の水の蒸発量が多くなり、エッチング液の濃度管理が困難となる。エッチングの時間は、適宜決定すればよいが、0.5〜20分が好ましく、1〜15分が更に好ましく、2〜10分が最も好ましい。エッチングの時間が0.5分未満の場合には粗面化が不十分となる場合があり、20分を超えると表面粗さの最大高さ(Ry)が大きくなってしまう場合があるからである。
化学エッチング法により粗面化する場合には、酸又はアルカリによるエッチングが終了した後、必要に応じてアルミニウムの表面のエッチング液を中和し、水洗、乾燥することにより、本発明のエントリーシートが得られる。
なお、アルカリによるエッチングの場合には、アルミニウム表面にスマット(アルミニウムの酸化物による黒色の汚れ)が発生することから、エッチング終了後、希塩酸、希硝酸等でこれを溶解除去することが好ましい。
電解エッチング法によりエントリーシートを粗面化する場合には、塩酸系電解液、硝酸系電解液、硫酸系電解液、リン酸系電解液、中性塩系電解液、水酸化アルカリ系電解液等が挙げられ、酸性電解液が好ましく、塩酸系電解液及び硝酸系電解液が更に好ましい。
塩酸系電解液は、塩酸を0.2〜3質量%含有する電解液である。塩酸の含量は0.3〜2質量%が好ましく、0.4〜1.5質量%が更に好ましく0.5〜1質量%が最も好ましい。塩酸系電解液は、更に、アルミニウムイオンを含有することが好ましい。塩酸系電解液中のアルミニウムイオンの含量は0.05〜3質量%であることが好ましく、0.07〜1.5質量%であることが更に好ましく、0.1〜0.7質量%であることが最も好ましい。塩酸系電解液は、他に、ナトリウムイオン及びアンモニウムイオンの少なくとも一方を含有していてもよい。
硝酸系電解液は、硝酸を0.1〜2質量%、アルミニウムイオンを0.05〜1.5質量%含有する電解液である。硝酸の含量は0.3〜1.5質量%が好ましく、0.5〜1.2質量%が更に最も好ましい。また、アルミニウムイオンの含量は0.1〜1質量%が好ましく、0.2〜0.5質量%が更に好ましい。硝酸系電解液は、他に、アンモニウムイオンを含有していてもよい。
硫酸系電解液は、硫酸を10〜90質量%含有する電解液である。硫酸の含量は20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%が更に好ましく、30〜60質量%が最も好ましい。
リン酸系電解液は、リン酸を10〜90質量%含有する電解液である。リン酸の含量は20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%が更に好ましく、30〜60質童%が最も好ましい。
これらの場合、電解液中の硫酸やリン酸の濃度が低いと効果が得られにくく、高いと反応が早くなり制御が困難となる。
電解エッチング法の電解液の温度は20〜76℃が好ましく、25〜60℃が更に好ましく、30〜50℃が最も好ましい。また、印加される電圧は、1〜50Vが好ましく、5〜30Vが更に好ましい。電流密度は、0.1〜2A/mが好ましく、0.2〜1.5A/mが更に好ましい。電気量は、1〜20C/mが好ましく、1.5〜15C/mが更に好ましく、2〜10C/mが最も好ましい。
電解処理時間は、0.1〜90秒の範囲にあることが好ましい。電解処理時間が短いと制御が困難であり、長いと十分な表面粗度が得られにくい。
電解エッチング法により粗面化する場合には、電解終了後、必要に応じてアルミニウムの表面の電解液を中和し、水洗、乾燥することにより、本発明のエントリーシートが得られる。
プリント基板等にドリルを用いて穴あけ加工する場合、本発明のエントリーシートは、プリント基板等の最上層(ドリルの侵入側)に置かれ、必要に応じて、最下層に捨て板(バックアップボードともいう)が置かれ、これらを重ね合わせて加工される。加工するプリント基板は、特に限定されず、片面基板、両面基板、多層基板のいずれでもよい。また、プリント基板の材質は、フェノール樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル樹脂、トリアジン樹脂、フッ素系樹脂等のいずれでもよく、またこれらが、ガラス繊維等で強化された繊維強化樹脂でもよい。
本発明のエントリーシートは、径の小さなドリルよる穴あけの場合でも横滑りが少なく、位置精度が高い穴あけ加工ができる。従って、本発明のエントリーシートは、口径が1〜6mm程度の穴あけ加工にも使用できるが、小口径の穴あけ加工に好ましく使用でき、特に、口径0.1〜0.4mm、更に好ましくは口径0.1〜0.3mmであり、最も好ましくは口径0.1〜0.2mmの穴あけ加工に使用される。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。尚、以下の実施例中、%は特に記載が無い限り質量基準である。
実施例1:
JIS H 4000に規定するA−2017Tのアルミニウム合金よりなる厚さ100μmのシートを、水酸化ナトリウム1質量%を含有するアルカリ性水溶液に、45℃で1分間浸漬した後、30%硝酸に1分間浸漬し、その後十分に水洗し、乾燥することにより、実施例1のエントリーシートを製造した。
実施例2:
JIS H 4000に規定するA−4032Tのアルミニウム合金よりなる厚さ150μmのシートを、リン酸40質量%、過酸化水素3質量%及びジエチルアミン1質量%を含有する酸性水溶液に、45℃で5分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥することにより、実施例2のエントリーシートを製造した。
実施例3:
JIS H 4000に規定するA−5005Hのアルミニウム合金よりなる厚さ150μmのシートを、水酸化ナトリウム3質量%を含有するアルカリ性水溶液に、40℃で1分間浸漬した後30%硝酸に1分間浸漬し、その後、十分に水洗し、乾燥することにより、実施例3のエントリーシートを製造した。
実施例4:
JIS H 4000に規定するA−2017Hのアルミニウム合金よりなる厚さ200μmのシートを、リン酸40質量%、過酸化水索3質量%及びジエチルアミン1質量%を含有する酸性水溶液に、45℃で5分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥することにより、実施例4のエントリーシートを製造した。
実施例5:
JIS H 4000に規定するA−6061Tのアルミニウム合金よりなる厚さ100μmのシートを、リン酸40質量%、過酸化水素3質量%及びジエチルアミン1質量%を含有する酸性水溶液に、45℃で5分間浸潰した後、十分に水洗し、乾燥することにより、実施例5のエントリーシートを製造した。
実施例6:
JIS H 4000に規定するA−3003Hのアルミニウム合金よりなる厚さ100μmのシートを、リン酸40質量%、過酸化水素3質量%及びジエチルアミン1質量%を含有する酸性水溶液に、45℃で5分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥することにより、実施例6のエントリーシートを製造した。
実施例7:
JIS H 4000に規定するA−1100Hの金属アルミニウムよりなる厚さ100μmのシートを、塩酸2質量%、塩化ナトリウム1質量%を含有する酸性水溶液に、45℃で5分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥することにより、実施例7のエントリーシートを製造した。
比較例1:
JIS H 4000に規定するA−3003Hの金属アルミニウムよりなる厚さ100μmのエントリーシートを使用した。
比較例2:
JIS H 4000に規定するA−3003Oの金属アルミニウムよりなる厚さ150μmのエントリーシートを使用した。
比較例3:
JIS H 4000に規定するA−1100Hの金属アルミニウムよりなる厚さ100μmのエントリーシートを使用した。
比較例4:
JIS H 4000に規定するA−2017Tのアルミニウム合金よりなる厚さ100μmのシートを、塩酸2質量%、塩化ナトリウム1質量%を含有する酸性水溶液に、50℃で25分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥することにより、比較例5のエントリーシートを製造した。
比較例5:
JIS H 4000に規定するA−1100Hの金属アルミニウムよりなる厚さ150μmのシートを、塩酸2質量%、塩化ナトリウム1質量%を含有する酸性水溶液に、45℃で25分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥することにより、比較例6のエントリーシートを製造した。
比較例6:
JIS H 4000に規定するA−3003Hのアルミニウム合金よりなる厚さ100μmのシートを、塩酸2質量%、塩化ナトリウム1質量%を含有する酸性水溶液に、45℃で25分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥することにより、比較例7のエントリーシートを製造した。
実施例1〜7及び比較例1〜6のエントリーシートについて、中心線平均表面粗さ(Ra)、表面粗さの最大高さ(Ry)を測定した。これらの結果を表1に示す。なお、Ra及びRyは、超深度形状測定顕微鏡(キーエンス社製、型式VK8500)を用いて測定した。
さらに実施例1〜7及び比較例1〜6のエントリーシートを使用して、下記の方法でプリント基板の穴あけ加工を行い、ドリル耐折損性、穴位置精度を評価した。これらの結果を表1に示す。
<加工方法>
紙−フェノール積層板(捨て板)の上に、厚さ0.2mmのガラスエポキシ両面銅張板(銅箔35/35μm)を8枚、次いで、最上部にエントリーシートを置いて固定し、直径0.2mm、刃長6.0mmのドリルを用いて、回転数60000rpm、送り速度1.8mm/分の条件で、4000穴の穴あけ加工を行った。
<ドリル耐折損性>
○:4000ショット(穴あけ回数)までドリル破損せず、良好。
△:2001〜4000ショットの間にドリルが破損し、やや不良。
×:1〜2000ショットの間にドリルが破損し、不良。
<穴位置精度>
最上部の基板(1枚目)と最下部の基板(8枚目)について、3990〜4000ショットの10個の穴の設定穴位置からのずれを、プリント基板穴位置外形検査機(竹内製作所製、型式PXL−2000V)により測定し、それらの値の平均値を計算した。
Figure 2005224895
備考:表1において、調質はJIS H 0001記載の質別を表わし、それぞれ以下の質を意味する。
F:製造したままのもの、
O:焼きなまししたもの、
H:加工硬化したもの、
W:液体化処理したもの、
T:熱処理によって、F、O、H以外の安定な質別にしたもの。
なお本発明では、いずれの質別のものも使用可能である。
表1から見られるように、本発明の要件を充足するエントリーシートは、プリント配線基盤を複数枚重ねて穴あけ加工した場合でも、ドリルの折損がなく、かつ設定位置からの穴のずれが極めて小さいことが判る。

Claims (4)

  1. 金属アルミニウム又はアルミニウム合金からなる穴あけ加工用エントリーシートにおいて、厚さが60〜200μm、中心線平均表面粗さ(Ra)が0.1〜0.5μm、且つ表面粗さの最大高さ(Ry)が4μm以下であることを特徴とする、穴あけ加工用エントリーシート。
  2. 金属アルミニウム又はアルミニウム合金からなる穴あけ加工用エントリーシートの製造方法において、厚さが60〜200μmの金属アルミニウム若しくはアルミニウム合金のシートを、化学エッチング法又は電解エッチング法により、中心線平均表面粗さ(Ra)が0.1〜0.5μmであり、且つ、表面粗さの最大高さ(Ry)が4μm以下に粗面加工することを特徴とする穴あけ加工用エントリーシートの製造方法。
  3. 化学エッチング法におけるエッチング液の温度が10〜90℃である請求項2に記載の製造方法。
  4. 電解エッチング法におけるエッチング液の温度が20〜76℃である請求項2に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2017217183A1 (ja) * 2016-06-13 2018-06-28 三菱瓦斯化学株式会社 ドリルビット及び孔形成方法

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