JP2007085788A - ハルトマンセンサ - Google Patents

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博伸 作田
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紳治 三浦
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Abstract

【課題】 光反射手段の鏡面を下に向ける必要がある場合であっても、低コストで被検光学系の収差測定を行うことができるようにする。
【解決手段】 被検光学系(望遠鏡80)を通過した被検光束を入射時とほぼ同じ光路上に反射する平面鏡ユニット30と、平面鏡ユニット30により反射されて被検光学系を入射時とは反対の方向に通過した被検光束を検出するCCD撮像装置16と、CCD撮像装置16により検出された被検光束に基づいて被検光学系の収差を算出する演算装置18とを備え、被検光束は被検光学系とCCD撮像装置16との間に設けられたマイクロレンズアレイ15によって複数の小光束に変換され、CCD撮像装置16は被検光束を複数の小光束として検出する構成のハルトマンセンサにおいて、平面鏡ユニット30が、被検光学系の有効径よりも小さい口径を有する複数の平面鏡55が被検光学系の光軸と直交する方向に並べられた構成を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、望遠鏡の収差計測等に用いられるハルトマンセンサに関する。
従来、望遠鏡の性能検査を行う手段のひとつとしてハルトマン法が公知である(例えば、下記の特許文献参照)。古典的なハルトマン法は、光源と被検光学系との間に複数の小孔を有した円板(ハルトマンプレートと呼ばれる)を配置し、これら小孔を通過した光源からの光によって形成される複数の小光束が被検光学系を通過した後に検査面上に形成する集光位置の検出結果から、被検光学系の収差を求めるものである。
近年知られているシャック・ハルトマンセンサは上記ハルトマン法の一種であり、被検光学系を通過した波面の傾きからその被検光学系の収差(波面収差)を計測するものである。シャック・ハルトマンセンサにより被検光学系の収差を計測しようとする場合、光源からの光をビームスプリッタ等の光分離手段によって第1の光と第2の光とに分離し、第1の光のみが被検光学系を通過するようにする。そして、被検光学系を通過した第1の光を光反射手段(折り返し平面)によって入射時とは反対の方向に反射させ、入射時とほぼ同じ光路上を入射時とは反対の方向に進んで被検光学系を通過した第1の光をマイクロレンズアレイ(MLA)等の集光手段によって検査平面(例えばCCD撮像装置の撮像面)上に集光させる。一方、第2の光は被検光学系を通過させることなく参照面において反射させ、第1の光と同一の検査平面上に集光させる。ここで、検査平面上に形成された第1の光による集光スポットと第2の光による集光スポットとの位置ずれ量から波面の傾きを算出し、この波面の傾きから被検光学系の収差を求める。
上記のようなハルトマンセンサを用いて大口径の望遠鏡の収差を計測しようとする場合、対物レンズを下に向けたタイプの望遠鏡では非常に大きな基準平面鏡が必要になるが、上記光反射手段の鏡面は上を向くことになるため、その光反射手段には例えば液体ミラーを使用することができる。この液体ミラーは液槽に溜めた液体の表面による光の反射を利用したもので、液体には主として水銀が用いられる。このような液体ミラーは原理的に地球の曲率程度の平面度が得られるため、大口径を有する望遠鏡を被検光学系とする場合には極めて有利である。これは、大口径の望遠鏡用に平面度の高い平面鏡を用いようとすると、平面度の高い大型の平面鏡の作製はコストが非常に高くなることや材料の入手性に問題があるため一般に困難であるが、液体ミラーを使用することにより、極めて低いコストで、ハルトマンセンサによる大口径の望遠鏡の収差測定を行うことが可能となる。
特開2002−228543号公報
しかしながら、同じ大口径の望遠鏡であっても、対物レンズが上を向いたタイプのものでは、光反射手段は鏡面を下に向ける必要があるため、上記のような液体ミラーを使用することはできない。従ってこの場合には平面度が高く、かつ口径の大きい平面鏡を作製する必要があるため多大なコストがかかるという問題が生じ、また材料の入手性や平面鏡の自重変形にも問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、光反射手段の鏡面を下に向ける必要がある場合であっても、低コストで被検光学系の収差測定を行うことが可能な構成のハルトマンセンサを提供することを目的としている。
このような目的を達成するため、第1の本発明に係るハルトマンセンサは、光源と、光源から発せられた被検光束を被検光学系に導く導光光学系と、導光光学系により導かれて被検光学系を通過した被検光束を入射時とほぼ同じ光路上に反射する光反射手段と、光反射手段により反射されて被検光学系を入射時とは反対の方向に通過した被検光束を検出する被検光束検出手段と、被検光束検出手段により検出された被検光束に基づいて被検光学系の収差を算出する収差算出手段とを備え、被検光束は導光光学系の内部若しくは被検光学系と被検光束検出手段との間に設けられた光束変換手段によって複数の小光束に変換され、被検光束検出手段は被検光束を複数の小光束として検出する構成のハルトマンセンサにおいて、光反射手段は、被検光学系の有効径よりも小さい口径を有する複数の平面鏡が被検光学系の光軸と直交する方向に並べられてなる。
このようなハルトマンセンサにおいて、光反射手段を構成する各平面鏡は、被検光学系の光軸と直交するように配置された基準面(例えば液体ミラーの反射面)に対して平行となるように調整されていることが好ましい。更には、各平面鏡の基準面に対する傾き角を記憶させておく記憶手段と、記憶手段に記憶された平面鏡の基準面に対する傾き角から、収差算出手段により算出された被検光学系の収差を補正する収差補正手段とを備えていることが好ましい。
また、第2の本発明に係るハルトマンセンサは、光源と、光源から発せられた被検光束を被検光学系に導く導光光学系と、導光光学系により導かれて被検光学系を通過した被検光束を入射時とほぼ同じ光路上に反射する光反射手段と、光反射手段により反射されて被検光学系を入射時とは反対の方向に通過した被検光束を検出する被検光束検出手段と、被検光束検出手段により検出された被検光束に基づいて被検光学系の収差を算出する収差算出手段とを備え、被検光束は導光光学系の内部若しくは被検光学系と被検光束検出手段との間に設けられた光束変換手段によって複数の小光束に変換され、被検光束検出手段は被検光束を複数の小光束として検出する構成のハルトマンセンサにおいて、光反射手段は、被検光学系の有効径よりも小さい口径を有する一又は複数の平面鏡が被検光学系の光軸と直交する平面内で走査可能に構成されてなる。
このようなハルトマンセンサにおいては、平面鏡の被検光学系の光軸と直交する平面からのピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、ピッチ角検出手段において検出された平面鏡の被検光学系の光軸と直交する平面からのピッチ角から、収差算出手段により算出された被検光学系の収差を補正する収差補正手段とを備えていることが好ましい。
第1の本発明に係るハルトマンセンサでは、被検光学系を通過した被検光束を入射時とほぼ同じ光路上に反射する光反射手段が、高精度な平面度を実現しにくい大口径の(被検光学系の有効径以上の口径を有する)一枚の平面鏡からなるのではなく、高精度な平面度を実現し易い小口径の(被検光学系の有効径よりも小さい口径の)平面鏡を複数枚、被検光学系の光軸と直交する方向に並べた構成となっているので、光反射手段の鏡面を下に向ける必要があり、基準となる大きなミラー(例えば液体ミラー)を使用することができない場合であっても、低コストで被検光学系の収差測定を行うことが可能である。
第2の本発明に係るハルトマンセンサでは、被検光学系を通過した被検光束を入射時とほぼ同じ光路上に反射する光反射手段が、高精度な平面度を実現しにくい大口径の(被検光学系の有効径以上の口径を有する)一枚の平面鏡からなるのではなく、高精度な平面度を実現し易い小口径の(被検光学系の有効径よりも小さい口径の)平面鏡を一又は複数枚、被検光学系の光軸と直交する平面内で走査可能にした構成となっているので、光反射手段の鏡面を下に向ける必要があり、基準となる大きなミラーを使用することができない場合であっても、低コストで被検光学系の収差測定を行うことが可能である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るハルトマンセンサ1を示しており、カセグレン式反射望遠鏡80を被検光学系としたものである。この第1実施形態におけるハルトマンセンサ1において、光源11及び光源11から出た光を平行光にするコリメータレンズ12からなる平行光生成手段によって平行光が生成され、この平行光生成手段によって生成された平行光が光分離手段であるビームスプリッタ13において互いに直交する反射光(第1の光とする)と透過光(第2の光とする)とに分離される。ビームスプリッタ13において反射された第1の光は図1の紙面上方に進んで集光レンズ14により集光された後、被検光学系であるカセグレン式反射望遠鏡80に入射する。ここで、光源11は例えばSLD(Super Luminescent Diode)などの高輝度光源と、これを所定の発光位置まで導く光ファイバーとから構成される。SLDは可干渉性のよくない光源であるが、ハルトマンセンサは干渉計と異なり、このような可干渉性のよくない光源を用いることができ、また干渉計のように光路長を揃えるための装置を備える必要がないところに特徴がある。なお、この第1実施形態(後述の第2及び第3実施形態でも同じ)では説明の便宜上、鉛直軸をz軸とし、これに直交する水平面内の直交2軸をx軸及びy軸と定義する。
カセグレン式反射望遠鏡(以下、単に望遠鏡と称する)80は主鏡である凹面鏡81と副鏡である凸面鏡83とがその鏡面81a,83a同士が対向するように配設された構成を有する。凹面鏡81はその鏡面81aを観測対象物(図示せず)側に向けて配置され、凸面鏡83は凹面鏡81の焦点fの内側に配置される。なお、この望遠鏡80は、本ハルトマンセンサ1により収差計測を行うときには、その光軸AXが鉛直方向に沿い、凹面鏡81の鏡面81aが上方を向くように設置される。
本実施形態に係るハルトマンセンサ1では、集光レンズ14の焦点位置を望遠鏡80の焦点位置Fに一致させており、焦点位置F側から望遠鏡80に入射した光(第1の光)は凸面鏡83の鏡面83aにおいて反射した後、凹面鏡81の鏡面81aにおいて反射し、平行光となって望遠鏡80の外(紙面上方であり、観測対象物側)に進む。このようにして望遠鏡80を通過した光(第1の光)は望遠鏡80の主鏡である凹面鏡81の鏡面81aと対向配置された光反射手段である平面鏡ユニット30の鏡面(後述する平面鏡ユニット30を構成する各平面鏡55の鏡面55a)において反射された後、入射時とほぼ同じ光路上を入射時とは反対の方向に進んで望遠鏡80を(逆方向に)通過する。そして、焦点Fを通って集光レンズ14に入射し、集光レンズ14によって平行光となった後、ビームスプリッタ13を透過してマイクロレンズアレイ(MLA)15に入射する。マイクロレンズアレイ15に入射した第1の光(被検光束)はマイクロレンズアレイ15を通過し、この際、マイクロレンズアレイ15を構成するレンズごとの小光束に変換される。マイクロレンズアレイ15によって変換された複数の小光束は各々2次元検出手段であるCCD撮像装置16の撮像面16a上に結像(集光)され、集光スポット(第1の集光スポットとする)を形成する。ここで、上記コリメータレンズ12、ビームスプリッタ13及び集光レンズ14は光源11から発せられた被検光束(第1の光)を被検光学系に導く導光光学系としての役割を果たしており、また、上記マイクロレンズアレイ15は被検光学系である望遠鏡80と被検光束検出手段であるCCD撮像装置16との間に設けられて被検光束を複数の小光束に変換する光束変換手段としての役割を果たすとともに、被検光学系を通過した被検光束(複数の小光束)をCCD撮像装置16の撮像面16a上に集光する集光手段としての役割を果たしている。
一方、ビームスプリッタ13を透過した第2の光は光軸方向に移動可能に構成された可動ミラー17の反射面(参照面)17aによって反射され、入射時と同じ光路上を入射時とは反対の方向に進んだ後、再びビームスプリッタ13に入射して紙面下方に反射され、マイクロレンズアレイ15に入射する。マイクロレンズアレイ15に入射した第2の光は第1の光と同様にマイクロレンズアレイ15を構成するレンズごとにCCD撮像装置16の撮像面16a上に結像され、集光スポット(第2の集光スポットとする)を形成する。すなわち、ビームスプリッタ13により分離されて被検光学系(望遠鏡80)を通過した後、平面鏡ユニット30によって反射されて入射時とほぼ同じ光路上を入射時とは反対の方向に進んで望遠鏡80を通過した第1の光(被検光束)と、ビームスプリッタ13によって分離されて被検光学系(望遠鏡80)を通過していない第2の光とは、ビームスプリッタ13及びマイクロレンズアレイ15によって、同一の検査平面(ここではCCD撮像装置16の撮像面16a)上に集光される。
ここで、マイクロレンズアレイ15を構成するレンズごとに形成された第2の集光スポットは理想波面を形成させる参照面(可動ミラー17の反射面17a)において反射されたものであるので、マイクロレンズアレイ15を構成する各レンズの光軸上に形成されるのに対し、第1の集光スポットは収差を含んだ望遠鏡80を通過したものであるため、必ずしもマイクロレンズアレイ15を構成する各レンズの光軸上に形成されない。そして、この第1の集光スポットが第2の集光スポット(すなわち光軸)からずれた位置ずれ量は、望遠鏡80が有する収差に起因する波面の傾きに対応する。CCD撮像装置16には演算装置18が接続されており、演算装置18はCCD撮像装置16の撮像面16a上に形成された第1の集光スポットと第2の集光スポットそれぞれの座標から得られる双方の位置関係、すなわちマイクロレンズアレイ15を構成するレンズごとの、第2の集光スポットの位置に対する第1の集光スポットの位置ずれ量から、望遠鏡80の収差(波面収差)を算出する。そして、演算装置18はディスプレイやプリンタ等からなる出力装置19にその結果を視覚的に表示する。
このような構成のハルトマンセンサ1において、上述の平面鏡ユニット30は従来の構成、すなわち被検光学系の有効径(ここでは望遠鏡80の主鏡である凹面鏡81の有効径)よりも大きい口径を有する一枚の平面鏡からなる構成とは異なり、図1及び図2に示すように、被検光学系の有効径よりも小さい口径を有する複数の平面鏡55が被検光学系(望遠鏡80)の光軸AXと直交する方向(xy平面内)に並べられた構成を有している。この平面鏡ユニット30は、具体的には、図1〜図3に示すように、全体としてほぼ正方形状に形成されて上下方向に貫通する円孔32が複数個(ここでは16個)整列状態で設けられた正方形状の板材からなるベース部材31と、ベース部材31の各円孔32に対応して設けられた複数の(ここでは16個)平面鏡保持機構40と、各平面鏡保持機構40によって保持されてその鏡面55aを下方に向けた複数(ここでは16個)の平面鏡55とから構成されている。
平面鏡保持機構40は、平面鏡55をベース部材31に対して支持するとともに、ベース部材31に対する平面鏡55の姿勢を変化させ得る構成を有しており、図3に示すように支柱支持板41と、揺動支柱47と、平面鏡保持体52とからなる。支柱支持板41は円孔32の内径よりも大きい外径を有した円盤状の部材からなり、円孔32と同心に配置されてその外周部が複数の固定螺子45によりベース部材31の上面に取付けられている。支柱支持板41には中心角がほぼ120度となる同形の3つの扇形穴42が設けられており、その結果支柱支持板41にはほぼ120度間隔で交わる3つの渡り部43が形成されている。3つの渡り部43が交わる支柱支持板41の中央部には面外方向(z軸方向)に延びた雌螺子部44が設けられている。揺動支柱47は上下方向に延びた円筒状の部材であり、その外周面には上記雌螺子部44と螺合する雄螺子部48が設けられており、下端部には球状部49が形成されている。揺動支柱47はその雄螺子部48を支柱支持板41の雌螺子部44に螺合させることによって支柱支持板41により鉛直姿勢に保持される。なお、揺動支柱47は支柱支持板41の上面側から雄螺子部48に捻じ込まれた固定ナット50によって支柱支持板41にしっかりと固定される。
平面鏡55は自身の口径に対して厚さ寸法の小さい円盤形状をなしており、口径は前述のように被検光学系である望遠鏡80の(凹面鏡81の)有効径よりも小さくなっている(例えば、望遠鏡80の有効径が1000mmである場合に、平面鏡55の口径が125mm)。平面鏡55の材質は特に限定されないが、温度変化による影響の少ない低膨張ガラスであることが好ましい。平面鏡保持体52はこの平面鏡55よりも直径及び厚さの大きい円盤状の部材からなっており、その下面側に平面鏡55が嵌め込まれている。平面鏡保持体52の上面側には揺動支柱47の下端部に設けられた球状部49の外径よりも若干大きい内径を有する凹状部53が設けられており、この凹状部53は揺動支柱47の球状部49に外嵌している。このため平面鏡保持体52は(すなわち平面鏡55は)は平面鏡55の鏡面55aを下方に向けた状態で、揺動支柱47の球状部49を中心に自在に揺動することができる。
支柱支持板41の3つの渡り部43それぞれの中央部には上下方向に延びた雌螺子部46が設けられており、各雌螺子部46には外周面に設けられた雄螺子部58が上記雌螺子部46に螺合する姿勢固定螺子57が上下方向に延びた状態で取付けられている。各姿勢固定螺子57の上端部にはつまみ部59が設けられており、このつまみ部59を捻り操作することによって姿勢固定螺子57全体を支柱支持板41に対して上下方向に移動させることができる。平面鏡保持体52は上記のように揺動支柱47の球状部49を中心に自在に揺動可能であるが、或る姿勢(ベース部材31に対する姿勢)において、これら3つの姿勢固定螺子57(の下端部57a)の全てが平面鏡保持体52の上面52aに当接した状態とすることにより、平面鏡保持体52を(すなわち平面鏡55を)その姿勢に固定することが可能である。
平面鏡ユニット30を構成する各平面鏡55は、平面鏡ユニット30が望遠鏡80と対向する位置に設置される前に平行調整(姿勢調整)がなされる。この平行調整は、各平面鏡55を望遠鏡80の光軸AXと直交するように配置された基準面に対して平行となるように調整することにより、結果として平面鏡55同士が互いに平行となるようにするものである。この平行調整には、本実施形態では、図4に示すように、液体ミラー60とペンタプリズム71を利用した平行測定装置70を用いる。液体ミラー60は平面鏡ユニット30のベース部材31よりも大きい底面61aを有する液槽61内に液体(水銀が好ましい)62を溜めてなるものであり、液体62の液面62aが反射面となる。この液体ミラー60では、液体62の液面62aが地球の曲率程度の平面度となることから、高度な平面度を有するミラーとして使用することができる。平行測定装置70は、液体ミラー60の液面62aと平行に進んできた光を下方に(液体ミラー60側に)反射する第1のペンタプリズム72及び液体ミラー60の液面62aと平行に進んできた光を上方に(平面鏡ユニット30側に)反射する第2のペンタプリズム73が接合されてなるペンタプリズム71と、液体ミラー60の液面62aと平行にペンタプリズム71に向けて測定光を射出するとともに、ペンタプリズム71から戻ってきた測定光を受光して干渉縞を形成させる干渉計74と、液体ミラー60の上方においてペンタプリズム71を液体ミラー60の液面62aと平行な面内(すなわち水平面内)において移動(走査)させるペンタプリズム移動機構75とから構成される。なお、ペンタプリズム移動機構75は、ペンタプリズム71を干渉計74からの測定光の射出方向と直交する方向に移動させるときには干渉計74もその方向に移動させるようになっている。
上記液体ミラー60及び平行測定装置70を用いて平面鏡ユニット30の平行調整を行うには、液体ミラー60の上方に平面鏡ユニット30を配置したうえで(このときベース部材31を液体ミラー60の液面62aに対して平行に配置し、各平面鏡55の鏡面55が下方を向くようにする)、液体ミラー60と平面鏡ユニット30との間の空間内にペンタプリズム71を配置する。そして、ペンタプリズム移動機構75からペンタプリズム71を液体ミラー60の液面62aに平行な面内(水平面内)で移動(走査)させつつ、干渉計74から射出された測定光がペンタプリズム71に入射されるようにする。
干渉計74から射出された測定光はペンタプリズム71に入射し、第1のペンタプリズム72と第2のペンタプリズム73との接合面71aを透過する透過光と、接合面71aにおいて反射する反射光とに分離される(上記接合面71aには透過光と反射光とを等しく分割するためのコーティングが施されている)。そして、接合面71aを透過した透過光は第1のペンタプリズム72の2つの反射面72a,72bにおいて反射されて液体ミラー60の液面62aに対して垂直に入射し、液面62aに反射されて入射時と同じ光路を戻って(接合面71aは透過する)干渉計74に入射する。一方、接合面71aにおいて反射した反射光は第2のペンタプリズム73の反射面73aにおいて反射されて平面鏡55のひとつに入射する。この平面鏡55に入射した光(接合面71aにおける反射光)は、平面鏡55が液体ミラー60の液面62aに対して平行な姿勢になっているときには入射時と同じ光路を戻って(接合面71aでは反射される)干渉計74に入射するが、平面鏡55が液体ミラー60の液面62aに対して平行な姿勢になっていないときには、入射時とはわずかにずれた(入射光路に対して微小な角度誤差を持った)光路を戻って(接合面71aでは反射される)干渉計74に入射する。このため、平面鏡55が液体ミラー60の液面62aに対して平行な姿勢になっているときには干渉計74においてワンカラーの干渉縞が観測され、平面鏡55が液体ミラー60の液面62aに対して平行な姿勢になっていないときには、平面鏡55の液面62aに対する傾きに応じた干渉縞が観測されることになる。
干渉計74において干渉縞が観測され、液体ミラー60の液面62aに対して平行な姿勢になっていないことが分かった平面鏡55については、その平面鏡55に対応する平面鏡保持機構40の3つの姿勢固定螺子57を緩めた状態で平面鏡保持体52の姿勢調整を行い(この平面鏡保持体52の姿勢調整は扇形穴42から指を入れ、平面鏡保持体52の上面52aを指で下方に押圧して行う)、その平面鏡55について改めて測定を行う。そして、その平面鏡55について、液体ミラー60の液面62aに対して平行な姿勢になる平面鏡保持体52の姿勢が決定したら、3つの姿勢固定螺子57を捻り下げ、ベース部材31に対する平面鏡保持体52の姿勢を固定しておく。なお、この例では、各平面鏡55の平行調整に液体ミラー60を用いているが、液体ミラー60以外に大きな基準平面となり得るミラーを用いることができるのであれば、それを用いてもよい。また、液体ミラー60には、前述のように1つの大きな液槽61に液体62を入れて構成したもののほか、小さい液槽に液体62を入れたものを寄せ集めて構成したものを用いることができる。
このような平面鏡55の姿勢調整を全ての平面鏡55に対して実施すると、全ての平面鏡55は液体ミラー60の液面62aに対して平行となり、結果として全ての平面鏡55は互いに平行となる。平面鏡ユニット30を構成する全ての平面鏡55についての姿勢調整が終了したら、平面鏡ユニット30を望遠鏡80と対向する位置に設定し、被検光学系(望遠鏡80)の収差測定を行う。このとき、ベース部材31は平面鏡55の姿勢調整を行ったときと同じ水平な姿勢に(すなわち液体ミラー60の液面62aと平行な姿勢に)配置される。このように本発明の第1実施形態では、平面鏡ユニット30の各平面鏡55の姿勢調整は被検光学系の収差測定を行うときと同じ、鏡面55aが下方に向けられた状態でなされるので、測定により得られる被検光学系の収差は信頼度が高いものとなる。
なお、上記平面鏡55の平行調整(姿勢調整)において、液体ミラー60の液面62aに対して平行な姿勢となるように調整できなかった平面鏡55については、干渉計74により観測される干渉縞から液面62aに対する平面鏡55の傾き角を求め、これを記憶装置76に記憶させておく。そして、演算装置18は、この記憶装置76に記憶された各平面鏡55の傾き角のデータを参照し、算出した望遠鏡80の収差を補正する。このため、平面鏡ユニット30が備える一又は複数の平面鏡55が他の平面鏡55に対して平行でなかったとしても、望遠鏡80の正確な収差を求めることができる。なお、本実施形態に示すハルトマンセンサ(シャック・ハルトマンセンサ)では被検光学系(ここでは望遠鏡80)を通過した波面の傾きを検出するものであるので、平面鏡55同士が平行であればよく、平面鏡55間に段差があっても構わない。
上記のように、本発明の第1実施形態に係るハルトマンセンサ1では、被検光学系(望遠鏡80)を通過した被検光束(第1の光)を入射時とほぼ同じ光路上に反射する光反射手段(平面鏡ユニット30)が、高精度な平面度を実現しにくい大口径の(被検光学系の有効径以上の口径を有する)一枚の平面鏡からなるのではなく、高精度な平面度を実現し易い小口径の(被検光学系の有効径よりも小さい口径の)平面鏡を複数枚、被検光学系の光軸と直交する方向に並べた構成となっているので、光反射手段の鏡面を下に向ける必要があり、基準となる大きなミラー(例えば上述の液体ミラー60)を使用することができない場合であっても、低コストで被検光学系の収差測定を行うことが可能である。特に、望遠鏡のように一般に対物レンズの口径の大きい光学系に対して本発明は効果がある。また、口径の小さいな平面鏡は移動や保管がし易いため取り扱いが容易であり、一部の平面鏡を破損したとしてもその平面鏡を取り替えれば済むという利点もある。
また、上記第1実施形態に係るハルトマンセンサ1では、光反射手段である平面鏡ユニット30を構成する各平面鏡55は、被検光学系(望遠鏡80)の光軸AXと直交するように配置された基準面に対して平行となるように調整され、被検光学系80の収差計測時と同じ姿勢で平行調整がなされることになるので、収差計測の結果の精度を高めることができる。ここで、基準面が上述の実施形態に示したように液体ミラー60の反射面(液面62a)からなるのであれば、安価にして平面度の高い基準面を得ることができる。
図5は本発明の第2実施形態に係るハルトマンセンサ1′を示しており、上述の第1実施形態に係るハルトマンセンサ1と同じくカセグレン式反射望遠鏡80を被検光学系としたものである。この第2実施形態に係るハルトマンセンサ1′において、上述の第1実施形態に係るハルトマンセンサ1と同じ構成部品については同一の符号を付してその説明を省略することにする。
この第2実施形態に係るハルトマンセンサ1′において、第1実施形態に係るハルトマンセンサ1と異なるところは被検光束を複数の小光束へ変換する方法(変換する位置)である。すなわち、本実施形態においては、光源11と被検光学系である望遠鏡80との間(具体的にはコリメータレンズ12とビームスプリッタ13との間)に複数の小孔21aを有した円板であるハルトマンプレート21が設けられており、光源11より発せられた被検光束はハルトマンプレート21の複数の小孔21aを通過することによって複数の小光束に変換される。このハルトマンプレート21は被検光束を複数の小光束に変換する光束変換手段であり、第1実施形態におけるマイクロレンズアレイ15に相当するものである。
ハルトマンプレート21により複数の小光束に変換された被検光束はコリメータレンズ12、ビームスプリッタ13及び集光レンズ14からなる導光光学系によって被検光学系である望遠鏡80へ導かれた後、この望遠鏡80を通過し、平面鏡ユニット30によって入射時とほぼ同じ光路上に反射された後、入射時とは反対の方向に望遠鏡80を通過する。その後集光レンズ14及びビームスプリッタ13を通過し、集光レンズ22により被検光束検出手段であるCCD撮像装置16の撮像面16a上に結像(集光)され、演算装置18においてその集光スポットの撮像面16a上の位置(座標)が求められる。CCD撮像装置16は少なくとも被検光学系の光軸AX上の位置を2箇所変えて測定が行われ、その測定結果から焦点面での収差量が算出される。ここで、ハルトマンプレート21によって複数の小光束に変換された被検光束は、平面鏡ユニット30を構成する複数の平面鏡55のいずれかによって反射されるように配置される。平面鏡ユニット30を構成する各平面鏡55の平行調整の方法は第1実施形態の場合と同じである。このように、前述の第1実施形態では、被検光学系である望遠鏡80と被検光束検出手段であるCCD撮像装置16との間に設けられた光変換手段(マイクロレンズアレイ15)によって被検光束が複数の小光束に変換される構成となっていたが、この第2実施形態では、導光光学系の内部に設けられた光束変換手段(ハルトマンプレート21)によって被検光束が複数の小光束に変換される構成となっている。
図6は本発明の第3実施形態に係るハルトマンセンサ101を示しており、上述の第1実施形態に係るハルトマンセンサ1と同じくカセグレン式反射望遠鏡80を被検光学系としたものである。この第3実施形態におけるハルトマンセンサ101において、上述の第1実施形態に係るハルトマンセンサ1と同じ構成部品については同一の符号を付してその説明を省略することにする。
この第3実施形態に係るハルトマンセンサ101において、第1実施形態に係るハルトマンセンサ1と異なるところは平面鏡ユニット130の構成である。この第3実施形態に係る平面鏡ユニット130は、被検光学系(望遠鏡80の主鏡である凹面鏡81の有効径)の有効径よりも小さい口径を有する平面鏡55が被検光学系の光軸と直交する平面内で走査可能に構成されている。
平面鏡ユニット130の具体的構成は図6〜図8に示すように、被検光学系である望遠鏡80の光軸AXと直交する平面内(水平面内)において四辺がx軸又はy軸に沿うように配置された正方形状の枠体161と、枠体161の内部をx軸方向にスライド移動可能なx軸方向移動体162と、x軸方向移動体162内をy軸方向にスライド移動可能なy軸方向移動体163と、x軸方向移動体162をx軸方向に移動させるx軸方向移動機構164と、y軸方向移動体163をy軸方向に移動させるy軸方向移動機構165と、x軸方向移動機構164及びy軸方向移動機構165の作動制御を行う制御装置166と、y軸方向移動体163に取付けられて平面鏡55を支持するとともに平面鏡55のy軸方向移動体163に対する姿勢を変化させ得る機能を有した前述の(第1実施形態と同じ)平面鏡保持機構40と、平面鏡保持機構40に保持された前述の平面鏡55とを有して構成される。
x軸方向移動体162はy軸方向の長さが枠体161内部のy軸方向の長さよりも若干小さい平面視長方形状の下方に開口した筐体からなっている。y軸方向移動体163はx軸方向移動体162内部のx軸方向の長さよりも若干小さい長さの長辺を有する平面視長方形板状の部材からなる。y軸方向移動体163には上下方向に貫通した円孔132が設けられており、この円孔132内には、y軸方向移動体163に取付けられた平面鏡保持機構40によって平面鏡55が保持されている。
x軸方向移動機構164は枠体161の内部空間内をx軸方向に延びたx軸方向移動ボール螺子164a及びx軸方向移動ガイド部材164bと、枠体161に取付けられてx軸方向移動ボール螺子164aをその軸回りに回転させるx軸方向移動ステッピングモータ164cとから構成される。x軸方向移動ボール螺子164a及びx軸方向移動ガイド部材164bはいずれもx軸方向移動体162をx軸方向に貫通して延びており、x軸方向移動ボール螺子164aはその外周部に設けられた雄螺子部が、x軸方向移動体162の内部をx軸方向に延びて設けられた雌螺子部とこれら両者(雄螺子部と雌螺子部)の間に介在する小剛球を挟んで螺合している。x軸方向移動ステッピングモータ164cは制御装置166からの指令を受けて回転及び停止動作をするようになっており、x軸方向移動ステッピングモータ164cが制御装置166からの指令を受けて作動し、これによりx軸方向移動ボール螺子164aが軸回りに回転すると、x軸方向移動体162はx軸方向移動ボール螺子164a及びx軸方向移動ガイド部材164bにガイドされた状態で、枠体161の内部をx軸方向に移動する。
y軸方向移動機構165はx軸方向移動体162の内部空間内をy軸方向に延びたy軸方向移動ボール螺子165a及びy軸方向移動ガイド部材165bと、x軸方向移動体162に取付けられてy軸方向移動ボール螺子165aをその軸回りに回転させるy軸方向移動ステッピングモータ165cとから構成される。y軸方向移動ボール螺子165aはy軸方向移動体163をy軸方向に貫通して延びており、y軸方向移動ボール螺子165aはその外周部に設けられた雄螺子部が、y軸方向移動体163の内部をy軸方向に延びて設けられた雌螺子部とこれら両者(雄螺子部と雌螺子部)の間に介在する小剛球を挟んで螺合している。y軸方向移動ステッピングモータ165cは制御装置166からの指令を受けて回転及び停止動作をするようになっており、y軸方向移動ステッピングモータ165cが制御装置166からの指令を受けて作動し、これによりy軸方向移動ボール螺子165aが軸回りに回転すると、y軸方向移動体163はy軸方向移動ボール螺子165a及びy軸方向移動ガイド部材165bによりガイドされた状態で、x軸方向移動体162の内部をy軸方向に移動する。
このような構成の平面鏡ユニット130は、枠体161及び平面鏡55が被検光学系である望遠鏡80の光軸AXと直交するように配置された基準面(例えば前述の液体ミラー60の液面62a)に対して平行となるように調整されたうえで、望遠鏡80と対向するように、枠体161が水平面内(xy面内)に設置される。そして、望遠鏡80の収差計測においては、制御装置166からx軸方向移動ステッピングモータ164cを作動させてx軸方向移動体162をx軸方向に移動させつつ、y軸方向移動ステッピングモータ165cを作動させてy軸方向移動体163をy軸方向に移動させる。これにより平面鏡55は望遠鏡80の上方においてxy平面内(水平面内)を二次元的に移動(走査)され、第1実施形態の場合と同様にして望遠鏡80の収差が求められる。
上記のような平面鏡55の移動(走査)において、平面鏡保持機構40を介してy軸方向移動体163に保持された平面鏡55は走査中に何らかの原因により、望遠鏡80の光軸AXと直交する平面(水平面)からの傾き(ピッチ角)を有してしまっている場合がある。本第3実施形態ではこの平面鏡55の望遠鏡80の光軸AXと直交する平面からの傾きをy軸まわりピッチ角検出器171とx軸まわりピッチ角検出器172とを用いて検出するようにしている(図6参照)。
y軸まわりピッチ角検出器171は、x軸方向に射出した測定光が平面鏡保持体52の円筒状の側面において反射した光と、図示しない参照面において反射した光との干渉縞から平面鏡55のy軸まわりピッチ角を検出するレーザ干渉計であり、x軸まわりピッチ角検出器172は、y軸方向に射出した測定光が平面鏡保持体52の円筒状の側面において反射した光と、図示しない参照面において反射した光との干渉縞から平面鏡55のx軸まわりピッチ角を検出するレーザ干渉計である。これらy軸まわりピッチ角検出器171及びx軸まわりピッチ角検出器172それぞれにおいて観測される干渉縞の間隔は平面鏡55の(平面鏡保持体52の)水平面(xy平面)からの傾き角θ(図9参照)に比例することから、y軸まわりピッチ角検出器171及びx軸まわりピッチ角検出器172は、それぞれ観測される干渉縞から平面鏡55の(平面鏡保持体52の)水平面からのy軸まわりピッチ角、x軸まわりピッチ角を算出する。そして、演算装置18は、このようにして算出された平面鏡55のy軸まわりのピッチ角とx軸まわりのピッチ角とから、これらピッチ角に起因する検査平面(CCD撮像装置16の撮像面16a)上での集光スポット(第1の集光スポット)の位置を補正する。これにより、被検光学系の収差計測中に何らかの原因によって平面鏡55が望遠鏡80の光軸AXと直交する平面(水平面)からの傾き(ピッチ角)を有してしまった場合であっても、被検光学系の正確な収差を求めることができる。
上記のように、本発明の第3実施形態に係るハルトマンセンサ101では、被検光学系(望遠鏡80)を通過した被検光束(第1の光)を入射時とほぼ同じ光路上に反射する光反射手段(平面鏡ユニット30)が、高精度な平面度を実現しにくい大口径の(被検光学系の有効径以上の口径を有する)一枚の平面鏡からなるのではなく、高精度な平面度を実現し易い小口径の(被検光学系の有効径よりも小さい口径の)平面鏡を1枚、被検光学系の光軸と直交する平面内で走査可能にした構成となっているので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記第3実施形態に係るハルトマンセンサ101では、一枚の平面鏡55を被検光学系(望遠鏡80)の光軸と直交する平面内(xy平面内)で走査するように構成されていたが、複数枚の平面鏡55を被検光学系の光軸と直交する平面内で走査するように構成されていてもよい。また、複数の平面鏡55をy軸方向の走査領域をカバーし得る数だけ並べた構成とすれば、上述の実施形態におけるy軸方向移動機構165が不要となるので、平面鏡ユニット130の構成を非常に簡単なものとすることができる。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示したものに限定されない。例えば、平面鏡保持機構40の構成は一例に過ぎず、平面鏡55を保持するとともに、その姿勢を任意に変化させることのできる構成であれば、上述の実施形態に示した構成でなくてもよい。また、上述の実施形態では、平面鏡55の姿勢は手作業により変化させていたが、電動モータ等を用いて電気・機械式に平面鏡55の姿勢を変化させることができるようにしてもよい。更に、平面鏡ユニット30を構成する全ての平面鏡55が互いに完全に平行となる状態でベース部材31に組み付け得るのであれば、必ずしも平面鏡55の姿勢を変化させ得る機構を有していなくてもよい。
また、前述の第1実施形態では、平面鏡55は16枚であるとして説明したが、これは一例に過ぎず、平面鏡55は何枚であってもよい。また、平面鏡55にマスクを取付けることにより、或る平面鏡55内の特定位置における反射光(第1の光の反射光)による集光スポット(第1の集光スポット)のみを検査平面(CCD撮像装置16の撮像面16a)上に取出すことも可能である。また、上述の実施形態では、カセグレン式反射望遠鏡を被検光学系とする例を示したが、これは一例に過ぎず、他のタイプの望遠鏡であってもよいし、望遠鏡以外の光学系であってもよい。また、上述の実施形態では、本発明に係るハルトマンセンサをシャック・ハルトマンセンサとして使用するものであったが、本発明に係るハルトマンセンサは、干渉式のハルトマンセンサとしても使用することができる。
本発明の第1実施形態に係るハルトマンセンサの構成概念図である。 第1実施形態に係るハルトマンセンサにおける平面鏡ユニットを下面側から見た図である。 (A)は図2における領域IIIを平面鏡ユニットの上面側から見た拡大図であり、(B)は(A)における矢視IIIB−IIIBから見た断面図である。 平行測定装置を用いた各平面鏡の平行調整の様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るハルトマンセンサの構成概念図である。 本発明の第3実施形態に係るハルトマンセンサの構成概念図である。 第3実施形態に係るハルトマンセンサにおける平面鏡ユニットを下面側から見た図である。 第3実施形態に係るハルトマンセンサにおける平面鏡ユニットの一部を示す斜視図である。 平面鏡の水平面からの傾き角を示す平面鏡ユニットの図3(B)に対応する図である。
符号の説明
1 ハルトマンセンサ
11 光源
12 コリメータレンズ(導光光学系)
13 ビームスプリッタ(導光光学系)
14 集光レンズ(導光光学系)
15 マイクロレンズアレイ(光束変換手段)
16 CCD撮像装置(被検光束検出手段)
18 演算装置(収差算出手段、収差補正手段)
30 平面鏡ユニット(光反射手段)
40 平面鏡保持機構
47 揺動支柱
52 平面鏡保持体
55 平面鏡
55a 平面鏡の鏡面
57 姿勢固定螺子
60 液体ミラー
62a 液体の液面
70 平行測定装置
76 記憶装置(記憶手段)
171 y軸まわりピッチ角検出器(ピッチ角検出手段)
172 x軸まわりピッチ角検出器(ピッチ角検出手段)

Claims (6)

  1. 光源と、前記光源から発せられた被検光束を被検光学系に導く導光光学系と、前記導光光学系により導かれて前記被検光学系を通過した前記被検光束を入射時とほぼ同じ光路上に反射する光反射手段と、前記光反射手段により反射されて前記被検光学系を入射時とは反対の方向に通過した前記被検光束を検出する被検光束検出手段と、前記被検光束検出手段により検出された前記被検光束に基づいて前記被検光学系の収差を算出する収差算出手段とを備え、前記被検光束は前記導光光学系の内部若しくは前記被検光学系と前記被検光束検出手段との間に設けられた光束変換手段によって複数の小光束に変換され、前記被検光束検出手段は前記被検光束を前記複数の小光束として検出する構成のハルトマンセンサにおいて、
    前記光反射手段は、前記被検光学系の有効径よりも小さい口径を有する複数の平面鏡が前記被検光学系の光軸と直交する方向に並べられてなることを特徴とするハルトマンセンサ。
  2. 前記光反射手段を構成する前記各平面鏡は、前記被検光学系の光軸と直交するように配置された基準面に対して平行となるように調整されていることを特徴とする請求項1記載のハルトマンセンサ。
  3. 前記基準面が液体ミラーの反射面からなることを特徴とする請求項2記載のハルトマンセンサ。
  4. 前記各平面鏡の前記基準面に対する傾き角を記憶させておく記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記平面鏡の前記基準面に対する傾き角から、前記収差算出手段により算出された前記被検光学系の収差を補正する収差補正手段とを備えたことを特徴とする請求項2又は3記載のハルトマンセンサ。
  5. 光源と、前記光源から発せられた被検光束を被検光学系に導く導光光学系と、前記導光光学系により導かれて前記被検光学系を通過した前記被検光束を入射時とほぼ同じ光路上に反射する光反射手段と、前記光反射手段により反射されて前記被検光学系を入射時とは反対の方向に通過した前記被検光束を検出する被検光束検出手段と、前記被検光束検出手段により検出された前記被検光束に基づいて前記被検光学系の収差を算出する収差算出手段とを備え、前記被検光束は前記導光光学系の内部若しくは前記被検光学系と前記被検光束検出手段との間に設けられた光束変換手段によって複数の小光束に変換され、前記被検光束検出手段は前記被検光束を前記複数の小光束として検出する構成のハルトマンセンサにおいて、
    前記光反射手段は、前記被検光学系の有効径よりも小さい口径を有する一又は複数の平面鏡が前記被検光学系の光軸と直交する平面内で走査可能に構成されてなることを特徴とするハルトマンセンサ。
  6. 前記平面鏡の前記被検光学系の光軸と直交する平面からのピッチ角を検出するピッチ角検出手段と、前記ピッチ角検出手段において検出された前記平面鏡の前記被検光学系の光軸と直交する平面からのピッチ角から、前記収差算出手段により算出された前記被検光学系の収差を補正する収差補正手段とを備えたことを特徴とする請求項5記載のハルトマンセンサ。
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