JP2007084972A - 皮革様シート状物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟でありながら型くずれしにくく、さらには装着感が優れているにもかかわらず縫製しやすい衣料用途、特に手袋用途に適した皮革様シート状物とその製造方法を提供すること。
【解決手段】極細繊維と高分子弾性体からなるシート状物であって、該シート状物における20%伸長応力σ20の最も大きい方向のσ20Lと直交方向のσ20Cが0.35N/mm以下であり、比σ20L/σ20Cが5以上であることを特徴とする。また少なくとも一方の表面が高分子弾性体からなる表皮層を有することや、極細繊維からなる立毛を有することが好ましい。また本発明の製造方法は、繊維と高分子弾性体からなるシート状物を該高分子弾性体を膨潤させる溶剤中に浸漬し、次いでシート状物を5〜15%の範囲で伸長し、伸長した方向と直交する方向に10〜40%の範囲で収縮させる加工を行うことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、柔軟で型くずれしにくい皮革様シート状物に関し、さらに詳しくは装着感が優れているにもかかわらず縫製しやすい衣料用途や特に手袋用途に適した皮革様シート状物およびその製造方法に関する。
従来衣料用や手袋用にもちいられる素材としては、天然皮革をはじめ、人工皮革、合成皮革、ニット等が用いられている。中でもフィット感や装着感を向上させるためには、柔らかさが重要であり、例えば合成皮革やニット等においてはストレッチバック性能の大きい素材が好んで用いられている。
しかし、合成皮革は織物等を使用するために、不織布を使用した人工皮革に比較して縦横ななめ方向の異方性が強く違和感があるという問題があった。また異方性を減少させるべく、織物ではなくニットを用いた場合でも、このようなテ・ヨコ共によく伸びる素材はフィット感や装着感は良好であるが、伸び止め感が無く、特にゴルフ手袋のようなスポーツ用途に用いられる場合には手の力が充分に伝わらないという問題があった。
そこでこれらの欠点を有さず天然皮革に近い風合いを有する人工皮革が衣料用、手袋用として広く用いられるようになってきている(例えば特許文献1の人工皮革等)。しかし不織布と高分子弾性体からなる人工皮革であっても、フィット感や装着感を向上させるためにソフトな素材とした場合には、長期使用すると繰り返し伸ばされている部分が伸び、型くずれを起こしてくるという問題があった。また、製品の縫製段階でも素材が伸びやすく、裁断段階での張力がなくなった製品において素材の変形が起こり、サイズが不安定となるという問題があった。
特開2000−273769号公報
本発明の目的は、柔軟でありながら型くずれしにくく、さらには装着感が優れているにもかかわらず縫製しやすい衣料用途、特に手袋用途に適した皮革様シート状物とその製造方法を提供することである。
本発明の皮革様シート状物は、極細繊維と高分子弾性体からなるシート状物であって、該シート状物における20%伸長応力σ20の最も大きい方向のσ20をσ20Lとしたき、σ20Lと直交方向のσ20Cが0.35N/mm以下であり、比σ20L/σ20Cが5以上であることを特徴とする。
さらに、見掛け密度が0.20g/cmから0.45g/cmの範囲であることや、厚みが0.20mmから1.00mmの範囲であることが好ましい。また少なくとも一方の表面が高分子弾性体からなる表皮層を有することや、極細繊維からなる立毛を有することが好ましい。
またもう一つの本発明の皮革様シート状物の製造方法は、極細繊維と高分子弾性体からなる皮革様シート状物の製造方法であって、繊維と高分子弾性体からなるシート状物を該高分子弾性体を膨潤させる溶剤中に浸漬し、次いでシート状物を5〜15%の範囲で伸長し、伸長する方向と直交する方向に10〜40%の範囲で収縮させる加工を行うことを特徴とする。さらには、該加工前後の厚み変化率Aが0〜10%の範囲の増加であることや、該加工時の繊維が極細繊維束形成性繊維であり、該加工時に極細繊維化処理を行うことが好ましい。
本発明によれば、柔軟でありながら型くずれしにくく、さらには装着感が優れているにもかかわらず縫製しやすい衣料用途、特に手袋用途に適した皮革様シート状物とその製造方法が提供される。
本発明の皮革様シート状物は、極細繊維と高分子弾性体からなるシート状物である。そしてそのシート状物の20%伸長応力σ20の最も大きい方向のσ20をσ20Lとしたき、σ20Lと直交方向のσ20Cが0.35N/mm以下であり、比σ20L/σ20Cが5以上であることを必須とする。
本発明のシート状物を構成する極細繊維としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12などのポリアミド繊維、またはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維などを挙げることができる。特にナイロン等のポリアミド繊維を用いた場合にはモジュラスが低く、風合いの良好な素材となりやすく適している。極細繊維の繊度としては平均繊度が0.1〜0.0001dtexの範囲であることが好ましい。また柔軟性と強度を両立させるためには、極細繊維が束状の形態をとることが好ましい。
また本発明のシート状物を構成する高分子弾性体としては、ポリウレタンエラストマー、ポリウレアエラストマー、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー、ポリアクリル酸樹脂、アクリロニトリル・ブタジエンエラストマー、スチレン・ブタジエンエラストマー等が挙げられるが、なかでもポリウレタンエラストマー、ポリウレアエラストマー、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー等のポリウレタン系のエラストマーであることが好ましい。これらポリウレタン系エラストマーは、例えば平均分子量500〜4000のポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリエステル・エーテルグリコール、ポリカプロラクトングリコール、ポリカーボネートグリコール等から選ばれた、一種または二種以上のポリマーグリコールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレジンイソシアネート、トリレジンイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等の有機ジイソシアネートと、低分子グリコール、ジアミン、ヒドラジン、又は有機酸ヒドラジッド、アミノ酸ヒドラジッド等のヒドラジン誘導体等から選ばれた鎖伸長剤を反応させて得られたものである。
これら高分子弾性体は、シート状物に柔らかい風合いを与えるために基材中に多孔質状に存在していることが好ましい。高分子弾性体のゴム弾性に加えて多孔が変形することによる弾性を与えることができるからである。
本発明はこのようなシート状物からなる皮革様シート状物でありいわゆる人工皮革であるが、その見掛け密度としては0.20〜0.45g/cmの範囲であることが好ましい。基材の見掛け密度が低い場合にはその素材は柔らかな特性を持つもののその強度が弱くなる傾向にある。また見掛け密度が高い場合には、基材中の空間が少なくなり変形時の応力の逃げ場が無くなり風合いが堅い物となる。さらに本発明の皮革様シート状物はその使用用途から厚みが0.20〜1.00mmの範囲であることが好ましい。
シート状物中では極細繊維の集合体の繊維間空隙に高分子弾性体が存在するが、極細繊維が繊維束を形成しており、高分子弾性体が繊維束の外部には存在しているが繊維束の内部には存在しないことが、シート状物に張力がかかった際の伸び止め性を与えるために好ましい。繊維束中に存在する極細繊維には初期の張力がかかりにくく、ある程度伸長した段階で繊維束全体としてシートに伸び止め性を与えるためである。
本発明の皮革様シート状物は、該シート状物の20%伸長応力σ20の最も大きい方向のσ20をσ20Lとしたき、σ20Lと直交方向のσ20Cが0.35N/mm以下であり、比σ20L/σ20Cが5以上であることを必須とする。20%伸長応力σ20の最も大きい方向は、30°毎に測定し、その最大値となる値として求めることができる。ここで通常σ20Lはシート状物の製造時におけるタテ方向であり、σ20Cはシート状物のヨコ方向である。すなわちロール状の巻物として製造された場合、基本的にはσ20Lはシート状物の長さ方向であり、σ20Cはシート状物の巾方向となる。
さらにはσ20Lと直交方向の20%伸長時の応力σ20Cは、0.05N/mm以上であることが好ましく、さらには0.10N/mm<σ20C<0.33N/mmにコントロールされることが、最も好ましくは0.15N/mm<σ20C<0.30N/mmの範囲であることが好ましい。このような値をとることにより、低応力時に素材が伸びやすいために手に持った時に非常に柔らかな触感をあたえる。ただしσ20Cが小さすぎる場合には、低応力時にシート状物が伸び過ぎ、また強度も低い物となる傾向にある。逆にσ20Cが高すぎる場合にはこの方向の伸びが少なくなり、全体的に風合いの突っ張った物になり、本発明の効果を奏しない。
また比σ20L/σ20Cは5以上であることが必要であり、通常は500以下程度であることが好ましい。さらには5<σ20L/σ20C<300で有ることが好ましい。これはタテ方向等の一方向に素材が伸びにくいことを表しており、このことで素材の寸法安定性を向上することが出来る。σ20L/σ20Cが5より小さい場合には、シート状物のタテ・ヨコの伸び特性が類似した物になり本発明の効果を得ることができない。一方σ20L/σ20Cが大きすぎる場合には、あまりにも一方向が伸びなくなってしまうため、その直行方向の伸びの特性を活かすことが出来なくなってしまい、風合いが硬く突っ張ったようになる傾向にある。
また、本発明の皮革様シート状物はしっかりした伸び止め性を要求する場合、少なくともその一方の表面が、高分子弾性体からなる表皮層を有するものであることが好ましい。表皮層を有することにより伸び止め性が向上し、手袋用、特にスポーツ用として好適となる。ここで該表皮層の厚みとしては30〜200μmの範囲であることが好ましい。表皮層の厚みが薄すぎる場合には、表皮層の強度、摩耗強度や引っ掻き強度が弱く耐久性に問題が生じやすい物になる傾向にある。また表皮層の厚みが大きすぎる場合には、表面のツッパリ感が出て風合いの堅い物となる傾向にある。さらに表皮層中の極細繊維は表皮層を構成する高分子弾性体と非接合であることが好ましい。このように非接合のシート状物とするためには、海島型の極細繊維束形成性繊維を用いたシート状物上に表皮層を形成した後に、繊維の海成分を溶解除去する方法などによって得ることができる。また、特に柔らかい風合いを得るためには極細繊維からなる立毛を有するものであることが好ましい。
このような本発明の皮革様シート状物は、例えば次のような皮革様シート状物の製造方法によって得ることができる。すなわち、本発明の皮革様シート状物の製造方法は、極細繊維と高分子弾性体からなる皮革様シート状物の製造方法であって、繊維と高分子弾性体からなるシート状物を該高分子弾性体を膨潤させる溶剤中に浸漬し、次いでシート状物を5〜15%の範囲で伸長し、伸長する方向と直交する方向に10〜40%の範囲で収縮させる加工を行う製造方法である。
本発明の製造方法では繊維と高分子弾性体からなるシート状物を用いる。ここで繊維とは極細繊維であっても良いが、より好ましくは極細繊維束形成性繊維である。そのような極細繊維束成形性繊維としては、例えば多成分の高分子重合体からなる複合繊維が挙げられ、複合繊維の形態としては、例えば海島型、貼り合わせ型等公知の紡糸方法が挙げられるが、特には溶剤溶解性の異なる2種以上の繊維形成性高分子を用いた海島型を用い一成分を抽出除去し極細繊維化できる極細繊維束形成性繊維であることが好ましい。なかでもナイロン6/ポリエチレンの組み合わせが工業的に生産しやすいため好ましい。これらの繊維は従来公知の方法により紡糸することができ、紡糸後の延伸により繊維に必要な強度を与えることもできる。極細繊維としたときの平均繊度としては0.1〜0.0001dtexの範囲であることが好ましい。
繊維は通常不織布としたのち、高分子弾性体を含浸することによってシート状物とされる。不織布にするには長繊維を用いても良いが、本発明では短繊維とした繊維を従来公知のカード、ウェバー、クロスレイヤー等にかけてウェブを形成することが好ましい。さらには得られたウェブの厚さ方向に対して、好ましくは500〜3000本/cm、特に好ましくは、800〜2000本/cmのバーブ貫通パンチング本数でニードルパンチングを施し、該繊維を絡合させ、不織布を作成することが好ましい。短繊維を用いた場合、バーブ貫通パンチング本数が少なすぎると、不織布の絡合が不十分となり強度不足となり、それを用いて加工を行うと加工途中で伸びが発生し、狙い通りの加工をコントロールすることが困難となる傾向にある。また、バーブ貫通パンチング本数が多すぎる場合には、ニードルパンチングを過剰に受け、絡合繊維の損傷が大きくなり、不織布にへたりが発生するため好ましくない。ここで、バーブ貫通パンチング本数とは、使用するニードルとして少なくとも1つのバーブを有するものを使用し、最先端に位置するバーブがウェブの厚さ方向にパンチングを行った時の打ち込み本数を1cm当たりの値に換算した数値をいう。
繊維成分にポリエチレンのような低融点成分を含む場合、得られた不織布を加熱処理し、複合繊維の一成分や海島型繊維の海成分である低融点成分を軟化させた後、カレンダーロール等で加圧処理し、厚さ、見かけ密度および面平滑性の調整を行うことが好ましく平滑性の高いフラット面を有する皮革様シート状物を得ることができる。目的とする皮革様シート状物の用途により異なるが、例えば不織布の厚さは0.4〜3.0mm、見かけ密度0.25〜0.45g/cmの範囲であることが好ましい。この工程では加熱されたカレンダーロールで加圧することが好ましく、加熱処理と加圧処理とを同時に行えるためより効率的に平滑化をはかることができる。
本発明で用いられる繊維と高分子弾性体からなるシート状物は、繊維構造体である不織布に高分子弾性体の溶液または分散液を含浸付与し、凝固させることにより得ることができる。高分子弾性体を不織布中に含浸させるためには、通常、該高分子弾性体を有機溶剤溶液または分散液(水性エマルジョンを含む)の形で不織布に含浸させる方法が採用される。含浸させる高分子弾性体の濃度は、皮革様シート状物としてのソフト性等の点から、5〜20%であることが好ましく、8〜12%であること特に好ましい。濃度が低すぎると、加工時に素材自体の厚みが維持できず最終的に製品密度が向上し風合いがパリパリとした紙のようなものになり風合いが低下する傾向にある。一方、濃度が高すぎると、風合いが固くなる傾向にある。含浸させる高分子弾性体溶液は、不織布の重量に対して100〜500%範囲で選定することが好ましい。不織布に含浸した高分子弾性体は、次いで凝固させシート状物とする。高分子弾性体を凝固させる方法としては、公知の湿式凝固法、乾式凝固法のいずれによっても良いが、風合い的には湿式凝固法が好ましく、該シート状物中の高分子弾性体の凝固状態は、多孔質状に凝固していることが好ましい。
ここで高分子弾性体を含浸する程度であるが、表面が高分子弾性体からなる表皮層を有するか、極細繊維からなる立毛を有するかによって最適な高分子弾性体の含浸量が異なる。高分子弾性重合体からなる表皮層を有するシート状物を作成するには、高分子弾性体溶液を含浸させた後凝固させる前に、該不織布厚さより広いクリアランスで高分子弾性体溶液をスクイーズし高分子弾性体量を調整することが好ましい。またさらに該シート状物の表面に含浸させた高分子弾性体と同種または異種の高分子弾性体の薄い被覆層を別途付与してもよく、その後凝固させる。また凝固とは別にその後、グラビア法やスプレー法などの公知の方法で得られる表面層にさらに高分子弾性体からなる樹脂層を成形させても構わない。これらの表皮層を形成する樹脂層の厚みは30〜200μmの範囲であることが好ましい。表皮層の厚みが薄い場合には表皮層の強度、摩耗強度や引っ掻き強度が弱く耐久性に問題が生じやすい傾向にある。また表皮層が厚すぎる場合には表面のツッパリ感が出て風合いの堅い物となる傾向にある。
立毛を有するシート状物を作成する場合には、高分子弾性体溶液を含浸させた後凝固させる前に、該不織布厚さの60〜95%、更には、65〜90%にスクイーズすることが好ましい。スクイーズ率が小さい(厚さに対してスクイーズの間隙が小さい)場合には、基材表面に存在する高分子弾性体の量が少なくなり、立毛の毛足が長く荒れた形状をコントロールできなくなる傾向にある。スクイーズ率が大きい(スクイーズの間隙が大きい)場合には、最終的に得られるシート表面が樹脂ライクなものとなり、安定した立毛を得ることが困難となる傾向にある。
ここでスクイーズする方法としては、繊維と高分子弾性体の含浸液からなるシートを硬度の高いロール間で挟み込みながら実施する方法やロール上に精度の高いナイフによりクリアランスを調整した物で高分子弾性体溶液を掻き取る方法などを実施することが可能である。
また本発明で使用される高分子弾性体は、耐溶剤形態安定性の高い物であることが好ましい。特には次の工程の高分子弾性体を膨潤させる溶剤中での厚みの変化率が90〜100%であることが好ましい。例えば、見掛け密度0.2g/cm以下の湿式フィルムを80℃の熱トルエン中に30分浸漬処理した時のフィルム厚みの変化率で判定した場合に、変化率が90〜100%で有ることが好ましく、95〜100%で有ることがさらに好ましい。耐溶剤形態安定性が低い場合、加工時に素材自体の厚みが維持できずへたりが発生し、最終的に製品密度が向上し風合いが硬くなったり、パリパリとした紙のようなものになる傾向にある。
本発明の製造方法は、繊維と高分子弾性体からなるシート状物を該高分子弾性体を膨潤させる溶剤中に浸漬し、次いでシート状物をその進行方向に5〜15%の範囲で伸長し、進行方向と直交する方向に10〜40%の範囲で収縮させる加工を行う製造方法である。ここで高分子弾性体を膨潤させる溶剤は、高分子弾性体を膨潤させるが高分子弾性体を溶解しないものであることが好ましい。さらには繊維を構成する成分のうち、極細繊維化するにあたって必要な、例えば完全に溶解すべき海成分を除いた島成分などに関しては、用いる溶剤が島成分である構成成分を溶解しないことが好ましい。
また、伸長、収縮率を変更させるためには、加工時にシート状物にかける張力を50〜1000g/cmの範囲で調整すればよい。この加工では溶剤によってシート状物中に存在する高分子弾性体が膨潤され、外力の影響を受けやすい状態となっているため、容易にタテ・ヨコの比率をコントロールし、伸長、収縮率を制御することができる。またこのように制御することにより、加工することで得られる製品のタテ方向とヨコ方向の伸び特性を適切にすることが可能となる。
この加工においては平面的な伸長、収縮と共にシート状物の厚みも変化するが、加工前後の厚み変化率Aが0〜10%の範囲の増加であることが好ましい。厚みが減少するとシート状物の密度が高まり風合いが低下する傾向にある。
本発明で行われる加工を行うときには溶剤は加熱されていることが好ましい。さらには均一に充分加熱されていることが好ましい。不均一に加熱された場合には、シート基材中に存在する高分子弾性体が膨潤していない外力の影響を受けにくい部分が存在するため、製品の特性が変化しにくく、シート状物の伸び特性等にバラツキを持つ素材となってしまう傾向にある。例えば加熱が均一になる工程としては、極細繊維束形成性繊維が海島繊維である場合に、繊維から海成分を抽出し極細化する工程を挙げることができ、本発明においては、加工時の繊維が極細繊維束形成性繊維であり、該加工時に極細繊維化処理を行う工程であることが好ましい。他の加工工程よりも、加熱、高分子弾性体の膨潤、加工中の張力の設定等をより容易に実現することができる。
このように本発明では、加工時の繊維が極細繊維束形成性繊維であり、該加工時に極細繊維化処理を行うことが好ましい。その場合、極細繊維形成性繊維からなる不織布に高分子弾性体を含浸した基材を構成する複合繊維の少なくとも一成分を溶解抽出除去し、平均繊度が、0.1〜0.0001dtexの範囲にある極細繊維とする。ここで溶解除去する繊維中の海成分がポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリレート等の場合には、ベンゼン、トルエン、キシレン等を用いることができる。なかでも工業的に生産しやすいナイロン/ポリエチレンの組み合わせにおいては溶解除去剤として80℃程度に加熱されたトルエンを用いることが好ましい。この場合、シート状物は加熱されたトルエン中に浸漬され、極細繊維束形成性である複合繊維の海成分であるポリエチレンを溶解し、繰り返し金属ロール等でニップする事により、繊維の海成分であるポリエチレンを溶解抽出除去し、繊維を極細繊維化する。このときシート状物中の高分子弾性体は加熱された溶剤であるトルエンで膨潤された状態であり、該基材の状態は極めて外力の影響を受けやすい状態になっている。また皮革様シート状物の表面に高分子弾性体からなる表皮層を有する場合には極細繊維化する前に予め表皮層を付与することが好ましい。このようにすることにより表皮層の高分子弾性体と極細繊維とが非接合になり、より風合いに優れた皮革様シート状物とすることが可能となる。
本発明で得られる皮革様シート状物はこの加工後に、さらに外観を形成することが好ましい。表皮層持った外観を成形するには、たとえば該基材表面にエンボス等の加工により柄を付与した後、該基材表面に110メッシュのグラビアロールを用い、高分子弾性体を付与するなどの加工を行うことで希望の外観を作成することが出来る。一方、立毛を持った外観を成形するには、たとえば該基材表面に#200のグラビアロールを用い高分子弾性体を溶解又は十分に膨潤させることの出来る溶剤で表面に存在する樹脂を溶かし、次いで120〜1000メッシュの粒度を持ったサンドペーパーを用いてバフすることで希望の外観を作成することが出来る。
このようにして得られた外観の完成した基材はその使用用途によって厚みを0.20mmから1.00mmの範囲で調整する。その調整方法としては、最初に用いる不織布の目付と厚みでコントロールする他に、得られた基材をスライスするなどの方法で薄くする方法、裏面側を150〜600メッシュの粒度のサンドペーパーを用いペーパーの速度を500〜1000m/minの範囲で複数回バフ掛けすることで厚みを調整する方法などが挙げられる。
本発明で得られた皮革様シート状物には、この後染色等によってさらに色を付ける加工を行うことも可能である。また、このようにして得られた基材に必要に応じて柔軟剤等を付与し、揉み加工を施すことで、非常に柔軟な皮革様シート状物を得ることが出来る。ここで用いる柔軟剤としては一般的に繊維素材に使用する柔軟剤であれば広く用いることが出来るが、ソフト性を高めるためにはシリコーン系の柔軟剤を選択することが好ましく、中でもアミド変性シリコーンやアミノ変性シリコーンを用いることが、その表面タッチを良好にするために好ましい。また、天然皮革の風合い向上に用いられる公知の加脂剤を処理することも好ましく、柔軟剤と加脂剤を併用することでよりソフトでしっとり感のある素材とする事が可能となる。これら柔軟剤等の付与の方法としては、ディップニップ法、グラビア法、スプレー法等公知の方法で処理することが可能である。
さらに一般的に公知な揉み加工を併用してもよい。特にタンブラー等の張力のかからない状態での揉み加工が好ましく、また高圧のジェット気流で装置内を搬送しながら揉み加工を行うこともとても有効である。また該基材を突起のあるボードで叩きその衝撃等でもみほぐす加工や、一定の範囲で基材を挟み込み基材を圧縮しながら回転させ揉む方法も可能である。ただし、一般的に行われる湯揉みなどの加工を行う場合は、液中に柔軟剤や加脂剤が脱落するおそれがあるため、実施する場合は柔軟剤の付与前に実施する必要があるが、この場合柔軟剤付与後に再度上記の乾燥状態で行う揉み加工を行わなければならない。
このように得られた本発明の柔軟で型くずれしにくい皮革様シート状物は特に手袋や衣料用素材に好ましく用いられる。特にゴルフ手袋等のスポーツ用手袋に縫製した場合、その横伸び特性からフィット感や装着感の良好な柔軟な風合いを持ったものとなる。また横に比較して縦に伸びにくいという特性から、数回使用したときも繰り返し伸ばされている部分が十分に元の形態を保持し、従来品の欠点であるブカブカとなり型くずれを起こすという点を改良した。さらに、本発明の皮革様シート状物は、縫製前のパーツの裁断後に素材の変形が起こりにくいためにパーツサイズが安定し、縫製等の製品加工特性に優れている。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1]
まず、極細繊維形成性繊維を製造した。すなわちナイロン−6とポリエチレンをチップの状態で50:50の重量比で混合して押出機により溶融紡糸を行いポリエチレンが海成分の海島断面混合紡糸繊維を紡糸、延伸、捲縮、カットして繊度8dtex、51mm長の短繊維を作製した。得られた繊維の海成分であるポリエチレンを溶解除去して極細繊維化し、任意の繊維束の断面を電子顕微鏡写真にて2000倍に拡大・観察したところ、島成分の平均直径から算出した繊維の平均繊度は、0.0052dtexであった。
次に上記の極細化する前の短繊維を、カードおよびクロスレイヤーを用いて積層し、3バーブのニードル針を用い1400本/cmの針密度でニードルパンチして不織布を作成した。得られた不織布は目付570g/m、厚さ2.5mmであった。該不織布を150℃の乾燥機で加熱し、30℃の金属ロールで冷却ニップし固定化した。このニップ処理された不織布の目付は、560g/m、厚さ1.9mmであった。
この得られた該不織布に、ポリエーテルエステル系ポリウレタンの重量比12%濃度のジメチルホルムアミド(以下DMFとする)溶液にシリコーン系の凝固調節剤を添加したものを含浸し、不織布表面を基材厚さの75%にスクイーズして、余分なポリウレタン樹脂溶液を除去し、含浸液を1760g/m付与した後、10%DMF水溶液の水バス中で凝固し、140℃で乾燥しシート状物を得た。含浸に用いたポリエーテルエステル系ポリウレタンを見掛け密度0.18g/cmの湿式フィルムとし、80℃の熱トルエン中に30分浸漬処理したところ、フィルム厚みの変化率は97.6%であった。
その後、得られたシート状物を80℃の熱トルエンでディップ、ニップを繰り返し、海島断面混合紡糸繊維中の海成分であるポリエチレンを抽出した。このときシート状物に70g/cmの張力を与えながら加工し、タテ方向に8.3%伸長し、ヨコ方向に14.8%収縮させた。得られた極細繊維と高分子弾性体からなるシート状物は、目付342.5g/mであった。またこの加工前後のシート状物の厚み変化率は96.5%と厚みを維持するものであった。
この加工後のシート状物表面にDMF溶液をグラビア加工機を用いて200メッシュで2ロール塗布し、乾燥後、320メッシュのサンドペーパーで研磨し、さらに、400メッシュのサンドペーパーで逆方向から研磨し、表面を立毛させ、表面が極細立毛繊維により覆われているシート状物を得た。この後シート状物を厚みの半分にスライスし、このスライスした面を240メッシュの粒度のサンドペーパーを用いペーパーの速度を800m/minで3回バフ掛けすることにより厚みを調整し、0.40mmの厚みの立毛状の皮革様シート状物である立毛調人工皮革を得た。
さらに立毛調人工皮革を下記の条件で染色した。
染色条件 浴比;1:30、染料;8%owf
染料配合
・Yellow(分散染料)7.4、
・Red(分散染料)3.2、
・Black(分散染料)0.6
染色、乾燥した後、柔軟剤としてアミノ変性シリコーンと加脂剤を重量比2:1となるようにブレンドした処理液で固着量2%となるよう付与し、タンブラーにより揉み加工を行った。
得られた立毛を有する皮革様シート状物の物性を表1に示した。皮革様シート状物の各方向におけるσ20の最大値であるσ20Lは皮革様シート状物の縦方向であり、σ20Cは横方向であった。結果として縦方向の伸びが少なく横方向に優れた伸び特性を持つことを特徴とする柔軟で型くずれしにくい皮革様シート状物を得ることが出来た。この皮革様シート状物を用いて婦人用のスカートを縫製したところ裁断後の寸法が安定しており縫製しやすく仕立て映えのするシルエットを持ちながら非常に柔軟な質感を持ったスカートに仕上がった。
[実施例2]
実施例1と同様にして560g/m、厚さ1.9mmの不織布を得た。この得られた該不織布に、ポリエーテルエステル系ポリウレタンの重量比9%濃度のジメチルホルムアミド(以下DMFとする)溶液にシリコーン系の凝固調節剤を添加したものを含浸し、不織布表面を基材厚さの108%のロール/ロール間クリアランスでスクイーズして、表皮層に薄く一層残しながら余分なポリウレタン樹脂溶液を除去し2200g/mとなるよう付与した後、10%DMF水溶液の水バス中で凝固し、140℃で乾燥しシート状物を得た。含浸に用いたポリエーテルエステル系ポリウレタンを見掛け密度0.18g/cmの湿式フィルムとし、80℃の熱トルエン中に30分浸漬処理したところ、フィルム厚みの変化率は97.6%であった。
その後、得られたシート状物を80℃の熱トルエンでディップ、ニップを繰り返し、海島断面混合紡糸繊維中の海成分であるポリエチレンを抽出した。このときシート状物に95g/cmの張力を与えながら加工し、タテ方向に7.8%伸長し、ヨコ方向に14.7%収縮させた。得られた極細繊維と高分子弾性体からなるシート状物は、目付337.3g/mであった。またこの加工前後のシート状物の厚み変化率は96.7%と厚みを維持するものであった。
このシート状物表面にエンボスで毛穴調シボ柄を持った外観を付与した後、高分子弾性体を主とする仕上げ用処理剤を4.5g/mとなるようにスプレーを用いて表面に塗布し、高分子弾性体からなる表皮層を有する銀付き調の外観をもった皮革様シート状物を得た。
この後皮革様シート状物の表側より0.6mmの厚みとなるようにスライスを行い、スライスした面を600メッシュの粒度のサンドペーパーを用いペーパーの速度を800m/minで2回バフ掛けし厚みを調整実施し、厚み0.50mmとした。このようにして得られた銀面を有する皮革様シート状物に柔軟剤としてアミノ変性シリコーンと加脂剤を重量比2:1となるようにブレンドした処理液で固着量4%となるよう付与し、タンブラーにより揉み加工を行った。
得られた高分子弾性体からなる表皮層を有する皮革様シート状物の物性を表1に併せて示した。皮革様シート状物の各方向におけるσ20の最大値であるσ20Lは皮革様シート状物の縦方向であり、σ20Cは横方向であった。結果として縦方向の伸びが少なく横方向に優れた伸び特性を持つことを特徴とする柔軟で型くずれしにくい皮革様シート状物を得ることが出来た。この皮革様シート状物を用いてゴルフ手袋を縫製したところ各パーツ裁断後の寸法が安定しており縫製しやすく、また非常にソフトで天然皮革の銀付き素材に非常に近い柔軟な質感がえられ、フィット感や装着感の良好なものとなった。さらに縦に伸びにくいという特性から1000打使用した後においてもブカブカになり型くずれを起こすといった現象は無く、ほぼ元の形態を保持していた。
[比較例1]
実施例1と同様にして560g/m、厚さ1.9mmの不織布を得た。この得られた該不織布に、実施例2と同様にして高分子重合体を含浸したシート状物を得た。
その後、得られたシート状物を80℃の熱トルエンでディップ、ニップを繰り返し、海島断面混合紡糸繊維中の海成分であるポリエチレンを抽出した。このときシート状物に32g/cmの張力を与えながら加工し、タテ方向に5.2%伸長し、ヨコ方向に7.4%収縮させた。得られた極細繊維と高分子弾性体からなるシート状物は、目付369.1g/mであった。またこの加工前後のシート状物の厚み変化率は97.2%と厚みを維持するものであった。
このシート状物表面に実施例2と同様に、エンボス、スプレー塗布を行い、高分子弾性体からなる表皮層を有する銀付き調の外観をもった皮革様シート状物を得た。さらに実施例2と同様にスライス、裏面バフ、アミノ変性シリコーン・加脂剤処理、タンブラー揉み加工を行った。
得られた高分子弾性体からなる表皮層を有する皮革様シート状物の物性を表1に併せて示した。σ20の最大値であるσ20Lは皮革様シート状物の縦方向であり、σ20Cは横方向であった。結果としてタテ・ヨコともに伸びが少ない皮革様シート状物を得ることが出来た。この皮革様シート状物を用いてゴルフ手袋を縫製したところ各パーツ裁断後の寸法が安定しており縫製しやすかったが、手を入れた時に非常に窮屈な圧迫感があり装着感の悪いものとなった。1000打使用した後ヨコ方向に伸びた形状が残留しその部分が余ってブカブカになり型くずれを起こしてきて600打を超えたあたりから使用するのに不快感が伴うようになった。
[比較例2]
実施例1と同様にして560g/m、厚さ1.9mmの不織布を得て、高分子重合体を主とする含浸液を1760g/m付与し乾燥したシート状物を得た。その後、実施例1と同様に80℃の熱トルエンで海島断面混合紡糸繊維中の海成分であるポリエチレンを抽出し、研磨して表面を立毛させ、スライス、裏面バフ掛けをして、染色されていない以外は実施例1と同じ、表面が極細立毛繊維により覆われている0.40mmの厚みの立毛皮革様シート状物を得た。
さらに実施例2と同様にアミノ変性シリコーン・加脂剤処理、タンブラー揉み加工を行った。
次に表皮のラミネート仕上げとして、100%モジュラス4.3MPaのポリカーボネート系ポリウレタン溶液(濃度15%)を離型紙(AR―74M、厚さ0.25mm、旭ロール(株)製)上に目付け130g/m(wet)で塗布し、初めに100℃で3分間乾燥させフィルム層を得た。このとき得られた高分子弾性体フィルム層の厚みは平均15.0μmであった。次に100%モジュラス2.5MPaの架橋型ポリウレタンに3官能の架橋剤を1部加えた接着層用配合液を、理論上の接着層の厚みが37.7μmとなるよう、目付け100g/m(wet)でフィルム層の上に塗布し、さらにその上に先に得られた立毛皮革様シート状物を貼り合わせた後、100℃で30秒乾燥し、次いで70℃で48時間エージングを行った後12時間放置冷却を行い、離型紙を分離し、表面に高分子弾性体の層を持った銀付き調皮革様シート状物を得た。さらにこれをタンブラーにより揉み加工を行った。
得られた高分子弾性体からなる表皮層を有する皮革様シート状物の物性を表1に併せて示した。σ20の最大値であるσ20Lは皮革様シート状物の縦方向であり、σ20Cは横方向であった。得られた皮革様シート状物を用いてゴルフ手袋を縫製したところ各パーツ裁断後の寸法が安定しており縫製しやすかったが、手を入れた時に非常に窮屈な圧迫感があり、またソフトではあるがパカパカと紙のような風合いとなり装着感の悪いものとなった。また1000打使用した後にヨコ方向に伸びた形状が残留し、その部分が余ってブカブカになり、型くずれを起こしていた。
Figure 2007084972

Claims (8)

  1. 極細繊維と高分子弾性体からなるシート状物であって、該シート状物における20%伸長応力σ20の最も大きい方向のσ20をσ20Lとしたき、σ20Lと直交方向のσ20Cが0.35N/mm以下であり、比σ20L/σ20Cが5以上であることを特徴とする皮革様シート状物。
  2. 見掛け密度が0.20g/cmから0.45g/cmの範囲である請求項1記載の皮革様シート状物。
  3. 厚みが0.20mmから1.00mmの範囲である請求項1または2に記載の皮革様シート状物。
  4. 少なくとも一方の表面が、高分子弾性体からなる表皮層を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の皮革様シート状物。
  5. 少なくとも一方の表面が、極細繊維からなる立毛を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の皮革様シート状物。
  6. 極細繊維と高分子弾性体からなる皮革様シート状物の製造方法であって、繊維と高分子弾性体からなるシート状物を該高分子弾性体を膨潤させる溶剤中に浸漬し、次いでシート状物を5〜15%の範囲で伸長し、伸長する方向と直交する方向に10〜40%の範囲で収縮させる加工を行うことを特徴とする皮革様シート状物の製造方法。
  7. 該加工前後の厚み変化率Aが0〜10%の範囲の増加である請求項6記載の皮革様シート状物の製造方法。
  8. 該加工時の繊維が極細繊維束形成性繊維であり、該加工時に極細繊維化処理を行う請求項6または7記載の皮革様シート状物の製造方法。
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