JP2007083549A - 多孔積層体の製造方法および多孔積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、微小孔が多数存在する多孔体の製造方法であって、
少なくともフィラーと熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からなる層を両側外層に有し、ポリプロピレン樹脂組成物からなりフィラーを含まない中間層が前記両側外層に挟まれており、かつ全層の厚みtに対する両側外層の厚みの合計toの割合tr(=to/t)が0.5〜0.95である少なくとも3層構造の積層体を作製する工程と、得られた積層体に超臨界状態または亜臨界状態の流体を含浸させ、次いで該状態から解放させて前記流体を気化させることにより中間層を多孔化する工程と、少なくとも一軸方向に延伸することによりフィラーと熱可塑性樹脂との界面を剥離させて両両側外層を多孔化する工程とを含む多孔積層体の製造方法を提供する。
【選択図】 図1
Description
例えば、特開平5−25305号公報(特許文献1)では超高分子量ポリエチレンと溶媒を混練・シート化し、延伸処理したのち溶媒を抽出することにより多孔膜が得られることが提案されている。
しかしながら、この方法では多孔膜表面にフィラーが無いので単位面積あたりの質量(坪量)は小さいものの、多孔膜表面に適度な凹凸が存在しないので多孔膜の滑り性が低いという欠点がある。さらに、当該方法では溶媒の抽出が洗浄用の有機溶媒で洗浄することにより行われるのだが(0045欄等)、この際に有機溶媒が大量に必要となるので環境的な側面から好ましくない。
当該多孔性フィルムは連通性も耐熱性もあるものの、特許文献1と同様にフィラーが表面になく、ゆえにフィルム表面に適度な凹凸が存在しないので、フィルムの滑り性が低いという欠点がある。さらに、一般的に単一ポリマーによる開孔延伸法と呼ばれている当該多孔性フィルムの製造方法においては延伸温度や延伸倍率、多段延伸等の延伸条件で好ましい多孔構造を得ることができる条件が非常に狭く(0025欄〜0028欄等)、工業的規模で生産する際の工程管理を考えると好ましくない。
同じく特開2004−95550号公報(特許文献4)でもリチウム二次電池用セパレーターとして用いる多孔性フィルムを、熱可塑性樹脂とフィラーとを含む樹脂組成物から成形したシートを少なくとも一軸方向に延伸することにより得ている。
これらの方法により得られる多孔性フィルム又はシートでは、表面にフィラーがあることにより適度な凹凸が存在し、フィルムの滑り性が高くなるものの、全層にフィラーが存在していることにより単位面積あたりの質量(坪量)が大きくなってしまうという欠点がある。
しかし、当該多孔性フィルムはポリエチレン樹脂がベースとなっており、耐熱性をさらに向上させる余地がある。また、当該多孔性フィルムの製造において多孔化は可塑剤の除去により行われており(請求項10〜12等)、特許文献1に記載の発明と同様、可塑剤の除去のために有機溶媒が大量に必要であるので環境への負荷がより少なくなるように検討を加える余地がある。
しかし、ポリマーの表面付近では急激な圧力の低下等が起きたときに過飽和状態とならず、直ちに拡散・蒸発により表面から気体が放出されるため、発泡を生じない領域、いわゆるスキン層が必ず存在する。このために、厚さ方向に連通性を有する微小孔をもつ多孔積層体を作ることはできなかった。
さらに、本発明は、滑り性、軽量化および耐熱性の全てを兼ね備えた多孔積層体を提供することを課題としている。
厚さ方向に連通性を有する微小孔が多数存在する多孔積層体の製造方法であって、
少なくともフィラーと熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からなる両側外層と、該両側外層の間に配置されるポリプロピレン樹脂組成物からなりフィラーを含まない中間層との少なくとも3層からなり、かつ、全層の厚みtに対する両側外層の厚みの合計toの割合tr(=to/t)を0.05〜0.95としている積層体を作製する工程と、
前記工程で作製した積層体に超臨界状態または亜臨界状態の流体を含浸させた後に、前記超臨界状態または亜臨界状態から解放させて前記流体を気化させることにより中間層に微小孔を形成して多孔化する工程と、
前記工程で中間層を多層化した後に、該積層体を延伸処理して微小孔を形成して該両側外層を多孔化する工程と
を備えていることを特徴とする多孔積層体の製造方法を提供している。
即ち、本発明者らは、まず、亜臨界または超臨界流体を利用して多孔化する研究・実験を行い、種々の検討を加えたが、前記した問題の表面にスキン層が生じることは回避できなかった。
そこで、本発明者らは、亜臨界または超臨界流体を利用して多孔化する層の表面に無孔層を設けて、所謂、蓋をすることにより、中間層と両側外層の無孔層とに連通する微小孔を有する多孔積層体を得ることができることを知見した。
即ち、積層体に亜臨界または超臨界流体を含浸させ、次いで、急激な圧力の低下等を発生させた時に、中間層を外側の無孔層で蓋をしているため、中間層の表面から気体が蒸散することなく、中間層の表面において過飽和状態を作り出すことができ、その結果、中間層に微小孔を作製することに成功した。
さらに、本発明者らは蓋の役割をする両側外層の組成についても検討を重ねた結果、両側外層にフィラーを配合すれば、亜臨界または超臨界流体を利用して中間層を多孔化する際には孔のない状態しておいて中間層の表面からの脱気を防ぐことができ、その後は延伸処理を行うだけで当該両側外層を容易に多孔化できるため、厚さ方向に連通性を有する多孔積層体を厳しい製造条件に縛られることなく製造できることを知見した。さらに、製造工程において有機溶媒を大量に使用しないので、環境に対する負荷が軽減される。
trの値は0.10〜0.90の範囲であることが好ましく、さらに0.15〜0.80の範囲であることがより好ましい。
trが0.05より小さければ、両側外層の実質的な厚みが極端に薄くなってしまい、結果的に最外表面の多孔構造が極端に不均一になってしまう。また、両側外層の厚みが極端に薄いと蓋の役割を果たさない。すなわち、超臨界状態または亜臨界状態の流体を含浸させ、次いで超臨界状態または亜臨界状態から逸脱させたときに、中間層の表面から気体が薄い両側外層を通り抜けて拡散・蒸発により放出されるため、中間層に発泡を生じない領域、いわゆるスキン層が生じるおそれがあるので好ましくない。
一方、trが0.95より大きければ、中間層が極端に薄くなってしまい実質的には全層にフィラーを含有している多孔性フィルムと大きく変わらず、特に単位面積あたりの質量(坪量)が大きくなってしまうという問題点が生じてくる。
熱可塑性樹脂としてはポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。本発明の多孔積層体を電池用セパレーターとして使用する場合は、電解液との安定性の観点から特にポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンもしくは1−デセン等のモノオレフイン重合体、またはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンもしくは1−デセンと4−メチル−1−ペンテンもしくは酢酸ビニル等の他のモノマーとの共重合体等を主成分とするものが挙げられる。なかでも、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリブテン、プロピレンエチレンブロック共重合体、プロピレンエチレンランダム共重合体等が好ましい。
ポリエチレンはポリエチレンホモポリマーまたはポリエチレンコポリマーのいずれであっても良いが、ポリエチレンホモポリマーであることが好ましい。前記ポリエチレンコポリマーとしてはα−オレフィンコモノマー含量が2モル%以下のポリエチレンコポリマーが好ましい。なお、前記α−オレフィンコモノマーの種類には特に制限はない。
また、前記ポリエチレンはメルトフローレートが10g/10分以下、好ましくは1g/10分以下である。メルトフローレートが10g/10分より大きいと多孔積層体の強度が低下する場合がある。
ポリエチレンに混合できる熱可塑性樹脂として、具体的にはポリエチレン以外のポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂またはポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくはポリプロピレン、ポリブテン、プロピレンエチレンブロック共重合体、プロピレンエチレンランダム共重合体等が挙げられる。ポリエチレンに混合できる熱可塑性樹脂は融点が140℃以上であることが好ましい。
このようにポリエチレンに他の熱可塑性樹脂を混合する場合は、当該他の熱可塑性樹脂の配合量はポリエチレン100質量部に対して1〜100質量部、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは1〜25質量部、さらに好ましくは1〜5質量部である。
無機フィラーの例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの塩化物;酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカなどの酸化物;タルク、クレー、マイカなどのケイ酸塩等が挙げられる。これらの中でも、硫酸バリウムが好ましい。
有機フィラーの例としては、超高分子量ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、メラミン、ベンゾグアナミンなどの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、特に架橋させたポリスチレンなどが好ましい。
前記可塑剤としては、エステル化合物、アミド化合物、アルコール化合物、アミン塩、アミン化合物(ただしアミン塩は除く)、エポキシ化合物、エーテル化合物、鉱油、油脂、パラフィンワックス、液状シリコーン、フッ素オイル、液状ポリエーテル類、液状ポリブテン類、液状ポリブタジエン類、長鎖脂肪酸、カルボン酸塩、カルボン酸化合物(ただしカルボン酸塩は除く)、スルホン酸塩、スルホン化合物(ただしスルホン酸塩を除く)、フッ素系化合物等が挙げられる。
具体的にはプラスチック配合剤(株式会社 大成社発行 昭和62年11月30日 第2版発行)P31〜P64、P83、P97〜P100、P154〜P158、P178〜P182、P271〜P275、P283〜294に記載の化合物等が挙げられる。より具体的には、P29〜64の可塑剤の項目に記載され、P49からP50の表4と、P52〜P54の表6に列挙されている可塑剤(TCP,TOP,PS,ESBO等)が使用可能である。また新・界面活性剤入門(三洋化成工業株式会社発行 1992年8月 第3版発行)に挙げられている界面活性剤類の化合物も可塑剤として好適に使用できる。
前記アミド化合物としては、エチレンビスステアリン酸アミドまたはヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。
前記アルコール化合物としては、ステアリルアルコール、オレイルアルコールまたはドデシルフェノールなどが挙げられる。
前記アミン塩としては、ステアリルジメチルベタインまたはラウリルトリメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
前記アミン化合物としては、ジヒドロジエチルステアリルアミンまたはラウリルアミンなどが挙げられる。
前記エポキシ化合物としては、エポキシ大豆油などが挙げられる。
前記エーテル化合物としては、トリエチレングリコールなどが挙げられる。
上記鉱油としては、灯油またはナフテン油などが挙げられる。
前記油脂としては、ひまし油もしくは硬化ひまし油またはこれらの誘導体が挙げられる。
前記脂肪酸としては、ステアリン酸またはカプロン酸などが挙げられる。
前記カルボン酸塩としては、ステアリン酸カルシウムまたはオレイン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記カルボン酸化合物としては、ステアリン酸もしくはオレイン酸、またはこれらのエステル体などの誘導体(ただし塩は除く。)などが挙げられる。
前記スルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記スルホン化合物としては、スルホン結合を有する化合物(ただし塩は除く。)であればよく、スルホランまたはジプロピルスルホン酸などが挙げられる。
ポリプロピレンにはホモポリマーとコポリマーがあり、更にコポリマーにはランダムコポリマーとブロックコポリマーがある。ホモポリマーはプロピレン単独重合体であり、アイソタクティックないしはシンジオタクティックおよび種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレンである。一方、コポリマーとしては、プロピレンを主成分とし、これとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンまたは1−デセン等のα−オレフィンとの共重合体が使用される。この共重合体は2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
なかでも、エチレン−プロピレンゴムを5〜95質量%の割合で含むポリプロピレン樹脂組成物が好ましい。エチレン−プロピレンゴムの含有量が5質量%未満であると、亜臨界または超臨界流体の含浸量が少なくなり、十分な連通性を得ることが困難となる。一方、エチレン−プロピレンゴムの含有量が95質量%を越えると、ポリプロピレン樹脂組成物が柔らかくなりすぎて強度が保てず、また亜臨界または超臨界流体流体が中間層にとどまることができず脱気してしまい、中間層を十分に多孔化できないおそれがある。
エチレン−プロピレンゴムとしては、ゴム全体に対するエチレン含有率が7〜80質量%であるエチレン−プロピレンゴムが好ましく、10〜60質量%であるエチレン−プロピレンゴムがより好ましい。
エチレン−プロピレンゴムの含有量またはエチレン−プロピレンゴム中のエチレン含有率を調整することにより中間層を構成するポリプロピレン樹脂組成物全体に対するエチレン含有率を5〜95質量%とすることが好ましい。
更に、エチレン−プロピレンゴム成分の含有量を上げる方法として、市販のポリプロピレンコポリマーにエチレンプロピレンゴムをブレンドする方法もある。この場合は、二軸押出機等の混練機を使うと簡単にエチレンプロピレンゴム成分の含有量をあげることができる。
同様にポリプロピレンホモポリマーにエチレン−プロピレンゴムやポリエチレン等を二軸押出機等の混練機を使ってブレンドすることにより、好ましいエチレン−プロピレンゴム成分の含有率をもつポリプロピレン樹脂組成物を得ることができる。
しかし、本発明の中間層を構成する熱可塑性樹脂には、上述のような本発明の目的や中間層の特性を損なわない程度の範囲で、一般に樹脂組成物に配合される添加剤を配合することができる。添加剤としては両側外層に配合することのできる添加剤と同じ添加剤が例示できる。
両側外層の組成または構造は同一であってもよいし、異なっていても良い。例えば2つの両側外層のそれぞれが異なる物質と接触する場合は、それぞれの特性に合わせた熱可塑性樹脂の選定が必要となる。例えば、一方の面が水と接触し、他方の面が有機溶媒と接触する場合は、水と接触する両側外層を構成する熱可塑性樹脂を例えば耐水性のあるポリスチレンとし、有機溶媒と接触する両側外層を構成する熱可塑性樹脂を耐有機溶媒性の高いポリプロピレンにすることができる。またフィラーに関しても同様で、例えば2つの両側外層がそれぞれ中性と酸性の液体に接触する場合、中性の液体に接触する両側外層においては炭酸カルシウムを配合し、酸性の液体に接触する両側外層においては硫酸バリウムを配合するというように配合するフィラーを区別することも可能である。
両側外層に関してはフィラーを含むので、熱可塑性樹脂、フィラーおよび可塑剤をはじめとする他の成分をヘンシェルミキサー等の粉体混合機で混合し、一軸あるいは二軸混錬機、ニーダー等で加熱混練し、一旦ペレットすることが好ましい。フィラーの分散状態を考えると、二軸混練機を使用することが更に好ましい。
中間層に関しては、構成成分を混合して得られた樹脂組成物をそのまま次の積層工程で使用してもよいし、最外層と同様に一旦ペレットしてもよい。
両側外層を構成する樹脂組成物のペレットと、中間層を構成する樹脂組成物またはそのペレットとを用いて前記積層体を作製する。
これは、中間層および最外層を別々に製膜してから熱ロールなどで融着させる方法は均一な接着強度で接着させにくく、皺などの欠陥も発生しやすいからである。特にフィルムなどの厚さが薄い場合はこの傾向が顕著である。さらに、共押出法で積層する場合は、中間層および最外層の結晶化温度の違いにより、結晶化温度が低い樹脂を含む層が製膜時、機械方向の配向が緩和し、延伸により多孔化しやすくなるので、各層を単層で製膜した場合より透気性が高くなる傾向があり好ましい。特に、Tダイ法よりインフレーション法の方がこの結晶化温度の違いによる配向緩和が起こりやすく、より適している。
其の際、前記中間層と、中間層を挟むように位置する2つの両側外層の3層からなる積層体の厚さは、延伸処理後における全層の厚みtに対する両両側外層の厚みの合計toの割合tr(=to/t)が0.05〜0.95、好ましくは0.10〜0.90、さらに好ましくは0.15〜0.80となるように調整している。
積層体に超臨界状態または亜臨界状態の流体を含浸させる具体的な方法は公知の方法に従って良い。
例えば、積層体をオートクレーブ等の耐圧容器に入れ、上に例示したような流体にして積層体に含浸させる気体状または液体状の物質を封入する。ついで、耐圧容器内の温度または/および圧力を上げて超臨界状態または亜臨界状態をつくる。すなわち、耐圧容器内の温度を0.7Tc以上、好ましくは臨界温度以上に上げるか、または耐圧容器内の圧力を0.7Pc以上、好ましくは臨界圧力以上に上げる。特に耐圧容器内の温度を臨界温度以上に上げるとともに圧力を臨界圧力以上に上げることがより好ましい。
窒素を使用した場合、窒素の臨界温度が−147℃、臨界圧力が3.40MPaであるから、温度は常温のまま圧力を3MPa以上とすることが好ましい。
亜酸化窒素を使用した場合、亜酸化窒素の臨界温度が36.4℃、臨界圧力が7.24MPaであるから、温度は常温のまま圧力を7MPa以上とすることが好ましい。
エチレンを使用した場合、エチレンの臨界温度が9.2℃、臨界圧力が5.04MPaであるから、温度を10℃以上とし、圧力を5MPa以上とすることが好ましい。
エタンを使用した場合、エタンの臨界温度が32℃、臨界圧力が4.88MPaであるから、温度は常温のまま圧力を4.5MPa以上とすることが好ましい。
このとき温度または圧力は急激に常温または常圧まで戻しても良いし、徐々に下げていっても良い。また、常温以下の温度または常圧以下の圧力にまで一端下げてから、常温または常圧まで戻しても良い。
本発明においては、当該第2工程で厳密に中間層のみを多孔化することに限定しているわけでなく、中間層に接している層において中間層と接している面およびその近傍で多孔化が起っていても全く問題はない。
延伸方法は、一軸延伸でも二軸延伸でもよいが、その等方性の点から二軸延伸の方が好ましい。二軸延伸は同時二軸延伸でも逐次二軸延伸でも構わない。延伸手法としては、ロール延伸機やテンター延伸機等の一般的な装置を用いる手法で構わない。延伸倍率としては、面積倍率で少なくとも2倍、好ましくは4倍以上であることが好ましい。延伸温度は特に限定されるものではないが、両側外層を構成する熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度、好ましくは前記融点より30℃以下で延伸することが好ましい。延伸温度が融点に近すぎると、両側外層の部分での連通性の発現が困難となる。
また、必要に応じて延伸後に融点近傍で熱固定を行ったり、弛緩を行ったりして、熱収縮や寸法安定性等の対策をとっても構わない。
さらに、第三の発明として、前記製造方法に限定されない、少なくともフィラーと熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からなり、最外面に位置させる両側外層と、
前記両側外層の間に位置し、フィラーを含まず、ポリプロピレン樹脂組成物からなる中間層とを
備えた少なくとも3層の積層体からなり、かつ、
前記積層体の全層の厚みtに対する両側外層の厚みの合計toの割合tr(=to/t)が0.05〜0.95であり、さらに、
前記両側外層と中間層には厚さ方向に連通する微小孔が多数存在し、
透気度が1〜10,000秒/100mlであることを特徴とする多孔積層体を提供している。
例えば、おむつや生理用品などの衛生用品に使用する場合、透気度は1〜2,000秒/100mlであることが好ましい。
また、電池用セパレーターとして用いる場合、透気度は1〜500秒/100mlであることが好ましい。
例えば、中間層を構成するポリプロピレン樹脂組成物にエチレン−プロピレンゴムが含まれている場合、その含有量が多くなれば超臨界状態または亜臨界状態の流体が含浸しやすくなるから透気度や空孔率は大きくなる。また、超臨界状態または亜臨界状態の流体を含浸させる時間を長くしたり、超臨界状態または亜臨界状態の流体を含浸させる際の温度または圧力を大きくしたりしても、透気度や空孔率を大きくすることができる。
なかでも、本発明の多孔積層体はフィルム状を呈することが好ましい。即ち、多孔積層体の平均厚みは1〜250μmで、好ましくは10〜200μmであり、より好ましくは50〜150μmである。
なお、平均厚みは、1/1000mmのダイアルゲージにて面内を不特定に5箇所測定し、その平均を算出して得られる値である。
前記秤量を示すためには、本発明の多孔積層体の全質量に対するフィラーの質量の割合、つまりフィラーの含有率が、前記したように、5〜40質量部、より好ましくは5〜30質量部である。
なお、前記最大高さ(Rmax)値はJIS B 0601記載の方法に準拠して測定している。
特に本発明の多孔積層体は各種電子機器等の電源として利用されるリチウムイオン二次電池等の非水電解液電池用セパレーターとして好適に用いられる。
前記電池用セパレーターとして使用する場合は、透気度を50〜500秒/100mlにすることが好ましく、100〜300秒/100mlがより好ましい。透気度を50秒/100ml未満にすると、電解液保持性が低下して二次電池の容量が低くなったり、サイクル性が低下したりするおそれがある。一方、透気度が500秒/100mlを超えると、イオン伝導性が低くなり十分な電池特性を得ることができない。
また本発明の多孔積層体を電池用セパレーターとして使用する場合、空孔率は30〜70%であることが好ましく、更には35〜65%であることがより好ましい。空孔率が30%未満ではイオン透過性が低く十分な電池性能を得ることが困難である。また空孔率が70%を越えると電池の安全性の観点から好ましくない。
耐熱性は熱収縮率にて、その評価を行うことができる。熱収縮率としては0〜25%が好ましいが、更に好ましくは0〜10%である。熱収縮率が25%よりも大きいと多孔積層体の端部にて正極と負極が接触し、短絡してしまうことが懸念される。
また、可塑剤や溶媒を除去することにより多孔化する方法においては当該可塑剤や溶媒が除去されずに残存する可能性があるが、本発明では亜臨界または超臨界流体を利用することから前記のような残存の問題は生じず、より不純物の少ない多孔積層体が製造できる。
さらに、本発明の多孔積層体の製造方法は、製造条件の幅が広くて工程管理が行いやすい。
なお、従来からの電池セパレーター用多孔性フィルムの場合、JIS−B−0601記載の方法により測定された多孔性フィルム表面の最大高さ(Rmax)値が通常1〜2μm程度であった。また、表面に微細粒子や短繊維を付着させる等の公知のフィルム粗面化技術を多孔性フィルムに適用しようとすると、面強度、シャットダウン特性等の、電池用セパレーターとして必須の物性要件が損なわれるという問題がある。
これに対して、本発明の多孔積層体は、面強度、シャットダウン特性等の、電池用セパレーターとして必須の物性要件を損なうことなく、最大高さ(Rmax)値を2μm以上とすることができ、電池の高容量化および電池の捲回加工時のハンドリング性の向上に貢献できる。
まず、図1〜図3は、それぞれ、後述する本発明の製造方法により製造されるフィルム状の樹脂製の多孔積層体の第1〜第3実施形態を示す。該第1〜第3実施形態の多孔積層体は、積層枚数を相違させた多孔積層体1(1−1、1−2、1−3)からなるが、いずれも後述する同一の製造方法で製造している。
なお、両側外層3、4の樹脂組成物は相違させてもよい。
なお、前記したように、第2、第3実施形態の多孔積層体の製造方法は第1実施形態と同様な下記の工程からなる。
フィラーをポリプロピレンに配合したポリプロピレン樹脂組成物からなる無孔の両側外層3、4の間に、ポリプロピレン樹脂組成物からなる中間層2を配置して積層体を作製する第1工程と、
前記工程で得られた積層体に、超臨界状態または亜臨界状態の流体を含浸させ、次いで該状態から解放して前記流体を気化させることにより中間層を多孔化する第2工程と、
中間層2を多孔化した後に、積層体を少なくとも一軸方向に延伸することにより両側外層3、4のフィラーと熱可塑性樹脂との界面を剥離させて、無孔の両側外層3、4を多孔化する第3工程からなる。
フィラーの含有量は熱可塑性樹脂100質量部に対して50〜300質量部とし、好ましくは50〜150質量部である。
可塑剤の配合量は、両側外層を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対し1〜15質量部、好ましく2〜10質量部としている。
エチレン−プロピレンゴムとしては、ゴム全体に対するエチレン含有率が30〜55質量%であるエチレン−プロピレンゴムが特に好ましい。
エチレン−プロピレンゴムの含有量およびエチレン−プロピレンゴム中のエチレン含有率を調整することにより、中間層2を構成するポリプロピレン樹脂組成物全体に対するエチレン含有率が5〜70質量%となることが好ましく、5〜50質量%となることがより好ましく、10〜30質量%となることが特に好ましい。
具体的には、まず、両側外層3、4に関しては、熱可塑性樹脂、フィラーおよび可塑剤をヘンシェルミキサー等の粉体混合機で混合し、一軸あるいは二軸混練機、ニーダー等で加熱混練し、一旦ペレットとする。フィラーの分散状態を考えると、二軸混練機を使用することが更に好ましい。ペレットの水分率を1000ppm以下、好ましくは700ppm以下に制御することが好ましい。ペレットの水分が1000ppmより大きいとゲル、ピンボールが極度に発生して好ましくないためである。
前述のように準備した両側外層3、4を構成する樹脂組成物のペレットと中間層2を構成するポリプロピレン樹脂組成物とを3層の共押出で積層している。より具体的には、多層成形用のインフレーションダイまたはTダイを用いて、150〜250℃、好ましくは190〜220℃の温度条件下で積層している。
耐圧容器内の温度は常温でよいが、加熱してもよい。
その後、耐圧容器内の圧力および温度を常圧および常温に戻すことにより、含浸された二酸化炭素ガスまたは窒素ガスが気化して、中間層2に微小孔2aを形成して多孔化している。耐圧容器内の圧力または温度は漸減させてもよいし、一気に常圧または常温に戻してもよい。
延伸方法は、縦方向(長手方向)に延伸してから横方向に延伸する逐次二軸延伸している。延伸倍率は、面積倍率で4〜25倍、好ましくは9〜16倍とし、延伸温度は40〜80℃としている。
さらに、優れた耐熱性を有し、その指標として熱収縮率が20%以下、好ましく10%以下としている。なお、熱収縮率は実施例に記載の方法で測定できる。
さらに、前記多孔積層体1は表面の最大高さ(Rmax)値が2μm以上、好ましく5μm以上としている。表面の最大高さ値が2μm以上とすることで、多孔積層体1の表面に適度な凹凸が存在し、多孔体の滑り性が高くなる。上限値については特に制限はないが、通常7μm以下である。なお、表面の最大高さはJIS B 0601記載の方法に準拠して測定する。
前記秤量を示すため、多孔積層体の全質量に対するフィラー7の質量の割合、つまりフィラーの含有率を5〜40質量部、好ましく5〜35質量%としている。
本発明の多孔積層体を電池用セパレーターとして使用する場合は、透気度を50〜500秒/100ml、好ましく100〜300秒/100mlとしている。これは、透気度を50秒/100ml未満にすると、電解液保持性が低下して二次電池の容量が低くなったり、サイクル性が低下したりするおそれがある。一方、透気度が500秒/100mlを超えると、イオン伝導性が低くなり十分な電池特性を得ることができない。
また、空孔率は30〜70%、好ましく35〜65%としている。これは空孔率が30%未満ではイオン透過性が低く十分な電池性能を得ることが困難であり、空孔率が65%を越えると電池の安全性の観点から好ましくないことによる。
そこで、本発明の多孔積層体は、耐熱性の指標である熱収縮率が0〜20%、好ましく、0〜10%としている。これは、熱収縮率が20%よりも大きいと、多孔体の端部にて正極と負極が接触し、短絡してしまうことが懸念されることによる。
該非水電解液電池は、例えば帯状の負極、正極およびセパレーターを積層捲回して得た捲回型電極体を電池缶に収納し、これに電解液を注入し、さらに蓋など必要な部材を組み立てて形成している。
正極板21、負極板22の両極をセパレーター10を介して互いに重なるようにして渦巻き状に捲回し、巻き止めテープで外側を止めて捲回体としている。この渦巻き状に巻回する際、セパレーター10は厚さが5〜40μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。厚みが5μm未満であるとセパレーターが破れやすくなり、40μmを越えると電池用セパレーターとして所定の電池缶に捲回して収納する際、電池面積が小さくなり、ひいては電池容量が小さくなるからである。
なかでも、エチレンカーボネート1質量部に対してメチルエチルカーボネートを2質量部混合した溶媒中に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.4mol/Lの割合で溶解させた電解質が好ましい。
負極に炭素材料を用いる場合、炭素材料としてはリチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよく、例えば黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用いることができる。
両側外層を構成する樹脂組成物の準備として、高密度ポリエチレン100質量部と硫酸バリウム100質量部をブレンドしてコンパウンドを行った。ついで、該コンパウンドを両両側外層とし、中間層のポリプロピレン樹脂組成物としてポリプロピレンにエチレンプロピレンゴムを含有させた熱可塑性樹脂組成物を使用し、層比が両側外層1/中間層/両側外層2=25/50/25となるように調整しながら、多層成型用のTダイを用いて200℃の温度下で成形し、2種3層の積層体を得た。
得られた積層体を圧力容器に仕込み、常温下で圧力容器内に不活性ガスである二酸化炭素を封入した。ついで、圧力を24MPaまで上げて二酸化炭素を亜臨界状態または超臨界状態とし、この状態を1時間保持して積層体に亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素を含浸させた。その後、圧力容器のバルブを全開放して容器内の圧力を解放した。
得られた積層体をストレッチャーにて延伸温度70℃で、縦方向(長手方向)に3倍、横方向に3倍の延伸倍率で逐次延伸を行い、その後125℃で熱固定を行い、多孔積層体を得た。
両側外層を構成する樹脂組成物の組成、両両側外層と中間層の層比および延伸条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に多孔積層体を得た。
両側外層と中間層の層比を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に多孔積層体を得た。
坪量の比較のため、ポリプロピレン樹脂組成物からなる中間層を積層せずにフィラーを含む層のみからなる層構成にした。
すなわち、高密度ポリエチレン100質量部と硫酸バリウム100質量部をブレンドしてコンパウンドを行った。ついで、該コンパウンドを多層成型用のTダイを用いて200℃の温度下で成形し、原反シートを得た。
得られた原反シートをストレッチャーにて延伸温度70℃で、縦方向(長手方向)に3倍、横方向に3倍の延伸倍率で逐次延伸を行い、その後120℃で熱固定を行い、多孔体を得た。
「7000FP」;高密度ポリエチレン(株式会社プライムポリマー製「HI−ZEX7000FP」、密度;0.954g/cm3、メルトフローレート;0.04g/10分)
「B55」;硫酸バリウム(堺化学株式会社製「B−55」、平均粒径0.66μm)
「B54」;硫酸バリウム(堺化学株式会社製「B−54」、平均粒径1.2μm)
「HCOP」;硬化ひまし油(豊国製油株式会社製「HCOP」、0.88g/cm3)
「ゼラス5013」;ポリプロピレンホモポリマーにエチレン−プロピレンゴムを含有されている重合型のポリプロピレン樹脂組成物(三菱化学株式会社製「Zelas5013」、密度0.88g/cm3、メルトフローレート0.8g/10分)
(測定1;厚み)
1/1000mmのダイアルゲージにて、面内を不特定に5箇所測定しその平均を厚みとした。
(測定2;透気度(ガーレ値))
JIS P 8117に準拠して透気度(秒/100ml)を測定した。
(測定3;空孔率)
空孔率は多孔体中の空間部分の割合を示す数値である。空孔率の算出方法は、多孔体の実質量W1を測定し、樹脂組成物の密度と厚みから空孔率0%の場合の質量W0を計算し、多孔体の実質量との差から下記式に基づき空孔率を算出する。
空孔率Pv(%)={(W0−W1)/W0}×100
多孔体の質量Waを測定し、るつぼにて高温で樹脂を全量炭化させ、残ったフィラーの質量Wbを測定する。
フィラー含有率(%)=(Wb/Wa)×100
(測定5;坪量)
坪量は単位面積あたりの質量を表す数値である。その測定方法は、多孔体を10cm角に切り出し、その質量を測定する。厚みによる依存性が大きいので、今回は25μmあたりの厚みに換算し、この操作を3回繰り返し、その平均を坪量とした。
JIS B 0601記載の方法に準拠して多孔積層体表面の最大高さ(Rmax)値を測定した。
(測定7;熱収縮率(耐熱性))
多孔積層体を100mm×200mmに切り出し、150mm角のガラス板に巻き付け、100mm幅の2辺のみを固定する。この際、ガラス板の150mm長さの半分の位置に固定した2辺と平行な向きに印を入れておく。次に、120℃のオーブンの中に2分間放置し、オーブンから取り出した後に、印を入れておいた部分の幅H1を測定する。下記式により得られる熱による収縮率Sを耐熱性の指標とした。
熱収縮率S(%)={(100−H1)/100}×100
比較例2の多孔積層体では両側外層の厚みが非常に大きいために、坪量が大きく、重たくなってしまった。
比較例3の多孔体では中間層がないために、耐熱性が十分ではない。
これら比較例に対し、実施例の多孔積層体は透気度が480〜3,700秒/100ml、空孔率が48〜55%と確実な透気性を示し、実用に十分適するものである。さらに、表面のみにフィラーが局在しているので、表面の凹凸性を示し、優れた滑り性を発揮できるにもかかわらず、秤量は小さく、軽量化が可能である。そのうえ、中間層にポリプロピレン組成物を用いているので耐熱性が高く、高温にさらされても形状を保持することができる。
2 中間層
3、4 両側外層
2a、3a、4a 微小孔
10 セパレーター
20 非水電解質電池
21 正極板
22 負極板
Claims (11)
- 厚さ方向に連通性を有する微小孔が多数存在する多孔積層体の製造方法であって、
少なくともフィラーと熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からなる両側外層と、該両側外層の間に配置されるポリプロピレン樹脂組成物からなりフィラーを含まない中間層との少なくとも3層からなり、かつ、全層の厚みtに対する両側外層の厚みの合計toの割合tr(=to/t)を0.05〜0.95としている積層体を作製する工程と、
前記工程で作製した積層体に超臨界状態または亜臨界状態の流体を含浸させた後に、前記超臨界状態または亜臨界状態から解放させて前記流体を気化させることにより中間層に微小孔を形成して多孔化する工程と、
前記工程で中間層を多層化した後に、該積層体を延伸処理して該両側外層を多孔化する工程と
を備えていることを特徴とする多孔積層体の製造方法。 - 前記流体が、二酸化炭素または窒素である請求項1に記載の多孔積層体の製造方法。
- 請求項1または請求項2に記載の方法で製造される多孔積層体であって、透気度が1〜10,000秒/100mlであることを特徴とする多孔積層体。
- 少なくともフィラーと熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からなり、最外面に位置させる両側外層と、
前記両側外層の間に位置し、フィラーを含まず、ポリプロピレン樹脂組成物からなる中間層とを
備えた少なくとも3層の積層体からなり、かつ、
前記積層体の全層の厚みtに対する両側外層の厚みの合計toの割合tr(=to/t)が0.05〜0.95であり、さらに、
前記両側外層と中間層には厚さ方向に連通する微小孔が多数存在し、
透気度が1〜10,000秒/100mlであることを特徴とする多孔積層体。 - フィラーが無機フィラーである請求項3または請求項4に記載の多孔積層体。
- 前記多孔積層体全体に対するフィラーの含有率が5〜40質量%である請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の多孔積層体。
- 前記フィラーの平均粒径が0.01〜25μmである請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の多孔積層体。
- 前記両側外層を構成する樹脂組成物に可塑剤が含まれている請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載の多孔積層体。
- 熱収縮率が20%以下、表面の最大高さ(Rmax)値が2μm以上、25μmあたりの厚みに換算したときの単位面積あたりの質量が10〜25g/m2である請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の多孔積層体。
- 請求項3乃至請求項9のいずれか1項に記載の多孔積層体からなることを特徴とする電池用セパレーター。
- 請求項10に記載の電池用セパレーターを収容している電池。
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