JP2004233240A - 放射線検出器 - Google Patents

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JP2004233240A JP2003023561A JP2003023561A JP2004233240A JP 2004233240 A JP2004233240 A JP 2004233240A JP 2003023561 A JP2003023561 A JP 2003023561A JP 2003023561 A JP2003023561 A JP 2003023561A JP 2004233240 A JP2004233240 A JP 2004233240A
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Hiromichi Tonami
寛道 戸波
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Abstract

【課題】いかなる場所にガンマ線が入射しても出力が低下することはなく、正確に位置弁別でき、高分解能で高画質を維持することが可能な放射線検出器を達成する。
【解決手段】シンチレータ群10、ライトガイド20、光電子増倍管30及び40が光学的に結合された放射線検出器において、隣接する光電子増倍管における検出分布が、光の入射位置の変化に応じて一定の割合で変化するように適正に分配されるよう、ライトガイド20を、これに形成される空隙22及び反射部材21の奥行きを調節して小区画化する。シンチレータ群10から光電子増倍管30及び40へ伝達される光は、ライトガイド20を経由する際の、反射・透過現象による損失が最小限に抑えられているため、出力の低下を防止できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検体に投与されて関心部位に蓄積された放射性同位元素(RI)からの放出された放射線(ガンマ線)を検出し、関心部位のRI分布の断層像を得るための装置、例えばポジトロンCT装置やシングルフォトンECT装置などに用いられる放射線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の放射線検出器は、被検体から放出されたガンマ線を入射して発光するシンチレータと、前記シンチレータの発光をパルス状の電気信号に変換する光電子増倍管とから構成されている。このような放射線検出器では、従来シンチレータと光電子増倍管とが一対一に対応するものがあったが、近年、複数のシンチレータ結晶を束ねてアレイ状にしたものにそれよりも少ない数の光電子増倍管を結合し、これらの光電子増倍管各々の出力比からガンマ線の入射位置を決定するという方式を採ることによって、部品点数を削減しつつも高い位置分解能を実現している。
【0003】
このような近年の手法においては、アレイを形成する複数のシンチレータ結晶のうちガンマ線が入射したシンチレータ結晶のみが光を発し、この特定の位置で発せられたシンチレータ光を複数個の光電子増倍管各々の出力比から入射位置を決定する。位置の弁別を正確に行うことはこの検出器が採用される医用診断装置等の画像の向上につながる。こうした光電子増倍管の出力比からガンマ線の入射位置を決定する手法においては、ひとつの光電子増倍管に入射される光量がガンマ線が入射したシンチレータ位置に応じて変化するように構成される。シンチレータ光を各光電子増倍管にいかに適正に分配するかが入射位置の弁別精度に重要な意味を持つ。そのための手法も種々提案されており、大別すると、複数個のシンチレータ間の接合面における反射膜の面積変化により分配調節するもの(例えば特許文献1
【図6】、特許文献2
【図5】)と、シンチレータと光電子増倍管との間に透明樹脂等で作製されたライトガイドを介在させ、このライトガイドに反射膜を埋め込んで小区画化し、反射膜の面積により分配調節するもの(例えば
特許文献3
【第5B図】)とに分類される。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−281362号公報
【特許文献2】
特開平3−185385号公報
【特許文献3】
特表昭62−500957号公報
【0005】
いずれの手法も有効であるが、前者のものは、複数のシンチレータ結晶を高度に制御された間隔を維持しつつ構成する必要があるという製作上の欠点があり、硬い結晶単体に対して位置と深さが高度に制御された溝を各々所望の幅と深さで形成することは技術的に大層困難である。また後者のものは、ライトガイドを利用しているので各光電子増倍管への入射光を分散して局所的な感度ムラを抑制できるという利点からも、ライトガイドを反射材で小区分化する後者の手法が有利である。
【0006】
ここで、図6を参照して従来のライトガイドを利用した放射線検出器の構成を説明する。図の放射線検出器は、光反射材もしくは光遮蔽材が埋め込まれた多数の溝311によって区画されたシンチレータ群310と、このシンチレータ群310に光学的に結合される光反射材もしくは光遮蔽材が埋め込まれた多数の光遮蔽壁321により奥行きの異なる小区画を形成しているライトガイド320と、ライトガイド320に光学的に結合される2個の光電子増倍管330および340から構成されている。この例ではX方向に5ch、Y方向に5ch、計25chに分割されたシンチレータ群を示しており、1個の光電子増倍管は仕切り板334、344等により、2極別々に信号を検出できるものを使用しているため、結果として25ch各々のシンチレータ光を4極の光電面で受光している。この放射線検出器では、ライトガイド320内の各光遮蔽壁321の長さを内側から外側へいくに従って長くなるように調節することにより、光電子増倍管への入射を調整し、ガンマ線の入射位置を弁別できるようにしている。
【0007】
ライトガイド320は光学的に透明な材料から製造されており、ダイシングソーやワイヤーソー等の平行多刃を有する鋸で切断することにより所定の深さの切り込みを形成し、これに適当な光反射材もしくは光遮蔽材を挿入して、光遮蔽壁321を作製する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来構成においては次のような問題がある。
近年、医療診断装置の高画質化に伴い、放射線検出器も高感度なシンチレータを使用した高分解能のものが求められるようになってきており、従来のものに比べてシンチレータアレイを構成する結晶の数が非常に多いものとなっている。このような状況の中で、上述する従来の方法で光遮蔽壁321をライトガイドに形成するには、例えば光遮蔽材料として光反射シートを使用する場合、X及びY方向の切り込みに対してシートを個々に挿入していく作業は部品点数も多く非常に煩雑であるため高コストなものとなる。また、シンチレータ素子1ch分の面積が小さいため出力の低下が問題となり、光反射シートでの多重反射による減衰が無視できなくなり、どのような光反射シート材料を選んでも反射効率に限界があるため結果として出力低下をまねくこととなる。また、反射材料として硫化バリウム等の反射塗料を用いた場合でも縦横に複雑に入り組んだ切り込みに対してこれを充填していく作業はやはり困難で煩雑なものになる。充填に不備があると正確に位置弁別できなくなり、撮像時の画質をも劣化させるという問題が発生する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解消するため、次のような構成をとる。
【0010】
すなわちこの発明に係る放射線検出器は、2次元的に密着配置された複数本のシンチレータと、該シンチレータに対して光学的に結合されたライトガイドと、該ライトガイドに対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータの本数よりも少ない光電面極数を持つ複数本の光電子増倍管を備えた放射線検出器において、前記ライトガイドは、入力面(シンチレータとの結合面)側から形成された複数の空隙により区画化されている(請求項1相当)。
【0011】
2次元的に密着配置された複数本のシンチレータの内のひとつにガンマ線が入射すると、そのシンチレータはガンマ線を吸収し発光する。発光した光はそのシンチレータ内を通り、ライトガイドへ入射される。ライトガイドへ入射された光はライトガイド内で分散し各光電子増倍管へ入射する。ライトガイドは各光電子増倍管に入射する光量比がガンマ線が入射したシンチレータ位置に応じて変化するように区画化されているが、この区画に従来の反射膜を用いず、これに替えて空隙で構成したことにより、反射・透過現象が利用されて、ライトガイド内で多重反射しても出力を低下させることなく光電子増倍管へ導くことができ、正確な位置弁別を可能とする。
【0012】
あるいは、ライトガイドを区画化する空隙は、出力面(光電子増倍管との結合面)側から形成される(請求項2相当)。
【0013】
空隙は光電子増倍管側にのみ開口しているため、ライトガイドをシンチレータ群および光電子増倍管と結合する際に接着剤等を使用する場合にも、接合面が平滑でなくより多くの接着剤を必要とするシンチレータ側に空隙が開口せず、ガラスなどの平滑な接合面を有する光電子増倍管側にのみ開口しているので、接着剤が空隙に入り込みにくい構成とすることができる。
【0014】
あるいは、ライトガイドを区画化する空隙は、入力面と出力面の両側から形成される(請求項3相当)。
【0015】
空隙を作製する際、片側から空隙を作製する場合に比べて深さを浅く設計することができ、製作工程を容易で不具合の出にくい確実なものとすることができる。
【0016】
さらに、該ライトガイドの区画は、入力面側もしくは出力面側もしくはその両方側から形成された、空隙と遮光部材との組み合わせから構成される(請求項4相当)。
【0017】
あるいは、該ライトガイドの周辺部のみ遮光部材を採用し、他の中央部は空隙により区画化される(請求項5相当)。
【0018】
光の減衰よりも射出方向が優先される場所においては、遮光部材を併用することが望ましい場合がある。例えばライトガイドの周辺部においては、シンチレータ光をとりわけ直下の光電子増倍管に入射させる必要があることから、反射率の高い(透過作用が空気よりも小さい)反射膜でもって周辺部を区画化することが有用である。
【0019】
逆に、特に光を透過させたい箇所の空隙に光結合性材料を挿入することにより光の減衰をより抑制することができる(請求項6相当)。
【0020】
または、該ライトガイドに設けられた空隙内に異物が入らないようにするための封止部材を有している(請求項7相当)。
【0021】
さらに、該封止部材は光透過性材料からなるシーリングフィルムから構成される(請求項8相当)。
【0022】
空隙は、シンチレータや光電子増倍管との接合面に開口しているため、この部分に使用される接着剤等の異物が流入すると、光を減衰させるなど悪影響を及ぼすため、封止部材が有用である。フィルム状のものを利用すると、多数の空隙を一度に確実に均一に封止できるので特に望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る放射線検出器の実施の形態例を示す。
【0024】
(第1実施形態)
図1〜2を参照して本発明の第1実施形態による一実施例を説明する。図1は本発明に係る放射線検出器の一実施例の外観斜視図、図2は図1のA−A矢視断面図である。
【0025】
放射線検出器は、図上方から入射されるガンマ線を検出するものであって、大別してシンチレータ群10、このシンチレータ群10に光学的に結合されるライトガイド20、ライトガイド20に光学的に結合される2個の光電子増倍管30、40とから構成されている。(1個の光電子増倍管は仕切り板34、44等により、2極別々に信号を検出できるものを使用している。)
【0026】
シンチレータ群10は、BiGe12(BGO)、GdSiO(GSO)、Lu2(1−X)Ce2x(SiO)O(LSO)、NaI、BaF、CsF、その他の公知の無機結晶が長柱状に切り出されたものを、例えばX方向に10本、Y方向に10本の合計100本を2次元的に密着配置して構成される。ここでは各結晶の密着面11には光反射材もしくは光遮蔽部材が挟み込まれているが、何も介在させずに単に結晶を密着させただけのものでも構わない。
【0027】
ライトガイド20は、シンチレータ群10の出射側に接着材や光学グリスなどにより光学的に結合されている。ライトガイド20の材質は光学的に透明なアクリル、エポキシのような樹脂材料や透明なガラス等が望ましい。
【0028】
この実施例では、ライトガイド20内には入力面24(シンチレータ群10との結合面)側からシンチレータ群10の区画を定めるための空隙22が設けられている。空隙22はライトガイド20(透明樹脂)にダイシングソーやワイヤーソー等の平行多刃を有する鋸で所定の深さの切り込みを入れることにより形成される。または空隙22の形状を有した格子状体を浸漬した樹脂成形法により形成すると作業がより容易で正確なものが得られ望ましい。
【0029】
空隙22の長さ(奥行き)は、ひとつの光電子増倍管に入射する光量がガンマ線が入射したシンチレータ位置に応じて変化するように、各々調節され最適化されている。即ち、隣接する光電子増倍管における検出分布が、光の入射位置の変化に応じて一定の割合で変化するように、適正に分配されるよう構成される。
【0030】
ライトガイドの周辺部においては、シンチレータ光をとりわけ直下の光電子増倍管に入射させる必要があることから、光の減衰よりも射出方向を優先し、反射率の高い(透過作用が空気よりも小さい)反射膜でもって周辺部を区画化することが有用であり、隔絶板として反射部材21を併用することが望ましい。
【0031】
反射部材21の材質は、良く研磨されたアルミニウム板や、薄い基板の表面に酸化チタン又は硫酸バリウムを塗布したもの、薄い基板の表面に白色フッ素樹脂テープを貼りつけたもの、薄い平滑な基板表面にアルミニウムを蒸着したもの等がよいが、とりわけ、反射時の損失が小さい性質を持つ透明なポリエステルフィルム等の上にSiOとTiOの多層膜構造を積層したもの(多層膜フィルム)が最適である。
【0032】
また、ライトガイド20は、入力面24(シンチレータ群10との結合面)側の面上に接着剤や光学グリス等を塗布し、シンチレータ群10と光学的に結合されるが、空隙22は、シンチレータ群10との接合面に開口しているため、この空隙に接着剤等の異物が流入すると、光を減衰させるなど悪影響を及ぼしてしまう。そのため、封止部材23を備えた構成とすることが有用である。この封止部材23は光透過性材料からなる薄いシーリングフィルムから構成されており、多数の空隙を一度に確実に均一に封止できる。
【0033】
いま、図2に示すように、例えばX方向に配列されたシンチレータ10i1〜10i10(i=1〜10までの整数)に入射するガンマ線は可視光に変換される。次に光学的に結合されるライトガイド20通して光電子増倍管30へ光が導かれるわけであるが、その際、X方向に配列された光電面31(41)と光電面31(41)からの出力比が一定の割合で変化するようにライトガイド20の隔絶板としての各々の空隙22及び反射部材21の長さ(奥行き)が調整されている。より具体的には光電面31からの出力をP、光電面31からの出力をPとすると、計算値(P−P)/(P+P)がシンチレータ10i1〜10i10の位置に応じて一定の割合で変化するように調整されている。
【0034】
一方、Y方向に配列されたシンチレータ101j〜1010j(j=1〜10までの整数)の場合も同様に、光学的に結合されるライトガイド20通して光電子増倍管30へ光が導かれるわけであるが、Y方向に配列された光電面31(31)と光電面41(41)からの出力比が一定の割合で変化するようにライトガイド20の隔絶板としての各々の空隙22及び反射部材21の長さ(奥行き)が調整されている。より具体的には光電面31からの出力をP、光電面41からの出力をPとすると、計算値(P−P)/(P+P)がシンチレータ101j〜1010jの位置に応じて一定の割合で変化するように調整されている。
【0035】
なお、各シンチレータ同士が対向していない外表面は、ライトガイド20との光学結合面を除き反射材で覆われている(図示していない)。
【0036】
図3は光電子増倍管30および40の光電面31、31 および41、41 からの出力に基づいて、ガンマ線の入射位置を検出する位置検出部の概略構成を示したブロック図である。同図に示すように、ガンマ線のX方向の入射位置を検出するために、光電面31からの出力Pと光電面41からの出力Pとが加算器1に入力されるとともに、光電面31からの出力Pと光電面41からの出力Pとが加算器2に入力される。両加算器1,2の各加算出力P+P とP+P とが位置弁別回路5へ入力され、両加算出力に基づき、ガンマ線のX方向の入射位置が求められる。同様にガンマ線のY方向の入射位置を検出するために、光電面31からの出力Pと光電面31からの出力Pとが加算器3に入力されるとともに、光電面41からの出力Pと光電面41からの出力Pとが加算器4に入力される。両加算器3,4の各加算出力P+P とP+P とが位置弁別回路6へ入力され、両加算出力に基づき、ガンマ線のY方向の入射位置が求められる。
【0037】
以上のように構成された放射線検出器における動作を説明する。2次元的に密着配置された複数本のシンチレータ群10の内のひとつにガンマ線が入射すると、そのシンチレータはガンマ線を吸収し発光する。発光した光はそのシンチレータ内を通り、空隙22などにより奥行きの異なる小区画とされているライトガイド20へ入射する。ライトガイド20へ入射した光はライトガイド20内で分散し各光電子増倍管30及び40へ入射する。本発明に係る検出器は上述した構成としているため、ガンマ線がシンチレータに入射して発光した光は、ライトガイド20の媒質部と空隙22(空気からなる隔絶板)との界面及びライトガイド20の媒質部と反射部材21との界面における屈折率の差異による反射・透過現象によって光が光電子増倍管30及び40へ伝達される。その際、反射・透過現象による損失は最小限に抑えられているため、ライトガイド20内で多重反射しても出力を低下させることなく光電子増倍管30及び40へ導くことができ、正確に位置弁別可能なため全体の画質を向上させることができる。
【0038】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態による一実施例を図4を参照して説明する。図4は本発明に係る放射線検出器の一実施例の外観斜視図である。
【0039】
第2実施形態に係る放射線検出器は、光反射材もしくは光遮蔽部材が挟み込まれた各結晶間の密着面11によって区画され、X方向に10個、Y方向に10個の合計100個のシンチレータを2次元的に密着配置したシンチレータ群10と、このシンチレータ群10に光学的に結合されるライトガイド120と、ライトガイド120に光学的に結合される2個の光電子増倍管30、40とから構成されている。尚本実施例では1個の光電子増倍管は仕切り板34、44等により、2極別々に信号を検出できるものを使用している。
【0040】
この実施例では、ライトガイド120内には出力面125(光電子増倍管30及び40との結合面)側からシンチレータ群10の区画を定めるように隔絶板としての複数個の空隙122及び反射部材121が設置されており、ひとつの光電子増倍管に入射する光量がガンマ線が入射したシンチレータ位置に応じて変化するように各々の空隙122及び反射部材121の奥行きが調節されている。
【0041】
また、ライトガイド120の出力面125(光電子増倍管30及び40との結合面)側の面上には、光電子増倍管30及び40と光学結合される前に、あらかじめ、ライトガイド120の空隙122に接着剤や光学グリス等が入り込まないように光透過性の薄いシーリングフィルム126が挟設されている。
【0042】
2次元的に密着配置された複数本のシンチレータ群10の内のひとつにガンマ線が入射すると、そのシンチレータはガンマ線を吸収し発光する。発光した光はそのシンチレータ内を通り、ライトガイド120へ入射される。ライトガイド120へ入射された光はライトガイド120内で分散し各光電子増倍管30及び40へ入射する。ライトガイド120内は奥行きの異なる小区画が形成されており、シンチレータにガンマ線が入射して発光した光は、ライトガイド120の媒質部と隔絶板の働きをする空隙122(空気)との界面及びライトガイド120の媒質部と多層膜フィルム等からなる反射部材121との界面における屈折率の差異による反射・透過現象によって光が光電子増倍管30及び40へ伝達される。その際、反射・透過現象による損失は最小限に抑えられているため、ライトガイド120内で多重反射しても出力を低下させることなく光電子増倍管30及び40へ導くことができ、正確に位置弁別可能なため全体の画質を向上させることができる。
【0043】
以上のように、第2実施形態においても第1実施形態の場合と同様の材資で構成し、また同様の効果を得ることができるが、空隙がライトガイドの入力面側に開口する第1実施形態よりも、出力面側に開口する第2実施形態の方が次の点で有利である。即ち、ライトガイドの入力面側はシンチレータ群の端部に接するので完全な平滑面とはならないが、一方出力面側は光電子増倍管の入力面たるガラス面と接しているため、場合によってはライトガイドの出力面側は接着剤なしで圧着配置させるのみか、もしくは極少量の接着剤で光学的に結合させることが可能であり、空隙へ接着剤が入り込むのを防止するためのシーリングフィルムを省略することができる。
【0044】
(第3実施形態)
次に図5を参照して本発明の第3実施形態による一実施例を説明する。図5は本発明に係る放射線検出器の一実施例の外観斜視図である。
【0045】
第3実施形態に係る放射線検出器は、光反射材もしくは光遮蔽部材が挟み込まれた各結晶間の密着面11によって区画され、X方向に10個、Y方向に10個の合計100個のシンチレータを2次元的に密着配置したシンチレータ群10と、このシンチレータ群10に光学的に結合されるライトガイド220と、ライトガイド220に光学的に結合される2個の光電子増倍管30、40とから構成されている。尚本実施例では1個の光電子増倍管は仕切り板34、44等により、2極別々に信号を検出できるものを使用している。
【0046】
この実施例では、ライトガイド220内には入力面224(シンチレータ群10との結合面)側及び出力面225(光電子増倍管30及び40との結合面)側の双方からシンチレータ群10の区画を定めるように隔絶板としての複数個の空隙222及び反射部材221が設置されており、ひとつの光電子増倍管に入射する光量がガンマ線が入射したシンチレータ位置に応じて変化するように各々の空隙222及び反射部材221の奥行きが調節されている。
【0047】
この実施例ではライトガイド220の入力面224(シンチレータ群10との結合面)側及び出力面225(光電子増倍管30及び40との結合面)側の面上には、シンチレータ群10と、光電子増倍管30及び40と光学結合される前に、あらかじめ、ライトガイド220の空隙222に接着材もしくは光学グリスが充填されないようシーリングするための光透過性の薄いフィルム223、226が挟設された構造となっている。
【0048】
2次元的に密着配置された複数本のシンチレータ群10の内のひとつにガンマ線が入射すると、そのシンチレータはガンマ線を吸収し発光する。発光した光はそのシンチレータ内を通り、隔絶板としての複数個の空隙等により奥行きの異なる小区画を形成されているライトガイド220へ入射される。ライトガイド220へ入射された光はライトガイド220内で分散し各光電子増倍管30及び40へ入射する。ここで本検出器は上述した構成をとっているため、ガンマ線がシンチレータに入射して発光した光は、ライトガイド220の媒質部と隔絶板の働きをする空隙222との界面及びライトガイド220の媒質部と多層膜フィルムからなる反射部材221との界面における屈折率の差異による反射・透過現象によって光が光電子増倍管30及び40へ伝達される。その際、反射・透過現象による損失は最小限に抑えられているため、ライトガイド220内で多重反射しても出力を低下させることなく光電子増倍管30及び40へ導くことができ、正確に位置弁別可能なため全体の画質を向上させることができる。
【0049】
この実施形態の場合にも、第1実施形態や第2実施形態の場合と同様の材資で構成され、また同様の効果を得ることができるが、次の点で有利である。即ち、該空隙のように細く深い溝を精密に加工するのは困難であり、入力面側からと出力面側からと分けて溝加工のできる本実施形態においては、溝深さも半分で済むので加工上容易なものとすることができる。
【0050】
なお、上述した各実施例では、100個のシンチレータとライトガイドと4個の光電子増倍管を各々光学的に結合して構成された放射線検出器を例にとって説明したが、この発明はこれに限定されずシンチレータや光電子増倍管の数は任意に設定できることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、発明によれば、ライトガイドの小区画が空隙により構成されているため、ライトガイド内を進む光の減衰を最小限のものとして光電子増倍管へと導くことができ、出力が低下することなく、正確に位置弁別でき、高分解能で高画質を維持することが可能な放射線検出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による放射線検出器の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態による放射線検出器の一実施例を示す図である。
【図3】本発明の放射線検出器の位置検出部のブロック図である。
【図4】本発明の第2実施形態による放射線検出器の一実施例を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態による放射線検出器の一実施例を示す図である。
【図6】放射線検出器の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1、2,3、4…加算器
5、6…位置弁別回路
10…シンチレータ群
10i1〜10i10(i=1〜10までの整数)…X方向に配列されたシンチレータ
101j〜1010j(j=1〜10までの整数)…Y方向に配列されたシンチレータ
11…密着面
20…ライトガイド
21…反射部材
22…空隙
23…シーリングフィルム
24…入力面
30…光電子増倍管
31、31…光電面
32…面板
34…仕切り板
40…光電子増倍管
41、41…光電面
42…面板
44…仕切り板
120…ライトガイド
121…反射部材
122…空隙
125…出力面
126…シーリングフィルム
220…ライトガイド
221…反射部材
222…空隙
223…シーリングフィルム
224…入力面
225…出力面
226…シーリングフィルム

Claims (8)

  1. 2次元的に密着配置された複数本のシンチレータと、該シンチレータに対して光学的に結合されたライトガイドと、該ライトガイドに対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータの本数よりも少ない光電面極数を持つ複数本の光電子増倍管を備えた放射線検出器において、前記ライトガイドは、シンチレータとの結合面側から形成された複数の空隙により区画化されていることを特徴とする放射線検出器。
  2. 請求項1記載の放射線検出器であって、ライトガイドは、光電子増倍管との結合面側から形成された複数の空隙により区画化されていることを特徴とする放射線検出器。
  3. 請求項1記載の放射線検出器であって、ライトガイドは、シンチレータとの結合面と光電子増倍管との結合面側の両側から形成された複数の空隙により区画化されていることを特徴とする放射線検出器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の放射線検出器であって、ライトガイドは、シンチレータとの結合面側もしくは光電子増倍管との結合面側もしくはその両側から形成された、空隙と遮光部材との組み合わせにより区画化されていることを特徴とする放射線検出器。
  5. 請求項4記載の放射線検出器であって、遮光部材は区画の周辺部に配設されていることを特徴とする放射線検出器。
  6. 請求項5記載の放射線検出器であって、区画の周辺部を除く空隙の少なくとも一部に光結合性材料が挿入されていることを特徴とする放射線検出器。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載された放射線検出器であって、ライトガイドに設けられた空隙内に異物が入らないようにするための封止部材を有していることを特徴とする放射線検出器。
  8. 請求項7に記載された放射線検出器であって、該封止部材は光透過性材料からなるシーリングフィルムであることを特徴とする放射線検出器。
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