JP2007075672A - 水膜式スクラバー - Google Patents

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Abstract

【課題】 水滴の飛散を防止し、圧力損失の低減と設置スペースの削減を可能とした水膜式スクラバーを提供する。
【解決手段】 吸水性の膜材料からなる充填材1a、1b…が、処理対象ガスの流れに沿って複数段に配置され、これらの充填材の下流側には、ファン2が設置されている。充填材1a、1b…の下部には水槽3が設けられ、充填材の上部から供給された水によって水膜が形成された後、充填材の下部に流出した水を水槽3に貯留するように構成されている。水槽3に溜まった水は、ポンプ4により充填材の上部に送られ、再度、充填材に滴下されるように構成されている。複数段に配置された充填材の内、最下流に配置される充填材1cは、気流方向の長さを通常の半分程度とした波形に加工した気化式加湿膜5と、通常の長さを有する波形に加工した気化式加湿膜6とを交互に複数枚重ね合わせて構成され、水滴飛散防止型に加工されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、装置内に設置した充填材に処理水を滴下させ、該充填材に処理対象ガスを通過させることにより、処理対象ガス中に含まれる塵や各種の汚染物質等の除去すべき粒子を捕集する水膜式スクラバーに関する。
水などの液体を洗浄液として、処理対象ガス中に含まれる除去すべき粒子(例えば、塵など)をその洗浄液による液滴や液膜中に捕集して分離する装置として、従来から種々のスクラバーが用いられている。このようなスクラバーとしては、従来から、充填物方式、スプレー方式、バブリング多孔式等が知られている。
上記充填物方式としては、例えば、特許文献1に示されたようなものがある。この充填物方式は、プラスチックや磁器等からなる充填物に水を噴霧し、この水によって形成された水膜に処理対象ガスを接触させて集塵するものであり、その圧力損失は約500Pa、通過風速は約2.0m/sである。
また、スプレー方式としては、例えば、特許文献2に示されたようなものがある。このスプレー方式は、処理対象ガスの流れに加圧水を噴射して、処理対象ガス中に含まれる汚染物質等を処理水に吸収、溶解させることにより除去するものであり、その圧力損失は約300〜400Pa、通過風速は約2.0m/sである。
また、バブリング多孔式は、多孔板の上に処理水を溜めて、その下方から処理対象ガスを供給するものであり、処理対象ガスは多孔板の孔から処理水を通って上部から排気され、処理対象ガスが処理水を通る時に汚染物質等が除去されるように構成されており、その圧力損失は約500Pa、通過風速は約1.5m/sである。なお、処理水は常時供給され、その供給量が多孔板から下方に落下する水量と釣り合うように調整されている。
特開2004−202306号公報 特開2000−33221号公報
しかしながら、上記のような従来のスクラバーにおいては、気液接触面積を大きくするために滴下水量を多くしなければならず、水滴の飛散を防止するために、出口近傍にエリミネータを設置することが一般的である。このエリミネータは、空気中に浮遊しているミストを衝突により分離させる構造であるため、効率良く分離するためには、ミストが衝突しやすいように入り組んだ構造にするか、通過距離を長くする必要があるが、いずれの構成を採用したとしても、通過する空気の圧力損失は大きくなる。
しかしながら、上記のような従来のスクラバーにおいては、機能の効率を図るという観点から、充分な水滴飛散防止効果が得られなくても、圧力損失を所望のレベルに抑制できるようなエリミネータを選定しているため、飛散する水滴を完全に捕集することは困難であった。
また、滴下水を貯留する水槽内に藻などの微生物が繁殖し、充填材の目詰まりの原因となることがある。すなわち、藻は排気中に含まれるリンなどを栄養分とし、点検窓や排気口から入る日射により光合成を行い繁殖する。そして、さらにその藻をえさとする微生物が繁殖し始めるといった問題を生じる。特に、鉛直方向に伸びる筒型形状のスクラバーでは、上部にある排気口から入る日射を防ぐことは困難であるため、繁殖した微生物による充填材の目詰まりが問題となっていた。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、水滴の飛散を防止し、圧力損失の低減と設置スペースの削減を可能とした水膜式スクラバーを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、吸水性の膜材料からなる充填材が、処理対象ガスの流れに沿って複数段に配置され、該充填材の上部から供給される処理水によって前記充填材に水膜が形成されるように構成されると共に、前記充填材の下流側にファンが設置された水膜式スクラバーであって、前記複数段に配置された充填材の内、最下流に配置される充填材が、水滴飛散防止型に加工されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項1に記載の発明によれば、吸水性の膜材料からなる充填材を用いているため、充填材に供給される処理水は水膜を形成しながら下方に移動するので、水滴の飛散はほとんどない。さらに、本発明においては、最下流に配設される充填材が水滴飛散防止型に加工されているため、水滴の飛散を完全に防止することができ、通過風速を上げることができるので、処理効率が大幅に向上する。また、従来型と比較して気液接触面積を大きくとれるため、充填材の体積を小さくできるので、装置の小型化が可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水膜式スクラバーにおいて、前記複数段に配置された充填材の内、上流側に配設される充填材は、それぞれ波形に加工した吸水性の膜を、隣接する膜の間に所定の隙間ができるように複数枚重ね合わせて構成され、前記複数段に配置された充填材の内、最下流に配置される充填材は、気流方向の長さを通常の半分程度とした波形に加工した吸水性の膜と、通常の長さを有する波形に加工した吸水性の膜とを交互に、且つ隣接する膜の間に所定の隙間ができるように複数枚重ね合わせて構成されていることを特徴とするものである。
上記のような請求項2に記載の発明は、最下流に配設される充填材を水滴飛散防止型に加工するための具体的な構成を示したものである。
請求項3に記載の発明は、ポリ塩化ビニルからなる充填材が用いられ、該充填材の上部から供給される処理水によって前記充填材に水膜が形成されるように構成されると共に、前記充填材の下流側にファンが設置された水膜式スクラバーであって、前記処理水に所定の界面活性剤を添加したことを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項3に記載の発明によれば、処理水に界面活性剤を添加することにより、ポリ塩化ビニルからなる充填材の表面の濡れ性を向上させることができるので、従来から冷却塔等に用いられているポリ塩化ビニル製の充填材を、そのまま水膜式スクラバーの充填材として利用することができる。
また、処理水に界面活性剤を添加することにより、処理水による水膜の形成が容易になるので、気液接触面積を大幅に増加させることができる。その結果、配設する充填材の体積を減らすことができるので、圧力損失を抑えることができる。また、処理水は水膜を形成しながら下方に移動するので、水滴の飛散はほとんどなく、通過風速を上げることができるので、処理効率が大幅に向上する。また、従来型と比較して気液接触面積を大きくとれるため、充填材の体積を小さくできるので、装置の小型化が可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の水膜式スクラバーにおいて、前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリコキシアルキレン、アルキルエーテル、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル又はポリアルキレン・アルキルエーテルのいずれかであることを特徴とするものである。
上記のような請求項4に記載の発明は、処理水に添加する界面活性剤を具体的に規定したものである。
請求項5に記載の発明は、ポリ塩化ビニルからなる充填材が用いられ、該充填材の上部から供給される処理水によって前記充填材に水膜が形成されるように構成されると共に、前記充填材の下流側にファンが設置された水膜式スクラバーであって、前記ポリ塩化ビニルからなる充填材の作製時に、前記ポリ塩化ビニルに所定の高分子型帯電防止剤が混練されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項5に記載の発明によれば、ポリ塩化ビニルに所定の高分子型帯電防止剤を混練することにより、ポリ塩化ビニル製の充填材の濡れ性を向上させることができるので、充填材に供給する処理水による水膜の形成が容易になり、気液接触面積を大幅に増加させることができる。その結果、配設する充填材の体積を減らすことができるので、圧力損失を抑えることができる。
また、処理水は水膜を形成しながら下方に移動するので、水滴の飛散はほとんどなく、通過風速を上げることができるので、処理効率が大幅に向上する。また、従来型と比較して気液接触面積を大きくとれるため、充填材の体積を小さくできるので、装置の小型化が可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の水膜式スクラバーにおいて、前記高分子型帯電防止剤が、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体又は高分子電荷移動型結合体のいずれかであることを特徴とするものである。
上記のような請求項6に記載の発明は、ポリ塩化ビニルに混練する高分子型帯電防止剤を具体的に規定したものである。
請求項7に記載の発明は、所定の熱可塑性樹脂からなる充填材が用いられ、該充填材の上部から供給される処理水によって前記充填材に水膜が形成されるように構成されると共に、前記充填材の下流側にファンが設置された水膜式スクラバーであって、前記熱可塑性樹脂からなる充填材の作製時に、前記熱可塑性樹脂に所定の高分子型帯電防止剤が混練されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有する請求項7に記載の発明によれば、所定の熱可塑性樹脂にそれぞれに適した高分子型帯電防止剤を混練することにより、所定の熱可塑性樹脂製の充填材の濡れ性を向上させることができるので、充填材に供給する処理水による水膜の形成が容易になり、気液接触面積を大幅に増加させることができる。その結果、配設する充填材の体積を減らすことができるので、圧力損失を抑えることができる。
また、処理水は水膜を形成しながら下方に移動するので、水滴の飛散はほとんどなく、通過風速を上げることができるので、処理効率が大幅に向上する。また、従来型と比較して気液接触面積を大きくとれるため、充填材の体積を小さくできるので、装置の小型化が可能となる。
本発明によれば、水滴の飛散を防止し、圧力損失の低減と設置スペースの削減を可能とした水膜式スクラバーを提供することができる。
以下、本発明に係る水膜式スクラバーの実施の形態(以下、実施形態という)について、図面を参照して具体的に説明する。
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、本発明に係る水膜式スクラバーの第1実施形態の構成を示す模式図である。すなわち、本実施形態の水膜式スクラバーにおいては、気化式の加湿膜に使われる吸水性(親水性)の膜材料からなる充填材1a、1b…が、処理対象ガスの流れに沿って複数段に配置され、これらの充填材1a、1b…の下流側には、ファン2が設置されている。
また、前記充填材1a、1b…の下部には水槽3が設けられ、充填材1a、1b…の上部から供給された水によって水膜が形成された後、充填材の下部に流出した水を前記水槽3に貯留するように構成されている。そして、水槽3に溜まった水は、ポンプ4により充填材1a、1b…の上部に送られ、再度、充填材1a、1b…に滴下されるように構成されている。
なお、複数段に配置された充填材1a、1b…の内、上流側に配設される充填材1a、1bは、それぞれ波形に加工した気化式加湿膜を複数枚重ね合わせて構成されているが、その場合、隣接する波形の膜を互いに交差させて、両者の間に所定の隙間ができるように重ね合わせて構成されている。
これに対して、最下流に配置される充填材1cは、図2に示すような水滴飛散防止型に加工されている。すなわち、最下流に配置される充填材1cは、気流方向の長さを通常の半分程度とした波形に加工した気化式加湿膜5と、通常の長さを有する波形に加工した気化式加湿膜6とを交互に複数枚重ね合わせて構成されている。なお、この場合も、気流方向の長さが異なる波形の膜5,6を互いに交差させて、両者の間に所定の隙間ができるように重ね合わせて構成されている。
(1−2)作用・効果
以上のような構成を有する本実施形態の水膜式スクラバーによれば、吸水性の膜からなる充填材1a、1b…を気流方向に複数段に配置したことにより、充填材1a、1b…のそれぞれを流れる処理水(滴下水)によって水膜が形成されるので、従来方式と比較して気液接触面積を大幅に増やすことができる。これにより、充填材1a、1b…に供給する滴下水量を減らしたり、充填材の気流方向の長さを短縮することができるので、装置の小型化が図れる。また、従来から用いられているスプレー式やバブリング多孔式と比較すると、ポンプ動力を小さくすることができるという利点もある。
このように、本実施形態の水膜式スクラバーにおいては、充填材に供給する処理水により水膜を形成させて気液接触面積を大幅に増加させることにより、配設する充填材の体積を減らすことができるので、圧力損失を250Pa程度に抑えることができる。
また、スクラバーの処理水は、水膜を形成しながら水槽に落ちていくので、水滴の飛散はほとんどなく、さらに、本実施形態においては、最下流に配設される充填材を水滴飛散防止型に加工したので水滴の飛散を完全に防止でき、通過風速を2.5m/s以上にすることができるので、処理効率が大幅に向上する。また、従来型と比較すると、気液接触面積を大きくとれるため、充填材の体積を小さくできるので、設置面積を従来の50〜75%に縮小することができ、装置の小型化が可能となる。
さらに、本実施形態の水膜式スクラバーは横置き型とされているので、スクラバー内における気流の均一化が図れる。また、横置き型にすることで、排気側にファン2を設置することができるので、排気側から装置内に入る日射を防ぎやすいという利点もある。その結果、スクラバー内を日射から遮蔽できるので、水槽内に発生しやすい藻などの微生物の繁殖を防ぐことが可能となり、従来問題となっていた充填材の目詰まりを防止することができる。
また、従来のスクラバーで使用するファンは、酸排気などを直接吸い込むため、塩ビコーティングなどを施した耐ケミカル用の特殊なものが必要であったが、本実施形態の水膜式スクラバーにおいては、横置き型として処理後の空気を吸い込むことができるため、上記のような特殊なファンを使用する必要はない。
(2)第2実施形態
本実施形態は、上記第1実施形態の変形例であって、充填材として、従来から冷却塔等に用いられているポリ塩化ビニル(以下、PVCと記す)製の充填材を転用したものである。
(2−1)構成
図3は、本発明に係る水膜式スクラバーの第2実施形態の構成を示す模式図である。すなわち、本実施形態の水膜式スクラバーにおいては、PVC製の充填材10が用いられ、この充填材10の下流側にはファン2が設置されている。また、前記充填材10の下部には水槽3が設けられ、充填材10の上部から供給された水によって水膜が形成された後、充填材の下部に流出した水を前記水槽3に貯留するように構成されている。そして、水槽3に溜まった水は、ポンプ4により充填材10の上部に送られ、再度、充填材10に滴下されるように構成されている。
また、本実施形態のようにPVC製の充填材を用いる場合には、処理水に界面活性剤を添加して、PVC製の充填材の表面の濡れ性を向上させる。このようにして濡れ性を向上させることによって、処理水と処理対象ガスの気液接触面積を大きくすることができるからである。
処理水に添加する界面活性剤としては、低起泡性の界面活性剤を用いることが好ましい。この低起泡性の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレングリコールや、酸やアルカリに対して強いポリコキシアルキレン、アルキルエーテル、ポリオキシエチレン・アルキルエーテルやポリアルキレン・アルキルエーテル等が適している。
また、処理水への上記界面活性剤の添加量は、0.1〜10重量%が好ましい。添加量が0.1重量%以下であると、所望の濡れ性を得ることができず、また、10重量%以上であると、粘性が大きくなり、起泡して空気の流路を塞いだり、起泡したものが気流に乗って飛散するからである。
(2−2)作用・効果
以上のような構成を有する本実施形態の水膜式スクラバーによれば、処理水に界面活性剤を添加してPVC製の充填材表面の濡れ性を向上させることにより、従来から冷却塔等に用いられているPVC製の充填材を、そのまま水膜式スクラバーの充填材として利用することができる。
また、処理水に界面活性剤を添加してPVC製の充填材表面の濡れ性を向上させることにより、充填材に供給する処理水による水膜の形成が容易になるので、気液接触面積を大幅に増加させることができる。その結果、上記第1実施形態と同様に、配設する充填材の体積を減らすことができるので、圧力損失を250Pa程度に抑えることができる。
また、スクラバーの処理水は、水膜を形成しながら水槽に落ちていくので、水滴の飛散はほとんどなく、通過風速を2.5m/s以上にすることができるので、処理効率が大幅に向上する。また、従来型と比較すると、気液接触面積を大きくとれるため、充填材の体積を小さくできるので、設置面積を従来の50〜75%に縮小することができ、装置の小型化が可能となる。
さらに、本実施形態の水膜式スクラバーは横置き型とされているので、スクラバー内における気流の均一化が図れる。また、横置き型にすることで、排気側にファン2を設置することができるので、排気側から装置内に入る日射を防ぎやすいという利点もある。その結果、スクラバー内を日射から遮蔽できるので、水槽内に発生しやすい藻などの微生物の繁殖を防ぐことが可能となり、従来問題となっていた充填材の目詰まりを防止することができる。
また、従来のスクラバーで使用するファンは、酸排気などを直接吸い込むため、塩ビコーティングなどを施した耐ケミカル用の特殊なものが必要であったが、本実施形態の水膜式スクラバーにおいては、横置き型として処理後の空気を吸い込むことができるため、上記のような特殊なファンを使用する必要はない。
(3)第3実施形態
本実施形態は、上記第2実施形態の変形例であって、PVC製の充填材の作製時に、PVCに所定の高分子型帯電防止剤を混練することにより、PVC製の充填材の濡れ性の向上を図ったものである。なお、水膜式スクラバーの構成は、図3に示した構成と同一であるので説明は省略する。
(3−1)構成
PVC製の充填材の製作時に、PVCに静電気防止材料などに使用される高分子型帯電防止剤を練り込む。その結果、充填材表面の濡れ性を向上させることができるので、処理水と処理対象ガスの気液接触面積を大きくすることができる。なお、本実施形態の水膜式スクラバーにおいては、充填材表面の濡れ性を向上させることができるので、滴下させる処理水としては純水を用いることができる。
本実施形態の水膜式スクラバーに用いられる充填材を構成する制電性樹脂を作るには、基材としてPVCを用い、以下に列挙する高分子型帯電防止剤とPVC(熱可塑性樹脂)とを溶融混練し、アロイ化し、所定の形状に加工する。なお、本実施形態で用いられる高分子型帯電防止剤は、PVC表面と水とを界面活性させる働きがあり、水の接触角を小さくすることができるので、この高分子型帯電防止剤を混練したPVC製の充填材の親水性を向上させることができるものである。
前記高分子型帯電防止剤としては、例えば、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体や、高分子電荷移動型結合体などを用いることができる。この高分子型帯電防止剤を10〜30重量%程度、表面抵抗値が1014Ω以下となるように、基材のPVCと溶融混練することが好ましい。
(3−2)作用・効果
以上のような構成を有する本実施形態の水膜式スクラバーによれば、PVC製の充填材の作製時に、PVCに所定の高分子型帯電防止剤を混練することにより、PVC製の充填材の濡れ性を向上させることができるので、充填材に供給する処理水による水膜の形成が容易になり、気液接触面積を大幅に増加させることができる。その結果、上記第1実施形態と同様に、配設する充填材の体積を減らすことができるので、圧力損失を250Pa程度に抑えることができる。
また、スクラバーの処理水は、水膜を形成しながら水槽に落ちていくので、水滴の飛散はほとんどなく、通過風速を2.5m/s以上にすることができるので、処理効率が大幅に向上する。また、従来型と比較すると、気液接触面積を大きくとれるため、充填材の体積を小さくできるので、設置面積を従来の50〜75%に縮小することができ、装置の小型化が可能となる。
また、従来のスクラバーで使用するファンは、酸排気などを直接吸い込むため、塩ビコーティングなどを施した耐ケミカル用の特殊なものが必要であったが、本実施形態の水膜式スクラバーにおいては、横置き型として処理後の空気を吸い込むことができるため、上記のような特殊なファンを使用する必要はない。
(4)他の実施形態
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、臭気除去装置として用いれば、水溶性の有臭ガスを主成分とした臭気の除去装置として、十分な効果が期待できる。
また、上記第3実施形態においては基材としてPVCを用いたが、PVCの他にも下記の基材に所定の高分子型帯電防止剤を混練しても、同様の作用・効果を得ることができる。
例えば、基材としてABC樹脂を用いる場合には、高分子型帯電防止剤として、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドミド、エチレンオキシド−エピハロヒドリン重合体、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体、4級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体、ポリスチレンスルホン酸ソーダを用いることが好ましい。
また、基材としてポリスチレンを用いる場合には、高分子型帯電防止剤として、ポリエチレンオキシド、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体を用いることが好ましい。また、基材としてポリエチレンを用いる場合には、高分子型帯電防止剤として、カルボベイタングラフト共重合体、高分子電荷移動型結合体を用いることが好ましい。
さらに、基材としてポリプロピレンを用いる場合には、高分子型帯電防止剤として、ポリエーテルエステルアミド、カルボベイタングラフト共重合体、高分子電荷移動型結合体を用いることが好ましい。また、基材としてアクリル樹脂を用いる場合には、高分子型帯電防止剤として、ポリエーテルアミドミド、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体を用いることが好ましい。
本発明に係る水膜式スクラバーの第1実施形態の構成を示す模式図である。 水滴飛散防止型の充填材の構成を示す斜視図である。 本発明に係る水膜式スクラバーの第2実施形態の構成を示す模式図である。
符号の説明
1…充填材
2…ファン
3…水槽
4…ポンプ
5…長さの短い波形の気化式加湿膜
6…通常の長さを有する波形の気化式加湿膜
10…PVC製の充填材

Claims (7)

  1. 吸水性の膜材料からなる充填材が、処理対象ガスの流れに沿って複数段に配置され、該充填材の上部から供給される処理水によって前記充填材に水膜が形成されるように構成されると共に、前記充填材の下流側にファンが設置された水膜式スクラバーであって、
    前記複数段に配置された充填材の内、最下流に配置される充填材が、水滴飛散防止型に加工されていることを特徴とする水膜式スクラバー。
  2. 前記複数段に配置された充填材の内、上流側に配設される充填材は、それぞれ波形に加工した吸水性の膜を、隣接する膜の間に所定の隙間ができるように複数枚重ね合わせて構成され、
    前記複数段に配置された充填材の内、最下流に配置される充填材は、気流方向の長さを通常の半分程度とした波形に加工した吸水性の膜と、通常の長さを有する波形に加工した吸水性の膜とを交互に、且つ隣接する膜の間に所定の隙間ができるように複数枚重ね合わせて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の水膜式スクラバー。
  3. ポリ塩化ビニルからなる充填材が用いられ、該充填材の上部から供給される処理水によって前記充填材に水膜が形成されるように構成されると共に、前記充填材の下流側にファンが設置された水膜式スクラバーであって、
    前記処理水に所定の界面活性剤を添加したことを特徴とする水膜式スクラバー。
  4. 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリコキシアルキレン、アルキルエーテル、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル又はポリアルキレン・アルキルエーテルのいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の水膜式スクラバー。
  5. ポリ塩化ビニルからなる充填材が用いられ、該充填材の上部から供給される処理水によって前記充填材に水膜が形成されるように構成されると共に、前記充填材の下流側にファンが設置された水膜式スクラバーであって、
    前記ポリ塩化ビニルからなる充填材の作製時に、前記ポリ塩化ビニルに所定の高分子型帯電防止剤が混練されていることを特徴とする水膜式スクラバー。
  6. 前記高分子型帯電防止剤が、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体又は高分子電荷移動型結合体のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の水膜式スクラバー。
  7. 所定の熱可塑性樹脂からなる充填材が用いられ、該充填材の上部から供給される処理水によって前記充填材に水膜が形成されるように構成されると共に、前記充填材の下流側にファンが設置された水膜式スクラバーであって、
    前記熱可塑性樹脂からなる充填材の作製時に、前記熱可塑性樹脂に所定の高分子型帯電防止剤が混練されていることを特徴とする水膜式スクラバー。
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