JP2007070703A - 乳化用金属膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粒径の均一な微粒子を得ることができる膜乳化法に使用するのに好適で、割れる恐れが少なく、また取扱いも容易な、貫通孔を有する乳化用金属膜の形成方法を提供する。
【解決手段】 基板の少なくとも一部が導電性の面に、形成される金属膜の厚さ以上の厚さにフォトレジスト膜を形成する膜形成工程と、前記フォトレジスト膜が形成された基板面上から平面状のフォトマスクを介して露光する露光工程と、露光されたフォトレジスト膜が形成された基板を現像液で処理する現像工程と、前記現像工程により形成された不溶性フォトレジスト膜を有する基板上に金属膜を析出させる金属膜形成工程と、前記金属膜を析出させた前記不溶性フォトレジスト膜を有する基板の前記不溶性フォトレジスト膜部分を除去する膜除去工程と、形成された金属膜と前記基板を分離する分離工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スペーサ、電子ペーパー用マイクロカプセル、トナーなどの粒径が均一な微粒子の製造に用いる乳化用金属膜の形成方法に関する。
水と油のように本来混ざり合わない物質であっても、一方の物質を微小な粒子として分散させることで、見かけ上混合した状態とすることができ、このような現象を乳化と呼んでいる。このような状態が保持されるためには分散している粒子の径が小さく比較的均一である必要がある。
従来、乳化方法としては一般に以下に示す(1)ないし(3)の方法が知られている。
(1)ホモジナイザーによる乳化方法(例えば特許文献1参照)
(2)多孔質ガラス膜を用いる乳化方法(例えば特許文献2参照)
(3)人工的に微小開口を形成した隔壁を用いる乳化方法(例えば特許文献3参照)
上記(1)の方法は、連続相と呼ばれる液体に、微粒子化して分散させたい物質を投入し、機械的に攪拌を行うことでせん断力を繰り返し与え、乳化分散体を得る方法である。
また、(2)の方法は、分散相と連続相を多孔質ガラス膜により仕切り、分散相を連続相側へ押し出すことにより分散相が膜を通過し、連続相に接触し、界面張力がせん断力となり、最終的に分散相が微粒子化し、乳化分散体を得る方法である。
また、(3)の方法は、分散相と連続相とを人工的に開口を形成した隔壁で仕切り、この開口を通して分散相を連続相へ押し出し表面張力により剪断し、微粒子を得る方法である。
しかしながら、(1)の方法では、分散相に与えられるせん断力が、乳化位置によって不均一であるため、比較的広い粒径分布を持った微粒子しか得ることができない。
また、(2)の方法では、比較的粒径の均一な微粒子が得られるが、このような多孔質ガラス膜は微小な孔が三次元的に複雑に入り組んだ構造となっているため、微粒子が均一に分散しているような物質を分散相に用いた場合、フィルターの作用をして得られる粒子に微粒子が含まれないという問題が生じる。さらにこの微粒子が目詰まりを起こし粒子化を阻害するという問題も生じる。
また、(3)の方法では、非常に粒径の均一な微粒子を得ることができるが、貫通孔として非円形で深さのアスペクト比の高い形状が必要とされる。上記特許文献3にはその加工方法としてシリコン基板を対象として電子線照射や高密度プラズマエッチングをする方法が開示されているが、これら加工方法に使用される設備は非常に高価であるため、その隔壁の作製に多大なコストが必要となる。また隔壁の材料であるシリコンは脆く割れやすいため、その取り扱いが困難であるという問題がある。
特許第3476223号公報 特許第2733729号公報 特許第3511238号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、粒径の均一な微粒子を得ることができる膜乳化法に使用するのに好適で、割れる恐れが少なく、取り扱いが容易で、安価な、貫通孔を有する乳化用金属膜の形成方法を提供することを目的とする。
上記課題は、形成すべき金属膜より厚い垂直断面を有する柱状の不溶性フォトレジスト膜または垂直断面を有する柱状の樹脂膜を作製した後に金属膜を形成することによって、垂直断面を有する貫通孔を有する金属膜を形成することにより解決される。
より具体的には、次の(1)ないし(6)の発明(以下、本発明1ないし6という)によって上記課題は解決される。
(1)基板の少なくとも一部が導電性の面に、形成される金属膜の厚さ以上の厚さにフォトレジスト膜を形成する膜形成工程と、前記フォトレジスト膜が形成された基板面上から平面状のフォトマスクを介して露光する露光工程と、露光されたフォトレジスト膜が形成された基板を現像液で処理する現像工程と、前記現像工程により形成された不溶性フォトレジスト膜を有する基板上に金属膜を析出させる金属膜形成工程と、前記金属膜を析出させた前記不溶性フォトレジスト膜を有する基板の前記不溶性フォトレジスト膜部分を除去する膜除去工程と、形成された金属膜と前記基板を分離する分離工程とを有することを特徴とする。
(2)前記(1)は、前記露光工程において、前記露光の光軸方向と前記基板面の法線方向とが異なるように配置して露光することを特徴とする。
(3)前記(1)は、前記導電性の面は曲面であり、前記露光工程において、前記露光の光軸方向と前記曲面の法線方向とが異なるように配置して露光することを特徴とする。
(4)基板の少なくとも一部が導電性の面に、レーザアブレーション可能な樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程と、前記樹脂膜が形成された基板面上から平面状のマスクを介して前記樹脂膜にレーザを照射してレーザアブレーションを行って前記基板面に所定のパターンの樹脂膜を形成するパターン膜形成工程と、形成された所定のパターンの樹脂膜が形成された基板面上に金属膜を析出させる金属膜形成工程と、形成された前記金属膜と前記所定のパターンの樹脂膜が形成された基板を分離する基板分離工程とを有することを特徴とする。
(5)前記(4)は、前記パターン膜形成工程の際に、前記照射レーザの光軸と前記基板面の法線方向とが異なるように配置してレーザアブレーションすることを特徴とする。
(6)前記(4)は、前記導電性の面は曲面であり、前記パターン膜形成工程の際に、前記照射レーザの光軸と前記曲面の法線方向とが異なるように配置してレーザアブレーションすることを特徴とする。
(7)前記(1)〜(6)は、貫通孔が金属膜の表裏で同一形状となるように形成することを特徴とする。
本発明の乳化用金属膜の形成方法によれば、形成すべき金属膜より厚い垂直断面を有する柱状の不溶性フォトレジスト膜または垂直断面を有する柱状の樹脂膜を作製した後に電気めっき等による金属膜形成により金属膜を形成することから、垂直断面を有する貫通孔を有する金属膜を形成することができ、この金属膜によれば粒径の均一な微粒子が得られるだけでなく、割れる恐れがなく、さらに様々な液体に対する耐性にも優れる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態である乳化用金属膜の形成方法について、詳細に説明する。
図1(a)〜(f)は、本実施形態の金属膜形成方法のフローの一例を示す図である。図1に基づいて、以下に説明する。
金属平板もしくはガラスやシリコンなどの平面基板の表面に蒸着、スパッタリング、無電解めっき、電鋳などにより、表面に導電処理を施した基板1を用意する(図1(a))。
基板1の表面にスピンコート、ロールコートなどの塗布方法を用いてフォトレジスト膜2を形成する(図1(b))。このフォトレジスト膜2の膜厚は作製すべき金属膜の膜厚以上に形成する。使用するレジストはネガ型、ポジ型のいずれでもかまわないが、厚い膜厚に対しても垂直なパターン形成が行えるレジストが好ましく、具体的にはネガ型のフォトレジストであるSU-8(MicroChem社製の商品名)もしくはKMPR(化薬マイクロケム社製の商品名)が好適である。これらレジストを用いればアスペクト比が10〜20程度の、即ち例えば横×縦が5×15μmで高さが100μm程度の微細で高アスペクト比を有する垂直な壁面を持つパターンを得ることができる。
フォトレジスト膜2を形成しプリベークを行った後に、貫通孔を形成すべき部分に開口を形成したフォトマスク3を、形成したフォトレジスト膜2に密着させて露光4を行う(図1(c))。
露光後熱処理を施し、現像液中で未露光部のフォトレジストを溶解除去すること(ポジ型のフォトレジストの場合)で貫通孔相当部に柱状の不溶性フォトレジスト構造体5が形成され、それ以外のフォトレジストの除去された部分は導電面が露出した基板1を得ることができる(図1(d))。
この基板1をめっき液中に浸漬し通電することで基板1上にめっき膜6を、形成すべき金属膜の厚さだけ析出させる(電鋳法を用いた場合)(図1(e))。
その後、基板1と金属膜8を分離し、必要であれば金属膜8に残存するフォトレジストを薬液処理もしくはアッシング(ashing:灰化)処理などを行って除去する。このようにして貫通孔7を有する金属膜8を得ることができる(図1(f))。なお、貫通孔は前記アッシング処理などを行うことによっても除去可能である。また、フォトレジストの剥離液、あるいは溶解可能な液を用いて、フォトレジストで形成された貫通孔となる部分を除去したり、樹脂などを除去したりすることができる。この際に、超音波を照射したり、溶解あるいは膨潤する液を噴射したりするなどして除去すると効率的であり、場合によっては、さらに加温しながら分離除去することができる。
電気めっきは、通常、基板に印加される電流の電流密度分布に起因して、得られる膜厚にある程度の差が生じてしまうが、本実施形態の方法によれば、形成される貫通孔の形状は電気めっきを行う以前のフォトレジストパターンで決定される。前述したようにフォトレジストパターンは垂直壁面を持つためにめっき膜の厚さに関わらず形成される貫通孔の形状は一定のものが得られる。
他の膜形成法としては、金属もしくは導電処理を施した基板1を用意し、その表面に形成しようとする金属膜の厚さ以上にレーザアブレーション可能な樹脂膜14を形成する。このレーザアブレーション可能な樹脂膜14としては、具体的には、ポリイミド及びその前駆体などをあげることができる。これらは液状であって、スピンコートやロールコート、スプレーコートなどの塗布方法で塗布可能であり、塗布後に熱処理を施すことによって、固体の樹脂膜14が、基板1上に形成される。このようにして得られた樹脂膜14に、マスク16を用い貫通孔を形成すべき部分以外にレーザ光を照射する。
使用するレーザとしては、波長308nmのXeFエキシマレーザや波長248nmのKrFエキシマレーザ、波長266nmのFHG-YAG(Fifth Harmonic Generation-YAG:第5高調波YAG)レーザなどがあげられる。これらレーザの強度を選択して照射することにより、樹脂膜の分子間の結合を直接開裂して分解除去することができるため、照射部のみが前記樹脂膜を構成する樹脂の分子が開裂して分解除去され、非照射部に対しては熱損傷が無い除去加工が行える。また、レーザアブレーションによる加工閾値は金属膜への加工閾値に対して低いため、基板の導電処理面への影響がなく、樹脂膜のみの除去が可能である。さらに焦点位置を移動させながら加工を行うことで高いアスペクト比を有する形状体の加工が可能である。
このような加工により貫通孔を形成すべき部分に柱状の構造が形成され、それ以外の部分は導電表面が露出した基板が得られる。得られた基板に対して上述と同様に電気めっきを施すことにより貫通孔を有する金属膜を得ることができる。
図2はレーザを照射するための装置またはレーザアブレーション装置の概略図であり、フォトレジストにレーザ光を照射するかまたは樹脂膜14をアブレーションにより除去可能なレーザ光を発生するレーザ光源23と(図2では、レーザアブレーション装置を例にして説明する)、レーザ光源23より出射されたレーザ光を所望のビーム形状に整形するビーム整形光学系24(光学系24を構成する各光学素子は同一であっても異なっていてもよい。また図2では、光学系24を構成する光学素子は2個であり、凸レンズであるが、本発明に使用されるレーザ照射装置の光学系24は、目的のレーザアブレーションまたはフォトレジストに適度な露光を行う機能を有していればよく、光学系24を構成する光学素子の種類も個数も限定されない)と、レーザ光を加工対象まで伝達するビーム伝達光学系(ミラー25など)と、加工形状を規定するマスク16と、マスク像を加工対象である樹脂膜14が形成された基板1へ縮小投影する投影光学系26と、加工対象と、加工対象を保持し移動可能な基板保持手段(図示せず)とから構成されている。なおマスク16は、基板1上にフォトレジスト膜か、アブレーション可能な樹脂膜のいずれかが設けられる。なお大きく分類すれば、アブレーションもフォトレジストのネガ型に属するものとすることもできる。
図3はマスクパターンの一例であり、図3に示すようにマスク16には、遮光部27が形成されている。この遮光部27は、基板上に形成される金属膜間の貫通孔が形成される部分である。遮光部27の大きさ及びピッチは、このマスクに形成される形状27の大きさに基板面上の投影光学系26のパワー(倍率)を乗じたものによって決定するものとなっている。
樹脂膜14が形成された基板1に対して、このような手段を用いてレーザ光を照射することによりレーザ光照射部の樹脂膜が除去され基板1が露出する。この後、所定のピッチで基板を移動させた後、レーザ照射を行う。これを繰り返すことで基板1全面に加工を行うことができ、その結果、貫通孔として形成される部分に樹脂膜が残存した基板が得られる。この基板を用いてめっき等により金属膜を形成すると、貫通孔となる樹脂部を有する金属膜を得ることができる。
図4は本実施形態の方法により得られた金属膜8を用いたときの乳化の状態を示す模式図である。金属膜8を介して上面が連続相9であり、金属膜8の下面が分散相10と接している。送液ポンプや加圧ポンプなどで分散相10に圧力を加えると、金属膜8の貫通孔7を介して分散相10の一部が連続相9側に移入する。連続相9中に移入した分散相10からの分散物は、界面張力により球状11になろうとし、これに剪断力(share stress)が印加され最も断面積が小さくなるように貫通孔7の出口近傍で切断され、連続相9中に粒子として生成する。すなわち、連続相が停止していると見なされる場合には、界面張力(σ)と、2つの液体の密度差(Δρ)とこの粒子の体積(V)による応力(gV×Δρ:ここで、gは重力定数)とにより、この生成する粒子は、連続相9と分散相10との界面に作用する剪断力によって決定される大きさとなる。
ここで連続相9に流れ(ベクトル)12が形成されている場合には、図5に示すように分散相10は流れベクトル12からの応力を受けて粒子化する。即ち剪断力として界面張力のほかに連続相の流れ12からの力も作用する。その結果、同一の貫通孔形状を用いた場合でもより小径の粒子が形成される。
さらに、図6に示すように金属膜8に形成する貫通孔7を膜の厚さ方向に対して平行ではなく傾いて形成された場合には、傾いた角度の正弦の大きさが流れベクトル12の増分となって働き、さらに大きな剪断力を貫通孔7の出口付近に作用させることができる。その結果、より小径の粒子を生成することができる。
次に図6で示すような、膜の厚さ方向に対して傾いた貫通孔7を有する金属膜8の形成方法の一例を図7に従い説明する。
基板1及びフォトレジスト2の塗布等、露光工程の前までの工程は、図1と同様に行う(図7(a)、(b))。
次に、露光光の光軸方向に対して貫通孔を傾けたい角度に基板1を傾けて固定し、光軸方向に対して直交するようにフォトマスクを金属膜間の貫通孔の大きさが規定した大きさとなるように所定の位置にセットする。この状態で露光4を行う(図7(c))。この様にセットしたフォトレレジスト膜が形成された基板に光を照射して露光すると、照射光は光軸に平行に進行するために基板面に対して傾いて照射される。その後、図1と同様の工程で現像すると、基板厚さ方向に対して所定の角度で傾いた柱状構造5を有し、その他の部分が導電表面の露出した基板が得られる(図7(d))。このような導電表面の露出した基板を用いて図1と同様に電気めっきなどにより、金属膜を形成し、その後剥離などを行うことにより目的の金属膜8を得ることができる(図7(e)、(f))。なお、剥離は、たとえば基板としてガラス基板を用いた場合には、カッターの刃など薄い鋭利な道具(部材)を用いて、金属膜の外周端部の金属膜と基板との界面に当接させて分離を開始し、その後、機械的に分離する。
また、図1、図7又は図8の(b)に示す工程の前に、基板表面にUV光を酸素雰囲気下で照射して基板表面を清浄化すると共に、剥離層の形成を行うことができる。また基板がシリコンの場合には、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム溶液(TBAB、TMA、TEABなどの塩などの3級または4級アミンでもよい)に基板を浸漬して、シリコンのみを溶解して、剥離することもできる。
他の金属膜8の形成方法としては、例えば、以下の方法を挙げることができる。
すなわち、基板1の表面にフォトレジストの代わりにポリイミドなどのレーザアブレーション可能な樹脂膜14を形成し、この基板1の厚さ方向と照射するレーザの光軸とを所定の角度傾けて配置し、レーザ照射して樹脂膜をアブレーション除去すると。レーザ非照射部に基板厚さ方向に対して傾いた柱状の構造が形成され、それ以外の部分は導電表面が露出した基板が得られる。その後、前記同様にして、図7に示す(e)〜(f)の方法、すなわち、この基板に対して図1と同様に電気めっき等による金属膜を形成し、剥離などを行うことにより目的の金属膜を得ることができる。
さらに、他の形成方法として、図8を用いて円筒状の金属膜を形成する場合について説明する。
円筒状の金属基材13もしくは表面に導電処理を施した円筒部材13を用意する(図8(a))。その表面にディッピングやスプレーコートなどによりレーザアブレーション可能な樹脂膜14を、形成すべき金属膜の厚さ以上に形成する(図8(b))。樹脂膜14の材料及び固化は、前述した方法と同様に行う。
レーザ光15の光軸が基材円筒体13の中心軸を通らないような位置関係に配置し、基材13前面にレーザ光の一部を遮るマスク16を配置する(図8(c))。この状態でレーザ光15を照射しアブレーション除去加工を行う。このときマスク16に形成された遮光部に相当する柱状の構造体17が形成される。レーザ光照射部の樹脂膜が除去されたら所定量円筒体基材を回転18等により位置を変え次の加工を行う。この操作を繰り返すと、円筒状基材13の半径方向に対して傾いた柱状構造体17を有し、それ以外の部分は導電表面が露出した基材が得られる(図8(d))。この基材に対して電気めっき等により金属膜を所定の厚さに形成した後、金属膜を基材から剥離して、目的とする金属膜を得ることができる。
ここで、レーザ照射は、マスクを介して樹脂膜表面に結像投影する方法によっても可能である(図2、図3参照)。また、レーザアブレーションに限らず円筒状基材表面にフォトレジスト膜を形成することでフォトリソグラフィーでも形成可能である。また、基板として可撓性の金属箔もしくはフィルム表面に導電処理を施したものを基板として用い、それを円筒状の支持材の外周に巻きつけて加工に供することもできる。この場合もその後の工程は前記と同様の工程を採用することができる。
このようにして得られた貫通孔を有する膜8は、金属であるため、取り扱い中に誤って落としても割れるなどの破損の心配はない。さらに、多くの液体に対して高い耐性を持つので、分散相や連続相にその材料的な制約がないばかりか使用の経過とともに生じる汚れの付着などに対しても多くの溶剤等の使用が可能であり、この溶剤を用いて洗浄に使用可能であるなど、繰返し使用が可能である。また、本実施形態の形成方法により得られる膜は金属製であり、厚さ100μm以下のような可とう性のある膜厚でも十分な強度を持っている。そのため、金属膜8を平板として用いた乳化法の説明を行ってきたが、図9に示すような分散相収容容器19を、曲面を有する構造とし、その壁面にこの膜8を固定する構造とすることも可能である。このような構造によれば分散相収容容器19を固定するための軸28を回転中心として分散相収容容器19を回転させること等により、連続相と金属膜8とは相対的に速度差が生じることもでき、連続相に流れベクトル12を形成したと同等の状態を作り出すことができる。
本実施形態では、金属膜を形成する方法として、電鋳を中心に説明したが、これは、本実施形態では、基板として導電性のものを使用しているので好ましいからであり、場合によっては、他の方法であってもよい。例えば、上記した無電解メッキ法、スパッタリング、CVDあるいはPVD法等の減圧下での形成などを挙げることができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の乳化用金属膜の形成方法によれば、形成すべき金属膜より厚い垂直断面を有する柱状の不溶性フォトレジスト膜または垂直断面を有する柱状の樹脂膜を作製した後に電気めっき等による金属膜形成により金属膜を形成することから、垂直断面を有する貫通孔を有する金属膜を形成することができ、この金属膜によれば粒径の均一な微粒子が得られるだけでなく、割れる恐れがなく、さらに様々な液体に対する耐性にも優れる。
また、本実施形態の乳化用金属膜の形成方法によれば、形成すべき膜より厚くかつ膜面に対して傾いた柱状の不溶性フォトレジスト膜または柱状の樹脂膜を作製した後に電気めっき等の金属膜形成により金属膜を形成することから、膜面に対して傾いた貫通孔を有する金属膜を形成することができ、この金属膜によれば貫通孔出口付近で大きな剪断力が得られ、より小粒径の微粒子を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態の記載に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
本発明の方法を用いることによって、平板状の多孔質の板材あるいは曲面を有する任意の導体膜(金属膜を含む)を形成して、乳化剤を形成できるので、多岐にわたる分野において応用可能性が高く、本発明の利用範囲は広い。
本発明の金属膜形成方法の一例を示す工程図(断面図)である。 本発明の金属膜形成方法に使用されるレーザ照射装置またはレーザアブレーション装置の構成例を示す概略図である。 マスクパターン(平板状)の一例を示す平面図である。 本発明で得られた金属膜を乳化装置に使用して乳化の際の粒子形成状態を説明するための第1模式図である。 本発明で得られた金属膜を乳化装置に使用して乳化の際の粒子形成状態を説明するための第2模式図である。 本発明で得られた他の金属膜を用いたときの乳化の状態を説明するための他の模式図である。 本発明の金属膜形成方法の他の工程例を示す図(断面図)である。 本発明の金属膜形成方法の他の工程例を示す図(断面図)である。 本発明の方法により得られた曲面を有する金属部材を用いて乳化を行う例を示す説明図(斜視図)である。
符号の説明
1 平面基板
2 フォトレジスト膜
3 フォトマスク
4 紫外線露光
5 柱状のレジスト構造体
6 めっき膜
7 貫通孔
8 貫通孔を有する金属膜
9 連続相
10 分散相
11 界面張力により球状になろうとする分散相
12 連続相に形成された流れ
13 円筒状基材
14 レーザでアブレーション可能な樹脂膜
15 レーザ光
16 マスク
17 柱状の構造体
18 回転方向を示す矢印
19 分散相収容容器
20 連続相収容容器
21 貫通孔
22 生成した粒子
23 レーザ光源
24 ビーム整形光学系
25 ミラー
26 投影光学系
27 金属膜に形成すべき開口形状に対応した遮光部
28 分散相収容容器を固定するための軸

Claims (8)

  1. 形成すべき金属膜より厚い垂直断面を有する柱状の不溶性フォトレジスト膜または垂直断面を有する柱状の樹脂膜を作製した後に金属膜を形成することによって、垂直断面を有する貫通孔を有する金属膜を形成することを特徴とする乳化用金属膜の形成方法。
  2. 基板の少なくとも一部が導電性の面に、形成される金属膜の厚さ以上の厚さにフォトレジスト膜を形成する膜形成工程と、
    前記フォトレジスト膜が形成された基板面上から平面状のフォトマスクを介して露光する露光工程と、
    露光されたフォトレジスト膜が形成された基板を現像液で処理する現像工程と、
    前記現像工程により形成された不溶性フォトレジスト膜を有する基板上に金属膜を析出させる金属膜形成工程と、
    前記金属膜を析出させた前記不溶性フォトレジスト膜を有する基板の前記不溶性フォトレジスト膜部分を除去する膜除去工程と、
    形成された金属膜と前記基板を分離する分離工程と、
    を有することを特徴とする乳化用金属膜の形成方法。
  3. 前記露光工程において、前記露光の光軸方向と前記基板面の法線方向とが異なるように配置して露光することを特徴とする請求項2に記載の乳化用金属膜の形成方法。
  4. 前記導電性の面は曲面であり、前記露光工程において、前記露光の光軸方向と前記曲面の法線方向とが異なるように配置して露光することを特徴とする請求項2に記載の乳化用金属膜の形成方法。
  5. 基板の少なくとも一部が導電性の面に、レーザアブレーション可能な樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程と、
    前記樹脂膜が形成された基板面上から平面状のマスクを介して前記樹脂膜にレーザを照射してレーザアブレーションを行って前記基板面に所定のパターンの樹脂膜を形成するパターン膜形成工程と、
    形成された所定のパターンの樹脂膜が形成された基板面上に金属膜を析出させる金属膜形成工程と、
    形成された前記金属膜と前記所定のパターンの樹脂膜が形成された基板を分離する基板分離工程と、
    を有することを特徴とする乳化用金属膜の形成方法。
  6. 前記パターン膜形成工程の際に、前記照射レーザの光軸と前記基板面の法線方向とが異なるように配置してレーザアブレーションすることを特徴とする請求項5に記載の乳化用金属膜の形成方法。
  7. 前記導電性の面は曲面であり、前記パターン膜形成工程の際に、前記照射レーザの光軸と前記曲面の法線方向とが異なるように配置してレーザアブレーションすることを特徴とする請求項5に記載の乳化用金属膜の形成方法。
  8. 前記貫通孔が前記金属膜の表裏で同一形状となるように形成することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の乳化用金属膜の形成方法。
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