JP2007065966A - 河川汚濁負荷源推定装置、方法、およびプログラム - Google Patents

河川汚濁負荷源推定装置、方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】多くの時間や経費負担を必要とすることなく十分な推定精度を得る。
【解決手段】パターンマッチング分析手段15Bにより、河川流域内の各地区22における降水量の時系列変化を示す降水量データと任意の河川観測点21での河川汚濁負荷量の時系列変化を示す河川汚濁負荷量データとをそれぞれパターンマッチング分析し、これら分析により得られた各地区のパターン一致度を河川観測点21における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布として出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、河川汚濁負荷源推定技術に関し、特に所定の河川観測点における河川汚濁負荷の発生源を推定する河川汚濁負荷源推定技術に関する。
近年、自然の水循環系に対する環境負荷の増大が問題となっている。河川事業では、河川の環境保全事業において河川の水質汚濁を管理し低減することが重要視されている。したがって、河川観測点から上流に位置する河川汚濁負の発生源すなわち河川汚濁源を正確に特定して、効率よく河川汚濁負荷への対策を実施することが必要とされている。
河川水質に影響を与える河川汚濁負荷源は、その河川の上流域で日常堆積するノンポイント(非点源)汚濁負荷と、下水処理場からの処理水などのポイント(点源)汚濁負荷に大別される。
ポイント汚濁負荷についてはその下水処理場などの設備で汚濁負荷量を計測することにより容易に特定できるが、このような設備を通らずに降雨時に直接河川に流入するノンポイント汚濁負荷の発生源を特定することは難しい。
従来、河川汚濁負荷源を特定する方法として、河川の合流点などに多くの観測点を設け、これら観測点で計測した河川汚濁負荷量を比較することにより、汚濁負荷を発生させている地域を絞り込む方法が考えられる。
しかしながら、環境保全事業として河川汚濁負荷への対策を実施できる程度まで、絞り込みの精度を高めるためには、多くの観測点で河川汚濁負荷を計測する必要がある。このため、このような多くの観測点での河川汚濁負荷の計測に要する設備的さらには人的経費負担は飛躍的に増大する。
これに対して、従来、任意の流出解析モデルを用いて、雨水によるノンポイント汚濁負荷の影響を考慮した分布型汚濁負荷流出モデルを構築する河川汚濁負荷推定技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。このような河川汚濁負荷推定技術では、任意の河川観測点における河川汚濁負荷量を推定する場合、所望の推定河川汚濁負荷量に影響を与える降雨地域すなわち降雨影響範囲において、ノンポイント負荷源として想定されうる全てのポイントを入力し、河川への水の流れ過程をシミュレーションし、最終的な出力とバランスをとって汚濁負荷源を推定している。
http://www.isc-wtg.co.jp/business/pdf/11.pdf、「流出解析モデルの活用による効率的下水道システムの提案」、国際水道コンサルタント株式会社
しかしながら、このような従来技術では、例えば降雨損失モデル、表面流出モデル、管内推理モデル、汚濁負荷量モデルなど、複数のモデルを組み合わせて利用しているため、これらモデルの構築に多くのデータと作業が必要となり、多くの時間や経費負担を必要とするという問題点があった。また、各モデルにおける数多くの推定や仮定を経るため、十分な推定精度が得られないという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、多くの時間や経費負担を必要とすることなく十分な推定精度が得られる河川汚濁負荷源推定装置、方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる河川汚濁負荷源推定装置は、河川水の汚濁負荷源を推定する河川汚濁負荷源推定装置であって、河川流域内の各地区における降水量の時系列変化を示す降水量データと任意の河川観測点での河川汚濁負荷量の時系列変化を示す河川汚濁負荷量データとをそれぞれパターンマッチング分析し、これら分析により得られた各地区のパターン一致度を河川観測点における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布として出力するパターンマッチング分析部を備えている。
この際、パターン一致度として、降水量データと河川汚濁負荷量データとの相関値を用いてもよい。
また、パターンマッチング分析部で、当該地区から河川観測点まで雨水が流達するのに要する時間差を補正してパターン一致度を算出するようにしてもよく、あるいは、当該降水量データと河川汚濁負荷量データの時間位置を順次シフトさせてそれぞれパターン一致度を算出し、これらパターン一致度のうち最大値を当該地区のパターン一致度として選択するようにしてもよい。
また、河川汚濁負荷量データと河川観測点での非雨天における河川汚濁負荷量の時系列変化を示す非雨天汚濁負荷量データとの差から雨天汚濁負荷量データを算出する雨天汚濁負荷量算出手段をさらに備え、パターンマッチング分析手段は、パターンマッチング分析の際、雨天汚濁負荷量データを河川汚濁負荷量データとして用いるようにしてもよい。
また、各地区のパターン一致度を補間演算することにより各地区間におけるパターン一致度を補間データとして算出し、得られた補間データを用いて汚濁負荷源の分布を示す等高線データを出力する等高線データ算出手段をさらに備えてもよい。
また、本発明にかかる河川汚濁負荷源推定方法は、河川水の汚濁負荷源を推定する河川汚濁負荷源推定装置で用いられる河川汚濁負荷源推定方法であって、河川流域内の各地区における降水量の時系列変化を示す降水量データと任意の河川観測点での河川汚濁負荷量の時系列変化を示す河川汚濁負荷量データとをそれぞれパターンマッチング分析するステップと、これら分析により得られた各地区のパターン一致度を河川観測点における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布として出力するステップとを備えている。
また、本発明にかかるプログラムは、河川水の汚濁負荷源を推定する河川汚濁負荷源推定装置のコンピュータに、河川流域内の各地区における降水量の時系列変化を示す降水量データと任意の河川観測点での河川汚濁負荷量の時系列変化を示す河川汚濁負荷量データとをそれぞれパターンマッチング分析するステップと、これら分析により得られた各地区のパターン一致度を河川観測点における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布として出力するステップとを実行させる。
本発明によれば、河川流域内の各地区における降水量の時系列変化を示す降水量データと任意の河川観測点での河川汚濁負荷量の時系列変化を示す河川汚濁負荷量データとがそれぞれパターンマッチング分析されて、これら分析により得られた各地区のパターン一致度が河川観測点における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布として出力されるため、汚濁負荷の計測は河川観測点での1カ所のみでよく、河川合流点ごとに汚濁負荷を計測する場合と比較して、作業負担さらにはコスト負担を大幅に削減できる。
また、複数のモデルを組み合わせて分析する場合と比較して、モデルの構築に要するデータや作業が不要となり時間や経費負担を削減できるとともに、これらモデルにおける推定や仮定を経ないため十分な推定精度が得られる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態にかかる河川汚濁負荷源推定装置について説明する。図1は、本発明の一実施の形態にかかる河川汚濁負荷源推定装置の構成を示すブロック図である。
河川汚濁負荷源推定装置1は、全体として、入力された処理情報に対して演算処理を行うことにより所望の情報を出力するパーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなり、河川流域内の各地区における降水量と河川観測点での河川汚濁負荷量とから、河川観測点での河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源を推定する機能を有している。
また、河川汚濁負荷源推定装置1は、通信網5を介して、気象データ計測システム2、汚濁負荷量測定器3、あるいは汚濁負荷量推定装置4と接続され、必要に応じて、降水量データや河川汚濁負荷量データなどの汚濁負荷源の推定に必要な各種データを取得する。
本実施の形態は、河川流域に分布するノンポイント汚濁負荷のほとんどが各地区に堆積した塵や埃などの堆積物からなり、これら堆積物が各地区に降った雨水によって運ばれて河川に流入し、河川観測所に集められて汚濁負荷量として計測されることに着目し、河川汚濁負荷源推定装置1により、河川流域内の各地区における降水量の時系列変化を示す降水量データと任意の河川観測点での河川汚濁負荷量の時系列変化を示す河川汚濁負荷量データとをそれぞれパターンマッチング分析し、これら分析で得られた各地区のパターン一致度を河川観測点における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布として出力するようにしたものである。
なお、本実施の形態で用いる河川汚濁負荷量としては、COD(化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)、またはこれに類似する汚濁負荷指標の総量(単位時間あたり)を計測したものとする。
また、本実施の形態において、非雨天時とは、河川観測点の降雨影響範囲全域にわたって降雨が観測されていない状態をいい、雨天時とは、河川観測点の降雨影響範囲内のいずれかで降雨が観測されている状態、およびその降雨の影響が及ぶ時間をいう。また全天時とは、非雨天時および雨天時を含めた状態をいう。
[河川汚濁負荷源推定装置の構成]
次に、図1を参照して、本発明の一実施の形態にかかる河川汚濁負荷推定システムで用いられる河川汚濁負荷源推定装置の構成について詳細に説明する。
河川汚濁負荷源推定装置1には、機能部として、入力部11、画面表示部12、操作入力部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。
入力部11は、専用インターフェース回路部からなり、通信網5や外部の装置または記録媒体から汚濁負荷源推定処理に用いる処理情報その他のデータを取り込む機能と、取り込んだデータを記憶部14へ保存する機能とを有している。
この入力部11で取り込まれる主な処理情報としては、降水量データを含む気象データや汚濁負荷量データさらには非雨天汚濁負荷量データがある。
画面表示部12は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、演算処理部15からの指示に応じて、操作メニューや汚濁負荷源推定分布などの各種情報を画面表示する機能を有している。
操作入力部13は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して演算処理部15へ出力する機能を有している。
記憶部14は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置からなり、演算処理部15での汚濁負荷源推定処理に用いる各種処理情報やプログラム14Pを記憶する機能を有している。なお、プログラム14Pは、予め外部装置や記録媒体からインターフェース部(図示せず)を介して読み込まれ予め記憶部14に格納される。
記憶部14で記憶される主な処理情報としては、気象データ14A、河川汚濁負荷量データ14B、非雨天汚濁負荷量データ14C、雨天汚濁負荷量データ14D、汚濁負荷源推定分布データ14E、および等高線データ14Fがある。
図2は、河川観測点と各地区との関係を示す説明図である。本実施の形態では、推定対象となる河川20に設けられた河川観測点21を基準地点とし、この河川観測点21から上流側の降雨影響範囲をメッシュ状に分割して各地区22を設けている。
気象データ14Aは、各地区22において計測された降水量、気温、さらには日照などの気象環境に関する情報の時系列変化を示す時系列データである。
河川汚濁負荷量データ14Bは、河川観測点21で計測された河川汚濁負荷量の時系列変化を示す時系列データである。
非雨天汚濁負荷量データ14Cは、河川観測点21で非雨天時に計測された河川汚濁負荷量の時系列変化を示す時系列データである。
雨天汚濁負荷量データ14Dは、河川観測点21における雨天時の河川汚濁負荷量の時系列変化を示す時系列データであり、演算処理部15により、河川汚濁負荷量データ14Bと非雨天汚濁負荷量データ14Cとの差から算出される。
汚濁負荷源推定分布データ14Eは、河川観測点21での汚濁負荷量に対する各地区22の影響の大きさを示すデータであり、演算処理部15により、雨天汚濁負荷量データ14Cと各地区22の降水量データとのパターン一致度から算出される。
等高線データ14Fは、汚濁負荷源推定分布データ14Eを滑らかな等高線により表現したデータであり、演算処理部15により、汚濁負荷源推定分布データ14Eを補完して算出される。
演算処理部15は、CPUやDSPなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部14からプログラム14Pを読み込んで実行することにより各種機能手段を実現する機能を有している。
演算処理部15で実現される主な機能手段としては、雨天汚濁負荷量算出手段15A、パターンマッチング分析手段15B、および等高線データ算出手段15Cがある。
雨天汚濁負荷量算出手段15Aは、河川汚濁負荷量データ14Bと非雨天汚濁負荷量データ14Cとの差から雨天汚濁負荷量データ14Dを算出する機能を有している。
パターンマッチング分析手段15Bは、各地区22の気象データ14Aに含まれている降水量データと雨天汚濁負荷量データ14Dとをそれぞれパターンマッチング分析する機能と、これら分析により得られた各地区のパターン一致度を河川観測点21における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布データ14Eとして出力する機能とを有している。
等高線データ算出手段は、汚濁負荷源推定分布データ14Eとして記憶されている各地区22のパターン一致度を補間演算することにより各地区22の間領域におけるパターン一致度を補間データとして算出する機能と、得られた補間データを用いて汚濁負荷源の分布を示す等高線データ14Fを出力する機能とを有している。
[汚濁負荷源推定装置の動作]
次に、図3を参照して、本発明の一実施の形態にかかる汚濁負荷源推定装置の動作について説明する。図3は、本発明の一実施の形態にかかる汚濁負荷源推定装置での汚濁負荷源推定処理を示すフローチャートである。
汚濁負荷源推定装置1の演算処理部15は、操作入力部13からのオペレータ指示に応じて、記憶部14からプログラム14Pを読み込んで実行することにより、図3の汚濁負荷源推定処理を開始する。
なお、記憶部14には、気象データ14Aや河川汚濁負荷量データ14Bさらには非雨天汚濁負荷量データ14Cが入力部11を介して予め取り込まれて格納されているものとする。
まず、演算処理部15は、雨天汚濁負荷量算出手段15Aにより、記憶部14の河川汚濁負荷量データ14Bと非雨天汚濁負荷量データ14Cとを読み込み、時刻ごとに両者の差を算出することにより、雨天汚濁負荷量データ14Dを算出する(ステップ100)。
図4は、河川汚濁負荷量データを示すグラフである。河川観測点21で計測された河川汚濁負荷量データ14Bには、降雨のあった地区22から運ばれた汚濁負荷だけでなく、降雨のない地区22から運ばれた非雨天における汚濁負荷、すなわち非雨天汚濁負荷量データ14Cも含まれている。これに対して、降水量データは、図5に示すように、地区22の降雨のみを示している。したがって、単に河川汚濁負荷量データ14Bと各地区22の降水量データとを比較すると誤差を生じる場合があり、パターンマッチ分析の精度低下の原因となりうる。
雨天汚濁負荷量算出手段15Aでは、このような誤差を低減するため、図6に示すように、河川汚濁負荷量データ14Bから非雨天汚濁負荷量データ14Cを減算した雨天汚濁負荷量データ14Dを求めている。この雨天汚濁負荷量データ14Dは、図5の降水量データと同様に、非雨天時におけるデータ(負荷量)がゼロに近い値を示している。
これにより、河川汚濁負荷量データ14Bに含まれる、非雨天時の河川汚濁負荷量に起因する誤差を低減できる。特に、非雨天時における河川汚濁負荷量は、図4にも表れているように、非雨天期間が継続するに連れて上昇する。これは、非雨天による乾燥に起因して塵や埃が発生しやすくなることが原因と推察される。したがって、パターンマッチング分析の際、河川汚濁負荷量データ14Bと降水量データとを比較してもよいが、河川汚濁負荷量データ14Bに代えて雨天汚濁負荷量データ14Dを用いることにより、パターンマッチ分析の精度を高くできる。
非雨天汚濁負荷量データ14Cについては、雨天期間において計測することができないため、例えば汚濁負荷推定装置4で推定された値を用いればよい。なお、非雨天時における河川観測点21での河川汚濁負荷量の平均値や、雨天期間(降雨)開始直前における河川観測点21での河川汚濁負荷量を非雨天汚濁負荷量データ14Cとして用いてもよく、雨天期間の開始直前と終了時における河川汚濁負荷量から補間した値を非雨天汚濁負荷量データ14Cとして用いてもよい。
次に、演算処理部15は、パターンマッチング分析手段15Bにより、各地区22のうちパターンマッチング処理が未処理の任意の地区を対象地区Xとして選択し(ステップ101)、この対象地区Xの降水量データW(X)と雨天汚濁負荷量データP(14D)とのパターンマッチング処理を行い、そのマッチングの度合いを示す指標として、両者の最大パターン一致度Cmax(X)を算出する(ステップ102)。この際、パターンマッチング分析の具体例としては、パターン一致度として両者の相関値を求める相関分析のほか、DPマッチング(Dynamic Programming:動的計画法)分析など、一般的な分析手法を用いればよい。
図7は、パターンマッチング処理を示す説明図である。パターンマッチングの際、いずれか一方、例えば降水量データW(X)を時間軸上で順次シフトさせて両者のパターン一致度C(X)をそれぞれ求め、その最大パターン一致度Cmax(X)を両者のパターン一致度として選択し、汚濁負荷源推定分布データ14Eとして記憶部14へ格納する。
図8は、汚濁負荷源推定分布データの構成例であり、各地区ごとに算出された最大パターン一致度が対応付けられている。この最大パターン一致度は、当該地区の降水量と河川観測点21での汚濁負荷量の時系列変化における類似性を示しており、最大パターン一致度がゼロに近いほど両者の関連性(類似性)が弱く、当該地区における汚濁負荷の発生が比較的少ないことがわかる。また、最大パターン一致度が1に近いほど両者の関連性(類似性)が強く、当該地区における汚濁負荷の発生が比較的多いことがわかる。
この際、最大パターン一致度Cmax(X)が得られたときの降水量データW(X)と雨天汚濁負荷量データPの時間シフト量は、対象地区Xから河川観測点Pまでの雨水流達時間に相当する。したがって、雨水の流達時間を地区ごとに予め用意しておき、対応する地区の流達時間を用いて両データの時間差を補正してもよい。また、両データのピークの時刻差から得た時間差に基づき両データの時間差を補正してもよく、地区ごとに時間差を用意することなく両データの時間差を補正できる。
また、分析する降水量データW(X)と雨天汚濁負荷量データPとしては、数年間にわたって計測した河川流量および降水量のデータ列をそれぞれパターンとして用いることにより、高い精度でマッチング分析を行うことができる。
パターンマッチング分析手段15Bは、このようにして、すべての地区についてパターンマッチング処理が終了したか判断し(ステップ103)、未処理の地区が存在する場合には(ステップ103:YES)、ステップ101へ戻って未処理の地区に対するパターンマッチング処理を繰り返す。
一方、すべての地区についてパターンマッチング処理が終了した場合(ステップ103:NO)、演算処理部15は、等高線データ算出手段15Cにより、記憶部14の汚濁負荷源推定分布データ14Eを読み込んで、各地区のパターン一致度を補間演算して、各地区の間地点におけるパターン一致度を補間情報として生成するとともに(ステップ104)、これら補間情報を用いて汚濁負荷源推定分布を示す等高線データ14Fを算出し(ステップ105)、その等高線データ14Fを画面表示部12へグラフとして画面表示して(ステップ106)、一連の汚濁負荷源推定処理を終了する。
図9は、不明水発生分布データの画面表示例(コンター図)である。ここでは、各地区でのパターン一致度が等高線により表示されており、汚濁負荷発生相関の強弱に応じて色分け表示されている。この例では、特に破線で囲まれた領域ほどパターン一致度が高く、汚濁負荷が多く発生していることを示している。なお、等高線データの算出手法については、数多くの手法が提案されており、公知の手法を用いればよい。
このように、本実施の形態は、河川流域内の各地区における降水量の時系列変化を示す降水量データと任意の河川観測点での河川汚濁負荷量の時系列変化を示す河川汚濁負荷量データとをそれぞれパターンマッチング分析し、これら分析により得られた各地区のパターン一致度を河川観測点における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布として出力するようにしたので、汚濁負荷の計測は河川観測点での1カ所のみでよく、河川合流点ごとに汚濁負荷を計測する場合と比較して、作業負担さらにはコスト負担を大幅に削減できる。
また、複数のモデルを組み合わせて分析する場合と比較して、モデルの構築に要するデータや作業が不要となり時間や経費負担を削減できるとともに、これらモデルにおける推定や仮定を経ないため十分な推定精度が得られる。
また、パターン一致度として、降水量データと河川汚濁負荷量データとの相関値を用いるようにしたので、複雑な演算処理を必要とすることなく、両者の類似性を示す指標を容易に算出できる。
また、パターンマッチングの際、当該地区から河川観測点まで雨水が流達するのに要する時間差を補正して、より具体的には、当該降水量データと河川汚濁負荷量データの時間位置を順次シフトさせてそれぞれパターン一致度を算出し、これらパターン一致度のうち最大値を当該地区のパターン一致度として選択するようにしたので、高い精度で降水量データと河川汚濁負荷量データの類似性を把握できる。
また、河川汚濁負荷量データと河川観測点での非雨天における河川汚濁負荷量の時系列変化を示す非雨天汚濁負荷量データとの差から雨天汚濁負荷量データを算出し、パターンマッチング分析の際、この雨天汚濁負荷量データを河川汚濁負荷量データとして用いるようにしたので、河川観測点で実際に計測された河川汚濁負荷量データに含まれている非雨天時の河川汚濁負荷量に起因するパターンマッチング分析の誤差を低減できる。
また、各地区のパターン一致度を補間演算することにより各地区間におけるパターン一致度を補間データとして算出し、得られた補間データを用いて汚濁負荷源の分布を示す等高線データを出力するようにしたので、地区ごとに1つずつ求めたパターン一致度から得られる離散的な分布と比較して、地区間の領域におけるパターン一致度を連続的に表現することができ、河川汚濁負荷源の位置を特定しやすい。
なお、以上では、河川や各地区から河川までの経路における雨水の蒸発については、考慮していないが、各地区の気象データ14Aに含まれる気温データなどを元にして上記蒸発量を算出し、降水量データや汚濁負荷両データを補正してもよい。これにより、パターンマッチング分析の精度を向上できる。
本発明の一実施の形態にかかる河川汚濁負荷源推定装置の構成を示すブロック図である。 河川観測点と各地区との関係を示す説明図である。 本発明の一実施の形態にかかる汚濁負荷源推定装置での汚濁負荷源推定処理を示すフローチャートである。 非雨天汚濁負荷量データを示すグラフである。 降水量データを示すグラフである。 雨天汚濁負荷量データを示すグラフである。 パターンマッチング処理を示す説明図である。 汚濁負荷源推定分布データの構成例である。 等高線データの画面表示例である。
符号の説明
1…河川汚濁負荷源推定装置、11…入力部、12…画面表示部、13…操作入力部、14…記憶部、14A…気象データ、14B…汚濁負荷量データ、14C…非雨天汚濁負荷量データ、14D…雨天汚濁負荷量データ、14E…汚濁負荷源推定分布データ、14F…等高線データ、14P…プログラム、15…演算処理部、15A…雨天汚濁負荷量算出手段、15B…パターンマッチング分析手段、15C…等高線データ算出手段、20…河川、21…河川観測点、22…地区、2…気象データ計測システム、3…汚濁負荷計測器、4…汚濁負荷推定装置、5…通信網。

Claims (8)

  1. 河川水の汚濁負荷源を推定する河川汚濁負荷源推定装置であって、
    河川流域内の各地区における降水量の時系列変化を示す降水量データと任意の河川観測点での河川汚濁負荷量の時系列変化を示す河川汚濁負荷量データとをそれぞれパターンマッチング分析し、これら分析により得られた各地区のパターン一致度を前記河川観測点における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布として出力するパターンマッチング分析部を備えることを特徴とする河川汚濁負荷源推定装置。
  2. 請求項1に記載の河川汚濁負荷源推定装置において、
    前記パターン一致度は、前記降水量データと前記河川汚濁負荷量データとの相関値からなることを特徴とする河川汚濁負荷源推定装置。
  3. 請求項1において、
    前記パターンマッチング分析部は、当該地区から前記河川観測点まで雨水が流達するのに要する時間差を補正して前記パターン一致度を算出することを特徴とする河川汚濁負荷源推定装置。
  4. 請求項1において、
    前記パターンマッチング分析部は、当該降水量データと河川汚濁負荷量データの時間位置を順次シフトさせてそれぞれパターン一致度を算出し、これらパターン一致度のうち最大値を当該地区のパターン一致度として選択することを特徴とする河川汚濁負荷源推定装置。
  5. 請求項1において、
    前記河川汚濁負荷量データと前記河川観測点での非雨天における河川汚濁負荷量の時系列変化を示す非雨天汚濁負荷量データとの差から雨天汚濁負荷量データを算出する雨天汚濁負荷量算出手段をさらに備え、
    前記パターンマッチング分析手段は、前記パターンマッチング分析の際、前記雨天汚濁負荷量データを前記河川汚濁負荷量データとして用いる
    ことを特徴とする河川汚濁負荷源推定装置。
  6. 請求項1において、
    前記各地区のパターン一致度を補間演算することにより前記各地区間におけるパターン一致度を補間データとして算出し、得られた補間データを用いて前記汚濁負荷源の分布を示す等高線データを出力する等高線データ算出手段をさらに備えることを特徴とする河川汚濁負荷源推定装置。
  7. 河川水の汚濁負荷源を推定する河川汚濁負荷源推定装置で用いられる河川汚濁負荷源推定方法であって、
    河川流域内の各地区における降水量の時系列変化を示す降水量データと任意の河川観測点での河川汚濁負荷量の時系列変化を示す河川汚濁負荷量データとをそれぞれパターンマッチング分析するステップと、
    これら分析により得られた各地区のパターン一致度を前記河川観測点における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布として出力するステップと
    を備えることを特徴とする河川汚濁負荷源推定方法。
  8. 河川水の汚濁負荷源を推定する河川汚濁負荷源推定装置のコンピュータに、
    河川流域内の各地区における降水量の時系列変化を示す降水量データと任意の河川観測点での河川汚濁負荷量の時系列変化を示す河川汚濁負荷量データとをそれぞれパターンマッチング分析するステップと、
    これら分析により得られた各地区のパターン一致度を前記河川観測点における河川汚濁負荷に影響する汚濁負荷源推定分布として出力するステップと
    を実行させるプログラム。
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