JP2007062330A - 熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、難燃性、耐熱性、機械特性に優れ、かつ埋立、燃焼などの廃棄時においては、重金属化合物の溶出や、多量の煙、有害性ガスの発生がなく、昨今の環境問題に対応した熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、(e)金属水和物30〜300質量部、(f)(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤0〜2.0質量部を含有する混合物を溶融混練して樹脂組成物とする第一工程と、前記熱可塑性樹脂成分100質量部に対して0.02〜1.0質量部の(g)有機パーオキサイドを樹脂に分散させる第二工程と、第一工程及び第二工程で得られた樹脂組成物を、有機パーオキサイド分解温度以上で加熱しながら成形する第三工程よりなることを特徴とする熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法に関し、詳しくは、重金属化合物の溶出や、多量の煙、有害ガスの発生がなく、使用後のリサイクルが可能であり、かつ特別な架橋設備を必要としない熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法に関する。
近年、環境への配慮からノンハロゲンの難燃材料が検討されている。ノンハロゲンの難燃材料は、ハロゲンを含有しない難燃剤を樹脂に配合することで難燃性を発現させており、例えば、エチレン共重合体等の樹脂に難燃剤として水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水和物を多量に配合した材料が配線材などに使用されている。
電気・電子機器の配線材に求められる難燃性、耐熱性、機械特性(例えば引張特性、耐摩耗性)などの規格は、UL、JISなどで規定されている。特に、難燃性に関しては、要求水準(その用途)などに応じてその試験方法が変わってくる。したがって実際は、少なくとも要求水準に応じた難燃性を有すればよい。例えば、UL1581(電線、ケーブルおよびフレキシブルコードのための関連規格(Reference Standard for Electrical Wires,Cables and Flexible Cords))に規定される垂直燃焼試験(Vertical Flame Test)(VW−1)や、JIS C 3005(ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法)に規定される水平試験や傾斜試験に合格する難燃性などがそれぞれ挙げられる。
この中で、これまで、ノンハロゲン難燃材料に、VW−1や傾斜試験に合格するような高度の難燃性を付与する場合、樹脂成分100重量部に対して、難燃剤である金属水和物を150〜200重量部配合する必要があり、この結果として、被覆材料の引張特性や耐摩耗性などの機械特性が著しく低下するという問題があった。
また、電気・電子機器に使用される成形体については、連続使用の状態で80℃〜105℃の耐熱性が要求される場合がある。
このような場合、配線材に高耐熱性を付与することを目的として、被覆材料を電子線架橋法や化学架橋法などによって架橋する方法がとられている。
しかしながら、架橋処理された配線材は、被覆材料の耐熱性が向上している反面、その再溶融が不可能であるため、再利用が難しく、リサイクル性が悪いことが指摘されている。例えば、導体に使用されている金属を回収する場合にも、被覆材を燃焼するなどしなければならない場合が多く、従来のハロゲン又はリンを含有する被覆材に伴う前記環境への問題を避けることができない。さらに電子線架橋設備や化学架橋設備など特別の設備を準備しなければならず、設備費や成形体のコスト高を招き汎用性を低下させる要因となる。
一方、前述のような架橋を行わない成形体で80℃〜105℃程度の耐熱性を実現する方法としては、ポリプロピレン系樹脂など高い融点を有する樹脂を用いる方法がある。しかし、このような樹脂は、耐熱性は良好であるものの、柔軟性に乏しく、それを被覆した成形体を折り曲げた場合、表面が白化する現象がみられる。
そこで、架橋と非架橋の中間の性質を有するように、樹脂の一部分を架橋させた部分架橋コンパウンドをもちいて、配線材の被覆層を形成する検討が行われている。しかし成形時にすでに材料の一部分が架橋されているため成形時の負荷が高く、例えば金属水和物の配合量が多い材料は量産性が悪く、特別な設備を準備する必要があった。
特開2000−315424号公報 特開2001−316537号公報 特開2002−114878号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、成形時の負荷が低く、量産性に優れ、特別な設備を用いることなく成形体を製造することが可能な熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、
(1)(a)ポリオレフィン樹脂、(b)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、(c)スチレン系エラストマーからなる群の少なくとも1種の樹脂60〜100質量%、(d)可塑剤及び/又はオイル0〜40質量%を含有する熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、(e)金属水和物30〜300質量部、(f)(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤0〜2.0質量部を含有する混合物を溶融混練して樹脂組成物とする第一工程と、前記熱可塑性樹脂成分100質量部に対して0.02〜1.0質量部の(g)有機パーオキサイドを樹脂に分散させる第二工程と、第一工程及び第二工程で得られた樹脂組成物を、有機パーオキサイド分解温度以上で加熱しながら成形する第三工程よりなることを特徴とする熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法、
(2)(a)ポリオレフィン樹脂、(b)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、(c)スチレン系エラストマーからなる群の少なくとも1種の樹脂60〜100質量%、(d)可塑剤及び/又はオイル0〜40質量%を含有する熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、(e)金属水和物30〜300質量部、(f)(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤0〜2.0質量部を含有する組成物を溶融混練して樹脂組成物を得た後に、前記熱可塑性樹脂成分100質量部に対して0.02〜1.0質量部の(g)有機パーオキサイドを分散させると同時に有機パーオキサイド分解温度以上で加熱しながら成形することを特徴とする熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法、
(3)前記金属水和物の50質量%以上がシラン処理剤で処理されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法、
(4)前記シラン処理剤が、末端に反応性基を有することを特徴とする(3)に記載の熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法、
(5) 前記金属水和物が水酸化マグネシウムであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法、
(6)前記熱可塑性部分架橋樹脂成形体が押出成形により成形されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法、
を提供するものである。
本発明の製造方法は、樹脂成形時に、成形と同時に部分架橋を行うことにより、押出成形に特別な設備を必要とすることなく、熱可塑性部分架橋樹脂成形体を得ることが可能な製造方法である。
さらに本発明の製造方法は、成形時の負荷が低く、量産性も高い優れた熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法である。
本発明においては成形体成型時において微少な架橋を行っているため、予め微少な架橋を行ったコンパウンドを成形する場合よりも大幅に成形時の負荷を低減することが出来る。そのため、架橋助剤を使用せずとも成形することが可能である。さらに架橋助剤を添加した場合には、押出開始時において架橋助剤が反応していないため、滑剤としても働き、押出負荷を大幅に低下することが出来る。
以下に本発明に使用する各成分を詳細に説明する。
(a)ポリオレフィン樹脂
本発明においてはポリオレフィン樹脂を使用することができる。
本発明において用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、二元共重合体アクリルゴムおよび三元共重合体アクリルゴム等が挙げられる。
具体的には例えば、NUCポリエチレン(商品名、日本ユニカー(株)製)、サンアロマー(商品名、サンアロマー(株)製)、エバフレックス(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)、ベイマック(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)などが挙げられる。
本発明のポリオレフィン樹脂としては、1種類のみを使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
(b)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂
本発明においては、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィンを使用することができる。
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィンとは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・αオレフィン共重合体や、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体等を不飽和カルボン酸やその誘導体で変性した樹脂のことであり、変性に用いられる不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、アクリル酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸、アクリル酸エステルなどがある。ポリオレフィンの変性は、例えば、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸等を有機パーオキサイドの存在下に溶融、混練することにより行うことができる。カルボン酸の変性量は通常0.5〜7重量%程度である。
本発明においては、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィンとして、いずれか1種のみを使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
具体的には例えば、アドテックス(商品名、日本ポリオレフィン(株)製)、P−1002(商品名、クロンプトン社製)などが挙げられる。
不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンは樹脂とフィラーの接着、エチレン系共重合体とスチレン系エラストマー、スチレン系グラフトマー、エチレンプロピレンゴムの相溶化剤としての効果があり、電気特性の向上や浸水させたときの絶縁抵抗の低下を抑える効果やコンパウンドの強度を高める効果がある。
(c)スチレン系エラストマー
本発明においてはスチレン系エラストマーを使用することができる。
スチレン系エラストマーとしては、スチレンの重合体ブロックSと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体、ランダム共重合体又はこれを水素添加して得られるもの、あるいはこれらの混合物等を挙げることができる。具体的には例えばダイナロン(商品名、JSR(株)製)などが挙げられる。
これらの共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル・1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
本発明においてスチレン系エラストマーを加える場合、樹脂成分100重量%中のうち好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは5〜30質量%である。スチレン系エラストマーの量が多すぎると被覆材の押し出し加工性が著しく低下するだけではなく、伸び特性や強度が著しく低下する。
本発明においては、前記(a)、(b)および(c)からなる群の少なくとも1種の樹脂を使用する。本発明においては、(a)、(b)および(c)成分のいずれか1種を使用しても、2種以上を併用してもよい。
(d)可塑剤及び/又はオイル
本発明において可塑剤及び/又はオイルなどの非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤を用いることができる。具体的には例えば、ダイアナプロセスPW90(商品名、出光興産(株)製)等が挙げられる。可塑剤及び/又はオイルはアクリルゴムやスチレン系エラストマーと共用して使用することにより、ブリードを抑え柔軟性を発揮することが出来る。
成分(d)の配合量は、0〜40質量%であり、好ましくは、0〜15質量%である。配合量が多すぎると、可塑剤及び/又はオイルがブリードアウトし、成形体に粘着性を与えるおそれがあり、機械的性質が低下する場合がある。
(e)金属水和物
本発明において用いられる金属水和物としては、特に限定はしないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する化合物を単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。中でも水酸化マグネシウムの使用が好ましい。
本発明の金属水和物においては、表面処理を施しても良い。特にシランカップリング剤にて表面処理を施した金属水和物の使用が好ましい。シランカップリング剤で表面処理を施した金属水和物としては、例えば「キスマ5L」(商品名、協和化学(株)製)などが挙げられる。
金属水和物の処理に用いるシランカップリング剤としては、末端に反応性基を有するものが好ましい。末端に反応性基を有するシランカップリング剤としては、ビニル基等の2重結合を末端に有するシランカップリング剤やアミノ基やエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤で表面処理を行うに当たっては、末端に反応性基を有するシランカップリング剤とその他のシランカップリング剤を併用させても良いし、ビニル基、エポキシ基、アミノ基等、異なる反応性基を末端に有するシランカップリング剤を2種以上併用しても良い。またステアリン酸等の脂肪族の表面処理剤を併用しても良い。
前記末端に反応性基を有するシランカップリング剤としてはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また前記シランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウムは2種類以上混合して使用しても良いし、その他の処理剤で表面処理された水酸化マグネシウムや無処理の水酸化マグネシウムと混合して使用しても良い。
本発明においては、用いる金属水和物の少なくとも50%以上がシランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウムを用いることが好ましく、さらに好ましくは用いる金属水和物の少なくとも50%以上が反応性基を末端に有するシランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウムを用いた方が良い。それにより、得られる難燃性樹脂組成物やそれで被覆した配線材の引張強度を向上させることができるだけでなく、水酸化マグネシウムを大量に加えても力学的特性の低下しない樹脂組成物を得ることができる。さらに樹脂組成物成形体に傷がつきにくい等の利点が生じる。また前記反応性基を末端に有するシランカップリング剤で表面処理を行った水酸化マグネシウムを用いることにより、樹脂組成物の耐低温性を大幅に向上させることが可能である。
またさらに前記反応性シランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウムを50質量%以上使用することにより、成形時の負荷の低減や外観が良好になるなど、成形性を大幅に向上させることが出来る。この成形性を向上させるプロセスについては未だ未解明であるが、反応性シランカップリング剤で表面処理を施した水酸化マグネシウムを使用することにより、後述する有機パーオキサイドが分解した際に起きる架橋反応として、熱可塑性樹脂成分と水酸化マグネシウム間の、シランカップリング剤を介した架橋が支配的となり、熱可塑性樹脂成分間の架橋が抑えられるため、と考えられる。さらに、シランカップリング剤を介した熱可塑性樹脂成分と水酸化マグネシウムの架橋結合は、ポリマーが溶融している場合、熱可塑性樹脂成分間の架橋結合と比べ、相互作用が弱いと考えられる。従って成型時の負荷を抑えることができ、また成形体の外観も良好に保つことが出来る。
本発明における金属水和物の配合量は、熱可塑性樹脂成分100重量部に対して、30〜300質量部であり、好ましくは50〜300質量部、さらに好ましくは70〜280質量部である。前記効果を得るためには少なくとも反応性のシランカップリング剤で処理された水酸化マグネシウムが水酸化マグネシウム全体の50質量%以上である方が好ましい。また反応性シラン処理水酸化マグネシウムの量はポリマー成分100質量部に対して30質量部以上、好ましくは50質量部以上、さらに70質量部以上が好ましい。
この配合量が少なすぎると、十分な難燃性を得ることができないだけでなく、成形時の負荷や成形体の外観が著しく低下する場合がある。配合量が多すぎると成形時の負荷が著しく高くなるだけでなく、力学的強度が著しく低下する恐れがある。
本発明においては、物性を損なわない範囲で金属水和物の代わりに炭酸カルシウムを加えることが出来る。その配合量は樹脂成分100質量部に対して、0〜100質量部、さらに好ましくは0〜60質量部である。
本発明においては必要に応じ、前記金属水和物の分散性を向上するため、亜鉛、マグネシウム、カルシウムから選ばれる少なくとも1種の脂肪酸金属塩を配合することができる。脂肪酸金属塩の脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などがあり、ステアリン酸が好ましい。
(f)(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤
本発明においては、必要に応じて(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤を使用することができる。
本発明に用いられる架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレートのような多官能性ビニルモノマー、又はポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。具体的には例えば、APG−200(商品名、新中村化学工業(株)製)等が挙げられる。
従来の、樹脂の一部をあらかじめ架橋させた部分架橋樹脂コンパウンドを作成し、前記コンパウンドを成形する製造方法においては、架橋助剤の使用が不可欠であるが、本発明においては、架橋助剤を使用せずとも、部分架橋樹脂成形体を得ることが可能である。
また、架橋助剤を使用した場合においては、後述する有機パーオキサイドによるポリマー同士の均一かつ効率的な架橋反応が期待でき、ポリマー同士は架橋助剤を介して架橋結合を形成する(通常の架橋形態)。この結合力は前述のシランカップリング剤を介したポリマーと水酸化マグネシウム間の架橋結合力よりも強いと考えられ、橋架け間を担う架橋助剤の分子構造(直鎖長)に依存し、これを最適化することで成形体の耐熱性、力学的強度の向上が可能となる。
さらに押出開始時において架橋助剤は反応していないため、これが滑剤として働き押出負荷を大幅に低下することが出来る。
特に、本発明においては、ポリプロピレングリコールジアクリレート(CH=CHCOO−(CO)−COCH=CH)のn=2〜16、さらに好ましくはn=2〜12、さらに好ましくはn=3〜10のジアクリレートが成形体の耐熱性向上、力学的強度の保持及び外観、成形性の点で好ましい。
本発明で用いられる架橋助剤の配合量は、熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、0〜2.0質量部の範囲が好ましい。架橋助剤を配合する場合には、有機パーオキサイドの添加量の約2〜2.5倍の割合が好ましい。架橋助剤の配合量が2.0重量%を越えると架橋が進みすぎて、押出負荷が超過となる場合がある。
(g)有機パーオキサイド
本発明で用いられる有機パーオキサイドとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3 、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert‐ブチルクミルパーオキサイドなどを挙げることができる。具体的には例えば、パークミルD、パーヘキサ25B(商品名、日本油脂(株)製)などを挙げることが出来る。
これらのうち、臭気性、着色性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンが最も好ましい。
パーオキサイドの添加量は、0.02〜1.0重量%の範囲が好ましい。0.02重量%未満では、必要とする架橋が得られない。1.0重量%を越えると、押出成形が困難になり、外観が著しく低下する。
さらに、本発明の樹脂成形体には、電線、ケーブル、コード、チューブ、電線部品、シート等において、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤、酸無水物及びその変性物などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。
酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンヅイミダゾールおよびその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
金属不活性剤としては、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などが挙げられる。
さらに難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ほう酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ホワイトカーボン、メラミンシアヌレートなどが挙げられる。
特に、シリコーンゴム、シリコーンオイルなどのシリコーン化合物は、難燃性を付与、向上させるだけでなく、電線・コードにおいては、絶縁体(前記難燃性樹脂組成物を含んでなる被覆層)と導体の密着力の制御を行い、ケーブルにおいては、滑性を付与することで、外傷を低減させる効果がある。
滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。
次に熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法について説明する。
なお、本発明において、溶融混練時とはバンバリーミキサーにより各成分を溶融化して混錬した時のことを、成形時とは樹脂組成物を成形機に投入し、成形を行う時のことをいう。
本発明の樹脂成形体は(g)成分の存在により成形時にその成形熱によって(a)、(b)、(c)成分が架橋される。
さらに水酸化マグネシウムとして反応性のシランカップリング剤で処理された水酸化マグネシウムを用いることにより、(g)成分の存在により(a)(b)(c)成分と反応性のシランカップリング剤が反応し、それぞれ架橋すると共に水酸化マグネシウムと表面処理剤を通じて相互作用を有する架橋物となる。この相互作用により水酸化マグネシウムを大量に加えた際にも樹脂組成物の高い力学的強度は保持され、さらに耐摩耗性に優れ、傷のつきにくい樹脂組成物が得られる。
本発明の如く成形体成形時において微少に架橋を行う方法では、例えば特許文献1〜3のような溶融混練時に予め微少な架橋を行ったコンパウンドを使用して成形する場合に対して、架橋条件をコンパウンド溶融混練条件とは独立して設定することが出来、さらに成形時の負荷を大幅に低減することが出来るため、架橋度の制御、押出可能な樹脂の選択に関する大幅な自由度の改善が可能となる。
以下、本発明の樹脂成形体の製造方法を説明する。
本発明における樹脂成形体の製造方法の第1の形態は、(a)、(b)、(c)からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂60〜100質量%、(d)0〜40質量%を含有する熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、(e)30〜300質量部、(f)0〜2.0質量部を含有する樹脂組成物を溶融混練して得る第一工程、前記樹脂組成物に熱可塑性樹脂成分100質量部に対して0.02〜1.0質量部の(g)を分散させる第二工程、および有機パーオキサイド分散樹脂組成物を、有機パーオキサイド分解温度以上で加熱しながら成形する第三工程よりなる。
第一工程においては、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)を溶融混練する。混練温度は、好ましくは160℃以上240℃以下である。混練方法としては、ゴム、プラスチック等で通常用いられる方法であれば満足に使用でき、例えば一軸押出機、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどが用いられる。この工程により、各成分が均一に分散された組成物を得ることができる。
必要に応じ、更に充填材、抗酸化剤、光安定剤、着色剤等の各種添加剤を加えてもよい。
第二工程では、樹脂に対して、成分(g)を分散させる。成分(g)を分散させる樹脂としては、第一工程で得られた樹脂組成物の少なくとも一部を使用しても良いし、例えば着色剤などの各種添加剤を熱可塑性樹脂に練りこんだマスターバッチを使用しても良い。第一工程で得られた樹脂組成物を使用する場合は、第一工程で得られた樹脂組成物の25質量%以上100質量%以下に成分(g)を分散させることが好ましい。
(g)を分散させる方法としては、特に限定しないが、例えば、ヘンシェルミキサーなどを使用することができる。
第二工程での処理温度は、30℃以上60℃以下が好ましい。有機過酸化物が分解してしまうと、第三工程での架橋ができなくなるため、有機過酸化物の分解が起こらない温度で処理を行う必要がある。
第三工程では、第一工程で得られた樹脂組成物と第二工程で得られた樹脂に成分(g)を分散させたものを成型機に投入し、成形を行うことにより、所望の成形体を得ることが出来る。成形機としては、所望の成形体を得ることができれば特に限定しないが、押出成形、射出成形、プレス成形などを適宜使用することができる。第三工程における成形加工の温度は160℃以上240℃以下、好ましくは180℃以上220℃以下が好ましい。
また、本発明における成形体の製造方法の第二の形態は、(a)ポリオレフィン樹脂、(b)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、(c)スチレン系エラストマーからなる群の少なくとも1種の樹脂60〜100質量%、(d)可塑剤及び/又はオイル0〜40質量%を含有する熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、(e)金属水和物30〜300質量部、(f)(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤0〜2.0質量部を含有する組成物を溶融混練して樹脂組成物を得た後に、前記熱可塑性樹脂成分100質量部に対して0.02〜1.0質量部の(g)有機パーオキサイドを分散させると同時に有機パーオキサイド分解温度以上で加熱しながら成形することを特徴とする。
第二の形態において、樹脂組成物を得る手段としては、第一の形態における第1工程と同様の方法を使用することが可能である。
得られた樹脂組成物と、有機パーオキサイドは同時に成形機に投入される。成形機としては、所望の成形体を得ることができれば特に限定しないが、押出成形、射出成形などを適宜使用することが可能である。成形機の温度としては、160℃以上240℃以下、好ましくは180℃以上220℃以下である。
成形機に投入された直後は、樹脂組成物及び有機パーオキサイドの温度は、まだ有機パーオキサイドの分解温度まで達していないため、樹脂組成物への有機パーオキサイドの分散のみが行われる。樹脂温度が徐々に上昇し、有機パーオキサイドの分解温度に達したときには、既に樹脂に有機パーオキサイドが均一に分散されているため、部分架橋が樹脂組成物全体にわたって均一に行われる。その後、成形され、所望の成形体を得ることができる。
本発明の成形体としては、例えば、導体、光ファイバなどの芯材の外周に被覆層として本発明の成形体を有する電線やケーブル、コード、シート、チューブ等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜8を表1に比較例1〜7を表2に示す。
<実施例1〜7、比較例1〜6>
表1,2に示す有機パーオキサイドを除く各成分を混合し、バンバリーミキサーを用いて190℃で溶融混練し、冷却後ペレット化した。その後得られたペレットと有機パーオキサイドを、ヘンシェルミキサーにて室温で混合し、得られた混合物を導体(導体径0.48mmφの錫メッキ軟銅撚線 構成:7本/0.16mmφ)上に、押出被覆し、絶縁電線を得た。成形温度は、190℃とした。得られた電線の外径は1.32mm(被覆層の肉厚0.42mm)とした。
<実施例8>
表1に示す有機パーオキサイドを除く各成分を混合し、バンバリーミキサーを用いて190℃で溶融混練し、冷却後ペレット化した。その後、得られたペレットと有機パーオキサイドを、電線用押出機に投入し、導体(導体径0.48mmφの錫メッキ軟銅撚線 構成:7本/0.16mmφ)上に、押出被覆し、絶縁電線を得た。成形機の温度は190℃とした。得られた電線の外径は1.32mm(被覆層の肉厚0.42mm)とした。
<比較例7>
表2比較例7に示す各成分を配合し、バンバリーミキサーを用いて190℃で溶融混練して、樹脂組成物を製造した。次に、電線製造用の押出被覆装置を用いて、導体(導体径0.48mmφの錫メッキ軟銅撚線 構成:7本/0.16mmφ)上に、予め溶融混練した絶縁樹脂組成物を押し出し法により被覆して、絶縁電線を製造した。外径は1.32mm(被覆層の肉厚0.42mm)とした。
なお、表に示す各成分は下記のものを使用した。なお、表中の各成分の数字は質量部である。
(01)エチレン−酢酸ビニル共重合体
レバプレンVPKA8784(商品名、バイエル社製)
VA含有量 70重量%
(02)三元共重合体アクリルゴム
ベイマックGLS(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)
(03)マレイン酸変性LLDPE
L−6100M(商品名、JPO(株)製)
(04)アクリル酸変性PP
P−1002(商品名、クロンプトン(株)製)
(05)パラフィン系オイル
ダイアナプロセスPW90 (商品名、出光興産(株)製)
(06)シランカップリング剤表面処理水酸化マグネシウム
キスマ5L(商品名、協和化学(株)製)
(07)架橋助剤
APG−200(商品名、新中村化学工業(株)製)
(08)有機過酸化物
パーヘキサ25B(商品名、日本油脂(株)製)
得られた各絶縁電線について、以下の試験を行った。
1)抗張力、伸び
各絶縁電線の抗張力(MPa)と伸び(%)を、標線間25mm、引張速度500mm/分の条件で測定した。伸びおよび抗張力のUL要求特性はそれぞれ、各々150%以上、10.3MPa以上である。
2)加熱変形
各絶縁電線について、加熱変形特性はUL1581、加熱変形試験に従い、136℃で行った。結果を加熱前に対する加熱後の変形の割合(%)で示した。この値が50%以上のものは実用に供することができない。
3)難燃性(VW−1規格)
各絶縁電線について、UL1581の Vertical Flame Test をおこない、合格数を示した(合格数/N数)。
4)成形加工性
各絶縁電線を製造した際の、スクリュー回転数が10rpm時の押出被覆装置モーター電流値(A)を測定した。10A以上のものは装置への負荷過剰のため実用に供することができない。
Figure 2007062330
Figure 2007062330
表の結果から、実施例1〜8は、いずれの特性も満足し、優れた絶縁電線が得られているのに対し、オイルが多く配合されている比較例1は抗張力に劣り、水酸化マグネシウムが少なすぎる比較例2は、抗張力や難燃性に劣る結果となる。水酸化マグネシウムが多すぎる場合(比較例3)は伸びを満足せず、架橋助剤が多すぎた場合は(比較例4)伸びが小さくなっている。また、有機パーオキサイドが少なすぎる場合(比較例5)は、抗張力や、加熱変形性が劣り、逆に多すぎる場合(比較例6)は、架橋が進みすぎ、伸びが悪い結果となっている。また、混練時に架橋が行われている比較例7は、押出負荷が高すぎるため、加工性に劣る結果となっている。
以上より、本発明の製造方法は、樹脂成形時に、成形と同時に部分架橋を行うことにより、押出成形に特別な設備を必要とすることなく、熱可塑性部分架橋樹脂成形体を得ることが可能な製造方法である。
さらに本発明の製造方法は、成形時の負荷が低く、量産性も高い優れた熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法である。

Claims (6)

  1. (a)ポリオレフィン樹脂、(b)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、(c)スチレン系エラストマーからなる群の少なくとも1種の樹脂60〜100質量%、(d)可塑剤及び/又はオイル0〜40質量%を含有する熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、(e)金属水和物30〜300質量部、(f)(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤0〜2.0質量部を含有する混合物を溶融混練して樹脂組成物とする第一工程と、前記熱可塑性樹脂成分100質量部に対して0.02〜1.0質量部の(g)有機パーオキサイドを樹脂に分散させる第二工程と、第一工程及び第二工程で得られた樹脂組成物を、有機パーオキサイド分解温度以上で加熱しながら成形する第三工程よりなることを特徴とする熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法。
  2. (a)ポリオレフィン樹脂、(b)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、(c)スチレン系エラストマーからなる群の少なくとも1種の樹脂60〜100質量%、(d)可塑剤及び/又はオイル0〜40質量%を含有する熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、(e)金属水和物30〜300質量部、(f)(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤0〜2.0質量部を含有する組成物を溶融混練して樹脂組成物を得た後に、前記熱可塑性樹脂成分100質量部に対して0.02〜1.0質量部の(g)有機パーオキサイドを分散させると同時に有機パーオキサイド分解温度以上で加熱しながら成形することを特徴とする熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記金属水和物の50質量%以上がシランカップリング剤で処理されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記シランカップリング剤が、末端に反応性基を有することを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法。
  5. 前記金属水和物が水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法。
  6. 前記熱可塑性部分架橋樹脂成形体が押出成形により成形されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性部分架橋樹脂成形体の製造方法。
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