JP2007059475A - 太陽電池用リード線 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ハンダ付け後のセルの反りや割れの発生を防止できると共に、繰り返し応力を受けた際にも破断することがなく、導電性を損なうことのない太陽電池用のリード線を提供する。
【解決手段】 金属材料からなるテープ状の本体16と、本体16の長手方向に沿って所定の間隔で穿設された円形状または楕円形状の複数の貫通孔18と、本体16の表面に設けられたハンダめっき層20とで構成されていることを特徴とする。かかる構成により、冷却時におけるリード線全体の収縮を抑制することができると共に、繰り返し熱履歴を受けて伸縮する際、応力が一点に集中して破断が生じるのを防止することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 金属材料からなるテープ状の本体16と、本体16の長手方向に沿って所定の間隔で穿設された円形状または楕円形状の複数の貫通孔18と、本体16の表面に設けられたハンダめっき層20とで構成されていることを特徴とする。かかる構成により、冷却時におけるリード線全体の収縮を抑制することができると共に、繰り返し熱履歴を受けて伸縮する際、応力が一点に集中して破断が生じるのを防止することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、太陽電池モジュールのセル間を電気的に接続して電流を取出すリード線に関する。
一般に、太陽電池モジュールは、単結晶あるいは多結晶のシリコン基板からなるセルをリード線で電気的に接続して形成されている。
従来の太陽電池では、セル間を接続するリード線として、厚さ0.05〜0.2mm、幅1〜3mmの平角銅線にハンダめっきを施したものが使用されており、このリード線を太陽電池のセルに接合する際には、リード線およびセルを加熱してリード線表面に設けたハンダめっきを溶融させ、然る後、これらを密着させて冷却するようにしていた。
ここで、リード線を構成する平角銅線の線膨張係数は、太陽電池のセルを構成するシリコン基板の線膨張係数よりも格段に大きいことから、セルの表面に溶着したリード線が冷却する際、加熱によって延びたリード線が縮み、セルに曲げ応力が加わるようになる。その結果、リード線を溶着したセルに反りが生じるようになり、最悪の場合セルに割れが発生するという問題があった。このような問題は、溶融温度が高い鉛フリータイプのハンダへの移行やセルの薄型化の進展等に伴い、より顕著なものとして認識されるようになってきた。
このような問題を解決し得る技術として、リード線を縒り線で形成すると共に、このリード線をセルの複数箇所で点接合する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
かかる技術によれば、リード線を溶着するときの熱膨張による伸縮の影響がリード線の長手方向において小さくなり、セルの反りを小さくすることができる。また、リード線とセルとの接合を複数の点で行なうことにより、セルの反りをより効果的に小さくすることができる。
特開平11−251613号公報
しかしながら、上述の技術では、セルとリード線との接点が少ないことから、セルからリード線への電流の流れが悪くなるという問題があった。
また、太陽電池は使用に際して屋外に設置され、常に日射や気温の変化などに曝されることから、リード線も当然に日射や気温の変化などによる熱履歴を受けて常に微細な熱伸縮を繰り返すようになる。このため、細線を縒り合せてリード線を構成した場合、長期間細かな熱伸縮を繰り返すうちにその伸縮応力を受けた細線が破断して電気抵抗が増大する(すなわち導電性が損なわれる)ようになる虞がある。また、上述の技術では、セルとリード線との接点が少ないことから、このような細かな伸縮を長期間繰り返すと、セルとリード線との接点が崩れ、リード線に電流が流れなくなるといった問題も懸念される。
さらに、リード線の製造やリード線とセルとの接合に手間がかかり、太陽電池を経済的に製造することができないという問題もあった。
それゆえに、本発明の主たる課題は、ハンダ付け後のセルの反りや割れの発生を防止できると共に、繰り返し応力を受けた際にも破断することがなく、導電性を損なうことのない太陽電池用のリード線を提供することである。
請求項1に記載した発明は、太陽電池モジュール14のセル12間を電気的に接続する太陽電池用リード線10であって、「金属材料からなるテープ状の本体16と、本体16の長手方向に沿って所定の間隔で穿設された円形状または楕円形状の複数の貫通孔18と、本体16の表面に設けられたハンダめっき層20とで構成されている」ことを特徴とする太陽電池用リード線10Aである。
この発明では、テープ状の本体16の長手方向に沿って所定の間隔で複数の貫通孔18が穿設されているので、本体16の見かけの弾性率を下げることができると共に、太陽電池のセル12にリード線10Aを配置してこれらを加熱・溶着(ハンダ付け)する際、リード線10A(より詳しくは本体16)の加熱による熱膨張状態(この状態でハンダ付けがなされる。)からハンダ付け後の冷却による熱収縮に伴う引張応力が貫通孔18の周辺に集まり、当該部分(より正確には貫通孔18の孔縁と本体16の側縁との間の部分[イ])が容易に弾性変形更には塑性変形する。このため、ハンダめっき層20のハンダ20aを加熱・溶融してセル12の表面にリード線10Aを溶着し、その後冷却した場合、加熱時に発生した貫通孔18周辺部分の前記部分[イ]の弾性変形更には塑性変形により、太陽電池モジュール14にハンダ付けされた状態におけるリード線10A全体の収縮を抑制することができる。この結果、ハンダ付け後の冷却時におけるリード線10Aの熱収縮に伴いセル12に与えられる曲げ応力(換言すれば、リード線10Aがハンダ付けされている側のセル12表面の収縮方向の張力)を緩和することができ、太陽電池のセル12、更にいえば太陽電池モジュール14の反りや割れを防止することができる。なお、前記部分[イ]或いは後述する部分[ロ]において、前述のように弾性変形更には塑性変形が生じるが、変形量が本体16の弾性領域内であれば弾性変形で留まるが、変形量が本体16の弾性領域を超えて塑性変形領域に至れば塑性変形となる。ここで、変形が前記弾性変形に留まる場合、前記熱収縮により本体16に発生した張力が太陽電池モジュール14の曲げ強度以下であれば当然太陽電池モジュール14の曲げ変形はない。本発明のように貫通孔18や後述する切欠24を設けることで、本体16の当該部分の強度は十分低下しており、弾性変形であったとしても太陽電池モジュール14に曲げを発生させるようなことはない。
また、ここで特筆すべきは、貫通孔18が円形状または楕円形状といった角部を有さない形状で構成されている点にある。かかる構成により、リード線10Aの貫通孔18穿設部分(特に、貫通孔18の孔縁と本体16の側縁との間の部分[イ])の強度、とりわけ繰り返し熱伸縮に対する疲労強度の低下を最小限に止めることができると共に、本体16が熱膨張・収縮して貫通孔18周辺の前記部分[イ]に応力が集まる際、この応力が貫通孔18の孔縁の一点に集中するのを防止することができる。(換言すれば、貫通孔が矩形のように孔縁の一箇所に応力集中箇所が存在する場合、リード線が繰り返し熱伸縮すると、当該箇所に疲労による亀裂が発生し、リード線破断の原因となる。)このため、セル12とリード線10Aとの接合時に本体16がハンダ後に熱収縮して貫通孔18周辺の前記部分[イ]が弾性変形更には塑性変形する際、応力が一点に集中して当該部分(貫通孔18周辺部分、より正確には貫通孔18の孔縁と本体16の側縁との間の部分[イ])に破断が生じるのを防止することができる。また、セル12に接続されたリード線10Aが日射や気温の変化などによる熱履歴を受けて常に微細な熱伸縮を繰り返したとしても、このように一点に応力が集中しない構造であれば、前述のように貫通孔18周辺部分の前記部分[イ]に破断が生じる心配はない。
なお、本発明のリード線10Aでは、本体16の表面に設けられたハンダめっき層20を介して、太陽電池のセル12とリード線10Aとを面で接合することができるので、接合信頼性を向上させることができると共に、セル12からリード線10Aに向けてスムーズに電流を流すことができる。
請求項2に記載した発明は、太陽電池モジュール14のセル12間を電気的に接続する太陽電池用リード線10であって、「金属材料からなるテープ状の本体16と、本体16の長手方向に沿って本体16幅方向両端部に所定の間隔で設けられた半円形状または半楕円形状の複数の切欠24と、本体16の表面に設けられたハンダめっき層20とで構成されている」ことを特徴とする太陽電池用リード線10Bである。
この発明では、テープ状の本体16の長手方向に沿って本体16幅方向両端部に所定の間隔で複数の切欠24が設けられているので、本体16の見かけの弾性率を下げることができると共に、太陽電池のセル12にリード線10Bを配置してこれらを加熱・溶着(ハンダ付け)する際、リード線10B(より詳しくは本体16)の加熱に伴う熱膨張状態(この状態でハンダ付けがなされる。)からハンダ付け後の冷却による熱収縮に伴う引張応力が切欠24の周辺に集まり、当該部分(より正確には、切欠24がリード線10Bの側縁に対称に形成されている場合は、切欠24間の部分[イ]、切欠24がリード線10Bの側縁に千鳥状に形成されている場合は、切欠24と本体16の側縁の間[イ]或いは切欠24間[ロ])が容易に弾性変形更には塑性変形する。このため、ハンダめっき層20のハンダ20aを加熱・溶融してセル12の表面にリード線10Bを溶着し、その後冷却した場合、加熱時に発生した切欠24周辺部分の前記部分[イ][ロ]の弾性変形更には塑性変形により、太陽電池モジュール14にハンダ付けされた状態におけるリード線10B全体の収縮を抑制することができる。この結果、ハンダ付け後の冷却時におけるリード線10Bの収縮に伴いセル12に与えられる曲げ応力(換言すれば、リード線10Aがハンダ付けされている側のセル12表面の収縮方向の張力)を緩和することができ、太陽電池のセル12、更にいえば太陽電池モジュール14の反りや割れを防止することができる。
また、請求項1に記載の貫通孔18と同様に、本発明のリード線10Bでは、切欠24が半円形状または半楕円形状といった角部を有さない形状で構成されているので、リード線10Bの切欠周辺部分[イ][ロ]の強度、とりわけ熱伸縮に対する疲労強度の低下を最小限に止めることができると共に、本体16が熱膨張・収縮して切欠周辺部分[イ][ロ]に応力が集まる際、この応力が切欠周辺部分[イ][ロ]の一点に集中するのを防止することができる。(換言すれば、切欠の孔縁の一箇所に応力集中箇所が存在する場合、リード線が繰り返し熱伸縮すると、当該箇所に疲労による亀裂が発生し、リード線破断原因となる。)このため、セル12とリード線10Bとの接合時に本体16がハンダ後に熱収縮して切欠周辺部分[イ][ロ]が弾性変形更には塑性変形する際、応力が一点に集中して当該部分(切欠周辺部分[イ][ロ])に破断が生じるのを防止することができる。また、セル12に接続されたリード線10Bが日射や気温の変化などによる熱履歴を受けて常に微細な熱伸縮を繰り返したとしても、このように一点に応力が集中しない構造であれば、切欠周辺部分[イ][ロ]に破断が生じる心配はない。
そして、請求項1に記載の発明と同様に、本発明のリード線10Bでは、本体16の表面に設けられたハンダめっき層20を介して、太陽電池のセル12とリード線10Bとを面で接合することができるので、接合信頼性を向上させることができると共に、セル12からリード線10Bに向けてスムーズに電流を流すことができる。
本発明によれば、本体の長手方向に沿って所定の間隔で円形状または楕円形状の貫通孔、あるいは半円形状または半楕円形状の切欠が複数設けられているので、本体の見かけの弾性率を下げることができると共に、太陽電池のセルにリード線を配置して加熱・溶着(ハンダ付け)する際、ハンダ付け後に熱収縮する場合において当該部分が容易に弾性変形更には塑性変形し、セルに接続されたリード線全体の収縮を抑制することができる。このため、ハンダ付け後の冷却時におけるリード線の熱収縮に伴いセルに与えられる前記曲げ応力を緩和することができ、太陽電池のセル、更にいえば太陽電池モジュールの反りや割れを防止することができる。
また、貫通孔あるいは切欠が角部を有さない形状で構成されているので、これらの部分の強度、とりわけ繰り返し熱膨張・収縮に対する疲労強度の低下を最小限に止めることができると共に、本体がハンダ後の熱収縮して貫通孔あるいは切欠の前記周辺部分に応力が集まる際、この応力が一点に集中するのを防止し、当該部分周辺に亀裂や破断が生じるのを防止することができる。
さらに、本体の表面に設けられたハンダめっき層を介して、太陽電池のセルとリード線とを面で接合することができるので、接合信頼性を向上させることができると共に、セルからリード線に向けてスムーズに電流を流すことができる。
このように本発明によれば、ハンダ付け後のセル、更にいえば太陽電池モジュールの反りや割れの発生を防止できると共に、繰り返し応力を受けた際にも破断することがなく、導電性を損なうこともない太陽電池用のリード線を提供することができる。
以下、本発明のリード線を図面に従って詳述する。本発明のリード線10は、図1および図2に示すように、単結晶あるいは多結晶のシリコン基板からなるセル12どうしを電気的に接続して太陽電池モジュール14を形成すると共に、前記セル12から電流を取り出すためのものである。
図3は本発明の一実施例(第1実施例)のリード線10A(10)を示す斜視図であり、図4は図3におけるA−A拡大断面図である。これらの図が示すように本実施例のリード線10Aは、大略、本体16,貫通孔18およびハンダめっき層20で構成されている。
本体16は、銅や銅合金などの金属材料をテープ状に成形した長尺の部材(線材)である。この本体16としては、導電性や製造コストなどを考慮すると、平角の軟銅線を用いるのが好適である。
また、本体16のサイズは特に限定されるものではないが、本実施例では厚さが0.1mm〜0.2mm、幅が2mm〜5mmの範囲となるように形成している。本体16の厚さが0.1mm未満の場合には本体16の導電性が悪化するようになり、逆に、0.2mmより大きくなると導電性は改善されるが、本体16の柔軟性(可撓性)が低下して太陽電池モジュール14製造時の作業性が悪化するようになるからである。また、本体16の幅が2mm未満の場合には、太陽電池モジュール14製造時や太陽電池使用時のヒートサイクルによって本体16が断線する虞があり、逆に、5mmより大きい場合には、太陽電池のセル12の受光面積が減少して発電効率が低下するようになるからである。
そして、この本体16には、長手方向に沿って所定の間隔で円形状の貫通孔18が複数穿設されている。
貫通孔18は、リード線10Aが熱収縮した際に応力(=リード線10Aに発生した張力)を緩和するためのものであり、本体16の広幅面を型抜きプレス加工機などを用い、円形状に孔開け加工することによって形成される。
この貫通孔18の直径は、本体16の幅の概ね1/2以下となるようにするのが好ましい。貫通孔18の直径が本体16の幅の1/2よりも大きくなると、抵抗値が上がるだけでなく、本体16における貫通孔18穿設部分の強度が弱くなり、太陽電池モジュール14製造時や太陽電池使用時のヒートサイクルによって本体16が断線する可能性があるからである。
ハンダめっき層20は、貫通孔18が穿設された本体16の表面にハンダ20aを鍍金することによって得られる厚さ40μm程度の層である。このハンダめっき層20を構成するハンダ20aとしては、従来から使用されているPb−Sn共晶組成のものや、近年需要が拡大している鉛フリータイプのものなど何れであってもよい。
また、本体16の表面にハンダめっき層20を形成する方法としては、ハンダ20aを溶解したハンダ浴に本体16を浸漬する方法などが挙げられる。
以上のように構成されたリード線10Aを用いてセル12どうしを接合する際には、図2に示すように、セル12の表面あるいは裏面の所定位置にリード線10Aが密着するように配設し、熱風などの加熱手段を用いて主としてリード線10Aがハンダ20aの溶融温度以上となるように加熱する。すると、ハンダめっき層20のハンダ20aが溶融し、リード線10Aの本体16表面とセル12の表面(あるいは裏面)とを溶融したハンダ20aが繋ぐようになる。そして、溶融したハンダ20aが本体16とセル12とを繋いだ状態でこれらを冷却することによってハンダ20aが固化し、リード線10Aを用いたセル12どうしの接合(リード線10Aとセル12との接合)が完了する。
ここで、リード線10Aの本体16の線膨張係数[17×10-6(/℃)]は、セル12の線膨張係数[7.6×10-6(/℃)]に比べて格段に大きなことから、加熱により膨張した状態でハンダ付けしたリード線10Aおよびセル12を冷却すると、両者の収縮率の差からセル12に曲げ応力(換言すれば、リード線10Aがハンダ付けされている側のセル12表面の収縮方向の張力)が与えられるようになる。
しかしながら、本実施例のリード線10Aでは、テープ状の本体16の長手方向に沿って所定の間隔で複数の貫通孔18が穿設されているので、本体16の見かけの弾性率を下げることができると共に、太陽電池のセル12にリード線10Aを配置してこれらを加熱・溶着する際、リード線10A(より詳しくは本体16)のハンダ付け後の冷却の熱収縮に伴う応力(=リード線10Aに発生した張力)が、最も強度の低い、換言すれば伸びやすい貫通孔18の周辺に集まり、当該部分[イ]が容易に弾性変形更には塑性変形する。このため、ハンダめっき層20のハンダ20aを加熱・溶融してセル12の表面(裏面を含む)にリード線10Aを溶着し、その後冷却した場合、加熱時に発生した貫通孔18の前記周辺部分[イ]の弾性変形更には塑性変形によりリード線10A全体の収縮を抑制することができる。この結果、冷却時におけるリード線10Aの収縮に伴いセル12に与えられる曲げ応力(=前記張力)を緩和することができ、太陽電池のセル、更にいえば太陽電池モジュール14の反りや割れを防止することができる。
また、ここで特筆すべきは、貫通孔18が円形状といった角部を有さない形状で構成されている点にある。かかる構成により、リード線10Aの貫通孔18の穿設孔縁部分[イ]の強度、とりわけ繰り返し熱伸縮による疲労強度の低下を最小限に止めることができると共に、本体16がハンダ付け後の熱収縮して貫通孔18の前記周辺部分[イ]に応力(=張力)が集まる際、この応力が一点に集中するのを防止することができる。このため、セル12とリード線10Aとの接合時に本体16が前記熱収縮して貫通孔18周辺が弾性変形更には塑性変形する際、応力が一点に集中して当該部分(貫通孔18周辺部分[イ])に亀裂やこれによる破断が生じるのを防止することができる。また、前述のようにセル12を接続したリード線10Aが日射や気温の変化などによる熱履歴を受けて常に微細な熱伸縮を繰り返したとしても、このように一点に応力が集中しない構造であれば、疲労による貫通孔18の周辺部分[イ]に破断が生じる心配はない。
そして、本実施例のリード線10Aでは、本体16の表面に設けられたハンダめっき層20を介して、太陽電池のセル12とリード線10Aとを面で接合することができるので、接合信頼性を向上させることができると共に、セル12からリード線10Aに向けてスムーズに電流を流すことができる。
なお、上述の実施例では、貫通孔18を円形状に形成する場合を示したが、図5に示すように、貫通孔18を楕円形状に形成するようにしてもよい。つまり、貫通孔18が角部を有さない形状であれば、上述したものと同じ作用・効果を奏することができる。
また、本実施例では、貫通孔18を1列設ける場合を示したが、図6に示すように、互いに千鳥状となるように幅方向に2列設けるようにしてもよい。貫通孔18の開孔面積率が同じ場合、このように貫通孔18が千鳥状となるように2列設けることによって破断荷重など本体16の機械的性能のバラツキを小さくすることができる。
そして、図7に示すように、貫通孔18に加え、本体16幅方向に延ばされ、且つ曲面で構成された(つまり角部を有さない)裂け目22を設けるようにしてもよい。このような裂け目22を設けることにより、熱による伸縮の際の応力を裂け目22周辺に集中させることができ、当該裂け目22周辺部分を局所的により大きく塑性変形させることができる。このため、冷却時におけるリード線10A全体の収縮をより効果的に抑制することができる。
次に、図8に示す第2実施例のリード線10B(10)について説明する。上述した第1実施例のリード線10Aと異なる点は、貫通孔18に換えて、本体16の幅方向両端部に、本体16の長手方向に沿って半円形状の切欠24を複数設けた点である。なお、これ以外の部分は前記第1実施例と同じであるので、前記第1実施例の説明を援用して本実施例の説明に代える。
切欠24は、リード線10Aが熱膨張した際に応力をその周囲に集めるためのものであり、本体16の広幅面における幅方向両端部を型抜きプレス加工機などを用い、半円形状に切欠加工することによって形成される。なお、この切欠24は図8(a)に示すようにリード線10Bの側縁にて千鳥状に形成してもよいし、図8(b)に示すようにリード線10Bの側縁にて対称に形成してもよいが、前者の場合には本体16長手方向における強度や電気抵抗の変動を低減することができる。
本実施例のリード線10Bによれば、テープ状の本体16の長手方向に沿って本体16幅方向両端部に所定の間隔で複数の切欠24が設けられているので、本体16の見かけの弾性率を下げることができると共に、太陽電池のセル12にリード線10Bを配置してこれらを加熱・溶着する際、リード線10Bの前記熱収縮に伴う応力(=前記張力)が切欠24の周辺に集まり、当該部分[イ]又は/及び[ロ]が容易に弾性変形更には塑性変形する。このため、ハンダめっき層20のハンダ20aを加熱・溶融してセル12の表面にリード線10Bを溶着し、その後冷却した場合、加熱時に発生した切欠24周辺部分[イ]又は/及び[ロ]の弾性変形更には塑性変形によりリード線10B全体の収縮を抑制することができる。この結果、冷却時におけるリード線10Bの収縮に伴いセル12に与えられる曲げ応力(=前記ハンダ側の表面に発生する張力)を緩和することができ、太陽電池のセル12の反りや割れを防止することができる。
また、本発明のリード線10Bでは、切欠24が半円形状といった角部を有さない形状で構成されているので、リード線10Bの切欠24部分の強度、とりわけ前記疲労強度の低下を最小限に止めることができると共に、本体16が前記熱収縮して切欠24の周辺部分[イ]又は/及び[ロ]に応力(=前記張力)が集まる際、この応力が一点に集中するのを防止することができる。このため、セル12とリード線10Bとの接合時に本体16が前記熱収縮して切欠24の周辺部分[イ]又は/及び[ロ]が弾性変形更には塑性変形する際、応力が一点に集中して当該部分(切欠24の周辺部分[イ]又は/及び[ロ])に破断が生じるのを防止することができる。また、セル12を接続したリード線10Bが日射や気温の変化などによる熱履歴を受けて常に微細な熱伸縮を繰り返したとしても、このように一点に応力が集中しない構造であれば、切欠24の周辺部分[イ]又は/及び[ロ]に亀裂や破断が生じる心配はない。
なお、上述の例では切欠24を半円形状に形成する場合を示したが、この切欠24を半楕円形状(図示せず)に形成するようにしてもよい。つまり、切欠24が角部を有さない形状であれば、上述したものと同じ作用・効果を奏することができる。
また、図9に示すように、本実施例の切欠24に加え、更に第1実施例で示した貫通孔18を設けてリード線10C(10)を構成するようにしてもよい。こうすることで上述した第1実施例および第2実施例の作用・効果の両方を同時に奏することができる。
10(10A〜C)…リード線
12…(太陽電池の)セル
14…太陽電池モジュール
16…本体
18…貫通孔
20…ハンダめっき層
20a…ハンダ
22…裂け目
24…切欠
12…(太陽電池の)セル
14…太陽電池モジュール
16…本体
18…貫通孔
20…ハンダめっき層
20a…ハンダ
22…裂け目
24…切欠
Claims (2)
- 太陽電池モジュールのセル間を電気的に接続する太陽電池用リード線であって、
金属材料からなるテープ状の本体と、前記本体の長手方向に沿って所定の間隔で穿設された円形状または楕円形状の複数の貫通孔と、前記本体の表面に設けられたハンダめっき層とで構成されていることを特徴とする太陽電池用リード線。 - 太陽電池モジュールのセル間を電気的に接続する太陽電池用リード線であって、
金属材料からなるテープ状の本体と、前記本体の長手方向に沿って前記本体幅方向両端部に所定の間隔で設けられた半円形状または半楕円形状の複数の切欠と、前記本体の表面に設けられたハンダめっき層とで構成されていることを特徴とする太陽電池用リード線。
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---|---|
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-
2005
- 2005-08-22 JP JP2005240103A patent/JP2007059475A/ja active Pending
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