JP2007056833A - エンジン始動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エンジン始動装置2は、モータ軸34を有するセルモータ20と、モータ軸34が正転するときモータ軸34を車両の固定節35に対して解放し、モータ軸34が逆転するときモータ軸34を固定節35に対してロックする第一ワンウェイクラッチ22と、モータ軸34の正逆転と連動して正逆転する第一回転軸24と、車両に搭載された内燃式エンジン12の正逆転と連動して正逆転する第二回転軸26と、第二回転軸26の正転速度が第一回転軸24の正転速度を下回るとき又は第二回転軸26の逆転速度が第一回転軸24の逆転速度を超えるとき第二回転軸26を第一回転軸24に対してロックし、第二回転軸26の正転速度が第一回転軸24の正転速度を超えるとき第二回転軸26を第一回転軸24に対して解放する第二ワンウェイクラッチ28とを備える。
【選択図】 図1
Description
そこで従来、セルモータとエンジンとの間のトルク伝達系にワンウェイクラッチを一つ設けて、エンジン側の軸の正転速度がセルモータ側の軸の正転速度を超えたときワンウェイクラッチを切る方法が提案されている(特許文献1参照)。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジン始動装置の破損を防止することにある。
また、請求項8に記載の制限ユニットは、第一回転軸の逆転速度が減少するほど伝達歯車に与える回転抵抗を減少させ得るのであれば、回転型ダンパ以外のもの、例えば流体リターダ等によって構成してもよい。
(第一実施形態)
図2は、本発明の第一実施形態によるエンジン始動装置2を搭載した車両4の概略構成を示している。この車両4では、搭乗者によるイグニションキー等の操作に従ってイグニションスイッチがオンされると、バッテリ10の放電電流がエンジン始動装置2に供給されるようになっている。また、車両4では、エンジン12のアイドリング状態からの一時停止並びに再始動を自動制御するアイドリングストップシステムがエンジンECU13等から構築されており、当該システムが再始動指令を出すことによっても、バッテリ10の放電電流がエンジン始動装置2に供給される。尚、本実施形態のアイドリングストップシステムは、搭乗者によるブレーキペダルの操作に従って車両4の主ブレーキが解除された後、エンジン12の再始動指令を出すものとする。
セルモータ20は直流直巻式の電動モータ等からなり、バッテリ10からの電流供給を受けてモータ軸34を正転駆動する。尚、本実施形態では、エンジン12が完爆すると、バッテリ10からセルモータ20への電流供給が止められるようになっている。第一ワンウェイクラッチ22は、モータ軸34と、車両4に固定された装置カバー等の固定節35との間に介装されている。第一ワンウェイクラッチ22は、モータ軸34が正転するとき固定節35に対してモータ軸34を解放する。また一方、第一ワンウェイクラッチ22は、モータ軸34が逆転するとき固定節35に対してモータ軸34をロックする。
また特に遊星歯車機構30は、内歯車41に与えられる回転抵抗が減少するのに応じて、モータ軸34と第一回転軸24との間でのトルク伝達を制限する機能も有している。
(i)平坦路上に停車する車両4においてイグニションスイッチがオンされると、セルモータ20が起動してモータ軸34が正転する。すると、第一ワンウェイクラッチ22がモータ軸34を解放し、また制限ユニット32が遊星歯車機構30の内歯車41を拘束して当該内歯車41に回転抵抗を与えるようになるため、第一回転軸24がモータ軸34と連動して正転する。このとき、クランク軸14に連繋する第二回転軸26の正転速度は第一回転軸24の正転速度を下回るので、第一ワンウェイクラッチ22が第一回転軸24に対して第二回転軸26をロックする。これにより第二回転軸26は、第一回転軸24から受ける正転トルクをピニオン36及び大歯車37を通じてクランク軸14に伝達するので、クランク軸14が正転する。その結果、第二回転軸26の正転速度が第一回転軸24の正転速度を超えると、即ちエンジン12が完爆すると、第二ワンウェイクラッチ28が第一回転軸24に対して第二回転軸26を解放する。したがって、エンジン12の完爆後には、クランク軸14の正転トルクが第二回転軸26にまでは伝達されるが、第二回転軸26よりもセルモータ20側には伝達されず、軸14,26のみが正転することとなる。故にエンジン12の高速運転時、クランク軸14からのトルク伝達によってモータ軸34が高速正転しセルモータ20が破損する事態を防止できる。
図4に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する。
第二実施形態によるエンジン始動装置100の制限ユニット110は、回転型ダンパとして入出力端の一方が固定節35、他方が内歯車41に連結されたビスカスカップリングから構成されており、相対回転部材間に封入されたシリコン油の粘性抵抗によって制動トルクを発生する。図5(A)に示すように制限ユニット110は、内歯車41の回転速度の増減に追従して制動トルクを増減させる特性を持つ。ここで、制限ユニット110の発生する制動トルクは内歯車41に回転抵抗として作用する。また、遊星歯車機構30は、内歯車41に受ける回転抵抗が減少するほど、モータ軸34及び第一回転軸24の間で制限するトルク伝達の当該制限率を増大させる。さらに内歯車41の回転速度は、モータ軸34又は第一回転軸24の回転速度の増減に追従して増減するものである。以上より制限ユニット110は、図5(B)に示すように、軸34,24の回転速度が減少するほど内歯車41に与える回転抵抗を減少させることにより、軸34,24間におけるトルク伝達の制限率を増大させる。
(I)平坦路上に停車する車両4においてイグニションスイッチがオンされる、又は主ブレーキの解除に伴ってアイドリングストップシステムから再始動指令が出されると、モータ軸34が第一ワンウェイクラッチ22によって解放されつつ正転する。このとき、制限ユニット110の作用によって遊星歯車機構30は、モータ軸34から第一回転軸24へのトルク伝達をモータ軸34の正転速度に応じた制限率の下、許容することになるので、第一回転軸24がモータ軸34と連動して正転する。これ以降は、第一実施形態で説明した(i)の場合と同様にエンジン12が完爆するまで軸34,24,26,14が正転し、また当該完爆後には軸14,26のみが正転してセルモータ20の破損が防止される。
例えば第一実施形態において、遊星歯車機構30及び制限ユニット32を設けないで、モータ軸34と第一回転軸24とを直結させてもよい。また、第一実施形態において、相対回転部材同士を接触させない非接触式のトルクリミッタを制限ユニット32として用いてもよい。
Claims (9)
- モータ軸を有するセルモータと、
前記モータ軸が正転するとき前記モータ軸を車両の固定節に対して解放し、前記モータ軸が逆転するとき前記モータ軸を前記固定節に対してロックする第一ワンウェイクラッチと、
前記モータ軸の正逆転と連動して正逆転する第一回転軸と、
前記車両に搭載された内燃式エンジンの正逆転と連動して正逆転する第二回転軸と、
前記第二回転軸の正転速度が前記第一回転軸の正転速度を下回るとき又は前記第二回転軸の逆転速度が前記第一回転軸の逆転速度を超えるとき前記第二回転軸を前記第一回転軸に対してロックし、前記第二回転軸の正転速度が前記第一回転軸の正転速度を超えるとき前記第二回転軸を前記第一回転軸に対して解放する第二ワンウェイクラッチと、
を備えるエンジン始動装置。 - 前記内燃式エンジンのアイドリングストップシステムを備えた前記車両に搭載される請求項1に記載のエンジン始動装置。
- 前記内燃式エンジンから前記車両の駆動輪側への駆動力伝達を車両搭乗者の指令により断続する駆動系クラッチを備えた前記車両に搭載される請求項1又は2に記載のエンジン始動装置。
- 遊星歯車に複数の伝達歯車を噛合してなり、前記第一回転軸と前記モータ軸との間においてトルク伝達を行う遊星歯車機構と、
前記第一回転軸が逆転するとき、前記伝達歯車に与える回転抵抗を調整して前記トルク伝達を制限する制限ユニットと、
を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジン始動装置。 - 前記遊星歯車機構を通じて前記第一回転軸から前記モータ軸に伝達される逆転トルクが制限トルクを超えるとき、前記制限ユニットは前記回転抵抗を減少させて前記トルク伝達を制限する請求項4に記載のエンジン始動装置。
- 前記制限ユニットは、前記伝達歯車と前記固定節との間に介装されて前記伝達歯車の回転トルクに応じて作動するトルクリミッタからなる請求項5に記載のエンジン始動装置。
- 前記トルクリミッタは接触式である請求項6に記載のエンジン始動装置。
- 前記制限ユニットは、前記第一回転軸の逆転速度が減少するほど前記回転抵抗を減少させることにより前記トルク伝達の制限率を増大させる請求項4に記載のエンジン始動装置。
- 前記制限ユニットは、前記伝達歯車と前記固定節との間に介装されて前記伝達歯車の回転速度に応じて作動する回転型ダンパからなる請求項8に記載のエンジン始動装置。
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