JP2007053974A - 傾斜地における芝刈方法、及び傾斜地用芝刈機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
「等高線刈り」又は「傾斜線刈り」において、刈芝を芝刈機のほぼ走行巾内において放置又は後方排出させることにより、芝刈中における芝刈機の横滑り、刈芝の二重刈り等の不具合を防止して、芝面をきれいに刈り取ることである。
【解決手段】
傾斜地Sにおいて、等高線方向、又は傾斜線方向に沿って芝刈機K1 を反復走行させて、前記傾斜地Sの芝生T0 を刈り取る方法であって、前記芝刈機K1 として、バーブレードB1 の回転により刈り取られた刈芝T2 をほぼ走行巾W内において放置、又は後方排出する構成の芝刈ユニットUを備えたものを使用する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、傾斜地において、等高線方向、又は傾斜線方向に沿って芝刈機を反復走行させて、前記傾斜地の芝生を刈り取る芝刈方法、及び傾斜地用芝刈機に関するものである。なお、本明細書において、「刈芝」とは、芝刈ユニットのバーブレードにより刈り取られて小片状になった芝生を示す。
従来、ゴルフ場の法面等の傾斜地の芝生を専用に刈り取る芝刈機は存在していたが、通常の平坦地の芝生を刈り取る方法と同様にバーブレードの回転により切断された刈芝は、機体の側方に排出(放出)されるものであった。
また、傾斜地において、芝生を刈り取る方法には、芝刈機を等高線方向に沿って走行させる方法(「等高線刈り」という)と、芝刈機を傾斜線方向に沿って走行させる方法(「傾斜線刈り」という)とがある。「等高線刈り」は、傾斜地の傾斜が緩やかな場合において実施され、「傾斜線刈り」は、「等高線刈り」によると芝刈機が横転してしまうほどに傾斜地の傾斜が大きい場合に実施される。なお、「傾斜線刈り」の場合における傾斜面の下りは、芝刈機を後退させて行う。
また、「等高線刈り」には、傾斜面の上方から下方に向けて等高線方向に沿って芝刈機を走行させて、往路においてのみ芝刈作業を行って、復路ではそのまま戻る方法と、往路及び復路の双方において芝刈作業を行う方法とがある。上記した機体の側方に刈芝が排出される構成の芝刈機を使用して、傾斜地の芝生を刈り取る場合には、前者の方法においては、直前に刈り取られて、次に芝刈りを行う芝生上に排出された刈芝を芝刈機の車輪が踏み付けることにより、傾斜面に沿って芝刈機が滑ったり、或いは次に芝刈を行う芝生上に放出された刈芝が再度バーブレードにより刈り取られるという二重刈りが発生する。他方、後者の方法においては、往路及び復路において、刈芝の放出方向が異なって、直前に刈り取られた部分、及び次に刈り取りを行う部分に刈芝が交互に放出されて、刈芝が散在すると共に、次に刈り取りを行う部分に刈芝が放出された場合には、前者の方法と同様に芝刈機の車輪が滑るという問題がある。
また、傾斜地において芝刈作業を行って、その場に放置された刈芝は、そのままでは見栄えが悪いので回収する必要がある。しかし、平坦地に放置された刈芝を回収する刈芝回収機は開発されているが、傾斜地における刈芝の回収機は開発されておらず、人手により回収せざるを得ないのが現状である。
特許第3146127号公報
本発明は、「等高線刈り」又は「傾斜線刈り」において、刈芝を芝刈機のほぼ走行巾内において放置又は後方排出させることにより、芝刈中における芝刈機の横滑り、刈芝の二重刈り等の不具合を防止して、芝生をきれいに刈り取ることを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、傾斜地において、等高線方向、又は傾斜線方向に沿って芝刈機を反復走行させて、前記傾斜地の芝生を刈り取る方法であって、前記芝刈機として、バーブレードの回転により刈り取られた刈芝をほぼ走行巾内において放置、又は後方排出する構成の芝刈ユニットを備えたものを使用することを特徴としている。
請求項1の発明は、芝刈ユニットを構成するバーブレードの回転により刈り取られた刈芝は、芝刈ユニットの走行巾内に放置、又は後方排出する構成であって、従来の芝刈方法のように、刈芝が機体の側方に排出される結果、「等高線刈り」において側方(傾斜地を基準にすると、斜下方又は斜上方)に向けて刈芝が排出されることはない。このために、次の芝刈作業を行う際に、直前に刈り取られて、次の刈取りを行う芝生上に放出された刈芝を芝刈機の車輪が踏み付けることにより、「等高線刈り」を行う場合において、傾斜地に沿って芝刈機が滑ったり、或いは「等高線刈り」及び「傾斜線刈り」において次に刈取りを行う芝生上に放出された刈芝が、再度バーブレードに刈り取られるという二重刈りの各不具合が一掃される。また、「等高線刈り」を行う場合において、芝刈機の車輪が刈芝を踏み付けることにより、芝刈機が傾斜地の傾斜方向に沿って滑ることはないので、「等高線刈り」が可能な傾斜地の最大角度も大きくなって、「等高線刈り」を行える傾斜地の範囲が広くなる。
また、請求項2の発明は、主として傾斜地において芝刈作業を行うための傾斜地用芝刈機であって、駆動源が搭載された機体と、前記機体に装着されて、バーブレードの回転により刈り取られた刈芝をほぼ走行巾内に放置又は放出する構成の1ないし複数の芝刈ユニットとを備えていることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明を確実に実施できる。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記芝刈ユニットは、刈芝を滞留させるための逆碗状をしたハウジング内に、回転により前記ハウジング内に旋回気流を生じさせるバーブレードが配設されて、刈芝は、そのまま短く刈り取られた芝生の部分(刈芝跡)に放置しておく構成であることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、バーブレードにより刈り取られた刈芝は、バーブレードを収容しているハウジングから外部に放出されないで、ハウジング内に発生する旋回気流、或いは刈芝の自重により、そのまま刈芝跡に放置される。また、上記構成の刈芝ユニットによれば、バーブレードの回転によりハウジング内に発生する旋回気流によってハウジング内に浮遊状態で滞留する刈芝は、バーブレードによる切断作用を受ける機会が多いために、細かく切断され、最終的には、刈芝跡に放置される。このため、細かく切断された刈芝は、刈芝跡の背丈が短くなった芝生の間に入り込むために、後に刈芝の回収の必要がないと共に、そのまま放置しても刈芝跡の見栄えを低下させない。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、4輪構造の機体の駆動源は、前輪、及び後輪がそれぞれ別々の油圧ポンプで作動される油圧装置であることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、前輪及び後輪は、別々の油圧ポンプにより作動されるため、前輪又は後輪のいずれか一方にスリップが発生しても、他方には完全に駆動力が伝達されているために、機体の走行が可能となる。凹凸を有する傾斜地において等高線方向に沿って機体を走行させて、芝刈作業を行う場合において、前輪及び後輪の双方がスリップして走行不能となる不具合が殆どなくなる。
また、請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかの発明において、機体の運転座席がほぼ水平に配置されるように、傾斜地の傾斜に応じて機体の前後方向に対してほぼ平行な回動支点軸を中心に回動可能な運転席ユニットを備えていることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、「等高線刈り」において芝刈機に乗り込む運転者は、機体の傾斜とは無関係に常に垂直方向を向いた安定した運転姿勢で運転を行える。
本発明は、芝刈ユニットを構成するバーブレードの回転により刈り取られた刈芝は、芝刈ユニットの走行巾内に放置、又は後方排出する構成であって、従来の芝刈方法のように、刈芝が機体の側方に排出される結果、「等高線刈り」において傾斜地の斜下方又は斜上方に向けて刈芝が排出されることはないために、次の芝刈作業を行う際に、直前に刈り取られて、次の刈取りを行う芝生上に放出された刈芝を芝刈機の車輪が踏み付けることにより、「等高線刈り」を行う場合において、傾斜地に沿って芝刈機が滑ったり、或いは「等高線刈り」及び「傾斜線刈り」において次に刈取りを行う芝生上に放出された刈芝が、再度バーブレードにより刈り取られるという二重刈りの各不具合が一掃される。また、「等高線刈り」を行う場合において、芝刈機の車輪が刈芝を踏み付けることにより、芝刈機が傾斜地の傾斜方向に沿って滑ることはないので、「等高線刈り」が可能な傾斜地の最大角度も大きくなって、「等高線刈り」を行える傾斜地の範囲が広くなる。
以下、本発明を実施するための複数の最良形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
図1は、三連式のマルチングモアMが装着された本発明に係る芝刈機K1 の側面図であり、図2は、同じく平面図であり、図3は、本発明に係る芝刈機K1 の機体1の下部に装着された三連式のマルチングモアMを斜下方から見た斜視図であり、図4は、マルチングモア単体M0 を斜上方から見た斜視図であり、図5は、三連式マルチングモアMの側面断面図である。図1及び図2において、芝刈機K1 の機体1の下部における前輪2と後輪3との間には、三連式のマルチングモアMがリンク機構4を介して昇降可能に装着されている。なお、図1において、5は、ハンドルを示す。
図1ないし図4において、三連式のマルチングモアMは、周壁部11aを有する本体フレーム11の天板部11bの裏面に三個のリング状の周壁体12が、図2に示されるように配置されて、本体フレーム11の天板部11bに溶接等により固着されて、マルチングモア単体M0 のハウジングHが構成されている。即ち、ハウジングHは、本体フレーム11の天板部11bの一部で構成される天板部10とリング状の周壁体12とで構成されることにより逆碗状となっていて、各ハウジングHを構成するリング状の周壁体12は、中央に配置されるものがマルチングモアM(芝刈機K1 の機体1)の進行方向Qに沿って他の二つのハウジングHの周壁体12よりも約半径分だけ前方に配置され、しかも横方向に沿って各周壁体12は僅かに交差する関係となるように配置され、隣接する周壁体12の交差部においては、各周壁体12は欠落されている。これにより、隣接するマルチングモア単体M0 内に配置される各バーブレードB1 のうち隣接するもの同士が所定量重複して、隣接するマルチングモア単体M0 の間で刈り残しが生じないようにしてある。本体フレーム11の前辺は平面視において緩やかな山形状に形成され、本体フレーム11の前部には、その巾方向に沿った中央部と両端部とに、それぞれ接地ローラ13、14、14がブラケット13a,14a,14aを介して取付けられ、本体フレーム11の後部には、一対のブラケット15aを介して鎮圧ローラ15が取付けられている。
図1及び図3において、各マルチングモア単体M0 の中心部には、軸受ユニット16を介して駆動軸17がそれぞれ垂直に支持されて、前記駆動軸17の下端部は、軸受ユニット16の下端から僅かに下方に突出していて、駆動軸17の前記下方突出部にバーブレードB1 が水平に取付けられている。なお、各マルチングモア単体M0 の駆動軸17の上端部は上方に大きく突出していて、前記上方突出部にプーリー18が取付けられていて、三つの各プーリー18には無端ベルト19が掛装されていると共に、機体1の巾方向に沿って中央のマルチングモア単体M0 の駆動軸17には、別のプーリー21が上下して取付けられていて、前記プーリー21が取付けられた駆動軸17に伝達された動力は、三つのプーリー18及び無端ベルト19を介して残りの二つの駆動軸17に伝達される構成となっている。なお、図1において、22は、プーリー21に掛装された無端ベルトを示す。
また、バーブレードB1 は、金属材により帯板状に形成されて、長手方向及び巾方向の双方に沿って屈曲した形状となっている。即ち、バーブレードB1 の両端部は、図5に示されるように、回転により上昇気流が発生するように、後述の刃部33の側が低くなるように巾方向に屈曲されて外側羽根部31が形成されていると共に、該外側羽根部31の内側には、前記刃部33の側が高くなるように巾方向に大きく屈曲して形成された内側羽根部32が連続して形成されている。また、外側羽根部31及び内側羽根部32には、回転方向に沿って下流側の端面に刃部33が連続して形成されている。バーブレードB1 の中央部は、水平な取付板部34となっていて、駆動軸17の下端部を挿通させる挿通孔35が形成されており、該取付板部34の外側には、両端に向かうに従って低くなる傾斜板部36がそれぞれ形成され、各傾斜板部36の外側に前記内側羽根部32が連続して形成されている。このため、機体1に搭載されたエンジン(図示せず)の動力がマルチングモア単体M0 の各駆動軸17に伝達されて、各バーブレードB1 が同一方向Rに回転すると、外側羽根部31の部分において上昇気流が発生すると共に、その内側の内側羽根部32の部分において下降気流が発生し、この下降気流は、バーブレードB1 の刃部33により切断されてハウジングH内に滞留する刈芝を下方の刈芝跡に排出させる作用を奏する。また、上記上昇気流と下降気流とバーブレードB1 の回転により生ずる気流とは、乱雑に混合してハウジングH内において旋回乱気流を生じさせて、ハウジングH内における刈芝の滞留時間を長くさせて、バーブレードB1 による刈芝の切断機会を増加させ、この結果、刈芝は、更に短く切断されて小片状となる。
また、図2、図4及び図5に示されるように、ハウジングHの天板部を構成する本体フレーム11の天板部11bには、マルチングモアMの進行方向に沿って前後二分した略前半部の部分に複数個(実施例では3個)の緩やかにわん曲した帯板から成る刈芝誘導板PがバーブレードB1 の回転方向に沿って所定間隔をおいて一体に取付けられている。また、図2、図4及び図5に示されるように、前記バーブレードB1 の回転方向Rを基準にして、前記ハウジングHの天板部10の裏面における刈芝誘導板Pの上流側であって、ハウジングHの周壁体12と刈芝誘導板Pとで囲まれる空間部は、前記刈芝誘導板Pの外端P1 (図4及び図5参照)から全方向に向けて肉厚が徐々に薄くなっていて、底面視が略扇形の刈芝付着防止部材Dで閉塞されている。この刈芝付着防止部材Dは、中実材に限られず、板部材をハウジングHの天板部10に対して上記したように傾斜させて固定配置して構成することも可能である。なお、図3において、23は、軸受ユニット16で支持された駆動軸17の下方突出部にバーブレードB1 を固定しているボルトを示す。
そして、機体1の進行によりこれと一緒にマルチングモアMが同方向Qに進行すると、バーブレードB1 の回転により切断された刈芝T2 は、ハウジングH内に滞留されたままバーブレードB1 の回転により周方向に連れ廻される間に、一回転において複数回だけ刈芝誘導板Pに当たって、ハウジングHの半径方向に対して傾斜した方向に沿ってハウジングHの外周側から中心部に向けて誘導される。遠心力の作用によりハウジングHの外周側に滞留しようとする刈芝T2 は、前記刈芝誘導板Pの作用によって、ハウジングHの中心部に誘導されることにより、バーブレードB1 の刃部33による切断機会が増して更に細断されて小片化される。また、ハウジングH内においては、バーブレードB1 の外側羽根部31及び内側羽根部32によって、それぞれ上昇気流及び下降気流が発生させられると共に、バーブレードB1 の回転自体によっても気流が発生し、これらの気流が相乗することにより、ハウジングH内においては旋回乱気流が発生している。この旋回乱気流によって、ハウジングH内に滞留されている刈芝T2 は、ハウジングH内において攪乱されることにより、更にバーブレードB1 による切断機会が増やされる。そして、ハウジングH内で細断された刈芝T2 は、バーブレードB1 の回転により発生する下降気流の作用によってそのまま下方に排出されて、刈芝跡(短く刈り取られた芝生T1 の部分)に落下されて芝面にそのまま残る。
また、バーブレードB1 の回転方向Rを基準にして各刈芝誘導板Pの上流側(手前側)には、それぞれ刈芝付着防止部材Dが固定配置されて、各刈芝誘導板Pの上流側の天板面は、周方向に沿って傾斜面となっていると共に、各刈芝誘導板Pの外端部と天板部10とで形成される凹部が解消されている。このため、刈芝T2 が湿っていたり、或いは刈芝T2 に雨水等が付着していても、これらの刈芝T2 は、各刈芝誘導板Pの直前においては、周方向に沿って傾斜した天板面に沿って連れ廻されるので、刈芝誘導板Pの側面に刈芝T2 が付着しなくなる。この結果、刈芝塊の「ボタ落ち」がなくなると共に、刈芝誘導板Pに刈芝T2 が付着しなくなるために、バーブレードB1 の回転時における抵抗もなくなって、ハウジングH内における刈芝T2 の連れ廻り回転がスムーズとなって、ハウジングH内における刈芝T2 の細断が効率よく行われる。
また、図6に示されるように、機体1の一対の前輪2及び一対の後輪3は、それぞれ油圧モータ24a,24b,25a,25bにより駆動され、一対の前輪2を駆動する各油圧モータ24a,24bは、油圧ポンプ26により、一対の後輪3を駆動する各油圧モータ25a,25bは、油圧ポンプ27によりそれぞれ作動される。このため、一対の前輪2の少なくとも一方、或いは一対の後輪3の少なくとも一方がスリップ回転しても、前輪2と後輪3とが同時にスリップ回転しない限り、他方(前輪2に対しては後輪3、後輪3に対しては前輪2)の駆動力により、走行可能となる。なお、2つの油圧ポンプ26,27は、同一の回転軸を有していて、共通のエンジン28により駆動されるダブルポンプである。
次に、図7ないし図9を参照にして、傾斜地において「等高線刈り」を行う場合において、常に水平に配置されるように、機体1に対して回動支点軸42を中心にして回動可能な運転席ユニットAについて説明する。図7は、運転席ユニットAの部分斜視図であり、図8は、同じく側面断面図であり、図9は、傾斜地において運転席ユニットAが水平配置された状態を示す背面図である。運転席ユニットAは、機体1に固定した軸支持体41に機体1の前後方向に対してほぼ平行となって回動可能に支持された回動支点軸42と、該回動支点軸42に上端部が一体に連結された状態で垂直に配置された回動板43と、該回動板43に対して機体1の前後方向に沿って所定間隔をおいて機体1に固定された座席支持軸支持板44と、一端部が前記回動板43の下端部に支持されていると共に、他端部の係合ピン45aが前記座席支持軸支持板44に形成した円弧状の係合孔44aに係合された座席支持軸45と、前記回動板43に形成された多数の係合孔46のいずれかに解除可能に係合させて、機体1に対する回動板43の回動位置を定めるための係合ピン47と、前記座席支持軸45に前後一対の座席支持板48を介して一体に支持された運転座席49とを備えている。
ここで、回動支点軸42は、軸支持体41に水平に固定された軸受筒51に軸受52を介して回動可能に支持され、回動支点軸42における軸支持体41よりも前方に突出した部分に前記回動板43が一体に固定されている。座席支持軸支持板44に形成された円弧状の係合孔44aは、正面視において回動支点軸42を中心とする円弧孔であって、座席支持軸45の他端にブラケット53を介して連結された係合ピン45aが前記係合孔44aに係合されている。係合ピン47は、軸支持体41における軸受筒51よりも下方に支持された案内筒54の案内孔54aに出入り可能に嵌合され、プッシュ・プルワイヤー50の操作によって案内筒54に対して出入りして、回動板43の多数の係合孔46のいずれかに係合するようになっている。また、機体1を構成する前後の各横桁材55,56には、前端側が下方にわん曲された一対のユニット支持材57が巾方向に所定間隔をおいて支持され、運転席ユニットAを構成する各部材は、前記一対のユニット支持材57に取付けられている。なお、図7及び図8において、58は、一対のユニット支持材57の後端部を支持している支柱材を示す。
このため、運転席ユニットAは、機体1の前後方向に対してほぼ平行に配置された回動支点軸42を中心にして回動可能(スイング可能)となって機体1に支持されているため、傾斜地Sにおいて「等高線刈り」を行う場合には、図9に示されるように、傾斜地Sの傾斜角度に対応して運転座席49が回動支点軸42を中心にしてスイングすると、運転座席49と一体となっている回動板43、及び座席支持板48が前記回動支点軸42を中心にして回動する。そして、運転座席49がほぼ水平に至った時に、プッシュ・プルワイヤー50をプッシュさせると、案内筒54内に嵌合された係合ピン47は、回動板43に形成された多数の係合孔46のうち最も近い係合孔46(実施例では、背面側から見て、右端の係合孔46)を自ら選択して、該係合孔46内に挿入・係合される。これにより、運転座席49は、ほぼ水平に維持される。よって、運転者は、傾斜地の傾斜角度とは無関係にほぼ垂直方向に向いた安定した姿勢で運転操作を行える。また、往路及び復路の双方において刈芝作業を行う「等高線刈り」の場合には、往路と復路においては、機体1に対する運転座席49の傾斜方向が異なるので、等高線方向の両端の作業端において、プッシュ・プルワイヤー50をプルさせて、回動板43の係合孔46と係合ピン47との係合を解除して、芝刈機K1 を前後反転させた後に、再度上記したように回動板43の係合孔46と係合ピン47とを係合させる。なお、図9において、Cは、回動支点軸42を通る垂直線を示す。
次に、上記した芝刈機K1 を使用して、傾斜地Sの芝生T0 を「等高線刈り」する場合について説明する。図10は、「等高線刈り」における芝刈機K1 の走行経路を示す図であり、図11は、「等高線刈り」における刈芝T2 の放置位置を示す図である。まず、図10に示されるように、傾斜面の上方から下方に向けて等高線方向Eに沿って芝刈機K1 を走行させて、往路においてのみ芝生T0 を刈り取って、復路ではそのまま戻る芝刈方法について説明する。上記したように、各マルチングモア単体M0 のバーブレードB1 で刈り取られた刈芝T2 は、前記バーブレードB1 の回転により発生する下降気流の作用によって、そのままハウジングHの下方に排出されて、芝刈跡に落下されて芝生面にそのまま残る。即ち、図3及び図11に示されるように、刈芝T2 の大部分は、刈り取られて短くなった芝生T1 の間に入り込んで、刈芝T2 は、殆ど認識されない状態になる。このように、実施例1の芝刈機K1 による傾斜地Sでの芝刈作業においては、刈り取られて小片状となった刈芝T2 は、マルチングモアMの各マルチングモア単体M0 を構成するハウジングHの直下にそのまま落下して、短くなった芝生T1 の間に入り込むために、芝刈機K1 を基準にすると、刈芝T2 は、芝刈機K1 の走行巾W(図11参照)内に放置されて、芝刈機K1 の横方向に排出されるものは全くない。よって、芝刈機K1 が傾斜地Sの傾斜面の上方から下方に向けて、芝刈機K1 の往路においてのみ「等高線刈り」を行う場合において、次に刈り取りを行う芝生T0 上には、刈芝T2 が全く存在していないので、傾斜姿勢で走行する芝刈機K1 の車輪2,3が、直前に刈り取られた刈芝T2 を踏みつけて、横滑りする恐れは全くなくなって、安定状態で「等高線刈り」を行える。なお、上記した「芝刈機K1 の走行巾W内」とは、正確には、各マルチングモア単体M0 の各バーブレードB1 の「合成巾内」である。なお、図9ないし図11において、Fは、傾斜線方向を示し、θは、傾斜地Sの傾斜角度を示す。
また、往路及び復路の双方において芝刈作業を行う「等高線刈り」の場合においても、刈芝は、芝刈機K1 の走行巾内に放置されるために、刈芝上を芝刈機K1 の車輪が走行することにより、横滑りを生ずる恐れは、上記した往路においてのみ芝刈作業を行う「等高線刈り」の場合と同様に、全くない。
また、4輪構造の機体1の駆動源は、前輪2、及び後輪3がそれぞれ別々の油圧ポンプ26,27で駆動される油圧装置であるために、前輪2又は後輪3のいずれか一方にスリップが発生しても、他方には完全に駆動力が伝達されているために、機体1の走行が可能となる。凹凸を有する傾斜地Sにおいて等高線方向Eに沿って機体を走行させて、芝刈作業を行う場合において、前輪2及び後輪3の双方がスリップして走行不能となる不具合が殆どなくなる。
また、刈芝T2 は、マルチングモア単体M0 の内部において何回も切断されるために短くなっており、この短くなった状態で、短く刈り取られた芝生T1 の間に入り込むために、そのまま放置しても芝生の外観は全く、或いは殆ど害されないと共に、刈芝T2 を回収する作業も必要なくなる。
なお、マルチングモアの配置数に関しては、上記実施例のように三連のものに限られず、二連、或いは四連以上のものもあり、更に、その構造に関しては、逆碗状をしたハウジング内においてバーブレードが回転する構成であれば、具体的構成はいかなるものであっても使用可能である。具体的には、ハウジング内に配置される「刈芝誘導板」に関しては、ハウジング内における刈芝の滞留時間を長くして切断機会を増加させる構成になっておれば、その形状、配置位置、及びその数に関しては、種々考えられる。
図11は、実施例2の芝刈機K2 の平面断面図である。機体(図示せず)の下部に、芝刈ユニットUが配置されており、前記芝刈ユニットUは、後部を除く全周縁に下方に向けたフランジ部が形成されて、前縁が巾方向に対して傾斜したハウジング61が配置され、該ハウジング61内に、二枚のバーブレードB2 の各回転軸62が機体の前後方向の位置がずれ、しかも芝生T0 の刈り残しを防止すべく、各バーブレードB2 の外周縁の回転軌跡Lが機体の巾方向に沿って僅かに重複した状態で配設された構成である。また、各バーブレードB2 により切断された刈芝T2 を機体の後方に排出させるべく、ハウジング61の後部に刈芝排出口63が形成されている。なお、図12において、64は、開閉可能な前縁カバーを示し、65は、刈芝T2 の排出方向を示す。
このため、各バーブレードB2 により刈り取られた刈芝T2 は、前記刈芝排出口63を通って機体の後方の左右一対の後輪3の間に排出されるため、傾斜地Sにおいて「等高線刈り」を行っても、次の刈り取りを行う芝生T0 上に刈芝T2 を排出させることはないので、実施例1の芝刈機K1 を使用した場合と同様に、安定状態で「等高線刈り」を行える。
更に、実施例1,2のいずれの芝刈機K1 ,K2 においても、傾斜地Sの傾斜が大きい場合には、傾斜線方向に沿って芝刈機K1 ,K2 を走行させて芝刈作業を行うのであるが、この場合においても、刈芝T2 は、機体1のほぼ走行巾内において放置、或いは後方排出されるために、刈芝の二重刈りがなくなる。
三連式のマルチングモアMが装着された本発明に係る芝刈機K1 の側面図である。 同じく平面図である。 本発明に係る芝刈機K1 の機体1の下部に装着された三連式のマルチングモアMを斜下方から見た斜視図である。 マルチングモア単体M0 を斜上方から見た斜視図である。 三連式マルチングモアMの側面断面図である。 機体1の前輪2及び後輪3を駆動させる油圧回路図である。 運転席ユニットAの部分斜視図である。 同じく側面断面図である。 傾斜地Sにおいて運転席ユニットAが水平配置された状態を示す背面図である。 「等高線刈り」における芝刈機K1 の走行経路を示す図である。 「等高線刈り」における刈芝T2 の放置位置を示す図である。 実施例2の芝刈機K2 の平面断面図である。
符号の説明
A:運転席ユニット
1 ,B2 :バーブレード
E:等高線方向
F:傾斜線方向
1 ,K2 :芝刈機
M:マルチングモア(芝刈ユニット)
0 :マルチングモア単体
S:傾斜地
0 :芝生
1 :短く刈り取られた芝生
2 :刈芝
U:芝刈ユニット
W:芝刈機の走行巾
1:機体
2:前輪
3:後輪
26,27:油圧ポンプ
42:回動支点軸
49:運手座席

Claims (5)

  1. 傾斜地において、等高線方向、又は傾斜線方向に沿って芝刈機を反復走行させて、前記傾斜地の芝生を刈り取る方法であって、
    前記芝刈機として、バーブレードの回転により刈り取られた刈芝をほぼ走行巾内において放置、又は後方排出する構成の芝刈ユニットを備えたものを使用することを特徴とする傾斜地における芝刈方法。
  2. 主として傾斜地において芝刈作業を行うための傾斜地用芝刈機であって、
    駆動源が搭載された機体と、前記機体に装着されて、バーブレードの回転により刈り取られた刈芝をほぼ走行巾内に放置又は放出する構成の1ないし複数の芝刈ユニットとを備えていることを特徴とする傾斜地用芝刈機。
  3. 前記芝刈ユニットは、刈芝を滞留させるための逆碗状をしたハウジング内に、回転により前記ハウジング内に旋回気流を生じさせるバーブレードが配設されて、刈芝は、そのまま刈芝跡に放置しておく構成であることを特徴とする請求項2に記載の傾斜地用芝刈機。
  4. 4輪構造の機体の駆動源は、前輪、及び後輪がそれぞれ別々の油圧ポンプで作動される油圧装置であることを特徴とする請求項2又は3に記載の傾斜地用芝刈機。
  5. 機体の運転座席がほぼ水平に配置されるように、傾斜地の傾斜に応じて機体の前後方向に対してほぼ平行な回動支点軸を中心に回動可能な運転席ユニットとを備えていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の傾斜地用芝刈機。
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