JP2007051873A - 構造物の健全度診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構造物の健全度診断方法を提供する。
【解決手段】 橋台3等の構造物を重錘7により鉛直方向に打撃し、この打撃により起こる振動をセンサ部9で計測する。計測された振動データをデータ収録・解析システム13で収録し、フーリエ解析により固有振動数実測値を求める。固有振動数実測値と、以前に求めた固有振動数実測値とを比較することにより構造物の健全度を診断する。また、構造物をモデル化し、モデルの固有値解析により固有振動数解析値を求めて、これと固有振動数実測値を比較することにより構造物の健全度を診断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、構造物の健全度を診断する健全度診断方法に係り、更に詳しくは、橋梁等の構造物を重錘により打撃することにより起こる振動を解析することにより健全度を診断する構造物の健全度診断方法に関する。
橋梁等の構造物の基礎は、通常、地中に構築されており、基礎および橋脚下部の状態を直接目で見て確かめることは困難である。
従来、鉄道橋において、構造物に重錘を打撃し、その衝撃による振動応答を収録、解析することにより構造物の固有振動数を測定し、鉄道橋の健全度を診断する方法が提案されている(非特許文献1参照)。
羽矢、稲葉、「鉄道における木杭基礎橋脚の健全度診断法」、鉄道総研報告、鉄道技術総合研究所、2003年8月、第17巻、第8号、p43-48
上記の方法は鉄道橋を対象にして、橋脚を重錘により水平方向に打撃することにより生じる振動から鉄道橋の橋脚の基礎部分の健全度を診断する方法を提案している。この方法により、橋梁の橋脚や橋桁、基礎部分の健全度を把握することが可能である。
しかしながら、上記の方法では、背面に盛土がある橋台や擁壁では、有意義な振動を検出することができず、健全度を把握することが困難であるという問題がある。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的は、橋台や擁壁等を含む橋梁等の構造物の健全度を評価可能な構造物の健全度診断方法を提供することである。
前述の課題を解決するための第1の発明は、構造物を重錘により鉛直方向に打撃する工程と、重錘による打撃で構造物に発生する振動を計測する工程と、振動データから前記構造物の固有振動数実測値を算定する工程と、固有振動数実測値により健全度を評価する工程と、よりなることを特徴とする構造物の健全度診断方法である。
重錘により構造物を鉛直方向に打撃することにより、構造物は鉛直方向の振動を起こすが、この振動データをセンサにより計測し、振動データから固有振動数実測値を求め、この固有振動数実測値から構造物の健全度を判断することが可能である。
固有振動数実測値を算定する工程は、固有振動数実測値を格納しておく工程を含み、健全度を評価する工程は、固有振動数実測値を算定する工程により算定された固有振動数実測値と、固有振動数実測値を格納しておく工程により格納されている以前に算定した同一の構造物についての固有振動数実測値を比較し、構造物の健全度の変化を診断する。
例えば、定期的に鉛直方向の打撃による構造物の固有振動数実測値を求めるようにしておくことにより、算定された固有振動数実測値を以前の固有振動数実測値と比較し、固有振動数が低下している場合に健全度が悪化していると判断することが可能である。
健全度を評価する工程は、固有振動数実測値が、以前の固有振動数実測値よりも小さい場合に、構造物の健全度が悪化していると判断する。
ここで、振動を計測する工程は、複数回実施される重錘の打撃による構造物の振動を計測し、振動の計測データを重ね合わせることにより、ノイズを除去することが望ましい。また、振動を計測する工程は、速度を計測することが好ましい。
一方、構造物を重錘により鉛直方向に打撃する工程と、重錘による打撃で構造物に発生する振動を計測する工程と、振動データから構造物の固有振動数実測値を算定する工程と、健全度を評価する工程に加えて、構造物の設計情報によるモデルから構造物の固有振動数解析値を算定する工程を更に具備し、健全度を評価する工程は、固有振動数実測値と固有振動数解析値とを比較することにより健全度を評価するようにしてもよい。
この場合、健全度を評価する工程は、固有振動数実測値が、固有振動数解析値よりも小さい場合に、構造物の健全度が悪化していると判断する。
本発明の構造物の健全度診断方法により、橋台や擁壁を含む構造物の健全度を診断することが可能になり、構造物の補修・補強実施の目安を得ることが可能になる。
以下、図面に基づいて本発明の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる健全度診断システムの構成図、図2は、健全度診断システムのセンサ部9およびデータ収録解析システム13のハードウエア構成図、図3は、データ収録・解析システム13の概念構成図、図4は、橋梁下部工維持管理処理の流れを示すフローチャート、図5は、衝撃振動試験による健全度診断処理の流れを示すフローチャート、図6は、鉛直方向の速度データと固有振動数実測値を説明する図、図7は、モデルの固有振動数による健全度診断処理の流れを示すフローチャート、図8は、橋台のモデル化の概念を説明する図である。
橋梁等の構造物の構造はさまざまであるが、例えば、橋台の場合、一般に、図1(a)に示すように、地面17より下部の地中に構築されている基礎部15と、基礎部15の上部に構築され、背後に盛土からなる盛土19がある橋台3等からなる下部工と、橋台3の上部に構築される橋桁1等の上部工よりなる。橋桁1は、支承5により橋台3の天端部と固定される。同図(b)は、同図(a)のA方向の矢視図である。橋桁1は、複数の支承5により橋台3上に固定されている。
ここで、地面17より上部の部分は、目視等により状態を直接確認することが可能であるが、地面17より下の地中にある橋台3の下部および基礎部15、橋台3の盛土19側の部分の状態を直接目で確かめることは困難である。
本実施の形態の構造物の健全度診断システムは、以上のような橋台3下部や背面部、基礎部15の健全度を判定することを目的とし、図1(a)に示す構成を採る。
図1(a)に示すように、重錘7−1を橋台3の天端部に自由落下させる。橋台3の天端部にはセンサ部9−1が設置されており、重錘7−1の自由落下により生じる鉛直方向の振動を計測する。同図(b)に示すように、重錘7−1による打撃は、橋台3の天端部の中央付近で行い、例えば速度センサよりなるセンサ部9−1により振動データを計測する。
一方、橋桁1の健全度を診断する場合には、橋桁1上に重錘7−2を自由落下させ、これによる橋桁1の鉛直方向の振動を橋桁1上に設置したセンサ部9−2で測定する。
これらのセンサ部9の計測データを解析するために、データ収録・解析システム13を設置する。センサ部9は例えばケーブル11を介してデータ収録・解析システム13に接続されている。また、センサ部9に無線送信機能、データ収録・解析システム13に無線受信機能を設けることにより、ケーブル11により接続することなく、無線通信により計測データの送受信を行ってもよい。
次に、図2に沿って、センサ部9およびデータ収録・解析システム13のハードウエア構成を説明する。
センサ部9は、速度計91、アンプ93、A/D変換機95、および、通信インタフェース97から成る。速度計91は、重錘7−1の打撃による橋台3の振動、および重錘7−2による橋桁1の振動を速度信号として計測する。計測された速度信号はアンプ93により増幅され、A/D変換機95により量子化される。ディジタル・データに変換された速度データは、通信インタフェース97、ケーブル11を介してデータ収録・解析システム13に送られる。
一方、データ収録・解析システム13は、パーソナル・コンピュータ等のコンピュータ・システムで構成できる。すなわち、制御部131、記憶部133、通信制御部135、メディア入出力部137、入力部139、表示部141、印刷部143等より成り、それらがシステム・バス145に接続された構成である。
制御部131は、中央制御装置(CPU)、RAM(randam access memory)、ROM(read only memory)等よりなり、ROMあるいは記憶部133に記憶されているプログラムを実行する。記憶部131は、ハードディスク装置等であり、プログラムやデータ等が記憶される。通信制御部135は、外部との通信インタフェースであり、RS−232C入出力や、無線通信、モデム等の通信インタフェースよりなる。また、メディア入出力部137は、CD−ROM、メモリーカード等の入出力制御部である。
さらに、入力部139は、キーボード、マウス等の入力装置、表示部141は、ディスプレイ装置、印刷部143は、プリンタを備える。
本実施の形態の道路橋の健全度診断システムにおけるデータ収録およびデータ解析、健全度診断に使用するプログラムは、例えば、CD−ROM等のメディアにより供給され、データ収録・解析システム13のメディア入出力部137より入力され、記憶部133に格納されて、制御部131により実行される。
また、センサ部9で測定された速度データは、センサ部9の通信インタフェース97、ケーブル11を介してデータ収録・解析システム13に送信され、通信制御部135を介して記憶部133に格納され、後述するデータ解析用のプログラムにより解析される。
このとき、センサ部9の通信インタフェース97を無線通信インタフェースとし、データ収録・解析システム13の通信制御部135の無線通信制御を使用することにより、ケーブル11を使用せずに、無線通信により速度データを送受信することも可能である。
図3は、データ収録・解析システム13のソフトウエア構成を示す図である。
センサ部9により計測された速度データをケーブル11または無線により受信し、記憶部133に格納するデータ収録手段151と、データ収録手段151により記憶部133に格納された速度データに関して固有振動数の実測値を算定する固有振動数実測値算定手段152、固有振動数実測値算定手段152により求めた固有振動数実測値を記憶部133に格納する固有振動数実測値格納手段153、固有振動数実測値から健全度を評価する健全度評価手段155、橋台3等の構造物をモデル化し、そのモデルから構造物の固有振動数の解析値を算定する「モデルによる固有振動数解析値算定手段」154からなる。
これらの手段は、プログラムであり、データ収録・解析システム13の記憶部133に記憶され、制御部131により実行される。「モデルによる固有振動数解析値算定手段」154は、重錘7の橋台3等の構造物への打撃試験とは別に、構造物の設計図を元にしたモデルをデータとして実行しておくことが可能である。
健全度評価手段155は、固有振動数実測値算定手段152で求めた固有振動数実測値と、固有振動数実測値格納手段153により以前に記憶部133に格納された以前の固有振動数実測値とを比較することにより健全度を評価する方法と、橋台3等の構造物をモデル化した「モデルによる固有振動数解析値算定手段」により求めた固有振動数解析値と固有振動数実測値とを比較することにより健全度を評価する方法がある。
以上の方法の処理の流れの詳細については後述する。
図4は、橋台3等の橋梁下部工の維持管理の流れを示すフローチャートである。
まず、橋台3等の構造物の地上部分の目視調査を実施する(ステップ401)。目視調査では、地上部分の補修・補強箇所を調査できるが、例えば、橋台3の地面17より下部の部分や基礎部15、橋台3の背面の盛土19に接する面等の状態は判断できない。
次に、詳細は後述する本実施の形態の衝撃振動試験による健全度診断を実施する(ステップ402)。これによって、目視調査ができない橋台下部や基礎部15、橋台3の盛土19側の部分等の健全度が診断される。
ステップ402において健全度が良好であると判断された場合には維持管理処理は終了する。一方、ステップ402において健全度が低下していると判断された場合には、締切・掘削による詳細調査を実施し(ステップ403)、補修・補強箇所を特定する。これにより、補修・補強を実施する(ステップ404)。
以上のように、本実施の形態の衝撃振動試験による健全度診断により、締切・掘削を行わずに、橋台3等の構造物の目視調査が不可能な部分の健全度の予備調査を行うことが可能になり、構造物の維持管理コストの削減につながる。
図5は、衝撃振動試験による健全度診断処理の流れを示すフローチャートである。同図に示す処理では、固有振動数実測値格納手段153により格納されている以前の固有振動数実測値と、今回の固有値振動数実測値を比較して、健全度の変化を判断する方法について説明する。
まず、大まかな処理の流れを説明する。
衝撃振動試験に先立ち、センサ部9の設置およびデータ収録・解析システム13のセットアップを行う。その後、重錘7−1(または7−2)を自由落下させ、センサ部9−1(または9−2)で計測された速度データが、データ収録・解析システム13のデータ収録手段151により受信され、記憶部133に格納される。測定はN回(例えば10回)行い、各回の速度データが記憶部133に格納される(ステップ601〜607)。
次に、固有振動数実測値算定手段152により、記憶部133に格納された速度データを基に、固有振動数実測値を算定する(ステップ608〜611)。求めた固有振動数実測値は、固有振動数実測値格納手段153により記憶部133に格納される(ステップ612)。
次に、以前に記憶部133に格納された以前の衝撃振動試験時の固有振動数実測値と、今回の固有振動数実測値を比較し、健全度を評価する(ステップ613〜616)。
次に、各ステップの処理を説明する。
まず、データ収録手段151では、重錘7の落下回数の係数nを1とする(ステップ601)。そして、重錘7の構造物への自由落下を実施する(ステップ602)。重錘7の自由落下により構造物に生じた鉛直方向の振動は、センサ部9の速度計91により測定され、アンプ93で増幅され、A/D変換器95によりディジタル・データに変換されて通信インタフェース97、ケーブル11を介してデータ収録・解析システム13に送られる。データ収録手段151は、通信制御部135を介して受信した速度データを記憶部133に格納する。このとき、センサ部9の通信インタフェース97およびデータ収録・解析システム13の通信制御部135において無線の送受信に対応していれば、ケーブル11を介することなく、無線通信により速度データがデータ収録・解析システム13に収録される。
以上の処理により重錘7の1回分の自由落下による構造物の振動データが記憶部133に格納される。一般的に、ノイズ等を排除するため、打撃試験は複数回(N回)、例えばN=10実施される。よって、ステップ602〜606の処理がN回繰り返される。これによりN回分の振動データが記憶部133に格納される。
次に、N回分の速度データの重ね合わせ処理を実行する(ステップ706)。時系列として得られているN回分の速度データを重ね合わせることにより、1回の打撃においてのみ生じたようなノイズ成分を抑制する効果がある。重ね合わせ処理後の速度データを表示部141に表示するとともに、記憶部133に格納する(ステップ607)。
図6(a)は、N回分の速度データに重ね合わせ処理を実施した後の速度データである。
次に、固有振動数実測値算定手段152により、重ね合わせ処理後の速度データの固有振動数を求める。
すなわち、記憶部133に格納されている重ね合わせ処理後の速度データを読み出し、フーリエ変換し、フーリエスペクトラムを求める(ステップ609)。フーリエ変換は、一般に流通している高速FFT等のプログラムを使用することが可能であり、使用するフーリエ変換プログラムは、記憶部133に格納されている。求めたフーリエスペクトラムは、表示部141に表示される(ステップ610)。
図6(b)は、同図(a)の速度データについてのフーリエスペクトラムである。このフーリエスペクトラムから固有振動数実測値を算定する(ステップ611)。固有振動数実測値は、フーリエスペクトラムがピークを示す周波数として求めることが可能であり、また、フーリエスペクトラムとともに位相スペクトラムを求め、位相の変化点を示す周波数を合わせて考慮することにより求めることが可能である。同図(b)では、固有振動数実測値は21Hzである。
算定された固有振動数実測値は、固有振動数実測値算定手段153により記憶部133に格納される。
以上の処理により、重錘7の打撃による構造物の固有振動数実測値が求められた。次に、健全度評価手段155による健全度の評価を行う。
すなわち、まず、記憶部133から、以前の打撃試験により求めた固有振動数実測値を呼び出す(ステップ613)。次に、今回求めた固有振動数実測値と以前に求めた固有振動数実測値の大きさを比較する(ステップ614)。今回の固有振動数が以前の固有振動数よりも大きいか、あるいは同程度である場合(ステップ614のyes)、健全度は悪化していないと判断する。一方、今回求めた固有振動数が以前の固有振動数よりも小さい場合(ステップ614のno)、健全度が悪化していると判断する。
例えば、図6(b)に示すように、今回求めた固有振動数実測値が21Hzで、以前に求めて記憶部133より読み出した固有振動数実測値が30Hzであるような場合、今回の固有振動数実測値が以前よりも低くなっていることから健全度が悪化したと判断される。このような場合には、掘削等による詳細調査を行ったうえで補修・補強工事を実施する(図4のステップ403、404)。
以上に説明した構造物の健全度を診断する方法は、固有振動数実測値を以前に測定した固有振動数実測値と比較することにより、健全度の変化の状態を評価することより、健全度を診断する方法である。
次に、構造物のモデルをもとに固有振動数を解析し、この固有振動数解析値と固有振動数実測値を比較することにより、構造物の健全度を診断する方法を説明する。
すなわち、図3において、モデルによる固有振動数解析値算定手段154により構造物の固有振動数解析値を求め、これと、固有振動数実測値算定手段152で求めた固有振動数実測値を基に、健全度評価手段155が健全度を評価する方法である。
図7は、モデルの固有振動数による健全度診断処理のフローチャートである。
まず、モデルによる固有振動数解析値算定手段154により構造物の固有振動数解析値を求める(ステップ701〜703)。
その後、健全度評価手段155により、固有振動数実測値と固有振動数解析値を比較することにより構造物の健全度を評価する(ステップ704〜707)。
まず、橋台3の設計図面から橋台3のモデルを作成する(ステップ701)。
図8は、橋台3のモデル化の概念図である。
同図(a)に示すように、橋台3は、地面17より下部にある基礎部15とその上に構築された橋台3等の下部工と、橋桁1と橋桁1を橋台3上に固定する支承5等の上部工よりなり、橋桁1上に設けた走行部分を車両、鉄道等が走行する。
このような橋台3は、同図(b)に示すように、複数の質点とそれをつなぐ断塑性梁要素、基礎部分の地盤ばね等からなる多質点系の解析モデルにモデル化することができる。すなわち、各道路橋の設計図から、橋台3にかかる各部分の荷重配分を各質点に置き、それをつなぐ断塑性梁要素は、橋台3の、曲げ剛性EI(Eはコンクリート等のヤング率、Iは断面2次モーメントI)とし、地盤ばねは、地盤ばねには、地盤調査のN値より求め、基礎部15の種類(杭基礎、ケーソン基礎、直接基礎等)により予め決めた係数をかけたものを用いる。
以上のように、橋台3の各部分の死加重を質点に設定したモデルを用いて固有値解析を行うことにより、橋台3の固有振動数解析値を算出する(ステップ702)。この固有値解析は、記憶部133および制御部131に格納されている既存の固有値解析プログラムを実行することにより行う。
次に、ステップ702により求まった構造物の固有振動数解析値と、図6のステップ601〜611で求めた同じ構造物の固有振動数の実測値を比較し、健全度を評価する処理を行う。
すなわち、まず、記憶部133より固有振動数実測値を読み出し(ステップ704)、この値を固有振動数解析値と比較する(ステップ705)。固有振動数実測値が固有振動数解析値よりも大きい場合(ステップ705のyes)は、構造物の健全度は十分であると判定する(ステップ706)。一方、固有振動数実測値が固有振動数解析値よりも小さい場合(ステップ705のno)は、構造物の健全度が十分ではないと判定する(ステップ707)。
以上に説明した構造物の健全度診断方法により、橋台3等の構造物の健全度を判定可能になる。
尚、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能であり、それらも、本発明の技術範囲に含まれる。例えば、本実施の形態の構造物の健全度診断方法では、橋台3を構造物の例として説明したが、健全度を診断する対象は橋台に限ることなく、その他の構造物も含まれる。例えば、橋桁や擁壁等であってもよい。また、構造物に衝撃を与えて振動を起こさせる方法は重錘7に限ることはなく、例えば、掛け矢等でもよい。橋台3を十分に振動させることが可能な掛け矢を高所作業車等に設置し、構造物を掛け矢で鉛直方向に打撃し、構造物に振動を起こさせることにより、同様に固有振動数実測値を算定し、健全度を診断することが可能である。
本発明の実施の形態にかかる健全度診断システムの構成図 健全度診断システムのセンサ部9およびデータ収録解析システム13のハードウエア構成図 データ収録・解析システム13の概念構成図 橋梁下部工維持管理処理の流れを示すフローチャート 衝撃振動試験による健全度診断処理の流れを示すフローチャート 速度データ(a)およびフーリエスペクトラム(b)を説明する図 モデルの固有振動数による健全度診断処理の流れを示すフローチャート 橋台のモデル化の概念を説明する図
符号の説明
1………橋桁
3………橋台
7………重錘
9………センサ部
13………データ収録・解析システム
15………基礎部
91………速度計

Claims (5)

  1. 構造物を重錘により鉛直方向に打撃する工程と、
    前記重錘による打撃で構造物に発生する振動を計測する工程と、
    前記振動データから前記構造物の固有振動数実測値を算定する工程と、
    前記固有振動数実測値により健全度を評価する工程と、
    を具備することを特徴とする構造物の健全度診断方法。
  2. 前記固有振動数実測値を算定する工程は、前記固有振動数実測値を格納しておく工程を含み、
    前記健全度を評価する工程は、前記固有振動数実測値を算定する工程により算定された前記固有振動数実測値と、前記固有振動数実測値を格納しておく工程により格納されている以前に算定した同一の構造物についての固有振動数実測値を比較し、前記構造物の健全度の変化を診断することを特徴とする請求項1記載の構造物の健全度診断方法。
  3. 前記健全度を評価する工程は、前記固有振動数実測値が、前記以前の固有振動数実測値よりも小さい場合に、前記構造物の健全度が悪化していると判断することを特徴とする請求項2記載の構造物の健全度診断方法。
  4. 前記構造物の設計情報によるモデルから前記構造物の固有振動数解析値を算定する工程を更に具備し、
    前記健全度を評価する工程は、前記固有振動数実測値と前記固有振動数解析値を比較するにより健全度を評価することを特徴とする請求項1記載の構造物の健全度診断方法。
  5. 前記健全度を評価する工程は、前記固有振動数実測値が、前記固有振動数解析値よりも小さい場合に、前記構造物の健全度が悪化していると判断することを特徴とする請求項4記載の構造物の健全度診断方法。
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