JP2007048556A - 膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
電解質膜の表面に対して加熱による軟化処理を行うことなく、電解質膜と触媒層との積層面における良好な接触状態を確保し、高性能の膜電極接合体を得ることを可能とする膜電極接合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】
本発明の膜電極製造方法は、支持体上に芳香族系高分子電解質膜を形成する工程と、電解質膜における支持体と反対の面に触媒ペーストを塗布して乾燥することにより、第1の触媒層を形成する工程と、支持体を剥離し、支持体剥離後の固体高分子電解質膜における第1の触媒層と反対の面に、触媒ペーストを塗布して乾燥することにより、第2の触媒層を形成する工程と、電解質膜の両面に触媒層が形成された触媒付電解質膜を脱溶媒する工程とを連続して行うことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料電池、特に固体高分子型燃料電池を構成する膜電極接合体の製造方法に関する。
従来、膜電極接合体の製造方法としては、固体高分子電解質膜を触媒担持フィルムで挟持した状態で直接ホットプレスして接合した後、基材フィルムを剥離する方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。このようにして製造された固体高分子電解質膜と触媒との接合体は、固体高分子型燃料電池などに用いられている。
上記膜電極接合体に用いられる固体高分子電解質膜および電極電解質としては、主にナフィオン(登録商標、デュポン社製)に代表されるパーフルオロスルホン酸系高分子電解質が使用されてきた。ここで、固体高分子型燃料電池は、電池の作動温度が高くなるほど、発電効率が高くなることから、作動温度を高くすることが望まれている。しかしながら、上記パーフルオロスルホン酸系高分子電解質は、耐熱性が低いため、高温で使用できないといった問題点があった。
そのため、高温で使用できるよう芳香族炭化水素を含む電解質が使用されるようになってきている。しかしながら、芳香族系高分子材料は、そのガラス転移温度がパーフルオロスルホン酸系高分子電解質に比べて高い材料が多く、スルホン酸が脱離しない程度の温度以下では、芳香族系高分子材料のガラス転移温度に達しないため、電解質膜−電極の接合強度や接触性が充分でない場合が多いという課題があった。
このような課題の解決手段として、電解質膜単体に直接電極を塗布形成させる方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、従来の膜電極接合体の製造方法においては、電解質膜の製造工程と電極形成の製造工程とが分割されているので、工程間の仕掛品の管理状態により性状や特性に影響があることが問題となっている。また、芳香族系の電解質を使用した場合、環境に対する影響が大きいことから、パーフルオロ系電解質に比べて、管理が難しくなっている。
特開平10−64574号公報 特開2003−100314号公報
本発明の課題は、電解質膜の表面に対して加熱による軟化処理を行うことなく、電解質膜と触媒層との積層面における良好な接触状態を確保しつつ、工程間の仕掛品の管理状態による影響を回避することができ、高性能の膜電極接合体を得ることを可能とする膜電極接合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、芳香族系固体高分子電解質を支持体上に流延して脱溶媒することにより形成された電解質膜上に、触媒ペーストを直接塗布・乾燥して触媒層を形成し、前記支持体を剥離した後、該電解質膜における前記触媒層と対向する面に、触媒ペーストを直接塗布・乾燥して触媒層を形成し、得られた触媒付電解質膜を脱溶媒処理する工程を連続して行うことにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明に係る膜電極接合体の製造方法は、(1)支持体上に芳香族系高分子電解質膜を形成する工程と、(2)電解質膜における支持体と反対の面に、触媒担持カーボン、芳香族系高分子電解質、増孔剤および溶媒を含む触媒ペーストを塗布して乾燥することにより第1の触媒層を形成する工程と、(3)支持体を剥離し、支持体剥離後の固体高分子電解質膜における第1の触媒層と対向する面に、触媒担持カーボン、芳香族系高分子電解質、増孔剤および溶媒を含む触媒ペーストを塗布して乾燥することにより第2の触媒層を形成する工程と、(4)電解質膜上に第1の触媒層および第2の触媒層が形成された触媒付電解質膜を脱溶媒処理する工程とを連続して行うことを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、電解質膜と触媒層との接触性が改善され、高性能な膜電極接合体が得られる。また、工程間の仕掛かり品がなくなることにより、ロールの巻きだし・巻き取り時における異物混入による性状不良を低減できるとともに、膜電極接合体1単位あたりの生産時間を短縮でき、生産性を向上させることができる。
以下、本発明に係る膜電極接合体の製造方法について詳細に説明する。
本発明の膜電極製造方法は、支持体上に芳香族系高分子電解質膜を形成する工程(1)と、電解質膜上(支持体と反対の面)に、芳香族系高分子電解質を含む触媒ペーストを直接塗布して乾燥することにより第1の触媒層を形成する工程(2)と、支持体を剥離し、支持体剥離後の電解質膜上(第1の触媒層と対向する面)に、触媒ペーストを直接塗布して乾燥することにより第2の触媒層を形成する工程(3)と、電解質膜の両面に触媒層が形成された触媒付電解質膜を脱溶媒処理する工程(4)とを連続して行う方法である。
〔工程(1)〕
本発明の製造方法における工程(1)では、芳香族系高分子電解質を溶媒中に溶解または膨潤させ、それを公知の塗工方法により支持体上に流延して乾燥し、脱溶媒処理を行うことにより、芳香族系高分子電解質膜(プロトン伝導膜)を形成する。
上記乾燥条件としては、塗工速度および材料により適切な条件を設定でき、電解質のスルホン酸基が脱離しない程度の条件が望ましい。具体的には、乾燥温度20℃〜180℃、好ましくは50℃〜160℃で、乾燥時間5分〜600分、好ましくは30分〜400分で行うことができる。
上記脱溶媒処理は、水浸漬により行うことができる。このときの水温は5℃〜120℃、好ましくは15℃〜95℃で、水浸漬時間は1分〜72時間、好ましくは5分〜48時間である。また、特開2004−79380号公報に示されるような方法で脱溶媒処理を行ってもよい。
上記支持体としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系ポリマーからなるシート、または、表面を離型剤処理したガラス板や金属板、ポリエチレンテレフタレート(PET)のシートなども用いることができる。
<芳香族系高分子電解質>
上記電解質膜を構成する芳香族系高分子電解質は、特に限定されないが、高温での発電安定性の観点から、下記一般式(A)で表されるスルホン酸基を有する構成単位(以下、「構成単位(A)」または「スルホン酸ユニット」ともいう。)と、下記一般式(B)で表されるスルホン酸基を有さない構成単位(以下、「構成単位(B)」または「疎水性ユニット」ともいう。)とを含む下記一般式(C)で表されるスルホン化ポリアリーレンからなることが好ましい。
(スルホン酸ユニット)
Figure 2007048556
上記式(A)中、Yは、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−
、−(CF2i−(iは1〜10の整数を示す。)または−C(CF32−を示す。これらの中では、−CO−および−SO2−が好ましい。
Zは、独立に直接結合、−(CH2j−(jは1〜10の整数を示す。)、−C(CH32−、−O−または−S−を示す。これらの中では、直接結合および−O−が好ましい。
Arは、−SO3H、−O(CH2pSO3Hまたは−O(CF2pSO3H(pは1〜
12の整数を示す。)で表される置換基を有する芳香族基を示す。芳香族基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの中では、フェニル基およびナフチル基が好ましい。また、Arは、−SO3H、
−O(CH2pSO3Hまたは−O(CF2pSO3Hで表される置換基を少なくとも1個有していることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上有することが好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、kは1〜4の整数を示す。
上記構成単位(A)の好ましい構造としては、上記式(A)において、
(1)m=0、n=0であり、Yが−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有
するフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、Yが−CO−であり、Zが−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、Yが−CO−であり、Zが−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、Yが−CO−であり、Arが置換基として2個の−SO3
Hを有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、Yが−CO−であり、Zが−O−であり、Arが置換基として−O(CH24SO3Hを有するフェニル基である構造
などを挙げることができる。
(疎水性ユニット)
Figure 2007048556
上記式(B)中、AおよびDは、それぞれ独立に直接結合、−CO−、−SO2−、−
SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2i−(iは1〜10の整数を示す。)、−(CH2j−(jは1〜10の整数を示す。)、−CR’2−、シクロヘキシリデン基
、フルオレニリデン基、−O−または−S−を示す。これらの中では、直接結合、−CO−、−SO2−、−CR’2−、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基および−O−が好ましい。なお、R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示し、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、酸素原子が好ましい。
1〜R16は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部もしくは全部
がハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基またはニトリル基を示す。
上記R1〜R16におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。アリル基としては、プロペニル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
sおよびtは、それぞれ0〜4の整数を示す。rは0または1以上の整数を示し、上限は通常100、好ましくは1〜80である。
上記構成単位(B)の好ましい構造としては、上記式(B)において、
(1)s=1、t=1であり、Aが−CR’2−、シクロヘキシリデン基またはフルオレ
ニリデン基であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(2)s=1、t=0であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または−SO2−であ
り、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(3)s=0、t=1であり、Aが−CR’2−、シクロヘキシリデン基またはフルオレ
ニリデン基であり、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子、フッ素原子またはニト
リル基である構造
などが挙げられる。
(ポリマー構造)
Figure 2007048556
上記式(C)中、A、B、D、Y、Z、Ar、k、m、n、r、s、tおよびR1〜R16は、上記式(A)および(B)中で定義した通りであり、xおよびyは、x+y=10
0モル%とした場合のモル比を示す。
本発明で特に好ましく用いられるスルホン化ポリアリーレンは、上記構成単位(A)、すなわちxのユニットを0.5〜99.999モル%、好ましくは10〜99.99モル%の割合で含有し、上記構成単位(B)、すなわちyのユニットを99.5〜0.001モル%、好ましくは90〜0.01モル%の割合で含有している。
(スルホン化ポリアリーレンの製造方法)
上記スルホン化ポリアリーレンの製造方法としては、たとえば、下記に示すA法、B法およびC法が挙げられる。
(A法)たとえば、特開2004−137444号公報に記載の方法で、上記構成単位(A)となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、上記構成単位(B)となりうるモノマーまたはオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を脱エステル化してスルホン酸基に変換する方法。
(B法)たとえば、特開2001−342241号公報に記載の方法で、上記式(A)で表される骨格を有するが、スルホン酸基およびスルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記構成単位(B)となりうるモノマーまたはオリゴマーとを共重合させ、得られた共重合体をスルホン化剤を用いてスルホン化する方法。
(C法)上記式(A)中のArが、−O(CH2pSO3Hまたは−O(CF2pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基である場合には、たとえば、特開2005−60625号公報に記載の方法で、上記構成単位(A)となりうる前駆体のモノマーと、上記構成単位(B)となりうるモノマーまたはオリゴマーとを共重合させ、次いで、アルキルスルホン酸またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法。
上記A法で用いることができる、上記構成単位(A)となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーとしては、たとえば、特開2004−137444号公報、特開2004−345997号公報、特開2004−346163号公報に記載されているスルホン
酸エステル類を挙げることができる。
上記B法で用いることができる、上記構成単位(A)となりうるスルホン酸基およびスルホン酸エステル基を有しないモノマーとしては、たとえば、特開2001−342241号公報、特開2002−293889号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。
上記C法で用いることができる、上記構成単位(A)となりうる前駆体のモノマーとしては、たとえば、特開2005−36125号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。
また、いずれの方法においても用いられる、上記構成単位(B)となりうるモノマーまたはオリゴマーとしては、以下のとおりである。
上記式(B)においてr=0の場合、たとえば、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンズアニリド、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルなどが挙げられる。これらの化合物において、塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物なども用いることができる。
上記式(B)においてr=1の場合、たとえば、特開2003−113136号公報に記載の化合物を挙げることができる。
上記式(B)においてr≧2の場合、たとえば、特開2004−137444号公報、特開2004−244517号公報、特開2004−346164号公報、特願2003−348523号、特願2003−348524号、特願2004−211739号、特願2004−211740号に記載の化合物を挙げることができる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンを得るためには、まず、上記構成単位(A)となりうるモノマーと、上記構成単位(B)となりうるモノマーまたはオリゴマーとを、触媒の存在下で共重合させ、前駆体のポリアリーレンを得ることが必要である。この共重合を行う際に用いられる触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系は、(i)遷移金属塩および配位子となる化合物、または、配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)と、(ii)還元剤とを必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために「塩」を添加してもよい。これらの触媒成分の具体例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件は、たとえば、特開2001−342241号公報に記載されている条件を採用することができる。
本発明で用いられるスルホン化ポリアリーレンは、上記のようにして得られた前駆体のポリアリーレンを、スルホン酸基を有するポリアリーレンに変換することにより得ることができる。この方法としては、下記の3通りの方法がある。
(a法)上記A法で得られた、前駆体のスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、特開2004−137444号公報に記載の方法で脱エステル化する方法。
(b法)上記B法で得られた前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241号公報に記載の方法でスルホン化する方法。
(c法)上記C法で得られた前駆体のポリアリーレンに、特開2005−60625号公報に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する方法。
上記のような方法により製造される、上記式(C)で表されるスルホン化ポリアリーレ
ンのイオン交換容量は、通常、0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。イオン交換容量が上記範囲よりも低いと、プロトン伝導度が低くなり発電性能が低下する傾向にある。一方、イオン交換容量が上記範囲を超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがあるため好ましくない。
上記イオン交換容量は、たとえば、上記構成単位(A)となりうる前駆体のモノマーおよび上記構成単位(B)となりうるモノマーまたはオリゴマーの種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。
このようにして得られるスルホン化ポリアリーレンの分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
<溶媒>
上記溶媒としては、上記芳香族系高分子電解質を溶解または分散する溶媒であればよく、特に限定されるものではない。また、1種類単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、水;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ブタノール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル1−プロパノール、シクロヘキサノール
、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル、イソペンチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、シネオール、ベンジルエチルエーテル、アニソール、フェネトール、アセタールなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノンなどのケトン類
;γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テ
トラメチル尿素などの非プロトン性極性溶媒;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。
〔工程(2)〕
本発明の製造方法における工程(2)では、上記工程(1)で得られた芳香族系高分子電解質膜上(支持体と対向する面)に、芳香族系高分子電解質を含む触媒ペーストを直接塗布して乾燥することにより第1の触媒層を形成する。
上記触媒ペーストの塗布方法としては、たとえば、間欠塗工法、グラビア塗工法、スプレー塗工法、スクリーン印刷法、ブレード法などが挙げられる。これらの中では、上記第1の触媒層および第2の触媒層のいずれか一方を形成する際の塗布法が、量産性の観点から、間欠塗工法であることが好ましい。また、電極厚みを薄膜化して特性向上を図る観点から、グラビア塗工法、スプレー塗工法またはスクリーン印刷法であることも好ましい。
上記触媒ペースト塗布後の溶媒を除去するための乾燥処理は、乾燥温度20℃〜180℃、好ましくは50℃〜160℃で、乾燥時間5分〜600分、好ましくは30分〜400分で行うことができる。また、必要に応じて水浸漬により除去してもよい。水浸漬の条件としては、水浸漬温度が5〜120℃、好ましくは15〜95℃であり、水浸漬時間が1分〜72時間、好ましくは5分〜48時間である
触媒層の厚さは、特に制限されるものではないが、触媒として担持された金属が、コーティングの単位面積あたり、0.01〜2.0mg/cm2、好ましくは0.05〜1.
0mg/cm2の範囲で触媒層中に存在することが望ましい。この範囲にあれば、十分に
高い触媒活性が発揮されるとともに、効率的にプロトンを伝導することができる。
上記のようにして得られる触媒層の細孔容積は、0.05〜3.0ml/g、好ましくは0.1〜2.0ml/gの範囲にあることが望ましい。細孔容積が上記範囲を超えると、機械的特性が低下する傾向にあるとともに、電子伝導およびプロトン伝導経路が切断され、発電性能が低下することがある。一方、細孔容積が上記範囲よりも低いと、水の排出性が悪く、発電性能が低下することがある。
<触媒ペースト>
上記触媒層を形成する際に用いられる触媒ペーストは、触媒担持カーボン、芳香族系高分子電解質、溶媒および増孔剤を含み、必要に応じて分散剤などの他の成分を含んでいてもよい。
上記触媒ペーストを構成する芳香族系高分子電解質は、特に限定されないが、生産効率等の観点から、上記電解質膜を構成する芳香族系高分子電解質と同一のポリマーであることが好ましい。また、上記触媒ペーストを構成する溶媒は、上記電解質膜を形成する際に用いられる溶媒と同様のものを用いることができる。
(触媒担持カーボン)
上記触媒ペーストに用いられる触媒担持カーボンにおける触媒としては、水素の酸化反応および酸素の還元反応に触媒作用を有するものであればよく、たとえば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属もしくはこれらの合金、または、これらの酸化物などが挙げられる。上記触媒の粒径は10〜300Åが好ましく、15〜100Åがより好ましい。
上記触媒を担持するカーボンとしては、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが用いられる。また、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
上記オイルファーネスブラックとしては、たとえば、キャボット社製「バルカンXC−72」、「バルカンP」、「ブラックパールズ880」、「ブラックパールズ1100」、「ブラックパールズ1300」、「ブラックパールズ2000」、「リーガル400」、ライオン社製「ケッチェンブラックEC」、三菱化学社製「#3150、#3250」
などが挙げられる。また、上記アセチレンブラックとしては電気化学工業社製「デンカブラック」などが挙げられる。
これらのカーボンの形態としては、粒子状のほか、繊維状も用いることができる。また、カーボンに担持される触媒の量としては、有効に触媒活性が発揮できる量であれば特に制限されるものではないが、担持量がカーボン重量に対して、0.1〜9.0g-metal/g-carbon、好ましくは0.25〜2.4g-metal/g-carbonの範囲である。
(増孔剤)
上記触媒ペーストに用いられる増孔剤としては、たとえば、炭素繊維や炭素粒子などが挙げられる。
上記炭素繊維としては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、リグニンポバー系炭素
繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、好ましくは、気相成長炭素繊維である。
上記炭素粒子としては、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが用いられる。また、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
上記オイルファーネスブラックとしては、たとえば、キャボット社製「バルカンXC−72」、「バルカンP」、「ブラックパールズ880」、「ブラックパールズ1100」、「ブラックパールズ1300」、「ブラックパールズ2000」、「リーガル400」、ライオン社製「ケッチェンブラックEC」、三菱化学社製「#3150、#3250」などが挙げられる。また、上記アセチレンブラックとしては電気化学工業社製「デンカブラック」などが挙げられる。
このような増孔剤を触媒ペーストに含有させることにより、形成される電極中の細孔容積が増加するため、燃料ガスや酸素ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディング等を改善でき、発電性能が向上する。
(その他の添加物)
上記触媒ペーストには、必要に応じてさらに他の成分、たとえば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などの分散剤や、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマーなどの撥水剤などを添加してもよい。前記分散剤を添加すると、保存安定性および流動性に優れ、塗工時の生産性が向上する。また、前記撥水剤を添加すると、生成する水を効率よく排出する効果を奏し、発電性能の向上に寄与する。
〔工程(3)〕
本発明の製造方法における工程(3)では、上記支持体を剥離し、支持体剥離後の電解質膜上(第1の触媒層と対向する面)に、触媒ペーストを直接塗布して乾燥することにより第2の触媒層を形成する。なお、工程(3)で用いられる触媒ペーストは、工程(2)で用いられる触媒ペーストと同様のものを用いることができる。また、第2の触媒層は、上記第1の触媒層を形成する方法と同様にして形成することができる。
〔工程(4)〕
本発明における工程(4)では、上記電解質膜の両面に触媒層(上記第1の触媒層および第2の触媒層)が形成された触媒付電解質膜を脱溶媒処理する。
上記脱溶媒処理は、水浸漬により行うことができる。このときの水温は5℃〜120℃、好ましくは15℃〜95℃で、水浸漬時間は1分〜72時間、好ましくは5分〜48時間である。また、上記脱溶媒処理は、過熱スチームを用いて行うこともできる。このときの条件としては、たとえば、110℃〜140℃、1気圧の雰囲気で暴露時間は1分〜6時間、好ましくは5分〜1時間である。なお、特開2004−79380号公報に示されるような方法で脱溶媒処理を行ってもよい。
〔製造装置〕
本発明の製造方法に用いられる製造装置は、上記工程(1)の前工程、上記工程(1)〜(4)の各工程、上記工程(4)の後工程およびこれらの各工程間における製品の寸法変化に合わせて張力制御を行う機構を具備することが好ましい。張力制御機構としては、たとえば、張力センサーを具備したテンションロールや、張力が一定となるように適当な重量をもったダンサーロールなどを用いることができる。このような張力制御機構を用いて各工程の製品にかかる張力を一定にすることにより、形成された電極の表面性状不良や、搬送時の膜表面に発生する皺などの表面性状不良などを防止できる。
上記張力は、膜の厚み、機械強度、乾燥条件によって最適値を選べばよく、支持体剥離後に大きく機械強度が変化する場合は、それに見合った張力を選ぶことが望ましい。具体的には、125μm厚のPET支持体付の芳香族固体高分子電解質膜の場合は1〜100N、好ましくは20〜50N、支持体剥離後は1〜50N、好ましくは10〜30Nの張力を選ぶことができる。
〔用途〕
本発明の製造方法により得られる膜電極接合体は、固体高分子型燃料電池を構成する膜電極接合体として好適に用いることができる。また、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサなどにも応用することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、イオン交換容量および分子量の測定ならびに発電性能の評価は下記の方法により行った。
(イオン交換容量)
得られたスルホン化ポリマーの水洗水が中性になるまで充分に洗浄して、フリーに残存している酸を除去した。乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点からイオン交換容量を求めた。
(分子量)
スルホン酸基を有しないポリアリーレンの分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、臭化リチウムおよび燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。
(発電性能)
得られた膜電極接合体を単セルとし、酸素極に空気を供給するとともに燃料極に純水素を供給して発電を行った。発電条件は、温度90℃、燃料極側の相対湿度50%、酸素極側の相対湿度50%とした。発電性能は電流密度0.5A/cm2でのセル電圧を測定し
て評価した。また、電極形成後のロールについて、100μm以上の表面性状異常点数を
CCDカメラにて計数するとともに、電極周辺部を目視で観察し、電極外周から外側に向かって観察される0.2mm以上の皺を計数した。
<合成例1>
(1)疎水性ユニット(I)の合成
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管および冷却管を取りつけた1Lの三口フラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル48.8g(284mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン89.5g(266mmol)および炭酸カリウム47.8g(346mmol)をはかりとった。フラスコ内を窒素置換した後、スルホラン346mLおよびトルエン173mLを加えて攪拌し、オイルバスを用いて反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成した水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、3時間攪拌を続けた後、2,6−ジクロロベンゾニトリル9.2g(53mmol)を加え、さらに5時間反応させた。反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩を濾過し、濾液をメタノール2Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物を濾過して乾燥後、テトラヒドロフラン250mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿物を濾過して乾燥することにより、白色粉末の目的物109gを得た。得られた化合物は、GPCによる数平均分子量(Mn)が9,500であった。得られた化合物は下記式(I)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 2007048556
(2)スルホン化ポリアリーレン(II)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取りつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル135.2g(337mmol)、(1)で得られたMn9,500の疎水性ユニット48.7g(5.1mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド6.71g(10.3mmol)、ヨウ化ナトリウム1.54g(10.3mmol)、トリフェニルホスフィン35.9g(137mmol)および亜鉛53.7g(821mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)430mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc730mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。
得られた溶液を、攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム44g(506mmol)を加えた。7時間攪拌後、反応液をアセトン5Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、沈殿物を1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体122gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は135,000であった。得られた重合体は下記式(II)で表されるスルホン化ポリアリーレンと推定される。このスルホン化ポリアリーレン(II)のイオン交換容量は2.3meq/gであった。
Figure 2007048556
〔実施例1〕
(触媒ペーストの調製)
上記合成例1で得られたスルホン化ポリアリーレン(II)を、水/N−メチル−2−ピロリドン(重量比:20/80)混合溶液に溶解してポリマー溶液を調製し、該溶液に、カーボンブラックと白金の重量比を50:50とした白金担持カーボン粒子(田中貴金属工業製「TEC10E50E」)および気相成長炭素繊維(昭和電工製「VGCF」)を添加して攪拌・混合することによって触媒ペーストを調製した。
(膜電極接合体の作製)
上記合成例1で得られたスルホン化ポリアリーレン(II)の15重量%N−メチル−2−ピロリドン(NMP)/メタノール(重量比:67/33)溶液を、PETロール(厚み0.125mm、幅300mm)上に塗工幅250mmで、コンマリバースコーターによりキャストして製膜・乾燥し、水浸漬による脱溶媒を行うことにより、PET上に膜厚40μmのプロトン伝導膜を形成した。
上記のようにして得られたプロトン伝導膜上(PET支持体と対向する面)に、上記触媒ペーストをスロットダイ間欠塗工し、乾燥して触媒層を形成した後、PET支持体を剥離し、PET支持体剥離後のプロトン伝導膜上(前記触媒層と対向する面)に再び上記触媒ペーストをスロットダイ間欠塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、触媒付電解質膜を作製した。
得られた触媒付電解質膜を水浸漬(25℃×30分)して脱溶媒処理を行った後、水分除去のため60℃で10分間乾燥することにより、膜電極接合体を得た。なお、各工程における製品にかかる張力は、それぞれ30Nとなるように設定した。このようにして作製した膜電極接合体を用いて発電性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1において、支持体剥離後の製品にかかる張力を15Nに変更したこと以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製した。得られた膜電極接合体を用いて発電性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、触媒層の形成前にロール形態のまま1日保管し、その後触媒層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製した。なお、各工程における製品にかかる張力は45Nとなるように設定した。得られた膜電極接合体を用いて発電性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2007048556
表1から明らかなように、実施例1および2は、比較例1より優れた発電性能(高いセル電圧)を示しており、表面性状異常も減少していることが確認された。また、適切な張力を選ぶことで電極形成後の性状異常も低減していることが確認された。

Claims (7)

  1. (1)支持体上に芳香族系高分子電解質膜を形成する工程と、
    (2)電解質膜における支持体と反対の面に、触媒担持カーボン、芳香族系高分子電解質、増孔剤および溶媒を含む触媒ペーストを塗布して乾燥することにより第1の触媒層を形成する工程と、
    (3)支持体を剥離し、支持体剥離後の固体高分子電解質膜における第1の触媒層と対向する面に、触媒担持カーボン、芳香族系高分子電解質、増孔剤および溶媒を含む触媒ペーストを塗布して乾燥することにより第2の触媒層を形成する工程と、
    (4)電解質膜上に第1の触媒層および第2の触媒層が形成された触媒付電解質膜を脱溶媒処理する工程と
    を連続して行うことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
  2. 前記芳香族系高分子電解質膜および触媒ペーストの少なくとも一方を構成する芳香族系高分子電解質が、下記一般式(A)で表される構成単位と下記一般式(B)で表される構成単位とを含むスルホン化ポリアリーレンからなることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
    Figure 2007048556
    [式(A)中、Yは、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−
    (CF2i−(iは1〜10の整数を示す。)または−C(CF32−を示し、
    Zは、独立に直接結合、−(CH2j−(jは1〜10の整数を示す。)、−C(CH3
    2−、−O−または−S−を示し、
    Arは、−SO3H、−O(CH2pSO3Hまたは−O(CF2pSO3H(pは1〜1
    2の整数を示す。)で表される置換基を有する芳香族基を示し、
    mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。]
    Figure 2007048556
    [式(B)中、AおよびDは、それぞれ独立に直接結合、−CO−、−SO2−、−SO
    −、−CONH−、−COO−、−(CF2i−(iは1〜10の整数を示す。)、−(CH2j−(jは1〜10の整数を示す。)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、
    芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示す。)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−または−S−を示し、
    Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、
    1〜R16は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部もしくは全部が
    ハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基またはニトリル基を示し、
    sおよびtは、それぞれ0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。]
  3. 前記工程(4)における脱溶媒処理が、水浸漬によって行われることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記工程(4)における脱溶媒処理が、過熱スチームを用いて行われることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体の製造方法。
  5. 前記第1の触媒層および第2の触媒層の少なくとも一方を形成する際の触媒ペーストの塗布方法が、間欠塗工法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
  6. 前記第1の触媒層および第2の触媒層の少なくとも一方を形成する際の触媒ペーストの塗布方法が、グラビア塗工法、スプレー塗工法またはスクリーン印刷法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
  7. 前記工程(1)の前工程、前記工程(1)〜(4)の各工程、前記工程(4)の後工程およびこれらの各工程間における製品の寸法変化に合わせて張力制御を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
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