JP2007047443A - 光学多層膜フィルタの製造方法及び光学多層膜フィルタ - Google Patents

光学多層膜フィルタの製造方法及び光学多層膜フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】 誘電体多層膜の内部応力による基板の反りの発生を防ぐと共に、誘電体多層膜の剥がれ、クラック等の発生、あるいは光学的歪を防止した高性能の光学特性を有する光学多層膜フィルタの製造方法及び光学多層膜フィルタを提供する。
【解決手段】 光学多層膜フィルタ1は、ガラス基板2の一方の面の表面に、熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤とを含む混合樹脂からなる塗布層3a(混合層3)を塗布する塗布工程と、ガラス基板2の塗布層3aの塗布面が凹になる形状に保持した状態で混合層3を熱硬化する熱硬化工程と、混合層3上に高屈折率層Hと低屈折率層Lとを交互に多層で成膜して誘電体多層膜4を形成する多層膜形成工程と、ガラス基板2の上下面に平坦な透明な2枚のガラス板13,14を両側から挟んで、加圧し、保持し、基板を平坦にする平坦化工程と、混合層3に活性エネルギー線ERを照射して混合層3を硬化する光硬化工程とから製造される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学部品に用いられる反射防止膜やハーフミラー等の光学多層膜フィルタの製造方法及び光学多層膜フィルタに関する。
従来より、ガラス基板上に高屈折率材料層と、低屈折率材料層を交互に多数層形成して所定のフィルタ特性を有する光学多層膜フィルタが知られている。こうした光学多層膜フィルタは、ガラス基板上に形成される多層膜の内部応力により、ガラス基板が反ることにより、フィルタ特性の歪み、あるいはガラス基板上に形成された膜の剥がれ等が発生する。
通常、光学多層膜フィルタは、スパッタ法や真空蒸着法等により成膜されるが、形成される薄膜層の内部応力は、膜が縮まろうとする方向の引張応力と、膜が広がろうとする圧縮応力とがある。多層膜が形成されたガラス基板は、膜応力(内部応力)が引張応力の場合には、膜が形成された面が凹形状となり、圧縮応力の場合には凸形状となる。
こうした課題に対応するために、基板と光学多層膜の間に、光学多層膜の内部応力を緩和する材料と膜厚を選択して形成されたバッファ層を介在させる光学多層膜フィルタ(例えば、特許文献1参照。)、あるいは、基板上に屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が交互に積層され、隣接する膜の内部応力が互いに相殺する方向に生じる膜材料を用いて形成された光学薄膜が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平8−262224号公報 特開2003−277911号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるバッファ層は、多層膜の内部応力を緩和する効果を得るためには、相当数の膜厚を形成する必要があり、光路長が増大して、伝搬光の散乱が発生し易い。また、特許文献2に記載の光学薄膜は、圧縮応力を内部応力とする薄膜と、引張応力を内部応力とする薄膜を交互に積層された多層膜により、多層膜全体の内部応力が緩和され、基板の表面を歪ませることは少ないが、基板とこれに接する第1層の薄膜との間で膜剥がれが発生し易い懸念がある。
そこで本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、誘電体多層膜の内部応力による基板の反りの発生を防ぐと共に、誘電体多層膜の剥がれ、クラック等の発生、あるいは光学的歪の発生を防止した、高性能の光学特性を有する光学多層膜フィルタの製造方法及び光学多層膜フィルタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の光学多層膜フィルタの製造方法は、基板上に屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が交互に積層された誘電体多層膜を有する光学多層膜フィルタの製造方法であって、前記基板の一方の面の表面に、熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤とを含む混合樹脂からなる混合層を塗布する塗布工程と、前記混合層を熱硬化する熱硬化工程と、前記熱硬化した混合層上に前記誘電体多層膜を形成する多層膜形成工程と、前記熱硬化した混合層に活性エネルギー線を照射して硬化する光硬化工程と、を順に備えたことを特徴とする。
この製造方法によれば、基板と誘電体多層膜の間、すなわち基板の一方の面の表面に、熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤とを含む混合樹脂を塗布して形成された混合層が、熱硬化する熱硬化工程において仮硬化され、仮硬化された混合層上に屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が交互に積層された誘電体多層膜が形成されることにより、形成された誘電体多層膜に発生する膜応力(内部応力)を、混合層を形成する混合樹脂の未硬化部分が吸収して、基板の反りの発生を防ぐことができる。そして、仮硬化された混合層を光硬化する光硬化工程を経ることで、熱硬化工程において仮硬化された混合層が本硬化されると共に、誘電体多層膜が形成された基板が平坦化した状態に固持される。反りの発生を防ぐことで、誘電体多層膜の剥がれ、クラック等の発生、あるいは光学的歪の発生を防止した高性能の光学特性を有する光学多層膜フィルタが得られる。
また、混合層の形成工程(塗布工程および熱硬化工程)は、基板の製作工程に付加する等により、長い成膜時間を必要とする成膜工程を分離することが可能であり、成膜不良等の発生による製造コストが嵩むことなく、効率的な製造を行うことができる。
また、本発明の光学多層膜フィルタの製造方法は、前記光硬化工程の前に、前記基板の上下面から加圧、保持し前記基板を平坦にする平坦化工程を、さらに備えたことを特徴とする。
この製造方法によれば、熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤とを含む混合樹脂を塗布して形成され、熱硬化工程において仮硬化された混合層が、基板の上下面から加圧、保持する平坦化工程により、混合層を形成する混合樹脂中の気泡と共に、未硬化部分の余分な混合樹脂が、基板および誘電体多層膜の側面に押し出される。そして、光硬化工程を経ることで混合層が本硬化され、基板が平坦化した状態に固持されると共に、基板および誘電体多層膜の側面に押し出されて硬化した側面層が、混合層上に形成された誘電体多層膜の側面の保護層として機能し、誘電体多層膜の剥がれ、クラック等の発生を、より防止した光学多層膜フィルタが得られる。
また、本発明の光学多層膜フィルタは、基板上に屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が交互に積層された誘電体多層膜を有する光学多層膜フィルタにおいて、前記基板と前記誘電体多層膜の間に、前記誘電体多層膜の内部応力を緩和する熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤との混合樹脂を硬化させた混合層が形成されたことを特徴とする。
これによれば、基板と、屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が交互に積層された誘電体多層膜の間に、熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤とを含む混合樹脂を塗布して形成された混合層が形成されることにより、混合層上に形成される誘電体多層膜により発生する膜応力(内部応力)を、混合層が吸収して、基板の反りの発生を防ぐことができる。反りの発生を防ぐことで、誘電体多層膜の剥がれ、クラック等の発生、あるいは光学的歪の発生を防止した高性能の光学特性を有する光学多層膜フィルタが得られる。
また、本発明の光学多層膜フィルタは、前記熱硬化性樹脂は、可視光領域における光透過率が80%以上有するポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする。
これによれば、混合層を形成する混合樹脂の内の熱硬化性樹脂が、可視光領域における光透過率が80%以上有するポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であることにより、耐熱性、接着性、および透明性に優れた混合層が形成され、混合層上に形成される誘電体多層膜の剥がれ、クラック等の発生、あるいは光学的歪の発生を防止した高性能の光学特性を有する光学多層膜フィルタが得られる。
以下、本発明の光学多層膜フィルタの実施形態を説明する。
本実施形態の光学多層膜フィルタは、例えば、可視波長域の光を透過し、所定波長以下の紫外波長域と、所定波長以上の赤外波長域での光の吸収が少ない反射特性を有する、いわゆる、UV−IRカットフィルタ(Ultraviolet-Infrared cut filter)に適用した場合の一例である。
図1は、本発明の光学多層膜フィルタに形成される膜構成を説明するための断面模式図である。
図1において、光学多層膜フィルタ1は、光を透過する基板としてのガラス基板2と、ガラス基板2の一方の面の表面に、ガラス基板2から順に、混合層3、高屈折率材料層と低屈折率材料層とが交互に積層された誘電体多層膜4が形成されている。
ガラス基板2は、白板ガラス(透過率、n=1.52)からなり、例えば平面が、略50mm程度の矩形形状で、略0.5mm程度の板厚である。
混合層3は、混合層3の上層に形成される誘電体多層膜4の膜応力(内部応力)を緩和することにより、ガラス基板2に反り等の発生するのを防ぐための緩衝層であり、熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤とを含んだ混合樹脂からなる薄膜層である。
熱硬化性樹脂としては、耐熱性に優れた熱硬化性樹脂であれば限定はされないが、特にポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂を好ましく用いることができる。
ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂は、それら樹脂の前駆体であるポリアミック酸のN−メチルピロリドンやγ−ブチロラクトン等の溶液状態で膜形成し、その薄膜を加熱縮合することにより得られ、特に耐熱性に優れるという特徴がある。
また、ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂は、樹脂の透明性を得るために、脂環式テトラカルボン酸二無水物、あるいはトリフルオロメチル基のようなフッ素含有置換基を導入したテトラカルボン酸誘導体と、ジアミン化合物との重縮合反応により得られるポリアミック酸を原料として得られたポリイミド樹脂、またはポリアミドイミド樹脂を用いるのが好ましい。これによって、可視光領域における光透過率が80%以上の混合層3が得られる。
脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
また、フッ素含有置換基を導入したテトラカルボン酸誘導体としては、例えば、3,3',4,4'−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物のようなトリフルオロメチル基が置換したテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリアミック酸の製造に用いられ得るジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物であれば特に限定されない。
例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4'−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4'−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4'−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3'−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4'−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4'−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2',5,5'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジクロロ−4,4'−ジアミノ−5,5'−ジメトキシビフェニル、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノ−2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4'−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4'−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2'−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンおよび脂環式ジアミン等を挙げることができる。
一方、光硬化性架橋剤としては、紫外線光や可視光線等の活性エネルギー線の照射により、高分子間の架橋反応が生ずる材料であれば、どんな化合物であっても良いが、特に側鎖に光架橋ユニットを有するジアミン化合物に光重合開始剤を添加したものが好ましい。
これによって、光硬化性ジアミン化合物がポリアミック酸の加熱縮合の際に、熱硬化性樹脂の一部に組み込まれ、熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤の相溶性が改善され、均一な膜を形成できるという利点がある。
側鎖に光架橋ユニットを有するジアミン化合物としては、分子構造中に2つのアミノ基と、少なくとも1つ以上の光反応ユニットを側鎖に有するジアミン化合物であれば特に限定されない。例えば、2,5−ジアミノフェニル−1−メタクリレート、2,4−ジアミノフェニル−1−メタクリレート、2−アミノ−5−(4−アミノフェノキシ)フェニル−3−アクリレート等の側鎖に(メタ)アクリレート基を有するジアミン化合物や、1,4−ジアミノ−2−ビニロキシメチルベンゼン、4−アミノ−3−ビニロキシエトキシフェニル−4’−アミノフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ビニロキシエトキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の側鎖にビニルエーテル基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
光重合開始剤としては、光線の照射により重合開始ラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤と、光線の照射により重合開始カチオンを発生する光カチオン開始剤が挙げられる。
具体的には、光ラジカル重合開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、4−フェニルベンゾフェノン等が挙げられる。一方、光カチオン開始剤としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートやフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート等を挙げることができる。
このような光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、アクリレート基を側鎖に含有する化合物の場合には、少なくとも光ラジカル重合開始剤1種を使用することが好ましい。また、ビニルエーテル基を側鎖に含有する場合には、少なくとも光カチオン重合開始剤1種を使用することが好ましい。これによって、光硬化の硬化を十分に発揮させることができる。
次に、光学多層膜フィルタ1の製造方法を図2に基づいて説明する。
図2は、光学多層膜フィルタの製造工程の態様を示すガラス基板の模式断面図であり、(a)は塗布工程後のガラス基板を示し、(b)は熱硬化工程におけるガラス基板を示し、(c)は多層膜形成工程後のガラス基板を示し、(d)は光硬化工程におけるガラス基板を示す。なお、図2に示す模式断面図は、説明の便宜のために、各構成要素の寸法や比率は実際のものとは異なる。
光学多層膜フィルタ1は、誘電体多層膜4の形成の前に、予め、ガラス基板2の一方の面の表面に、混合層3が形成される。混合層3は、塗布工程と、熱硬化工程を経て形成される。形成された混合層3上に、多層膜形成工程により誘電体多層膜4が形成され、光硬化工程を経て光学多層膜フィルタ1が完成する。
混合層3の形成は、先ず、混合層3を形成する混合樹脂として、熱硬化性樹脂としてのポリアミック酸を原料として得られたポリイミド樹脂と、側鎖に光架橋ユニットを有するジアミン化合物に光重合開始剤を添加した光硬化性架橋剤との混合樹脂(液)を準備する。
そして、塗布工程において、ガラス基板2上に混合層3が形成される。
塗布工程は、図2(a)に示すように、準備した混合樹脂が、ガラス基板2の一方の面の表面に、例えばスピンコート法を用いて、塗布層3a(混合層3)が塗布される。塗布層3aは、0.5〜10μm程度の範囲の厚みに塗布される。
なお、混合樹脂の塗布方法は、スピンコート法の他に、ロールコート法あるいはインクジェット法を用いることができるが、塗布される塗布層3aの厚みやバラツキ等を容易に制御するためには、スピンコート法を用いるのが好ましい。そして、塗布層3aが塗布されたガラス基板2は、熱硬化工程に移行する。
熱硬化工程は、ガラス基板2上に塗布された塗布層3aの仮硬化として、熱硬化が行われる。熱硬化工程において、塗布層3aが仮硬化されて混合層3が形成される。
塗布層3aの熱硬化に際して、塗布層3aが塗布されたガラス基板2を、後に混合層3上に形成される誘電体多層膜4の膜応力(内部応力)により、ガラス基板2が反る方向と逆方向に、予め反らした状態に保持して熱硬化が行われる。
後述する誘電体多層膜4は、高屈折率材料層Hと、低屈折率材料層Lとが、交互に成膜されて多層が形成されるが、低屈折率材料のSiO2膜の強い圧縮応力と、高屈折率材料のTiO2膜の弱い引張応力により、多層膜が成膜された面が凸になる形状に、ガラス基板2に反りが発生する。したがって、図2(b)に示すように、ガラス基板2の塗布層3aの塗布面が凹になる形状に保持した状態で熱硬化が行われる。
塗布層3aが塗布されたガラス基板2の固定は、例えば、ガラス基板2の下面(塗布面に対する他方の面)の両端部を案内治具10で案内した状態で、ガラス基板2の中心部を耐熱性ゴム等からなる吸盤11で吸着し、吸引装置(図示せず)等を用いて、吸盤11をガラス基板2の鉛直方向に吸引し、ガラス基板2の塗布層3aの塗布面が凹になる形状に反らせる。ガラス基板2の反り量αは、ガラス基板2の材質や厚さ、後に混合層3上に形成される誘電体多層膜4の構成によって異なり、10〜100μm程度の値に適宜設定される。本実施形態の場合は、30μm程度の値に設定される。
そして、ガラス基板2の塗布層3aの塗布面が凹になる形状に反らした状態を維持して、例えば、150℃程度の炉内温度に設定したオーブン12(二点鎖線で示す)内に投入して、10分間程度の加熱が行われる。そして、加熱されたガラス基板2が、オーブン12内から取り出されて、自然冷却されると、塗布層3aが仮硬化された混合層3が形成される。混合層3が形成されたガラス基板2は、平坦化する方向のわずかな戻りが発生するが、混合層3が形成された面が凹の形状に反った状態で維持される。
そして、混合層3が形成されたガラス基板2は、オーブン12内から取り出されて、多層膜形成工程に移行する。
多層膜形成工程は、図2(c)に示すように、ガラス基板2上に形成された混合層3の表面に誘電体多層膜4が形成される。
誘電体多層膜4の形成は、混合層3が形成されたガラス基板2を成膜用のサセプタに取り付けて、真空蒸着チャンバー内に投入し、真空蒸着法を用いてTiO2の高屈折率層HとSiO2の低屈折率層Lとが交互に多層で成膜される。
誘電体多層膜4は、高屈折率材料層Hが、TiO2(屈折率:2.40)、低屈折率材料層LがSiO2(屈折率:1.46)の成膜材料で成膜される。
誘電体多層膜4は、混合層3上に、第1層として高屈折率材料のTiO2膜H1が成膜され、成膜された高屈折率材料のTiO2膜H1の上面に、低屈折率材料のSiO2膜L1が積層される。以下、低屈折率材料のSiO2膜L1の上面に高屈折率材料のTiO2膜と低屈折率材料のSiO2膜が、順次、交互に積層され、最上膜層は、低屈折率材料のSiO2膜L30が積層されて、高屈折率材料層と低屈折率材料層が各30層、計60層の誘電体の層が形成される。
この誘電体多層膜4の膜構成の詳細を説明する。
以下に説明する膜厚構成の表記は、高屈折率材料層Hの膜厚を光学膜厚nd=1/4λの値を1Hとして表記し、低屈折率材料層Lを同様に1Lと表記する。また、(xH、yL)Sで表すSの表記は、スタック数と呼ばれる繰り返しの回数で、括弧内の構成を周期的に繰り返すことを表している。なお、設計波長λは550nmである。
誘電体多層膜4の膜厚構成は、混合層3の上面に、第1層の高屈折率材料のTiO2膜(高屈折率材料層)H1が0.60H、第2層の低屈折率材料のSiO2膜(低屈折率材料層)L1が0.20L、以下、順次1.05H、0.37L、(0.68H、0.53L)4、0.69H、0.42L、0.59H、1.92L、(1.38H、1.38L)6、1.48H、1.52L、1.65H、1.71L、1.54H、1.59L、1.42H、1.58L、1.51H、1.72L、1.84H、1.80L、1.67H、1.77L、(1.87H、1.87L)7、1.89H、1.90L、1.90Hと、最上層に0.96Lの低屈折率材料のSiO2膜L30が形成され、計60層が形成される。
誘電体多層膜4が形成されたガラス基板2は、真空蒸着チャンバー内から取り出されて自然冷却される。
本来、高屈折率材料層Hと低屈折率材料層Lとが、交互に成膜されて多層が形成されると、低屈折率材料のSiO2膜の強い圧縮応力と、高屈折率材料のTiO2膜の弱い引張応力により、成膜された多層面が凸になる形状に反りが発生するが、自然冷却されたガラス基板2は、反りがほとんど見地できない程度に平坦化した状態のガラス基板が得られる。
これは、熱硬化(仮硬化)された混合層3上に誘電体多層膜4が形成されることにより、混合層3を形成する熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤とを含んだ混合樹脂の未硬化部分が、誘電体多層膜4の膜応力(内部応力)を吸収すると共に、誘電体多層膜4の形成前に、ガラス基板2の混合層3が形成された面が凹の形状に反った状態に維持されていることにより、誘電体多層膜4の形成により凸になる形状に発生する反りが相殺され、略平坦化した状態のガラス基板を得ることができる。
そして、誘電体多層膜4が形成されたガラス基板2は、光硬化工程に移行する。
光硬化工程は、図2(d)に示すように、先ず、光硬化工程の前に、平坦な透明な2枚のガラス板13,14を、誘電体多層膜4が形成されたガラス基板2の上下面に挟んで配置し、混合層3の厚みが均一になる程度に、ガラス基板2の上下面から加圧、保持する(平坦化工程)。誘電体多層膜4が形成されたガラス基板2を加圧、保持することにより、混合層3の混合樹脂中の気泡と共に、余分な未硬化部分の混合樹脂が、ガラス基板2および誘電体多層膜4の側面に押し出される。押し出された側面層3bは、後述する活性エネルギー線ERが照射されて硬化し、混合層3上に形成された誘電体多層膜4の側面の保護層として機能する。
そして、誘電体多層膜4が形成されたガラス基板2を加圧、保持した状態で、ガラス板13の下面方向とガラス基板2の上面方向、もしくはどちらか一方の面方向から混合層3に向けて、活性エネルギー線照射装置(図示せず)から、活性エネルギー線ERが照射される。活性エネルギー線ER源としては、波長範囲が400〜700nmの可視光線を含む活性エネルギー線ERを出射する、メタルハライドランプ、水銀ランプ等の高輝度放電ランプ(HIDランプ)等を用いることができる。
活性エネルギー線ERの照射は、高輝度放電ランプの光源から出射される光を、20mW/cm2程度の照射強度に調節して、5秒間程度の照射を行う。そして、活性エネルギー線ERが照射されたガラス基板2の位置ズレ、角度ズレ、気泡状態等の不具合がないことを確認した後、さらに5mW/cm2程度の照射強度に調整した活性エネルギー線ERを、10分間程度照射して、混合層3の本硬化が行われる。
活性エネルギー線ERの照射により、熱硬化工程において仮硬化された混合層3が本硬化されると共に、誘電体多層膜4が形成されたガラス基板2が平坦化した状態に固持され、光学多層膜フィルタ1が完成する。
以上に説明した光学多層膜フィルタ1の製造方法において、混合層3の形成前に、ガラス基板2に対して混合層3の接着力を補強する接着助剤的な表面処理を行うのが好ましい。
表面処理は、シラン系カップリング剤あるいはチタン系カップリング剤を、希釈剤としてヘキサン等の有機溶剤に溶解したプライマーと呼ばれる表面処理剤を、ガラス基板2の表面に塗布した後、乾燥させる。これにより、ガラス基板2に対して、優れた接着性を有する混合層3を形成することができる。
シラン系カップリング剤としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリブトキシシラン、トリオクチロキシシラン、メチルジメトキシシラン、エチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、エチルジエトキシシラン、メチルジオクチロキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルオクチロキシシラン等が挙げられる。
チタン系カップリング剤としては、テトラメトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート等が挙げられる。
これらのカップリング剤を希釈する溶媒として、ヘキサンの他に、メチルアルコール、エチルアルコール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、アセトン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン(MEK)、デカリン、テトラリン等が挙げられる。
完成した光学多層膜フィルタ1は、ガラス基板2と誘電体多層膜4の間、すなわち、ガラス基板2の表面に、熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤とを含む混合樹脂を塗布して形成された塗布層3a(混合層3)が、熱硬化する熱硬化工程において仮硬化され、仮硬化された混合層3上に屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が交互に積層された誘電体多層膜4が形成されることにより、誘電体多層膜4の形成により発生する膜応力(内部応力)を、混合層3の未硬化部分が吸収して、ガラス基板2の反りの発生を防ぐことができる。そして、混合層3を光硬化する光硬化工程を経ることで、熱硬化工程において仮硬化された混合層3が本硬化されると共に、誘電体多層膜4が形成されたガラス基板2が平坦化した状態に固持される。
ガラス基板2の反りの発生を防ぐことで、誘電体多層膜4の剥がれ、クラック等の発生、あるいは光学的歪の発生を防止した高性能の光学特性を有する光学多層膜フィルタ1が得られる。
また、反りの発生を防ぐことにより、少なくても1枚の光学多層膜フィルタ1を含む2枚以上のガラス基板を張り合わせて使用する光学物品の場合等において、張り合わせ精度が向上し、高性能の光学特性を得ることができる。特に、ガラス基板2の間に樹脂等の変形し易い基板を挟んで使用する光学物品の場合に、反りの発生による変形をより抑えることが可能となる。
また、光学多層膜フィルタ1は、例えば、ガラス基板2が透明な水晶で構成されることにより、UV−IRカットフィルタ機能の光学多層膜フィルタを一体的に構成した光学ローパスフィルタを容易に得ることができる。
図3は、光学ローパスフィルタの構造及び光学軸と光線の進行方向について説明する模式図である。なお、図3は、光学ローパスフィルタを構成する各層を分解して斜視図により示している。
光学ローパスフィルタ100は、複屈折性を有する2つの水晶板20,30と、水晶からなる1/4波長板40を備え、2つの水晶板20,30の間に、1/4波長板40を挿入した3層構造の45度分離タイプの一例である。これら3層構造を構成する水晶板20と、1/4波長板40と、水晶板30は、それぞれが光学接着剤等によって気泡が発生しないように一体に貼り合わされている。
水晶板20は、複屈折性を有する透明な水晶からなり、前述のように、水晶板20の光入射側の表面に、表面から順に、混合層3、誘電体多層膜4が形成された、UV−IRカットフィルタ機能を一体的に構成した光学多層膜フィルタ機能を有し、光入射側に配置される(図示せず、図1および図2(c)参照。)。
また、水晶板20は、光入射面と直交し、かつ紙面と平行な面(x−z平面)において、z軸と約45度の方位角をなす方向(矢印A1により示す方向)に光学軸(光学的主軸)を有している。この水晶板20に入射した光線L10は、水晶板20の有する複屈折性によって、互いに直交する2つの光線L11,L12に分離される。これらの光線L11,L12は、それぞれ偏光状態が直線偏光に変換されて1/4波長板40に出射する。
1/4波長板40は、光入射面(x−y平面)において、x軸と略45度の方位角をなす方向(矢印A2により示す方向)に光学軸を有している。これにより、1/4波長板40に入射した光線L11,L12は、それぞれ直線偏光光から円偏光光に偏光状態が変換されて、2つの光線L13,L14となって水晶板30に出射する。
光出射側に配置される水晶板30は、光入射面と直交し、かつ紙面と直交する面(y−z平面)において、y軸と略45度の方位角をなす方向(矢印A3により示す方向)に光学軸を有している。この水晶板30に入射した円偏光光線L13は、水晶板30の有する複屈折性によって、入射面に対して水平方向と垂直方向の互いに直交する2つの光線L15,L16に分離されて出射する。同様に、水晶板30に入射した光線L14は、入射面に対して水平方向と垂直方向の互いに直交する2つの光線L17,L18に分離されて出射する。これらの光線L15,L16,L17,L18は、それぞれ偏光状態が直線偏光に変換されて出射される。
このように構成された、光学ローパスフィルタ100は、UV−IRカットフィルタ機能の光学多層膜フィルタを一体的に構成した光学ローパスフィルタを得ることができる。特に、構成するそれぞれの水晶板が貼り合わされて一体構造になっている構成において、反りの少ない、光学的歪を防止した光学ローパスフィルタ100を得ることができる。
このようにUV−IRカットフィルタ機能の光学多層膜フィルタを一体的に構成された光学ローパスフィルタ100は、例えば、デジタルスチルカメラ等に用いることができる。また、光学ローパスフィルタ100を防塵ガラス機能として配置することも可能であり、貼り合せ制度が良い、良好な光学特性のデジタルスチルカメラ等が得られる。
光学ローパスフィルタ100は、デジタルスチルカメラ以外の電子機器装置として、例えば、カメラ付き携帯電話、カメラ付携帯パソコン(パーソナルコンピュータ)等の撮像部に用いることができる。
以上のように、本実施形態の光学多層膜フィルタ1の製造方法によれば、ガラス基板2と誘電体多層膜4の間、すなわち、ガラス基板2の表面に、熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤とを含む混合樹脂を塗布して形成された塗布層3a(混合層3)が、熱硬化する熱硬化工程において仮硬化され、仮硬化された混合層3上に、屈折率が異なる高屈折率材料層Hと低屈折率材料層Lが交互に積層された誘電体多層膜4が形成されることにより、誘電体多層膜4の形成により発生する膜応力(内部応力)を、混合層3を形成する混合樹脂の未硬化部分が吸収して、ガラス基板2の反りの発生を防ぐことができる。そして、光硬化工程を経ることで、熱硬化工程において仮硬化された混合層3が本硬化されると共に、誘電体多層膜4が形成されたガラス基板2が平坦化した状態に固持される。
混合層3がガラス基板2の反りの発生を防ぐことで、誘電体多層膜4の剥がれ、クラック等の発生、あるいは光学的歪の発生を防止した高性能の光学特性を有する光学多層膜フィルタ1が得られる。
また、混合層3の形成工程(塗布工程および熱硬化工程)は、ガラス基板2の製作工程に付加する等により、長い成膜時間を必要とする成膜工程を分離することが可能であり、成膜不良等により製造コストが嵩むことなく、効率的な製造を行うことができる。
以上の実施形態において、光学多層膜フィルタ1は、UV−IRカットフィルタに適用した場合で説明したが、高反射膜、IRカットフィルタ(Infrared cut filter)、反射防止膜、ハーフミラー等の光学多層膜フィルタに適用することができる。
また、光学多層膜フィルタ1は、光を透過する基板としてのガラス基板2に、白板ガラスを用いた場合で説明したが、これに限定されず、水晶、BK7、サファイアガラス、ホウケイ酸ガラス、青板ガラス、SF3、SF7、あるいは、一般に市販されている光学ガラス等の透明基板を用いることができる。
また、高屈折率材料層Hの成膜材料としてTiO2を用いた場合で説明したが、Ta25、Nb25を適用することができる。一方、低屈折率材料層Lの成膜材料としてSiO2を用いた場合で説明したが、MgF2を用いることができる。
また、誘電体多層膜4の成膜は、真空蒸着法を用いた場合で説明したが、イオンアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等を用いることができる。
また、光学多層膜フィルタ1は、平面が略50mm程度の矩形形状のガラス基板2を用いて、ガラス基板2上に一つの光学多層膜フィルタ1を製造する場合で説明したが、より大きな平面サイズのガラス基板を用いて、多数の光学多層膜フィルタを一度に製造することができる。この場合の熱硬化工程は、ガラス基板の中心部が、ガラス基板の自重により塗布面が凹になる形状になることから、ガラス基板を塗布層3a(混合層3)の塗布面が凹になる形状に保持することなく、熱硬化することも可能である。
そして、混合層3及び誘電体多層膜4が形成され、冷却されたガラス基板は、レーザカッタ、あるいはダイシングカッタ等を用いて切断することにより、多数の光学多層膜フィルタ1を一度に完成することができる。
また、光硬化工程における活性エネルギー線ERとして、活性エネルギー線照射装置の高輝度放電ランプ(HIDランプ)から生成された活性エネルギー線(紫外線を含む可視光線)ERを用いた場合で説明したが、この他に、X線、γ線、電子線等の活性エネルギー線を用いることができる。
本発明の光学多層膜フィルタの構成を説明するための断面模式図。 光学多層膜フィルタの製造工程の態様を示すガラス基板の模式断面図であり、(a)は塗布工程後のガラス基板、(b)は熱硬化工程におけるガラス基板、(c)は多層膜形成工程後のガラス基板、(d)は光硬化工程におけるガラス基板を示す。 本発明の光学多層膜フィルタを用いた光学ローパスフィルタの構造及び光学軸と光線の進行方向について説明する模式図。
符号の説明
1…光学多層膜フィルタ、2…基板としてのガラス基板、3…混合層、3a…塗布層、3b…側面層、4…誘電体多層膜、10…案内治具、11…吸盤、12…オーブン、13,14…ガラス板、20,30…水晶板、40…1/4波長板、100…光学ローパスフィルタ、H…高屈折率材料層、L…低屈折率材料層、ER…活性エネルギー線、α…反り量。

Claims (4)

  1. 基板上に屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が交互に積層された誘電体多層膜を有する光学多層膜フィルタの製造方法であって、
    前記基板の一方の面の表面に、
    熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤とを含む混合樹脂からなる混合層を塗布する塗布工程と、
    前記混合層を熱硬化する熱硬化工程と、
    前記熱硬化した混合層上に前記誘電体多層膜を形成する多層膜形成工程と、
    前記熱硬化した混合層に活性エネルギー線を照射して硬化する光硬化工程と、
    を順に備えたことを特徴とする光学多層膜フィルタの製造方法。
  2. 請求項1に記載の光学多層膜フィルタの製造方法において、
    前記光硬化工程の前に、前記基板の上下面から加圧、保持し前記基板を平坦にする平坦化工程を、
    さらに備えたことを特徴とする光学多層膜フィルタの製造方法。
  3. 基板上に屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が交互に積層された誘電体多層膜を有する光学多層膜フィルタにおいて、
    前記基板と前記誘電体多層膜の間に、前記誘電体多層膜の内部応力を緩和する熱硬化性樹脂と光硬化性架橋剤との混合樹脂を硬化させた混合層が形成されたことを特徴とする光学多層膜フィルタ。
  4. 請求項3に記載の光学多層膜フィルタにおいて、
    前記熱硬化性樹脂は、可視光領域における光透過率が80%以上有するポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする光学多層膜フィルタ。
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