JP2007042942A - シリコンウェーハの品質評価方法およびシリコンウェーハの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水銀プローブ法により測定されるシリコンウェーハの電気的特性からシリコンウェーハの品質を評価する際に、ウェーハの電気的特性を高い信頼性をもって効率的に測定する手段を提供すること。
【解決手段】水銀プローブ法を用いてシリコンウェーハの品質を評価する方法。少なくとも弗酸処理からシリコンウェーハ表面と水銀を接触させるまでの間、前記ウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下におく。水銀プローブ法を用いてシリコンウェーハの面内複数点の測定を行いシリコンウェーハの品質を評価する方法。少なくとも前記測定を、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下にて行う。水銀プローブ法を用いて複数のシリコンウェーハの品質を評価する方法。弗酸処理を施した複数のシリコンウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下に保管し、前記保管された複数のシリコンウェーハを順次、前記測定に付す。
【選択図】なし

Description

本発明は、水銀プローブ法によりシリコンウェーハの品質を評価する方法および前記方法を用いるシリコンウェーハの製造方法に関する。
近年、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造を有する LSIの高集積化に伴い、シリコンやシリコン絶縁膜に要求される信頼性は高くなっている。シリコンや絶縁膜の電気的な特性評価法として、その簡便さから、水銀を電極として電気特性を評価する水銀プローブ法が広く用いられている(特許文献1および非特許文献1、2参照)。
米国特許第6,429,145号明細書 IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES,VOL 47.No.5 May 2000, p1018-1027 IEEE International SOI conference Oct.1997, p180-181
水銀プローブ法では、ウェーハ表面に水銀を接触させる前に、弗酸処理を行う必要がある。この弗酸処理には、ウェーハ表面の酸化膜を除去する作用と、ウェーハ表面のダングリングボンドを水素イオンにより終端させる作用がある。
しかしながら、従来の方法では、弗酸処理後にウェーハ表面に形成される自然酸化膜の影響により弗酸処理直後から電気的特性が経時的に変化する。そのため、例えばウェーハ面内で複数点を評価する際に測定値にばらつきが生じた場合、そのばらつきがウェーハ面内の特性の違いに起因するものか、経時変化によるものか判別できないため、精度よくウェーハ面内のマッピングデータを取ることは困難であった。また、自然酸化膜の生成による影響を避けるため測定の直前に弗酸処理を行う必要があったので、予め複数のウェーハに弗酸処理をして多数のウェーハの評価を自動化することはできなかった。
かかる状況下、本発明は、水銀プローブ法により測定されるシリコンウェーハの電気的特性からシリコンウェーハの品質を評価する際に、ウェーハの電気的特性を高い信頼性をもって効率的に測定する手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
上記自然酸化膜の形成は、弗酸処理直後から始まる。そこで、少なくとも弗酸処理からシリコンウェーハに水銀を接触させるまでの間、ウェーハを実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下におけば、自然酸化膜形成が測定に与える影響を回避することができる。
また、ウェーハ面内複数点の測定を行いマッピングデータを得る場合、測定を大気中で行うと、面内のある点を測定してから他の点を測定するまでの間にも自然酸化膜の形成が進行するため、正確なマッピングデータを得ることができない。それに対し、少なくとも面内複数点の測定を行う間、ウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下に置けば、仮に測定前に自然酸化膜が形成されていたとしても、測定中は自然酸化膜の形成が抑制されるため、自然酸化膜形成がマッピングデータに与える影響を回避することができる。
また、前述のように、従来の方法では、自然酸化膜の生成による影響を避けるため測定の直前に弗酸処理を行う必要があったので、複数のシリコンウェーハの測定を行う場合、予め複数のウェーハに弗酸処理をして多数のウェーハの測定を順次行うことは困難であった。それに対し、弗酸処理を施した複数のシリコンウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下にて保管し順次測定に付せば、複数のシリコンウェーハの評価を自動化することが可能になる。
本発明は、以上の知見に基づき完成された。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1]弗酸処理を施したシリコンウェーハ表面と水銀を接触させ、シリコンウェーハと水銀との間に電圧を印加して電気的特性を測定することによりシリコンウェーハの品質を評価する方法であって、
少なくとも弗酸処理からシリコンウェーハ表面と水銀を接触させるまでの間、前記ウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下におくことを特徴とするシリコンウェーハの品質評価方法。
[2]弗酸処理を施したシリコンウェーハ表面と水銀を接触させ、シリコンウェーハと水銀との間に電圧を印加して電気的特性を測定する工程を、シリコンウェーハ表面上の複数点にて行うことにより、シリコンウェーハの品質を評価する方法であって、
少なくとも前記測定を、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下にて行うことを特徴とするシリコンウェーハの品質評価方法。
[3]弗酸処理を施したシリコンウェーハ表面と水銀を接触させ、シリコンウェーハと水銀との間に電圧を印加して電気的特性を測定する工程を、複数のシリコンウェーハに対して行うことにより、複数のシリコンウェーハの品質を評価する方法であって、
弗酸処理を施した複数のシリコンウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下に保管し、
前記保管された複数のシリコンウェーハを順次、前記測定に付すことを特徴とする複数の
シリコンウェーハの品質評価方法。
[4]前記シリコンウェーハは、基板上に酸化膜層と活性層をこの順に有するシリコンウェーハであり、
前記測定を、前記活性層表面と水銀を接触させて行う[1]〜[3]のいずれかに記載のシリコンウェーハの品質評価方法。
[5]前記自然酸化膜が形成されない環境は、不活性ガス雰囲気下である[1]〜[4]のいずれかに記載のシリコンウェーハの品質評価方法。
[6]前記不活性ガスは、N2ガス、NeガスおよびArガスからなる群から選ばれる少なくとも一種である[5]に記載のシリコンウェーハの品質評価方法。
[7]シリコンウェーハの電気的特性を測定することによりシリコンウェーハの品質を評価し、目標以上の品質を有するシリコンウェーハを選択する工程を含むシリコンウェーハの製造方法であって、
前記品質の評価を、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法により行うことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
本発明によれば、水銀プローブ法により測定される電気的特性からシリコンウェーハの品質を評価する際に、弗酸処理後の経時変化による影響を低減し、ウェーハの品質を精度よく評価することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。

[第一の態様]
本発明の第一の態様は、
弗酸処理を施したシリコンウェーハ表面と水銀を接触させ、シリコンウェーハと水銀との間に電圧を印加して電気的特性を測定することによりシリコンウェーハの品質を評価する方法であって、
少なくとも弗酸処理からシリコンウェーハ表面と水銀を接触させるまでの間、前記ウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下におくことを特徴とするシリコンウェーハの品質評価方法(以下、「方法I」という)
に関する。
シリコンウェーハ表面と水銀を接触させ、シリコンウェーハと水銀との間に電圧を印加して電気的特性を測定する水銀プローブ法では、ウェーハ表面の酸化膜を除去するとともにウェーハ表面のダングリングボンドを水素イオンにより終端させるために弗酸処理が行われる。ダングリングボンドが水素に終端されている状態では、ウェーハ表面のフェルミエネルギーと伝導帯とのバンドギャップは小さい。しかし、弗酸処理後のウェーハを大気中に放置すると、時間経過とともにウェーハ表面に自然酸化膜が形成される。この自然酸化膜の形成により、表面のダングリングボンドの水素による終端が破壊されるため、上記バンドギャップが大きくなる。つまり、弗酸処理直後では、電圧をウェーハに対して反転方向(蓄電側)に印加すると、水銀とウェーハの接触箇所では、十分小さい直列抵抗を持ったリーク電流の多いショットキー接合が得られるが、時間の経過とともにこの反転方向のリーク電流は小さくなるので、電子移動度が時間依存性を示す。そのため、測定される電気的特性も経時的に変化する。
それに対し、方法Iでは、少なくとも弗酸処理からシリコンウェーハ表面と水銀を接触させるまでの間、評価対象のシリコンウェーハを実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下におく。これにより、自然酸化膜の形成が抑えられダングリングボンドの水素終端の解離が抑制されるので、時間が経過してもウェーハと水銀のコンタクトは十分に小さい抵抗値を持ったショットキー接合のまま維持される。従って、電気的特性の経時変化を抑制することができ、高い信頼性をもってウェーハの品質評価を行うことができる。
評価対象となるシリコンウェーハは特に限定されないが、例えば、基板上にエピタキシャル層を有するエピタキシャルウェーハ、基板上に酸化膜層と活性層をこの順に有するSOI(Silicon-On-Insulator)ウェーハであることができる。前記SOIウェーハは、二枚のポリッシュドウェーハを酸化膜を介して貼りあわせた貼り合わせウェーハ、ポリッシュドウェーハに酸素イオンを注入してウェーハ内部に酸化膜層を形成したSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)ウェーハのいずれでもよい。
本発明では、水銀プローブ法によってシリコンウェーハの電気的特性を測定することにより、ウェーハの品質を評価する。図3に、窒素雰囲気下での水銀プローブ法による電気的特性評価の概略図を示す。本発明において、水銀プローブ法による測定は、例えば、以下のように行うことができる。図3に示すように弗酸処理直後のウェーハ表面と水銀を接触させ、ソース側の水銀電極をGNDに、ドレイン側の水銀電極には、n型ウェーハの場合は負に、p型ウェーハの場合は正にして一定電圧を印加する。弗酸処理直後のため、電子に対してオーミック接合となる。例えばp型ウェーハの場合、正のゲート電圧を印加していくと、シリコン表面に反転層が形成されソース電極―ドレイン電極間に電流が流れる。このときに測定される電気的特性、即ち電流と電圧との関係を示すIds−Vgs特性からウェーハの品質を評価することができる。評価されるウェーハの品質としては、例えば、ウェーハ中の不純物濃度、SOIウェーハにおける埋め込み酸化膜層の膜中電荷または界面準位密度を挙げることができる。
本発明において、上記電気的特性の測定に用いる装置および条件は特に限定されず、公知の装置および条件を用いることができる。但し、水銀をウェーハ上方から接触させる場合には、圧力のかけ方によって接触面積が変わり、また、圧力が大きすぎると水銀がプローブ先端から溢れ出るおそれもあるため、本発明では、水銀をウェーハ下方から接触させることが好ましい。これにより、接触面積を一定にすることが可能になり精度よく測定を行うことができる。
水銀プローブ法による測定前に行われる弗酸処理は、ウェーハ表面の酸化膜を除去し、ウェーハ表面のダングリングボンドを水素イオンにより終端させることができれば特に限定されない。弗酸処理は、例えば、ウェーハを弗酸水溶液(例えば濃度0.5〜50%)に浸漬した後に純水によるリンスおよびN2ブローによる乾燥を施すことにより行うことができる。
方法Iでは、少なくとも上記弗酸処理からシリコンウェーハ表面と水銀を接触させるまでの間、前記ウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下におく。これにより、弗酸処理後のウェーハ表面に自然酸化膜が形成され測定される電気的特性が経時的に変化することを防ぐことができる。本発明において、「実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境」とは、弗酸処理後のウェーハ表面に自然酸化膜が形成されないか、形成されたとしてもその影響が無視できるほど薄い(例えば0.5nm程度以下)ことをいうものとする。
方法Iには、以下の3つの態様が含まれる。
(1)弗酸処理後のシリコンウェーハを、水銀と接触させるまでの間、前記環境下におく。
(2)上記(1)において、弗酸処理も前記環境下にて行う。
(3)上記(1)において、水銀プローブ法による測定も、前記環境下にて行う。
(4)弗酸処理から測定までのすべての工程を前記環境下にて行う。
方法Iは、少なくとも上記(1)を満たせばよいが、測定精度を高めるためには、上記(2)および(3)が好ましく、上記(4)が更に好ましい。なお、方法Iでは、弗酸処理後、前記環境におくまでの間、一時的にウェーハが大気中に晒される期間を含むこともできる。但し、その期間は短いことが好ましい。
前記環境は、不活性ガス雰囲気下であることができる。不活性ガスとしては、N2ガス、Neガス、Arガスを挙げることができる。中でも、コスト面等を考慮すると、N2ガスであることが好ましい。または、前記環境は、0.01Torr以下の真空雰囲気下であることもできる。
前記環境が不活性ガス雰囲気下である場合には、弗酸処理後のウェーハを直ちに不活性ガスを充填または流通させたチャンバー内に配置することが好ましい。なお、前記チャンバーは密閉系にすることもできるが、不活性ガス濃度を所定値に維持できれば、開放系でも構わない。不活性ガス雰囲気における不活性ガス濃度は、自然酸化膜の形成を抑制できる範囲で適宜設定することができ、例えば90〜100%、好ましくは98〜100%とすることができる。
[第二の態様]
本発明の第二の態様は、
弗酸処理を施したシリコンウェーハ表面と水銀を接触させ、シリコンウェーハと水銀との間に電圧を印加して電気的特性を測定する工程を、シリコンウェーハ表面上の複数点にて行うことにより、シリコンウェーハの品質を評価する方法であって、
少なくとも前記測定を、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下にて行うことを特徴とするシリコンウェーハの品質評価方法(以下、「方法II」という)
である。
方法IIでは、水銀プローブ法によりウェーハ表面の複数点の測定を行うにあたり、少なくとも面内複数点の測定を、実質的に自然酸化膜が形成されない環境下にて行う。
大気中にて面内複数点の測定を行う場合は、面内のある点を測定してから他の点を測定するまでの間にも、自然酸化膜が形成されてしまうため、面内各点の測定値にばらつきがあっても、そのばらつきがウェーハ面内の特性の違いに起因するものか、経時変化によるものか判別できない。そのため、面内の特性の違いを正確に測定するためには、各点の測定前にそれぞれ弗酸処理を行う必要があり工程が煩雑になる。
それに対し、方法IIによれば、仮に測定前に一時的にウェーハが大気に晒され自然酸化膜が形成されていたとしても、少なくとも面内複数点の測定中は自然酸化膜の形成が抑制されるため、上記のような測定中の自然酸化膜形成による影響を回避することができる。これにより、面内複数点の測定を精度よくかつ効率的に行うことが可能になる。
方法IIには、以下の3つの態様が含まれる。
(1)面内複数点の測定を、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下にて行う。
(2)上記(1)において、弗酸処理も前記環境下にて行う。
(3)上記(1)において、弗酸処理後、測定前のウェーハを前記環境下におく。
(4)弗酸処理から測定までのすべての工程を前記環境下にて行う。
方法IIは、少なくとも上記(1)を満たせばよいが、測定精度を高めるためには、上記(2)および(3)が好ましく、上記(4)が更に好ましい。
方法IIにおいても、前記環境は、不活性ガス雰囲気下または真空雰囲気下であることができ、その詳細は、先に方法Iについて説明した通りである。方法IIでは、前記測定を、不活性ガスを充填または流通させたチャンバー内で行うことが好ましい。また、弗酸処理後のウェーハを前記チャンバー内に直ちに配置することが更に好ましい。なお、前記チャンバーは密閉系にすることもできるが、不活性ガス濃度を所定値に維持できれば、開放系でも構わない。不活性ガス雰囲気における不活性ガス濃度は、自然酸化膜の形成を抑制できる範囲で適宜設定することができ、例えば90〜100%、好ましくは98〜100%とすることができる。
方法IIにおける評価対象のウェーハ、弗酸処理、測定方法その他の詳細は、先に方法Iについて説明した通りである。
[第三の態様]
本発明の第三の態様は、
弗酸処理を施したシリコンウェーハ表面と水銀を接触させ、シリコンウェーハと水銀との間に電圧を印加して電気的特性を測定する工程を、複数のシリコンウェーハに対して行うことにより、複数のシリコンウェーハの品質を評価する方法であって、
弗酸処理を施した複数のシリコンウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下に保管し、
前記保管された複数のシリコンウェーハを順次、前記測定に付すことを特徴とする複数の
シリコンウェーハの品質評価方法(以下、「方法III」という)
である。
方法IIIでは、弗酸処理後の複数のシリコンウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下に保管する。従来の大気中で測定を行う方法では、自然酸化膜の生成による影響を避けるため測定の直前に弗酸処理を行う必要があったので、予め複数のウェーハに弗酸処理をして多数のウェーハの評価を自動化することは困難であった。それに対し、方法IIIによれば、弗酸処理後の複数のシリコンウェーハを前記環境下に保管するため、保管中の自然酸化膜の形成を抑制することができ、予め複数のシリコンウェーハに対して弗酸処理を施し、これらウェーハを順次測定に付すことが可能になる。例えば、一度に多数のウェーハに対して弗酸処理を行い、処理後のウェーハを不活性ガスを充填したストッカー内に保管し、オートローダー等により測定を行うチャンバーに順次搬送して水銀プローブ法による測定を行うことができる。これにより、複数のウェーハの自動測定が可能になり、品質評価の効率を高めることができる。
方法IIIには、以下の3つの態様が含まれる。
(1)弗酸処理後の複数のシリコンウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下に保管する。
(2)上記(1)において、弗酸処理も前記環境下で行う。
(3)上記(1)において、水銀プローブ法による測定も前記環境下にて行う。
(4)弗酸処理から測定までのすべての工程を、前記環境下にて行う。
方法IIIは、少なくとも上記(1)を満たせばよいが、測定精度を高めるためには、上記(2)および(3)が好ましく、上記(4)が更に好ましい。
方法IIIにおいても、前記環境は、不活性ガス雰囲気下または真空雰囲気下であることができ、その詳細は、先に方法Iについて説明した通りである。方法IIIでは、例えば弗酸処理後のウェーハを、不活性ガスを充填または流通させたストッカー内に保管することができる。なお、前記ストッカーは密閉系にすることもできるが、不活性ガス濃度を所定値に維持できれば、開放系でも構わない。不活性ガス雰囲気における不活性ガス濃度は、自然酸化膜の形成を抑制できる範囲で適宜設定することができ、例えば90〜100%、好ましくは98〜100%とすることができる。
方法IIIにおける評価対象のウェーハ、弗酸処理、測定方法その他の詳細は、先に方法Iについて説明した通りである。なお、方法IIIでは、複数のシリコンウェーハに対して一度に弗酸処理を施すこともでき、弗酸処理を施したウェーハを順次、前記環境下に保管することもできる。また、保管された複数のウェーハを順次測定に付す工程は、手動で行うこともできるが、効率を高めるためには自動化することが好ましい。保管されたウェーハを順次測定に付すために使用する装置は特に限定されず、公知のオートローダー等を用いることができる。
本発明は、更に、
シリコンウェーハの電気的特性を測定することによりシリコンウェーハの品質を評価し、目標以上の品質を有するシリコンウェーハを選択する工程を含むシリコンウェーハの製造方法であって、
前記品質の評価を、方法I、IIまたはIIIにより行うことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法
に関する。
前述のように、本発明の品質評価方法によれば、水銀プローブ法によりウェーハの品質を高い信頼性をもって評価することができる。よって、かかる方法を用いて品質評価を行い目標以上の品質を有することが確認されたシリコンウェーハを選択することにより、高品質なシリコンウェーハを得ることができる。なお、目標の品質は、ウェーハの用途等に応じてウェーハに求められる物性を考慮して設定することができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。

(例1)
直径200mmのp型(ボロンドープ)のSOIウェーハに対し、弗酸でシリコン表面の自然酸化膜を除去し、純水リンスを行なった後にN2ブローで乾燥させた。図1に示すようにウェーハ表面に水銀を2箇所接触させMOSFETのソース・ドレインを形成した。また、ウェーハ裏面をゲート電極とし、ソース、ドレイン、ゲートにそれぞれ電圧を印加した。弗酸処理直後を基準とした大気中でのIds−Vgsカーブの時間変化を図2に示す。
図2から、弗酸処理後大気中で測定を行った場合、Ids−Vgs特性は時間と共に変化することが分かる。ウェーハ面内の多数の点を評価する場合を想定すると、この経時変化のために面内の特性のばらつきが正確に評価できない。また、最初に複数枚のウェーハを弗酸処理して、1枚づつ評価することによる測定の自動化を行うことも困難である。
(例2)
上記と同様の弗酸処理を行った例1と同様のSOIウェーハを、直ちに図3に示すように窒素を流通させたチャンバー内(窒素濃度98%)に配置して電極を接続し図1と同様に測定を行った。窒素雰囲気下でのIds−Vgsカーブの弗酸処理後の経時変化を図4に示す。図2と比較するとIds−Vgsカーブの経時変化はほとんど見られない。これにより、弗酸処理後のウェーハを直ちに窒素雰囲気下に配置して測定を行うことにより、自然酸化膜形成による電気的特性の経時変化を抑制できることがわかる。
図5に、図2、図4に示されるIds−VgsカーブからIds/√(ΔIds/ΔVgs)を求め、それのVgsに対する傾きから各時間で計算した結果得られた電子移動度の経時的変化の様子を示す。図5に示すように、電子移動度は、窒素雰囲気下ではほとんど変化しなかった。これにより、窒素雰囲気下に弗酸処理後のサンプルを保管しても特性を劣化させることなくウェーハ特性の評価が可能となることがわかる。
本発明によれば、水銀プローブ法によりシリコンウェーハの品質を高い信頼性をもって評価することができる。
更に、本発明によれば、水銀プローブ法により複数ウェーハの評価を自動で行うことができ、品質評価を効率的に行うことができる。
大気中での水銀プローブ法による電気的特性評価の概略図である。 例1において測定された電気的特性の経時変化を示す。 窒素雰囲気下での水銀プローブ法による電気的特性評価の概略図である。 例2において測定された電気的特性の経時変化を示す。 大気中および窒素雰囲気下での電子移動度の経時変化を示す。

Claims (7)

  1. 弗酸処理を施したシリコンウェーハ表面と水銀を接触させ、シリコンウェーハと水銀との間に電圧を印加して電気的特性を測定することによりシリコンウェーハの品質を評価する方法であって、
    少なくとも弗酸処理からシリコンウェーハ表面と水銀を接触させるまでの間、前記ウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下におくことを特徴とするシリコンウェーハの品質評価方法。
  2. 弗酸処理を施したシリコンウェーハ表面と水銀を接触させ、シリコンウェーハと水銀との間に電圧を印加して電気的特性を測定する工程を、シリコンウェーハ表面上の複数点にて行うことにより、シリコンウェーハの品質を評価する方法であって、
    少なくとも前記測定を、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下にて行うことを特徴とするシリコンウェーハの品質評価方法。
  3. 弗酸処理を施したシリコンウェーハ表面と水銀を接触させ、シリコンウェーハと水銀との間に電圧を印加して電気的特性を測定する工程を、複数のシリコンウェーハに対して行うことにより、複数のシリコンウェーハの品質を評価する方法であって、
    弗酸処理を施した複数のシリコンウェーハを、実質的にウェーハ表面に自然酸化膜が形成されない環境下に保管し、
    前記保管された複数のシリコンウェーハを順次、前記測定に付すことを特徴とする複数のシリコンウェーハの品質評価方法。
  4. 前記シリコンウェーハは、基板上に酸化膜層と活性層をこの順に有するシリコンウェーハであり、
    前記測定を、前記活性層表面と水銀を接触させて行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの品質評価方法。
  5. 前記自然酸化膜が形成されない環境は、不活性ガス雰囲気下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの品質評価方法。
  6. 前記不活性ガスは、N2ガス、NeガスおよびArガスからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項5に記載のシリコンウェーハの品質評価方法。
  7. シリコンウェーハの電気的特性を測定することによりシリコンウェーハの品質を評価し、目標以上の品質を有するシリコンウェーハを選択する工程を含むシリコンウェーハの製造方法であって、
    前記品質の評価を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により行うことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
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