JP2007041236A - カラーフィルタの製造方法、及びカラーフィルタ並びに液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 感光性組成物からなり基材の表面に位置する感光層に対して、前記感光層に対し、照度が少なくとも500mW/cm2で照射し、該感光層に対する積算露光量が5〜300mJ/cm2となるように露光する露光工程を含むカラーフィルタの製造方法である。
【選択図】 なし
Description
液晶ディスプレイのカラー画像の形成は、カラーフィルタを通過した光がそのままカラーフィルタを構成する各画素の色に着色されて、それらの色の光が合成されてカラー画像を形成する。そして、現在はRGBの三色の画素でカラー画像を形成している。
このコストダウンの方向としては、単に材料のコストダウンにとどまらず、工程の簡素化が進行中であり、特に、露光のためのフォトマスクをなくすことが検討されている。
一方、表示特性向上の方向としては、1インチあたりの画素数を増やしていく高精細化などが検討されている。
特に、RGBの三色の各画素間を規定するように形成されるブラックマトリクスは、みかけの画素幅を規定しているため、該ブラックマトリクスの線幅のばらつきは、その周期性によって、モアレや、周期ムラなどの表示ムラとなりやすい。このため、ブラックマトリクスを形成するブラック画像の微細パターンを高精細に形成可能な方法が求められている。
前記フォトリソグラフィー法を行う露光装置として、フォトマスクを用いることなく、半導体レーザ、ガスレーザ等のレーザ光を、画素パターン等のデジタルデータに基づいて、感光性組成物上に直接スキャンして、パターニングを行うレーザダイレクトイメージングシステム(以下、「LDI」と称することがある)による露光装置が研究されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、前記空間光変調素子としては、描素部として、制御信号に応じて、反射面の角度を変化させる多数のマイクロミラーをシリコンなどの半導体基板上に2次元状に配列させなるディジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)が知られている。更に、前記従来の露光装置において、前記マイクロレンズアレイの後ろ側に、更に該マイクロレンズアレイの各マイクロレンズに対応した開口(アパーチャ)を有する開口板を配置して、対応する前記マイクロレンズを経た光のみが前記開口を通過するようにした露光装置が提案されている。
しかし、前記DMDや前記開口(アパーチャ)などによる露光装置の場合、レーザ光照射による露光量が比較的大きく、レーザ光の照射時間も短いとはいえない。該レーザ光の積算照射エネルギー(mJ/cm2)を少なくするとともに、前記照射時間をも短縮でき、かつ露光感度を向上させ、より高精細なカラーフィルタを得ることができる製造方法は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
<1> 感光性組成物からなる感光層を形成する感光層形成工程と、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射された光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから、少なくとも照度が500mW/cm2で照射し、前記感光層に対する積算露光量が5〜300mJ/cm2となるように露光する露光工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
該<1>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、照度及び積算露光量を規定し、かつ、露光工程が、前記光照射手段及び前記光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層との少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射した光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して、前記感光層を露光することにより行われるため、フォトマスクを用いることなく、前記感光層の被露光面上に前記パターン情報に基づく像が形成される。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<2> 露光が、温度300Kでの熱伝導率10W/(mK)以下の基板上に載置した被露光体に対して行われる前記<1>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<3> 露光が、温度300Kでの熱伝導率10W/(mK)以下の基板上に形成された感光層に対して行われる前記<1>から<2>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<4> 赤色着色剤の含有量が、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.4〜0.6g/m2である前記<1>から<3>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<5> 緑色着色剤の含有量が、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.165〜0.43g/m2である前記<1>から<4>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<6> 青色着色剤の含有量が、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.16〜0.26g/m2である前記<1>から<5>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<7> 緑色着色剤が、緑色及び黄色の少なくともいずれかの、顔料及び染料から選択される少なくとも1種以上を含有する前記<6>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<8> 緑色の顔料及び染料から選択される少なくとも1種以上の含有量が0.16〜0.28g/m2であり、黄色の顔料及び染料から選択される少なくとも1種以上の含有量が0.05〜0.15g/m2である前記<6>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<9> C光源の加法混色により得られるxyz表色系における、赤色着色剤の座標(x,y)が、0.35≦x≦0.7、0.25≦y≦0.38である前記<1>から<8>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<10> C光源の加法混色により得られるxyz表色系における、緑色着色剤の座標(x,y)が、0.25≦x≦0.4、0.35≦y≦0.65である前記<1>から<9>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<11> C光源の加法混色により得られるxyz表色系における、青色着色剤の座標(x,y)が、0.1≦x≦0.28、0.05≦y≦0.3である前記<1>から<10>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。該<9>、<10>、及び<11>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、加法混色により着色剤の明度及び色度を規定したため、高精細な画素パターンが形成される。
<13>光変調手段が、空間光変調素子である前記<1>から<12>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<14> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<13>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<16> 光照射手段が、光を一端から入射し、入射した前記光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねてなるバンドル状のファイバ光源である前記<1>から<15>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<17> 光ファイバが、2以上の光を入射し、合波して出射する前記<16>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<18> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とを有する前記<1>から<17>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<19> レーザ光の波長が330〜650nmである前記<18>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
該<20>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部が指定され、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部が制御される。前記露光ヘッドを、前記感光層に対し走査方向に相対的に移動させて露光が行われることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な画素パターンが形成される。
<21> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<20>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
該<21>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な画素パターンが形成される。
<22> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<19>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
該<22>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な画素パターンが形成される。
<23> 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される前記<1>から<22>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<24> N重露光のNが、3以上7以下の自然数である前記<1>から<23>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。該<22>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、N重露光のNが、3以上7以下の自然数であることにより、多重描画が行われる。この結果、埋め合わせの効果により、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記画素パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが、より精密に均される。
<26> 使用描素部指定手段が、N重露光を実現するために使用する使用描素部を、行単位で指定する前記<1>から<25>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<28> 実傾斜角度θ´が、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度の平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかである前記<27>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<29> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における1行目から前記T行目の前記描素部を、使用描素部として選択する前記<27>から<28>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<30> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における、(T+1)行目からm行目の前記描素部を、不使用描素部として特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する前記<27>から<29>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、使用描素部を選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、使用描素部を選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段、及び
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段
のいずれかである前記<25>から<30>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<32> 描素部選択手段が、複数の露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、及び、
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
のいずれかである前記<25>から<30>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
該<33>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<34> 使用描素部指定手段が、光点位置検出手段としてスリット及び光検出器、並びに描素部選択手段として前記光検出器と接続された演算装置を有する前記<1>から<33>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<36> パターン情報が表す画素パターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように、前記パターン情報を変換する変換手段を有する前記<1>から<35>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<38> 支持体上に熱可塑性樹脂層を有する前記<1>から<37>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<40> 感光層が、支持体上に感光性組成物からなる感光性転写層を有する感光性転写材料を用いて、該支持体と基材とが当接するように該基材上に積層し、次いで、支持体を剥離することにより形成される前記<1>から<39>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<41> 感光性組成物が、少なくとも、黒色(K)に着色されている前記<1>から<40>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<42> 少なくとも、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3原色に着色された感光性組成物を用いて、基材の表面に所定の配置で、R、G及びBの各色毎に、順次、感光層形成工程、露光工程、及び現像工程を繰り返してカラーフィルタを形成する前記<1>から<41>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<43> 赤色着色剤に少なくとも顔料C.I.ピグメントレッド254を、緑色着色剤に顔料C.I.ピグメントグリーン36及び顔料C.I.ピグメントイエロー138の少なくともいずれかの顔料を、並びに、青色着色剤に少なくとも顔料C.I.ピグメントブルー15:6を用いる前記<42>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<45> 前記<44>に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置である。
<46> 反射型液晶表示装置である前記<45>に記載の液晶表示装置である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、露光工程を少なくとも含んでなり、感光層形成工程、現像工程及び更に必要に応じて適宜選択されたその他の工程を含んでなる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の前記カラーフィルタの製造方法により製造される。
本発明の液晶表示装置は、本発明の前記カラーフィルタを用いてなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法の説明を通じて、本発明のカラーフィルタ及び液晶表示装置の詳細についても明らかにする。
前記感光層形成工程は、少なくとも(1)バインダーと、(2)モノマー又はオリゴマーと、(3)光重合開始剤及び光重合開始剤系のいずれかと、(4)顔料を含む着色剤とを含む感光性組成物を用いて、感光層を形成する工程であり、更に適宜選択されたその他の層を形成する工程である。
前記感光層形成工程としては、以下に示す第1の態様の感光層形成工程及び第2の態様の感光層形成工程が好適に挙げられる。
本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
前記感光層の塗布後に、乾燥するための条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記その他の層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層上に塗布する方法、シート状に形成されたその他の層を積層する方法などが挙げられる。
前記支持体を剥離することにより、支持体による光の散乱や屈折の等影響により、感光性組成物層上に結像させる像にボケ像が生じることが防止され、所定のパターンが高解像度で得られる。
なお、前記感光性フィルムが、後述する保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基材に前記感光層(感光性転写層)が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.01〜1.0MPaが好ましく、0.05〜1.0MPaがより好ましい。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるのが好ましく、更に表面の平滑性が良好であるのがより好ましい。
なお、前記支持体としては、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報、特開平5−72724号公報などに記載の支持体を用いることもできる。
前記保護フィルムは、前記感光層の汚れや損傷を防止し、保護する機能を有するフィルムである。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、特開2005−70767号公報の段落番号[0151]に記載の組合せや、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂層、中間層、などが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂層(以下、「クッション層」と称することもある)は、アルカリ現像を可能とし、また、転写時にはみ出した該熱可塑性樹脂層により被転写体が汚染されるのを防止可能とする観点からアルカリ可溶性であることが好ましく、前記感光性転写材料を被転写体上に転写させる際、該被転写体上に存在する凹凸に起因して発生する転写不良を効果的に防止するクッション材としての機能を有していることが好ましく、該感光性転写材料を前記被転写体上に加熱密着させた際に該被転写体上に存在する凹凸に応じて変形可能であるのがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂層の乾燥厚みは、2〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましく、7〜16μmが特に好ましい。
前記中間層は、前記感光層上に設けられ、前記感光性転写材料が熱可塑性樹脂層を有する場合には該感光層と該熱可塑性樹脂層との間に設けられる。該感光層と該熱可塑性樹脂層との形成においては有機溶剤を用いるため、該中間層がその間に位置すると、両層が互いに混ざり合うのを防止することができる。
前記中間層の材料としては、公知のものを使用することができ、例えば、特開昭46−2121号公報及び特公昭56−40824号公報に記載のポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも親水性高分子を使用するのが好ましく、該親水性高分子の中でも、少なくともポリビニルアルコールを使用するのが好ましく、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの併用が特に好ましい。
前記ポリビニルピロリドンを使用する場合、その含有量としては、該中間層の固形分に対し、1〜75体積%が好ましく、1〜60体積%がより好ましく、10〜50体積%が特に好ましい。
前記含有量が、1体積%未満であると、前記感光層との十分な密着性が得られないことがあり、一方、75体積%を超えると、酸素遮断能が低下することがあり、好ましくない。
前記厚みが、0.1μm未満であると、酸素透過性が高過ぎ、感度が低下してしまうことがあり、5μmを超えると、現像時や中間層除去時に長時間を要し、好ましくない。
前記感光層形成工程で形成される感光層(カラーレジスト層)としては、少なくとも(1)バインダーと、(2)モノマー及びオリゴマーのいずれかと、(3)光重合開始剤及び光重合開始剤系のいずれかと、(4)顔料を含む着色剤とを含み、更に必要に応じて適宜選択されるその他の成分を含む感光性組成物を用いてなる。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーなどが挙げられ、アルカリ可溶性であることが好ましい。具体例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも使用することができる。
また、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体などが特に好ましい。これらの極性基を有するアルカリ可溶性バインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、前記感光性組成物の全固形分に対する含有量は20〜50質量%が一般的であり、25〜45質量%が好ましい。
前記モノマー及びオリゴマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー及びオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートなどが挙げられる。
更に、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げられる。
これらのモノマー及びオリゴマーは、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、前記感光性組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
前記光重合開始剤及び光重合開始剤系としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物、ヘキサアリールビイミダゾール等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適に挙げられる。
これらの光重合開始剤及び光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
前記感光性組成物の全固形分に対する光重合開始剤及び光重合開始剤系のいずれかの含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)R(レッド)の感光性組成物においてはC.I.ピグメント・レッド(C.I.P.R.)254及びC.I.ピグメント・レッド(C.I.P.R.)177を併用して用い、(ii)G(グリーン)の感光性組成物においてはC.I.ピグメント・グリーン(C.I.P.G.)36及びC.I.ピグメント・イエロー(C.I.P.Y.)150の併用、(iii)B(ブルー)の感光性組成物においてはC.I.ピグメント・ブルー(C.I.P.B.)15:6及びC.I.ピグメント・バイオレット(C.I.P.V.)23の併用などが挙げられる。
前記(i)におけるC.I.P.R.177の含有量は、前記感光性組成物を1〜3μmの厚みで塗布した乾燥厚みおいて、0.20〜0.24g/m2であることが好ましく、0.21〜0.23g/m2であることがより好ましく、0.215〜0.225g/m2であることが特に好ましい。
前記(ii)におけるC.I.P.Y.150の含有量は、前記感光性組成物を1〜3μmの厚みで塗布した乾燥厚みおいて、0.38〜0.58g/m2であることが好ましく、0.40〜0.56g/m2であることがより好ましく、0.43〜0.53g/m2であることが特に好ましい。
前記(iii)におけるC.I.P.V.23の含有量は、前記感光性組成物を1〜3μmの膜厚で塗布した乾膜おいて、0.065〜0.075g/m2であることが好ましく、0.066〜0.074g/m2であることがより好ましく、0.067〜0.073g/m2であることが特に好ましい。
前記着色剤(顔料)は、粒径が0.1μm以下であることが好ましく、0.08μm以下であることがより好ましい。
前記感光性組成物には、その他の成分として、例えば、溶媒、界面活性剤、熱重合防止剤、補助的に使用する染料及び顔料、紫外線吸収剤、熱架橋剤、可塑剤、等の成分を含有してもよい。
前記感光性組成物においては、前記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。該有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタムなどが挙げられる。
前記界面活性剤は、均一な厚みに制御でき、塗布ムラ(厚み変動による色ムラ)を効果的に防止するという観点から、該着色感光性樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。従来用いられてきたカラーフィルタにおいては、高い色純度を実現するために各画素の色が濃くなり、画素の厚みのムラが、そのまま色ムラとして認識されるという問題があった。そのため、画素の厚みに直接影響する感光性樹脂層の形成(塗布)時の、厚み変動の改善が求められている。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤などが挙げられる。
前記感光性組成物には、前記熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
前記感光性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ前記着色剤(顔料)に加えて、公知の着色剤(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、前記感光性組成物中に均一に分散されていることが好ましい。そのため粒径が0.1μm以下が好ましく、0.08μm以下がより好ましい。
前記公知の染料ないし顔料としては、具体的には、前記顔料として、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
前記感光性組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。該紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリンなどが挙げられる。
前記厚みが0.3μm未満であると、感光層用塗布液の塗布時にピンホールが発生しやすく、製造適性が低下することがあり、10μmを超えると、現像時に未露光部を除去するのに長時間を要することがある。
前記感光層形成工程で用いられる前記基材としては、特に制限はなく、公知の材料の中から表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を有するものまで、目的に応じて適宜選択することができるが、板状の基材(基板)が好ましく、具体的には、ガラス板(例えば、ソーダガラス板、酸化ケイ素をスパッタしたガラス板、無アルカリガラス板、石英ガラス板等)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記露光工程としては、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、照度が少なくとも500mW/cm2で照射し、前記感光層に対する積算露光量が5〜300mJ/cm2となるように前記感光層に対して、前記光照射手段から出射した光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して、前記感光層を露光する工程であり、該露光はマスクレス露光である。
本発明で使用する露光装置では、細いビーム状の露光光が、位置を徐々に変えながら多数回照射されるから、露光ビームの中心と外延部分が照射されることがあり、微小な1点で観測される露光光は一定でなく、強さが違うものが、多数回観測される。本発明の照度は、これらの露光光のビームの最大の強さの部分の照度を意味する。
前記露光光が最大の強さのものとなるのは、前記露光ビームの略中心が前記微小な1点を通過する場合である。即ち、前記露光ビームの強度分布は、マイクロレンズアレイなどを用いる場合は該露光ビームの中心を分布の中心とするガウシアン分布(正規分布)となる。また、光学系によっては矩形分布のものもある。ただし、前記露光ビームの歪み等により中心が暗いなどの特別な分布をする場合は、その分布に応じて最大の強さとなる部分をも考慮する。本発明に用いられる露光装置の場合、前記微小な1点で観測される露光光は、露光光のビームが離れている時はゼロに近く、露光光のビームの接近によって強くなり、露光光のビーム中心が通過する時に最大となり、以降、再び弱くなって、ゼロ近くに戻る。
前記露光光のビームがガウシアン分布(正規分布)の場合、例えば、前記微小な1点で観測される露光光の強さをグラフ(縦軸=露光光の強さ、横軸=時間)に表すと、ガウシアン分布(正規分布)となる。また、露光光のビームが矩形分布の場合、前記グラフは矩形分布となる。露光光のビームが他の分布の場合、前記グラフはその分布となる。本発明の照度とは、このグラフに表された強さの最大の値をmW/cm2で表したものである。
本発明の照度としては、照度は少なくとも500mW/cm2であることが好ましい。前記照度の上限としては、108mW/cm2程度まで可能であるが、照度が高いほど組成物の組み合わせなどによりラジカル系の反応に悪影響が生ずることがある。そのため、前記照度としては、500〜10,000mW/cm2がより好ましい。
前記平均照度を求めるには、例えば、横河電機株式会社製の青色光対応光パワーメータ(TB100)の受光部に直径10.2mmのアパーチャ(受光部の面積を絞る部品)を設置する。該アパーチャのサイズは、露光装置によって適宜選択する。
本測定例で使用した露光装置は、露光光の照射エリアが12mm×12mmより大きく、かつ、この範囲全体に露光ビームが設置され、かつ該露光ビームの強さが概ね均一(概ね±50%以内)のものを使用する。したがって、少なくとも12mm×12mmのエリアは事実上均一に露光光が照射される(このエリアにより露光された被露光体(感光性樹脂層表面)は、所定の露光量に対し概ね±50%以内に露光されている)とみなすことができる。該エリアよりやや小さなアパーチャを選択しし、前記光パワーメータ(TB100)の該アパーチャ付受光部を、被露光体(感光性樹脂層表面)上に、該受光部を露光光側に向けて設置する。
厳密な測定においては、受光部を被露光体(感光層表面)と同じ高さにする必要があるが、本発明で使用する露光装置では、光学系の焦点距離が長く、誤差が5%未満であったので、被露光体(感光層表面)上に設置する。(ただし、露光装置の光学系によっては、受光部を被露光体(感光層表面)と同じ高さにする必要がある)。
次に、該光パワーメータ(TB100)の測定波長を、露光光の平均波長である407nmに設定する。前記露光光のピーク波長は、装置により、あるいはヘッドにより異なるため、予め、該光パワーメータ(TB100)の感度設定波長を変えて、平均波長を掴んでおく必要がある。
本測定により得られた平均照度(光パワーメータTB100の測定値をアパーチャの面積で補正した値)を用いて、計算により本発明の照度を求める。前記計算は、前記露光光のビーム数、該露光光のビームサイズ、該露光光のビーム配置、スキャン方向、該露光光のビームの分布型、その他、当該露光装置の要件を考慮して行われる。
本発明の露光量は、前記平均照度と、照射時間の積により求める。照射時間とは、照射エリアの相対移動方向の長さを、照射エリアの相対移動速度(被露光体(感光層表面)に対して照射エリアが移動する速度)で割ったものである。該照射エリアの長さとは、該照射エリアの、一番最初に照射されるビームと、一番最後に照射されるビームの、中心間の距離である。該露光量が各感光層において、数回露光された場合の露光エネルギーの総和を積算露光量とし、該積算露光量は少ないほどエネルギーが少なくなるため好ましい。具体的には、前記積算露光量としては、5〜300mJ/cm2になるように露光することが好ましく、5〜100mJ/cm2になるように露光することがより好ましく、5〜50mJ/cm2になるように露光することが特に好ましい。前記露光量が、5mJ/cm2未満であると、露光が不充分となり画素欠けなどが起きることがあり、300mJ/cm2を超えると照射時間が増加し生産性が低下することがあり、また、画素が所望の大きさより大きくなることがある。
前記露光量の計算は、露光量(mJ/cm2)=平均照度(mW/cm2)×照射時間(sec)を用いて、平均照度=10mW/cm2、照射エリアの長さ=12mm、照射エリアの相対移動速度=12mm/秒の時、照射時間=1秒となり、露光量は、10mJ/cm2となる。
前記露光は、露光に用いられる波長の光における光学濃度(OD値)が少なくとも0.3の感光層に対して行われることが好ましい。該光学濃度(OD値)の上限としては、5であことが好ましい。前記光学濃度(OD値)が、0.3未満であると、表示ムラが発生したり、感度が低くなって生産性が落ちることがあり、5を超えると表示ムラが発生することがある。
前記光学濃度(OD値)は、遮光性を表す単位(Optical Density)をいい、下記式で表される。
OD=−log(T)又はT=10−OD
ただし、Tは光の透過率(0≦T≦1)を表す。
本発明の実施例では、露光に用いたレーザ光の波長における光学濃度(OD値)を測定した。なお、光学濃度(OD値)は加算的に作用するため、透明基板と感光層の積層体の光学濃度(OD値)を測定し、前記透明基板の光学濃度(OD値)を引き算することにより、前記感光層の光学濃度(OD値)を求めることができる。
また、前記レーザ光の光エネルギー量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、露光時間の短縮と解像度の観点から、1〜100mJ/cm2が好ましく、5〜20mJ/cm2がより好ましい。
前記合波レーザ光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数のレーザ光源と、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザ光源から照射されるレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とにより合波レーザ光を合成し、照射する方法が挙げられる。
なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基板としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、及び制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調素子を意味している。さらに、Grating Light Valve(GLV)を複数並べて二次元状に構成したものを用いることもできる。これらの反射型空間光変調素子(GLV)や、透過型空間光変調素子(LCD)を使用する構成においては、前記光源として、レーザのほかにランプ等を使用することができる。
これらの空間光変調素子の中でもDMD、及びミラー階調型空間変調素子がより好適に挙げられ、DMDが特に好適に挙げられる。
前記デジタル露光の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所定のパターン情報に基づいて生成される制御信号に応じて変調されたレーザ光を用いて行われることが好適である。
更に、前記露光工程において、感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、短時間、かつ高速露光を可能とする観点から、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行うことが好ましく、前記デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)と併用されることが特に好ましい。
また、前記露光空間を密封空間として、減圧下で該密封空間内に不活性ガスを導入することも可能である。
前記不活性ガスとしては、酸素の影響により前記感光層の重合反応が阻害されることを防止できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられる。
前記露光装置としては、いわゆるフラットベッドタイプの露光装置の他、感光材料がドラムの外周面に巻きつけられるアウタードラムタイプの露光装置、及び感光材料がシリンダの内周面に装着されるインナードラムタイプの露光装置であってもよい。以下、一例として、フラットベットタイプの露光装置について説明する。
前記露光装置は、図1に示すように、前記感光層を前記基体上に積層してなる積層体12(以下、「感光層12」、又は「感光材料12」と表す)を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置10には、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(図示せず)が設けられている。
図2に示すように、各露光ヘッド30が、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の各描素部(マイクロミラー)列方向が、走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている場合には、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。
ステージ14の移動に伴い、感光層12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記し、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。
露光ヘッド30の概略構成の一例を、図4及び図5A及び図5Bに示す。図4及び図5A及び図5Bでは、前記露光ヘッド30中を伝播する光の光路に沿って、各構成要素を示している。
本例では、入射された光を画像データに応じて描素部ごとに変調する光変調手段(描素部ごとに変調する空間光変調素子)として、DMD36(米国テキサス・インスツルメンツ社製)を備え、光照射手段として、ファイバアレイ光源38を備えている。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光層12の露光面上に結像する結像レンズ系50が配置されている。なお図4では、結像レンズ系50を概略的に示してある。
前記結像レンズ系50は、例えば、DMD36と感光層12の露光面とが共役な関係となるように配置された2枚のレンズ52及び54で構成され、さらに、マイクロレンズアレイ、及びアパーチャアレイ等の後述する他のレンズ群からなる。
前記光変調手段としてのDMD36は、図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々描素(ピクセル)を構成する描素部として、多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された図8のコントローラ302によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
DMDを傾斜させるかわりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらし、図10に示すように千鳥情に配置しても、同様の効果を得ることができる。
前記光照射手段の好適な例として、合波レーザを照射可能な手段、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とを有する手段(ファイバアレイ光源)について説明する。
各レーザモジュールにおいて、レーザビームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ64の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザビームBを得ることができる。従って、6本の光ファイバ64がアレイ状に配列されたレーザ出射部での出力は約1W(=180mW×6)である。
ここで、図24A及び図24Bを参照して、従来の露光ヘッドと本実施の形態の露光ヘッドとの焦点深度の違いについて説明する。従来の露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図24Aに示すように、従来の露光ヘッドでは、光照射手段(バンドル状ファイバ光源)38aの発光領域が大きいので、DMD36へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面(感光層12)へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
前記光変調手段を備えるデジタル露光装置では、各描画単位で微細なパターンを高精度に形成するために、露光ヘッド内の各描画単位の光量が均一であることが重要である。ただし実際には、露光ヘッドから照射される光ビームは、レンズ系の要因で光軸の中心部に比べて周辺部の光強度が低下してしまうという問題がある。
そこで、前記光照射手段から前記光変調手段に照射される光の光量分布を補正し、被露光面上での露光光の光量分布を均一に補正する方法を以下に説明する。
なお、この方法に好適な露光ヘッドの構成概略図を、図25に示す。
DMDの光反射側には投影光学系が設けられ、この投影光学系は、DMDの光反射側の露光面にある感光層上に光源像を投影するため、DMD側から感光層へ向って順に、レンズ系、マイクロレンズアレイ、対物レンズ系の各露光用の光学部材が配置されて構成されている。
前記レンズ系及び前記対物レンズ系は、複数枚のレンズ(凸レンズや凹レンズ等)を組み合せた拡大光学系として構成されており、DMDにより反射されるレーザビーム(光線束)の断面積を拡大することで、DMDにより反射されたレーザビームによる感光層上の露光エリアの面積を所定の大きさに拡大している。なお、感光層は、対物レンズ系の後方焦点位置に配置される。
第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に係る露光装置の露光ヘッドにおいて、集光レンズ系に、非球面レンズを有するテレセントリック光学系を設けることで、第1の実施形態と同様に露光面での光ビームの光量分布を均一化する技術である。
前記結像レンズ系を構成する投影レンズの像面湾曲、非点隔差、歪曲等は、テレセントリック性を低下させ、露光光の焦点位置精度を悪化させるという問題がある。この影響を排除するために多重露光を行うと、露光スピードの低下、画質の低下等が生じるという問題がある。
そこで、結像レンズ系において、被露光面上での露光光の焦点位置精度を補正する方法を以下に説明する。
なお、この方法に好適な露光ヘッドの構成概略図を、図29、及び図35A及び35Bに示す。
前記空間光変調素子の各描素部の面の歪みは、集光位置における光ビームに歪みをもたらすという問題があり、特に、前記DMDを空間光変調素子として用いた場合には顕著であり、高精細な露光パターンが形成されないという問題がある。
そこで、前記DMDからの光を収束するマイクロレンズアレイにおいて該DMDの出射面の歪みを補正することにより、前記感光層の被露光面上に結像される像の歪みを補正する方法を以下に説明する。
先に説明した通り、DMDのマイクロミラーの反射面には歪みが存在するが、その歪み変化量はマイクロミラーの中心から周辺部に行くにつれて次第に大きくなる傾向を有している。そしてマイクロミラーの1つの対角線方向(y方向)の周辺部歪み変化量は、別の対角線方向(x方向)の周辺部歪み変化量と比べて大きく、上記の傾向もより顕著となっている。この問題に対処するために、アレイ状に配設されたマイクロレンズが、円形のレンズ開口を有することが好ましい。
そこで、上述のように歪みが大きいマイクロミラーの反射面の周辺部、特に、四隅部で反射したレーザ光はマイクロレンズによって集光されなくなり、集光されたレーザ光の集光位置における形状が歪んでしまうことを防止できる。したがって、歪みの無い、より高精細な画像を感光層に露光可能となる。
上述のとおり、前記露光ヘッドを構成する各種レンズ系に起因する露光光の歪みの影響は、使用するマイクロミラーを選択し、N重露光による埋め合わせの効果で均すこともできる。さらに、前記露光ヘッドの取付け位置や取付け角度のズレに起因する解像度のばらつきや濃度ムラも、使用するマイクロミラーを選択し、N重露光による埋め合わせの効果で均すこともできる。
前記N重露光のNとしては、2以上の自然数であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上の自然数が好ましく、3以上7以下の自然数がより好ましい。
前記使用描素部指定手段としては、描素単位としての光点の位置を被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを少なくとも備えることが好ましい。
以下、前記使用描素部指定手段による、N重露光に使用する描素部の指定方法の例について説明する。
本実施形態(1)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、各露光ヘッド30の取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
となる。本実施形態(1)では、上記のとおりs=256、N=2であるので、前記式3より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。露光装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
なお、図25では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図25の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど小さく、図の右方の列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、露光過多となっている領域は、図の左方に示した被露光面上ほど小さく、図の右方に示した被露光面上ほど大きくなっている。
実傾斜角度θ´は、光点位置検出手段が検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす角度により特定される。
以下、図26及び70を用いて、前記実傾斜角度θ´の特定、及び使用画素選択処理について説明する。
図26は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態(1)の例では、露光エリア32の略中心に位置する第512列目の光点列と露光ヘッド30の走査方向とがなす角度を、上記の実傾斜角度θ´として測定する。具体的には、DMD36上の第1行目第512列目のマイクロミラー58、及び第256行目第512列目のマイクロミラー58をオン状態とし、それぞれに対応する被露光面上の光点P(1,512)及びP(256,512)の位置を検出し、それらを結ぶ直線と露光ヘッドの走査方向とがなす角度を実傾斜角度θ´として特定する。
まず、第256行目第512列目のマイクロミラー58を点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
このようにして特定された実傾斜角度θ´を用い、前記光検出器に接続された前記演算装置は、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域と、露光不足となる領域との面積合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
この例では、上記の自然数TとしてT=253が導出され、第1行目から第253行目のマイクロミラーが選択されたものとする。選択されなかった第254行目から第256行目のマイクロミラーに対しては、前記使用描素部制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。図28に示すとおり、第512列目付近の露光領域では、露光過多及び露光不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光が実現される。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光量不足となる領域が互いに補完され、前記角度歪みによる露光むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光過多となる領域が互いに補完され、前記角度歪による濃度むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
前記平均値又は前記中央値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域と露光不足となる領域とのバランスがよい露光を実現することができる。例えば、露光過多となる領域と、露光量不足となる領域との合計面積が最小に抑えられ、かつ、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるような露光を実現することが可能である。
また、前記最大値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光不足となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光過多となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
さらに、前記最小値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光不足となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光過多となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光不足となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
具体的には、c(n)中の1つの光点位置と、露光ヘッドの走査方向に沿って直線上かつ近傍の光点列に含まれる1つ又は複数の光点位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ´を求めることができる。さらに、c(n)列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(たとえば、c(n)を跨ぐように配置された2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
本実施形態(2)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
この角度θidealは、上記の実施形態(1)と同様にして前記式1〜3から求められる。本実施形態(2)において、露光装置10は、各露光ヘッド30、即ち、各DMD36の取付角度がこの角度θidealとなるように、初期調整されているものとする。
なお、図29では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図30は、図29と同様の露光エリア3212及び3221と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光ヘッド3012と3021による露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさ、即ち、露光ヘッド3012と3021により被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を十分覆う大きさとされている。
まず、第256行目第1024列目のマイクロミラーを点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,1024)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
図29の例では、まず、露光エリア3212の光点P(256,1)の位置を、上記の光点位置検出手段としてスリット28と光検出器の組により検出する。続いて、露光エリア3221の第256行目の光点行r(256)上の各光点の位置を、P(256,1024)、P(256,1023)・・・と順番に検出していき、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示す露光エリア3221の光点P(256,n)が検出されたところで、検出動作を終了する。そして、露光エリア3221の光点列c(n+1)からc(1024)を構成する光点に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラー(不使用描素部)として特定する。
例えば、図29において、露光エリア3221の光点P(256,1020)が、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示し、その露光エリア3221の光点P(256,1020)が検出されたところで検出動作が終了したとすると、図32において斜線で覆われた部分70に相当する露光エリア3221の第1021行から第1024行を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
続いて、露光エリア3221の光点列のうち、上記で本露光時に使用しないマイクロミラーに対応する光点列として特定されたものを除き、最も右側の第1020列を構成する光点の位置を、P(1,1020)から順番にP(1,1020)、P(2,1020)・・・と検出していき、露光エリア3212の光点P(256,2)よりも大きいX座標を示す光点P(m,1020)が検出されたところで、検出動作を終了する。
その後、前記光検出器に接続された演算装置において、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1、1020)のX座標とが比較され、露光エリア3221の光点P(m,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーが本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
また、露光エリア3221の光点P(m−1,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。
さらに、露光エリア3212の光点P(256,N−1)すなわち光点P(256,1)の位置と、露光エリア3221の次列である第1019列を構成する各光点の位置についても、同様の検出処理及び使用しないマイクロミラーの特定が行われる。
また、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
さらに、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重描画に対して露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、実際に使用するマイクロミラーを選択することとしてもよい。
本実施形態(3)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の理想的な状態からのずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び2つの露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
この角度θidealは、前記式1〜3を用いて上記(1)の実施形態と同様にして求められる値であり、本実施形態では、上記のとおりs=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。露光装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
さらに、図33の例では、各露光ヘッドの設定傾斜角度θを前記式(1)を満たす角度θidealよりも若干大きくしたことによる結果、及び各露光ヘッドの取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が上記の設定傾斜角度θからずれてしまったことの結果として、被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域以外の領域でも、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域である描素部列間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多となる領域76が生じ、これがさらなる濃度むらを引き起こしている。
具体的には、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて、実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
実傾斜角度θ´の特定は、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を、それぞれ上述した実施形態(2)で用いたスリット28と光検出器の組により検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定することにより行われる。
そのようにして特定された実傾斜角度θ´を用いて、光検出器に接続された演算装置は、上述した実施形態(1)における演算装置と同様、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出し、DMD36上の第(T+1)行目から第256行目のマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定する処理を行う。
例えば、露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255が導出されたとすると、図34において斜線で覆われた部分78及び80を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。これにより、露光エリア3212と3221のうちヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようになすことができる。
複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、本露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。
一例としては、図35Aに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。
また、別の例として、図35Bに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪み及びビーム径歪みは、主として、DMD36と露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。
さらに別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と露光面間の光学要素(たとえば1枚レンズである図5A及び図5Bのレンズ52及び54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、露光面上に形成されるパターンに解像度や濃度のむらを生じさせる。
上記の実施形態(1)〜(3)の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)列おきのマイクロミラー列、又は全光点行のうち1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行い、均一な露光を実現できるように、前記参照露光に使用されたマイクロミラー中、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
前記参照露光手段による参照露光の結果をサンプル出力し、該出力された参照露光結果に対し、解像度のばらつきや濃度のむらを確認し、実傾斜角度を推定するなどの分析を行う。前記参照露光の結果の分析は、操作者の目視による分析であってもよい。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図36Aに実線で示した奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図36Bに斜線で覆って示す光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点列を構成するマイクロミラー中、本露光において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列の光点列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがって、N=2である。まず、図37に実線で示した、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図37に斜線で覆って示す領域86及び網掛けで示す領域88内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点を構成するマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に実際に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図38Aに実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図38Bに斜線で覆って示す光点群に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定され得る。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図39に実線で示した第1行目から第128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図39に斜線で覆って示す領域90及び網掛けで示す領域92内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
解像度を高めるために、前記露光ヘッドを傾斜させて露光を行うと、形成する露光パターンによっては、無視できないジャギーが発生してしまうという問題がある。例えば、走査方向又はそれと直交する方向に延在する直線状のパターンを形成する場合、前記光変調手段によって形成される各描素部の位置と、パターンの所望の描画位置との間のずれがジャギーとして視認されてしまうことがある。
この問題に対し、単位面積当たりの描画画素数を増加させる等の手段を講じることなく、最適な描画条件を設定することにより、ジャギーの発生を抑制する方法を説明する。
前記現像工程としては、前記露光工程により前記感光層を露光し、未露光部分を除去することにより現像する工程を有する。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25〜40℃が好ましい。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の感光層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に感光層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のカラーフィルタ製造方法における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、硬化処理工程、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記現像工程後に、感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程を備えることが好ましい。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
各画素の寸法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、40〜200μmとすることが好適に挙げられる。ストライプ状であれば40〜200μm幅が通常用いられる。
前記カラーフィルタの製造方法としては、例えば、透明基板上に黒色に着色された感光層を用いて、露光及び現像を行いブラックマトリックスを形成し、次いで、RGBの3原色のいずれかに着色された感光層を用いて、前記ブラックマトリックスに対して所定の配置で、各色毎に、順次、露光及び現像を繰り返して、前記透明基板上にRGBの3原色がモザイク状又はストライプ状に配置されたカラーフィルタを形成する方法が挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の前記カラーフィルタの製造方法により製造される。
本発明の液晶表示装置は、互いに対向して配される一対の基板間に液晶が封入されてなり、本発明の前記カラーフィルタを有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置の対向基板(TFTなどの能動素子が無い側の基板)に形成するものを対象としている他、TFT基板側に形成するCOA方式、TFT基板側に黒だけを形成するBOA方式、又はTFT基板にハイアパーチャー構造を有するHA方式も対象とすることができる。
(実施例1)
[カラーフィルタの作製(スリット状ノズルを用いた塗布による作製)]
−ブラック(K)画像の形成−
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・ジャパン社製、商品名:MH−1600)にて、下記表1に記載の組成よりなる下記着色感光性組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置;東京応化工業株式会社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、120℃3分間プリベークして厚み2.4μmの感光層K1を得た。
着色感光性組成物K1は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM30分間攪拌することによって得られる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・カーボンブラック 13.1質量部
・下記化学式1 0.65質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム
共重合物、分子量3.7万) 6.72質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
バインダー2の組成は、
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・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム
共重合物、分子量3.8万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
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DPHA液の組成は、
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・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm
含有、日本化薬株式会社製、商品名:KAYARAD DPHA) 76質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24質量部
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界面活性剤1の組成は、
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・下記構造物1 30質量部
・メチルエチルケトン 70質量部
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基材上の前記感光層K1に対し、図1に示す露光装置を用い、前記感光層K1と露光ヘッドとを相対移動させながら、照度600mW/cm2で、露光量100mJ/cm2のカラーフィルタパターンの露光を行った。該露光は、波長405nmのレーザ光で行った。このとき用いた無アルカリガラス基板の熱伝導率は、温度300Kで、1.2W/(mK)であった。前記感光層K1は、露光に用いられた波長405nmのレーザ光における光学濃度(OD値)は3.5であった。
前記カラーフィルタパターンとは別に感度評価のためのステップウェッジパターン露光を行った(以下、「ステップウェッジパターン」とは、1段目がベタ露光と同じ露光量で、1段大きくなる毎に1/√2(2段で1/2)の露光量となるように設計されたマスクパターンをいう。)。前記ステップウェッジパターン露光の露光量は、100mJ/cm2で固定した。
この角度θidealを、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラーの列方向の個数s、使用可能なマイクロミラーの列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1〜式3を用いて求めた。
spsinθideal≧Nδ(式1)
pcosθideal=δ(式2)
stanθideal=N(式3)
s=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとして、0.50度を採用した。
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3212と3221のそれぞれについて導出した。露光ヘッド3212についてはT=254、露光ヘッド3221についてはT=255がそれぞれ導出された。その結果、図34において斜線で覆われた部分78及び80を構成するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定された。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しないように制御した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、ブラック(K)の画素を得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
前記感光層K1の画素を形成した基板に、下記表2に記載の組成よりなる下記着色感光性組成物R1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済みR1画素を形成した。ただし、露光工程は、以下のように行った。
基材上の前記感光層R1に対し、図1に示す露光装置を用い、前記感光層R1と露光ヘッドとを相対移動させながら、照度600mW/cm2で、露光量100mJ/cm2のカラーフィルタパターンの露光を行った。該露光は、波長405nmのレーザ光で行った。このとき用いた無アルカリガラス基板の熱伝導率は、温度300Kで、1.2W/(mK)であった。前記感光層R1は、露光に用いられた波長405nmのレーザ光における光学濃度(OD値)は1.4であった。
前記カラーフィルタパターンとは別に感度評価のためのステップウェッジパターン露光を行った。
このR1の画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃、2分間加熱した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・C.I.P.R.254 8質量部
・上記化学式1 0.8質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=73/27モル比の
ランダム共重合物) 8質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83質量部
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R顔料分散物2の組成は、
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・C.I.P.R.177 18質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、分子量3.7万) 12質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70質量部
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バインダー1の組成は、
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量4万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
前記感光層K1と感光層R1の画素を形成した基板に、下記表3に記載の組成よりなる下記着色感光性組成物G1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済みG1画素を形成した。ただし、露光工程は、以下のように行った。
基材上の前記感光層G1に対し、図1に示す露光装置を用い、前記感光層G1と露光ヘッドとを相対移動させながら、照度600mW/cm2で、露光量100mJ/cm2のカラーフィルタパターンの露光を行った。該露光は、波長405nmのレーザ光で行った。このとき用いた無アルカリガラス基板の熱伝導率は、温度300Kで、1.2W/(mK)であった。前記感光層G1は、露光に用いられた波長405nmのレーザ光における光学濃度(OD値)は2.9であった。
前記カラーフィルタパターンとは別に感度評価のためのステップウェッジパターン露光を行った。
このG1の画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃、2分間加熱した。
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・C.I.P.G.36 18質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のラン
ダム共重合物、分子量3.7万) 12質量部
・シクロヘキサノン 35質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 35質量部
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なお、表3に記載の組成物の内、
Y顔料分散物1は、(御国色素株式会社製、商品名:CFエローEX3393)
前記感光層K1の画素、感光層R1及び感光層G1の画素を形成した基板に、下記表4に記載の組成よりなる下記着色感光性組成物B1を用い、前記ブラック(K)画素の形成と同様の工程で、熱処理済みB1画素を形成し、目的のカラーフィルタを得た。ただし、露光工程は、以下のように行った。
基材上の前記感光層B1に対し、図1に示す露光装置を用い、前記感光層B1と露光ヘッドとを相対移動させながら、照度600mW/cm2で、露光量100mJ/cm2のカラーフィルタパターンの露光を行った。該露光は、波長405nmのレーザ光で行った。このとき用いた無アルカリガラス基板の熱伝導率は、温度300Kで、1.2W/(mK)であった。前記感光層B1は、露光に用いられた波長405nmのレーザ光における光学濃度(OD値)は0.4であった。
前記カラーフィルタパターンとは別に感度評価のためのステップウェッジパターン露光を行った。
B顔料分散物1は、(御国色素株式会社製、商品名:CFブルーEX3357)
B顔料分散物2は、(御国色素株式会社製、商品名:CFブルーEX3383)
バインダー3の組成は、
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・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
36/22/42モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
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上記で作製したカラーフィルタの画素上に、特開2003−207787号公報の実施例1と同様の方法で樹脂スペーサを形成した。
次に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極層を形成し、PVAモード用にパターニングを施した。
更に、そのパターニングした透明電極層の上にポリイミドの配向膜を設けた。前記カラーフィルタの画素群の周囲に設けられたブラックマトリックスの外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール材を塗布し、PVAモード用液晶を真空中で滴下し、対向基板と重ね合わせた後、大気圧に戻して大気圧による加圧により貼り合わせて、液晶セルを得た。
次いで、貼り合わされたガラス基板を紫外線処理し、シール材を硬化させた。
この液晶セルの両面に、株式会社サンリツ製の偏光板HLC2−2518をクロスニコルになるように貼り付けた。次に、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー株式会社製チップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー株式会社製チップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー株式会社製チップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、上記偏光板を付与した液晶セルの背面側に設置し、画面サイズ25インチの液晶表示装置を作製した。
−光学濃度(OD値)−
前記光学濃度(OD値)は、遮光性を表す単位(Optical Density)をいい、下記式で表される。
OD=−log(T)又はT=10−OD
ただし、Tは光の透過率(0≦T≦1)を表す。
本発明の実施例では、露光に用いたレーザ光の波長における光学濃度(OD値)を測定した。なお、光学濃度(OD値)は加算的に作用するため、透明基板と感光層の積層体の光学濃度(OD値)を測定し、前記透明基板の光学濃度(OD値)を引き算することにより、前記感光層の光学濃度(OD値)を求めることができる。
前記光学濃度の測定は、まず、本発明のカラーフィルタを形成する感光性材料を用い、透明基板上に本発明と同様の方法で、本発明と同じ厚みの層を形成した測定用のサンプルを作製した。なお、測定は露光前の感光性材料で行っている。この積層体の光学濃度を分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−2100)を用いて露光に用いたレーザ光(波長405nm)で測定し、その値をODとした。測定に用いた前記透明基板の光学濃度を同様の方法で測定し、その値をOD0とした。前記ODから前記OD0を差し引いた値をサンプルの光学濃度とした。測定結果は、表9に示す。
前記感度は、ステップウェッジ(SWC)クリア段により評価した。前記クリア段は、ステップウェッジパターンと称する露光用のパターンに形成された複数の段をいい、1段目はベタ露光同等の露光量で、1段大きくなる毎に1/√2(2段で1/2)の露光量となるように設計されている。前記パターンには1〜16段あり、比較的感度の高い感光性材料は、露光及び現像後に多くの段が残り、比較的感度の低い感光性材料では多くの段が現像で除去される。前記パターンを用いて、各実施例/比較例の照度の露光機、感光性材料について、照度600mW/cm2で、100mJ/cm2露光し、実施例1と同条件の現像を行いクリア段を評価した。完全に残っている段数を読み、該残部の段数をクリア段とした。
パターニングが終了した画素つきの基板を、暗室でNaランプを斜め方向から照射し、目視及びルーペにて観察し、ムラの発生の有無を判断した。
上記の評価より、カラーフィルタの総合的な判定を、以下の基準で行った。なお、実施例4の感光性転写材料により積層された感光層は、実施例1〜3の塗布により積層された感光層と比較して感度はよい。前記感度がよくなるのは、中間層が設けられているためであり、評価における判定では、このような中間層の効果への影響を考慮して判断した。
◎:感度、表示ムラのいずれも良好である。
○:感度、表示ムラいずれかまたは両方において、許容レベルの難あり。
×:感度、表示ムラのいずれかまたは両方において、極めて難あり。
前記生産性は、生産現場における人、物、設備の有効活用を図ることができ、より少ない設備投資で仕掛りの少なく(生産リードタイムが短い)、作業効率100%を目指した生産ラインに効果的であるか否か、歩留まりの程度、品質の均一性などを総合評価し、下記の基準により段階評価した。本発明においては、基材への感光層の積層方法として、塗布による積層及び感光性転写材料を転写することによる積層の二つの方法があるが、塗布による工程は感光性転写材料の転写という工程が不要な点で生産性がよい。これに対し、感光性転写材料では、中間層が積層されており、該中間層の効果として、露光量が少なくなり生産性が向上する。これらの工程の相異や、露光量の相異などを総合考量し、生産性を評価した。本発明は露光工程における露光光の照度を規定することにより、被露光体の感度を増大し、照射時間を短縮することができる。即ち、生産性を向上することができる。
◎ 生産性に極めて効果的である。
○ 生産性に効果的である。
△ 生産性に効果が乏しい。
× 生産性の向上に障害となる。
以上の評価結果を、表8に示す。
実施例1のカラーフィルタを用いて液晶表示装置を形成し、比較例のカラーフィルタを用いた液晶表示装置と比較して、実施例のカラーフィルタを用いた液晶表示装置が、良好な表示特性を示すことを確認した。
実施例1において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機の照度を、600mW/cm2から3,000mW/cm2に、感光層K1、R1、G1、B1の各露光量を100mJ/cm2から70mJ/cm2にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、また、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、同様に評価した。結果を表8に示す。
実施例1において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機の照度を、600mW/cm2から8,000mW/cm2に、感光層K1、R1、G1、B1の各露光量を100mJ/cm2から50mJ/cm2にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、また、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
[カラーフィルタの作製(感光性転写材料のラミネートよる作製)]
−感光性転写材料の作製−
厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記着色感光性組成物K1を塗布、乾燥させ、該支持体の上に乾燥厚みが14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥厚みが1.6μmの中間層と、乾燥厚みが2.4μmの感光層を設け、保護フィルム(厚み12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の感光層とK1が一体となった感光性転写材料を作製し、サンプル名を感光性転写材料K1とした。
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・メタノール 11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36質量部
・メチルエチルケトン 52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリ
レート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/
4.5/28.8、分子量=9万、Tg≒70℃) 5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6質量部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを2当量
脱水縮合した化合物(新中村化学工業株式会社製、商品名:2,2−ビス
[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン) 9.1質量部
・前記界面活性剤1 0.54質量部
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・PVA205(ポリビニルアルコール、株式会社クラレ製、鹸化度=88%、
重合度550) 32.2質量部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン株式会社製、K−30)
14.9質量部
・蒸留水 524質量部
・メタノール 429質量部
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なお、着色感光性組成物R101、G101及びB101の調製方法は、それぞれ前記着色感光性組成物R1、G1及びB1の調製方法に準ずる。
ただし、添加剤1は、燐酸エステル系特殊活性剤(楠本化成株式会社製、商品名:HIPLAAD ED152)を用いた。
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業株式会社)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱して次のラミネーターに送った。
前記感光性転写材料R101の保護フィルムを剥離後、ラミネーター(株式会社日立インダストリイズ製、LamicII型))を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
基材上の前記感光層K101に対し、図1に示す露光装置を用い、前記感光層K101と露光ヘッドとを相対移動させながら、照度600mW/cm2で、露光量23mJ/cm2のカラーフィルタパターンの露光を行った。該露光は、波長405nmのレーザ光で行った。このとき用いた無アルカリガラス基板の熱伝導率は、温度300Kで、1.2W/(mK)であった。前記感光層K101は、露光に用いられた波長405nmのレーザ光における光学濃度(OD値)は3.5であった。
前記カラーフィルタパターンとは別に感度評価のためのステップウェッジパターン露光を行った。
引き続き炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム株式会社製)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム株式会社製)」を用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、ブラック(K)画像を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で照度500mW/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理した。
このKの画像を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
前記感光性転写材料R1を用い、前記感光性転写材料K1と同様の工程で、熱処理済みのレッド(R)画素を得た。ただし、露光量は下記露光工程により行い、炭酸Na系現像液による現像は35℃35秒とした。
基材上の前記感光層R101に対し、図1に示す露光装置を用い、前記感光層R101と露光ヘッドとを相対移動させながら、照度600mW/cm2で、露光量12mJ/cm2のカラーフィルタパターンの露光を行った。該露光は、波長405nmのレーザ光で行った。このとき用いた無アルカリガラス基板の熱伝導率は、温度300Kで、1.2W/(mK)であった。前記感光層R101は、露光に用いられた波長405nmのレーザ光における光学濃度(OD値)は1.4であった。
前記カラーフィルタパターンとは別に感度評価のためのステップウェッジパターン露光を行った。
このR101の画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
前記感光性転写材料G101を用い、前記感光性転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのグリーン(G)の画素を得た。ただし、露光量は下記露光工程により行った、炭酸Na系現像液による現像は34℃45秒とした。
基材上の前記感光層G101に対し、図1に示す露光装置を用い、前記感光層G101と露光ヘッドとを相対移動させながら、照度600mW/cm2で、露光量12mJ/cm2のカラーフィルタパターンの露光を行った。該露光は、波長405nmのレーザ光で行った。このとき用いた無アルカリガラス基板の熱伝導率は、温度300Kで、1.2W/(mK)であった。前記感光層G101は、露光に用いられた波長405nmのレーザ光における光学濃度(OD値)は2.9であった。
前記カラーフィルタパターンとは別に感度評価のためのステップウェッジパターン露光を行った。前記ステップウェッジパターン露光の露光量は、100mJ/cm2で固定した。光源としての前記波長405nmのレーザ光は、11ステップウェッジパターン(ΔlogE=2.9)、及び直径の異なる多数の穴部が形成されるパターンが得られるように照射して露光し、前記感光層G101の一部の領域を硬化させた。
このKの画素、RとGの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
前記感光性転写材料B101を用い、前記感光性転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのブルー(B)の画素を得た。ただし、露光量は下記露光工程により行い、炭酸Na系現像液による現像は36℃40秒とした。
基材上の前記感光層B101に対し、図1に示す露光装置を用い、前記感光層B101と露光ヘッドとを相対移動させながら、照度600mW/cm2で、露光量10mJ/cm2のカラーフィルタパターンの露光を行った。該露光は、波長405nmのレーザ光で行った。このとき用いた無アルカリガラス基板の熱伝導率は、温度300Kで、1.2W/(mK)であった。前記感光層B101は、露光に用いられた波長405nmのレーザ光における光学濃度(OD値)は0.4であった。
前記カラーフィルタパターンとは別に感度評価のためのステップウェッジパターン露光を行った。
また、生産性の面でも、前記中間層の効果として露光量が前記実施例1〜3よりも少なく、該露光量が少ないという点で生産性がよい。ただし、露光量が少なくなる観点から生産性がよくなっても、本実施例4では、実施例1において必要のない感光性転写材料の基材への転写工程が必要となり、この観点からは生産性は実施例1〜3よりは低下してしまう。本実施例4の生産性の評価はこのような工程の違いも含めて評価した。
実施例4において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機を用い、照度600mW/cm2を8,000mW/cm2で感光層K1の露光量23mJ/cm2を12mJ/cm2に、感光層R101の露光量12mJ/cm2を7mJ/cm2に、感光層G101の露光量12mJ/cm2を7mJ/cm2に、感光層B101の露光量10mJ/cm2を5mJ/cm2にそれぞれ代えた以外は、実施例4と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表9に示す。
実施例2において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機を用い、基板の熱伝導率が1.2W/mKから14W/mKに代えた以外は、実施例2と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
実施例2において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機を用い、感光層K1を分厚くすることで光学濃度(OD値)を3.5から5.5に代えた以外は、実施例2と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。本実施例8では、感光層K1のみ実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
実施例2において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機を用い、感光層B1の光学濃度(OD値)を0.4から0.2に代えた以外は、実施例2と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製した。本実施例9では、感光層B1のみ実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
実施例2において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機を用い、照度3,000mW/cm2を100,000mW/cm2に代えた以外は、実施例2と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
実施例1において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機における多重露光を、下記の露光機における露光方法(トーリック)に代えた以外は、実施例1と同様の方法にて目的のカラーフィルタを得た。実施例1と同様に評価した。結果を表9に示す。
実施例1において、光照射手段として合波レーザ光源と、前記光変調手段としてマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された前記光変調手段の内、1024個×256列のみを駆動するように制御されたDMDと、一方の面がトーリック面であるマイクロレンズをアレイ状に配列したマイクロレンズアレイ及び該マイクロレンズアレイを通した光を前記感光層に結像する光学系とを有する露光装置を使用した。
なお、前記マイクロレンズとしては、トーリックレンズが用いられており、x方向に光学的に対応する方向の曲率半径Rx=−0.125mm、y方向に対応する方向の曲率半径Ry=−0.1mmである。
また、マイクロレンズアレイの集光位置近傍に配置されるアパーチャアレイは、その各アパーチャに、それと対応するマイクロレンズを経た光のみが入射するように配置されている。
実施例1において、感光層K1、R1、G1、B1の各露光量を100mJ/cm2から250mJ/cm2にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、また、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、同様に評価した。結果を表8に示す。
実施例1において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機を用い、照度600mW/cm2を20mW/cm2に代えた以外は、実施例1と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
実施例1において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機を用い、照度600mW/cm2を20mW/cm2で行い、感光層K1の露光量100mJ/cm2を23mJ/cm2に、感光層R1の露光量100mJ/cm2を12mJ/cm2に、感光層G1の露光量100mJ/cm2を12mJ/cm2に、感光層B1の露光量100mJ/cm2を10mJ/cm2にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
実施例3において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機を用い、感光層K1、感光層R1、感光層G1、感光層B1の各露光量100mJ/cm2を3mJ/cm2にそれぞれ代えた以外は、実施例3と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
実施例1において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機を用い、感光層K1、感光層R1、感光層G1、感光層B1の各露光量100mJ/cm2を500mJ/cm2にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
実施例1において用いたダイレクトイメージング(DI)露光機を用い、照度600mW/cm2を300mW/cm2に代えた以外は、実施例1と同様の方法で目的のカラーフィルタを得、実施例1と同様の方法で液晶表示装置を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
L1〜L7 コリメータレンズ
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 露光装置
12 感光層
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ(カメラ)
28 スリット
30 露光ヘッド
36 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
38 ファイバアレイ光源
40 集光レンズ系
50 結像レンズ系
58 マイクロミラー(描素部)
60 レーザモジュール
62 マルチモード光ファイバ
64 光ファイバ
66 レーザ出射部
110 ヒートブロック
111 マルチキャビティレーザ
113 ロッドレンズ
114 レンズアレイ
140 レーザアレイ
200 集光レンズ
Claims (14)
- 感光性組成物からなり基材の表面に位置する感光層に対して、
光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記光照射手段から出射された光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから、照度が少なくとも500mW/cm2で照射し、前記感光層に対する積算露光量が5〜300mJ/cm2となるように露光する露光工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 露光が、温度300Kでの熱伝導率10W/(mK)以下の基板上に形成された感光層に対して行われる請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 露光が、露光に用いられる波長の光における光学濃度(OD値)が少なくとも0.3の感光層に対して行われる請求項1から2のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 感光性組成物が、少なくとも、黒色(K)に着色されている請求項1から3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 少なくとも、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3原色に着色された感光性組成物を用いて、基材の表面に所定の配置で、R、G及びBの各色毎に、順次、感光層形成工程、露光工程、及び現像工程を繰り返してカラーフィルタを形成する請求項1から4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 光変調手段が、空間光変調素子である請求項1から5のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 光照射手段が、光を一端から入射し、入射した前記光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねてなるバンドル状のファイバ光源である請求項1から7のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 光ファイバが、2以上の光を入射し、合波して出射する請求項8に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 走査方向に対し描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置されてなる露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、使用描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御し、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う請求項1から9のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。 - 感光層が、感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより形成される請求項
1から10のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。 - 感光層が、支持体上に感光性組成物からなる感光性転写層を有する感光性転写材料を用いて、感光性転写層と基材とが当接するように該基材上に積層し、次いで、支持体を剥離することにより形成される請求項1から11のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1から12のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項13に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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