JP2007037864A - 医用画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理装置において、注目した領域について常に高品質かつ安定した画像を得ることができる医用画像処理装置を提供する。
【解決手段】 本発明装置は、撮影により得られた入力画像のダイナミックレンジを圧縮する医用画像処理装置で、次の各構成を具備する。
入力画像に対して、撮影手技に対応した撮影部位情報に基づき、関心領域を設定する関心領域設定手段(ROI解析回路203)。
この設定された関心領域から入力画像を構成する画素値の特徴量を抽出する特徴量抽出手段(特徴量抽出回路204)。
撮影手技ごとに特徴量に対応した目標出力値を設定する目標出力値設定手段(目標出力値設定回路205)。
特徴量が目標出力値に近似するように、入力画像の画素分布を画素値変換して出力する変換処理手段(DRC回路206)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医用画像処理装置に関するものである。特に、医療用X線画像のダイナミックレンジ圧縮(DRC)処理に好適な画像処理装置に関する。
X線画像では、撮影された画像の全ての領域に亘って高品質な画像として表現することが難しいことがある。例えば、X線胸部画像は、X線が透過しやすい肺野の画像と、X線が非常に透過しにくい縦隔部の画像とより構成されるため、画素値の存在するレンジが非常に広い。このような画素値帯域の広いX線画像は、ガンマ変換を用いて階調変換を行うと、画像に含まれる高周波数成分の対象のコントラストが変わって血管等の濃度が変わってしまい、診断上障害になっていた。そのため肺野および縦隔部の両方を同時に高品質な画像で観察することは困難であった。
そこで、この問題を回避する方法として、ダイナミックレンジ圧縮法がある。ダイナミックレンジ圧縮法とは、入力画像の低周波数成分を圧縮して高周波数成分を伸張することで、画像の低周波数成分を減衰させ、気管支、椎体、骨梁などのコントラストを向上させる処理である。
ダイナミックレンジ圧縮処理に関しては、特許文献1に記載の技術が知られている。この技術では、原画像の画素分布Oから該画素分布Oをボケマスク法などで平滑化した画素分布Bを求め、Bを所定のパラメータで濃度変換したk(B)を原画像の画素分布Oから差し引くことで、濃度域の移動を行う。この処理は画像処理後の画素分布をPとしたときに式(1)と表される。
P=O−k(B) …(1)
式(1)を変形すれば、次の式(2)となる。
P=h(B)+V …(2)
ここでh(B)は、下記の式(3)に示されるように、画像情報の大局的な階調特性の変換を表す関数である。
h(B)=B−k(B) …(3)
式(3)で示される階調特性は、単調増加している途中から減少させるようなことはないので、h(B)はBの広義の単調増加関数といえる。また、白黒反転とダイナミックレンジ圧縮処理と一緒に行うこともあるが、その場合は演算式全体を符号反転した処理となる。
一方、式(2)のVは式(4)で示され、原画像の画素分布Oの局在的な変動成分に相当している。
V=O−B …(4)
特開2003−126057号公報
しかし、上述の技術では、撮影部位に関係なく入力画像に対してあらかじめ定めた固定のパラメータでダイナミックレンジを圧縮するので、関心領域に応じて、その画素値を所望の画素値に変換することは考慮されていない。
また、ダイナミックレンジの圧縮に際し、画像全体の画素値のヒストグラム解析によって特徴量を抽出し、その特徴量を基準に画素値の変換出力を行う場合もある。その場合、ヒストグラムの一部分の画素値を特徴量として抽出するので、この特徴量は、被写体によってそれぞれ異なる領域の画素値となる場合がある。特徴量の抽出領域が被写体ごとに異なると、その特徴量を基準に画素値の変換処理を行っても処理画像の濃度はばらつきが生じてしまう。特に、ギプスが付加された被写体である場合など、読影上、全く関係のない部分から特徴量が抽出される場合もある。その場合、読影上必要な領域を高品質な画像で表現することができないことがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理装置において、注目した領域について常に高品質かつ安定した画像を得ることができる医用画像処理装置を提供することにある。
本発明装置は、撮影により得られた入力画像のダイナミックレンジを圧縮する医用画像処理装置である。そして、次の各構成を具備することを特徴とする。
前記入力画像に対して、撮影手技に対応した撮影部位情報に基づき、関心領域を設定する関心領域設定手段。
この設定された関心領域から入力画像を構成する画素値の特徴量を抽出する特徴量抽出手段。
撮影手技ごとに前記特徴量に対応した目標出力値を設定する目標出力値設定手段。
前記特徴量が前記目標出力値に近似するように前記入力画像の画素分布を画素値変換して出力する変換処理手段。
まず、関心領域設定手段は、撮影手技に対応した撮影部位情報に基づき、入力画像に対して関心領域を設定する。つまり、この設定手段により、入力画像から確実に関心領域を特定することができる。そのため、撮影部位情報が共通する入力画像は、ほぼ共通する関心領域に対して後述する特徴量の抽出を行なうことができる。
入力画像には、X線発生器から被検体にX線を照射して、主として被検体の透過X線をX線検出部でX線画像として検出したものを用いることができる。代表的には、このX線画像に対して、オフセット補正処理、ゲイン補正処理、キズ補正処理、画像の白黒反転等の前処理を行い、この前処理画像を入力画像として用いる。また、X線画像のうち、被検体を透過することなく直接X線検出部にX線が到達する領域(直接線領域)を上記X線画像(前処理画像)から除去して入力画像としても良い。その他、X線発生部側にX線の照射野を規定するX線絞りが装備されている場合には、X線画像(前処理画像)からX線絞りの領域を除去した照射野に限定して入力画像を特定しても良い。上記のX線検出部には、二次元の位置分解能を持つIP(イメージングプレート)、イメージインテンシファイヤ、FPD(平面検出器)などが好適に利用できる。
このような入力画像に関心領域の設定を行う。この設定は、撮影手技に対応した撮影部位情報に基づいて行う。撮影時には、まず撮影手技を選ぶので、手技ID(胸部正面、腹部、頭部など)に応じた関心領域を予め設定しておけば入力画像に対して関心領域を設定することができる。例えば、胸部正面の撮影画像では、撮影術式と手技から撮影***の概略がわかっているので、肺野のおおまかな位置は推定できる。そこで、入力画像における肺野の大まかな位置を基に関心領域の中心座標やサイズを設定すればよい。
関心領域の数は撮影部位に応じて適宜設定すればよく、単数でも複数でもよい。例えば、ダイナミックレンジの圧縮が必要となる胸部正面画像は、X線が透過しやすい肺野の画像と、X線が透過しにくい縦隔部の画像より構成されるため、少なくとも肺野と縦隔部の2箇所に関心領域を設定することが好ましい。また、頭部の画像の場合、通常、被写体が画像中央部に位置し、その被写体に対するX線の透過程度もばらつきが大きくないので、入力画像の中央部に1箇所の関心領域を設定すれば良い。
関心領域の形状は、被写体(部位)の形状に応じて、被写体の特定領域をカバーできるように適宜決定すればよい。例えば、肺野であれば矩形の関心領域としたり、頭部であれば円形の関心領域とすることが好ましい。
また、この関心領域の形状は、被写体部位の形状に正確に合わせる必要はなく、目標となる被写体部位の大半をカバーできる程度の適宜な形状でよい。例えば、被写体部位が肺野の場合、肺野の形状を正確に抽出して、その抽出形状に応じた関心領域を設定する必要はなく、上述したように矩形の関心領域を設定すればよい。
もっとも、撮影部位が四肢の場合、照射野から直接線領域を除いた有効診断領域全体を関心領域とすることが好ましい。その場合の有効診断領域は、ほぼ撮影対象の四肢の輪郭形状となるため、この輪郭形状の関心領域が設定されることになる。
関心領域のサイズは固定でもよいが可変にしてもよい。関心領域のサイズを可変にすることで、被写体のサイズに応じた関心領域の設定を行なうことができる。関心領域のサイズを変更するには、例えば、入力画像から直接線領域を除き、画素値が最大値の20%〜80%程度となる領域を関心領域とすればよい。
次に、特徴量抽出手段は、上述した関心領域から画素値の特徴量を抽出する。このように、必ず設定した関心領域から特徴量の抽出を行うため、読影上関係のない領域から特徴量を抽出することがない。
この特徴量は、予め撮影部位に応じて関心領域と共に設定しておく。例えば、胸部正面の入力画像の場合、上述したように、関心領域は肺野と縦隔部に設定される。その場合、肺野はX線が透過しやすいため、画素値の最大値を特徴量とし、縦隔部はX線が透過しにくいため、画素値の最小値を特徴量とすればよい。さらに、関心領域から抽出した特徴量に加えて、他の領域から抽出した特徴量を併せて用いても良い。例えば、入力画像全体の画素値の平均値も特徴量として用いることができる。
また、画素値には、X線量、光学濃度、輝度、X線吸収係数、水素原子濃度、放射性同位元素濃度、超音波反射量、温度等の各種物理量の局所的な計測値を利用することができる。
次に、目標出力値設定手段は、撮影手技ごとに、特徴量に対応した目標出力値を設定する。この目標出力値は、後述する変換処理手段で特徴量の画素値変換を行った場合、変換出力された画像の階調特性が適正となるような値として、これを記憶手段に記憶しておく。例えば、肺野領域の特徴量が出力濃度1.8に、縦隔領域の特徴量が出力濃度0.3になるように目標出力値を設定すればよい。
次に、変換処理手段は、特徴量が前記目標出力値に近似するように前記入力画像の画素分布を画素値変換して出力する。この画素値変換により、変換出力された画像の階調特性を適正にすることができ、撮影された画像の全ての領域に亘って高品質な画像とすることができる。より具体的には、例えば、入力画像の画素分布を平滑化して平滑化画素分布を得て、この平滑化画素分布を画素値変換して出力する。つまり、この平滑化処理と画素値変換により、平滑化処理で得られる低周波数成分画像のダイナミックレンジの圧縮を行う。この平滑化処理は、例えば、入力画像を適宜なマスクサイズの平均フィルタで平滑化する。この平滑化処理により、入力画像から高周波数成分を除去した画像が得られる。
次に、入力画像、例えば平滑化処理画像の各画素値を画素値変換する。その際、先に求めた特徴量が目標出力値に近似するように変換を行う。代表的には、その特徴量が目標出力値に近づくように適正カーブを生成し、この適正カーブを用いて画素値変換を行う。適正カーブの生成は、例えば、入力画素値を横軸、出力画素値を縦軸とした有限座標において、「特徴量の座標と原点」、「複数の特徴量の座標」、「特徴量の座標と終点」などを通る直線の傾きを求める。続いて、各特徴量の座標や終点における傾きが求められた傾きとなる複次多項式を求める。そして、複次多項式で表される曲線を適正カーブとして画素値の変換出力を行えばよい。
以上のような画素値変換を終えた画像は、空間周波数が低周波数の成分画像を用いた画像であり、通常、最終的なDRC処理後の出力画像は、高周波数成分画像と加算して出力する。高周波数成分画像は、入力画像から平滑化処理画像の画素値を減算することで得られる。この高周波数成分画像には、低周波数成分画像に応じた強調係数を乗算してから画素値変換処理後の低周波数成分画像に加算することが好ましい。これにより、輪郭などがより強調された出力画像を得ることができる。
本発明装置によれば、関心領域設定手段により、撮影手技に対応した撮影部位情報に基づいて関心領域を設定するため、入力画像から確実に関心領域を特定することができる。そのため、撮影部位情報が共通する入力画像は、ほぼ共通する関心領域に対して特徴量の抽出を行なうことができ、処理画像の濃度のばらつきを抑制することができる。
また、本発明装置は、特徴量抽出手段により、必ず設定した関心領域から特徴量の抽出を行うため、読影上関係のない領域から特徴量を抽出することがない。そのため、読影上必要な領域を常に高品質なコントラストで表示することができる。
さらに、本発明装置は、目標出力値設定手段により、撮影手技ごとに、特徴量に対応した目標出力値を設定を行う。そして、変換処理手段により、特徴量が目標出力値に近似するように入力画像の画素分布を画素値変換して出力する。それにより、全ての領域、特に関心領域が高コントラストの鮮明な画像を得ることができる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
<実施例1>
まず、胸部正面撮影のX線画像に対してダイナミックレンジの圧縮を行う場合を例として以下の実施例の説明を行なう。
本発明装置は、図1に示すように、X線発生器101と2次元X線センサ102を具備し、これらを用いて被検体PのX線画像を取得する。取得された画像は、データ収集回路103、前処理回路104を介して画像処理装置200に供給される。画像処理装置200では、供給された画像に対してダイナミックレンジの圧縮変換を含む画像処理を行う。本発明装置におけるこれら一連の動作は操作パネル105を用いて行い、それに伴う装置の制御やデータの伝送は、CPU106、メインメモリ107、CPUバス108を用いて行われる。そして、画像処理済みの画像は、画像表示回路109に出力され、この表示回路109を介してモニタなどの図示しない適宜なディスプレイに表示される。
以下、各部の構成をより詳しく説明する。
X線発生器101は、被検体PにX線ビームを照射する。例えば、この発生器101は高電圧の印加によりX線を発生するX線管を有する。さらに、X線の照射野を規制するX線絞りを有する構成としてもよい。
2次元X線センサ102は、被検体Pを減衰しながら透過したX線を受けてX線画像を出力する。ここで出力される胸部正面のX線画像は、X線が透過しやすい肺野と、X線が非常に透過しにくい縦隔部の画像が含まれる。
データ収集回路103は、2次元センサ102から出力される撮影画像を収集する。より具体的には、データ収集回路103は2次元X線センサ102から出力されたX線画像を電気信号に変換して、前処理回路104に供給する。
前処理回路104は、オフセット補正処理、ゲイン補正処理、キズ補正処理、画像の白黒反転等の前処理を行う。この前処理が行われたX線画像信号は、入力画像としてCPU106の制御により、CPUバス108を介してメインメモリ107と画像処理装置200に転送される。
操作パネル105は、X線撮影実行等の指示や撮影部位ごとの撮影条件の設定などを本装置に対して行うために用いる。例えば、タッチパネル式のディスプレイやメカニカルスイッチなどが操作パネルに用いられる。
CPU106は、本発明装置全体の動作制御を行う。また、メインメモリ107は、本発明装置の制御や各種処理に利用されるデータの記憶や、各種設定条件の記憶を行い、そしてCPUバス108は、本発明装置を構成する各部の間の信号やデータの授受に用いられる。
画像表示回路109は、図示しないディスプレイに所望する画像を表示するための所定の信号処理を行う。
一方、画像処理装置200は、照射領域認識回路201、直接線除去回路202、ROI(Region of interest)解析回路203、特徴量抽出回路204、目標出力値設定回路205、DRC回路206を具備する。以下、この画像処理装置の構成と処理動作を詳細に説明する。
まず、照射領域認識回路201は、X線撮影でX線絞りが使用されている場合には、X線画像からX線絞りの領域を除去して照射野の識別を行う。照射野の識別は、X線発生器101の焦点と2次元X線センサ102との距離およびX線絞りの位置情報から幾何学条件を求め、2次元X線センサ102上における照射領域の算出を用いて行なうことができる。X線焦点と2次元センサ102との距離およびX線絞りの位置情報は、操作パネル105で設定されるのでCPU106の制御により、CPUバス108を介して照射領域認識回路201に送られる。具体的には、2次元X線センサ102上のX線の照射幅Wは、X線焦点と2次元X線センサ102との距離をDとすると、X線が照射される際のX線放射角度aとして以下の式1.1で計算される。
W=2×D×tan(a/2) … (式1.1)
次に、直接線除去回路202は、X線画像の中から直接線領域(X線がセンサ面に直接、照射した領域)を削除する。直接線領域を抽出する方法として、本発明装置の撮影情報、すなわち管電圧、管電流、撮影時間、付加フィルタ、グリッド種類、撮影距離からX線がセンサ面に直接、照射した場合の2次元X線センサ102の画素値が計算できるので、この画素値を超える領域を直接線領域として求めることが挙げられる。
これらの画像解析により照射領域外(X線絞り)と、直線線領域とを削除した診断有効領域を得る。
次に、この診断有効領域について肺野部分と縦隔部分の抽出を目的に、ROI解析回路203で関心領域(ROI)を設定する。撮影時には、まず撮影手技を選ぶので、手技ID(胸部正面)に応じたROIの設定と特徴量を予め設定しておく。胸部正面の撮影画像の場合、撮影術式と手技から撮影***の概略がわかっているので、肺野のおおまかな位置は推定でき、これらの特徴抽出領域の中心座標やサイズを設定する。
具体的には、図2に示すように、画像の縦中心線に対して対称に長方形のROI(領域A)を2個設ける。この長方形のROIは、左右の肺野をほぼ覆う大きさに設定される。また、縦隔部分の抽出では、上記の肺野のROIを除いた画像下部で、前記縦中心線上に中心が位置する円形のROI(領域C)を一つ設定する。さらに、診断有効領域全体もROI(領域B)の一つとして設定する。つまり、本例のROI解析回路では、左右の肺野(領域A)、縦隔(領域C)、診断有効領域全体(領域B)の3種類のROIを設定する。図2ではいずれのROIも破線で示している。
特徴量抽出回路204(図1)は、設定したROIについて特徴量を抽出する。すなわち、設定したROIに対して、画素値の最小値や、平均値、最大値等を計算する。例えば、撮影部位が胸部正面の場合、画像全体(領域B)から画素値の平均値を計算し、左右の肺野(領域A)から画素値の最大値を計算し、そして縦隔(領域C)から画素値の最小値を計算する。
X線胸部画像についてダイナミックレンジ圧縮が必要になるのは縦隔部分の濃度が常に低い部分、そして肺野中心部の濃度が非常に高い部分である。長方形の関心領域内の画素値最小値(骨白画像、反転画像の場合)が肺野領域の特徴量となるため、肺野領域の正確な形状の抽出は必ずしも必要ではない。また、円形の関心領域内の画素値最大値(骨白画像、反転画像の場合)が縦隔部分(背骨を含む)の特徴量となるため、縦隔部の正確な形状の抽出は不要である。
このように特徴量抽出回路204により特徴量の抽出が行われた後、DRC回路206は入力画像に対して、ダイナミックレンジの圧縮処理を行う。DRC回路206の構成と機能を図3の機能ブロック図に基づいて説明する。DRC回路206は、平均フィルタ206A、圧縮LUT(Look up table)206B、強調係数LUT(Look up table)206Cおよび各種画素値の演算処理を行う演算手段を有している。
まず、照射領域と直接線除去の処理を行った入力画像をマスクサイズ101×101程度の平均フィルタ206Aで平滑化する。この平滑化により高周波数成分を除去し、得られた低周波成分画像Mを圧縮LUT206Bにより圧縮する。
圧縮LUT206Bは、低周波数成分の階調特性に対応しており、入力画像に対して階調変換のための適正カーブを生成し、このカーブに基づいて入力画素値を変換出力する。より詳しくは、先に求めた胸部正面の特徴量が目標出力値(目標濃度)に近づくように、入力画素値を横軸とし、出力画素値を縦軸として、両画素値の関係を規定する適正カーブを生成する。この適正カーブの生成手法は、後に詳しく説明する。
目標出力値は、目標出力値設定回路205(図1)に撮影部位ごとに記憶されている値が用いられる。例えば、肺野領域の特徴量が縦軸の出力光学濃度1.8に、縦隔領域の特徴量が縦軸の出力光学濃度0.3になるように目標出力値を設定している。
続いて、入力画像から低周波成分画像M(図3)を減算することで、高周波成分V0を抽出する。併せて強調係数LUT206Cにより、低周波数成分画像Mに応じて強調係数βを決定する。そして、強調係数βを乗じた高周波成分Vを圧縮LUT適用後の低周波成分M’と加算することでDRC処理画像を出力する。
次に、12bit画像(4096階調)について圧縮LUTのカーブを生成する手法を図4に基づいて説明する。ここでは、右肺野と左肺野の最大値X1、診断有効全領域の平均値X2、縦隔の最小値X3の3種類の特徴量を用い、最大値X1に対するDRC処理後の処理画像の目標画素値をY1、平均値X2に対するDRC処理後の処理画像の目標画素値をY2、最小値X3に対するDRC処理後の処理画像の目標画素値をY3としてカーブを生成する。
(1)制御点を原点(0,0)、(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、終点(4095,4095)とする。
(2)x=x1における傾きa1を計算する。傾きa1は点(x1,y1)、(x2,y2)を通過する直線の傾きで、下記式2.1で表される。
Figure 2007037864
(3)x=4095における傾きa2を計算する。傾きa2は点(x3,y3)、(4095,4095)を通過する直線の傾きで、下記式2.2で表される。
Figure 2007037864
(4)点(x1,y1)、(4095,4095)を通過し、x=x1における傾きがa1、x=4095における傾きがa2である3次多項式(下記式2.3)の各係数(aH,bH,cH,dH)を計算する。
y=aHx3+bHx2+cHx+dH x:[x1,4095] (式2.3)
(5)x:[0,x1−1]において、点(0,0)、(x1,y1)を通過し、x=x1における傾きa1となる2次多項式(下記式2.4)の各係数(aL,bL)を計算する。各係数(aL,bL)は、下記式2.5および2.6により求められる。
y=aLx2+bLx x:[0,x1−1] (式2.4)
Figure 2007037864
Figure 2007037864
(6)DRC回路206の圧縮LUTを、式2.3、2.4で表されるカーブとして作成する。
以上説明したように、本発明装置によれば、ダイナミックレンジの圧縮処理が、撮影部位ごとに設定される関心領域の特徴量に依存して実行される。これにより、常に高品質かつ安定した画像を効率的に得ることができる。
また、ダイナミックレンジ圧縮を行う際の圧縮LUTのカーブは、撮影部位に応じた関心領域の特性に依存して自動的に決定することができる。例えば、縦隔部の最小値、肺野部の最高値を通過するように圧縮LUTのカーブを決定するので、圧縮変換出力後の画像は、関心領域の濃度がほぼ一定に保たれ、かつ血管のコントラストが被写体の構造によらず一定に保たれる。そのため、常に安定した状態のX線胸部画像を得ることができる。
さらに、撮影術式の情報を利用することにより、画像状の関心領域の概略位置がわかり、詳細な関心領域の解析をしなくても十分な精度で高品質の画像を得ることができる。
なお、以上の説明では、胸部正面像についてのみ述べたが、他の部位についても手技IDに応じたROIと特徴量の取得が同様に可能である。
<実施例2>
次に、撮影部位が腹部正面の場合を例として本発明の実施の形態を説明する。ただし、本例の場合も、用いる装置の構成と機能自体は実施例1と共通なので、ここでは撮影部位の相違に基づく画像処理の処理手順上の相違点を中心に説明する。
腹部正面撮影の場合は、図5に示すように、画像中央に円形の関心領域(領域D)を一つ設定すればよい。関心領域の円形サイズは可変にしてもよい。画像における診断有効領域全体の最小値と最大値と、画像中央の円形領域の平均値を特徴量として使用すれば、実施例1と同様に圧縮LUTのカーブを生成できる。目標出力値は、画像中央部の円形領域の平均値が出力のレンジの50%(例:4095×0.5=2048)とすればよい。
<実施例3>
次に、撮影部位が頭部側面の場合を例として本発明の実施の形態を説明する。本例の場合も、用いる装置の構成と機能自体は実施例1と共通なので、撮影部位の相違に基づく画像処理の処理手順上の相違点を中心に説明する。
頭部撮影の場合、図6に示すように、撮影術式としてX線錐の中心に被写体がくるので、X線画像の中心部に円形の関心領域(領域E)を一つ設ける。この関心領域のサイズは可変にして直接線領域にはみ出さないようにする。特徴量は、この関心領域における画素値の最小値、最大値および平均値とすればよい。そして、目標出力値は、頚部の抽出を考慮して、前記平均値の変換画素値が出力のレンジの30%(例:4095×0.3=1228)となるようにすればよい。なお、図6では、縦中心軸と横中心軸の交点がX線錐の中心を、矩形の破線領域が照射野を、黒く塗り潰された矩形領域が直接線領域である。
<実施例4>
次に、撮影部位が前腕部の場合を例として本発明の実施の形態を説明する。本例の場合も、用いる装置の構成と機能自体は実施例1と共通なので、撮影部位の相違に基づく画像処理の処理手順上の相違点を中心に説明する。
四肢撮影の場合、図7に示すように、X線錐の中心に被写体が来ない場合がある。また、観察領域が広く、関心領域が画像の周辺部になる場合がある。しかし、四肢の画像はX線のダイナミックレンジが比較的狭いため、圧縮LUTのカーブは単純でよい。例えば、X線絞りを除いた照射野から直接線領域(黒塗り領域)を除いた診断有効領域全体を関心領域(ハッチングを施した領域F)として良い。特徴量は、その診断有効領域全体の画素値の平均値、最小値および最大値とする。そして、その平均値の変換画素値が出力のレンジの50%(例:4095×0.5=2048)となるように目標出力値を設定すればよい。
本発明装置は、医用X線撮影画像の画像処理に好適に利用することができる。
実施例1に係る本発明装置の機能ブロック図である。 実施例1の装置を用いて胸部正面の画像に関心領域の設定を行う手順を示す説明図である。 本発明装置におけるDRC回路の機能ブロック図である。 DRC回路における圧縮LUTの生成例を示す説明図である。 実施例2において腹部正面の画像に関心領域の設定を行う手順を示す説明図である。 実施例3において頭部側面の画像に関心領域の設定を行う手順を示す説明図である。 実施例4において前腕部の画像に関心領域の設定を行う手順を示す説明図である。
符号の説明
101 X線発生器
102 2次元X線センサ
103 データ収集回路
104 前処理回路
105 操作パネル
106 CPU
107 メインメモリ
108 CPUバス
109 画像表示回路
200 画像処理装置
201 照射領域認識回路 202 直接線除去回路 203 ROI解析回路
204 特徴量抽出回路 205 目標出力値設定回路 206 DRC回路
206A 平均フィルタ 206B 圧縮LUT 206C 強調係数LUT
P 被検体 A、B、C、D 領域(関心領域)

Claims (2)

  1. 撮影により得られた入力画像のダイナミックレンジを圧縮する医用画像処理装置であって、
    前記入力画像に対して、撮影手技に対応した撮影部位情報に基づき、関心領域を設定する関心領域設定手段と、
    この設定された関心領域から入力画像を構成する画素値の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    撮影手技ごとに前記特徴量に対応した目標出力値を設定する目標出力値設定手段と、
    前記特徴量が前記目標出力値に近似するように前記入力画像の画素分布を画素値変換して出力する変換処理手段とを有することを特徴とする医用画像処理装置。
  2. さらに前記入力画像の画素分布を平滑化する平滑化手段を有し、
    前記変換処理手段は、前記平滑化処理手段によって平滑化された画素分布を画素値変換して出力することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
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