JP2007033963A - カラーフィルタ - Google Patents

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誠治 俵屋
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Abstract

【課題】 本発明は、外光の影響を受けにくく、高コントラストおよび高輝度等の表示品位に優れ、赤色光・緑色光・青色光の散乱強度を制御可能であり、簡略な工程で製造可能なカラーフィルタを提供することを主目的とする。
【解決手段】 本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、光散乱作用を有する微粒子を層内に分散させてなり、赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンから構成される着色層とを有し、上記赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンにそれぞれ含まれる上記微粒子の含有量が、互いに異なることを特徴とするカラーフィルタを提供することにより、上記目的を達成するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばエレクトロルミネッセンス(以下、ELと略す。)表示装置などの自発光型表示装置に用いられるカラーフィルタに関するものである。
電極間に発光層を設け、これに電圧を印加して発光を生じる自発光素子は、表示装置はもちろんのこと、平面型照明、光ファイバー用光源、液晶ディスプレイ用バックライト、液晶プロジェクタ用バックライト等の各種光源として盛んに研究、開発が進められている。
従来の自発光素子の基本構造の一例としては、透明基板上に透明電極と、発光層と、背面電極とを積層した構造を挙げることができる。通常、背面電極には反射特性を有する金属電極が用いられており、発光層から発せられた光のうち、発光層の後方(金属電極側)に出射した光は、金属電極により反射され、前方(透明電極側)に出射されるので、素子の輝度が向上するという利点がある。
しかしながら、この金属電極は外部から素子に入射した光も反射するため、非表示(非発光)であるべき領域から外光による反射が生じ、表示のコントラストが低下するという問題がある。特に、屋外等明るい環境下で使用する携帯用の表示装置においては、このような外光の反射が問題になる。
このような外光の反射によるコントラストの低下を抑えるためには、透明基板の前面に円偏光板を設けるのが一般的である(例えば特許文献1参照)。円偏光板を使用した場合には、外光が金属電極で反射する際に円偏光の回転方向が逆になるため、効率よく外光の反射を抑えることができ、高コントラストの表示が得られる。
しかしながら、自発光素子における発光層からの発光は一般に非偏光であるため、外光反射を防止するために円偏光板を使用した場合は、発光の約半分が円偏光板により吸収されてしまう。このため、外部への発光の取り出し効率が低下し、輝度が半分以下まで低下するという問題がある。
また、自発光素子では、発光層から発せられた光のうち、透明基板の屈折率と出射媒質(例えば空気)の屈折率とによって決まる臨界角以上の入射角を有する光が、透明基板と出射媒質との界面で全反射し、発光層の内部に閉じ込められて、外部に取り出すことができないため、光の取出し効率が低下するという問題がある。
光の取り出し効率を向上させる手法としては、EL素子にて光散乱層を設けることが提案されている(例えば特許文献2〜4参照)。上述した構成の自発光素子において、例えば透明基板と発光層との間に光散乱層を形成した場合、光散乱層によって、臨界角以上の入射角を有する光も出射媒質(例えば空気)に導かれることになる。このため、光散乱層を形成することにより、光の取り出し効率を向上させることができるのである。
しかしながら、光散乱層により光散乱効果が得られたとしても、光の散乱強度は波長に依存し、波長の短い光の方が強く散乱するため、青色光の散乱強度が緑色光や赤色光に比べて大きくなってしまう。このように、赤色光、緑色光および青色光の散乱強度が異なると、視野角によっては色シフトが生じるという問題がある。
一般に、例えば微粒子の含有量を調整することにより、散乱強度を制御できることが知られている。したがって、赤色光、緑色光および青色光の散乱強度を制御するためには、各色に応じて微粒子の含有量を適宜調整して光散乱層をパターニングすればよいとも考えられる。しかしながら、各色の着色層をパターニングする上に、光散乱層も各色に応じてパターニングするとなると、製造工程が煩雑になるという問題がある。
特開平8−321381号公報 特開平6−347617号公報 特開平6−151061号公報 特開2004−39388公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、外光の影響を受けにくく、高コントラストおよび高輝度等の表示品位に優れ、赤色光・緑色光・青色光の散乱強度を制御可能であり、簡略な工程で製造可能なカラーフィルタを提供することを主目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、透明基板と、上記透明基板上に形成され、光散乱作用を有する微粒子を層内に分散させてなり、赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンから構成される着色層とを有し、上記赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンにそれぞれ含まれる上記微粒子の含有量が、互いに異なることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、着色層が層内に光散乱作用を有する微粒子が分散されたものであり、着色層自体が光散乱性を示すので、本発明のカラーフィルタを例えばEL表示装置に用いた場合には、外光の反射を抑制し、透明基板と出射媒質との界面における発光の全反射を抑制することが可能である。また、着色層を構成する赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンに含まれる上記微粒子の含有量を異なるものとすることにより、赤色光、緑色光および青色光の散乱強度を制御することができ、視野角に依存した色シフトの発生を防ぐことが可能である。さらに、赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンが、微粒子が分散されたものであるので、赤色光、緑色光および青色光に応じて別個に光散乱層を設ける必要がなく、簡略な工程で散乱特性および表示品位に優れるカラーフィルタを得ることが可能である。
上記発明においては、上記青色着色パターンに含まれる微粒子の含有量が、上記赤色着色パターンおよび緑色着色パターンに含まれるそれぞれの微粒子の含有量よりも少ないことが好ましい。例えば、一般に白色を発光する発光層を有するEL表示装置では発せられる白色光が青味の強い光になる傾向が見られるが、本発明のカラーフィルタをこのようなEL表示装置に適用する場合には、上記の構成とすることにより、青色光の散乱を抑えて色ずれを抑制することができる。
上記発明においては、上記微粒子の平均粒径が、1.0μm〜1.6μmの範囲内であることが好ましい。微粒子の平均粒径を所定の範囲とすることにより、ヘイズ値を高くすることができるので、本発明のカラーフィルタを例えばEL表示装置に用いた場合には、外光の反射を抑制してコントラストを効果的に向上させ、また透明基板と出射媒質との界面における発光の全反射を抑制して光の取り出し効率を効果的に向上させることが可能となるからである。
また本発明のカラーフィルタは、ヘイズ値が30〜95の範囲内であることが好ましい。ヘイズ値が上記範囲より小さいと、十分な光散乱効果が得られない場合があるからである。
さらに本発明においては、上記透明基板上に遮光部がパターン状に形成されていてもよい。これにより、コントラストをさらに向上させることができるからである。
本発明は、また、上述したカラーフィルタを用いることを特徴とする自発光型表示装置を提供する。上記カラーフィルタを用いることにより、三原色の光の散乱特性に優れ、高コントラストおよび高輝度の表示を得ることが可能である。
本発明によれば、着色層自体が光散乱性を示すので、本発明のカラーフィルタを例えばEL表示装置に用いた場合には、高コントラストおよび高輝度の表示が実現できるという効果を奏する。また、着色層を構成する各色着色パターンに含まれる上記微粒子の含有量を互いに異なるものとすることにより、光の波長に依存する散乱特性を改善することができるという効果を奏する。さらに、赤色光、緑色光および青色光に応じて別個に光散乱層を設ける必要がなく、簡略な工程で散乱特性および表示品位に優れるカラーフィルタを得ることが可能である。
以下、本発明のカラーフィルタおよび自発光型表示装置について詳細に説明する。
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成され、光散乱作用を有する微粒子を層内に分散させてなり、赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンから構成される着色層とを有し、上記赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンにそれぞれ含まれる上記微粒子の含有量が、互いに異なることを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、本発明のカラーフィルタ10は、透明基板1と、その上に形成された着色層2とを有するものである。着色層は、層内に光散乱作用を有する微粒子を分散させてなるものであり、着色層自体が光散乱性を示す。
このように本発明においては、着色層自体が光散乱性を示すので、本発明のカラーフィルタを例えばEL表示装置に用いた場合には、外光の反射を抑制してコントラストを向上させ、また透明基板と出射媒質(例えば空気)との界面における発光の全反射を抑制して光の取り出し効率を向上させることが可能である。
また図1に例示するように、着色層2は、赤色着色パターン2R、緑色着色パターン2G、および青色着色パターン2Bから構成され、各色着色パターン2R、2Gおよび2Bは、それぞれ上記微粒子が分散されてなるものである。この微粒子の含有量は、各色着色パターンに応じて異なるものとなっている。
図2は、従来のカラーフィルタの散乱特性の一例を示すグラフである。なお、このグラフは、カラーフィルタを光源と受光器との間に配置して、受光器を±30°で変化させて、赤色光(R)、緑色光(G)および青色光(B)のそれぞれの散乱強度を測定した結果である。図2に例示するグラフによると、例えば受光角度10°のとき、散乱強度が青色光(B)>緑色光(G)>赤色光(R)の順に小さくなっている。これは、光の散乱強度が波長に依存し、波長の短い光の方が強く散乱するためである。
本発明においては、上述したように、赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンにそれぞれ含まれる微粒子の含有量が互いに異なるものであり、例えば微粒子の含有量を赤色着色パターン>緑色着色パターン>青色着色パターンの順に少なくすることができる。一般に、微粒子の含有量が多いほど散乱強度が大きくなるので、微粒子の含有量を赤色着色パターン>緑色着色パターン>青色着色パターンの順に少なくすることにより、赤色光の散乱強度を高めて、赤色光、緑色光および青色光の散乱強度分布を揃えることができる。したがって本発明においては、各色着色パターン中の微粒子の含有量を適宜調整することにより、図2に例示するような光の波長に依存する散乱特性を改善することができ、これにより視野角に依存した色シフトの発生を抑制することが可能である。
また、本発明における各色着色パターンはそれぞれ微粒子が分散されたものであり、赤色光、緑色光および青色光の散乱強度を制御するためには、各色着色パターンを形成する際に例えば各色着色パターン中の微粒子の濃度や各色着色パターンの厚みを適宜調整すればよいので、従来の着色層のパターニングと同様の工程で、カラーフィルタを作製することが可能である。したがって、特別な工程が増えることなく、散乱特性に優れるカラーフィルタを得ることができる。
本発明においては、透明基板上に遮光部が形成されていてもよい。これにより、コントラストをさらに向上させることができるからである。
以下、本発明のカラーフィルタの各構成について説明する。
1.着色層
本発明に用いられる着色層は、層内に光散乱作用を有する微粒子を分散させたものであり、本発明のカラーフィルタを例えばEL表示装置に用いた場合、EL表示装置における発光層から発せられた光に適度の散乱を生じさせて十分な視認性を確保するために設けられるものである。
また、着色層は、赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンから構成され、各色着色パターンに含まれる微粒子の含有量が互いに異なるものとなっている。本発明においては、例えば各色着色パターンの厚みを異なるものとする、あるいは、各色着色パターン中の微粒子の濃度を異なるものとすることにより、各色着色パターンに含まれる微粒子の含有量を異なるものとすることができる。
なお、各色着色パターンに含まれる微粒子の含有量が互いに異なるとは、三色の着色パターンのうち、すべての微粒子の含有量が異なる場合だけでなく、少なくとも二色の着色パターンに含まれる微粒子の含有量が異なる場合をも含むものである。例えば緑色着色パターンおよび青色着色パターンに含まれる微粒子の含有量が同一であり、この緑色着色パターンおよび青色着色パターンに含まれるそれぞれの微粒子の含有量と、赤色着色パターンに含まれる微粒子の含有量とが異なっていてもよい。
一般に、波長の短い光の方が強く散乱することから、例えば図2に示すような波長に依存する散乱特性を改善する場合には、各色着色パターンの散乱強度は、赤色着色パターン≧緑色着色パターン>青色着色パターンの順に小さくなることが好ましい。すなわち、青色着色パターンに含まれる微粒子の含有量が、赤色着色パターンおよび緑色着色パターンに含まれるそれぞれの微粒子の含有量よりも少なくなることが好ましい。
また、本発明のカラーフィルタを、白色を発光する発光層を用いたEL表示装置に適用する場合には、発光層からの白色光が主に赤色成分および青色成分を有し、青味が強い光になる傾向が見られることから、青色光に対して赤色光の散乱強度が高められるように、各色着色パターンの散乱強度を調整することが好ましい。この場合には、各色着色パターンの散乱強度を、例えば赤色着色パターン≒緑色着色パターン>青色着色パターンの順に小さくすることにより、各色の散乱強度を揃えることができる。すなわち、上記の場合には、各色の散乱強度を調整するために、青色着色パターンに含まれる微粒子の含有量を、赤色着色パターンおよび緑色着色パターンに含まれるそれぞれの微粒子の含有量よりも少なくすればよい。
例えば各色着色パターンの厚みが異なる場合、各色着色パターンの厚みは、目的とする赤色光、緑色光および青色光の散乱強度に応じて適宜調整される。具体的に、各色着色パターンの厚みは、着色層の透過率を損なわない程度であり、パターニングが可能な厚みであれば特に限定されるものではなく、1.0μm〜10.0μm程度で設定することができ、好ましくは1.0μm〜5.0μmの範囲内であり、より好ましくは1.5μm〜3.5μmの範囲内である。各色着色パターンの厚みが上記範囲より薄いと、例えば紫外線硬化型レジスト等を用いて各色着色パターンを形成する場合には、透明基板との密着性を支配するレジスト成分が減少し、微粒子によって凹凸表面が形成されるため、現像により膜あれが発生する可能性があるからである。この際、各色着色パターンの厚みが薄すぎると、微粒子ごとに現像されてしまい、所望のパターンが得られない場合がある。一方、各色着色パターンの厚みが上記範囲より厚いと、着色層の透過率が低下する可能性があるからである。また、各色着色パターンの厚みが厚すぎると、紫外線露光を利用した場合、着色層の下部まで光が到達せず、未露光の状態となり、パターニング特性が得られない可能性がある。
一方、例えば各色着色パターン中の微粒子の濃度が異なる場合、上記微粒子の濃度は、目的とする赤色光、緑色光および青色光の散乱強度に応じて適宜調整される。具体的に、各色着色パターン中の微粒子の濃度は、光を散乱させることができ、着色層の透過率を損なわない程度の量であれば特に限定されるものではなく、2重量%〜40重量%程度で設定することができ、好ましくは5重量%〜30重量%の範囲内であり、より好ましくは10重量%〜25重量%の範囲内である。上記微粒子の濃度が上記範囲より低いと、光散乱効果が得られない場合があるからである。逆に、上記微粒子の濃度が上記範囲より高いと、着色層の透過率が低下する可能性があるからである。
上述したように、一般に波長の短い光の方が強く散乱することから、例えば図2に示すような波長に依存する散乱特性を改善する場合には、上記微粒子の濃度は、赤色着色パターン≧緑色着色パターン>青色着色パターンの順に少なくなることが好ましい。一般に、微粒子の濃度が高いほど散乱強度が大きくなるからである。
また、本発明のカラーフィルタを、白色を発光する発光層を用いたEL表示装置に適用する場合には、上述した場合と同様に、青色光に対して赤色光の散乱強度が高められるように、各色着色パターン中の微粒子の濃度を調整することが好ましく、各色着色パターン中の微粒子の濃度を、例えば赤色着色パターン≒緑色着色パターン>青色着色パターンの順に少なくすることにより、各色の散乱強度を揃えることができる。
このように各色着色パターン中の微粒子の濃度が異なる場合、各色着色パターンの厚みは同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、本発明に用いられる着色層は、通常、上記微粒子と着色剤とを樹脂中に分散させてなるものである。以下、着色層の構成材料およびその他の点について説明する。
(1)微粒子
本発明に用いられる微粒子としては、光散乱作用を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の無機物、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の有機物、あるいは、これらの2種以上の混合系等の微粒子を挙げることができる。
また、上記微粒子は透明性を有していることが好ましい。これにより、全光線透過率や拡散光線透過率を向上させることができるからである。このような微粒子としては、上記の中でも、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、およびその混合系樹脂や共重合体などが好ましく用いられる。なお、これらの微粒子は耐久性も有している。
ここで一般的に、光散乱性を示す層の光学設計には微粒子の粒径が大きく影響し、具体的には微粒子の粒径dにより散乱状態が異なることが知られている。すなわち、
(1)粒径dが光波長λに比べて大きい場合(d>λ)は、幾何光学領域となり、幾何光学的な屈折、反射による散乱が発生し、波長依存性はない。
(2)粒径dが光波長λに近い場合(λ/3<d<λ)は、回折散乱領域(ミー散乱)となり、幾何光学的な散乱と回折効果(光干渉)とによる散乱が発生し、複雑な波長依存性を有する。このため、散乱による色付きが生じる。
(3)粒径dが光波長λより小さい場合(d<λ/3)は、レイリー散乱領域となり、原子・分子との相互作用による散乱が発生し、ほぼ均一に全方向に散乱する。このため、前方散乱のみならず後方散乱も発生する。
本発明のカラーフィルタを例えばEL表示装置に用いた場合、外光の反射を抑制してコントラストを向上させ、また透明基板と出射媒質(例えば空気)との界面における発光の全反射を抑制して光の取り出し効率を向上させるためには、全方向の散乱は好ましくない。したがって、微粒子の粒径が、上記のうち前方散乱特性に優れる(1)または(2)の場合に該当することが好ましい。さらに、散乱による色付きを防止するためには、微粒子の粒径が上記(1)の幾何光学的領域となることが好ましい。
また、着色層による散乱光の強度を十分なものとするためには、ヘイズ値[ヘイズ値=(拡散光線透過率)/(全光線透過率)×100]を高くする必要がある。特に、EL表示装置においては、より高いヘイズ値が要求される。これは、例えば液晶表示装置では光源として外光を用いる場合があり、この場合には積極的に反射光を表示に使用するのに対し、EL素子は自発光素子であるので、光源として外光を用いる必要がなく、表示品位の向上のためには外光の反射を抑制することが好ましいからである。ヘイズ値がより高いものであれば、外光の反射を効果的に抑制するとともに、透明基板と出射媒質(例えば空気)との界面における発光の全反射も効果的に抑制することができる。
高いヘイズ値(高にごり度)を可能とするには、各色着色パターン中の微粒子の濃度を多くしたり、各色着色パターンの厚みを厚くしたりする必要があるが、このとき全光線透過率および拡散光線透過率が低下するのは好ましくない。例えば、着色層に一般的な微粒子として知られている酸化チタンや炭酸カルシウムを用いた場合、着色層中の微粒子の濃度を多くしたり、着色層の厚みを厚くしたりすることによってヘイズ値を高めることはできるが、その一方で微粒子のもつ遮光性が発現して、全光線透過率が著しく低下してしまう。
以上のことから、本発明に用いられる微粒子の平均粒径は、1.0μm〜1.6μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.0μm〜1.4μm、さらに好ましくは1.2μm〜1.4μmの範囲内である。平均粒径が上記範囲であることにより、高いヘイズ値を達成することができ、優れた散乱特性を得ることができるからである。上述したように、着色層中の微粒子の濃度または着色層の厚みの制御だけでは、ヘイズ値が上昇する反面、全光線透過率が低下する場合があるが、微粒子の平均粒径を上記範囲とすることにより、全光線透過率および拡散光線透過率の低下を抑制しつつ、ヘイズ値を高めることができる。さらに、円偏光板を用いることなく、上述したように外光の反射を抑制することができるので、本発明のカラーフィルタを例えばEL表示装置に用いた場合には、発光層からの発光を有効に利用することができ、輝度を向上させることが可能である。
さらに、平均粒径が上記範囲であれば、通常のスピンナーによる塗布で均一な膜厚分布を達成することができ、またパターニング特性に優れる比較的厚みの薄い着色層が形成可能である。また、上述したように、微粒子の粒径によっては散乱により着色層に色付きが生じる場合があるが、着色層の色特性補正でこの色付きを確実に補うことができるので、光散乱に伴う色特性の低下を効果的に抑えることが可能となる。
なお、上述した粒径dと光波長λとの関係からも説明できるように、微粒子の平均粒径が大きくなるほど、赤色光・緑色光・青色光の散乱強度分布が揃う傾向が見られるが、上述したようにヘイズ値を考慮すると、微粒子の平均粒径は上記範囲であることが好ましい。光散乱効果の指標となるヘイズ値は微粒子の平均粒径に大きく依存し、また、コントラストや輝度等を考慮しつつ光散乱効果を得るためには好適な微粒子の平均粒径が存在すると考えられるからである。
ここで、平均粒径とは、一般に粒子の粒度を示すために用いられるものであり、本発明においては、レーザー法により測定した値である。レーザー法とは、粒子を溶媒中に分散し、その分散溶媒にレーザー光線を当てて得られた散乱光を細くし、演算することにより、平均粒径、粒度分布等を測定する方法である。なお、上記平均粒径は、レーザー法による粒径測定機として、リーズ&ノースラップ(Leeds & Northrup)社製 粒度分析計 マイクロトラックUPA Model-9230を使用して測定した値である。
上記微粒子の形状としては特に限定されるものではないが、球状であることが好ましい。
本発明においては、微粒子の屈折率が後述する樹脂の屈折率より大きいことが好ましい。一般的に、散乱特性を発現させるためには、微粒子と樹脂との屈折率差を利用しており、理想的には樹脂の屈折率が微粒子の屈折率より大きくなるように設定することが好ましい。しかしながら、微粒子と樹脂との屈折率差を明確にすることや、着色層の色付きを考慮すると、微粒子の屈折率が樹脂の屈折率より大きくなるように設定することが好ましいのである。
後述する樹脂の屈折率は一般的に1.5程度であることから、微粒子の屈折率は1.5より大きいことが好ましい。このような微粒子としては、例えば酸化アルミニウム(1.62)、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合体(1.66)、ベンゾクアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合体(1.66、1.52)、メラミン・ホルムアルデヒド縮合体(1.66)、シリカ・アクリル複合化合物(1.52)、メタクリル化合物(1.51)等が挙げられる。なお、括弧内の数字は屈折率を示す。
(2)着色剤
本発明に用いられる着色剤としては、一般的にカラーフィルタに用いられる着色剤を使用することができ、例えば有機顔料や無機顔料などの顔料、または染料等が挙げられる。
(3)樹脂
本発明に用いられる樹脂は、上記微粒子との屈折率差、着色層の透過率、透明基板との密着性等を考慮して適宜選択される。樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ビニルエーテル系樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上の混合物として使用することができる。
また、例えば紫外線硬化型レジスト等を用いて各色着色パターンを形成する場合、レジストに使用されるモノマーとしては、一般にネガレジストに使用される架橋性モノマーを用いることができる。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。これらのモノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに、パターニング時の不具合や着色層の表面性の不具合等を改善するために必要に応じて、レベリング剤、密着助剤などの添加物を添加してもよい。
(4)その他
本発明に用いられる着色層の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。全光線透過率が小さすぎると、本発明のカラーフィルタを例えばEL表示装置に用いた場合に輝度が低下するおそれがあるからである。
また、着色層のヘイズ値は、30〜95程度であることが好ましく、より好ましくは40〜80の範囲内、最も好ましくは50〜70の範囲内である。ヘイズ値が上記範囲より小さいと、十分な光散乱効果が得られない場合があるからである。
なお、上記の全光線透過率およびヘイズ値は、積分球を用いて、東洋精機製作所(株)製の直読ヘイズメーターにより測定した値である。
着色層を構成する各色着色パターンの配列としては特に限定されるものではなく、例えばストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等が挙げられる。
非表示領域に後述する遮光部が形成されていない場合は、各色着色パターンは隙間なく形成されていることが好ましい。これにより、コントラストを向上させることができるからである。
本発明に用いられる着色層は、一般的な顔料分散法、染色法、電着法、印刷法等により形成することができる。
顔料分散法により着色層を形成する場合は、微粒子と着色剤と樹脂とを含有する着色層形成用塗工液が用いられる。この際、着色層形成用塗工液は、紫外線硬化型レジストであることが好ましく、中でもネガ型紫外線硬化型レジストであることが好ましい。着色層形成用塗工液が紫外線硬化型レジストであれば、例えばフォトマスクを介して露光することにより、容易にパターニングできるからである。
2.透明基板
本発明に用いられる透明基板としては、一般に自発光型表示装置に用いることができるものであれば特に限定されるものではない。例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中でも、コーニング社製イーグル2000または1737材ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、好ましく用いられる。特に、本発明のカラーフィルタをアクティブ駆動方式のEL表示装置に適用する場合に好適である。
3.遮光部
本発明においては、例えば図3に示すように、透明基板1上の非表示領域に遮光部3が形成されていてもよい。この遮光部は、着色層の着色パターン間を遮光するため、または着色パターンのアライメントをとるため等に設けられるものである。この場合、遮光部は、例えば着色パターンの開口部毎に形成され、これによりコントラストを向上させることができる。
また、EL表示装置のパネルの周縁部を遮光するために、カラーフィルタの周縁部に遮光部が形成されていてもよい。
本発明に用いられる遮光部は、例えば遮光性樹脂、クロム等の金属により形成することができる。
4.平坦化層
本発明においては、着色層表面の微細な凹凸をなくして平坦な面を形成するために、または、着色層の各色着色パターンによる凹凸をなくして平坦な面を形成するために、着色層上に平坦化層が形成されていてもよい。
特に、本発明のカラーフィルタを用いて例えばEL表示装置を作製する際に、例えばカラーフィルタにおける着色層上に透明電極層等が形成される場合には、上記平坦化層が形成されていることが好ましい。着色層は微粒子を含有するため表面に微細な凹凸が生じやすく、均一な透明電極層の形成が困難となる場合があるが、着色層上に平坦化層が形成されていることにより、均一な透明電極層を形成することができるからである。また、透明電極層に着色層の各色着色パターンによる凹凸が反映されると電極間で短絡が生じる場合があるが、平坦化層が形成されていることにより、この電極間の短絡を防止することができるからである。
一方、例えばカラーフィルタと対向基板とを別々に作製して貼り合わせることによりEL表示装置を作製する場合には、上記平坦化層は形成されていなくてもよい。
本発明に用いられる平坦化層は、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、プロピニル系樹脂等を用いて形成することができる。
5.ガスバリア層
本発明においては、着色層上にガスバリア層が形成されていてもよい。上記平坦化層が形成されている場合は、着色層または平坦化層の上にガスバリア層が形成されていてもよい。例えばEL表示装置における発光層やその他の有機層は、酸素、水蒸気、およびその他のガス等に弱い部材であるため、ガスバリア層を設けることにより、ダークスポットやダークエリアの発生を抑制することができるからである。特に、EL表示装置の製造時や駆動時に、着色層等からガスが発生する場合があるが、ガスバリア層によって、この発生したガスにより発光層等が劣化するのを抑えることができる。
ガスバリア層としては、一般にEL表示装置のガスバリア層として用いられるものを使用することができ、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素等が用いられる。
6.透明電極層
本発明においては、着色層上に透明電極層が形成されていてもよい。上記平坦化層やガスバリア層が形成されている場合には、着色層、平坦化層またはガスバリア層のいずれかの上に透明電極層が形成されていてもよい。
本発明に用いられる透明電極層としては、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、またはその合金等が用いられる。また、透明電極層は、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により形成することができる。
上記透明電極層の厚みは、0.01μm〜1μm程度で設定することができ、好ましくは0.03μm〜0.5μm程度である。
7.その他
本発明のカラーフィルタのヘイズ値としては、30〜95程度であることが好ましく、より好ましくは40〜80の範囲内、最も好ましくは50〜70の範囲内である。ヘイズ値が上記範囲より小さいと、十分な光散乱効果が得られない場合があるからである。また、正面輝度の観点から、ヘイズ値の上限は95であることが好ましいのである。
なお、上記ヘイズ値は、東洋精機製作所(株)製の直読ヘイズメーターを用いて測定した値である。
本発明のカラーフィルタは、例えばEL表示装置、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などの自発光型表示装置に適用することができる。本発明のカラーフィルタを用いることにより、三原色の光の散乱特性に優れ、高コントラストおよび高輝度の表示を得ることが可能である。これらの中でも、本発明のカラーフィルタは、EL表示装置に適用することが好ましい。
B.自発光型表示装置
次に、本発明の自発光型表示装置について説明する。本発明の自発光型表示装置は、上述したカラーフィルタを用いることを特徴とするものである。
自発光型表示装置としては、例えばEL表示装置、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)が挙げられ、中でも、EL表示装置であることが好ましい。EL表示装置としては、有機EL表示装置であっても無機EL表示装置であってもよい。
本発明においては、EL表示装置は、特にアクティブ駆動方式により駆動するものであることが好ましい。これは、上記カラーフィルタが外光の反射を抑えることが可能であり、外部環境で使用するデジタルスチルカメラやデジタルビデオムービー等に用いられる表示装置に適しているからである。一般的に、デジタルスチルカメラやデジタルビデオムービー等の解像度はメガピクセルを有するものが用いられるため、それを表示する表示装置に対しても解像度が要求される。パッシブ駆動方式の表示装置では、その構成から高解像度を得ることができず、高精細の表示装置は一般的にアクティブ駆動方式に移行してきている。また、色の表示色に関しても、薄膜トランジスタ(TFT)素子等で中間色を制御できるアクティブ駆動方式の表示装置の方が表示色を多く再現できる。
図4に、本発明のEL表示装置の一例を示す。図4(a)はボトムエミッションのEL表示装置の例であり、図4(b)はトップエミッションのEL表示装置の例である。
例えば図4(a)に示すEL表示装置30においては、カラーフィルタ10の着色層2(2R、2Gおよび2B)上に透明電極層12、発光層11、および金属電極層13が形成され、その上に基板15が形成されている。発光層12の間には隔壁16が形成され、透明電極層12は薄膜トランジスタ(TFT)17とともに形成されている。
また例えば図4(b)に示すEL表示装置30においては、カラーフィルタ10と、基板15上に金属電極層13、発光層11、透明電極層12および屈折率マッチング層14が形成された対向基板20とが積層されている。そして、発光層12の間には隔壁16が形成され、金属電極層13は薄膜トランジスタ(TFT)17とともに形成されている。
上記カラーフィルタは、外光の反射を抑制し、透明基板と出射媒体との界面における発光の全反射を抑制するものであり、いずれのEL表示装置においても、光の取り出し面側に配置される。
ボトムエミッションとトップエミッションとでは、トップエミッションの方が発光部分の割合(発光面積率)が大きい点で有利である。これは、ボトムエミッションでは、光の取出し面側にTFT回路が形成されるため、発光面積が狭くなってしまうが、トップエミッションでは、TFT回路の形成面とは反対側の面から光を取り出すため、複雑なTFT回路が形成されていても、発光面積には影響しないからである。
また、EL表示装置としては、例えば白色を発光する発光層を用いたEL表示装置、三原色をそれぞれ発光する発光層を用いたEL表示装置、および青色を発光する発光層を用い、色変換により三原色を表示するEL表示装置のいずれであってもよいが、中でも、白色を発光する発光層を用いたEL表示装置であることが好ましい。
なお、EL表示装置の他の構成部材、例えば発光層等は、一般的に使用されるものを用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(ブラックマトリクスの形成)
透明基板として、370mm×470mm、厚み0.7mmのソーダガラス(セントラル硝子社製)を用い、透明基板上にスパッタリングにより酸化窒化複合クロムの薄膜(厚み0.2mm)を形成した。この複合クロムの薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、および複合クロム薄膜のエッチングを順次行って、80μm×280μmの長方形状の開口部が短辺方向に100μmのピッチ、長辺方向に300μmのピッチでマトリクス状に配列したブラックマトリクスを形成した。
(着色層の形成)
赤色、緑色および青色の各着色パターン形成用の感光性塗料組成物を調製した。赤色着色剤としては縮合アゾ系顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、クロモフタルレッドBRN)、緑色着色剤としてはフタロシアニン系緑色顔料(東洋インキ製造社製、リオノールグリーン2Y−301)、および青色着色剤としてはアンスラキノン系顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、クロモフタルブルーA3R)をそれぞれ用いた。また、バインダ樹脂としてはポリビニルアルコール(10%水溶液)を用いた。ポリビニルアルコール水溶液10部に対し、各着色剤を1部(部数はいずれも質量基準。)の割合で配合した。
得られた溶液100部に対し、1部の重クロム酸アンモニウムを架橋剤として添加し、さらに固形分100部に対して、赤色感光性塗料組成物では20部、緑色感光性塗料組成物では17部、青色感光性塗料組成物では12部の散乱性微粒子(メラミン系樹脂ビーズ、平均粒径1.2μm)を添加して、十分に混合し、各着色パターン形成用の感光性塗料組成物を得た。
上記の各着色パターン形成用の感光性塗料組成物を順次用いて各着色パターンを形成した。すなわち、上記のブラックマトリクスが形成された透明基板上に、赤色感光性塗料組成物をスピンコート法により塗布し、100℃で5分間のプリベイクを行った。その後、フォトマスクを用いて露光し、現像液(0.05%KOH水溶液)にて現像を行った。次いで、200℃で60分間のポストベイクを行い、ブラックマトリクスのパターンに同調させ、幅85μm、厚み1.5μmのストライプ状の赤色着色パターンを形成した。以降、緑色感光性塗料組成物および青色感光性塗料組成物を順次用い、幅85μm、厚み1.5μmのストライプ状の緑色着色パターンおよび青色着色パターンを形成した。
(平坦化層の形成)
次いで、着色層が形成された上に、アクリレート系光硬化性樹脂(新日鐵化学社製、商品名:「V−259PA/PH5」)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈した平坦化層形成用塗工液を調製し、スピンコート法により塗布し、120℃で5分間のプリベイクを行った。次いで、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行った後、200℃で60分間のポストベイクを行って、厚み5μmの平坦化層を形成した。
(ガスバリア層の形成)
次に、上記の平坦化層上にスパッタリング法により、Siターゲット(3N)を用い、アルゴンガス導入量:40sccm、RFパワー:430kW、基板温度:100℃で成膜し、厚み150nmの酸化窒化ケイ素膜を積層し、透明なガスバリア層を形成した。
上述した一連の操作により、カラーフィルタを作製した。
(透明電極層の形成)
次いで、上記のガスバリア層上にイオンプレーティング法により膜厚150nmの酸化インジウムスズ(ITO)電極膜を形成し、このITO電極膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO電極膜のエッチングを行って、透明電極層を形成した。
(補助電極の形成)
次に、上記の透明電極層を覆うようにガスバリア層上の全面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み0.2μm)を形成し、このクロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、クロム薄膜のエッチングを行って、補助電極を形成した。
(絶縁層および隔壁部の形成)
平均分子量が約100,000であるノルボルネン系樹脂(JSR社製、ARTON)をトルエンで希釈した絶縁層形成用塗工液を使用し、スピンコート法により透明電極層を覆うようにガスバリア層上に塗布した後、ベーク(100℃、30分)を行って絶縁膜(厚み1μm)を形成した。次に、この絶縁膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、絶縁膜のエッチングを行って絶縁層を形成した。この絶縁層は、透明電極層と直角に交差するストライプ状(幅20μm)のパターンであり、ブラックマトリクス上に位置するものとした。
次に、隔壁部用塗料(日本ゼオン社製、フォトレジスト ZPN1100)をスピンコート法により絶縁層を覆うように全面に塗布し、プリベーク(70℃、30分間)を行った。その後、所定のフォトマスクを用いて露光し、現像液(日本ゼオン社製、ZTMA−100)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(100℃、30分間)を行った。これにより、絶縁層上に隔壁部を形成した。
(有機EL層の形成)
次いで、真空蒸着法により正孔注入層、白色発光層、電子注入層からなる有機EL層を形成した。
すなわち、まずN,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1´−ビフェニル〕−4,4´−ジアミンを、表示領域に対応する所定の開口部を備えたフォトマスクを介して600nmまで蒸着して成膜することにより、透明電極層上に正孔注入層を形成した。同様にして、4,4´−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルを50nm厚まで蒸着して成膜した。このとき、同時にルブレン(アルドリッチ(株)製、蛍光ピーク波長585nm)を少量含有させた。これにより白色発光層を形成した。
その後、トリス(8−キノリノール)アルミニウムを20nm厚まで蒸着して成膜することにより電子注入層とした。このようにして形成された有機EL層は、幅280μmのストライプ状のパターンとして各隔壁部間に存在するものであった。
(金属電極層の形成)
次に、表示領域よりも広い所定の開口部を備えたフォトマスクを介して、上記の隔壁部が形成されている領域に、真空蒸着法によりマグネシウムと銀とを同時に蒸着(マグネシウムの蒸着速度=1.3〜1.4nm/秒、銀の蒸着速度=0.1nm/秒)して成膜した。これにより、隔壁部がマスクとなって、マグネシウム/銀化合物からなる厚み200nmの金属電極層を有機EL層上に形成した。この金属電極層は、幅280μmのストライプ状のパターンとして有機EL層上に存在するものであった。
(有機EL表示装置)
上記の有機EL素子を封止し、有機EL表示装置を得た。
(評価)
この有機EL表示装置の透明電極層と金属電極層に直流電圧8.5Vを10mA/cmの一定電流密度で印加して連続駆動させることにより、透明電極層と金属電極層とが交差する所望の部位の発光層を発光させた。
得られた有機EL表示装置の任意の領域に関して、分光放射輝度計(株式会社トプコン製、SR−2)にて基板正面と45°傾斜させた場合の色ずれ(CIE色度座標でのΔxy)、および明室下での視認性(外光反射低減効果)について評価を行った。結果を表1に示す。
ここで、Δxyとは、全色点灯時の基板正面でのWhite座標(x1,y1)に対し、基板面に対して45°傾斜させた場合のWhite座標(x2,y2)から、下記式により算出される。
Δxy=((x1−x2)+(y1−y2)1/2
また、カラーフィルタのヘイズ値を、東洋精機製作所(株)製の直読ヘイズメーターで測定した。結果を下記の表1に示す。
[実施例2]
下記のように着色層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置を作製した。
(着色層の形成)
実施例1において、各着色パターン形成用の感光性塗料組成物を調製する際に、添加する散乱微粒子の添加比率を変更した以外は、実施例1と同様にして着色層を形成した。すなわち、固形分100部に対して、赤色感光性塗料組成物では40部、緑色感光性塗料組成物では35部、青色感光性塗料組成物では27部の散乱性微粒子(メラミン系樹脂ビーズ、平均粒径1.2μm)を添加した。
(評価)
実施例1と同様の評価を行った。
[実施例3]
下記のように着色層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置を作製した。
(着色層の形成)
実施例1において、各着色パターン形成用の感光性塗料組成物を調製する際に、添加する散乱微粒子の添加比率を変更した以外は、実施例1と同様にして着色層を形成した。すなわち、固形分100部に対して、赤色感光性塗料組成物では32部、緑色感光性塗料組成物では32部、青色感光性塗料組成物では25部の散乱性微粒子(メラミン系樹脂ビーズ、平均粒径1.2μm)を添加した。
(評価)
実施例1と同様の評価を行った。
[比較例1]
下記のように着色層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置を作製した。
(着色層の形成)
実施例1において、各着色パターン形成用の感光性塗料組成物を調製する際に、添加する散乱微粒子の添加比率を変更した以外は、実施例1と同様にして着色層を形成した。すなわち、固形分100部に対して、赤色感光性塗料組成物では20部、緑色感光性塗料組成物では20部、青色感光性塗料組成物では20部の散乱性微粒子(メラミン系樹脂ビーズ、平均粒径1.2μm)を添加した。
(評価)
実施例1と同様の評価を行った。
[比較例2]
下記のように着色層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置を作製した。
(着色層の形成)
実施例1において、各着色パターン形成用の感光性塗料組成物を調製する際に、添加する散乱微粒子の添加比率を変更した以外は、実施例1と同様にして着色層を形成した。すなわち、固形分100部に対して、赤色感光性塗料組成物では7部、緑色感光性塗料組成物では7部、青色感光性塗料組成物では7部の散乱性微粒子(メラミン系樹脂ビーズ、平均粒径1.2μm)を添加した。
(評価)
実施例1と同様の評価を行った。
Figure 2007033963
表1から明らかなように、実施例1〜3では色ずれを抑制することができ、また視認性も良好であった。一方、比較例1,2では各着色パターン中の散乱性微粒子の含有量が等しいために色ずれを抑えることができず、特に比較例2ではヘイズ値が低いために視認性も悪かった。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 従来のカラーフィルタの散乱特性の一例を示すグラフである。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のEL表示装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 透明基板
2 … 着色層
2R … 赤色着色パターン
2G … 緑色着色パターン
2B … 青色着色パターン
3 … 遮光部
10 … カラーフィルタ

Claims (6)

  1. 透明基板と、前記透明基板上に形成され、光散乱作用を有する微粒子を層内に分散させてなり、赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンから構成される着色層とを有し、前記赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンにそれぞれ含まれる前記微粒子の含有量が、互いに異なることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記青色着色パターンに含まれる微粒子の含有量が、前記赤色着色パターンおよび緑色着色パターンに含まれるそれぞれの微粒子の含有量よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記微粒子の平均粒径が、1.0μm〜1.6μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ。
  4. ヘイズ値が30〜95の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記透明基板上に遮光部がパターン状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタを用いることを特徴とする自発光型表示装置。
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