JP2007033306A - 流体の流動計測システム及びその計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粒子軌跡追跡法を用いた流動計測、特に3次元流動計測において、より信頼性が高くより精度が高く精密な測定が可能な流体の流動計測システム及びその計測方法。
【解決手段】 レーザ発振装置11から発振されたレーザ光を流体流動場14内にシート状に投入させるレーザシート形成用光学系13と、レーザシート17で照明されて形成される2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を選択的に撮像する画像撮像手段29L、29Rと、微小時間異なる2時刻における2次元粒子画像の輝度パターンを比較・解析して粒子群の移動方向及び移動量を計測する第1画像処理手段と、微小時間異なる2時刻における2次元粒子軌跡画像の輝度パターンを比較・解析して個々の粒子の移動方向及び移動量を計測する第2画像処理手段とを備え、第2画像処理手段で、第1画像処理手段で計測された粒子群の移動方向に基づいて個々の粒子の移動方向を定める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体の流動計測システム及びその計測方法に関し、特に、閉空間内を流動する流体の流速及び流れ方向を高精度かつ精密に測定する流体の流動計測システム及びその計測方法に関するものである。
近年、圧力容器内のような外界と環境を異にする閉空間の流動場を把握することはプラント等の効率や安全性の向上等から非常に要望されている。しかし、参照窓の必要性や光学系等の設置の困難さから粒子画像流速測定法(以下、PIV(Particle Imaging Velocimetry)と呼ぶ。)による測定は従来では不可能であった。非特許文献1では、一対のファイバスコープを使用することで、閉空間内等へ適用可能であるステレオPIVシステムを構築し、2次元3方向成分の速度測定可能なシステムを構築した。しかし、この場合、ファイバスコープを通すことで画像が劣化し粒子の情報量が極めて減少することにより、測定精度の向上が必要とされていた。
このような状況下、特許文献1において、ファイバスコープを使用したPIVシステムにおいて、ファイバスコープを通して撮像された粒子画像を各ピクセル毎に輝度パターン(輝度値)の加算平均値を求め、各々の粒子画像の輝度パターン(輝度値)から加算平均値を引くことで、光ファイバのファイバ配列の輝度パターン除去を行ってファイバスコープ像のノイズ除去を行い、流体の流速や流れ方向等の流動状態を精度良く正確に測定する方法が提案されている。
さらに、特許文献2、非特許文献2において、PIVを発展させた粒子追跡法(以下、PTV(Particle Tracking Velocimetry )と呼ぶ。)においてファイバスコープを使用し、かつ、粒子の流跡を記録する粒子軌跡追跡法(以下、PTV−SS(PTV with Streak Searching )と呼ぶ。)が提案されている。そのとき、特許文献1と同様のファイバスコープ像のノイズ除去を行っている。
さらに、非特許文献3において、ファイバスコープを使用したPTV−SSを3次元に拡張したファイバスコープステレオPTV−SSを提案している。
さらに、非特許文献4において、PTVにおいて、各粒子の流跡を検出するのに、各粒子の流跡の検出の閾値をその背景に応じて個々に定める動的2値化法を提案している。
特開2002−22759号公報 特開2003−84005号公報 日本機械学会熱工学講演会論文集,No.02−22(2002),pp.7〜8 Experiments in Fluids,33(2002),pp.752〜758 日本機械学会熱コンファレンス2003講演論文集[2003−11.15−16,金沢]pp.273〜274 Meas.Sci.Technol.,Vol.11(2000),pp.603〜616
本発明は従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、粒子軌跡追跡法を用いた流動計測、特に3次元流動計測において、より信頼性が高くより精度が高く精密な測定が可能な流体の流動計測システム及びその計測方法を提供することである。
上記目的を達成する本発明の流体の流動計測システムは、レーザ光を発振させるレーザ発振装置と、発振されたレーザ光を流体の流動場内にシート状に投入させるレーザシート形成用光学系と、このレーザシート形成用光学系からのレーザシートで照明されて形成される2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を選択的に撮像する画像撮像手段と、前記画像撮像手段で撮像された微小時間異なる2時刻における2次元粒子画像の輝度パターンを比較・解析して粒子群の移動方向及び移動量を計測する第1画像処理手段と、前記画像撮像手段で撮像された微小時間異なる2時刻における2次元粒子軌跡画像の輝度パターンを比較・解析して個々の粒子の移動方向及び移動量を計測する第2画像処理手段とを備え、前記第2画像処理手段では、前記第1画像処理手段で計測された粒子群の移動方向に基づいて個々の粒子の移動方向を定めるように構成されていることを特徴とするものである。
この場合、前記レーザ発振装置は半導体レーザで構成され、前記半導体レーザの発光時間の差によって2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を形成することが望ましい。
また、前記レーザシート形成用光学系からのレーザシートの両側から同時に2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を選択的に撮像する2つの画像撮像手段を備え、各々の前記画像撮像手段に対してそれぞれ前記第1画像処理手段と、前記第2画像処理手段とを備え、各々の前記第2画像処理手段では、各々の前記第1画像処理手段で計測された粒子群の移動方向に基づいて個々の粒子の移動方向を定めるように構成することができる。
その場合、前記第2画像処理手段各々で計測された個々の粒子の移動方向及び移動量を相互に対応付けて個々の粒子の3次元的な移動方向及び移動量に再構成する3次元再構成手段を有し、個々の粒子の3次元的な移動方向及び移動量を計測することができる。
また、前記画像撮像手段は、前記レーザシート形成用光学系からのレーザシートで照明されて形成される2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を光伝送する画像伝送手段と、光伝送された2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を撮像する撮像手段とを備えたものとして構成することができる。
その場合に、前記画像伝送手段は、多数本の光ファイバを束ねて一体化させ、両端面が平面加工された可撓性のイメージガイドで構成され、前記撮像手段は、CCDカメラで構成されており、前記イメージガイドは、対物レンズにより一方のファイバ端面に結像された画像を光ファイバで各画素に分解してCCDカメラ側の他端面まで同一画像として伝送するように構成することができる。
また、以上において、前記レーザシート形成用光学系と前記画像撮像手段とは、一体的に組み合わせて構成されていることが望ましい。
また、前記第1画像処理手段、前記第2画像処理手段はそれぞれ2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像から前記イメージガイドに基づくファイバノイズを除去するファイバノイズ除去手段を備えていることが望ましい。
また、前記第2画像処理手段で計測された個々の粒子の移動方向及び移動量をサブピクセル精度化するためのサブピクセル処理手段を備えていることが望ましい。
本発明の流体の流動計測方法は、レーザ発振装置から発振されるレーザ光を流体の流動場にシート状に照射してレーザシートを形成し、レーザシートで照明されて形成される2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を選択的に画像撮像手段で撮像し、撮像された微小時間異なる2時刻における2次元粒子画像の輝度パターンを比較・解析して粒子群の移動方向及び移動量を計測し、また、撮像された微小時間異なる2時刻における2次元粒子軌跡画像の輝度パターンを比較・解析して個々の粒子の移動方向及び移動量を計測し、その個々の粒子の移動方向及び移動量の計測の際に、先に計測された粒子群の移動方向に基づいて個々の粒子の移動方向を定めることにより、流体流動場における流体の流動を計測することを特徴とする方法である。
本発明による流体の流動計測システム及びその計測方法によれば、流体の流動場にシート状に照射してレーザシートを形成し、レーザシートで照明されて形成される2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を選択的に撮像し、撮像された微小時間異なる2時刻における2次元粒子画像の輝度パターンを比較・解析して粒子群の移動方向及び移動量を計測し、また、撮像された微小時間異なる2時刻における2次元粒子軌跡画像の輝度パターンを比較・解析して個々の粒子の移動方向及び移動量を計測し、その個々の粒子の移動方向及び移動量の計測の際に、先に計測された粒子群の移動方向に基づいて個々の粒子の移動方向を定めることにより、複雑な流動場における個々の粒子の流速や流れ方向を測定して流体の流速や流れ方向等の流動状態を、より信頼性高く、より精度高く、より精密に測定することができる。
また、本発明によれば、複雑な流動場における流体の流動状態の測定を画像処理手段で粒子画像と粒子軌跡画像を処理することにより行うことができるので、遠隔地から流体の流動状態を測定でき、環境的に厳しい閉空間内の流体の流動状態を高信頼性、高精度、高精密に測定することができる。
以下に、本発明の流体の流動計測システム及びその計測方法を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の流体の流動計測システムの1実施例の概要を示す図である。
本発明の流体の流動計測システム10には、高出力のレーザ光を発振させるレーザ発振装置11が光源として備えられる。レーザ発振装置11には、例えば、小型で、発光のタイミングを制御することが容易で、高輝度、高繰り返し周波数の可能な半導体レーザを用いる。
レーザ発振装置11から発振されたレーザ光は、送光用光ファイバ12を通ってレーザシート形成用光学系13に案内される。レーザシート形成用光学系13はレーザ発振装置11から発振されたレーザ光を流体流動場14にシート状に投射させるようになっている。
流体流動場14は、外界と環境を異にする閉空間内に形成される。また、場合に応じて、外界に開放された形態で流体流動場14が形成されていてもよい。流動場14は、気体、液体の内の少なくとも何れかの流体からなる。具体的には、例えば、原子炉圧力容器のダウンカマ部、炉心シュラウド、火力発電プラントの熱交換器や蒸気発生器内等の閉空間における流体の速度場を対象とする。また、船舶、航空機あるいは自動車等のような、水流や気流と接触する構造部位や機材周りにおける流体の流動場も対象とすることができる。
レーザシート形成用光学系13は、流体流動場14にレーザ発振装置11からの発振レーザ光をシート状に照射して流体流動場14にレーザシート17を形成している。このレーザシート17により流体流動場14中に混入された微細なトレーサー粒子を照明して可視化している。
レーザシート形成用光学系13は、図2(a)にレーザシート17のシート面に沿う断面を、図2(b)にそれに直交する断面を示すように、レーザシート17の作成のためのレーザ光照射光学系である。レーザ発振装置11として例えば上記のような半導体レーザを用いると、半導体レーザからの発振レーザ光は、送光用光ファイバ12から大きな広がり角を持って出射される。出射されたレーザビームは軸対称の光となっておらず、非点較差があり、レーザビームの形状変換は複雑となる。
このため、レーザシート形成用光学系13には、送光用光ファイバ12から出射されたレーザビームからレーザシート17を形成するためのレーザシート形成用光学手段としてのレンズ群18が用いられる。このレンズ群18は、送光用光ファイバ12から出射したレーザビームを例えば3枚の平凸レンズ19a、19b、19cによってコリメートを行い、平凹シリンドリカルレンズ19dによってレーザシート17を作成する構成となっている。このレーザシート形成用光学系13によって出力されるレーザーシート17の厚さは例えば3.0mmとなる。
レーザシート形成用光学系13から流体流動場14にレーザシート17が照射され、流体の流動場14がシート状に可視化される。そして、レーザシート17の測定範囲17aに両側から対向して左右の画像伝送手段22L、22Rのそれぞれの対物レンズ27aが配置され、各対物レンズ27aを経て結像された左右の粒子画像は、左右の画像伝送手段22L、22Rを介して左右の画像撮像手段29L、29Rに送られ、そこで撮像されるようになっている。この実施例の流動計測システムにおいては、以下のように、この画像伝送手段22L、22Rとして、イメージガイド26と対物レンズ27aから構成されるファイバスコープを使用している。
ここで、左右の画像伝送手段22L、22Rの先端のプローブ部は、図3(a)に斜視図、(b)に断面図を示すように、レーザシート形成用光学系13を間に挟んで対称に各画像伝送手段22L、22Rのイメージガイド26の先端部が一体に配置され、各イメージガイド26の先端に、光路を90°曲げてレーザシート17の測定範囲17aの両側に向くようにする45°直角プリズム27bと、その入射側に配置され測定範囲17aの粒子画像を撮像するための対物レンズ27aとが一体に配置されている。
そして、この左右の画像伝送手段22L、22Rで伝送されたレーザシート17上の測定範囲17aの左右の粒子画像は、左右の画像撮像手段29L、29Rで撮像可能となっている。
左右の画像撮像手段29L、29Rは、それぞれ左右の画像伝送手段22L、22Rで伝送された粒子画像を撮像する撮像手段としてのカメラレンズ28を備えたCCDカメラ24L、24Rを有する。画像伝送手段22(左右を区別するL、Rは省く。)は、図4に示すように、数千本から数万本の光ファイバ25を束ねて一体化(溶融)させた可撓性のイメージガイド26が用いられる。イメージガイド26は、図4に示すように、束ねられた光ファイバ25の両端面の各位置が正確に対応するように並設されて束ねられる。イメージガイド26の両端面は平面に仕上げられ、対物レンズ27aにより一方の光ファイバ端面に結像された画像を各画素光ファイバとしての光ファイバ25に分解し、同一画像をCCDカメラ24側の光ファイバ端面まで伝送している(図4では、45°直角プリズム27bは省いてある。)。光ファイバ端面からカメラレンズ28を経てCCDカメラ24で撮像される。なお、画像撮像手段29L、29Rは、以上のようなイメージガイドを備えずに、レーザシート17上の粒子画像を直接撮像できるようにしてもよい。
イメージガイド24の画像の限界(解像度)は、単一の光ファイバ25の直径と配列の仕方によって決まり、像の見え方は、イメージガイド26に束ねられる光ファイバ25の総本数と並べ方によって決まる。光ファイバ25のコア径より小さな光量の光分布は、光ファイバ25を伝わる間に平均化され、各コア断面内では明るさは一様となる。したがって、イメージガイド26は光ファイバ25のコア径が画素(ピクセル)としての空間分解能の最小単位となる。
実際のイメージガイド26は、多数本の光ファイバ25が俵積み(六方稠密配列)構造で整然とかつ稠密に配列されている。このイメージガイド26で光ファイバ間隔と略等しい間隔の格子状物体を観察すると、物体の像の強度分布と無関係なモアレ干渉縞が生じる。
また、光ファイバ25間にクラッド部分が融着されているイメージガイド26では、クラッドの厚さが薄くなると、1つの光ファイバ25のコアに入った光が隣のコアに漏れてしまう場合が生じる。このため、像の境界が滲み、像のコントラストが低下する。このため、イメージガイド26は、六方稠密配列構造を採用したとき、クラッドの厚さが薄過ぎないことが条件となる。
一方、本発明の流体の流動計測システム10には、シグナルジェネレータ30を備えており、パソコン31内のソフトウェアによりシグナルジェネレータ30を制御することで、TTL信号を任意に作成することができ、その信号をレーザ発振装置11のレーザドライバ32、CCDカメラ24L、24R両方に伝送し、CCDカメラ24L、24Rのフレームの切り替わり、レーザ発振装置11のレーザの照射時間・照射間隔を任意に調節可能になっている。なお、レーザドライバ32とレーザ発振装置11の間には、レーザ発振装置11の半導体レーザの冷却装置としてのペルチエドライバ33が配置されており、レーザドライバ32からこのペルチエドライバ33を介してレーザ発振装置11が駆動されるようになっている。
また、CCDカメラ24L、24Rはそれぞれ左右のインターフェース34L、34Rを介して撮像された左右の粒子画像をパソコン31へ転送するように構成されている。そして、パソコン31に取り込まれた粒子画像は即座に以下に説明する画像処理ソフトウェアによって、粒子画像流速測定法(PIV)と粒子軌跡追跡法(PTV−SS)とを利用して3次元速度ベクトルデータに変換することが可能となっている。
以上のような流動計測システムにおいて、図5に示すような画像処理ソフトウェアによって高信頼性、高精度、高精密に流体流動場14の3次元速度ベクトル情報を取得する。以下に、図5の処理の流れを順に説明する。
同時刻に左右のCCDカメラ24L、24Rで撮像され、インターフェース34L、34Rを通じてパソコン31に送られた左右のカメラ画像41L、41Rそれぞれに対して、以下のような処理を並列して行う。図5では、PIV処理42L、PTV−SS処理43L、光ファイババンドルによる画像劣化のサブピクセル処理44Lまでは、左カメラ画像41Lについてのみ図示され、右カメラ画像41Rについては図示を省いているが、右カメラ画像41Rについても同様に行われる。
まず、PIV処理42Lは、特許文献1で提案された方法と同様に、ファイバスコープのイメージガイド26の光ファイバ25の配列パターンを除去した後に、通常のPIV処理を行う処理である。この処理で算出されるベクトルは、PTV−SS処理43Lにおける処理の際の補助的なベクトル情報となるものである。
PTV−SS処理43Lは、PIV処理42Lの後の処理で、従来のPTV−SS法に加えて前処理として行ったPIV処理42Lで算出された流速ベクトル(PIVベクトル)の情報を利用してさらに精度良く粒子の対応付けを可能とするものである。
まず、PIV処理42Lについて説明する。PIV処理は、得られた粒子画像を輝度の分布であると考え、粒子群の輝度パターンが微小時間内に移動する量を定量的に解析するものである。そのために、粒子移動量の解析には相互相関法が多く用いられる(相互相関PIV処理422)。しかし、CCDカメラ24Lで取得されるカメラ画像41Lには、ファイバスコープのイメージガイド26を通して撮像しているため、粒子群の輝度パターンだけでなく、光ファイバ25の配列の輝度パターンも存在する。このため、光ファイバの配列が粒子群の輝度パターンの相関値のピークの検出の際に弊害となり、結果として粒子群の誤対応(過誤ベクトル)を招く。その誤対応の例を図6に示す。図6を見ると、明らかに粒子群ではなく、光ファイバの配列パターンを相関値のピークとして検出していることが分かる。
このように、カメラ画像41L内に記録された光ファイバ25の配列が粒子群の輝度パターンに対してノイズとなって過誤ベクトルの発生の要因となっている。そこで、PIV処理42Lにおいては、ファイバノイズの除去処理421を相互相関PIV処理422の前に行う。このファイバノイズの除去処理421は次のようにして行う。
ファイバスコープのイメージガイド26を通してCCDカメラ24Lで撮像されたカメラ画像41Lを処理し、時系列に得られた粒子画像を各ピクセル毎に輝度パターン(輝度値)の加算平均値を求め、各々の粒子画像の輝度パターン(輝度値)から加算平均値を引くことで、光ファイバ25の配列の輝度パターン除去を行う。その手法を説明すると、測定データ(粒子画像(カメラ画像)41Lにおける輝度値)をIとすると、
I=s+n ・・・(1)
で表わされる。ただし、sは信号成分(光ファイバ配列の輝度パターン)、nは雑音成分(粒子の輝度パターン)を意味する。
すなわち、信号(光ファイバ配列の輝度パターン)に雑音(粒子の輝度パターン)が重なったものを測定しているものと考える。加算平均はSN比が小さく、信号と雑音の構成周波数にも大差のない場合、また、同じ条件で何度も測定を繰り返すことが可能な場合に有効な手法である。式(1)を時系列として表すと、次のように表せる。
i (k)=si (k)+ni (k) ・・・(2)
ここで、iはi枚目の画像、kはi枚目の画像のk番目のピクセル輝度値を表す。
粒子画像の撮影において、取り込んだ粒子画像の枚数をM枚とすると、M枚の粒子画像に対する加算平均I(k)は、次のように表せる。
M
I(k)=(1/M)Σ Ii (k)
i=1
M M
=(1/M)Σ si (k)+Σ ni (k) ・・・(3)
i=1 i=1
光ファイバ配列の輝度パターンsは、同一の条件(送光系・受光系)であれば、連続する粒子画像においては同じパターンが出現するため、M回の加算によりM倍の輝度値となり、これを平均する(Mで除する)と、元の輝度値のままである。すなわち、加算平均操作により、粒子の存在しない光ファイバ配列のみ撮った画像を得ることができ、光ファイバ配列の存在する粒子画像41Lから各画素毎に光ファイバ配列の輝度値(I(k)の各画素毎の輝度値)を引けば、光ファイバ配列の輝度パターンの除去が可能となる。
図6と同じ例において、上記のファイバノイズの除去処理421を施した測定データに、次のPIV処理422で相互相関計算を行って得られた流速ベクトル(PIVベクトル)分布を図7に示す。図6と比較して、ファイバノイズの除去処理421を行うことで、過誤ベクトルがよく取り除かれていることがよく分かる。
なお、図8は、ファイバノイズの除去処理421によって光ファイバ配列の輝度パターンが除去され、粒子像のみが残る画像処理の流れを任意のラインの輝度値分布で示した図である。
ファイバノイズの除去処理421で光ファイバ配列の輝度パターンの除去を行った粒子画像は、次の相互相関PIV処理422で、相互相関法に基づく粒子画像流速測定処理を行う。CCDカメラ24Lで撮像された第1時刻における2次元粒子画像(処理421でファイバノイズの除去が行われている。)をデジタル処理をした粒子画像を「参照画像」、第1時刻とは微小時間異なる第2時刻における2次元粒子画像(同様に、処理421でファイバノイズの除去が行われている。)のデジタル処理粒子画像を「探索画像」、上記参照画像中のある限定された矩形領域を「参照窓画像」、探索画像中の限定された矩形領域を「探索窓画像」と定義する。デジタル化された粒子画像中のある1点の値を「輝度値」と定義し、この輝度値が矩形領域に分布しているものを「輝度パターン」と称する。
「参照窓画像」及び「探索窓画像」は輝度値の矩形状分布を表わしており、輝度パターンを示している。
粒子画像から流体中の粒子群の移動量を推定するアルゴリズムは、得られた粒子画像の輝度分布の変化であると判断し、レーザシート17上の粒子群の輝度パターンが微少時間内に移動する量を定量的に解析するものである。
粒子群移動量の解析には、相互相関法が用いられ、この処理422においても相互相関法の解析手法が用いられる。
相互相関法による粒子群の移動量推定は、「探索窓画像」と「参照窓画像」との間で次式で表わされる相関値Rを持つことが知られており、この相関値Rをもって輝度パターンの類似度を求め、比較検討して2画像間の粒子群の移動量を求める手法である。
式(4)及び式(5)に示すように、相関値Rは、探索窓画像及び参照窓画像の輝度値の二乗平均で除する(正規化)ことによって、−1から1までの値をとる。相関値Rが1のときに2画像は完全に一致し、相関値Rの値が大きい程窓画像間の類似度が大きいことを意味する。
式(4)及び式(5)において、I1 及びI2 は参照窓画像と探索窓画像の各画素の輝度を表し、ξ、ηは探索窓画像と参照窓画像の相対的な位置で表わす。相関値Rが最大となる位置ξ、ηが画像内での粒子群の移動量ΔX′、ΔY′に相当する。参照窓画像の大きさ及び参照窓画像との相対的な位置は、予測される最小及び最大速度から決定される。参照窓画像の大きさn×mは参照窓画像の実座標系におけるその大きさが流れ場に存在する最小の渦よりも小さく、かつ、参照窓画像の中にトレーサ粒子を6〜8個以上含むことが望ましい。
以上のように、ファイバノイズの除去処理421と相互相関PIV処理422を経ることで、レーザシート17の測定範囲17a内の図7に例示されるような流速ベクトル(PIVベクトル)分布情報が得られる。
そして、PIV処理42Lの最後の処理として、誤ベクトル除去及び空間平均処理423を行う。この処理では、上記のファイバノイズの除去処理421と相互相関PIV処理422を経て算出されたベクトルに対して誤ベクトルと考えられるものを除去するため、正規分布に基づいたばらつき誤差の棄却を行う。相互相関PIV処理によって算出されたベクトル間隔をNピクセルとすると、算出された全てのベクトル(u,v)に対して、各々のベクトルの周囲2Nピクセルにあるベクトル成分が例えば平均値±3σ(σ:標準偏差)以内に収まらない場合は、誤ベクトルとして棄却する。もちろん、この基準値は±3σに限定されず、他の値を用いてもよい。そして、残った位置の異なるベクトルを、空間的に規則正しい交点座標位置近傍のものを抽出して平均化し、交点座標上で代表値にする空間平均処理を行う。
これらの処理を行った結果のベクトルをPIV処理によるベクトルと定義し、これを次のPTV−SS処理43LでPTV−SS法を行う際の補助的なベクトル情報とする。
なお、以上のPIV処理42Lによって流体流動場14のベクトルの概略の情報が取得できる。しかし、粒子群の移動量を見積もるPIV法では、本来参照窓画像内に最低でも粒子は6〜8個あることが望ましいとされるため、参照窓画像を比較的大きくとらなくてはならなくなり、計算量が莫大に増加しアルゴリズムとしては現実的ではないものとなる(探索する領域が増えると、その4乗に比例して計算量は増加する。)。つまり、取得される画像パラメータ(粒子像径、数密度)が非常に制限を受け、様々な実流動場への対応がPIV処理のみでは困難となってしまう。そこで、上記のPIV処理42Lでは粒子数を減少させてでも参照窓サイズを小さく限定し、精度を落としベクトルの概略を取得するというスタンスで解析を行う必要がある。
さて、本発明においては、PIV処理42Lの次段階の処理として、計測精度を高めるためのPTV−SS処理43Lを適用するが、その際に生じる大きな問題の1つに、粒子の誤対応の問題がある。粒子の誤対応とは、図9に示すように、光ファイババンドルによる画像の低解像度化によって粒子情報量が減少することにより、画像間での粒子の対応付けの間違いが生じることである。図9は、粒子の誤対応を説明するための図であり、この図では、分かりやすいように、参照画像、探索画像を同一画像に表示している。正しい対応付け結果は、図9(a)のように、大きな矢印が指す位置であるが、上記の理由による情報量の不足により、図9(b)の矢印のように、粒子の誤対応が起きる可能性が高い。
そこで、本発明においては、PTV−SS処理43Lの左右のカメラ画像41L、41Rとして、レーザシート17により流体流動場14を照明するレーザ発振装置11に用いている半導体レーザの発光時間を比較的長くとって粒子の流跡を記録した画像を用い、粒子群ではなく個々に粒子の移動量を見積もる粒子軌跡追跡法(Particle streak tracking velocimetry:PTV−SS)(特許文献2、非特許文献2)を適用することで、ファイバスコープのイメージガイド26を通した画像からベクトル情報を算出している。
PTV−SS処理43Lは、粒子検出の際のファイバノイズの除去処理431と、その後の粒子検出処理432、PIVベクトルを用いたPTV−SS法433の3段階に分かれている。これらの処理について以下に説明する。
ファイバノイズの除去処理431について説明する。PIV処理42Lにおいては、ファイバノイズの除去処理421で、光ファイバ配列の存在する粒子画像41Lから各画素毎に光ファイバ配列の輝度値である粒子画像の加算平均画像I(k)を減算する手法を用いてノイズ除去を行った。このファイバノイズの除去処理431においても、同様の手法を採用してもよい。
しかしながら、この処理では加算平均を用いる都合上、どうしても必要成分である粒子の輝度変化の情報が多少なりとも損失してしまう。このために、粒子検出処理432により粒子検出数が減少してしまうことが考えられる。また、PIV処理42Lにおいては、ファイバノイズにより起因する最大の問題は、粒子検出においては光ファイバの配列パターンを相関値のピークとして検出することであり、PIV処理における粒子検出の際は、この問題は発生しない。
そこで、本実施例においては、PTV処理における粒子画像41Lのファイバノイズの除去処理431として、輝度成分情報をできる限り落とさないようにするために、粒子画像41Lに対して光ファイバ25のパターンである画像の高周波数成分を取り除く高周波数フィルタとして空間平均処理を行う。この処理を行うに当たって、イメージガイド26の空間周波数を求め、光ファイバ25のコア径がCCDカメラ24LのCCDアレイの何ピクセルに相当するかを算出する。図10(a)、(b)は実際に撮影したイメージガイド26の画像の任意ラインの輝度値分布と周波数解析の例である。光ファイバ25のコアとクラッドの明暗による輝度値の変化が支配的な空間周波数として検出されると考えられ、この例では、0.320pixels-1がCCDカメラ24Lにおいて撮影されるイメージガイド26の支配的な空間周波数となる。そこで、この例では光ファイバ25のパターンの成分を取り除くために、3.124pixels以下の範囲において空間平均処理を行うことにより、0.320pixels-1以上の空間周波数を取り除いて、ファイバノイズの除去処理を行っている。このファイバノイズの除去処理のためには、上記のような空間平均処理の代わりに、電気信号処理による高周波数の空間周波数を除去する空間周波数フィルタリング処理によってもよい。
以上のようにして光ファイバ配列の存在する粒子画像41Lからファイバノイズ除去処理を行った画像から次の粒子検出処理432で粒子検出処理を行う。PTV処理を用いてベクトル情報を算出する際に重要な問題の1つとして、粒子の特定を正確に行う点がある。撮像された粒子画像41Lは輝度の濃淡によって表されるので、粒子の特定の方法としては、ある輝度の閾値を用いた単純2値化法や、マスク演算子を用いた粒子抽出法がある。しかしながら、単純2値化法は、画像のノイズ等の要因により粒子間の輝度変動が大きい場合には粒子の検出数が大幅に減少したり、一部分重なっている粒子を同一粒子と認識するといった問題点がある。また、マスク演算子を用いた粒子抽出法には粒子形状が推定パターンと一致しなければなないという問題点がある。
そこで、本発明においては、2値化法の閾値をそれぞれの粒子毎に決定することで、輝度変動が大きい場合への適用が可能な動的2値化法(非特許文献4)を適用する。動的2値化法では、個々の粒子に対して異なる閾値を設定することにより、画像全体における輝度分布のばらつきによって粒子検出精度が低下するという問題を解消している。この動的2値化法の概要を図11に示す。初期閾値は、画像を分割し(図12)、その領域内における輝度の平均値Iavg を利用する。単に画像の輝度平均値を初期の閾値(x,y)として2値化を行うと、隣接する領域の閾値が異なるとき、領域の境界で誤って粒子を抽出するという問題があるため、補間を行い滑らかに初期閾値を設定する。図12に示すように、分割領域の中心座標(x1 ,y1 )、(x1 ,y2 )、(x2 ,y2 )、(x2 ,y1 )における初期閾値は、平均輝度Iavg1、Iavg2、Iavg3、Iavg4として、x1 <x<x2 、y1 <y<y2 の範囲において、座標(x,y)の初期閾値(x,y)は周り4点の平均輝度から補間を行う。2次元で、格子の目毎の双1次補間(bilinear interpolation)であり、その式は、
i≡(x−x1 )/(x2 −x1
j≡(y−y1 )/(y2 −y1
・・・(6)
となり、これらi、jで表されるパラメータを用いて、次式で表される。
Θ(x,y)=(1−i)(1−j)Iavg1+i(1−j)Iavg2
+ijIavg3+(1−i)jIavg4 ・・・(7)
双1次補間は、補間点が格子の目から目へ移動する際に、補間関数(x,y)の値は連続的に変化するため、粒子の検出の精度が向上する。その後、ラベリングを行い、2値化画像の粒子として認識された領域の面積Sを求め、設定した範囲(S1 <S<S2 )の値であれば粒子とみなし、閾値(x,y)は変更しない。S1 より小さければ2値化された領域は粒子ではなくノイズであると見なして、その領域の閾値(x,y)を最大値に増加させる、逆に、S2 より大きければ、2値化された領域は複数の粒子を含むとして閾値(x,y)を増加させる。閾値設定、2値化、ラベリング、判定のサイクルを繰り返し、画面全領域で閾値の変化が行われなくなるまで繰り返す。
後記のように、本発明ではPTV−SS法を適用するため、粒子はストリークの形状で撮像されているので、個々の粒子面積は光ファイバ1本によって生じる輝度分布に比べ十分大きくなる。そのため、上記の動的2値化処理のパラメータである最小粒子面積S1 を光ファイバ1本による輝度分布より大きく設定することで、光ファイバのパターンを粒子と認識しなくすることが可能である。
以上のファイバノイズの除去処理431と粒子検出処理432を経て、光ファイバのパターンであるファイバノイズが除去され、動的2値化法により個々の粒子に対して異なる閾値を設定して2値化された微小時間異なる2時刻の粒子画像(「参照画像」と「探索画像」)41Lを用いて、PIVベクトルを用いたPTV−SS法433において、個々の粒子の移動量を求める。ただし、この際用いる粒子画像41Lは、前記したように、半導体レーザの発光時間を比較的長くとった粒子軌跡画像を用いる。
以下、まず、粒子軌跡追跡法(PTV−SS)を説明し、その際に、PIV処理42Lによって得られたPIVベクトルを補助的なベクトル情報として利用してPTV−SS法で検出される2つの可能なベクトルの中の1つに限定する点を説明する。
PTV−SS法は、前記のように、照明光源のレーザ発振装置11として用いる半導体レーザの発光時間を比較的長くとり、粒子の流跡を記録する方法であり、粒子群ではなく個々に粒子の移動量を見積もる方法である。これは、流跡を記録することにより、必要以上に粒子像径を大きくとることなく、かつ、最小の空間分解能となる光ファイバ25単繊維に対して十分な粒子像の情報を与えることができるためである。PTV−SS法は、レーザ発振装置11の発光時間を容易に制御することができる半導体レーザを用いることによって可能となる。
ここで、本発明で用いているPTV−SS法と従来のPTV法の比較を図13に示す。図13中、(a1)と(a2)はそれぞれの方法の参照画像と探索画像を示す図であり、(b1)と(b2)はそれぞれの方法の半導体レーザの発振タイミングを示す図である。また、PTV−SS法の粒子の軌跡の部分のみに関する図を図14に示す。
PTV−SS法は、図13(a1)に示すように、レーザ照射時間td を粒子移動速度に対して長めに設定することで、参照画像中、探索画像中に図14に示すように長軸と短軸を持つ移動軌跡を記録するようにする。これに対して、PTV法では、図13(a2)に示すように、レーザ照射時間を粒子移動速度に対して短いので、粒子像のみで移動軌跡は記録されない。
ここで、レーザ照射時間をtd 、レーザ照射間隔をΔt、移動軌跡の長軸、短軸の長さをそれぞれLp1、Lp とすると、粒子の速度が次の撮影画像まで一定という条件の下に、次の式(8)で次の粒子位置を推定することができる。
L=(Lp1−Lp )Δt/td ・・・(8)
ここで、Lは、次の撮影画像までの推定移動距離である。この値が粒子の軌跡画像から推定できることによって、図13(a2)、(b2)のような従来の相互相関のみを用いたPTV法に比べて、効率的に探索窓画像を設定することができ、計算量の減少、つまり、PTVの計算の速度の向上が行われる。また、広い探索窓画像を開く図13(a2)の場合に比べ、粒子の移動位置を推定することで、粒子の検出の誤対応が大幅に減少する。なお、このようにして設定された「探索窓画像」と「参照窓画像」との間で式(4)と式(5)に基づいて相互相関を計算することにより、個々の粒子の移動量が求まる。
このように、本発明においては、PTV−SS法を適用することで、粒子の軌跡長さから次の時間の画像の粒子位置を推定することで粒子の誤対応を減少させることが可能となる。しかし、粒子の軌跡からのみの情報では、移動先が唯一に決まる訳ではなく、図15(a)に示すように、相互に180°異なる2つのベクトルが移動候補となる。従来は、方向情報に関しては流動場によって人為的に設定値を与えることで唯一のベクトルとなるように処理していたが、様々な流動場への対応を行うにはこれは不十分である。
そこで、本発明においては、この方向情報を決定するために、PIV処理42Lによって得られたPIVベクトルの方向を用いて、図15(b)のように粒子の軌跡からのみの情報では存在した2つのベクトルの可能性を、そのPIVベクトルの方向に向いた1つのベクトルに限定するようにする。なお、図15(b)の背景の白い矢印群がPIVベクトルであり、×印を付されたベクトルが可能性を否定されたベクトルであり、○印を付されたベクトルが可能性を肯定され、残るベクトルである。
図16に、例示として、トレーサ粒子の混入したグリセリン溶液を回転円盤上に設置して形成した擬似的な流れを撮影した粒子軌跡画像41Lから、上記のPIVベクトルを用いたPTV−SS法433で算出した移動量検出結果を示すベクトルマップを示す。
このように、PIVベクトルを用いたPTV−SS法433において、PIV処理42Lによって得られたPIVベクトルを補助的に用いて、人為的なパラメータの設定をしないで、様々な流動場において自動で粒子の移動方向と移動量を計測することができる。
ところで、PTV−SS処理43Lにおける相互相関法による移動量の計測精度は、CCDカメラ24L、24Rによって得られる画像が空間的に離散化されたものであることから、得られる移動量は整数値である。そのため、整数値以下の移動量は相互相関法では導き出すことができない。したがって、このような流速計においては、1ピクセル以下の粒子移動量(サブピクセル移動量)の評価が必要であり、この特性を十分に考慮する必要がある。一般的には、近似関数として正規分布関数を使用して計測結果をサブピクセル精度化することが多い。これは、相互相関に用いる粒子画像が正規分布関数と同じで、そのためそれらの相互相関値マップも同様にガウス分布関数の形をとるからである。しかしながら、本発明においては、ファイバスコープを通して粒子画像を撮像するため、粒子画像が劣化して粒子の輝度分布が正規分布関数の形状をなさない。図18はファイバスコープを通した場合の粒子軌跡画像での相互相関マップの例を示す図である。ファイバスコープを通した粒子画像の場合は、光ファイバ25のコアによる影響、クラッドによる影響を大きく受け、図18のように光ファイバ25の周波数成分が大幅に突出した相関値マップになっていることが分かる。このため、図18の相関値マップに対してサブピクセル移動量算出を行う際に、正規分布関数を用いて近似を行うことは適正ではない。
そこで、本発明においては、PTV−SS処理43Lに続く光ファイババンドルによる画像劣化のサブピクセル処理44Lにおいて、計測結果をサブピクセル精度化するための近似関数として参照画像の自己相関マップを使用する。参照画像の自己相関マップの例を図17に示す。そして、算出された相互相関値マップ(図19)に対して、2次曲線近似を行い、最終的なサブピクセル移動量を算出する。
ここで、1つの粒子のサブピクセル移動量算出手順をまとめると、以下のようになる。
1.参照画像の自己相関値をならべた自己相関値マップを作成する(図17)。
2.参照画像と探索画像の相互相関値をならべた相互相関値マップを作成する(図18)。
3.相互相関値マップ(図18)においてサブピクセル精度で最大点を求めるため、自己相関値マップ(図17)を近似関数として用いる。
4.自己相関値マップ(図17)と相互相関値マップ(図18)の相互相関値を並べた相互相関値マップ(図19)を作成する。
5.算出された相互相関値マップ(図19)に対して、2次曲線近似を行い、最終的なサブピクセル移動量を算出する。
図20に、自己相関値マップと相互相関値マップの相互相関値から得られた相互相関値マップに2次曲線近似を行った一例を示す(ただし、この例は1次元方向の2次曲線近似である。)。
光ファイババンドルによる画像劣化のサブピクセル処理44Lにおける以上の手順を踏むことで、粒子径や粒子の速度により粒子画像に違いが生じた場合においても、それぞれに対応した近似関数を設定することが可能になる。また、これによって光ファイバによる低解像度化とクラッドによる像の欠落がサブピクセル移動量算出に及ぼす影響を大幅に軽減することが可能となる。
以上のPIV処理42L(ファイバノイズの除去処理421、相互相関PIV処理422、誤ベクトル除去及び空間平均処理423)、PTV−SS処理43L(ファイバノイズの除去処理431、粒子検出処理432、PIVベクトルを用いたPTV−SS法433)、光ファイババンドルによる画像劣化のサブピクセル処理44Lを経て、次の最終的なベクトルデータ処理45Lにおいて、左のCCDカメラ24Lで撮像された左のカメラ画像41Lから算出される2次元速度ベクトルデータ情報が得られる。
右のCCDカメラ24Rで撮像された右のカメラ画像41Rについても、PIV処理42L(ファイバノイズの除去処理421、相互相関PIV処理422、誤ベクトル除去及び空間平均処理423)、PTV−SS処理43L(ファイバノイズの除去処理431、粒子検出処理432、PIVベクトルを用いたPTV−SS法433)、光ファイババンドルによる画像劣化のサブピクセル処理44Lと同様の処理を経て、次の最終的なベクトルデータ処理45Rにおいて2次元速度ベクトルデータ情報が得られる。
これら左右のカメラ画像41L、41Rについて得られる2次元速度ベクトルデータ情報ぞれぞれを本発明に基づく流動計測結果としてもよいが、以上の実施例においては、左右視差を持った一対の2次元速度ベクトルデータ情報が得られているので、その一対の2次元速度ベクトルデータ情報から、次の3次元再構成処理46により3次元速度ベクトルデータ情報を得るようにして、3次元性を有する流動場の3次元流動計測が可能になる。以下に、この3次元再構成処理46について説明する。
ここで利用するのは、ステレオPTVと呼ばれる方法であり、2台の撮像系(CCDカメラ24L、24R及びその光学系27a、27b、28等)と較正による3次元情報とを用いることによって、速度の第3方向成分の計測を可能にするものである。すなわち、レーザシート17でシート状に照明された領域を貫く方向に存在している方向成分を計測し、3方向成分速度ベクトルの2次元的分布を同時に計測する手法である。そして、マッピング関数による実座標とカメラ内座標との対応付けを行うことにより、光学窓及び作動流体による屈折の影響を無視して計測することが可能となっており、したがって、湾曲した光学窓を有する流路等これまで計測が困難とされた系の計測を行うことも可能である。
ステレオPTVは、図21のように、較正によって実座標と2台のカメラのカメラ内座標(以下、ピクセル座標と称する。) との対応付けを行うことで、実座標系での速度の算出を行うものである。実座標とピクセル座標との対応付けは、レンズの収差、流体及び光学窓による屈折、遠近効果を伴うために、その関数を厳密に決定することは困難である。特に、ファイバスコープの対物レンズ27aはレンズ径が小さく、焦点距離も短い。焦点距離の短いレンズ系では、歪曲収差が無視できないものとなる。また、CCDカメラ24L、24Rの撮像面に対しレーザシート17が傾きを持っているため、カメラ内座標と実座標との対応付けが重要になってくる。また、その較正によって得られたデータは、粒子の3成分位置の算出を行う上で非常に重要になってくる。しかし、実座標とピクセル座標との対応付けは、レンズの収差、流体及び光学窓による屈折、遠近効果を伴うために、その関数を厳密に決定することは困難である。そこで、本実施例では、マッピング関数と呼ばれる実座標とピクセル座標を対応付ける関数を用いる方法(非特許文献3)を採用する。
すなわち、マッピング関数は、実座標x,yをピクセル座標値X,Yの多項式によって近似するものである。本実施例では、以下の式(9)に示されるような3次の多項式への近似を採用する。
式(9)において、Xi ,Yi は較正によって得られるピクセル座標であり、xi ,yi は実座標において対応する座標値(既知)である。また、ai ,bi は係数であり、較正によって算出する必要がある。ここで、nは較正に用いる点の数であり、n=16のときに係数ai ,bi の数と一致し、逆行列の算出から係数を算出することが可能となる。しかし、実際に得られるXi ,Yi の位置はカメラの解像度に依存する不確かさを持っているので、これによって発生する対応づけ誤差を抑制するためにはより多くの較正点から最適な係数を決定することが必要となる。そこで、本実施例では、係数決定法として最小自乗法を用いる。最小自乗法による係数決定は、式(10)に示される正規方程式から求める。
x=XAに対して、
T x=XT XA ・・・(10)
ここで、Xは式(9)のピクセル座標値行列に、xが式(9)の実座標値行列に、Aが式(9)の係数行列にそれぞれ対応する。正規方程式によって転置行列との積XT Xは正方行列となり、その逆行列(XT X)-1は簡便に求めることが可能である。係数行列Aを算出することにより、カメラ内座標を実座標へ変換することが式(9)を介して可能となる。
その逆に、実座標からカメラ内座標への変換は、係数行列の逆行列を算出することによって容易に行うことができる。また、2台のカメラ内座標の対応付け同様の方法によって行うことが可能であり、2台のカメラ内の座標と実座標とが相互に対応づけられる。
本実施例における具体的な較正手順について以下に説明する。
まず、図22に示されるような16点の格子点を持つキャリブレーションシート(白部分は光が透過)を印刷して作成する。本実施例においては、格子点間隔が2.5mmのものを作成した。このキャリブレーションシートを、図23に示すように3箇所(z=a,0,b)それぞれの位置に移動させて、左右2台のカメラA、Bによりそのキャリブレーションシートの画像を撮像する。撮影されたピクセル画像を元に16点の格子点の位置を検出する。検出の際には、粒子検出処理432で説明した粒子検出アルゴリズムを用いる。ピクセル座標を算出した後に、式(9)、式(10)より左右のカメラにより3箇所ずつ撮像された計6枚のピクセル画像に対しての係数行列を求める。ここで、カメラAにおけるz=aの位置での係数行列をAa 、z=bにおける係数行列をAb 、z=0における係数行列をAc 、カメラBにおけるz=aの位置での係数行列をBa 、z=bにおける係数行列をBb 、z=0における係数行列をBc とする。
このようにして算出された変換行列を元に、実際の3次元座標を算出していく。その手法を次に説明する。
上記の較正方法を利用して、粒子の3次元実座標を算出する方法を説明する。図24は、粒子の実座標の算出の概念図であり、レーザシートによって照明された領域を上方から見た図であり、まず片方のカメラに関して、z=a,bの左右における2枚の較正行列に対して式(9)により実座標を算出する。これにより、2点の実空間座標(xa ,ya ,a),(xb ,yb ,b)が求まる。これを結ぶ直線の式は、 (x−xa )/(xa −xb )=(y−ya )/(ya −yb
=(z−a)/(a−b) ・・・(11)
となる。同様にしてもう一方のカメラに関して直線の式を求め、この2直線が交わる位置が実際の粒子の位置となる。しかし、実際にはカメラの解像度が有限であることに起因する誤差、2次元ベクトルに内在する誤差、ノイズの影響等によって2直線は厳密には交差しない。本実施例では、2直線間の距離が最小となる2直線上の点の中点を以って交差点と見なして処理を行う。
しかし、この処理を行うに当たっては、まず左右のカメラにおける粒子の対応付けを行わなくてはならない。そこで、実際には、まず粒子の対応候補を探すために、全ての粒子がz=0に存在すると仮定し、z=0における係数行列Ac 、Bc を用いて実座標に変換をする。変換された実座標値は粒子がz=0と仮定した位置であるので、左右のカメラの粒子の実座標値は必ずしも一致しない。そこで、左カメラのある粒子の周囲に存在する右カメラの粒子の候補を求め、その候補全てに対して図24の2直線の対応付け処理を行う。この処理を行い、最も直線間距離が短い場合を同一粒子とみなし、粒子の対応付け処理を行う。
3次元再構成処理46においては、最終的なベクトルデータ処理45L、45Rにおいて、左右のCCDカメラ24L、24Rで同期して撮像され、PTV−SS処理433で対応づけられた個々の粒子の相互に微小時間異なる第1時刻と第2時刻における実座標値を上記の手法で求めることにより、3次元速度ベクトルデータ情報が得られる。
以上の本発明の流動計測方法の実流動場への適用性を確認するために、図25に示すような配置で、軸対称噴流(出口流速214mm/s,Re =5300)の高さ2D(D=ノズル直径) における速度計測実験を行った。第3方向(z方向)成分が検出されているかを検証するために、流動場に対して約15°プローブを傾け計測した結果の空間平均ベクトルは図26、図27に示すようなものであり、平均13.3°の傾きが検出された。
また、次の表1は、従来(例えば非特許文献1)と本発明の計測方法の手法を用いて50組100枚の同一画像を処理した結果、検出された3次元ベクトル数の関係である。従来の手法においては、x軸を中心としてレーザーシートを回転させた場合、つまり、レーザーシートの面を貫く方向に流動場が発生している場合においてのベクトル算出数が約1/3に減少していたが、本発明の方法を用いた場合は、そのような減少は見られなかった。また、ベクトル検出数においても、平均して約25倍程度の増加が見られた。
表1 ┌────┬──────┬──────┬───────┐ │傾斜角度│旧手法(本)│本手法(本)│検出割合(倍)│ ├────┼──────┼──────┼───────┤ │ 0°│ 289 │ 3583 │ 12.40 │ ├────┼──────┼──────┼───────┤ │ 15°│ 99 │ 3844 │ 38.83 │ ├────┼──────┼──────┼───────┤ │ 30°│ 127 │ 3967 │ 31.24 │ └────┴──────┴──────┴───────┘ 。
以上のように、本発明によると、より信頼性が高くより精度が高く精密な測定が可能な流体の流動計測システム及びその計測方法が達成できた。
本発明の流体の流動計測システムの1実施例の概要を示す図である。 レーザシート形成用光学系のレーザシートのシート面に沿う断面とそれに直交する断面を示す図である。 左右の画像伝送手段の先端のプローブ部の斜視図と断面図である。 画像伝送手段の構成を説明するための図である。 本発明の1実施例の流体の流動計測システムの画像処理ソフトウェアを説明するための図である。 相互相関PIV処理における粒子群の誤対応の例を示す図である。 本発明のPIV処理で相互相関計算を行って得られた流速ベクトル(PIVベクトル)分布の例を示す図である。 ファイバノイズの除去処理によって光ファイバ配列の輝度パターンが除去され、粒子像のみが残る画像処理の流れを任意のラインの輝度値分布で示した図である。 光ファイババンドルによる画像の低解像度化による粒子の誤対応を説明するための図である。 実際に撮影したイメージガイドの画像の任意ラインの輝度値分布と周波数解析の例を示す図である。 動的2値化法の概要を示す図である。 動的2値化法における画像の分割と補間を説明するための図である。 本発明で用いているPTV−SS法と従来のPTV法の比較を示す図である。 PTV−SS法の粒子の軌跡の部分のみに関する図である。 本発明のPIVベクトルを用いたPTV−SS法でのベクトルの可能性とその選択を示す図である。 擬似的な流れを撮影した粒子軌跡画像から本発明の方法で算出した移動量検出結果の例を示すベクトルマップである。 参照画像の自己相関値をならべた自己相関値マップの例を示す図である。 参照画像と探索画像の相互相関値をならべた相互相関値マップの例を示す図である。 図17の自己相関値マップと図18の相互相関値マップの相互相関値を並べた相互相関値マップの例を示す図である。 自己相関値マップと相互相関値マップの相互相関値から得られた相互相関値マップに2次曲線近似を行った一例を示す図である。 ステレオPTVにおいて較正によって実座標と2台のカメラのカメラ内座標との対応付けを行うことで実座標系での速度の算出を行う過程を模式的に示す図である。 キャリブレーションシートの例を示す図である。 図22のキャリブレーションシートを位置に移動させて左右2台のカメラによりそのキャリブレーションシートの画像を撮像する様子を示す図である。 図23の較正方法を利用して粒子の3次元実座標を算出する方法を説明するための図である。 本発明の流動計測方法の実流動場への適用性を確認するための配置例を示す図である。 図25の配置例で計測した結果の空間平均ベクトル分布を示す図である。 図25の配置例で計測した結果の空間平均ベクトル分布を示す別の図である。
符号の説明
10…流動計測システム
11…レーザ発振装置
12…送光用光ファイバ
13…レーザシート形成用光学系
14…流体流動場
17…レーザシート
17a…測定範囲
18…レンズ群
19a、19b、19c…平凸レンズ
19d…平凹シリンドリカルレンズ
22、22L、22R…画像伝送手段
24、24L、24R…CCDカメラ
25…光ファイバ
26…イメージガイド
27a…対物レンズ
27b…45°直角プリズム
28…カメラレンズ
29L、29R…画像撮像手段
30…シグナルジェネレータ
31…パソコン
32…レーザドライバ
33…ペルチエドライバ
34L、34R…インターフェース
41L、41R…カメラ画像
42L…PIV処理
421…ファイバノイズの除去処理
422…相互相関PIV処理
423…誤ベクトル除去及び空間平均処理
43L…PTV−SS処理
431…ファイバノイズの除去処理
432…粒子検出処理
433…PIVベクトルを用いたPTV−SS法
44L…光ファイババンドルによる画像劣化のサブピクセル処理
45L、45R…最終的なベクトルデータ処理
46…3次元再構成処理

Claims (10)

  1. レーザ光を発振させるレーザ発振装置と、発振されたレーザ光を流体の流動場内にシート状に投入させるレーザシート形成用光学系と、このレーザシート形成用光学系からのレーザシートで照明されて形成される2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を選択的に撮像する画像撮像手段と、前記画像撮像手段で撮像された微小時間異なる2時刻における2次元粒子画像の輝度パターンを比較・解析して粒子群の移動方向及び移動量を計測する第1画像処理手段と、前記画像撮像手段で撮像された微小時間異なる2時刻における2次元粒子軌跡画像の輝度パターンを比較・解析して個々の粒子の移動方向及び移動量を計測する第2画像処理手段とを備え、前記第2画像処理手段では、前記第1画像処理手段で計測された粒子群の移動方向に基づいて個々の粒子の移動方向を定めるように構成されていることを特徴とする流体の流動計測システム。
  2. 前記レーザ発振装置は半導体レーザで構成され、前記半導体レーザの発光時間の差によって2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を形成することを特徴とする請求項1記載の流体の流動計測システム。
  3. 前記レーザシート形成用光学系からのレーザシートの両側から同時に2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を選択的に撮像する2つの画像撮像手段を備え、各々の前記画像撮像手段に対してそれぞれ前記第1画像処理手段と、前記第2画像処理手段とを備え、各々の前記第2画像処理手段では、各々の前記第1画像処理手段で計測された粒子群の移動方向に基づいて個々の粒子の移動方向を定めるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の流体の流動計測システム。
  4. 前記第2画像処理手段各々で計測された個々の粒子の移動方向及び移動量を相互に対応付けて個々の粒子の3次元的な移動方向及び移動量に再構成する3次元再構成手段を有し、個々の粒子の3次元的な移動方向及び移動量を計測することを特徴とする請求項3記載の流体の流動計測システム。
  5. 前記画像撮像手段は、前記レーザシート形成用光学系からのレーザシートで照明されて形成される2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を光伝送する画像伝送手段と、光伝送された2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を撮像する撮像手段とを備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の流体の流動計測システム。
  6. 前記画像伝送手段は、多数本の光ファイバを束ねて一体化させ、両端面が平面加工された可撓性のイメージガイドで構成され、前記撮像手段は、CCDカメラで構成されており、前記イメージガイドは、対物レンズにより一方のファイバ端面に結像された画像を光ファイバで各画素に分解してCCDカメラ側の他端面まで同一画像として伝送するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の流体の流動計測システム。
  7. 前記レーザシート形成用光学系と前記画像撮像手段とは、一体的に組み合わせて構成されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載の流体の流動計測システム。
  8. 前記第1画像処理手段、前記第2画像処理手段はそれぞれ2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像から前記イメージガイドに基づくファイバノイズを除去するファイバノイズ除去手段を備えていることを特徴とする請求項6又は7記載の流体の流動計測システム。
  9. 前記第2画像処理手段で計測された個々の粒子の移動方向及び移動量をサブピクセル精度化するためのサブピクセル処理手段を備えていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項記載の流体の流動計測システム。
  10. レーザ発振装置から発振されるレーザ光を流体の流動場にシート状に照射してレーザシートを形成し、レーザシートで照明されて形成される2次元粒子画像と2次元粒子軌跡画像を選択的に画像撮像手段で撮像し、撮像された微小時間異なる2時刻における2次元粒子画像の輝度パターンを比較・解析して粒子群の移動方向及び移動量を計測し、また、撮像された微小時間異なる2時刻における2次元粒子軌跡画像の輝度パターンを比較・解析して個々の粒子の移動方向及び移動量を計測し、その個々の粒子の移動方向及び移動量の計測の際に、先に計測された粒子群の移動方向に基づいて個々の粒子の移動方向を定めることにより、流体流動場における流体の流動を計測することを特徴とする流体の流動計測方法。
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