JP2007031695A - 電磁波吸収性と熱伝導性を有するアクリル系樹脂組成物及び樹脂シート - Google Patents

電磁波吸収性と熱伝導性を有するアクリル系樹脂組成物及び樹脂シート Download PDF

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Abstract

【要約書】
【課題】 本発明は、シリコーンゴムシートやゲルのように高価でなく、複雑な加工が必
要でなく、優れた熱伝導性と電磁波吸収性能を有するアクリル系樹脂組成物と、その組成
物からなる可撓性を有する樹脂シートを提供することを課題とする。
【解決手段】 官能基としてカルボキシル基を含有するアクリル系共重合体と、1分子中
に2個以上のグリシジル基を含有する化合物とをマトリックスとし、少なくとも充填剤と
して軟磁性粉体100〜1,500重量部を添加したことを特徴とするアクリル系樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電磁波吸収性能を有し、電子機器等の部品の熱を速やかに放熱部品へ移送す
る熱伝導材に関する。
一般に、電子機器部品は稼動時に熱を発するため、熱による部品の破損防止あるいは部
品の安定作動を目的に、電子機器装置内に金属製のヒートシンク等が取り付けられている
。必要に応じてヒートシンクをファン等により強制的に空冷することも行われ、大きな発
熱を伴う部品は水循環による水冷あるいは半導体素子の一種であるペルチェ素子を用いて
強制的に冷却させる等の方法も用いられている。
また、これら電子機器にあっては、電子機器からの電磁波の漏洩や外部からの電磁波の
侵入による弊害を防止する目的で様々な電磁波吸収体が利用されている。
このような電子機器に用いられる熱伝導材として、熱分解安定性、難燃性の点でシリコ
ーン系グリスや、熱伝導率を高めたシリコーンゴムシート/シリコーンゲルシートが使用
されている。シリコンゴムシートが一般的であるが、シリコーン樹脂そのものが高価であ
るばかりか、シート製造において加硫工程を必要とするため容易には製造できないもので
あり、またシリコーン樹脂に無機系充填剤を多く充填すると脆くなりシート成形が困難で
ある。さらにシリコーン樹脂はシロキサンガスが発生するために電子機器部品の接点不良
の問題も発生する。
特開平9−296114号公報 特開2004−137432号公報
本発明は、シリコーンゴムシートやゲルのように高価でなく、複雑な加工が必要でなく
、優れた熱伝導性と電磁波吸収性能を有するアクリル系樹脂組成物と、その組成物からな
る可撓性を有する樹脂シートを提供することを課題とする。
本発明者らはアクリル系共重合体を主剤とする組成物を鋭意検討した結果、アクリル系
共重合体と、グリシジル基を有する化合物を反応させ、架橋密度を上げ、さらに軟磁性粉
体を添加した組成物とすることにより、好ましくは軟磁性粉体と湿潤分散剤を組み合わせた組成物から、可撓性を有し、優れた熱伝導性と電磁波吸収性を有する樹脂シートが得られることを見いだした。
即ち本発明は、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、1分子中に2個以上の
グリシジル基を有する化合物とをマトリックスとし、充填剤として軟磁性粉体を100〜
1,500重量部添加したアクリル系樹脂組成物、およびそれを加工(シート状に成形及び硬化)してなる樹脂シート、好ましくは、さらに湿潤分散剤を0.05〜3重量部添加したことを特徴とするアクリル系樹脂組成物、およびそれを加工してなる樹脂シートである。
従って、本発明のアクリル系樹脂組成物からなる樹脂シートは、熱伝導性と電磁波吸収
性を併せ持ち、電子機器等の部品の熱を冷却装置に良好に伝達すると共に、電子機器から
の電磁波の漏洩や外部からの電磁波の侵入による弊害を防止でき、電子機器用等の熱伝導
材として非常に有用である。
また本発明のアクリル系樹脂組成物は、充填剤としての軟磁性粉体の相溶性が湿潤分散
剤を組み合わせることによって高まり、組成物の混練りが容易で、樹脂シートの作成が容
易となる。
本発明に使用するアクリル系共重合体は、分子中にカルボキシル基を有する。カルボキ
シル基の導入方法としては、官能基を有さないアクリル系モノマーを主体とこれに共重合
可能な、ビニル系モノマー及びカルボキシル基を有するモノマーを共重合することや、カ
ルボキシル基を有するアクリル系モノマーと他のアクリル系モノマーを共重合させること
により得られる。
さらにアクリル系モノマーと共重合可能なモノマーを重合させ、停止反応としてカルボ
キシル基含有分子により末端停止反応を行うことも可能である。
アクリル系共重合体のカルボキシル基は、分子末端にあっても、また、分子鎖中間に存
在しても、また、側鎖上および主鎖上のどちらに存在してもよく、さらにランダムに共重
合したものであっても、ブロック共重合したものであってもよい。さらにその構造も単一
なものではなく、様々な繰り返し単位のアクリル系共重合体のブレンドであってもよい。
ここで、アクリル系共重合体は、それを構成する少なくとも主成分のポリマーのガラス
転移温度(Tg)がDSC法により測定される値で−60℃〜−20℃であることが好ま
しく、全てのポリマーのガラス転移温度が−60〜−20℃であってもよい。アクリル系
共重合体の主成分ポリマーのガラス転移温度が高すぎると、組成物が硬くなり熱伝導シー
トとして好ましい物ではなく、硬化物の硬度としてはASKER-C 50以下、好ましくは40以下
である。
さらにアクリル系共重合体におけるカルボキシル基の割合は水酸化カリウム(KOH)
滴定による酸価(AV)が20〜150のものであり、さらに好ましくは50〜150の
ものである。
酸価が20より小さい場合、架橋点が充分ではなく耐熱性のある硬化物が得られないば
かりか難燃性に於いても、好ましくない。さらに酸価が150を越えると逆に架橋密度が
上がりすぎ可撓性が不足する。
アクリル系共重合体の主成分である官能基を有さないアクリル系モノマーとしては、ア
クリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルが好ましく、特にn−ブチル
アクリレート(アクリル酸−n−ブチル)、2−エチルへキシルアクリレート(アクリル
酸−2−エチルへキシル)が好ましい。
さらに、これらアクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとしてはビニル系モノマー
が挙げられ、具体的には、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミド、N−ジメチルアミノエチルア
クリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−ジエチルアミノエチルアク
リレート、N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、酢酸ビニル、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
官能基としてカルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサ
コン酸あるいは、これらから誘導される官能性モノマー等が挙げられる。
また、本発明においてアクリル系共重合体のカルボキシル基と反応するグリシジル基を
有する化合物は、少なくとも分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物であり、該
化合物のエポキシ当量(WPE)は80〜400の範囲にあることが好ましい。
エポキシ当量が80以下であるとアクリル系共重合体と反応させるために、グリシジル
基を有する化合物を多く添加する必要があるので、得られた成形体の要求性能が十分果た
せない場合があり、またこれとは逆にエポキシ当量が400以上であると、反応速度が速
すぎて成形が困難となる場合がある。
本発明に使用するグリシジル基を有する化合物としては、種々のものが使用できるが、
具体的には、ソルビトールポリグリシジルエーテル(SORPGE)、ポリグリセロール
ポリグリシジルエーテル(PGPGE)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル
(PETPGE)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(DGPGE)、グリセロー
ルポリグリシジルエーテル(GREPGE)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエ
ーテル(TMPPGE)、レゾルシノールジグリシジルエーテル(RESDGE)、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル(NPGDGE)、1,6−へキサンジオール
ジグリシジルエーテル(HDDGE)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EG
DGE)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、プロピレン
グリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル(PPGDGE)、ポリブタジエンジグリシジルエーテル(PBDGE)、フ
タル酸ジグリシジルエーテル(DGEP)、ハロゲン化ネオペンチルグリセロールジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(DGEBA)、ビスフェノ
ールF型ジグリシジルエーテル(DGEBF)等が使用され、特に好ましくは、トリメチ
ロールプロパンポリグリシジルエーテル(TMPPGE)、ソルビトールポリグリシジル
エーテル(SORPGE)等である。
グリシジル基を含有する化合物の添加量としては、アクリル系共重合体の酸当量100
に対して、エポキシ当量が80〜300の範囲内にあることが好ましい。添加量が当量計
算80より少ない場合、硬化が充分に進まず、完全に固化しなくなる可能性があり、特に
耐熱性と難燃性が悪化するため好ましくない。逆に添加量が当量計算300より多い場合
、未反応で過剰に成形物中に残留し、経時でのブリードアウトが起こり、難燃性も悪化す
るため好ましくない。
磁性材料は外部の磁場により磁石になりやすい強磁性体となりにくい弱磁性に分類され
る。さらに強磁性体は外部からの磁場による磁化が頑固(ハード)である硬磁性材料と柔
軟(ソフト)である軟磁性材料とに分類される。通常、保磁力の高い硬磁性材料は永久磁
石に、高い透磁率と低い保磁力の軟磁性材料は電磁石やトランス、コイルのコアに使用さ
れる。
本発明に用いる軟磁性粉体としてはこれら磁性材料の中で軟磁性金属物や軟磁性金属酸
化物を用いることが出来る。具体的にはNi-Zn系フェライト、Mn-Zn系フェライト、Cu-Zn
系フェライト、Mn-Mg系フェライト、Li-Zn系フェライトなどのソフトフェライト、鉄
、ニッケル、コバルト、Fe-Co、Fe-Cr、Fe-Si、Fe-Al、Fe-Cr-Al、Fe-Si-Cr、Fe-Si-Al、Fe-Al-Si、パーマロイ、カルボニル鉄などの鉄合金を用いることが出来る。これら軟磁性粉体は1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、本発明の軟磁性粉体は、該マットリックス中において分散しているものであるが、この際、軟磁性粉体同士が該マトリックス中において接触していると、その接触している複数の粉体が一個の大きな粒子の挙動を示すため渦電流損失が増大して透磁率が低下し、電磁波吸収性が低下する虞がある。そのため軟磁性粉体同士は、該マトリックス中においてお互いが接触していない、すなわち、電気的に隔絶されている状態で分散しているものが好ましい。そして、Fe-Si-Cr合金からなる軟磁性粉体は、該マトリックスであるアクリル系共重合体との相溶性が高いため、その粉体同士は、該マトリックス中において非接触状態で分散し易く、その結果、電磁波吸収性が低下し難いものである。また、Fe-Si-Cr合金からなる軟磁性粉体は、湿潤分散剤を用いなくとも、該マトリックスであるアクリル系共重合体中において分散するものであり、初期の電磁波を吸収することは出来るが、経時で該粉体が凝集し電磁波を吸収するのが出来なくなる場合があるため、好ましくは湿潤分散剤を用いたものがよい。
また、軟磁性粉体の形状としては、扁平状、針状、粒子状等を用いることができ、特に扁平状の軟磁性粉体は、表面積が大きいので電磁波を吸収し易いものである。扁平状の軟磁性粉体の大きさとしては、平均厚さが0.5〜3μm、アスペクト比(粒子径/粒子厚み)が2〜60であり、特にアスペクト比10〜40であるものが好ましい。平均厚さが0.5μm以下になるまで扁平化すると、加工の影響により透磁率が本来の値よりも低下するため好ましくない。一方、平均厚さが3μmを超えると渦電流による透磁率の低下が著しくなるため、どちらの場合も電磁波吸収特性が低下する。またアスペクト比が2以下ではマトリックス中で沈降を生じやすく、60を超えるとマトリックスへの分散性が著しく悪化するため好ましくない。
軟磁性粉体の添加量は、アクリル系共重合体とグリシジル基を有する化合物の総量10
0重量部に対して100〜1,500重量部である。100重量部未満では充分な電磁波
吸収性と熱伝導性が得られず、1,500重量部を超えても電磁波吸収性の向上はみられ
ず、混練りが難しい。特に電磁波吸収性能、熱伝導性能の点で300重量部以上が、またアクリル系樹脂組成物の混練り、脱泡などの作業性の点で1,000重量部以下が好ましい。
湿潤分散剤は粉体粒子の表面に吸着し、粒子表面により大きな電荷を持たせて、静電反
発力を高めて凝集を防止する。また、吸着した分散剤同士の立体反発力により凝集を防止
する働きがある。
本発明に用いられる湿潤分散剤として、エステル基、水酸基、エチレンオキサイドを有
す化合物、硼酸基または/且つ燐酸基飽和ポリエステル系コポリマー、多価アルコール有
機酸エステル、特殊アルコール有機酸エステル、ウレタン変性アクリルコポリマー、高分
子量ポリエステル、ポリカルボン酸共重合体、アリルアルコール・無水マレイン酸・スチ
レン共重合物とポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとのグラフト化物、ポリアク
リル酸アンモニウム塩、アクリル共重合物アンモニウム塩、シリコン系ポリマーエチレン
オキサイド又は/及びプロピレンオキサイド付加物等があげられる。中でもエステル基、
水酸基、エチレンオキサイドを有す化合物は、比較的に合成が容易でコスト的に優れてい
るため好ましい。
湿潤分散剤の添加量は、アクリル系共重合体とグリシジル基を有する化合物の総量10
0重量部に対して0.05〜3.0重量部である。湿潤分散剤が0.05重量部より少な
くなると軟磁性粉体の樹脂に対する相溶性が低くなって混練りができない傾向になる。添加量が少ないと粉体粒子が相互に衝突して凝集し、見掛けの粒子径が大きくなって早期に沈降分離を起こすようになる。また、3.0重量部より多く添加すると増粘、ゲル化を起こしてシートの硬化性が悪くなり、樹脂シート作成が困難になる。
本発明のアクリル系樹脂組成物をシート化する場合、その成形方法は特に制限されるものでなく、例えば、コーティング法、押出成形しや射出成形などを採用することができるが、その中でもコーティング法が好ましい。その理由は、コーティング法を採用することにより、例えば厚さ0.5mm以下の薄膜シートを一回の工程で作成することが可能であるからである。
本発明のマトリックス中に軟磁性粉体を混合させた際の粘度は、5000〜8万cpsでああることが好ましく、例えば0.5mm以下の薄膜シートを製造する場合には、上記粘度が2〜6万cpsであることが特に好ましい。軟磁性粉体は比重が大きいため、粘度が5000cps未満では沈殿が生じ易く、得られたシートはスジやムラが発生し易い。一方、8万cpsを超えると流動性が不足するため、シート加工が困難となる虞がある。
また、本発明のアクリル系樹脂組成物は、熱伝導性を向上させるために熱伝導性充填剤を用いてもよい。熱伝導性充填剤としては、窒化硼素、窒化アルミ等の窒化物、アルミナ、マグネシア等の金属酸化物、炭化珪素、カーボン、銅、銀、アルミ等の金属粉末を添加することも可能であるが、金属粉末は電気伝導度が高いため、渦電流の増加を招き、電磁波吸収性が低下する虞がある。そのため、本発明のアクリル系樹脂組成物との相溶性が高く、絶縁性であり、難燃性にも優れた金属水酸化物が好ましく、特に分解温度が250℃以上の金属水酸化物であり、具体的には水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等が好適である。
なお、上記分解温度の測定方法は、充填剤のみをTGA(Thermo Gravim
etric Analyzer)により、大気雰囲気下、室温〜600℃まで、昇温速度
10℃/minにより測定を行い、重量減少を生じる温度を測定し、分解温度とするもの
である。
熱伝導性充填剤の添加量は、好ましくはアクリル系共重合体100重量部に対して25
0重量部以上、500重量部以下の範囲である。添加量が少ない場合は熱伝導性の向上は
期待できず、多くなると熱伝導性は向上するが加工が難しくなるため生産には向かない場
合がある。
さらに、熱を伝達することには必ずしも優れない、炭酸カルシウム等の炭酸金属、クレ
ー、カオリン等の充填剤の添加も可能である。
これら充填剤の大きさ、形状は特に制限されるものではないが、粒子径はおおよそ0.
5〜30μm、形状は似球状のものが特に好ましく用いられる。粒子径が0.5μmより
も小さくなるとマトリックス樹脂中へ添加した際に液体の粘度が高くなりすぎ、逆に粒子
径が30μmよりも大きくなると同様にマトリックス樹脂に混入しにくくなる上、組成物
を硬化させ樹脂シートとしたときに充填剤が均一に分散し難くなる。
充填剤はまた、同じ組成であって粒子径の異なるものを組み合わせることも可能である
。充填剤を多くする必要がある場合などは、特に粒子径の異なるものを数種類組み合わせ
ることにより組成物の粘度を低下することができるので好ましい。
さらに、本発明の組成物には要求性能に応じて、主剤や硬化剤に対し、必要に応じて触
媒、難燃剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤等を適宜添加することが可能である。
アクリル系共重合体に、湿潤分散剤、軟磁性粉体、必要に応じて添加される他の充填剤
を適宜の比率で配合する方法としては、おのおのを計量し混合攪拌する。この時の混合攪
拌方法は、特に制限されるものではなく、重合体の組成、粘度、軟磁性粉体の種類、配合
量により選定されるものであり、具体的にはディゾルバーミキサー、ホモミキサー等の攪
拌機を用いることが可能である。また、混合攪拌された配合物は必要に応じて未分散の軟
磁性粉体、他の充填剤等の固まりを除去する目的で濾過してもよい。混合攪拌で生じた気
泡は減圧下で脱泡することが好ましい。
以下、実験例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1〜10,比較例1〜8)
アクリル系共重合体、軟磁性粉体、金属水酸化物、湿潤分散剤及び硬化剤を表1〜表3
に示す割合で配合し、減圧脱泡してアクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を表面がシ
リコン離型処理されているポリエステルフィルム上に所定厚みとなるようにコーティング
した。コーティング後、190℃のオーブン中で13分間加熱することにより硬化させた
。さらに、常温にて24時間放置することにより養生し、ポリエステルフィルムより剥離
してアクリル系樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを以下のように評価した。評価結果を表1〜3に示す。
<評価内容>
熱伝導率は、迅速熱伝導率計QTM-500(京都電子工業社製)を用いて行った。
電磁波吸収性は、KEC法により100MHz〜1GHzでの最大減衰率で評価した。
加工性は、以下のように評価した。
◎:粘度低く混練り可、シート化可
○:粘度やや高いが混練り可、シート化可
△:粘度高く混練りやや難、シート化やや難だが可
×:粘度高く混練り難、シート化難
Figure 2007031695
Figure 2007031695
Figure 2007031695
Figure 2007031695
※比較例2乃至4及び比較例8は、シート化が難であるため、熱伝導率、電磁波吸収性それぞれについて測定することが出来なかったため、不可とした。
アクリル系共重合体1;CB-3060(綜研化学(株)社製)、分子量3000、酸価62
アクリル系共重合体2;CB-3A2 (綜研化学(株)社製)、分子量5000、酸価63
硬化剤1;テ゛ナコールEX-313(ナカ゛セケムテックス(株)社製)、ク゛リセリンホ゜リク゛リシシ゛ルエーテル
硬化剤2;テ゛ナコールEX-521(ナカ゛セケムテックス(株)社製)、ホ゜リク゛リセリンホ゜リク゛リシシ゛ルエーテル
軟磁性粉体1;BSF-714(戸田工業(株)社製)、ソフトフェライト
軟磁性粉体2;S-1281(戸田工業(株)社製)、カルボニル鉄
軟磁性粉体3;JEM-S (三菱マテリアル(株)社製)、Fe-Si-Cr合金
金属水酸化物1;ハイシ゛ライトH-42(昭和電工(株)社製)、水酸化アルミニウム
金属水酸化物2;キスマ5A (協和化学工業(株)社製) 、水酸化マグネシウム
湿潤分散剤1;BYK-W909(ヒ゛ックケミー・シ゛ャハ゜ン(株)社製)、ホウ酸エステル
湿潤分散剤2;BYK-W9010(ヒ゛ックケミー・シ゛ャハ゜ン(株)社製)、酸基を持つコポリマー

Claims (6)

  1. 官能基としてカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、1分子中に2個以上のグ
    リシジル基を有する化合物とをマトリックスとし、少なくとも充填剤として軟磁性粉体を
    100〜1,500重量部添加したことを特徴とするアクリル系樹脂組成物。
  2. アクリル系共重合体100重量部に対して、湿潤分散剤を0.05〜3重量部添加したことを特徴とする請求項1記載のアクリル系樹脂組成物。
  3. 軟磁性粉体の形状は扁平状であり、その大きさは平均厚さが0.5〜3μmでアスペクト比が2〜60であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアクリル系樹脂組成物。
  4. 軟磁性粉体が、ソフトフェライト、カルボニル鉄、Fe−Si−Cr合金から選ばれる1種単独もしくは2種以上を組み合わせたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のアクリル系樹脂組成物。
  5. アクリル系共重合体100重量部に対して、熱伝導性充填剤を250重量部以上500重量部以下添加したことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のアクリル系樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5に記載のアクリル系樹脂組成物を、シート状に成形及び硬化せしめてなることを特徴とする樹脂シート。
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