JP2007028066A - オーディオ再生システム - Google Patents

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正美 武田
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Abstract

【目的】聴取位置の前方のみに配置されたスピーカシステムによってサラウンド効果が得られるようにしたオーディオ再生システムを提供する。
【構成】オーディオ再生システム50は、オーディオ再生装置15が出力するマルチチャンネル音声信号L、R、C、SL、SRを、聴取位置mの前方左スピーカSPK1からLを出力し、前方右スピーカSPK3からRを出力し、前方中央の左右近接配置された水平方向寸法が垂直方向寸法よりも長い細長平面振動板を備える2つの平面型スピーカSPK6、SPK7からCを出力すると共に後方左右の仮想音源スピーカ13、14の位置にSL、SRを各々仮想音源定位させるための頭部伝達関数から求めた仮想音源定位フィルタH1、H2を通す信号処理手段19によって信号処理された音声信号(k×C+SL×f13+SR×f14とk×C+SR×f15+SL×f16)を出力する構成である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CD、MD、DVDオーディオ等をソースとするオーディオ再生システムや、DVDビデオ等のホームシアターシステム、或いはテレビやパーソナルコンピュータのディスプレイ装置等に内蔵若しくは外付けで付設されるオーディオ再生システムに関する。
一般的なホームシアターシステムに使用されているオーディオ再生システム20は、チャンネル数に等しい複数のスピーカを聴取(視聴)位置mと想定される位置に居る聴取者Mの周りに配置して全て実音源で再生するサラウンド方式が採用されている(方式1とする)。
例えば、図9に示されるオーディオ再生システム20は、オーディオ再生装置1の出力する左チャンネル(Lch)の音声信号Lを出力する聴取者Mの前方左側に配置された左チャンネルスピーカSPK1と、センタチャンネル(Cch)の音声信号Cを出力する聴取者Mの前方中央に配置されたセンタチャンネル(Cch)のスピーカSPK2と、右チャンネル(Rch)の音声信号Rを出力する聴取者Mの前方右側に配置された右チャンネルスピーカSPK3と、後方左右のサラウンドチャンネル(SLch、SRch)の音声信号SL、SRを出力する聴取者Mの後方左右にそれぞれ配置された2つのスピーカSPK5、SPK4の合計5つのスピーカで構成されるスピーカシステムを使用して、5チャンネルの音声信号を再生している典型的な例である。また、上記構成にウーハーを付加した所謂5.1チャンネル再生システムも多い。
また、図10に示されるオーディオ再生システム30のように、聴取位置mと想定される位置に居る聴取者Mの前方左側と前方右側に互いに離間して設置したスピーカSPK1とスピーカSPK3の2つのスピーカのみからなるスピーカシステムを使用して、前記スピーカSPK1からは、オーディオ再生装置2の出力する左チャンネル(Lch)の音声信号Lと、センタチャンネル(Cch)の減衰器で減衰させた音声信号k×C(概ねk=0.7)と、仮想音源定位させるフィルタ関数f1の信号処理を行ったサラウンドチャンネル(SLch)の音声信号SLと、仮想音源定位させるフィルタ関数f2の信号処理を行ったサラウンドチャンネル(SRch)の音声信号SRと、の合成音声信号(L+k×C+SL×f1+SR×f2)を出力し、前記スピーカSPK3からは、前記オーディオ再生装置2の出力する右チャンネル(Rch)の音声信号Rと、センタチャンネル(Cch)の減衰器で減衰させた音声信号k×C(概ねk=0.7)と、仮想音源定位させるフィルタ関数f4の信号処理を行ったサラウンドチャンネル(SLch)の音声信号SLと、仮想音源定位させるフィルタ関数f3の信号処理を行ったサラウンドチャンネル(SRch)の音声信号SRと、の合成音声信号(R+k×C+SR×f3+SL×f4)を出力する構成として、右チャンネル(Rch)と左チャンネル(Lch)の音声信号は実音源、センタチャンネル(Cch)及びサラウンドチャンネル(SLch、SRch)は仮想音源(破線で示される仮想音源スピーカ3、4、5)で再生する方式がある(方式2とする)。
さらに、図11に示されるオーディオ再生システム40のように、聴取位置mに居る聴取者Mの前方中央付近に10〜30cm程度に互いに左右近接して設置された2つのスピーカSPK6、SPK7(ダイポール型スピーカと称される。)を使用して、オーディオ再生装置8はセンタチャンネル(Cch)以外のチャンネルを仮想音源で再生する所謂ダイポール方式がある(方式3とする)。
即ち、図11において、オーディオ再生装置8が、前方中央の左側のスピーカSPK6からは(L×f5+R×f6+k×C+SL×f7+SR×f8)の合成音声信号を出力し、前方中央の右側のスピーカSPK7からは(R×f9+L×f10+k×C+SR×f11+SL×f12)の合成音声信号を出力することにより、聴取者Mはあたかも前方左側の仮想音源スピーカ9から左チャンネルの音声信号Lが聴こえ、前方右側の仮想音源スピーカ10から右チャンネルの音声信号Rが聴こえ、後方左側の仮想音源スピーカ11から左サラウンドチャンネルの音声信号SLが聴こえ、後方右側の仮想音源スピーカ12から右サラウンドチャンネルの音声信号SRが聴こえるのである。なお、上記f5〜f12はそれぞれの音声信号を仮想音源定位させるための信号処理で適用するフィルタ関数である。上記方式は下記[特許文献1]に詳細が開示されている。
また、下記[特許文献2]には、輪郭のはっきりした音声と広がり感のある効果音が得られ、且つ画像の中央で台詞が定位する音声信号制御装置を有する再生装置の技術が開示されている。これもマルチチャンネルオーディオ再生システムの一例である。
特表2000−506691号公報
特開2000−102099号公報
映像とステレオ音声が出力されるテレビやホームシアターシステムに使用される音声出力の再生システムにおいては、台詞定位の問題がある。
この点、音声再生に大きく影響するスピーカ配置について、従来のオーディオ再生装置を含めたオーディオ再生システムでは以下の難点がある。
前記(方式1)では、図9から判るように、前方に配置されるべきLch、Cch、RchのスピーカSPK1〜3は無理なく設置できる場合が殆どであるが、後方に設置されるべきSLch、SRchのサラウンドスピーカSPK4、SPK5は、適当な設置場所がなかったり、スピーカ用ケーブルの配線に煩わしさが伴う。
前記(方式2)では、聴取位置mにおける環境に適した各スピーカの再生音量バランス調整や、遅延時間の調節が必要となり、初心者にはセッティングが簡単に行えない。
また、図10から判るように、左右のスピーカSPK1、SPK3が聴取場所における左右の壁に近くなるので、該左右の壁からの反射音(破線で示される6、7)の影響を受けやすく、良好な仮想音源定位の効果が得られない場合が多い。
前記(方式3)では、通常のオーディオ再生システムとしては、一般的に受け入れられていない。蓋し、左チャンネルスピーカと右チャンネルスピーカの2つのスピーカは、ある程度左右に離して設置しないと良好なステレオ再生はできないのである。
また、効果的にステレオ感やサラウンド感を得るためには、聴取位置mがL、Rのスピーカから等距離にある中心線上の位置に、かなりクリティカルに限定されるという難点がある。
ところで、サラウンド再生における信号処理の仮想音源定位させるためのフィルタ関数を求める際に、前方に配置されたスピーカと聴取位置mの頭部までの伝達関数として実測したダミーヘッドの頭部伝達関数をそのまま使用すると、聴取者による効果のばらつきが大きくなってしまうという難点が存在する。頭部伝達関数は耳殻や外耳道の大きさ、形状の違いによって大きく左右されるのである。
また、後方の左右に定位するサラウンド仮想音源間の相関が強い場合に後方定位感が不十分となるという課題がある。例えば、左右のサラウンド仮想音源の信号SL、SRが同じ場合、現実には、真後ろに定位しては聞こえず、極端な場合には、前方から聞こえる様なことも生じるのである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、聴取位置と想定される位置の前方のみに複数のスピーカを所定配置すると共に、信号処理された仮想音源の合成音声信号を前方中央に左右近接配置された細長平面振動板を備える2つの平面型スピーカのみから出力することで、チャンネル数に限定されずに優れた台詞定位及び仮想音源の定位感が得られるようにしたオーディオ再生システムを提供することを目的とする。
本発明は、左チャンネルと右チャンネルとセンタチャンネルとサラウンドチャンネルとの各チャンネルの音声信号を含むマルチチャンネル音声信号(L、R、C、SL、SR)を、聴取位置mと想定される位置の前方に配置される複数のスピーカSPK1、SPK3、SPK6、SPK7によって再生するようにしたオーディオ再生システム50であって、前記聴取位置mの前方左側及び前方右側に互いに離間して配置されるべき左スピーカSPK1及び右スピーカSPK3と、前記聴取位置mの前方中央に左右近接配置されるべき水平方向寸法が垂直方向寸法よりも長い細長平面振動板をそれぞれ備える2つの平面型スピーカSPK6、SPK7と、を有するスピーカシステム18と、前記左チャンネルの音声信号Lを出力する前記左スピーカSPK1用の第1の出力手段と、前記右チャンネルの音声信号Rを出力する前記右スピーカSPK3用の第2の出力手段と、前記聴取位置mの後方の所定位置に前記サラウンドチャンネルの音声信号SL、SRを仮想音源定位させるよう前記サラウンドチャンネルの音声信号SL、SRを処理し、その処理したサラウンドチャンネルの音声信号と前記センタチャンネルの音声信号Cとを加算して(k×C+SL×f13+SR×f14と、k×C+SR×f15+SL×f16;k=0.7、f13〜f16は仮想音源定位させる信号処理で適用されるフィルタ関数)出力する前記左右近接配置された2つの平面型スピーカSPK6、SPK7用の第3の出力手段19と、を有し、前記第3の出力手段19は、頭部を球体と見なして得られた頭部伝達関数であり、左右近接配置された前記2つの平面型スピーカSPK6、SPK7から前記聴取位置mの頭部の両耳に当たるまでの頭部伝達関数C1、C2と、ダミーヘッドによる実測で得られた頭部伝達関数であり、前記聴取位置mの後方の所定位置の仮想音源13、14から前記聴取位置mまでの頭部伝達関数V1、V2と、から得られる仮想音源定位フィルタH1、H2によって前記サラウンドチャンネルの音声信号SL、SRの信号処理を行う手段であることを特徴とするオーディオ再生システムを提供することにより上記課題を解決する。
本発明に係るオーディオ再生システムは、上記のように構成されているため、
(1)従来の2チャンネルオーディオ再生システムに対して、前方中央近傍に近接する細長平面振動板をそれぞれ備える2つの平面型スピーカを追加することにより、オーディオ(ステレオ)と、センタスピーカが必須のホームシアターシステムが無理なく両立するオーディオ再生システムを提供できる。
(2)再生チャンネル数と同じ個数のスピーカを使用する必要がなく、アンプとスピーカは前方に設置した4チャンネル分だけで済み、サラウンド専用スピーカを使用することなく、如何なるチャンネル数のシステムの再生にも対応でき、しかも、聴取位置と想定される空間の左右の壁等からの反射音の悪影響が少なく、良好な仮想音源定位の得られるオーディオ再生システムを構築できる。
(3)後方左右に配置されていたサラウンドスピーカを使用しないので、省スペース、低コストで、設置場所の違いによる調整が不要でありながら安定したサラウンド効果を確保できる。
(4)今後、ますます増加が期待される地上波デジタルテレビの5.1チャンネル音声再生に対応して、テレビのサラウンド音声再生システムとしてテレビに内蔵することもできる。
(5)仮想音源定位フィルタ関数を算出するために使用する前方中央の2つのスピーカから聴取者の両耳までの間の実音源の頭部伝達関数として頭部を球体と見立てて個人差を削減して不特定人を対象としたモデルからシミュレーションで算出或いは実測した汎用性のあるものを使用し、仮想音源から聴取者の両耳までの頭部伝達関数として実測したダミーヘッドの頭部伝達関数を使用することにより、得られた仮想音源定位フィルタ関数による信号処理で聴取者のサラウンド感の個人差を低減し、不特定の聴取者を対象とする安定したサラウンド効果を発揮できる。
(6)聴取位置の前方中央に左右近接配置された水平方向寸法が垂直方向寸法よりも長い細長平面振動板をそれぞれ備える2つの平面型スピーカからセンタチャンネルの音声信号を出力すると共に、聴取位置の後方の所定位置にサラウンドチャンネルの音声信号を仮想音源定位させるよう処理されたサラウンドチャンネルの音声信号を出力するので、上下方向の指向性が広く、左右方向の指向性が狭いという特質を持ち、平面に近い音波が小さい減衰で聴取位置に伝搬するので、コーン型スピーカを使用した場合に比べてより高いサラウンド効果が得られる。
(7)擬似ステレオ化処理を施すことにより、サラウンド仮想音源定位感を安定に保つことが可能になる。
本発明に係るオーディオ再生システムの実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、従来技術を説明する図面の図9、図10、図11におけるものと同等配置に相当するスピーカについては同符号にて表し、且つ、従来技術と同等であるオーディオ再生システムにおけるDVDその他のソースの読み出し、デコーダによる信号処理、再生回路等の表記及び説明は省略し、専らマルチチャンネルのビットストリームBSをデコーダ25にて復調したマルチチャンネル(左チャンネルLchと右チャンネルRchとセンタチャンネルCchとサラウンドチャンネルSLch、SRch)の音声信号L、R、C、SL、SRに関するDSPによる仮想音源定位のための信号処理手段とスピーカシステムについて詳述する。
図1は本発明に係るオーディオ再生システムにおけるスピーカシステムの配置と音声合成を説明するための概念図である。図2は本発明に係るオーディオ再生システムにおける信号処理手段を説明するためのブロック図である。図3はサラウンド音声信号SRを所定の仮想音源位置に定位させるためのフィルタ関数を求める手段を説明するための概念図である。図4は擬似ステレオ化処理を説明するためのブロック図である。図5は本発明で使用する平面型スピーカの外観と音波出力方向を説明するための図である。図6は本発明で使用する平面型スピーカとコーン型スピーカの音波伝播の仕方を比較する模式図である。図7は本発明で使用する平面型スピーカの構造を示す説明するための図である。図8は本発明に係るオーディオ再生システムをテレビ(液晶やプラズマなどの大型ディスプレイ装置を備える。)を中心とするホームシアターシステムに適用した場合のスピーカの配置例を示す図である。
図1または図2または図3において、オーディオ再生システム50は、オーディオ再生装置15によって左チャンネルLchと右チャンネルRchとセンタチャンネルCchとサラウンドチャンネルSLch、SRchとの各チャンネルの音声信号を含むマルチチャンネル音声信号L、R、C、SL、SRを、聴取位置mと想定される位置の前方に配置される複数のスピーカSPK1、SPK3、SPK6、SPK7によって再生するようにしたオーディオ再生システム50であって、前記聴取位置mの前方左側及び前方右側に互いに離間してされぞれ配置されるべき左スピーカSPK1及び右スピーカSPK3と、前記聴取位置mの前方中央に左右近接配置されるべき水平方向寸法が垂直方向寸法よりも長い細長平面振動板をそれぞれ備える2つの平面型スピーカSPK6、SPK7と、を有するスピーカシステム18と、前記左チャンネルの音声信号L(実音源)を出力する前記左スピーカSPK1用の第1の出力手段と、前記右チャンネルの音声信号R(実音源)を出力する前記右スピーカSPK3用の第2の出力手段と、前記聴取位置mの後方の所定位置(図1における左右後方の位置であり、図9の従来システム20のSPK5、SPK4の位置に相当する。)に前記サラウンドチャンネルの音声信号SL、SRを仮想音源定位させるよう前記サラウンドチャンネルの音声信号SL、SRを処理し、その処理したサラウンドチャンネルの音声信号と前記センタチャンネルの音声信号C(実音源)とを加算して(k×C+SL×f13+SR×f14と、k×C+SR×f15+SL×f16;k=0.7、f13〜f16は仮想音源定位させる信号処理で適用されるフィルタ関数)出力する前記左右近接配置された2つの平面型スピーカSPK6、SPK7用の第3の出力手段19と、を有し、前記第3の出力手段19は、頭部を球体と見なして得られた頭部伝達関数であり、左右近接配置された前記2つの平面型スピーカSPK6、SPK7から前記聴取位置mの頭部の両耳に当たるまでの頭部伝達関数C1、C2と、ダミーヘッドによる実測で得られた頭部伝達関数であり、前記聴取位置mの後方の所定位置の仮想音源13、14から前記聴取位置mまでの頭部伝達関数V1、V2と、から得られる仮想音源定位フィルタH1、H2によって前記サラウンドチャンネルの音声信号SL、SRの信号処理を行う手段であることを特徴とする。なお、図2における符号28は増幅器、符号31は信号処理を行うDSPである。
上記オーディオ再生装置15とスピーカシステム18とを用いたオーディオ再生システム50では、スピーカシステム18のスピーカが全て聴取位置mの前方に配置されるので、従来の(方式1)のように後方にサラウンドスピーカを配置しなければならない条件、煩わしさが解消されるという利点がある。
また、前方左右のスピーカSPK1及びスピーカSPK3は、それぞれLch、Rchの実音源の再生のみを行うので、十分なステレオ感が得られる。
また、前方中央(センタ)に左右近接配置された2つの平面型スピーカSPK6、SPK7から減衰器29で減衰されたセンタチャンネルの音声信号(k×C)を出力することで前方中央に音源定位するセンタチャンネル(Cch)の実音源再生を簡単に実現できる。
さらに、これら近接配置された2つの平面型スピーカSPK6とSPK7から、所定のサラウンドチャンネル位置(典型として図1のように聴取位置mから1〜3m離れた後方左右)に仮想音源が定位するように信号処理手段19によってデジタル信号処理された信号(k×C+SL×f13+SR×f14とk×C+SR×f15+SL×f16)が、前記センタチャンネルの音声信号(k×C)とともに入力されてサラウンドチャンネルSL、SRの仮想音源再生が行われることによって良好なサラウンド感が得られる。なお、サラウンドチャンネルの音声出力は、例えば部屋の両側面の壁から離れた前方中央に配置された前記2つのスピーカ平面型SPK6とSPK7からなされるので、壁による反射音16、17の悪影響は従来の(方式2)に比して小さく抑えられる。加えて、近接配置された2つの平面型スピーカSPK6とSPK7が、後述の図7に示されるような水平方向寸法が垂直方向寸法よりも長い(好ましくは5倍から10倍程度)細長平面振動板を備える平面型スピーカであることから、図5または図6の(b)に示されるように上下方向の指向性が広く、左右方向の指向性が狭いという特質を持ち、平面に近い音波が小さい減衰で聴取位置mに直線的に伝搬するので、従来のコーン型スピーカを使用した場合の図6の(a)のような球面波の音波伝播に比べてより高いサラウンド効果が得られることになる。
次に、上記オーディオ再生システム50における前記オーディオ再生装置15の第3の出力手段19による信号処理を以下説明する。
先ず、図2に示されるように前記第3の出力手段19による信号処理では、前記サラウンドチャンネルSLch、SRchの音声信号SL、SRを所定の仮想音源位置(聴取位置mの後方左右の仮想音源スピーカ13、14の位置)に音像定位させるために音声信号SL、SRをそれぞれ仮想音源定位フィルタH1、H2に通した後に混合器26、27にて合成されて前方中央に近接配置された前記2つの平面型スピーカSPK6とSPK7から出力されるのであるが、この仮想音源定位フィルタH1、H2は、図3における聴取位置mに位置する聴取者Mの頭部を球体と見なして(即ち、各部の形状や寸法に個人差のある人の頭部の細部を捨象した球体として)得られた左右近接配置された2つの平面型スピーカSPK6、SPK7から聴取位置mの頭部の両耳に当たる位置までの太実線で囲まれた頭部伝達関数C1、C2と、ダミーヘッド(耳殻や外耳道がある極めて標準的人間に近い頭部モデル)による実測で得られた聴取位置mの後方の所定位置の仮想音源スピーカ14の位置から前記聴取位置mのダミーヘッドの両耳までの破線で囲まれた頭部伝達関数V1、V2と、から得られる仮想音源定位フィルタH1、H2によって求められる。
SR信号は、特性フィルタH1、H2を通過し、左右のスピーカSPK6、SPK7から再生され、前方のスピーカと聴取者間の伝達関数C1、C2の特性が加味されて両耳に達する。この特性が後方の仮想音源スピーカ14の位置からの伝達特性V1、V2になるように信号処理における仮想音源定位フィルタ特性を決めればよい。即ち、
Figure 2007028066
上記数式(1)、(2)を解くと、
Figure 2007028066
となる。
上記H1とH2が、仮想音源定位させるための信号処理で必要となるフィルタ関数であるが、これを算出するための頭部伝達関数(C1、C2、V1、V2)として、全て実測の頭部伝達関数を使用するのではなく、上述のように前記C1、C2には頭部を球体と見立てて実測或いはシミュレーションで求められた頭部伝達関数を使用して、やや暖昧な特性とすることで汎用性を持たせる一方、前記V1、V2には、ダミーヘッドによる実測の伝達関数を使用することによって、不特定多数の視聴者に対して良好なサラウンドチャンネルの仮想音源定位が得られる。
上記のように求められたフィルタ関数H1、H2を第1図のフィルタ関数f13〜f16に適用し、H1=f13=f15、H2=f14=f16とする。
次に、本発明のオーディオ再生装置15は、図4に示されるように前記聴取位置mの後方左右の各サラウンドチャンネルSLch、SRchの音声信号SL、SRの相関を分析する分析手段として信号分析器21と、前記分析手段によって相関が強いと判断した場合に一方のサラウンドチャンネル(例えば図4ではSRch)の音声信号(SR)を遅延させる遅延処理回路22を通すようにスイッチSWを切り換える擬似ステレオ化手段23を前記第3の出力手段19の前段に備えるようにしてもよい。
この構成によって後方左右に定位するサラウンド仮想音源13、14間の相関が強い場合には、意識的に定位を暖昧にさせることで移動感を伴う音源等でもスムーズな移動感が再現できるようになり、後方定位感が不十分となるという課題が解消され、サラウンド仮想音源定位感を安定に保つことができるのである。
なお、上述の聴取位置mの前方中央に左右近接配置された水平方向寸法が垂直方向寸法よりも長い細長平面振動板をそれぞれ備える2つの平面型スピーカSPK6、SPK7の具体例としては、本願出願人が先に開発した特開2002−325294号公報に記載されているような平面型スピーカが好適である。
即ち、図7の(a)平面図、(b)A−A線断面図、(c)B−B線断面図に示されるように、振動方向から見た平面形状が長径と短径を有して略トラック状に形成され、このトラックに沿って帯状に溝部51を設けると共に、音を放射する方向に凹凸状に連続的に湾曲しており、前記溝部51と接続される如く、振動部の長手方向と直交する略中央部に細溝部52を設けた非軸対称形の振動板53と、トラックに沿って帯状に形成された前記溝部51の外周部に沿って帯状に形成され、この帯状の内周部が溝部の外周部に接続され、振動板53を振動自在に保持するエッジ54と、前記振動板53の長手方向に沿って2分割され、分割部分が接合された状態で前記細溝部52に接続されるボイスコイル55が巻回されたボイスコイルボビン56と、磁気回路57,58,59と、前記エッジ54の外周部、前記磁気回路57,58,59を保持するフレーム65とを具備し、溝部51の複数箇所に、湾曲部の一つと同程度の幅で補強剤66を充填した構造の平面型スピーカ70である。なお、上記振動板53の表面には連続的に音の放射方向に凹凸状の非軸対称形の凸状部62a〜62fと凹状部63a〜63dが設けられている(厳密には前記振動板53は凹凸状なので平面ではないが、少なくとも長径方向は平面と看做しうるので平面振動板の範疇に属する。)。
上記平面型スピーカ70の振動板1の長径と短径の比は概ね10:1であり、横置き配置することで、水平方向寸法が垂直方向寸法よりも長い細長平面振動板を備える平面型スピーカという本願発明の条件を満たし、上下方向の指向性が広く、左右方向の指向性が狭いという特質を持つことで、平面に近い音波が小さい減衰で聴取位置mに直線的に伝搬することになる。また、この平面型スピーカ70は図5に示されるように丸い筒状のキャビネットと共に鳴らすことで長手方向の異常振動を抑制して、大入力に対しても異常のない音波(平面波)放射を実現し、低域再生に優れた特性を有しており、本願発明のサラウンド音声信号のセンタチャンネルの出力に最適な形態である。
以上、説明した本発明に係るオーディオ再生装置15は、例えば、図8のテレビの正面概略図(a)のように、テレビ60の画面61の左側に左チャンネルスピーカSPK1、右側に右チャンネルスピーカSPK3、中央下側或いは中央上側に近接配置された2つの平面型スピーカSPK6、SPK7を内蔵した構成のオーディオ再生システムに適用され、或いは図5の(b)のようにテレビ60の画面61の下側の左右に左チャンネルスピーカSPK1、右チャンネルスピーカSPK3をそれぞれ配置し、画面61の下側の中央に左右近接して平面型スピーカSPK6、SPK7を配置した構成のオーディオ再生システムに適用することができる。
上記テレビ60では、画面61の下方に近接配置するスピーカSPK6,SPK7として超薄型である2つの前記平面型スピーカ70が配置適用されているので、サラウンドスピーカ等の配置の煩わしさを伴わずに優れた臨場感の得られるサラウンド再生が可能となる。
なお、付言すれば、上記構成は5チャンネルのマルチチャンネルのオーディオ再生システム50の例であるが、勿論本発明は上記と同様の信号処理手段でその他のマルチチャンネル(5.1チャンネル、3チャンネル、6チャンネル、7チャンネル等)にも適用可能である。
本発明に係るオーディオ再生装置を使用したオーディオ再生システムにおけるスピーカ配置と音声合成を説明するための概念図である。 本発明に係るオーディオ再生装置における信号処理手段を説明するためのブロック図である。 サラウンド音声信号SRを所定の仮想音源位置に定位させるためのフィルタ関数を求める手段を説明するための概念図である。 擬似ステレオ化処理を説明するためのブロック図である。 本発明で使用する平面型スピーカの外観と音波出力方向を説明するための図である。 本発明で使用する平面型スピーカとコーン型スピーカの音波伝播の仕方を比較する模式図である。 本発明で使用する平面型スピーカの構造を示す説明するための図である。 本発明に係るオーディオ再生装置をテレビに適用した場合のスピーカの配置例を示す図である。 従来のオーディオ再生システム(方式1)のスピーカ配置図である。 従来のオーディオ再生システム(方式2)のスピーカ配置図である。 従来のオーディオ再生システム(方式3)のスピーカ配置図である。
符号の説明
1、2、8、15 オーディオ再生装置
3、4、5、9、10、11、12、13、14 仮想音源スピーカ
18 スピーカシステム
19 第3の出力手段
21 信号分析器
22 遅延処理回路
23 擬似ステレオ化手段
25 デコーダ
26、27 混合器
28 増幅器
31 DSP(デジタルシグナルプロセッサ)
20、30、40、50 オーディオ再生システム
60 テレビ
61 画面
70 平面型スピーカ
BS ビットストリーム
H1、H2 仮想音源定位フィルタ
C1、C2、V1、V2 頭部伝達関数
Cch センタチャンネル
Lch 左チャンネル
Rch 右チャンネル
SLch 後方左のサラウンドチャンネル
SRch 後方右のサラウンドチャンネル
C センタチャンネルの音声信号
L 左チャンネルの音声信号
R 右チャンネルの音声信号
SL サラウンドチャンネルSLchの音声信号
SR サラウンドチャンネルSRchの音声信号
M 聴取者
m 聴取位置
SPK1 左チャンネルスピーカ
SPK2 センタチャンネルスピーカ
SPK3 右チャンネルスピーカ
SPK5、SPK4 サラウンドチャンネルスピーカ
SPK6、SPK7 前方中央に左右近接設置された2つのスピーカ
f1〜f16 フィルタ関数

Claims (1)

  1. 左チャンネルと右チャンネルとセンタチャンネルとサラウンドチャンネルとの各チャンネルの音声信号を含むマルチチャンネル音声信号を、聴取位置と想定される位置の前方に配置される複数のスピーカによって再生するようにしたオーディオ再生システムであって、
    前記聴取位置の前方左側及び前方右側に互いに離間して配置されるべき左スピーカ及び右スピーカと、前記聴取位置の前方中央に左右近接配置されるべき水平方向寸法が垂直方向寸法よりも長い細長平面振動板をそれぞれ備える2つの平面型スピーカと、を有するスピーカシステムと、
    前記左チャンネルの音声信号を出力する前記左スピーカ用の第1の出力手段と、
    前記右チャンネルの音声信号を出力する前記右スピーカ用の第2の出力手段と、
    前記聴取位置の後方の所定位置に前記サラウンドチャンネルの音声信号を仮想音源定位させるよう前記サラウンドチャンネルの音声信号を処理し、その処理したサラウンドチャンネルの音声信号と前記センタチャンネルの音声信号とを加算して出力する前記左右近接配置された2つの平面型スピーカ用の第3の出力手段と、を有し、
    前記第3の出力手段は、頭部を球体と見なして得られた頭部伝達関数であり、左右近接配置された前記2つの平面型スピーカから前記聴取位置の頭部の両耳に当たるまでの頭部伝達関数と、ダミーヘッドによる実測で得られた頭部伝達関数であり、前記聴取位置の後方の所定位置の仮想音源から前記聴取位置までの頭部伝達関数と、から得られる仮想音源定位フィルタによって前記サラウンドチャンネルの音声信号の信号処理を行う手段であることを特徴とするオーディオ再生システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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