JP2006303658A - 再生装置および再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】受聴者(ユーザ)が左右のスピーカの真ん中である対称軸上にいなくても、コンテンツ制作者が意図した音像やステレオ感を知覚できるように音場を形成する。
【解決手段】アレイスピーカシステム34の各スピーカに供給する複数のチャンネルの音声信号を音声データデコーダにより形成する。この複数のチャンネルの音声信号に対して、音場生成処理回路が音場制御回路の制御を受けて信号処理を施す。この信号処理により、対になる音源のそれぞれから音声が放音するようにされると共に、これらから放音するように知覚される音声の放音方向(受聴者への到来方向)と、対となる音源を結ぶ直線との成す角が小さくなるにしたがって、音声の音圧レベルが高くなるようにし、受聴エリアの何処にいても所定の位置に音像を知覚できるようにする。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、音声信号や音声信号と映像信号とが同期を取って再生するようにされるいわゆるAV(Audio/Visual)信号を再生する装置、方法に関する。
音声信号を再生する方式として、従来から左右2チャンネルのインテンシティステレオ方式が用いられている。例えば、図15に示すような左右2チャンネルのインテンシティステレオ方式について考える。なお、以下においては、左右2チャンネルの音声チャンネルの内、左チャンネルをLchと略称し、右チャンネルをRchと略称し、左チャンネルのスピーカをLchスピーカと、右チャンネルのスピーカをRchスピーカとそれぞれ略称する。
通常、インテンシティステレオ方式の録音方法では、歌手の歌声や映画の台詞などの音源信号は中央位置から聞こえるようにLchとRchとに同じレベル、同じタイミングで記録するようにされている。このような音声信号(音源信号)を、図15に示すようなLchとRchとを有するステレオ再生装置で普通に再生して聴取するようにした場合、LchスピーカとRchスピーカとの間の中央位置SPCの正面のユーザ位置(受聴位置)A、DにおいてLchスピーカとRchスピーカから放音された音声を受聴(聴取)するようにすると、音声は中央位置SPCから放音されているように聞こえる。
しかし、図15において、Lch側に片寄った受聴位置B、Eにおいて放音音声を聴取すると、放音音声はユーザ位置B、Eに近い方のLchスピーカに片寄って聞こえ、さらに片寄りが大きい受聴位置C、Fでは、放音音声は受聴位置C、Fに近い方のLchスピーカからのみ聞こえてしまい、音声が放音されているにもかかわらず、Rchスピーカからの音声を聴取することができなくなってしまう。
これは、同じ音源に由来する信号であれば、受聴者に早く到来した音の方向に音像を知覚するという先行音定位現象によるためである。このため、複数の人数、例えば3人で音楽番組や映画を見るとき、真ん中に座った人は、本来の音像の定位位置である中央位置SPCから聞こえるようにされた音声を楽しむことができるが、その両脇に座った人は、近い方のスピーカに片寄った音を聞くことになり、左右のスピーカから放音される音声が不自然な聞こえになってしまう。特に、広い部屋でLchとRchのスピーカを離して設置した場合や画面の両脇にスピーカが付いている大画面のテレビを楽しむときにはこの不自然さが問題になる。
このような問題を解消するため、後に記す特許文献1には、先行音定位効果と後向性マスキング(後から到来する大きな音が先に到来した小さな音をマスクする)とを利用し、例えば、図16に示すように、受聴エリアを左側AL、中央AC、右側ARの3エリアに分割し、指向性をもつ複数のスピーカを用いると共に、位相反転回路と遅延回路とを用いて、それぞれの受聴エリアへの信号の到達時間と到達レベルを制御することにより、3つのどこの受聴エリアでも良好な音像定位感を得られるようにする技術が開示されている。
なお、図16に示した例の場合には、Lch、Rchとも、正面方向、受聴エリアの内側方向、受聴エリアの外側方向というように、指向方向が異なる3つのスピーカを用いた場合を示している。
なお、上述した特許文献1は、以下の通りである。
特開昭63−26198号公報
ところで、上述した特許文献1に記載の技術は、3つのどこのエリアでも良好な音像定位感が得られるので有効性の高い技術であるが、位相反転や遅延の処理を行って生成される音場を制御しているので、3つのエリアの境界付近では、期待した効果が得られにくかったり、また、左右のスピーカの位置よりも外側(図16の受聴位置C、F)では原理的に効果が期待できなかったりする問題がある。また、受聴エリアの外側に向いたスピーカによって、目的のエリアの外に音を放射するのでエリア外では不要な音(騒音)となったり、それが反射して受聴エリアに戻り、放音音声の聞こえを悪くしたりするという不都合が生じる場合もあると考えられる。
例えば、音楽再生用のリスニングルームをもつことができる場合や、一人で音楽を楽しむときには、LchスピーカとRchスピーカと受聴点とが正三角形の頂点になるような配置をとることによって、良好な再生音場を形成することが可能である。しかし、リビングルームなどでは、必ずしも左右スピーカの中央位置で放音された音声を受聴(聴取)することができるとは限らず、また、家族など多人数で受聴するときには左右スピーカの中央位置で受聴できる人は一人のみで他の多くの人は左右のどちらかに片寄った位置で音声を聞くことになる。
このため、LchスピーカとRchスピーカとのどちらか一方に片寄った位置でLchスピーカとRchスピーカとから放音される音声を受聴するようにした場合には、コンテンツ制作者が意図したような音像やステレオ感を知覚することができない。特に、テレビ視聴などのように画面に表示する画像を伴った場合には俳優の位置と音像位置との不一致が生じ、不自然になるなどの不都合が生じる場合もあると考えられる。
以上のことに鑑み、この発明は、受聴者(ユーザ)が左右のスピーカの真ん中であって、受聴エリアを2等分する対称軸上にいなくても、コンテンツ制作者が意図した音像やステレオ感を知覚できるように音場を形成できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の再生装置は、
再生対象の音声信号に基づいて、対になる音源から音声を放音するための複数のチャンネルの音声信号を形成する形成手段と、
前記形成手段からの前記複数のチャンネルのそれぞれの音声信号に対して、目的とする音場を形成するための信号処理を施す信号処理手段と
を備え、
前記信号処理手段は、前記対になる音源のそれぞれについて、前記音源から受聴位置へ向かう音声の放音方向と、前記対になる音源同士を結ぶ直線との成す角の角度が小さくなる前記放音方向の音声ほど、その音圧レベルが大きくなるように音圧分布を傾斜させる処理を施すことを特徴とする。
このような構成を有する請求項1の発明によれば、形成手段により形成するようにされる複数チャンネルの各音声信号は、信号処理手段により信号処理される。この信号処理により、例えば、左チャンネルと右チャンネルというように、対となる音源(放音源)が形成するようにされ、これらから放音するように知覚される音声の放音方向(受聴者への到来方向)と、対となる音源を結ぶ直線との成す角が小さくなるにしたがって、音声の音圧レベルが高くなるようにされ、受聴エリアにおける音圧分布が傾斜を持つようにされる。
これにより、対になる音源のそれぞれから等しい距離にある受聴エリアの対象軸上では、受聴者の両耳への到来音の到来時刻(到来タイミング)と音圧レベルは同じになるので、通常通り音像を対になる音源の間の中央に知覚できるようにされる。さらに、対になる音源のいずれか一方に片寄った位置では、受聴者の両耳への到来音は両耳間時間差(両耳間の音声の到来時間差)については近い方の音源からの音声の方が早くなるが、両耳間レベル差(両耳間の音圧レベル差)については遠い方のチャネルの方が大きくなるようにされる。したがって、対になる音源のいずれか一方に片寄った位置においても、両耳間時間差と両耳間レベル差の交互作用によって、音像の知覚を対になる音源のそれぞれから等しい距離にある受聴エリアの対象軸上の受聴位置にいるときと同じにすることができる。
この発明によれば、対になる音源のそれぞれからの距離が等しくなる所定のエリアで当該音源からの音声を受聴していない場合であっても、音像の定位位置と受聴音声のステレオ感を、対になる音源から等距離で放音音声を受聴(聴取)しているときと同じにすることができる。したがって、広い受聴エリアのどの位置にいても、受聴位置によって音像の定位位置が移動するために違和感を生じさせるなどのことなく、ステレオ音楽や映画のマルチチャンネル音声を楽しむことが可能な再生音場を形成することができる。
以下、図を参照しながら、この発明による装置、方法の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、この発明による装置、方法を、映像データや音声データが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクの再生装置に適用した場合を例にして説明する。
[再生装置の構成と動作]
図1は、この実施の形態の再生装置を説明するためのブロック図である。図1に示すように、この実施の形態の再生装置は、光ディスク読み出し部1と、逆多重化回路2と、音声データ処理系3と、映像データ処理系4とを備えたものである。音声データ処理系3は、音声データデコーダ31と、音場生成回路32と、nチャンネル増幅回路33と、アレイスピーカシステム34と、音場制御回路35とからなり、また、映像データ処理系4は、字幕データデコーダ41、字幕再生回路42、映像データデコーダ43、映像再生回路44、スーパーインポーズ回路45、映像表示装置46とからなっている。
光ディスク読み出し部1は、図示しないが、光ディスクの装填部、スピンドルモータなどを備えた光ディスクの回転駆動部、レーザ光源、対物レンズ、2軸アクチュエータ、ビームスプリッタ、フォトディテクタ等の光学系を備えた光ピックアップ部、光ピックアップ部を光ディスクの半径方向に移動させるためのスレッドモータ、各種のサーボ回路などを備えたものである。
そして、光ディスク読み出し部1は、これに装填された光ディスクに対してレーザビームを照射し、その反射光を受光することにより、当該光ディスクに記録されている映像データ、字幕データ、複数チャンネルの音声データ、その他の種々のデータが多重化されている多重化データを読み出して、エラー訂正等の必要な処理を行い、これを逆多重化回路2に供給する。
なお、この実施の形態において、光ディスク読み出し部1に装填された光ディスクに記録されている映像データ、字幕データ、複数チャンネルの音声データのそれぞれは、所定の符号化方式でデータ圧縮されているものである。
また、光ディスクに記録されて提供される複数チャンネルの音声データとしては、2チャンネルのインテンシティステレオ音声データやその拡張されたものとして、5.1チャンネルステレオ音声データなどがある。ここで5.1チャンネルステレオの「.1」は低周波数成分を補うサブウーハーチャンネルであり、立体音響効果(ステレオ効果)とは関係がない。
そして、この実施の形態においては、説明を簡単にするために、再生対象の音声データは左右2チャンネルのインテンシティステレオ音声データであるものとする。すなわち、再生対象の音声データは、再生した場合にLchスピーカとRchスピーカとの間の中央部分に音像が定位するように、LchとRchとに同じレベル、同じタイミングで記録するようにされたものである。
逆多重化回路2は、これに供給された多重化データから映像データ、字幕データ、左右2チャンネルの音声データ、その他の種々のデータを分離する。そして、逆多重化回路2は、分離した左右2チャンネルの音声データのそれぞれを音声データ処理系3の音声データデコード部31に供給し、分離した字幕データを映像データ処理系4の字幕データデコーダ41に供給し、分離した映像データを映像データ処理系の映像データデコーダ43に供給する。その他のデータは、図示しない制御部に供給され、種々の制御などのために用いられることになる。
映像データ処理系4の字幕データデコーダ41は、これに供給された字幕データについて、圧縮解凍処理等を行って、データ圧縮前の元の字幕データを復元し、これを字幕再生回路42に供給する。字幕再生回路42は、これに供給された圧縮解凍後の字幕データをアナログ信号に変換するD/A(Digital/Analog)変換処理などの必要な処理を行って、映像信号に合成する字幕信号を形成し、これをスーパーインポーズ回路45に供給する。
また、映像データ処理系4の映像データデコーダ43は、これに供給された映像データについて、圧縮解凍処理等を行って、データ圧縮前の元の映像データを復元し、これを映像再生回路44に供給する。映像再生回路44は、これに供給された圧縮解凍後の映像データをアナログ信号に変換するD/A(Digital/Analog)変換処理などの必要な処理を行って、映像を再生するための映像信号を形成し、これをスーパーインポーズ回路45に供給する。
スーパーインポーズ回路45は、これに供給された映像信号に字幕信号を合成するようにする所定の処理を行い、字幕が合成するようにされた映像信号を形成し、これを映像表示装置46に供給する。映像表示装置46は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode-Ray Tube)等の表示素子を備えたものであり、スーパーインポーズ回路45からの映像信号に応じた映像を当該表示素子の表示画面に表示する。
このようにして、光ディスクから読み出された映像データと字幕データとに応じた映像が、映像表示装置の表示画面に表示するようにされる。なお、この実施の形態においては、再生装置自身が、映像表示装置までをも備えるものとして説明したが、これに限るものではない。スーパーインポーズ回路45からの再生用の映像信号を外部に設けられるモニタ受像機に供給する構成とすることもできるし、また、スーパーインポーズ回路45からの再生用の映像信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog/Digital)変換処理して、デジタル出力するように構成することも可能である。
一方、音声データ処理系1の音声データデコーダ31は、これに供給された左右2チャンネルの音声データのそれぞれについて、圧縮解凍処理等を行ってデータ圧縮前の元の音声データを復元すると共に、この復元した音声データから、後述もするように複数個(例えば12個〜16個)の小型のスピーカ(電気音響変換器)が隣接して設けられることにより構成されるアレイスピーカシステム34のそれぞれのスピーカに対応する複数チャンネルの音声データを形成し、これらを音場生成処理回路32に供給する。すなわち、音声データデコーダ31は、音場生成のための信号処理の対象となる各チャンネルの音声信号を形成する形成手段としての機能を有している。
音場生成処理回路32は、これに供給される複数チャンネルの音声データのそれぞれに対応するデジタルフィルタ回路を備え、音場制御回路35からの制御に応じて、アレイスピーカシステム34を構成するそれぞれのスピーカに対応する複数チャンネルの音声データのそれぞれに対して、デジタル信号処理を施すことによって、アレイスピーカシステム34を構成するそれぞれのスピーカから放音される音声により、左右2チャンネルの仮想音源(仮想スピーカ)を形成するようにし、立体音響効果(ステレオ効果)を実現できるようにする部分である。
そして、音場生成処理回路32において処理された複数チャンネルの音声データは、nチャンネル(複数チャンネル)増幅回路33に供給される。nチャンネル増幅回路33は、これに供給される複数チャンネルの音声データのそれぞれをアナログ音声信号に変換するD/A変換処理を行うと共に、そのそれぞれについて所定のレベルにまで増幅し、増幅処理後の複数チャンネルの音声信号のそれぞれをアレイスピーカシステムを構成する複数のスピーカの内の対応するスピーカに供給する。
アレイスピーカシステム34は、上述もしたように、例えば12個〜16個の小型のスピーカが隣接して設けられることにより構成されるものであり、そのそれぞれのスピーカから、これに供給された音声信号に応じた音声を放音することにより、Lch(左チャンネル)とRch(右チャンネル)の仮想音源が形成するようにされ、立体音響効果が実現するようにされる。
なお、上述もしたように、音場制御回路35は、適切な音場を形成することができるように、音場生成処理回路32を構成する複数のデジタル信号処理回路のそれぞれを制御し、適切な音場を形成することができるようにするものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備え、マイクロコンピュータの構成とされたものである。
すなわち、この実施の形態の再生装置において、音場生成処理回路32と音場制御回路35とにより、目的とする音場を形成して制御するための信号処理手段としての機能を実現するようにしている。
このようにして、光ディスクに記録されている左右2チャンネルの音声データに応じた音声がアレイスピーカシステム34から放音するようにされ、光ディスクに記録されている複数チャンネルの音声データを再生して利用することができるようにされる。
そして、光ディスク読み出し部1に装填された音声データや映像データは、それらが同期を取って再生するようにされる音声データと映像データとで構成される映画コンテンツであり、音声データ処理系3と映像データ処理系4との処理が同期を取って実行され、再生対象の光ディスクに記録されている音声データに応じた音声と、再生対象の光ディスクに記録されている映像データに記録されている映像データとが同期を取って再生するようにされる。
さらに、この実施の形態の再生装置においては、音場生成処理回路32および音場制御回路35により、左右の仮想音源のそれぞれから等距離となる位置が受聴位置でない場合であっても、左右の仮想音源のそれぞれからの音声を聴取するようにした場合に、左右の仮想音源の中間位置に音像が定位するようにしている。
[ステレオ再生における音像位置について]
ここで、一般的な2チャンネルインテンシティステレオ方式の再生における音像位置について説明する。2チャンネルインテンシティステレオ方式の再生では、LchスピーカとRchスピーカとの間に音像を定位させるために、その音像位置に対応してLchとRchとへの信号のレベル配分を制御する。
例えば、LchスピーカとRchスピーカとの間のちょうど中央の位置(中央位置)に音像を定位させるときには、LchとRchとへの音声信号の信号レベルの配分を同じにする。当該中央位置から例えば右側(Rchスピーカ側)へずれた位置へ音像を定位させるときにはRchへの信号のレベル配分を大きくする(参考文献:日本音響学会誌33巻3号116−127ページ、「ステレオ音場の解析法とその応用」、表2参照)。
インテンシティステレオ方式では、音像位置を制御するときにはLchとRchとへの信号配分の時間タイミングは同じであり、LchとRchへのレベル配分のみを変化させる。インテンシティステレオ方式の再生での音像位置の設定は、例えば上述した図15に示した受聴位置A、Dなど、受聴位置が左右のスピーカからの距離がほぼ等しくなる位置である場合を想定して行われており、例えば上述した図15に示した受聴位置B、C、E、Fなどのように、受聴位置が左右のどちらかにずれた場合には、想定した音像方向と異なる方向へ音像が知覚されることになる。
例えば、中央位置(図15に示した所定の受聴エリアにおける位置SPCなどの位置であって、受聴者の正面の位置となる想定した音像定位位置)に音像を定位させるためにLchとRchとに同じレベルに配分した音源があっても、上述した図15の受聴位置B、C、E、Fなどのように、受聴位置が左に片寄っていれば、中央位置に音像を知覚することができず、先行音効果によって、先に到来した音の方向であるLchスピーカの位置に音像を知覚してしまう。
また、Lch、Rchのスピーカからの音波の放射は、例えば、図2のLchスピーカからの音の放射図に示すように、通常、できるだけいずれの方向にも均等な音圧になるようにしているので、受聴位置が左に寄ればLchスピーカからの大きな音を受聴することになり、音像位置は左側に片寄ってしまう。
この実施の形態の再生装置は、上述もしたようにアレイスピーカシステム34を備えている。アレイスピーカシステム34は、例えば、図3に示すように、複数個(例えば16個)の小型スピーカが隣接して設けられて構成されたものであり、後述もするように、音場生成と制御の技術(波面合成の技術など)を用いることにより、図3において点線で示したたように、左の仮想音源(仮想スピーカ)SPL、右の仮想音源(仮想スピーカ)SPRを設けるようにしている。そして、仮想音源SPL、SPRの方向から音声が放音されているように受聴者が知覚できるようにすることによって、図3において、アレイスピーカシステム34の中央である想定した音像位置(想定音像位置)SPCに音像を定位させることができるようにしている。
しかし、このままでは、図3において中央位置である受聴位置A、Dにおいては、想定音像位置SPCに音像を定位させる(受聴者に知覚させる)ことができるが、受聴位置B、Eでは、音像が知覚される位置は、想定音像位置SPCとはずれてしまい、受聴位置C、Fにおいては、音像の知覚される位置は、さらにずれることになる。
そこで、この実施の形態の再生装置においては、放音される音声の両耳間でのレベル差と時間差の交互作用(time-intensity trading)を利用して、広い受聴範囲のいずれの位置でも音像を想定した方向へ知覚できるようにしている。具体的には、音場生成処理回路32、音場制御回路35の機能により、音波の波面合成の手法を用いることによって実現するようにしている。
[両耳間レベル差と両耳間時間差の交互作用について]
ここで、両耳間レベル差と両耳間時間差の交互作用について説明する。図4〜図7は、両耳間レベル差と両耳間時間差の交互作用について説明するための図である。図4に示すように、独立した音源Gがあり、この音源Gの正面となる受聴位置Aと、受聴位置Aに対して左側にずれた受聴位置Bと、さらに左側にずれた受聴位置Cとにおいて、音源Gから放音される所定のテスト信号(インパルス信号)を聴取する場合を考える。
このような環境下において、受聴位置Aにおける受聴者の左右の耳へのインパルス波形を図5(a)、(b)に示し、受聴位置Bにおける受聴者の左右の耳へのインパルス波形を図5(c)、(d)に示し、受聴位置Cにおける受聴者の左右の耳へのインパルス波形を図5(e)、(f)に示している。
換言すれば、図5に示す各インパルス波形は、音源Gから所定のインパルス信号を放音した場合におけるそれぞれの受聴位置における受聴者の左右の耳のそれぞれの近傍において計測されるインパルス波形であり、図5(a)、(b)は、受聴位置Aにおける受聴者の左右の耳のそれぞれの近傍でのインパルス波形を示し、図5(c)、(d)は、受聴位置Bにおける受聴者の左右の耳のそれぞれの近傍でのインパルス波形を示し、また、図5(e)、(f)は、受聴位置Cにおける受聴者の左右の耳のそれぞれの近傍でのインパルス波形を示している。
したがって、インパルス波形の発生時点が当該インパルス信号についての受聴者の耳への到達時刻(到達タイミング)を示し、各インパルス信号の振幅は、受聴者の耳に到達した音声の音圧レベル(信号レベル)を示している。
そして、図4に示した受聴位置Aにおいて受聴者が音源Gと対向している場合、受聴者の左耳と右耳の音源Gに対する距離は同じである。このため、この場合には、図5(a)、(b)に示したように、左右の耳へのインパルス信号の波形より、到達時刻、音圧レベルは、左右の耳において同じであることが分かる。
しかし、図4に示した受聴位置Bにおいて受聴者が正面を向いている場合、左耳と右耳の音源Gに対する距離や向きが異なることとなる。すなわち、右耳の方が音源Gに近い。この場合には、図5(c)、(d)に示したように、左耳へのインパルス信号よりも、右耳へのインパルス信号の方が、到達時刻が早く、音圧レベルも大きい。また、インパルス信号の左右の耳への到達時刻は、受聴位置Aにおいての場合よりも遅れているし、インパルス信号の左右の耳への音圧レベルは、受聴位置Aにおいての場合よりも小さくなっている。
同様に、図4に示した受聴位置Cにおいて受聴者が正面を向いている場合には、受聴位置Bの場合と比べ、左耳と右耳の音源Gに対する距離や向きがさらに異なることとなる。このため、この場合においても、図5(e)、(f)に示したように、右耳へのインパルス信号の方が、左耳へのインパルス信号よりも到達時刻が早く、音圧レベルも大きいが、インパルス信号の左右の耳への到達時間は、受聴位置A、受聴位置Bにおいての場合よりも遅れているし、インパルス信号の左右の耳への音圧レベルは、受聴位置A、受聴位置Bにおいての場合よりも小さくなっている。
このように、通常、独立した音源Gから受聴者の両耳へ空間を伝播して到来する音は、例えば図4の受聴位置B、Cに受聴者がいる場合のように、音源が受聴者の右側にあれば、右耳への到来時刻の方が左耳への到来時刻よりも早いという両耳間時間差が生じ、また、右耳への到来する音圧の方が左耳に到来する音圧よりも大きいという、両耳間時間差(音の到達時刻の時間差)、両耳間レベル差(音圧のレベル差)が生じる。
そこで、両耳間時間差と両耳間レベル差との調整が可能なヘッドホンなどを用いた音声の実験系を考える。図6は、両耳間時間差と両時間レベル差との調整が可能な、ヘッドホンを用いた音声の実験系の一例を説明するための図である。図6に示す音声の実験系は、左チャンネルには、ディレイ(遅延回路)102L、増幅器103Lと、左ヘッドホンスピーカLを設け、右チャンネルには、ディレイ(遅延回路)102R、増幅器103Rと、右ヘッドホンスピーカRとを設けたものである。
そして、信号発生器101からの音声信号が、左右両チャンネルに供給するようにされており、左チャンネルの音声信号については、ディレイ102L、増幅器103Lによって、左スピーカLを通じてユーザに提供される音声の到達時刻、音圧レベルを調整でき、右チャンネルの音声信号については、ディレイ102R、増幅器103Rによって、右スピーカRを通じてユーザに提供される音声の到達時刻、音圧レベル(信号レベル)を調整できるというように、左チャンネルと右チャンネルとで独立に到達時刻と音圧レベルとのそれぞれを調整できるようにしたものである。したがって、図6に示した実験系は、両耳間時間差と両時間レベル差との調整ができるようにされたものである。
そして、図6に示した音声の実験系において、(A)左右の耳に対して同じ提示タイミング、同じ信号レベルで音を提示した場合、(B)右耳への音の提示タイミングが早く、信号レベルも右耳の方が大きい音を提示した場合、(C)音の提示タイミングは右耳の方が早いが、信号レベルは左耳の方が大きい音を提示した場合のそれぞれについて考察する。
図7は、上記(A)、(B)、(C)の場合のユーザの左右の耳への音の提示時刻(到達時刻)と音圧レベル(信号レベル)とを示した図である。すなわち、図7のインパルス波形のそれぞれは、所定の環境下におけるユーザの左右の耳のそれぞれにおける音の到達時刻(到達タイミング)を示すと共に、その振幅の大きさによって音圧レベル(信号レベル)を示している。
上述の(A)左右の耳に対して同じ提示タイミング、同じ信号レベルで音を提示した場合には、図7Aの(1)、(2)に示したように、左右の耳への音の到達時刻と音圧レベルとは、左右の耳において同じである。
また、(B)右耳への音の提示タイミングが早く、信号レベルも右耳の方が大きい音を提示した場合には、図7B(1)、(2)に示したように、到達時刻は、左耳の場合よりも、右耳の場合の方が早く、音圧レベルは、左耳の場合よりも、右耳の場合の方が大きくなっている。
また、(C)音の提示タイミングは右耳の方が早いが、信号レベルは左耳の方が大きい音を提示した場合には、図7C(1)、(2)に示したように、到達時刻は、右耳の方が早いが、音圧レベルは、左耳の方が大きくなっている。
そして、(A)左右の耳に対して同じ提示タイミング、同じ音圧レベルで音を提示した場合(図7Aの(1)、(2)に示した状態にある場合)においては、提示された音の音像は、ユーザの左右両方の耳からの距離が等しい位置(中央位置)に知覚される。また、(B)右耳への音の提示タイミングが早く、音圧レベルも右耳の方が大きい音を提示した場合(図7B(1)、(2)に示した状態にある場合)においては、提示された音の音像は、ユーザの右耳側に片寄った位置に知覚される。
しかし、(C)音の提示タイミングは右耳の方が早いが、信号レベルは左耳の方が大きい音を提示した場合(図7C(1)、(2)に示した状態にある場合)においては、(B)右耳への音の提示タイミングが早く、信号レベルも右耳の方が大きい音を提示した場合(図7B(1)、(2)に示した状態にある場合)に比べて、提示された音の音像が、ユーザの左右両方の耳からの距離が等しい位置である中央位置に戻って知覚される現象を確認することができる。
この図6、図7を用いて説明した例のように、例えば、左耳の方よりも右耳の方が音の到来時刻が早いという両耳間時間差と、右耳の方よりも左耳の方が音圧レベルが大きいという両耳間レベル差とが交換できることを両耳間でのレベル差と時間差との交互作用(time-intensity trading)という。
従来、両耳間でのレベル差と時間差の相互作用は、1つの音源に対して起こる現象として知られていたが、本発明者らは、LchスピーカとRchスピーカとの2つの音源によって生じるインテンシティステレオ音像のような融合音像にも適合できることを確認するに到り、上述もしたように、この両耳間でのレベル差と時間差との交互作用(time-intensity trading)を利用することによって、広い受聴範囲においても音像を想定した方向に知覚できるようにしている。
そして、この実施の形態の再生装置においては、両耳間でのレベル差と時間差との交互作用(time-intensity trading)を利用するために、上述もしたように、音場生成と制御の技術(波面合成の技術)を用いて、両耳間時間差による音像位置のずれを相殺するようにし、逆方向の両耳間レベル差が生じるようにするために、音場の音圧分布を制御するようにしている。
[音場生成と制御の技術について]
ここで、音場生成と制御の技術(波面合成の技術)について説明する。3次元空間の音場を制御する方法としては、例えば、「早稲田大学理工学総合研究センター、音響情報処理研究室、山崎芳男、“Kirchhoff積分方程式に基づく3次元バーチャルリアリティに関する研究”」に示されているように、以下のようなキルヒホッフ(Kirchhoff)の積分公式を用いる方法がある。
すなわち、図8に示すような、音源を含まない閉曲面Sを想定した場合、その閉曲面S内の音場は、キルヒホッフの積分公式によって表現することができる。図8において、p(ri)は閉曲面S内の点riの音圧、p(rj)は閉曲面S上の点rjの音圧、nは点rjにおける法線、un(rj)は法線nの方向の粒子速度、|ri−rj|は点riと点rjとの間の距離である。
キルヒホッフの積分公式は、図9の式(1)で表され、閉曲面S上の音圧p(rj)と法線nの方向の粒子速度un(rj)を完全に制御できれば、閉曲面S内の音場を完全に再現できることを意味する。
なお、式(1)中のωは、音声周波数をfとするとき、ω=2πfで表される角周波数であり、ρは空気の密度であり、Gijは図9の式(2)で表されるものである。
式(1)は定常音場についてのものであるが、音圧p(rj)および粒子速度un(rj)の瞬時値を制御することによって、過渡音場についても同じことが言える。
このように、キルヒホッフの積分公式による音場設計では、仮想的な閉曲面S上の音圧p(rj)と粒子速度un(rj)を再現できればよいが、実際上、閉曲面S上の全ての連続的な点での音圧p(rj)および粒子速度un(rj)を制御することは不可能であるため、閉曲面Sの微小要素内では音圧p(rj)および粒子速度un(rj)が一定であることを前提として、閉曲面Sを離散化する。
閉曲面SをN個の点で離散化すると、図9の式(1)は同図の式(3)で表されるものとなり、閉曲面S上のN点の音圧p(rj)および粒子速度un(rj)を再現することによって、閉曲面S内の音場を完全に再現することができる。
N点の音圧p(rj)および粒子速度un(rj)をM個の音源によって再現するためのシステムとしては、図10に示すようなシステムが考えられている。
このシステムでは、信号源201からの音声信号を、それぞれフィルタ202を通じて、それぞれスピーカ203に供給し、制御領域204の境界面上のN点で音圧を測定する。法線方向の粒子速度un(rj)は、2マイクロホン法によって音圧信号から近似的に求める。
このとき、N点の音圧p(rj)および粒子速度un(rj)を再現するためには、2N点の音圧が原音場と等しくなればよい。これは、フィルタ2の伝達関数Hi(i=1〜M)として、2N点の音圧が原音場に最も近くなるような値を求める問題に帰着する。
そこで、再生音場における音源i(i=1〜M)と受音点j(j=1〜2N)との間の伝達関数をCijとし、音源iの前段のフィルタの伝達関数をHiとし、原音場における音源と受音点jとの間の伝達関数をPjとして、図9の式(4)で表されるような、再生音場と原音場との差を最小にするための評価関数Jを考える。
式(4)で表される評価関数Jが最小となるような伝達関数Hiを求めるには、図9の式(5)を解けばよい。
さらに、キルヒホッフの積分公式の半空間への拡張として、図11に示すように、境界面S1の片側(図の左側)の空間に音源205を配置し、反対側(図の右側)の空間に音源を含まない受聴領域206を想定して、キルヒホッフの積分公式によって、境界面S1上の全ての点または上記のような離散的な各点での音圧および粒子速度を制御すれば、音源を含まない受聴領域206内に所望の音場を実現することができる。
具体的には、図12に示すように、ある有限長の制御ライン(境界ライン)S2の左側(片側)に複数のスピーカSP1,SP2‥‥SPmを配置し、制御ラインS2上に複数の制御点C1,C2‥‥Ckを設定して、各制御点C1,C2‥‥Ckでの音圧(振幅)および位相を制御することによって、制御ラインS2の右側(スピーカSP1,SP2‥‥SPm側とは反対側)の受聴領域において、リスナー7がスピーカSP1,SP2‥‥SPmからの音を制御ラインS2の左側(スピーカSP1,SP2‥‥SPm側)の仮想点音源208からの音として受聴できるようにする。
このように、各スピーカに供給する音声信号の位相(遅延時間)と音圧(音圧レベル)とを制御することにより、目的する音場を生成し、制御することが可能である。そして、この実施の形態の再生装置においては、音場制御回路35が、音場生成処理回路32が有するフィルタ回路の係数等を制御することによって、音圧分布を制御し、両耳間時間差による音像位置のずれを相殺することができるように、左右の耳の間で逆方向の音圧レベル差(両耳間レベル差)を生じさせるようにしている。
すなわち、この実施の形態の再生装置においては、音場制御回路35が、音場生成処理回路32を制御して、各スピーカに供給する音声信号の音圧レベルと遅延時間との一方あるいは両方を制御することによって、再生音場における音圧分布を音声の放音方向に応じて傾斜させ、受聴エリアにおける音圧分布を目的の分布とするようにしている。
[実施の形態の再生装置においての音場生成と制御]
図13は、この実施の形態の再生装置において行う音場生成と制御について説明するための図である。この実施の形態の再生装置は、図13A、Bに示すように、16個のスピーカSP1〜SP16が隣接して配置されることによって構成されたアレイスピーカシステム34を備えるものである。
この実施の形態の再生装置のアレイスピーカシステム34においては、音場生成処理回路32、音場制御回路35の機能により、各スピーカSP1〜SP16のそれぞれに供給される音声信号が処理されて、図13A、Bに示すように、左の仮想音源SPLと右の仮想音源SPRとから音が到来するようにされる。
そして、この実施の形態の再生装置においては、音場生成処理回路32、音場制御回路35の機能により、各スピーカSP1〜SP16のそれぞれに供給される音声信号に処理を加えることによって、その音圧分布が、仮想音源SPL側においては、図13Aに示すように、仮想音源SPLの正面方向の受聴エリアでは音圧が小さくなるようにし、逆に仮想音源SPLの反対側の仮想音源SPR側の受聴エリアに向かっては大きな音を放射して仮想音源SPLから遠い右側の受聴エリアでも左方向からの到来音が大きくなるようにする。
同様に、仮想音源SPR側においては、図13Bに示すように、仮想音源SPRの正面方向の受聴エリアでは音圧が小さくなるようにし、逆に仮想音源SPRの反対側の仮想音源SPL側の受聴エリアに向かっては大きな音を放射して仮想音源SPRから遠い左側の受聴エリアでも右方向からの到来音が大きくなるようにする。
図13において、矢印の方向は、各仮想音源SPL、SPRからの音声の放射方向(放音方向)を示し、各矢印の太さは、その方向に放射される音声の音圧レベルに対応している。図13Aにおいては、各矢印L1、L2、L3、L4のそれぞれが示す方向に放射される音声の音圧レベルは、仮想音源SPLと仮想音源SPRとを結ぶ直線と、各矢印L1、L2、L3、L4のそれぞれとが成す角の角度が小さくなるにしたがって高くなるようにされる。すなわち、各矢印L1、L2、L3、L4の方向の音声の音圧レベルについての関係は、L1>L2>L3>L4という関係になる。
また、図13Bにおいては、各矢印R1、R2、R3、R4のそれぞれが示す方向に放射される音声の音圧レベルは、仮想音源SPLと仮想音源SPRとを結ぶ直線と、各矢印R1、R2、R3、R4のそれぞれとが成す角の角度が小さくなるにしたがって高くなるようにされる。すなわち、各矢印R1、R2、R3、R4方向の音声の音圧レベルについての関係は、R1>R2>R3>R4という関係になる。
このように、アレイスピーカシステム34を構成する各スピーカに供給する音声信号に対して、上述のように音圧分布制御を行うことにより、左右チャネルに同じタイミングとレベルで録音され中央位置に定位させるべき音は、例えば、図3の受聴位置A、Dのように左右対称軸の受聴エリアでは両耳間時間差と両耳間レベル差が無いので音像は中央位置SPCに定位する。また、図3の受聴位置B、Eでは、音声の到来のタイミングは左側が早いが到来音のレベルは右側が大きいので音像は中央位置に知覚される。さらに、受聴位置が左右の仮想音源SPL、SPCの範囲を超えて片寄った場合、例えば図3の受聴位置C、Fであっても、到来のタイミングは左が早いが到来音のレベルは右が大きいように制御されているので音像を中央に知覚できるようにすることが可能となる。
なお、この実施の形態の再生装置は、複数のスピーカを備えたアレイスピーカシステムを用いるものであり、アレイスピーカシステム34を構成する各スピーカに供給する音声信号に対して処理を施すものとして説明したが、インテンシティステレオ方式の左右の音声信号に対して上述のように音圧分布制御を行うことにより同様の効果を得られる。
また、左右のスピーカ間の任意の位置に音像を定位させるために左右のチャネルへ録音するレベル配分(音圧レベル分配)を変えて録音された音声信号についても、通常のステレオ再生装置で再生して図3の受聴位置Bや受聴位置Cなどのような片寄った位置で受聴した場合にも音像は先行音定位効果のために、先に音が到来する方向のスピーカ位置に定位してしまう。
このような左右のチャネルへ録音するレベル配分を変えて録音された信号についても本発明の音圧分布制御を用いれば、図3の受聴位置Bや受聴位置Cで音声を受聴する場合であっても左右のスピーカ間、この実施の形態においては左右の仮想音源SPL、SPR間の所定の位置に音像を定位させることができる。
また、左右のチャネルのどちらかにしか録音されておらず、スピーカ位置から音が聞こえるように録音された信号がある場合、例えば左チャネルにのみ録音された楽器がある場合などにおいては、図3の受聴位置Bや受聴位置Cでは、仮想音源SPLのほうが近くにあることになるのでその楽器の音が目立って聞こえてしまい、空間的なバランスのとれたステレオ音声としては聴することができない。
このような場合でも、この発明を用いることにより、図3の受聴位置Bや受聴位置Cへの左の仮想音源SPLからの音が小さく抑えられているので、右の仮想音源SPRから来る音とのバランスがとれたステレオ音場を再生して楽しむことができる。
また、図2に示したように、この実施の形態の再生装置においては、音圧分布が例えば仮想音源SPLに近い受聴エリアでは音圧が小さくなるように制御し、逆に仮想音源SPLから遠い受聴エリアに向かっては大きな音を放射して仮想音源SPLから遠い右側の受聴エリアでも左方向からの到来音が大きくなるように制御することを、音場を生成するアレイスピーカの左端よりもさらに左側に仮想音源SPLを配置して、インテンシティステレオの左右スピーカ間隔よりも短いアレイスピーカシステム34で実現するようにしている。
これは、アレイスピーカシステムが仮想音源SPL、SPRの間隔よりも短いためにアレイスピーカシステム34の端より外側の音圧が低下する性質を効果的に利用した例であり、仮想音源を点音源としてアレイスピーカの長さよりも外側に設定した場合に、仮想音源とアレイスピーカの端とを結んだ線よりも外側で仮想点音源からの音圧が低下する性質を効果的に利用している。
[音場生成と制御のシミュレーションについて]
次に、この実施の形態の再生装置における音場生成と制御についてのシミュレーションの結果について説明する。図14A、Bは、この実施の形態の再生装置において、インテンシティステレオ信号の右チャンネルの音声信号を空間に放射した場合の音圧分布を等高線図形式で表すようにしたものである。図14A、Bにおいては、音圧レベルが5dB異なるごとに、その領域を等高線で示すようにしている。また、図14A、Bにおける半円形状の点線は、音波の波面の拡がりの等時刻曲線である。
この図14の音圧分布図は、右チャンネルについてのものであるが、これと左右対称に左チャンネルの音声信号についても音圧分布させる。また、このシミュレーションの場合には、アレイスピーカシステムを構成するスピーカは12個とし、音圧分布の描画範囲をスピーカ前面から10cm離れたところからにしている。
また、このシミュレーション環境において、図14Aに示した受聴位置Aが、受聴者が放音音声を聴取する想定した受聴位置である。また、このシミュレーション環境において、アレイスピーカシステム34の設置幅を映像表示装置46の表示画面の幅とすると、音像が配置される幅(ステレオ音場の幅)は、アレイスピーカシステム34の幅となる。
そして、例えば、アレイスピーカ前方10cmのライン上(図14A、Bの音圧分布描画範囲の上端の縁)に制御ポイントを設定し、各制御ポイントに波面が到達する時刻を音波拡がり等時刻曲線と同じ(図14A、Bの点線)になるように各スピーカからの放射タイミングを決定する。すなわち、各スピーカに供給する音声信号の遅延時間を決定する。
左右のどちらかのチャネルにのみミキシングされ、端に音像が定位するように設定された楽器音が端の方から聞こえるようにするために、音波拡がり等時刻曲線を決定する。具体的には、音像位置を両耳到来時間差で判断できるようにするために波面の拡がり等時刻曲線の法線方向が映像表示装置46の端になるようにする。実際には、図14A、Bに示したように、アレイスピーカ34の端より少し右に離れ、さらに少し遠く(図14A,Bでは上側)に離れたところに中心をもつ円とした方が効果が出る。
そして、音圧分布は、次のように設定する。中央に音像定位するように左右チャネルに均等にミキシングされた音声信号を映像表示装置の表示画面の端で聞いたとき、近いスピーカの方から音が到来するように音波拡がり等時刻曲線が設定されるので、それによる両耳間時間差を打ち消すような両耳間レベル差が生じるように音圧分布設定する。
具体的には、近いチャネル方向から来る音圧に対して遠いチャネル方向の音圧が5から10dB程度大きくなるようにする。例えば、右チャネルの音がアレイスピーカの右端正面付近につくる音圧とアレイスピーカ左端付近につくる音圧の差が5から10dBになるようにする。
このようにした場合において、図14Bに示すように、受聴位置A、B、Cにおいて音声を受聴する場合について考察する。図14Bもまた、図14Aの場合と同様に右チャンネルの音声信号の音圧分布であるので、右チャネルの音についてみれば、受聴位置A、B、Cのそれぞれにおける3人の受聴者の両耳での音圧レベルは右耳が小さいか、または、左右が同じ(左側の受聴位置Bの1人)であり、到来時刻は右側が早い。このとき右側からの音についての両耳間レベル差は1dB程度しかついていない。従って、右チャネルにしかミキシングされておらず右端に音像定位してほしい楽音は、両耳間時間差によって、3人とも右端に音像を知覚することが確認できる。
一方、左右の両チャネルの音声信号に均等にミキシングされ中央に音像定位してほしい楽音では、この図14Bと左右対称の音圧分布と音波拡がり等時刻曲線とをもつ左側の受聴エリアの音場の影響を考慮する必要がある。中央(図14Bの受聴位置A)の1人については、左右対称な音場なので、音像を中央(音像が配置される幅の中央であるアレイスピーカシステム34の横幅の中央部)に知覚する。
また、図14Bにおいて受聴位置Cの受聴者は右からの音声が早く到来するものの、遅れて5dB程度大きい音が左から到来するので、両耳間時間差と両耳間レベル差との交換作用により音像を中央に知覚する。この図14Bに示した受聴位置A、B、Cは、左右対称配置であり、右の人の左からの音圧レベルは、左の人の右からの音圧レベルと同じになるので、受聴位置Cの受聴者は、音像を中央に知覚することが分かる。また、受聴位置Bの受聴者の場合には、受聴位置Cの受聴者の場合と左右を逆にして考えればよいので、受聴位置Cの受聴者の場合と同様に音像を中央に知覚する。
このように、再生音場の音圧レベルの分布についてのシミュレーションからわかるように、各スピーカに供給する音声信号に対して、遅延時間と音圧レベルとを制御することにより、目的とする音圧分布の再生音場を形成することができる。
そして、音圧分布を仮想音源SPL側においては、図13Aに示したように、仮想音源SPLの正面方向の受聴エリアでは音圧が小さくなるようにし、逆に仮想音源SPLの反対側の仮想音源SPR側の受聴エリアに向かっては大きな音を放射して仮想音源SPLから遠い右側の受聴エリアでも左方向からの到来音が大きくなるようにすると共に、仮想音源SPR側においては、図13Bに示したように、仮想音源SPRの正面方向の受聴エリアでは音圧が小さくなるようにし、逆に仮想音源SPRの反対側の仮想音源SPL側の受聴エリアに向かっては大きな音を放射して仮想音源SPRから遠い左側の受聴エリアでも右方向からの到来音が大きくなるようにした再生音場を形成することによって、当該再生音場においては、広い受聴エリア内のそれぞれの場所で所望の位置に音像を知覚できるようにすることができる。
すなわち、再生音場のどの位置において放音音声を聴取した場合であっても、音像が定位する位置を想定された音像定位位置、すなわち、スピーカアレイシステムの中央位置SPCに定位させることができるようにされる。そして、左右の仮想音源SPL、SPRからの距離が等しい受聴位置にいなくても、想定された音像定位位置に音像を知覚することができるようにされる。
このように、この実施の形態の再生装置においては、各チャネルの音声信号による左右それぞれのチャネル側の正面方向の受聴エリアの音圧の方が反対側のチャネル方向の受聴エリアよりも小さくなるような音圧分布になるようにアレイスピーカシステム34の出力を制御することによって、左右のスピーカから等距離で受聴していない場合は、近い方のスピーカから早く音が到来するが、レベルは遠い方のスピーカからの受聴音の方が大きくなり、受聴エリアの真ん中で聞いていなくても音像の位置とステレオ感を左右のスピーカから等距離で受聴しているときと同じにすることができ、広い聴取位置でステレオ音楽や映画の音を楽しむことができる。
換言すれば、音声信号を再生するときに、広い受聴エリア内のそれぞれの場所で所望の位置に音像を知覚できるような両耳間差を再現するように音場を制御することができ、波面合成で仮想LRスピーカを受聴エリア前方に配置し、仮想LRスピーカから受聴エリアへの波面の伝搬を、LRそれぞれ反対側の方に大きな振幅が届くように制御することで、受聴者が受聴エリア内のどこにいても合成音像が所望の位置に知覚できるとともに、所望のステレオ感も得られる。
また、上述した実施の形態の音場生成処理回路32、音場制御回路35の機能を説明すると、音場生成処理回路32と音場制御回路35とが協働し、左右それぞれの方向から受聴エリアに向かって出力されるスピーカからの各チャネルの音響出力を制御して、それぞれのチャネル信号の音圧についてチャネル側の受聴位置よりも反対のチャネル側の受聴位置の方の音圧が大きくなるように音圧分布を傾斜させるようにしている。
また、処理対象の音声信号についての周波数帯域については、特に制約は無く、200Hz以上の周波数帯域の音声信号を処理する場合であれば、この発明を適用することにより、所定の受聴エリア内(音場内)においては、受聴位置に左右されることなく、目的とする位置に音像を定位させるようにすることが可能である。
なお、上述した実施の形態の再生装置においては、音声データデコーダ31において、アレイスピーカシステム34の各スピーカに供給する複数チャンネルの音声信号を形成し、音場生成処理回路32において複数のチャンネルのそれぞれの音声信号に対して、受聴エリアの音圧分布に傾斜を持たせるための信号処理を行うものとして説明したが、これに限るものではない。
例えば、音声データデコーダ31の機能と、音場生成処理回路32の機能と、音場制御部35の機能とを、1つのマイクロコンピュータによって実現するようにすることもできる。すなわち、再生対象の音声信号に基づいて、対になる音源から音声を放音するための複数のチャンネルの音声信号を形成する形成ステップと、この形成ステップにおいて形成した複数のチャンネルのそれぞれの音声信号に対して、目的とする音場を形成するための信号処理を施す信号処理ステップと設け、この信号処理ステップにおいて、対になる音源のそれぞれについて、音源から受聴位置へ向かう音声の放音方向と、対になる音源同士を結ぶ直線との成す角の角度が小さくなる放音方向の音声ほど、その音圧レベルが大きくなるように音圧分布を傾斜させる処理を施すようにする方法を用いることによって、上述した実施の形態の再生装置の場合と同様の処理を行うようにすることができる。
もちろん、この方法を用いる場合であっても、音源を形成するスピーカは、アレイスピーカシステムであってもよいし、また、信号処理としては、音声信号についての遅延時間と音圧レベルとの一方あるいは両方を制御することによって、音圧分布に傾斜を持たせた目的とする音場を形成することができる。
また、上述した実施の形態においては、インテンシティステレオ音声を再生する場合を例にして説明したが、処理対象の音声信号は、これに限るものではない。例えば、モノラル音声信号であってもよいし、5.1チャンネルなどのマルチチャンネルの音声信号であってももちろんよい。
また、上述した実施の形態においては、図13、図14に示したように複数個のスピーカが連続して配置するようにされて構成されたアレイスピーカシステムを用いる場合を例にして説明したが、これに限るものではない。用いるアレイスピーカシステムとしては、例えば、複数個のスピーカからなるアレイスピーカシステムを離隔して設けるようにしてもよい。
したがって、図13に示したアレイスピーカシステムの例えば左端の3つのスピーカSP1、SP2、SP3と、右端の3つのスピーカSP14、SP15、SP16だけを設けるようにし、中間のSP4〜SP13を設けないようにした場合にも、この発明を適用することができる。すなわち、この発明は、スピーカの数に左右されることは無く、少なくとも1組以上の対になるスピーカ(実音源)が存在する場合、あるいは、少なくとも1組以上の対になる仮想スピーカ(仮想音源)が存在する場合に、この発明を適用することができる。
また、上述した実施の形態においては、アレイスピーカシステムを用い、仮想音源SPL、SPRをアレイスピーカシステムの左右両端に設けるようにしたが、これに限るものではない。仮想音源(仮想スピーカ)の位置は任意の位置に設けるように処理することも可能である。
また、上述した実施の形態においては、アレイスピーカシステムを用いて、仮想音源SPL、SPRを形成する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。すなわち、必ずしも仮想音源を形成する必要はない。実スピーカから放音される音声についても、上述した音圧分布に傾斜を持たせるように処理を施すことにより、比較的に広い受聴エリアにおいても、受聴位置に左右されること無く、音像を想定した位置に定位させるようにすることができる。
また、マルチチャンネルの音声信号の場合には、これらが供給されるスピーカの数や配置などを考慮し、インテンシティステレオ再生の場合の左右のチャンネルのように、対になるスピーカから放音する音声信号に対して、上述した音圧分布に傾斜を持たせるように処理を施すことにより、マルチチャンネルの音声信号の再生音場においても、受聴位置に左右されること無く、音像を想定した位置に定位させるようにすることができる。
また、上述した実施の形態においては、光ディスクの再生装置に適用した場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、テレビ受信機、CD(Compact Disc)プレーヤ、MD(Mini Disc)プレーヤ、ハードディスクプレーヤなど、少なくともオーディオ信号の再生が可能な種々の再生装置に適用可能である。
この発明による装置、方法の一実施の形態が適用された光ディスク再生装置を説明するためのブロック図である。 スピーカからの音の放射を説明するための図である。 図1の再生装置で用いられるアレイスピーカシステムの構成例と仮想音源(仮想スピーカ)、音像定位位置について説明するための図である。 両耳間レベル差と両耳間時間差の交互作用について説明するための図である。 両耳間レベル差と両耳間時間差の交互作用について説明するための図である。 両耳間レベル差と両耳間時間差の交互作用について説明するための図である。 両耳間レベル差と両耳間時間差の交互作用について説明するための図である。 音源を含まない仮想的な閉曲面内の音場を示す図である。 キルヒホッフの積分公式を示す図である。 N点の音圧および粒子速度をM個の音源によって再現するシステムを示す図である。 キルヒホッフの積分公式の半空間への拡張の原理を示す図である。 キルヒホッフの積分公式の半空間への拡張の具体例を示す図である。 図1に示した再生装置において行う音場生成と制御について説明するための図である。 図1に示した再生装置において、インテンシティステレオ信号の右チャンネルの音声信号を空間に放射した場合の音圧分布を等高線図形式で表す図である。 従来のインテンシティステレオ再生の場合の一例を説明するための図である。 従来のインテンシティステレオ再生の場合の一例を説明するための図である。
符号の説明
1…光ディスク読み出し部、2…逆多重化回路、3…音声データ処理系、4…映像データ処理系4、31…音声データデコーダ、32…音場生成回路、33…nチャンネル増幅回路、34…アレイスピーカシステム、35…音場制御回路、41…字幕データデコーダ、42…字幕再生回路、43…映像データデコーダ、44…映像再生回路、45…スーパーインポーズ回路、46…映像表示装置

Claims (6)

  1. 再生対象の音声信号に基づいて、対になる音源から音声を放音するための複数のチャンネルの音声信号を形成する形成手段と、
    前記形成手段からの前記複数のチャンネルのそれぞれの音声信号に対して、目的とする音場を形成するための信号処理を施す信号処理手段と
    を備え、
    前記信号処理手段は、前記対になる音源のそれぞれについて、前記音源から受聴位置へ向かう音声の放音方向と、前記対になる音源同士を結ぶ直線との成す角の角度が小さくなる前記放音方向の音声ほど、その音圧レベルが大きくなるように音圧分布を傾斜させる処理を施すことを特徴とする再生装置。
  2. 請求項1に記載の再生装置であって、
    前記形成手段は、複数のスピーカが隣接して複数個設けられることにより構成されるアレイスピーカの前記複数のスピーカのそれぞれに対応する前記複数チャンネルの音声信号を形成するものであることを特徴とする再生装置。
  3. 請求項1に記載の再生装置であって、
    前記信号処理手段は、前記複数のチャンネルのそれぞれの音声信号の音圧レベルと遅延時間との一方あるいは両方を制御することにより、前記放音方向に応じて音圧分布を傾斜させるようにすることを特徴とする再生装置。
  4. 再生対象の音声信号に基づいて、対になる音源から音声を放音するための複数のチャンネルの音声信号を形成する形成ステップと、
    前記形成ステップにおいて形成された前記複数のチャンネルのそれぞれの音声信号に対して、目的とする音場を形成するための信号処理を施す信号処理ステップと
    を有し、
    前記信号処理ステップにおいては、前記対になる音源のそれぞれについて、前記音源から受聴位置へ向かう音声の放音方向と、前記対になる音源同士を結ぶ直線との成す角の角度が小さくなる前記放音方向の音声ほど、その音圧レベルが大きくなるように音圧分布を傾斜させる処理を施すことを特徴とする再生方法。
  5. 請求項4に記載の再生方法であって、
    前記形成ステップにおいては、複数のスピーカが隣接して複数個設けられることにより構成されるアレイスピーカの前記複数のスピーカのそれぞれに対応する前記複数チャンネルの音声信号を形成することを特徴とする再生方法。
  6. 請求項4に記載の再生方法であって、
    前記信号処理ステップにおいては、前記複数のチャンネルのそれぞれの音声信号の音圧レベルと遅延時間との一方あるいは両方を制御することにより、前記放音方向に応じて音圧分布を傾斜させるようにすることを特徴とする再生方法。
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