JP2007027646A - 単結晶炭化シリコン基板の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

単結晶炭化シリコン基板の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板表面の単結晶シリコン層を歪みなく均一に単結晶炭化シリコンに変成させる。
【解決手段】 炭素含有ガスの供給下で、棒状の赤外線ヒータ404を用いて、それを直角方向に移動させつつ基板100の表面を加熱して表面のシリコンを炭化シリコンに変成させる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、基板表面に単結晶炭化シリコン層を有する単結晶炭化シリコン基板の製造方法およびその製造装置に関する。本発明の単結晶炭化シリコン基板の製造方法は特に、SiO2の絶縁層上に光デバイスとして用いるGaNと物性定数の近いSiC層を形成したSiC/OI(SiC on insulator)構造を得るために、SOI(Silicon on insulator)基板における埋め込み絶縁層上の単結晶シリコン層を単結晶炭化シリコン層に変成させる場合に適した手法である。
表面に単結晶炭化シリコンの層を有する基板は、単結晶シリコンの基板の表面に炭素を含む原料ガスを供給しつつ基板の表面を加熱して単結晶シリコンを単結晶炭化シリコンに変成させることによって得ることができる。
しかしながら、SOI基板表面のSi層をSiCに変成させてSiC/OI構造を得る場合に上記の手法を適用すると、シリコン層直下の埋め込み絶縁層が加熱により軟化もしくは溶融し、これにより単結晶炭化シリコンに変成されなかったシリコン層の塊が埋め込み絶縁層に埋没するなどの問題がある。
下記特許文献1には、この問題を回避するため、炭化シリコンに変成させる単結晶シリコン層の膜厚を10nm以下とし、その表面に炭素源ガスを供給しつつ赤外線を照射して単結晶シリコンの薄膜を加熱して短時間で変成させ、その後、単結晶炭化シリコンに変成された薄膜の上に新たな単結晶炭化シリコン層を成長させることが記載されている。
特開2004−296558号公報
しかしながら上記手法においても、均一な単結晶炭化シリコン薄膜を得ることが課題となっている。すなわち、Si→SiCの固体反応により単結晶シリコン層をそれとは格子定数の異なる単結晶炭化シリコンに変成させる場合、基板全体に赤外線を照射して加熱すると、表面に複数の核が形成されてそれぞれが成長するので、それらの間にグレイバインダリーなどの微小なひずみが発生して均一な表面を得ることができない、という問題がある。
より詳細に説明すれば、一般的にシリコン上に炭化シリコンを形成する際には、シリコン表面に存在する90度回転したダイマー結合の履歴を反映した形で、炭化シリコン層がエピタキシャル成長される。これにより炭化シリコン層は、シリコンと炭素の結合配位が異なるアンチフェーズが存在し、その境界ではアンチフェーズバンダリーといわれる結晶欠陥が発生する。シリコン表面でのダイマー結合は制御することができず、表面に無秩序に生成されている為に、形成される炭化シリコン層には必然的にこの結晶欠陥が形成されてしまう。この結果、結晶性が低下するため、その炭化シリコン層に形成した電子素子等の特性を劣化させる、という問題点がある。
したがって本発明の目的は、基板表面の単結晶シリコン層を均一に変成させて均一な単結晶炭化シリコンの表面を得ることのできる製造方法とその製造装置を提供することにある。
本発明によれば、表面に単結晶シリコン層を有する基板の該表面に炭素を含有するガスを供給し、該炭素含有ガスの供給下で、最も加熱される位置を走査しつつ該基板表面を加熱することによって、単結晶シリコンを単結晶炭化シリコンに変成させることを含む単結晶炭化シリコン基板の製造方法が提供される。
最加熱位置を走査しつつ基板表面を加熱することにより、単一の核から成長した歪みのない均一な表面を有する炭化シリコン層が得られる。
前記最加熱位置を走査しつつ基板表面を加熱することは、例えば最加熱点を二次元的に走査することを含む。
或いはまた、前記最加熱位置を走査しつつ基板表面を加熱することは、線状に分布する最加熱位置を該分布の方向と交差する方向へ走査することを含む。
このように、局所領域のみ炭化シリコン層の成長を行い、その局所的に成長させた炭化シリコン種層に従って二次的・経時的に炭化シリコン層を成長させることで、下地シリコンのダイマー結合の履歴を無視した形で、結晶成長を実施することが可能となる。これにより上記結晶欠陥を軽減、もしくは消滅させ、結晶性の優れた炭化シリコン層が得られる。
本発明によれば、表面に単結晶シリコン層を有する基板を収容するための成膜室と、該成膜室内の基板の表面に炭素を含有するガスを供給するためのガス供給手段と、該炭素含有ガスの供給下で、最も加熱される位置を走査しつつ該基板表面を加熱するための加熱手段とを具備する単結晶炭化シリコン基板の製造装置もまた提供される。
以下、本発明の単結晶炭化シリコン基板の製造方法を、前述の特許文献1に記載された絶縁層埋め込み型単結晶炭化シリコン基板の製造方法の第1ステップに適用した場合を例にとって説明する。
本発明の実施形態を説明する前に、前述の特許文献1に記載された絶縁層埋め込み型単結晶炭化シリコン基板の製造方法について説明する。
図1は特許文献1に記載された絶縁層埋め込み型半導体炭化シリコン基板の製造装置の概略的説明図、図2は同製造装置の制御部を説明するためのブロック図、図3はこの絶縁層埋め込み型半導体炭化シリコン基板の製造方法の各工程を示す概略的説明図である。なお、図3における各層の厚さ寸法は図示の都合上、具体的なものとは相違している。
図1の絶縁層埋め込み型半導体炭化シリコン基板の製造装置は、シリコン基板110(図3)上に設けられた埋め込み絶縁層120とこの埋め込み絶縁層120上に形成された表面シリコン層130とを有するSOI基板100を成膜室200内に設置し、この成膜室200内で絶縁層埋め込み型単結晶炭化シリコン基板を製造する装置であって、SOI基板100が設置される成膜室200と、絶縁層埋め込み型半導体炭化シリコン基板の製造に必要な各種のガスを成膜室200に供給するガス供給手段300と、SOI基板100の表面シリコン層130に向けて赤外線を照射する赤外線照射手段400と、ガス供給手段300と赤外線照射手段400とを制御する制御部500とを具備している。
SOI基板100は、SIMOX(Separation by Implanted Oxygen)基板である(図3の(A)参照)。このSOI基板の表面シリコン層130の膜厚は10nm以下であり、具体的には2nm〜4nmの間である。なお、SIMOX基板以外のSOI基板100を用いることも可能である。
成膜室200は、図1に示すように、石英等から構成されており、その内部はSOI基板100が載置されるステージ220が設けられている。このステージ220は石英やセラミックスで構成されている。石英には透明石英、不透明石英、黒色石英等があり、赤外線の吸収が各々異なる。すなわち、石英は、その種類によって赤外線により熱せられる度合いが異なる。このため、ステージ220に石英を用いる場合には、SOI基板100の載置面の温度に与える影響等を考慮した上で、その材質を適宜選択する。なお、SOI基板100等は図示しない出入口からSOI基板100等が出し入れされる。
この成膜室200には、ステージ220に載置されたSOI基板100に対向する位置に赤外線照射手段400が取り付けられている。また、成膜室200の外部には、内部の温度を検知するためのパイロメータ700(図2参照)が成膜室200内に向けて設置されている。
成膜室200は、当該成膜室200の内部に各種のガスを供給するガス供給手段300と、前記各種のガスを排出するための排気手段600とが取り付けられている。なお、成膜室200の内部の圧力は大気圧と同等にしてある。
ガス供給手段300は、水素ガスG1を供給する水素ガス供給部310と、炭化水素系ガスG2を供給する炭化水素系ガス供給部320と、酸素ガスG3を供給する酸素ガス供給部330と、不活性ガスG4(純粋な不活性ガスを含む)としてのアルゴンガスを供給する不活性ガス供給部340と、シラン系ガスG5を供給するシラン系ガス供給部350とを有している。これらのガス供給部310〜350は切換弁361〜365(図2)に各々接続されており、供給管370を介して成膜室200に接続されている。なお、混合ガスの供給方法は目的に応じて選定される。
水素ガスG1はキャリアガスである。炭化水素系ガスG2としてはプロパンガスを、不活性ガスG4としてはアルゴンガス、シラン系ガスG5としてはシリコン原子と炭素原子とが含まれるモノメチルシランガスが用いられる。なお、シラン系ガスG5としてはモノメチルシランガスの他に、シリコン原子と炭素原子とが含まれるジメチルシランガス、トリメチルシランガス等を使用することもできる。
赤外線照射手段400は、約800nmの波長の赤外線を出力する一般的な赤外線照射装置であり、ランプ部分が成膜室200内に配設されている。一方、赤外線照射手段400の配線設備は成膜室200外に設けられている。赤外線照射手段400は位置調整可能に構成されている。具体的には、X軸、Y軸及び回転軸を有する機構部を有しており、この機構部が制御部500によって制御されるようになっている。これにより赤外線の照射領域や照射角度を必要に応じて適宜調整することができる。ここでは、赤外線照射手段400の位置は赤外線がSOI基板100の表面シリコン層130の表面全域に向けて照射されるように設定されている。なお、赤外線照射手段400の位置を調整して変更し、表面シリコン層130を局所的に単結晶炭化シリコン薄膜140に変成させることもできる。赤外線照射手段400は近遠赤外線(波長が約700nm〜2500nm)を出力できるものであれば良い。
制御部500は、ここではシーケンサが用いられており、入力ポートには、パイロメータ700が電気的に接続されている一方、出力ポートには、切換弁361〜365、排気手段600の切換弁及び赤外線照射手段400が電気的に接続されている。制御部500は、パイロメータ700の検出結果を入力しつつ、所定のシーケンスパターンに基いて各部のON/OFFを制御するようになっている。
以下、制御装置Aの制御部500の制御方法を説明すると共に、当該制御装置Aを用いた絶縁層埋め込み型半導体炭化シリコン基板を製造する方法について説明する。まず、成膜室200内のステージ220上にSOI基板100を設置する。
その後、切換弁361及び362を切り換え、水素ガス供給部310から1000cc/分の水素ガスG1を、炭化水素ガス供給部320から10cc/分の炭化水素系ガスG2を各々噴出させる。これにより混合ガス(G1+G2)を成膜室200内に供給する。一方、赤外線照射手段400に通電し、赤外線をSOI基板100の表面シリコン層130に向けて照射する。これにより表面シリコン層130の温度を当該表面シリコン層130を単結晶炭化シリコン薄膜140に変成させるのに必要な温度(約1200℃)に上昇させ、この状態を30分間維持して当該表面シリコン層130を単結晶炭化シリコン薄膜140に変成させる(第1の工程、図3の(B)参照)。
このように表面シリコン層の膜厚を2〜4nm程度とし、赤外線のみで、SOI基板100の表面シリコン層130を単結晶炭化シリコン薄膜140に変成させるのに必要な温度(約1200℃)を得るようにすると、表面シリコン層130は赤外線を吸収し、その温度が約1200℃となる。一方、埋め込み絶縁層120は赤外線をほとんど吸収せず、表面シリコン層130等からの熱伝導によってその温度が約250℃と低い値になる。すなわち、埋め込み絶縁層120は、その温度が表面シリコン層130と同様に上昇せず、約250℃と低い温度となることから、溶解や軟化といった不要な変化が起こらない。なお、SOI基板100の表面シリコン層130を単結晶炭化シリコン薄膜140に変成させるのに必要な温度は500℃〜1450℃の間であれば良い。
前記第1の工程の後、この第1の工程の前記状態と同一の状態をさらに30分間継続して保ち、これにより単結晶炭化シリコン薄膜140の上に炭素薄膜150を堆積させる(第2の工程、図3の(C)参照)。
この第2の工程後、切換弁363及び364を切り換え、不活性ガス供給部340から1000cc/分の不活性ガスG4を、酸素ガス供給部330から100cc/分の酸素ガスG3を各々噴出させる。これにより混合ガス(G3+G4)を成膜室200内に供給する。これと共に、排気手段600の切換弁を所定時間開け、これにより混合ガス(G1+G2)を成膜室200の外部に排出する。このようにして混合ガス(G1+G2)を混合ガス(G3+G4)に置き換える。一方、赤外線照射手段400の通電時間や供給電力等を制御して炭素薄膜150の温度を当該炭素薄膜150をエッチングして除去するのに必要な温度(550℃以上)とし、この状態を10分間維持して当該炭素薄膜150をエッチングして除去する(第3の工程、図3の(D)参照)。
このように炭素薄膜150の温度を550℃以上に10分間維持すると、この炭素薄膜150は、C+O→CO若しくは、C+O2→CO2という化学変化を起こし、一酸化炭素ガス若しくは二酸化炭素ガスに変化する。これにより、炭素薄膜150はエッチングされて除去される。
第3の工程の後、切換弁364を切り換え、不活性ガス供給部340から不活性ガスG4を噴出させる。これにより不活性ガスG4を成膜室200内に供給する。これと共に、排気手段600の切換弁を所定時間開け、これにより混合ガス(G3+G4)を成膜室200の外部に排出する。このようにして混合ガス(G3+G4)を当該不活性ガスG4に置き換える。このように混合ガス(G3+G4)を純粋な不活性ガスG4に置き換えることにより酸素ガスG3と後述するシラン系ガスとが爆発的に反応する危険性を回避する。
その後、切換弁361及び365を切り換え、水素ガス供給部310から1000cc/分の水素ガスG1を、シラン系ガス供給手段350から10cc/分のシラン系ガスG4を各々噴出させる。これにより混合ガス(G1+G5)を成膜室200内に供給する。一方、赤外線照射手段400の通電時間や供給電力等を制御して単結晶炭化シリコン薄膜140の上に新たな単結晶炭化シリコン薄膜160を成長させるのに必要な温度(約1200℃)とし、この状態を30分間維持して当該単結晶炭化シリコン薄膜140の上に新たな単結晶炭化シリコン薄膜160を成長させる(第4の工程、図3の(E)参照)。
このようにシラン系ガスG5が単結晶炭化シリコン薄膜140の上で分解及び反応することで、当該単結晶炭化シリコン薄膜140上にさらなる単結晶炭化シリコン薄膜160が形成される。なお、単結晶炭化シリコン薄膜140の上に新たな単結晶炭化シリコン薄膜160を成長させるのに必要な温度は500℃〜1450℃の間であれば良い。
以上のようにして、単結晶炭化シリコン薄膜140,160を有する絶縁層埋め込み型単結晶炭化シリコン基板が製造される。
図4および図5は本発明の一実施形態を説明する図である。本発明の一実施形態においては、図4に示すように、赤外線照射手段400からの赤外線がレンズ402で集光されて基板100の表面に照射される。そして、集光された赤外線の照射点(最加熱位置)が二次元的に、例えば図5に示すように走査される。これ以外の点は、前述した特許文献1に記載されたものと同じで良い。
一般的にシリコン上に炭化シリコンを形成する際には、シリコン表面に存在する90度回転したダイマー結合の履歴を反映した形で、炭化シリコン層がエピタキシャル成長される。これにより炭化シリコン層は、シリコンと炭素の結合配位が異なるアンチフェーズが存在し、その境界ではアンチフェーズバンダリーといわれる結晶欠陥が発生する。シリコン表面でのダイマー結合は制御することができず、表面に無秩序に生成されている為に、形成される炭化シリコン層には必然的にこの結晶欠陥が形成されてしまう。この結果、結晶性が低下するため、その炭化シリコン層に形成した電子素子等の特性を劣化させる。
一方、当該技術によって局所領域のみ炭化シリコン層の成長を行い、その局所的に成長させた炭化シリコン種層に従って二次的・経時的に炭化シリコン層を成長させることで、下地シリコンのダイマー結合の履歴を無視した形で、結晶成長を実施することが可能となる。これにより上記結晶欠陥を軽減、もしくは消滅させ、結晶性の優れた炭化シリコン層が得られる。
集光された赤外線の代わりに赤外線レーザからの赤外線を用いても良い。
図6は本発明の他の実施形態を示す図である。本実施形態では、基板100の表面の上方に赤外線ランプ400の代わりに棒状の赤外線ヒータ404が置かれ、この赤外線ヒータ404が伸びる方向と交差する方向、好ましくは直角方向に赤外線ヒータ404と基板100のいずれか一方を移動しつつ加熱が行なわれる。これにより、赤外線ヒータ404の直下に線状に分布する最加熱位置がその直角方向に移動して、いわゆる「一方向加熱」が行なわれ、歪みのない均一な表面を有する炭化シリコン基板が得られる。
棒状の赤外線ヒータ404としては、特許第3173800号に記載されているような、アモルファス炭素とアモルファス炭素中に均一に分散した黒鉛粉末からなる成形性に優れた複合炭素材料に、固有抵抗値の調節のための窒化硼素などの絶縁材料を均一に分散させた炭素系発熱体を使用することができる。
図7は本発明のさらに他の実施形態を示す。本実施形態では、赤外線ランプ400と基板100の間に、帯状の窓412が開けられた赤外線吸収体としての複合炭素板410が置かれ、複合炭素板410と基板100のいずれか一方を帯状の窓が伸びる方向に直角に移動しつつ加熱が行なわれる。
基板100の表面は、赤外線ランプ400から帯状の窓412を経て直接到達する赤外線で線状に加熱されるとともに、赤外線ランプ400からの赤外線を吸収した複合炭素板410からの輻射熱により加熱される。そして、複合炭素板410と基板100のいずれか一方を帯状の窓412が伸びる方向に直角に移動しつつ加熱することにより、帯状の窓410の直下に線状に分布する最加熱位置がその直角方向に移動していわゆる「一方向加熱」が行なわれ、歪みのない均一な表面を有する炭化シリコン基板が得られる。
複合炭素板410は、アモルファス炭素(ガラス状炭素)とアモルファス炭素中に均一に分散した結晶性炭素粉末(特に黒鉛)とからなり、表1に示すように、高い熱伝導率、充分な曲げ強度、および気体不透過性といった、単結晶炭化シリコン基板製造用の赤外線吸収体として必要な特性をすべて備えており、成形後の加工性にも優れている。
Figure 2007027646
表1において、本発明において用いられる黒鉛/ガラス状炭素複合材料からなる炭素板は、曲げ強さの点ではガラス状炭素にわずかに劣っているが、そのガラス状炭素は熱伝導率の点で黒鉛/ガラス状炭素複合材料に著しく劣っている。また、熱伝導率の点では等方性高密度炭(黒鉛)の方が優れているが、曲げ強さおよび気体透過性の点で黒鉛/ガラス状炭素複合材料に著しく劣っている。
この黒鉛/ガラス状炭素複合炭素板は、例えば以下のようにして得ることができる。フラン樹脂(日立化成工業(株)製 ヒタフランVF−302)92部に天然鱗状黒鉛粉末(日本黒鉛工業(株)製 平均粒度1μm)8部を添加して、充分に分散、混合することで、基板用液状材料を得、次に、この液状材料をドクターブレードタイプ塗工機に投入し、塗工後固化させることでグリーンシートを作製する。グリーンシートを所要の形状に加工後乾燥炉内で加熱硬化処理を施すことで硬化板を得、得られた硬化板を、窒素ガス雰囲気下1000℃まで50時間で昇温させ炭素化処理した後、真空高温炉により1400℃処理を施すことで、ガラス状炭素/黒鉛の割合が質量比で約80/20の炭素板が得られる。この炭素板を切削加工して所望の寸法および形状の帯状の窓を有する赤外線吸収体が得られる。
図8は本発明のさらに他の実施形態を示す。本実施形態においては、図7の実施形態の構成に加えて、第2の赤外線吸収体としての複合炭素材料からなるカーボンサセプタ420が、複合炭素板410との間で基板100を収容する箱体を形成するようにして設けられる。石英はそれに照射された赤外線の90%以上を透過させるのに対して、炭素の場合は逆にその70%以上を吸収する。そのような炭素材料からなるカーボンサセプタ420を設けることにより、これが複合炭素板410からの輻射熱を吸収して昇温するので基板100の温度勾配が緩和されて基板100の表面を短時間のうちに所望の温度まで加熱することができる。カーボンサセプタ420の厚みは温度を均一にするため4mm以下、好ましくは2mm程度とする。黒鉛/ガラス状炭素複合材料は、焼成炭素化した後において精密に加工することが容易であるので(表1参照)、この点においてもカーボンサセプタ420および炭素板410の材料として優れている。この黒鉛/ガラス状炭素複合材料の他にも炭化シリコンを含む炭素板も用いることができる。
特許文献1に記載の絶縁層埋め込み型炭化シリコン基板の製造装置の概略的説明図である。 図1の製造装置の制御部を説明するためのブロック図である。 絶縁層埋め込み型炭化シリコン基板の製造方法の各工程を示す図である。 本発明の一実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態を説明する図である。 本発明の他の実施形態を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態を示す図である。

Claims (14)

  1. 表面に単結晶シリコン層を有する基板の該表面に炭素を含有するガスを供給し、
    該炭素含有ガスの供給下で、最も加熱される位置を走査しつつ該基板表面を加熱することによって、単結晶シリコンを単結晶炭化シリコンに変成させることを含む単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  2. 前記最加熱位置を走査しつつ基板表面を加熱することは、最加熱点を二次元的に走査することを含む請求項1記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  3. 前記最加熱点を二次元的に走査しつつ加熱することは、集光した赤外線ランプの熱線の照射位置を走査することを含む請求項2記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  4. 前記最加熱点を二次元的に走査しつつ加熱することは、赤外線レーザの照射位置を走査することを含む請求項2記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  5. 前記最加熱位置を走査しつつ基板表面を加熱することは、線状に分布する最加熱位置を該分布の方向と交差する方向へ走査することを含む請求項1記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  6. 前記分布の方向と交差する方向へ走査することは、線状の赤外線ヒータと前記基板との相対位置を該赤外線ヒータの伸びる方向と交差する方向へ走査することを含む請求項5記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  7. 帯状の窓が設けられ、照射された赤外線の50%以上を吸収する第1の赤外線吸収体を前記基板の前記表面に対向して置くことをさらに含み、
    前記最加熱位置を走査しつつ基板表面を加熱することは、該第1の赤外線吸収体の窓と該基板との相対位置を走査しつつ、該第1の赤外線吸収体を介して基板表面に赤外線を照射することを含む請求項1,2または5記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  8. 前記基板の前記第1の赤外線吸収体とは反対側に位置して該第1の赤外線吸収体とともに該基板を収容する箱体を形成し、照射された赤外線の50%以上を吸収する第2の赤外線吸収体を置くことをさらに含む請求項7記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  9. 前記第1および第2の赤外線吸収体はアモルファス炭素と該アモルファス炭素中に均一に分散した結晶性炭素とを含む複合炭素材料を有する請求項8記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  10. 前記炭素原子含有ガスは水素ガスと炭化水素ガスの混合ガスである請求項1〜9のいずれか1項記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  11. 前記基板は前記単結晶シリコン層の下に酸化シリコンの絶縁層を有する請求項1〜10のいずれか1項記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  12. 前記炭素含有ガスの供給下の加熱を続行することによって前記単結晶炭化シリコンの薄膜の上に炭素薄膜を堆積させ、
    前記炭素含有ガスの少なくとも一部を酸素ガスが混合された不活性ガスで置換することによって該炭素薄膜を除去することをさらに含む請求項1〜11のいずれか1項記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  13. 前記炭素薄膜の除去後において、シラン系ガスを含む混合ガスを供給して、前記単結晶炭化シリコンの薄膜の上に新たな単結晶炭化シリコン薄膜を成長させることをさらに含む請求項12記載の単結晶炭化シリコン基板の製造方法。
  14. 表面に単結晶シリコン層を有する基板を収容するための成膜室と、
    該成膜室内の基板の表面に炭素を含有するガスを供給するためのガス供給手段と、
    該炭素含有ガスの供給下で、最も加熱される位置を走査しつつ該基板表面を加熱するための加熱手段とを具備する単結晶炭化シリコン基板の製造装置。
JP2005211563A 2005-07-21 2005-07-21 単結晶炭化シリコン基板の製造方法およびその製造装置 Withdrawn JP2007027646A (ja)

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