JP2007024742A - 酵素免疫測定方法及びそのための酵素免疫センサ - Google Patents

酵素免疫測定方法及びそのための酵素免疫センサ Download PDF

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Abstract

【課題】 生体内に極微量で存在する分子においても、検出部分が非特異吸着の影響を受けずにS/N比良く、迅速、高感度かつ簡便に測定可能な、サンドイッチ法によらない酵素免疫測定方法及びそのための酵素免疫センサを提供すること。
【解決手段】 流路内に被検物質を不動化した抗体捕捉領域と、標識酵素の酵素反応生成物を検出可能な酵素反応生成物測定領域を設け、被検物質と、酵素標識した抗被検物質抗体とを含む試料液を、抗体捕捉領域に流通させて未反応の抗体を抗体捕捉領域に捕捉し、次いで、標識酵素の基質を含む基質液を抗体捕捉領域に流通させて標識酵素による酵素反応を行なわせた後、その酵素反応生成物を酵素反応生成物測定領域と接触させて該酵素反応生成物を測定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酵素免疫測定方法及びそれに用いられる酵素免疫センサに関する。
従来、生体中のペプチド類を高感度かつ選択的に測定することが盛んに行われている。これまでは、これらペプチドに対する抗体の分子認識能力を利用した免疫測定法が行われてきた。しかしながら、生体試料中には脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP、血液中で10 pg/mL程度)や、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、インシュリン、サブスタンスPなど極めて低濃度でのみ存在する重要なペプチド類があり、これまで汎用的に用いられてきた酵素免疫測定法を用いてこれら極低濃度ペプチドを定量することは感度的に困難である。酵素免疫測定法の中でもサンドイッチ法によれば、より高感度な測定が可能であることが知られているが、同一抗原上で異なるエピトープを認識する2つのモノクローナル抗体を準備する必要があるため応用範囲は限られており、特に目的分子が小さい場合にはサンドイッチ法を適用することが困難であった。一方、ラジオ免疫測定法は極めて高感度な定量が可能であるものの、放射性同位元素を用いるため安全性に問題があり、ベッドサイド或いは在宅での測定は困難であった。このため、例えば心疾患患者などの一刻を争う臨床現場においては、心疾患のマーカー分子をベッドサイドなどで迅速・簡便に測定する新規なセンサが必要とされている。
現在、迅速・簡便な免疫測定法としては、一般的にイムノクロマトグラフィ法が良く用いられ、各社から市販されている(例えば、特許文献1など)。しかしながら、一般的にイムノクロマトグラフィ法の検出下限界は数ng/mL程度であり、測定対象は比較的高濃度に存在する分子に限られている。
一方、近年、ガラスやシリコンなどの上に分析システムを微小化、集積化する試みが盛んに行われており、操作の簡便化、自動化や分析時間の短縮などに有効であると考えられている。免疫測定法に関してもこれまでバルクで行われてきた手法を微小流路を用いて行うことにより、迅速で簡便な検出が可能になると考えられ、いくつかの報告例がある(例えば特許文献2及び特許文献3)。
特開平5−133956号公報 特開2003−114229号公報 特開2001−4628号公報 W.C. Tang, D.P. Bame, T.K. Tang, Sensors and Actuators 83_2000.188193, I. Chakraborty
現在、一般的なイムノクロマトグラフィ法では簡便かつ短時間に測定を行うことが可能であるものの、試料送液は毛細管現象を利用して行っているため、任意の流速に定めることが困難であり、定量性及び検出限界に乏しいという課題がある。比較的高感度な蛍光標識抗体とその蛍光検出においても、対象試料が展開される多孔質は一般的に透明性が低く、光の散乱が激しいこともイムノクロマトグラフィ法の定量性を乏しくしている。一方、これまで報告されている微小流路を用いた免疫測定法により微量生体分子の検出例が報告されているものの、微少量で十分な感度を得るために流路内でサンドイッチイムノアッセイを行い、さらに金コロイド等を標識した二次抗体を用いている。このために、測定対象分子はサンドイッチイムノアッセイが可能な比較的大きな分子に限られてしまうことや、チップ上に多数の微小流路を集積化し、反応と洗浄を複数回繰り返す必要があるため、複雑な送液手順を必要とするなどの問題点を残している。また、検出部分に試料溶液を直接導入した場合、非特異吸着の影響が非常に大きく、再現性に乏しいためS/N比向上が課題となっている。
本発明の目的は、これまで報告されてきたイムノクロマトグラフィ法や微小流路を有する免疫測定法における感度や非特異吸着の影響、測定時間並びに測定操作の煩雑さの問題点に鑑み、生体内に極微量で存在する分子においても、検出部分が非特異吸着の影響を受けずにS/N比良く、迅速、高感度かつ簡便に測定可能な、サンドイッチ法によらない酵素免疫測定方法及びそのための酵素免疫センサを提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、流路内に被検物質を不動化した抗体捕捉領域と、標識酵素の酵素反応生成物を検出可能な酵素反応生成物測定領域を設け、被検物質と、酵素標識した抗被検物質抗体とを含む試料液を、抗体捕捉領域に流通させて未反応の抗体を抗体捕捉領域に捕捉し、次いで、標識酵素の基質を含む基質液を抗体捕捉領域に流通させて標識酵素による酵素反応を行なわせた後、その酵素反応生成物を酵素反応生成物測定領域と接触させて該酵素反応生成物を測定することにより、サンドイッチ法を用いることなく、生体内に極微量で存在する分子においても、検出部分が非特異吸着の影響を受けずにS/N比良く、迅速、高感度かつ簡便に測定することが可能であることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、流路が設けられた基板と、該流路内に設けられ、被検物質に対する抗体と抗原抗体反応する抗体捕捉物質を不動化した抗体捕捉領域と、前記流路内の前記抗体捕捉領域以外の領域に設けられた酵素反応生成物測定領域とを具備する酵素免疫センサを用い、前記被検物質と、該被検物質と抗原抗体反応する、酵素標識した抗体又はその抗原結合性断片とを含む試料液を前記抗体捕捉領域に流通させて未反応の前記抗体又はその抗原結合性断片を前記抗体捕捉領域に捕捉し、次いで、前記標識酵素の基質を含む基質液を前記抗体捕捉領域に流通させて前記標識酵素による酵素反応を行なわせた後、その酵素反応生成物の少なくとも一部を前記酵素反応生成物測定領域と接触させて該酵素反応生成物を測定することを含む、前記被検物質の酵素免疫測定方法を提供する。また、本発明は、流路が設けられた基板と、該流路内に設けられ、被検物質に対する抗体と抗原抗体反応する抗体捕捉物質を不動化した抗体捕捉領域と、前記流路内の前記抗体捕捉領域以外の領域に設けられた酵素反応生成物測定領域とを具備する、上記本発明の酵素免疫測定方法を行なうための酵素免疫センサを提供する。
本発明の酵素免疫測定方法によれば、サンドイッチ法を用いることなく、生体内に極微量で存在する分子においても、検出部分が非特異吸着の影響を受けずにS/N比良く、迅速、高感度かつ簡便に測定することが可能である。また、本発明の免疫測定方法は、酵素免疫測定方法であるので、危険で大掛かりな装置が必要で取扱いが不便な放射標識を用いない。したがって、本発明の方法は、ベッドサイドや患者の自宅等でも容易に行なうことができ、各種疾患の診断やそれに基づく治療に大いに貢献するものと期待される。
上記の通り、本発明の酵素免疫測定方法では、流路が設けられた基板と、該流路内に設けられ、被検物質に対する抗体と抗原抗体反応する抗体捕捉物質を不動化した抗体捕捉領域と、前記流路内の前記抗体捕捉領域以外の領域に設けられた酵素反応生成物測定領域とを具備する酵素免疫センサを用いる。以下、先ず、この酵素免疫センサについて説明する。
本発明の酵素免疫測定方法に用いられる酵素免疫センサの基板は、液体が流通する流路を有する。流路は、基板の表面に設けられた溝状のものが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、後述する試料液や基質液の供給や排出を行なう位置以外の部分を被覆したトンネル状のものとすることも可能である。基板は、単一の部材から構成されていてもよいが、流路になる部分を貫通孔とした上部シートと、単なる板状の下部基板とを貼り合せて基板としてもよい。この場合には下部基板が流路の底面を構成する。基板を構成する材料は、被検物質を非特異吸着しない材料であれば何ら限定されるものではなく、各種合成樹脂、合成ゴム、ガラス等を利用することができる。下記実施例では、流路を貫通孔としたシリコーンゴムシート(上部シート)と、ガラス板(下部基板)とを貼り合せて基板を構成しているが、もちろんこれに限定されるものではない。なお、基板は可撓性のある材料で形成してもよい。
流路は、分岐を1つ有する形状(例えばT字形)や、分岐を有さない形状(例えば直線状)が好ましい。流路の形状については、後で図面を参照して詳しく説明する。流路のサイズは特に限定されないが、あまりに大きいと試料液や基質液が多量に必要となって不利であり、また、あまりに小さいと液が流通しにくくなるので、流路の幅は、通常、50μmないし3mm程度、好ましくは500μmないし2m程度、流路の深さは通常20μmないし500μm程度、好ましくは100μmないし200μm程度である。流路の長さは特に限定されないが、分岐のない1本の流路の場合、通常、10mm〜100mm程度、好ましくは10mm〜40mm程度である。
流路内には、被検物質に対する抗体と抗原抗体反応する抗体捕捉物質を不動化した抗体捕捉領域が設けられている。ここで、被検物質は、本発明の酵素免疫測定方法により測定すべき物質であり、抗原として抗原抗体反応し得るものであれば何ら限定されず、生体に投与された際に免疫応答を誘起する抗原のみならず、それ自体免疫応答は誘起しないが抗体とは抗原抗体反応するハプテンも包含される。被検物質としては、生体内、好ましくは血液や尿等の体液中に含まれる各種ペプチド類、タンパク質、多糖類、ポリヌクレオチド等の生体関連物質であるがこれらに限定されるものではなく、飲食品や環境水等、生体以外に含まれるものであってもよい。本発明の方法は、測定感度が高いので、被検物質が、試料中に微量にしか含まれない物質、例えば利尿ペプチド類、特に脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)等である場合に威力を発揮する。抗体捕捉領域には、このような被検物質に対する抗体と抗原抗体反応する抗体捕捉物質が不動化される。抗体捕捉領域には、好ましくは、被検物質自体が抗体捕捉物質として不動化されるが、被検物質に対する抗体と交差反応する、被検物質の誘導体等を抗体捕捉物質として不動化してもよい。正確な測定のために、抗体捕捉領域には、後述する試料液に含まれる抗体又はその抗原結合性断片の全量を抗原抗体反応により捕捉できる過剰量の抗体捕捉物質を不動化することが好ましい。好ましくは、試料液に含まれる抗体又はその抗原結合性断片のモル数の10〜100倍程度の抗体捕捉物質が不動化される。
抗体捕捉領域は、流路の底面のみに形成してもよいし、底面と側壁の両方又は側壁のみに形成してもよいが、試料液や基質液との接触を十分確保するために少なくとも底面の全面に形成することが好ましい。基板を上記のように上部シートと下部基板を貼り合わせて形成する場合には、下部基板の表面に部分的に形成するのが製造上便利である。抗体捕捉領域の長さは、このような過剰量の抗体捕捉物質が不動化できるサイズであれば特に限定されないが、通常、1mm〜20mm程度、好ましくは5mm〜10mm程度である。
上記した抗体捕捉物質の抗体捕捉領域への不動化は、常法により行なうことができる。例えば、流路内の一領域にスパッタリングや蒸着等により金層を形成し、これにシステアミンを反応させることにより金層にアミノ基を結合させ、これにカルボジイミドのような結合試薬を用いてペプチド類等の被検物質のカルボキシル基を結合させることができる。あるいは、合成樹脂にアミノ基を共有結合させたものや、リジンで被覆した領域に同様にして抗体捕捉物質を結合させることも可能である。また、抗体捕捉物質を物理吸着させることも可能である。
流路内には、上記抗体捕捉領域以外の領域に、酵素反応生成物測定領域が設けられている。酵素反応生成物測定領域は、後述する、試料液に添加される抗体又はその抗原結合性断片の標識に用いられる標識酵素による酵素反応の反応生成物を検出する領域である。このため、その構成は用いる標識酵素の種類により異なる。
本発明の酵素免疫測定方法の好ましい態様では、標識酵素として、チオール化合物を生成するアシルチオコリンエステラーゼ等が用いられるが、この場合には、酵素反応生成物測定領域として、金薄層を好ましく用いることができる。チオール化合物は、そのSH基が金に結合することが知られており、その結合反応を表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance: SPR)角の測定によりリアルタイムで測定することができる。SPRにより金層への酵素反応生成物の結合を測定する場合には、酵素反応生成物測定領域は、流路内に設けられた単なる金薄層であってよい。SPR測定による場合、金薄層からのエバネッセント波の染みだしが必要なため、金層の厚さは200nm以下が好ましい。金層の厚さの下限は特にないが、通常、50nm程度が適している。また、酵素反応生成物測定領域を金薄層により構成し、金薄層の質量変化を水晶振動子マイクロバランスにより測定して酵素反応生成物を測定することも可能である。なお、本明細書において、「測定」には定量、半定量及び検出のいずれもが包含される。酵素反応生成物測定領域を金薄層としてSPRにより測定する場合、その金薄層のサイズは特に限定されないが、測定を容易にするために、流路の幅よりも大きな径の領域とすることが好ましく、例えば、直径1mm〜5mm程度の円形等とすることができる。あるいは、酵素反応生成物測定領域を金層で構成し、金層に電圧をかけることにより、金に結合したチオール化合物を還元脱離させ、その際の還元電流を測定することによってもチオール化合物を測定することができる。この場合は、例えば、チオール化合物が結合する金層を作用電極とし、他に流路内に対向電極及び好ましくはさらに参照電極となる金属層をそれぞれ流路内に形成して電気化学セルを形成し、各電極をポテンショスタットに接続して作用電極の還元電流を測定することができる。電気化学セルにより還元電流を測定する際には、送液を停止することが好ましい。具体的な方法については後述する。また、測定時には流路に水酸化カリウム溶液のようなアルカリ液を満たして各電極を該アルカリ液に浸漬した状態で還元電流を測定することが好ましい。
あるいは、標識酵素として、各種オキシダーゼ等の、過酸化水素を生成する反応を触媒する酵素を用い、生成する過酸化水素を酵素反応生成物測定領域において測定することもできる。この場合、酵素反応生成物測定領域としては、過酸化水素測定電極を好ましく採用することができる。過酸化水素測定電極自体は周知である。この場合も、流路内に作用電極及び対向電極、好ましくはさらに参照電極を形成して電気化学セルを構成し、各電極をポテンショスタットに接続して溶液中の過酸化水素を測定することができる。あるいは、過酸化水素測定電極は、過酸化水素により直接的又は間接的に酸化される物質が結合された金属で構成することもできる。この場合、該電極に電圧を印加して、過酸化水素により酸化された前記物質を還元し、その際の還元電流を測定することにより過酸化水素を測定する。過酸化水素により直接的又は間接的に酸化される物質としては、例えば、フェロセン及びその誘導体、これを含む高分子化合物、ヒドロキノン及びその誘導体、これを含む高分子化合物、オスミウムビピリジン錯体及びその誘導体、並びにこれを含む高分子化合物から成る群より選ばれる少なくとも1種の酸化還元性物質を例示することができる。なお、ここで、「誘導体」としては、フェロセン、ヒドロキノン、オスミウムビピリジン錯体をそっくり含み、これらと同様な酸化還元性を発揮するものが好ましく、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20程度)が結合したアルキル誘導体等を例示することができる。これらの酸化還元性物質の酸化のために、基質液にはペルオキシダーゼやマイクロペルオキシダーゼのような過酸化水素を一方の基質とするペルオキシダーゼ類や、過酸化水素により酸化され、次いで前記酸化還元性物質を酸化するヘミン等が含まれる。この場合、基質液中に含まれるペルオキシダーゼ類やヘミンの量は、標識酵素による酵素反応で生じた過酸化水素の全量が消費されるのに十分な過剰量であることが好ましい。
本発明の酵素免疫測定方法は、上記した酵素免疫センサを用いて行なう。先ず、前記被検物質と、該被検物質と抗原抗体反応する、酵素標識した抗体又はその抗原結合性断片とを含む試料液を前記抗体捕捉領域に流通させる。被検物質は上記の通りである。被検物質を含む試料液には、該被検物質と抗原抗体反応する、酵素標識した抗体又はその抗原結合性断片が添加されている。酵素標識に用いられる標識酵素としては、上記の通り、チオール化合物を生成する酵素や過酸化水素を生成する反応を触媒する酵素が好ましく用いられる。チオール化合物を生成する酵素の好ましい例としては、アシルチオコリンエステラーゼ、特にアセチルチオコリンエステラーゼを挙げることができる。過酸化水素を生成する反応を触媒する酵素の好ましい例としては各種オキシダーゼ、特にグルコースオキシダーゼを挙げることができる。これらの酵素自体は周知であり、市販もされているので容易に入手することができる。
試料液に添加する抗体又はその抗原結合性断片は、被検物質と抗原抗体反応する抗体又はその抗原結合性断片であればよく、必ずしも被検物質を免疫原として動物に免疫して得られた抗体又はその抗原結合性断片でなくてもよい。遺伝子工学的に生産された抗体でもよいし、被検物質と交差反応する抗体であってもよい。また、完全な抗体のみならず、Fab断片やF(ab')2断片のような、抗原と抗原抗体反応し得る断片(本明細書において「抗原結合性断片」という)であってもよい。また、ScFvのような一本鎖抗体も抗原結合性断片に含めて解釈する。抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよいが、再現性や特異性の観点からモノクローナル抗体が好ましい。モノクローナル抗体の作製方法自体は周知である。抗体又はその抗原結合性断片を酵素標識する方法自体は、酵素免疫測定の分野において周知であり、下記実施例にもその1例が具体的に記載されている。
試料液には、酵素標識した、抗体又はその抗原結合性断片が添加される。添加する酵素標識抗体又はその抗原結合性断片の量は、試料中に含まれる被検物質に対して過剰量であることが好ましい。すなわち、試料液中に含まれる被検物質の量が、予想範囲の上限である場合であっても、その全量が抗原抗体反応できる量の酵素標識抗体又はその抗原結合性断片を添加することが好ましい。過剰量の酵素標識抗体又はその抗原結合性断片を添加しておけば、抗体又はその抗原結合性断片添加後における、未反応の抗体又はその抗原結合性断片の量が、試料液中に含まれる被検物質の量に必ず依存して変化するからである。
被検物質を含む試料液に、酵素標識抗体又はその抗原結合性断片を添加すると、被検物質と酵素標識抗体又はその抗原結合性断片とが抗原抗体反応して結合する。抗原抗体反応は、室温においても速やかに起きるが、十分に抗原抗体反応させるために、酵素標識抗体又はその抗原結合性断片添加後、酵素免疫センサに供する前に、室温にて60〜600秒程度の時間をおくことが好ましい。
上記の試料液を酵素免疫センサの流路に供給し、前記抗体捕捉領域上を流通させる。そうすると、未反応の酵素標識抗体又はその抗原結合性断片が、抗体捕捉領域上の抗体捕捉物質と結合し、抗体捕捉領域上に捕捉される。なお、抗体捕捉領域上を流通させる際の流速は、試料液中の未反応の酵素標識抗体又はその抗原結合性断片と抗体捕捉領域上の抗体捕捉物質との抗原抗体反応が十分に起きる流速に設定することが好ましい。例えば、下記実施例において作製した酵素免疫センサのように、流路が、幅200μm、深さ50μmである場合には、流速は、特に限定されないが、通常、0.1μL/分〜10μL/分程度、好ましくは、0.2μL/分〜0.5μL/分程度である。また、通液する時間は、反応が十分に起きる時間であることが好ましく、特に限定されないが、通常15秒〜5分間、好ましくは30秒〜2分間程度である。なお、流路に流通させる液の流速は、例えば液をシリンジポンプのような微量定量ポンプを用いて流路に供給すること等により制御できる。抗体捕捉領域上を流通した後の試料液は、流路から排出するか、又は酵素反応生成物測定領域が設けられていない分岐流路に導くことにより、後から供給する基質液と混じらないようにすることが好ましい。
次に、標識酵素に用いた酵素の基質を含む基質液を酵素免疫センサの流路に供給し、抗体捕捉領域上を流通させる。基質液中の基質の量は、過剰量、すなわち、抗体捕捉領域に捕捉される予想量の範囲の上限の量の酵素標識抗体又はその抗原結合性断片が捕捉される場合でも、その標識酵素の全量が反応する量であることが好ましい。基質液を流通させる際の流速は、抗体捕捉領域上に捕捉された酵素標識抗体又はその抗原結合性断片の標識酵素による酵素反応が十分に起きる流速であることが好ましく、例えば、下記実施例において作製した酵素免疫センサのように、流路が、幅200μm、深さ50μmである場合には、流速は、特に限定されないが、通常、0.1μL/分〜10μL/分程度、好ましくは、0.2μL/分〜0.5μL/分程度である。また、通液する時間は、反応が十分に起きる時間であることが好ましく、特に限定されないが、通常15秒〜20分間、好ましくは30秒〜5分間程度である。基質液が標識酵素と接触することにより酵素反応が起きることが必要であるので、酵素反応のために複数の基質が必要な場合には、基質液は該複数の基質を含む。
基質液が抗体捕捉領域上を流通する際に酵素反応が起き、酵素反応生成物が生成される。この酵素反応生成物は、基質液の中に混じった状態で基質液と共に流通する。酵素反応生成物を含む基質液は、さらに流路内を流通して、上記した酵素反応生成物測定領域と接触し、測定される。酵素反応生成物の測定は、上記したとおり、SPRや過酸化水素の電気化学的測定等のそれ自体周知の方法により測定される。
以下、図面を参照して本発明の酵素免疫測定方法に用いられる好ましい酵素免疫センサの構造を説明する。
図1は、本発明の酵素免疫センサの好ましい1態様の模式分解斜視図である。なお、図(後述する他の図も同様)は、説明のためのものであるから、各種寸法の比率は実際の寸法比率とは大きく異なっている場合がある。図1に示す酵素免疫センサは、基板10を含み、基板10は、上部シート10aと下部基板10bとを貼り合せたものである。なお、図1では、明瞭性のために、上部シート10aと下部基板10bとを分解した状態を示している。上部シート10aは、例えばポリジメチルシロキサンのようなシリコーンゴム製であり、下部基板10bは例えばガラス製である。基板10には、実質的にT字形の流路12が設けられている。流路12は、上部シート10aを厚さ方向に貫通しており、従って、下部基板10bの表面が流路12の底面を構成する。流路12の各端部は、液の供給や排出を容易にするために、直径が流路の幅よりも大きな円形状になっており、これらは上部シート10aにドリルで透孔を形成すること等により形成される。流路の「T」の字の横棒の一端が液供給口14、「T」の字の横棒の他端が試料液排出口16、「T」の字の縦棒の端部が基質液排出口18である。試料液及び基質液は、液供給口14から流路12内に供給されるので、液供給口14が流路12における最上流になる。液供給口14と、流路12の分岐点(「T」字の横棒と縦棒の交点)との間に抗体捕捉領域20が形成されている。上記のように、抗体捕捉領域20は、例えば、下部基板10b上に蒸着やスパッタリング等により金薄膜を形成し、これにシステアミンを結合させてアミノ基を付加し、このアミノ基に被検物質を結合させることにより形成することができる。図示の例では、抗体捕捉領域20は、流路12の底面にのみ形成されている。流路12の「T」字の縦棒の中央付近は、拡幅された領域22が設けられており、該拡幅領域22の底面には、酵素反応生成物測定領域24が設けられている。図1に示す具体例では、酵素反応生成物測定領域24は、SPR測定のための金薄膜から形成される。この金薄膜も下部基板10b上に蒸着やスパッタリング等により形成することができる。
図1に示す酵素免疫センサの具体例は、次のようにして使用することができる。先ず、上記した試料液(上記の通り、被検物質に対する、酵素標識した抗体又はその抗原結合性断片を添加したもの)を液供給口14から供給する。試料液の供給は、例えばシリンジポンプのような微量定量ポンプに接続されたキャピラリーの先端を液供給口14に差し込んで行なうことができる。一方、試料液排出口16から吸引する。吸引も同様に、ポンプに接続されたキャピラリーの先端を試料液排出口16に差し込んで行なうことができる。そうすると、供給された試料液は、抗体捕捉領域20上を通過して試料液排出口16に向かって流通し、試料液排出口16から排出される。この際、試料液中に含まれる未反応の抗体又はその抗原結合性断片が抗体捕捉領域20に不動化されている被検物質と抗原抗体反応して抗体捕捉領域20に捕捉される。次に、酵素の基質液を液供給口14から供給すると共に、基質液排出口18から吸引する。そうすると、基質液は、抗体捕捉領域20上を通過し、流路12の分岐点で向きを変えて基質液排出口18に向かう。この際に酵素反応生成物測定領域24上を通過する。抗体捕捉領域20上を通過する際、抗体捕捉領域20に捕捉されている酵素標識抗体又はその抗原結合性断片の標識酵素により基質が酵素反応し、酵素反応生成物が生成する。なお、酵素反応生成物を金に結合させてSPRにより測定する場合には、上記の通り、酵素反応生成物はチオール化合物である。チオール化合物である酵素反応生成物は、金薄膜から成る酵素反応生成物測定領域24上を通過する際に、金と反応して結合する。この際の屈折率変化をSPR法で測定することにより、酵素反応生成物を測定することができる。なお、図1中、矢印26はSPR測定用入射光、矢印28はSPR測定用反射光を示す。
試料液に一定量の酵素標識抗体を添加すると、試料液中に含まれる被検物質の量が多いほど、未反応の標識抗体の量が少なくなり、その結果、酵素反応生成物測定領域20に捕捉される酵素標識抗体の量が少なくなり、酵素反応する基質の量が少なくなり、ひいては酵素反応生成物の量が少なくなる。従って、上記方法により酵素反応生成物を測定することにより、試料中に含まれる被検物質を測定することができる。
なお、上記の例では、分岐点からの液の流通方向を、試料液排出口16又は基質液排出口18からの吸引により規定したが、例えば、分岐点に微小バルブを設けること等によっても、分岐点からの流通方向を規定することもできる。細い流路に設けられる微小バルブ自体は種々のものが周知であり、例えば、非特許文献1等に記載されている。なお、微小バルブを用いる場合には、各排出口からの吸引が不要になるので、各排出口にスポンジのような多孔性吸水材を配置して液を吸収するようにしてもよい。
また、上記の例では、酵素反応生成物測定領域24に結合した酵素反応生成物をSPR法により測定したが、上記の通り、酵素反応生成物測定領域24の質量変化を水晶振動子マイクロバランス(図示せず)により測定して酵素反応生成物を測定することも可能である。
本発明の酵素免疫センサの好ましい第2の具体例を図2に示す。なお、図2に示す酵素免疫センサの構成は、図1に示した酵素免疫センサの構成と類似しており、図1に示す酵素免疫センサの部材に対応する部材には図1と同じ参照番号を付してある。図2に示す具体例が図1に示す具体例と異なる点は、金薄膜から成る酵素反応生成物測定領域24の形状が、基板の一端まで続く帯状をしており、さらに、同様な形状の金属薄膜から成る対向電極32及び参照電極30が、酵素反応生成物測定領域24と、間隔をあけて平行に配置されている点である。また、図2に示す具体例では、流路12のT字の縦棒部分に拡幅領域22が設けられていない(ただし、拡幅領域を設けてもよい)。
図2に示す酵素免疫センサの使用方法も、酵素反応生成物測定領域24に結合した酵素反応生成物の測定方法以外、図1に示す酵素免疫センサの使用方法と同様である。図2に示す酵素免疫センサでは、酵素反応生成物測定領域24を作用電極とし、対向電極32及び参照電極30と共に電気化学セルを形成し、酵素反応生成物測定領域24(作用電極)に電圧をかけて、酵素反応生成物測定領域24に結合している酵素反応生成物を還元脱離させる。この際の還元電流を測定することにより、酵素反応生成物測定領域24に結合した酵素反応生成物の量、ひいては試料液中の被検物質の量を測定することができる。還元電流の測定は、酵素反応生成物測定領域24(作用電極)、対向電極32及び参照電極30をポテンショスタットに接続し、参照電極電位に対して作用電極電位を掃引し、その際に発生する電流を電流計にて測定することにより行なうことができる(下記実施例参照)。
あるいは、図2に示す具体例において、酵素反応生成物測定領域24は、上記した過酸化水素測定用電極としてもよい(第3の具体例)。この場合には、上記の通り、標識酵素としては、各種オキシダーゼ等の、過酸化水素を生成する反応を触媒する酵素が用いられる。過酸化水素測定電極が、フェロセン誘導体等の酸化還元性物質を結合したものである場合には、上記の通り、基質液中にはヘミンやペルオキシダーゼ類が添加される。第3の具体例の場合でも、酵素反応により生成した過酸化水素は、第2の具体例と同様、酵素反応生成物測定領域24(作用電極)、対向電極32及び参照電極30をポテンショスタットに接続し、参照電極電位に対して作用電極電位を掃引し、その際に発生する電流を電流計にて測定することにより行なうことができる(下記実施例参照)。
本発明の酵素免疫センサの好ましい第4の具体例を図3に示す。図3に示す具体例においても、図1に示す酵素免疫センサの部材に対応する部材には図1と同じ参照番号を付してある。図3に示す具体例では、流路12が分岐しておらず、1本の直線状の流路12が形成されている。そして、試料液排出口16が流路12の中央付近に形成されている。抗体捕捉領域20は、液供給口14と試料液排出口16の間に形成され、酵素反応生成物測定領域24は試料液排出口16と基質液排出口18の間に形成されている。他の構成は図1に示す具体例と同様である。
図3に示す酵素免疫センサは、流路12の形状と試料液排出口16の位置が図1に示す具体例と異なっているだけであり、その使用方法は図1に示す具体例と同様である。すなわち、液供給口14から試料液を供給し、試料液排出口16から吸引して試料液排出口16から排出する。この際、未反応の酵素標識抗体又はその抗原結合性断片が抗体捕捉領域20に結合する。次に、基質液を液供給口14から供給し、基質液排出口18から吸引して排出する。そうすると、抗体捕捉領域20に結合されている標識酵素による酵素反応により生成した酵素反応生成物が酵素反応生成物測定領域24に結合する。これをSPR法等により測定する。
本発明の酵素免疫センサの好ましい第5の具体例を図4及び図5に示す。図5は図4の模式切断部端面図である(図4の流路を縦断して切断)。図4及び図5に示す具体例においても、図1に示す酵素免疫センサの部材に対応する部材には図1と同じ参照番号を付してある。
図4及び図5に示す酵素免疫センサも、図3に示す具体例と同様、流路12は、分岐がなく、一本の直線状である。図4及び図5に示す具体例では、液供給口が試料液供給口14aと基質液供給口14bに分離しており、これらの間に抗体捕捉領域20が配置される。酵素反応生成物測定領域24は、試料液供給口14aと基質液排出口18の間に配置されている。さらに、試料液供給口14aと酵素反応生成物測定領域24の間には第1の流通方向規定領域34が形成され、一方、基質液供給口14bと試料液排出口16の間に第2の流通方向規定領域36が形成され、第1及び第2の流通方向規定領域34及び36は、金属薄膜から成る電極上に、電位により親水性が変化する物質が結合されたものである。電位により親水性が変化する物質は、電極の全面に結合させる必要はなく、流路12の底面に結合していればよい。電位により親水性が変化する物質としては、フェロセン及びその誘導体を挙げることができる。ここで、「誘導体」としては、フェロセン部分をそっくり含み、フェロセンと同様に、電位による親水性が変化するものが好ましく、例えば、アルキルチオール基(好ましくは炭素数1〜20程度)が結合したアルキルチオール誘導体等を例示することができる。電位による親水性が変化する物質が結合した電極は、例えば、下記実施例に具体的に記載するように、フェロセンアルキルチオールの溶液に電極を浸漬し、電極表面をフェロセンアルキルチオールの自己組織化単分子膜で被覆することなどにより形成することができる。
使用時には、第1の流通方向規定領域34をアースし(電位0V)、第2の流通方向規定領域36に正電位(例えば+0.4V)をかける。そうすると、第2の流通方向規定領域36上のフェロセン誘導体は親水性となり、第1の流通方向規定領域34上フェロセン誘導体は疎水性のままである。この状態で、試料液供給口14aから試料液を供給する。そうすると、第1の流通方向規定領域34は疎水性であるので試料液は第1の流通方向規定領域34を乗り越えて進んでいくことはない。一方、第2の流通方向規定領域36は親水性であるので、試料液は第2の流通方向規定領域36を乗り越えて進み、試料液排出口16に至る。この過程で、試料液は抗体捕捉領域20上を通過するので、未反応の酵素標識抗体又はその抗原結合性断片が抗体捕捉領域20上に結合される。次に、第2の流通方向規定領域36をアースし(電位0V)、第1の流通方向規定領域34に正電位(例えば+0.4V)をかける。この状態で基質液供給口14bから基質液を供給する。そうすると、電位の変化により、第2の流通方向規定領域36は疎水性になっているので、基質液は第2の流通方向規定領域36を乗り越えて進むことはない。一方、第1の流通方向規定領域34は、電位の変化により親水性になっているので、基質液は、第1の流通方向規定領域34を乗り越えて進み、基質液排出口18に至る。この過程で、基質液は、抗体捕捉領域20及び酵素反応生成物測定領域24上を通過するので、上記した他の具体例の場合と同様、酵素反応生成物が酵素反応生成物測定領域24上に結合する。これを他の具体例の場合と同様、SPR法等により測定する。この具体例では、以上のように、液の流通方向が、第1及び第2の流通方向規定領域34及び36に印加される電位より規定されるので、各排出口からの吸引が不要であるから、各排出口にスポンジのような多孔性吸水材を配置して液を吸収するようにしてもよい。
本発明の酵素免疫センサの好ましい第6の具体例を図6に示す。図6に示す具体例においても、図1に示す酵素免疫センサの部材に対応する部材には図1と同じ参照番号を付してある。
図6に示す酵素免疫センサも、図3に示す具体例と同様、流路は、分岐がなく、一本の直線状である。図6に示す具体例では、上部シートが、半透膜38により上下2段に分離されている。従って、流路も半透膜38により上下2段に分離されている。なお、上段のシートを10a1、下段のシートを10a2、上段の流路を12a、下段の流路を12bで示す。半透膜38は、アセチルチオコリンのような酵素反応生成物は透過するが、前記酵素標識抗体又はその抗原結合性断片は透過しないものである。抗体捕捉領域20は、上段のみに形成される。これは、半透膜38上に抗体捕捉領域20を設けることによっても達成されるし、あるいは、上段の流路12aの側壁に抗体捕捉領域20を設けてもよい。図6に示す具体例ではまた、試料液排出口と基質液排出口が同一の排出口18aとなっている。また、下段流路12bの一端が透析液供給口40、他端が透析液排出口42となっている。以上のような上部シートは、2枚のシートを、半透膜38を挟んで貼り合せることにより容易に作製することができる。また、他の具体例と同様、下段シート10a2の下側には、図示しない下部基板が張り合わされ、下部基板の表面に金膜が形成されて酵素反応生成物測定領域24となっている。酵素反応生成物測定領域24は、図3の具体例と同様、抗体捕捉領域20よりも下流に形成される(ただし、酵素反応生成物測定領域24は下段流路12b内、抗体捕捉領域20は上段流路12a内)。
図6に示す具体例の使用方法を説明する。先ず、透析液供給口40から透析液を供給すると共に透析液排出口42から吸引し、下部流路12b内に透析液を満たす。この状態で吸引を停止し、下部流路12b内に透析液が満たされた状態で維持する。なお、透析液としては、例えば0.1Mリン酸バッファー等を用いることができる。次に、液供給口14から試料液を供給すると共に液排出口18aから吸引する。そうすると、試料液は、液排出口18aに向かって流れ、試料液中の未反応の酵素標識抗体又はその抗原結合性断片が抗体捕捉領域20に結合する。この際、酵素標識抗体又はその抗原結合性断片は半透膜38を透過しないので、下部流路12bには移行しない。試料液が血液等の体液である場合、種々のタンパク質等が含まれるが、これらも半透膜38を透過しないので、下部流路12bには移行しない。次に、液供給口14から基質液を供給すると共に液排出口18aから吸引する。そうすると、基質液は、液排出口18aに向かって流れ、その間に抗体捕捉領域20上を通過し、その際に抗体捕捉領域20に結合している標識酵素により酵素反応が起き、酵素反応生成物が生成する。生成した酵素反応生成物は、半透膜38を透過するので、少なくともその一部が半透膜38を介して下段流路12bに移行し、酵素反応生成物測定領域24に結合する。この際、透析液排出口42から吸引してもよい。酵素反応生成物測定領域24に結合した酵素反応生成物は、他の具体例と同様、SPR法等により測定することができる。
この具体例によれば、酵素反応生成物の測定を、試料液中の各種タンパク質等の高分子物質の非存在下において行なうことができ、より正確な測定が可能になる。
なお、上記した第4ないし第6の具体例において、酵素反応生成物測定領域24は、SPR法用の金薄膜であるが、これに代えて、第2又は第3の具体例と同様に電気化学セルを採用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
1. アセチルチオコリンエステラーゼ標識BNPの調製
(1) アセチルチオコリンエステラーゼを標識酵素とする脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)抗体(Anti−BNP−AchE)を以下のように作製した。10mg/mLのS−アセチルカプトサクシニルアンヒドリド溶液を1mg/mLのアセチルチオコリンエステラーゼと反応させてアセチルチオコリンエステラーゼにチオール基を導入した。一方、0.1mg/mLのスルホサクシニミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレートと400μg/mLの抗ヒトBNP抗体(入手先:Phoenix Pharmaceuticals社)と反応させて、抗ヒトBNP抗体にマレイミド基を導入した。その後、チオール修飾したアセチルチオコリンエステラーゼとマレイミド基を導入した抗ヒトBNP抗体を反応させてAnti−BNP−AchEを作製した。
2. 酵素免疫センサの作製
図1に示す第1の具体例になる酵素免疫センサを作製した。上部シート10aはポリジメチルシロキサン(PDMS)のシート(16mm x 16 mm、厚さ50μm)から成り、下部基板10bはガラス板であった。上部シート10aは、ステンレス基板にサンドブラスト加工法により形成した凸構造を有するネガパターンを鋳型としてPDMS及び硬化剤を流し込み、硬化後、剥がし取ることにより作製した。流路は幅200μm、深さ50μmであった。また、T字形の横棒の長さは12mm、縦棒の長さは12mmであった。また、流路12内の拡幅領域22の直径は、3mmであった。その後ドリルにより、液供給口14、試料液排出口16及び基質液排出口18を開け、液の導入及び排出のためのキャピラリを接続した。ドリルで開けたそれぞれの孔の直径は0.6mmであった。
一方、下部基板10bは、ガラス板(16mm x16mm、厚さ0.15mm、松浪硝子社製)から成り、抗体捕捉領域20及び酵素反応生成物測定領域24として、それぞれ金薄膜を形成した。金薄膜は、ガラス板上にマグネトロンスパッタ装置(日本シード社製)を用いてチタンを5nm堆積させた後、さらに金薄膜を厚さ50nm堆積させることにより形成した。抗体捕捉領域20長さは5mm、酵素反応生成物測定領域24の直径は3mmであった。その後、抗体捕捉領域20の金薄膜に0.1mMシスタミン溶液を滴下、2時間放置し、金表面にアミノ基を導入した後、純水で洗浄し、さらに2.5mg/mLのBNP及び0.1g/Lの水溶性カルボジイミドを含む溶液中で1時間反応させることにより、金薄膜表面にBNPを不動化した。得られた下部基板10bを洗浄後、上記上部シート10aと貼り合わせ、本発明の第1の具体例になる酵素免疫センサを作製した。
3. 定量方法
BNPの定量は以下の手順で行った。各濃度のBNP含む水溶液に終濃度が10ng/mLになるようにAnti−BNP−AchEを加えた。この試料液を、シリンジポンプを用いて液供給口14から供給し、一方、試料液排出口16から吸引し、液供給口14から試料液排出口16の方向に流速1μL/分で1分間流通させた。これにより、未反応抗体をBNPが固定化された抗体捕捉領域20上に固定化した。その後、1mMのアセチルチオコリンを含む基質液を、液供給口14から供給し、一方、基質液排出口18から吸引し、液供給口14から基質液排出口18の方向に流速1μL/分において連続的に流通させつつ、拡幅領域22内に配置された、金薄膜から成る酵素反応生成物測定領域24表面の屈折率変化をSPR法により読み取った。SPR角の測定は、市販されているHandy−SPR(商品名、NTT−AT社製)を用いて行った。
4. 結果
結果を図7及び図8に示す。図7は各BNP濃度に対するSPR角の上昇する様子を示している。試料液中に多くのBNPが含まれる場合には、抗体捕捉領域20上に固定化される未反応抗体の量が減少するため、アセチルコリンエステラーゼ活性が低く、酵素反応生成物であるチオコリンの生成量が少ない。このため、試料溶液中のBNP増加に伴いSPR角度変化が小さくなった。一方、試料液中にBNPが少ない場合、未反応抗体が増加するため抗体捕捉領域20上に固定化される未反応抗体の量が増加し、固定化されるアセチルコリンエステラーゼ活性が高いため、試料液中のBNP減少に伴いSPR角度変化が大きくなる。図8は各BNP濃度に対する図7における5分後のSPR角の変化量を示している。試料液中のBNP濃度の増加に伴いSPR角の変化速度が小さくなる。すなわち本発明の方法によりBNPが定量可能であることを示している。
1. 酵素免疫センサの作製
図2に示す第2の具体例になる酵素免疫センサを作製した。上部シート10aは、実施例1と同様に作製した(ただし、実施例1の拡幅領域22は形成しない)。下部基板10bも実施例1と同様なガラス板であり、酵素反応生成物測定領域24(作用電極)及び参照電極30は、実施例1と同様に作製した金薄膜とした。対向電極32は銀薄膜とした。なお、各電極の幅は1mmであった。
2. 定量
実施例1と同様にAnti−BNP−AchEを作製した後、実施例1と同様に各濃度のBNP含む水溶液に終濃度が10ng/mLになるようにAnti−BNP−AchEを加え、次いで、この試料液を、シリンジポンプを用いて液供給口14から試料液排出口16の方向に1μL/分の流速で1分間流路12中に供給し、未反応抗体をBNPが固定化された金薄膜(抗体捕捉領域)20上に固定化した。その後、1mMのアセチルチオコリンを含む基質液を液供給口14から基質液排出口18に向かって1μL/分の流速で供給し、酵素反応生成物測定領域(作用電極)24表面に酵素反応生成物であるチオコリンを結合させた。その後、0.1Mの水酸化カリウム溶液を液供給口14から基質液排出口18に向かい送液し、検出流路19内を0.1Mの水酸化カリウム溶液で満たし、送液を止めた。
その後、センサの作用電極24、参照電極30及び対向電極32をポテンシオスタット(ALS社製)に接続し、参照電極電位に対して−0.4Vから−1.4Vへ作用電極電位を掃引すると、−1.1V付近にピークを有する還元電流ピークが確認された。この還元電流は作用電極24上に吸着していたチオコリンが還元脱離した際の電流である。本還元電流値はBNP濃度の上昇に伴い、減少した。これは試料中にBNPが多い場合、未反応抗体が減少するため金薄膜20上に固定化される未反応抗体の量が減少し、固定化されるアセチルコリンエステラーゼ活性が低いため、試料溶液中のBNP増加に伴い還元電流値が減少する。このように本発明では電気化学的手法においてもBNPが定量可能であることを示している。
1. グルコースオキシダーゼ標識抗BNP抗体の調製
標識酵素としてアセチルチオコリンエステラーゼに代えてグルコースオキシダーゼを用いたことを除き、実施例1と同様にしてグルコースオキシダーゼ標識抗ヒトBNP抗体を調製した。
2. 酵素免疫センサの作製
酵素反応生成物測定領域24(作用電極)を1 mMフェロセンウンデカンチオールのエタノール溶液に2時間浸漬し、電極表面をフェロセンウンデカンチオールの自己組織化単分子膜で修飾したことを除き実施例2と同様な酵素免疫センサを作製した。
3. 定量
実施例1と同様に各濃度のBNP含む水溶液に終濃度が10ng/mLになるようにグルコースオキシダーゼ標識抗ヒトBNP抗体を加え、次いで、この試料液を、シリンジポンプを用いて液供給口14から試料液排出口16の方向に1μL/分の流速で1分間流路12中に供給し、未反応抗体をBNPが固定化された金薄膜(抗体捕捉領域)20上に固定化した。その後、基質溶液として10mMグルコース及び1μMヘミンを含む溶液を実施例2と同様に送液した。これにより、流路12内で過酸化水素を生成させ、ヘミンを介して作用電極24上に修飾したフェロセンウンデカンチオールの一部を酸化させた。その後、実施例2と同様にフェロセンウンデカンチオールを修飾した作用電極電位を参照電極30に対して電位を掃印することにより、還元電流ピークを観測することができた。これは、作用電極上に修飾されたフェロセンウンデカンチオールがヘミンを介して一部酸化された分子が、再び還元されたことによる。上記還元電流ピークより過酸化水素濃度を決定することが可能であり、さらに目的とする抗原であるBNP濃度を決定することが可能となる。
1. 酵素免疫センサの作製
図3に示す第4の具体例の酵素免疫センサを作製した。上部シート10aの流路の形状を図3のように変更した以外は実施例1と同様にして作製した。ただし、酵素反応生成物測定領域24を構成する金薄膜の直径は10mmであった。
2. 定量
試料液及び基質液は実施例1と同様にして調製した。試料液排出口16及び基質液排出口18をシリンジに接続し、さらに該シリンジをシリンジポンプに取り付けた。その後、試料液排出口16に接続したシリンジポンプのみを吸引することにより、BNP及びAnti−BNP−AchEを含む試料液を液供給口14から試料液排出口16に向かい吸引送液した。この間にBNPが固定化されている金薄膜20上に未反応抗体が固定化される。その後、基質液排出口18に接続したシリンジポンプを吸引することにより、液供給口14から基質液排出口18に向かい、1mMのアセチルチオコリン溶液を吸引送液した。なお、試料液及び基質液の送液条件は実施例1と同様であった。この時に金薄膜20上に固定化されたAnti−BNP−AchEによりアセチルチオコリンの一部がチオコリンに分解され、金薄膜24上に濃縮される。このチオコリンの濃縮を実施例1と同様にSPR法により検出した。
1. 酵素免疫センサの作製
図4及び図5に示す第5の具体例の酵素免疫センサを作製した。上部シート10aは、流路の形状を図4及び図5に示すように変更した以外は実施例1と同様にして作製した。下部基板10bには、実施例4と同様に抗体捕捉領域20及び酵素反応生成物測定領域24を形成した。さらに、第1の流通方向規定領域34及び第2の流通方向規定領域36の基層をそれぞれ金薄膜で形成した。これらの金薄膜を、1 mMフェロセンウンデカンチオールのエタノール溶液に2時間浸漬し、電極表面をフェロセンウンデカンチオールの自己組織化単分子膜で修飾して第1及び第2の流通方向規定領域34及び36を形成した。
2. 定量
試料液及び基質液は実施例1と同様にして調製した。先ず、第2の流通方向規定領域36及び第1の流通方向規定領域34の電極電位をおのおの0.4V,0Vに印加し、BNP及びAnti−BNP−AchEを含む試料液を試料液供給口14aから送液した。導入された試料液は親水性の高い第2の流通方向規定領域36方向へ送液され、この間にBNPが固定化されている抗体捕捉領域20上に未反応抗体が固定化される。次に、第2の流通方向規定領域36及び第1の流通方向規定領域34の電極電位をおのおの0V,0.4Vに印加し、基質液供給口14bから1mMのアセチルチオコリン溶液を導入した。この際に、アセチルチオコリン溶液は親水性の高い第1の流通方向規定領域34の方向に送液され、さらに酵素反応生成物測定領域(金薄膜)24と接触する。なお、試料液及び基質液の送液条件は実施例1と同様であった。この時に金薄膜24上に固定化されたAnti−BNP−AchEによりアセチルチオコリンの一部がチオコリンに分解され、金薄膜24上に濃縮される。このチオコリンの濃縮を実施例1と同様にSPR法により検出、もしくは実施例2と同様に電気化学的に検出することにより、試料中のBNPを定量可能であった。このように酸化還元種を固定化した金薄膜を各流路の境目に配置させることにより、送液方向を制御し、簡便にかつS/N比よく検出可能である。
1. 酵素免疫センサの作製
図6に示す第6の具体例の酵素免疫センサを作製した。上部シートは、流路の形状を図6の通りにしたことを除き実施例1と同様にして作製した2枚のPDMSシートの間に半透膜38を挟んで貼り合せた。半透膜38は、平均孔径4nm、厚さ20μmのセルロース膜であった。上部シートの上段10a1の側壁に、実施例1と同様なスパッタリングにより金薄膜を形成し、これに実施例1と同様にBNPを結合して抗体捕捉領域20とした。下部基板は実施例1と同様であった。なお、下部基板には、酵素反応生成物測定領域24となる金薄膜のみ形成した。
2. 定量
試料液及び基質液は実施例1と同様にして調製した。まず、透析液として0.1Mのリン酸バッファを透析液供給口40から透析液排出口42に向かい送液し、下段流路12b内に透析液を満たした。その後、シリンジポンプを用いて液供給口14からBNP及びAnti−BNP−AchEを含む試料液を排出口18aに向かい吸引送液した。その後、同様に基質液である1mMアセチルチオコリンを送液した。なお、試料液及び基質液の送液条件は実施例1と同様であった。これにより生成されたチオコリンの一部は半透膜38を通過し、酵素反応生成物測定領域(金薄膜)24上に吸着濃縮される。濃縮されるチオコリンは実施例1と同様にSPR法により確認可能である。このように酵素生成物であるチオコリンのように分子量の小さい分子を選択的に検出流路へ送り込むことにより、試料中のタンパク質などの高分子の吸着の影響が無く測定可能である。
本発明の酵素免疫センサの好ましい1具体例を模式的に示す分解斜視図である。 本発明の酵素免疫センサの好ましい他の1具体例を模式的に示す分解斜視図である。 本発明の酵素免疫センサの好ましいさらに他の1具体例を模式的に示す分解斜視図である。 本発明の酵素免疫センサの好ましいさらに他の1具体例を模式的に示す分解斜視図である。 図4の切断部端面図である。 本発明の酵素免疫センサの好ましいさらに他の1具体例を模式的に示す分解斜視図である。 本発明の実施例1で測定した、種々の濃度の被検物質を含む各標準試料液についてのSPR角の時間変化を示す図である。 図7に示す結果から導かれた、試料液中のBNP濃度とSPR角の変化率との関係を示す検量線である。
符号の説明
10 基板
10a 上部シート
10a1 上部シートの上段
10a2 上部シートの下段
12 流路
12a 上段流路
12b 下段流路
14 液供給口
14a 試料液供給口
14b 基質液供給口
16 試料液排出口
18 基質液排出口
18a 排出口
20 抗体捕捉領域
22 拡幅領域
24 酵素反応生成物測定領域
26 SPR測定用入射光
28 SPR測定用反射光
30 参照電極
32 対向電極
34 第1の流通方向規定領域
36 第2の流通方向規定領域
38 半透膜
40 透析液供給口
42 透析液排出口

Claims (24)

  1. 流路が設けられた基板と、該流路内に設けられ、被検物質に対する抗体と抗原抗体反応する抗体捕捉物質を不動化した抗体捕捉領域と、前記流路内の前記抗体捕捉領域以外の領域に設けられた酵素反応生成物測定領域とを具備する酵素免疫センサを用い、前記被検物質と、該被検物質と抗原抗体反応する、酵素標識した抗体又はその抗原結合性断片とを含む試料液を前記抗体捕捉領域に流通させて未反応の前記抗体又はその抗原結合性断片を前記抗体捕捉領域に捕捉し、次いで、前記標識酵素の基質を含む基質液を前記抗体捕捉領域に流通させて前記標識酵素による酵素反応を行なわせた後、その酵素反応生成物の少なくとも一部を前記酵素反応生成物測定領域と接触させて該酵素反応生成物を測定することを含む、前記被検物質の酵素免疫測定方法。
  2. 前記酵素反応生成物測定領域は金薄膜から成り、前記酵素反応は、チオール化合物を生成するものであり、酵素反応により生成した前記チオール化合物の、前記金薄膜への結合を表面プラズモン共鳴法により測定する請求項1記載の方法。
  3. 前記酵素反応生成物測定領域は金薄膜から成り、前記酵素反応は、チオール化合物を生成するものであり、酵素反応により生成した前記チオール化合物を前記金薄膜に結合させた後、該金属薄膜に電圧を印加して前記チオール化合物を前記金薄膜から還元脱離させ、その際の還元電流を測定する請求項1記載の方法。
  4. 前記標識酵素がアシルチオコリンエステラーゼであり、前記基質がアシルチオコリンである請求項2又は3記載の方法。
  5. 前記標識酵素がアセチルチオコリンエステラーゼであり、前記基質がアセチルチオコリンである請求項4記載の方法。
  6. 前記酵素反応は、過酸化水素を生成するものであり、前記酵素反応生成物測定領域は、過酸化水素測定電極である請求項1記載の方法。
  7. 前記標識酵素がオキシダーゼであり、前記基質がオキシダーゼの作用により過酸化水素を生じる化合物である請求項6記載の方法。
  8. 前記標識酵素がグルコースオキシダーゼであり、前記基質がグルコースである請求項7記載の方法。
  9. 前記過酸化水素測定電極は、過酸化水素により直接的又は間接的に酸化される物質が結合された金属から成り、該電極に電圧を印加して、過酸化水素により酸化された前記物質を還元し、その際の還元電流を測定することにより過酸化水素を測定する請求項6ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記過酸化水素測定電極は、フェロセン及びその誘導体、これを含む高分子化合物、ヒドロキノン及びその誘導体、これを含む高分子化合物、オスミウムビピリジン錯体及びその誘導体、並びにこれを含む高分子化合物から成る群より選ばれる少なくとも1種の酸化還元性物質が結合され、前記基質溶液は、過酸化水素の存在下で前記酸化還元性物質を酸化する物質又は酵素を含む請求項9記載の方法。
  11. 前記過酸化水素の存在下で前記酸化還元性物質を酸化する物質又は酵素が、ヘミン、鉄ポルフィリン錯体、マイクロペルオキシダーゼ及びペルオキシダーゼから成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項10記載の方法。
  12. 前記過酸化水素測定電極には、フェロセンのアルキル化誘導体が結合され、前記基質液はヘミンを含む請求項11記載の方法。
  13. 前記流路は分岐しており、前記抗体捕捉領域は、分岐点よりも上流に位置し、前記酵素反応生成物測定領域は分岐点よりも下流の一方の流路内に位置しており、前記試料液は、分岐点通過後、前記反応生成物検出領域が形成されていない方の流路を流通し、前記基質液は、分岐点通過後、前記酵素反応生成物測定領域が形成されている方の流路を流通する請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記流路は分岐のない1本の流路から成り、前記試料液は、前記抗体捕捉領域よりも上流の位置から前記流路に供給され、前記抗体捕捉領域を通過した後、前記酵素反応生成物測定領域に到達する前に流路から除去され、前記基質液は、前記抗体捕捉領域よりも上流の位置から前記流路に供給され、前記抗体捕捉領域を流通した後前記酵素反応生成物測定領域と接触する請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記流路は分岐のない1本の流路から成り、前記試料液は、前記抗体捕捉領域と前記酵素反応生成物測定領域の間の位置から流路に供給されて前記抗体捕捉領域側に流通して前記抗体捕捉領域を通過し、前記基質液は、前記抗体捕捉領域を挟んで前記酵素反応生成物測定領域と反対側の位置から流路に供給されて前記抗体捕捉領域側に流通して前記抗体捕捉領域を通過して前記酵素反応生成物測定領域と接触する請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記免疫センサは、前記抗体捕捉領域と前記酵素反応生成物測定領域の間に形成され、電位により親水性が変化する物質が結合された導体から成る第1の流通方向規定領域と、前記抗体捕捉領域を挟んで前記第1の流通方向規定領域と反対側の位置に形成され、電位により親水性が変化する物質が結合された導体から成る第2の流通方向規定領域を具備し、前記試料液は前記抗体捕捉領域と前記第1の流通方向規定領域の間の位置から前記流路に供給され、前記基質液は前記第2の流通方向規定領域と前記抗体捕捉領域の間の位置から前記流路に供給され、前記試料液を供給した際の流通方向と、前記基質液を供給した際の流通方向とを、前記第1及び第2の流通方向規定領域に印加する電位を変えることにより切り替える請求項15記載の方法。
  17. 前記第1及び第2の流通方向規定領域に結合される、電位により親水性が変化する物質は、フェロセン又はその誘導体である請求項16記載の方法。
  18. 前記流路は、前記酵素反応生成物が透過するが前記酵素標識抗体又はその抗原結合性断片は透過しない半透膜により上下2段に分離され、前記抗体捕捉領域は流路の上段に形成され、前記酵素反応生成物測定領域は下段に形成される請求項1ないし17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 流路が設けられた基板と、該流路内に設けられ、被検物質に対する抗体と抗原抗体反応する抗体捕捉物質を不動化した抗体捕捉領域と、前記流路内の前記抗体捕捉領域以外の領域に設けられた酵素反応生成物測定領域とを具備する、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の方法を行なうための酵素免疫センサ。
  20. 前記流路は分岐しており、前記抗体捕捉領域は、分岐点よりも上流に位置し、前記酵素反応生成物測定領域は分岐点よりも下流の一方の流路内に位置する請求項19記載の酵素免疫センサ。
  21. 前記流路は分岐のない1本の流路から成る請求項19記載の酵素免疫センサ。
  22. 前記免疫センサは、前記抗体捕捉領域と前記酵素反応生成物測定領域の間に形成され、電位により親水性が変化する物質が結合された導体から成る第1の流通方向規定領域と、前記抗体捕捉領域を挟んで前記第1の流通方向規定領域と反対側の位置に形成され、電位により親水性が変化する物質が結合された導体から成る第2の流通方向規定領域とを具備する請求項21記載の酵素免疫センサ。
  23. 前記第1及び第2の流通方向規定領域に結合される、電位により親水性が変化する物質は、フェロセン又はその誘導体である請求項22記載の酵素免疫センサ。
  24. 前記流路は、前記酵素反応生成物が透過するが前記酵素標識抗体又はその抗原結合性断片は透過しない半透膜により上下2段に分離され、前記抗体捕捉領域は流路の上段に形成され、前記酵素反応生成物測定領域は下段に形成される請求項19ないし23のいずれか1項に記載の酵素免疫センサ。

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