JP2007021862A - 易接着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、高温湿熱下での接着性や印字・印刷性に優れ、高品質の透明で、平坦な耐ブロッキング性に優れた易接着フィルムを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の易接着フィルムは、基材の少なくとも片面に、高分子結着剤、架橋結合剤および滑剤を含む受容層を設けてなるフィルムであって、該受容層の中心線平均表面粗さ(Ra)が2nm以上20nm以下であることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、印字・印刷・接着等の後加工が可能な易接着フィルムに関するものである。更に詳しくは高温湿熱易接着性、UV印刷適性、転写印字適性等に優れると共に、耐ブロッキング性にも優れた易接着フィルムに関するものである。
印字・印刷用受容体として、従来より紙支持体が支配的であったが、近年ポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムが支持体として多く使用され始めている。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは透明性、寸法安定性、機械的性質、電気的性質、耐薬品性等の性能に優れているため、磁気テープ、包装材料、電気絶縁材料、情報記録材料、各種工程紙などの幅広い分野に利用されている。ポリエステルは上記のような優れた特性を有してはいるが、フィルム表面は高度に結晶配向しているため、各種塗料等に対する接着性が乏しく、フィルム表面に易接着処理を施す必要がある場合が多い。ポリエステルフィルムに易接着性を付与する方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等が挙げられるが、これらの方法では経時的にその性能が低下する欠点がある(例えば、特許文献1)。また、水系塗剤を塗布することにより易接着性を付与する方法(例えば、特許文献2)があるが、高温湿熱下での接着性、ブロッキング性、印字・印刷適性や寸法安定性、耐水性、機械的強度等は不十分である。
そこで、有機溶剤系塗剤を塗工することにより、高温湿熱下での接着性、ブロッキング性、耐水性、機械的強度等に優れた易接着フィルムが提案されている(例えば、特許文献3)。しかしながら、ベースフィルムの透明化、すなわちベースフィルムの平坦化の要求が強まり、該易接着フィルムでも、易接着性と耐ブロッキング性という相反する特性を兼ね備えるのは困難となっている。
特公昭58-25331号公報 特開2000-229394号公報([0007]〜[0032]段落) 特開平11-10814号公報([0004]〜[0037]段落)
本発明は、上記のような従来技術の背景に鑑み、高温湿熱下での接着性や印字・印刷性に優れ、高品質の透明で、平坦な耐ブロッキング性に優れた易接着フィルムを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の易接着フィルムは、基材の少なくとも片面に、高分子結着剤、架橋結合剤、および滑剤を含む受容層を設けてなるフィルムであって、該受容層の中心線平均表面粗さ(Ra)が2nm以上20nm以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、ICカード、電子材料、グラフィック材料などに好適に用いることができる易接着フィルムを安定して提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり高温湿熱下での接着性や印字・印刷性に優れ、高品質の透明で、平坦な耐ブロッキング性に優れた易接着フィルムについて、鋭意検討し、該易接着フィルムを構成する受容層の表面粗さを特定な範囲内に制御してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の易接着フィルムを構成する基材は、特に限定されず、各種プラスチックフィルム、プラスチックシート等を使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂等からなるフィルムが使用することができる。中でもポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムが、寸法安定性、機械的性質、熱的性質等に優れているため好ましく用いられる。
なお、ポリプロピレンやフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイドなどからなるフィルムを基材として使用する場合には、易接着層を設ける表面に、例えば、コロナ放電処理やプラズマ処理等の表面活性化処理を施しておくと、易接着層の基材への接着性、密着性を向上させることができる。ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートフィルムの場合は未処理でもよい。
本発明の易接着フィルムは、このような基材の少なくとも片面に、高分子結着剤、架橋結合剤および滑剤を含む受容層を設けてなるフィルムであるが、本発明は、かかる易接着フィルムの受容層の表面粗さを特定な範囲内に制御したところに特徴を有するものである。すなわち、該受容層の中心線平均表面粗さ(Ra)が、2nm以上20nm以下の範囲内に制御したところに特徴を有するものである。すなわち、該受容層の易接着層側の中心線平均表面粗さ(Ra)を、カットオフ値0.25mmで2nm以上20nm以下の範囲内に制御することが重要であり、好ましくは3nm以上15nm以下とするものである。かかる中心線平均表面粗さの範囲内に制御することにより、透明なベースフィルム、すなわち、平坦なベースフィルムにおいても、優れた易接着性と耐ブロッキング性を兼ね備えた易接着フィルムを提供することができるものである。ここでカットオフ値とは、JIS−B0601に定義される粗さ曲線を得る際に設定する波長であり、位相補償形高域フィルタの利得が50%になる周波数に対応する波長を示すものである。
かかる受容層は、高分子結着剤を主剤として、これに架橋結合剤および滑剤を含有して構成されたものであり、これを易接着層として、該基材表面に塗設され、本発明に係る易接着フィルムとされるものである。かかる易接着層の塗設は、前記基材となるフィルムを製膜した後にオフラインでコーティングするオフラインコーティング手段により達成される。
かかる高分子結着剤としては、ポリエステル系、アクリル系、ポリウレタン系等の樹脂が使用できるが、中でも、極性基含有ポリエステル樹脂や不飽和結合を有する化合物をグラフト化させた共重合ポリエステル樹脂などの変性ポリエステル樹脂が好ましく使用される。
前記極性基含有ポリエステル樹脂とは、分子中に親水性基或いは親水性成分、例えば、水酸基、カルボシル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、メチルカルボニル基、カルボン酸基、ポリエチレングリコール基、リン酸エステル塩、第四級アンモニウム塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩等の少なくとも1種が導入されたポリエステル共重合体である。中でも、代表的なポリエステル共重合体としては以下の組成のものが有用である。すなわち、芳香族ジカルボン酸および/または非芳香族ジカルボン酸およびエステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物とグリコールの重縮合物が用いられる。具体的には、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタンp,p´−ジカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体があり、非芳香族ジカルボン酸には、例えば、修酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体がある。これらのうちで芳香族ジカルボン酸および/またはそのエステルエステル形成性誘導体が全ジカルボン酸成分に対し40モル%以上占めることが樹脂の耐熱性や皮膜強度、耐水性の点で好ましく、その範囲内で、1種以上のジカルボン酸を併用してもよい。
かかるエステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどのアルカリ金属塩(スルホン酸のアルカリ金属塩)およびこれらのエステル形成性誘導体が用いられ、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸のナトリウムおよびこれらのエステル形成性誘導体がより好ましく使用される。
次に、グリコール成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族または炭素数6〜12個の脂環族グリコールであり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等が好ましく使用される。場合によっては、ポリエーテルを共重合させてもよい。ここでいうポリエーテルとはエーテル結合を主要結合鎖とする親水性高分子のことであり、特に好ましいのは脂肪族ポリエーテルであり、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンエーテル、ポリエチレングリコールエーテルなどが好ましく使用される。
かかる極性基含有ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0〜80℃、より好ましくは30〜60℃の範囲内にあるものが、易接着性、耐水性、耐湿熱性、耐アルカリ性等の上からよい。
また、かかる極性基含有ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル製造技術で製造することができる。すなわち、前記した酸成分およびグリコール成分をエステル化或いはエステル交換触媒、重合触媒等の反応触媒を用いて溶融重縮合せしめ、所望のポリマーとして得られる。さらには、溶液重縮合も適用できる。この際、いずれの場合にもグラフト化反応に悪影響を及ぼさない範囲で種々の改質剤、安定剤等を添加してもよい。かかる極性基含有ポリエステル樹脂の分子量としては、好ましくは1〜5万、より好ましくは1〜2万の範囲であるのが、易接着性の上からよい。
また、前記不飽和結合を有する化合物をグラフト化させた共重合ポリエステル樹脂とは、不飽和結合を有する化合物、具体的には、ビニルエステル類として、例えば、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、高級第3級ビニルエステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、臭化ビニル、また不飽和カルボン酸エステル類として、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸オクチル、フマル酸ブチル、フマル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、エチレングリコールジメタクリル酸エステル、エチレングリコールジアクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル、不飽和カルボン酸アミド類として、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、ブトキシメチロールアクリルアミド、不飽和ニトリル類として、例えば、アクリロニトリル、不飽和カルボン酸類として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸酸性エステル、フマル酸酸性エステル、イタコン酸酸性エステル、アクリル化合物として、例えば、酢酸アリル、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、イタコン酸ジアリル、含窒素化合物として、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、炭化水素類として、例えば、エチレン、プロピレン、ヘキセン、オクテン、スチレン、ビニルトルエン、ブタジエン、ビニルシラン化合物として、例えば、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルエチルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等、これらの中から選ばれた少なくとも1種を前記の極性基含有ポリエステル樹脂にグラフト化させて得られるものである。
極性基含有ポリエステル樹脂への、かかる不飽和結合を有する化合物のグラフト化率は、好ましくは0.5〜600%、より好ましくは5〜300%、特に好ましくは10〜100%の範囲であるのがよい。グラフト化率が0.5%未満では、耐水性が悪化するし、また、グラフト化率が600%を超えると、塗工性が悪化したり、易接着層と基材ベース間の界面力が低下する。ここでのグラフト化率とは、次式(1)で表されるものである。
グラフト化率(%)=(グラフト化前の化合物質量/グラフト化後の化合物質量)×100 (1)
本発明においては、かかる高分子結着剤に架橋結合剤および滑剤を含有させて受容層を構成するものである。
かかる架橋結合剤としては、前記変性ポリエステル樹脂に存在する官能基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、グリシジル基、アミド基等と熱架橋反応して、最終的には三次元網状構造を有する易接着層とするための架橋剤である。かかる架橋結合剤としては、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、尿素系化合物およびエポキシ系化合物から選ばれた少なくとも1種を用いるのが、架橋効果が大きくて好ましい。
かかるエポキシ系化合物としては、具体的にはポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物等が用いられ、ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトール、ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等が用いられる。
前記尿素系化合物としては、例えば、ジメチロール尿素、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、テトラメチロールアセチレン尿素、4−メトキシ−5−ジメチルプロピレン尿素ジメチロール等が用いられる。
前記メラミン系化合物としては、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に低級アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を反応させてエーテル化した化合物及びそれらの混合物が好ましい。メチロールメラミン誘導体としては、例えば、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等が用いられる。
前記イソシアネート系化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、1,6−ジイソシアネートヘキサン、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ポリオール変性ジフェニルメタン−4、4´−ジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3´−ビトリレン−4,4´ジイソシアネート、3,3´ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート等が用いられるが、塗膜の黄変防止、反応性、毒性、コスト面等からみて特にメタキシリレンジイソシアネートが好ましく使用される。
これらの架橋結合剤は単独か、場合によっては2種以上併用してもよい。かかる架橋結合剤の配合比率は、高分子結着剤に対して固形分質量比で0.5〜10質量%、好ましくは3〜10質量%の範囲がよい。
また、前記高分子結着剤に含有させる滑剤としては、架橋型の高分子粒子、例えば、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、スチレン・アクリル共重合体ポリマー、エポキシ樹脂の架橋物等が好ましく用いられるが、中でもアクリルポリマー系の架橋物がより好ましく、その中でもポリメチルメタクリレート系の架橋物が特に好ましく使用される。
かかる滑剤の平均粒子径は、0.05μm以上2μm以下が好ましく使用される。すなわち、平均粒子径が、0.05μm未満では塗膜表面が平滑すぎて滑り効果が不十分であり、2μmを超えると塗膜表面の凹凸が大きすぎて、印字・印刷工程で白粉が発生したり、光沢不良等の問題が懸念される。
かかる滑剤の配合比率は、高分子結着剤に対して固形分質量比で0.1質量%以上5質量%未満、好ましくは0.5質量%以上〜3質量%未満がよい。0.1%未満では耐ブロッキング性や滑り効果が不十分で、5質量%を超えると塗膜の密着性や透明性が悪くなる。
また、受容層の厚みとしては、0.1μm以上2μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以上1μm以下である。0.1μm未満では、該受容層を含む基材と後工程でのインキの密着性に劣り、2μmを超えるとブロッキングを起こす。
以下に、本発明の易接着フィルムを実施例により具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。まず、実施例において用いた特性評価方法について説明する。
(1)易接着層とポリエステルフィルムとの密着性
23℃×65%RHの雰囲気下において、本発明の易接着フィルムの易接着層側に、1mm幅で縦横に切れ目を入れて100個の升目を作り、その上にニチバン製No.405、幅18mmのセロハン粘着テープを手で強く圧着し、30秒放置した。その後、該セロハン粘着テープを、45°方向へ急速に剥がし易接着層の塗膜残存率を目視確認した。塗膜残存率が100%のものを「◎」、塗膜残存率が90%以上のものを「○」、それに満たないものを「×」とした。
(2)易接着層とポリエステルフィルムとの耐湿密着性
本発明の易接着フィルムを60℃×90%RHの雰囲気下に3日間放置した。その後、該易接着フィルムの易接着層側に、1mm幅で縦横に切れ目を入れて100個の升目を作り、その上にニチバン製No.405、幅18mmのセロハン粘着テープを手で強く圧着し、30秒放置した。その後、該セロハン粘着テープを、45°方向へ急速に剥がし易接着層の塗膜残存率を目視確認した。塗膜残存率が100%のものを「◎」、塗膜残存率が90%以上のものを「○」、それに満たないものを「×」とした。
(3)耐ブロッキング性
本発明の易接着フィルムを10cm×10cmの正方形に切り、易接着層側同士を重ね合わせて60℃×90%RHの雰囲気下で200g/cmの荷重をかけながら3日間放置した。その後、あわせ面の剥離強度を測定した。剥離強度が10g/cm未満のものを「◎」、剥離強度が10g/cm以上15g/cm未満のものを「○」、剥離強度が15g/cm以上のものを「×」とした。
(4)易接着フィルムと接着剤との密着性
23℃×65%RHの雰囲気下において、易接着フィルムの易接着層側に、ポリエステル系接着剤を10μm塗布し、120℃×1分乾燥させて接着剤被膜を製膜した。次に、23℃×65%RHの雰囲気下において、この被膜面に1mm幅で縦横に切れ目を入れて100個の升目を作り、その上にニチバン製No.405、幅18mmのセロハン粘着テープを手で強く圧着し、30秒放置した。その後、該セロハン粘着テープを、45°方向へ急速に剥がし、剥離状況から易接着フィルムと接着剤との密着性を評価した。塗膜残存率が100%のものを「◎」、塗膜残存率が90%以上のものを「○」、それに満たないものを「×」とした。
(5)中心線平均表面粗さ(Ra)(単位;nm)
JIS−B−0601に基づき、カットオフ値0.25mmで測定した。
(実施例1)
厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルム「東レ(株)社製“ルミラー(R)T60”」を基材フィルムとし、該基材フィルムの片面に、日本化工塗料(株)製の変性ポリエステル高分子結着剤TR−5改3(固形分質量比20質量%)、イソシアネート系架橋結合剤TD硬化剤及び綜研化学(株)製の滑剤MR−2Gからなる塗剤を、下記の組成Aにてグラビアロール(#200,斜線タイプ)を用いて塗工し、130℃のオーブンにて20秒乾燥、熱硬化させ易接着フィルムを得た。さらに、得られた易接着フィルムを50℃で3日間エージング処理を施した。得られた易接着フィルムの中心線平均表面粗さ(Ra)は3nmであった。
評価結果を表1に示したが、易接着層とポリエステルフィルムとの密着性、易接着層とポリエステルフィルムとの耐湿密着性、耐ブロッキング性、易接着フィルムと接着剤との密着性のいずれも極めて良好であった。
組成A
TR−5改3 : 100質量部
TD硬化剤 : 1.7質量部
MR−2G : 0.1質量部
トルエン : 40質量部
メチルエチルケトン : 10質量部。
(実施例2)
塗剤を下記の組成Bにする以外は実施例1と同様の方法にて易接着フィルムを得た。さらに、得られた易接着フィルムを50℃で3日間エージング処理を施した。得られた易接着フィルムの中心線平均表面粗さ(Ra)は10nmであった。
評価結果を表1に示したが、易接着層とポリエステルフィルムとの密着性、易接着層とポリエステルフィルムとの耐湿密着性、耐ブロッキング性、易接着フィルムと接着剤との密着性のいずれも極めて良好であった。
組成B
TR−5改3 : 100質量部
TD硬化剤 : 1.7質量部
MR−2G : 0.5質量部
トルエン : 40質量部
メチルエチルケトン : 10質量部。
(実施例3)
塗剤を下記の組成Cにする以外は実施例1と同様の方法にて易接着フィルムを得た。さらに、得られた易接着フィルムを50℃で3日間エージング処理を施した。得られた易接着フィルムの中心線平均表面粗さ(Ra)は18nmであった。
評価結果を表1に示したが、易接着層とポリエステルフィルムとの密着性、易接着フィルムと接着剤との密着性に若干劣っていたが、実用上問題ないレヘ゛ルであった。
組成C
TR−5改3 : 100質量部
TD硬化剤 : 1.7質量部
MR−2G : 0.8質量部
トルエン : 40質量部
メチルエチルケトン : 10質量部。
(実施例4)
塗剤を下記の組成Dにする以外は実施例1と同様の方法にて易接着フィルムを得た。さらに、得られた易接着フィルムを50℃で3日間エージング処理を施した。得られた易接着フィルムの中心線平均表面粗さ(Ra)は2nmであった。
評価結果を表1に示したが、耐ブロッキング性に若干劣っていたが、実用上問題ないレベルであった。
組成D
TR−5改3 : 100質量部
TD硬化剤 : 1.7質量部
MR−2G :0.02質量部
トルエン : 40質量部
メチルエチルケトン : 10質量部。
(比較例1)
塗剤を下記の組成Eにする以外は実施例1と同様の方法にて易接着フィルムを得た。さらに、得られた易接着フィルムを50℃で3日間エージング処理を施した。得られた易接着フィルムの中心線平均表面粗さ(Ra)は1nmであった。
評価結果を表1に示したが、耐ブロッキング性に劣っていた。
組成E
TR−5改3 : 100質量部
TD硬化剤 : 1.7質量部
MR−2G : 0質量部
トルエン : 40質量部
メチルエチルケトン : 10質量部。
(比較例2)
塗剤を下記の組成Fにする以外は実施例1と同様の方法にて易接着フィルムを得た。さらに、得られた易接着フィルムを50℃で3日間エージング処理を施した。得られた易接着フィルムの中心線平均表面粗さ(Ra)は22nmであった。
評価結果を表1に示したが、易接着層とポリエステルフィルムとの密着性、易接着フィルムと接着剤との密着性に劣っていた。
組成F
TR−5改3 : 100質量部
TD硬化剤 : 1.7質量部
MR−2G : 1.0質量部
トルエン : 40質量部
メチルエチルケトン : 10質量部
Figure 2007021862
本発明の易接着フィルムにおいては、基材に塗布する易接着層を特定のものから構成することにより、高温高湿下での基材との密着性、耐ブロッキング性、後加工での塗料との密着性、接着剤との接着性等がともに向上でき、かつ、透明性や光沢性に優れた易接着層を有する易接着フィルムを得ることができるため、例えばICカード、電子材料、グラフィック材料などに好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 基材の少なくとも片面に、高分子結着剤、架橋結合剤および滑剤を含む受容層を設けてなるフィルムであって、該受容層の中心線平均表面粗さ(Ra)が2nm以上20nm以下である易接着フィルム。
  2. 前記高分子結着剤が、変性ポリエステル樹脂である請求項1に記載の易接着フィルム。
  3. 前記架橋結合剤が、無黄変型ポリイソシアネートである請求項1または2に記載の易接着フィルム。
  4. 前記滑剤が、平均粒子径0.05μm以上2μm以下の、架橋型アクリル系樹脂、スチレン系樹脂およびスチレン・アクリル系樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の易接着フィルム。
  5. 前記受容層の厚さが、0.1μm以上2μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の易接着フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009184341A (ja) * 2008-01-11 2009-08-20 Toray Ind Inc 易接着ポリエステルフィルム
CN106537636A (zh) * 2014-07-16 2017-03-22 凸版印刷株式会社 蓄电装置用封装材料、及使用其的蓄电装置
JP2017227720A (ja) * 2016-06-21 2017-12-28 富士フイルム株式会社 樹脂ミラー、画像表示機能付きミラー、樹脂ミラーの製造方法、および転写シート

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