JP2007016628A - 水平軸風車 - Google Patents

水平軸風車 Download PDF

Info

Publication number
JP2007016628A
JP2007016628A JP2005196548A JP2005196548A JP2007016628A JP 2007016628 A JP2007016628 A JP 2007016628A JP 2005196548 A JP2005196548 A JP 2005196548A JP 2005196548 A JP2005196548 A JP 2005196548A JP 2007016628 A JP2007016628 A JP 2007016628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yaw
nacelle
rotor
wind
blades
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005196548A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4690800B2 (ja
Inventor
Shigeo Yoshida
茂雄 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2005196548A priority Critical patent/JP4690800B2/ja
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to US11/920,861 priority patent/US8167555B2/en
Priority to CN201210019304.3A priority patent/CN102536658B/zh
Priority to CN2006800193510A priority patent/CN101189430B/zh
Priority to EP06756444.3A priority patent/EP1890034B1/en
Priority to EP12152285.8A priority patent/EP2450568B1/en
Priority to EP12152253.6A priority patent/EP2450567A3/en
Priority to CN201210020023.XA priority patent/CN102518557B/zh
Priority to PCT/JP2006/310138 priority patent/WO2006129509A1/ja
Publication of JP2007016628A publication Critical patent/JP2007016628A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4690800B2 publication Critical patent/JP4690800B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Landscapes

  • Wind Motors (AREA)

Abstract

【課題】アップウィンド型の水平軸風車において、暴風時にヨー駆動手段が機能していなくともロータ及びブレード前縁が風下に靡く待機形態を確保でき、この待機形態により風車の暴風時設計荷重を低減する。
【解決手段】本水平軸風車は、カットアウト風速を超えると、すべてのブレード4a〜4cをフェザーにする(図1(a))。次に、風力によるナセル2のヨー回転を許容する所定の制動値にヨーブレーキを制御するとともに、1枚のブレード4aをフェザーからフラット側に変角する(図1(b))。ナセル2のヨー角変位が30deg程度生じたとき1枚のブレード4aをフェザーに戻し、以後、運転モードの復帰まですべてのブレード4a〜4cをフェザーの状態に保持する(図1(c)→(d))。以上の過程でナセル2がヨー回転しロータがタワー1より風下側に配置され、すべてのブレード4a〜4cの後縁が風上を向く(図1(e))。
【選択図】図1

Description

本発明は、アップウィンド型の水平軸風車における暴風時の待機に関する。
周知のように、いわゆる水平軸風車が商業用に広く実用化されている。一般的な水平軸風車は、少なくとも2枚以上のブレードがハブから放射状に取付けられてなるロータと、ハブに接続されるとともに略水平方向に延在された主軸を介してこのロータを軸支するナセルと、略鉛直方向に設置されるとともにナセルをヨー回転自在に支持するタワーとを有して構成される。
加えて、ナセルのヨー回転を自在に駆動制御可能なヨー駆動手段、ヨー回転を制動するヨーブレーキ、ロータの回転を制動する主軸ブレーキ等の制御手段を水平軸風車に設けることも従来行われている。
また、今日の商業風車のほとんどは、アップウィンド型の水平軸風車の構成をとっている。アップウィンド型の水平軸風車は、タワーの風上側に配置されたロータが回転して発電する構成の水平軸風車である。
通常、風車の設計強度は暴風中の待機状態の際に受ける荷重に大きく影響を受ける。暴風時の風車荷重は停電も併発することを想定して設定する必要がある。以下、アップウィンド型の水平軸風車の待機方法に関する代表的な従来技術1〜3について説明する。
〔従来技術1〕
従来技術1は、一般的なアップウィンド・ストール制御風車であり、主軸をブレーキで固定して暴風時に待機するものである。待機時にヨーを固定することが基本である。その中にはヨー制御をしてロータを風向きに平行にして、荷重低減を図るものもある。ヨー制御可能であっても、ヨー制御に必要な電源が遮断される場合や、ヨー制御に関するいずれかの機器に故障が生じた場合は、全方位からの暴風を受ける可能性がある。したがって、全方位からの暴風を想定して設計する必要がある。一般にストール制御機の場合、正面ならびに背面からの暴風時に大きな荷重が発生する。
〔従来技術2〕
従来技術2は、一般的なアップウィンド・ピッチ制御機であり、ロータを遊転、ヨーを固定して暴風時に待機するものである。ピッチ制御機の中には、ヨー制御をしてロータを風上に向け、荷重低減を図るものもあるが、これはヨー制御に必要な電源があるとともに、各機器が故障なく機能していることが前提となる。一般にピッチ制御機の場合、横風ならびに斜め前方/後方から暴風時に大きな荷重が発生する。
〔従来技術3〕
従来技術3は、アップウィンド・ピッチ制御機であり、全翼のフェザーを確保した後に、ナセル方位角をヨー制御により約180deg反転させ、弱いヨーブレーキで保持して暴風時に待機するものである(例えば、非特許文献1参照)。これにより、暴風時にはロータが風下に靡き、タワーへの荷重を軽減することができる。
柴田昌明、林義之、「設計荷重低減のための新コンセプト」、風力エネルギー利用シンポジウム、平成15年11月20日、p.225−227
アップウィンド風車においては、従来技術3のように全翼のフェザーを確保した後に、ロータをタワーより風下に靡かせる待機形態をとることにより、暴風時の負荷荷重を大幅に低減することができる。これは、アップウィンド風車における理想的な待機形態の一つである。
しかし、暴風時にロータをタワーより風下に向かせるためにヨーモータを用いてナセルのヨー回転を駆動する従来の構成では、台風などの暴風発生時に併発してヨーモータへの電源供給遮断、ヨーモータを含むヨー駆動系の故障が生じた場合に、ロータをタワーより風下に配置する動力を失うから、ロータをタワーより風下に靡かせる待機形態をとることができない。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、アップウィンド型の水平軸風車において、暴風時にヨー駆動手段が機能していなくともロータ及びブレード前縁が風下に靡く待機形態を確保でき、この待機形態により風車の暴風時設計荷重を低減することを課題とする。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、ハブと少なくとも2枚以上のブレードとを有するロータと、
前記ハブに接続された主軸を介して前記ロータを軸支するナセルと、
前記ナセルをヨー回転自在に支持するタワーと、
前記ブレードのピッチ角をそれぞれ独立に制御する独立ピッチ制御装置と、
前記ナセルのヨー回転を制御するヨー制御装置とを備え、
所定値以下の風速時に前記ヨー制御装置の制御により前記ロータを前記タワーより風上に配置し前記ロータの回転を介して風力を利用する運転モードと、前記所定値を超える風速時に前記運転モードに備えて待機する待機モードとを有するアップウィンド型の水平軸風車において、
(1)前記独立ピッチ制御装置は、前記所定値を超える風速時に、すべての前記ブレードをフェザーにする第1ステップと、前記第1ステップ後に前記ブレードを1枚のみフェザーからフラット側に変角し、前記ナセルのヨー角変位が生じた後に前記1枚のブレードをフェザーに戻す第2ステップと、前記第2ステップ後に前記運転モードの復帰まですべての前記ブレードをフェザーの状態に保持する第3ステップとからなる制御動作を有し、
(2)前記ヨー制御装置は、前記所定値を超える風速時に、風力により前記ナセルに負荷されるヨー軸周りのトルクによるヨー回転を許容する制動値にヨーブレーキを制御する制御動作を有し、
前記待機モードとして、前記(1)の制御動作を実行し、前記(2)の制御動作を前記第2ステップの実行前に実行して、前記ナセルのヨー角変位を前記第2ステップ及び前記第3ステップにおいて得ることにより前記ロータを前記タワーより風下に靡かせることを特徴とする水平軸風車である。
本発明によれば、風速が所定値を超え、発電等のための風車の運転に備えて待機する時に、第1ステップによりすべてのブレードをフェザーにすることにより、暴風による負荷荷重を低減することができる。この第1ステップによりすべてのブレードの後縁がタワー側を向いた状態となる。
その後の第2ステップによりブレードを1枚のみフェザーからフラット側に変角する。このブレード1枚のみの変角によってロータに空力アンバランスが生じ、風力によりナセルに負荷されるヨー軸周りのトルクを大きくことがきる。このトルクによるヨー回転を許容する制動値にヨーブレーキを制御することによって、ナセルのヨー角変位を得ることができる。
その後、その1枚のブレードをフェザーに戻し、運転モードの復帰まですべてのブレードをフェザーの状態に保持するが、第2ステップによってナセルは風向きに対してヨー角変位を得ており、風力によりナセルに負荷されるヨー軸周りのトルクによるヨー回転を許容する制動値にヨーブレーキを制御しているので、さらなるヨー角変位を得てロータをタワーの風下側へ配置することができ、ロータをタワーより風下に靡かせることができる。
ナセルが風向きに正対した状態からナセルを風力により反転させようとすると、ナセルのヨー回転開始までに大きな風力を必要とし、高風速となってからヨー回転を開始するため、急激なヨー回転となり風車に大きな荷重が負荷される。しかし、本発明によれば、第2ステップ完了時にナセルは風向きに対して正対せず、ヨー角変位を得ているので、比較的緩やかなヨー回転によりさらなるヨー角変位を得てロータをタワーの風下側へ配置することができる。
ロータがタワーより風下に配置されると、第2ステップの完了によりすべてのブレードの後縁がタワー側を向いた状態となり第3ステップによりこれを保持しているから、すべてのブレードは後縁から風を受けることとなり、翼前縁が風上側に向けられた場合に比べて風によって作用する揚力が大幅に低減される。その結果、暴風時の待機姿勢として、ブレード及びタワーに最も荷重がかからない状態で待機できる姿勢が整う。
以上のようにナセルが風力により緩やかに風下側へ反転し、その後も風力によりヨー回転してロータをタワーより風下に靡かせるから、ヨー駆動手段が機能していなくともロータ及びブレード前縁が風下に靡く待機形態を確保でき、この待機形態により風車の暴風時設計荷重を低減することができるという効果がある。
以下に本発明の一実施の形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。図1は、本実施形態のアップウィンド型水平軸風車を上から見た平面図である。図2は、本実施形態のアップウィンド型水平軸風車に搭載される制御部の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の水平軸風車は、タワー1と、ナセル2と、ハブ3と、3枚のブレード4a〜4cを備える。
ナセル2はハブ3に接続された主軸(図示略)を介してハブ3とブレード4a〜4cからなるロータを軸支する。タワー1は、ナセル2をヨー回転自在に支持する。
また、ナセル2の外面には図示しない風速計及び風向計が取り付けられている。
ナセル2の内側には、図示しない増速機、発電機、および主軸ブレーキなどの動力伝達装置が収納されており、これらの各動力伝達装置には、主軸が連結されている。
主軸は、その先端がナセル2の外部に突出しており、この主軸の先端にはロータが、主軸とともに回転するように取り付けられている。
ロータは、中心部に主軸と連結されたハブ3を有しており、ハブ3の回転方向の周面には、3枚のブレード4a〜4cが放射状に取り付けられている。なお、ブレード4a〜4cは断面形状が非対称の翼形に形成されている。
図2に示すように、本実施形態の水平軸風車の制御部は、風向計10、風速計13、制御装置16、ピッチ駆動装置11、ヨー駆動装置14から構成される。制御装置16には、独立ピッチ制御装置12とヨー制御装置15とが備えられている。
ヨー駆動装置14は、ナセル2のヨー角を検出し、ヨー回転を駆動するとともに、ヨー回転を制動する図示しないヨーブレーキを備える。ヨー制御装置15は、ヨー駆動装置14に制御信号を与えてナセル2のヨー回転を制御する。
ピッチ駆動装置11は、ブレード4a〜4cのピッチ角を独立して回転駆動する。 独立ピッチ制御装置12は、ピッチ駆動装置11に制御信号を与え、各ブレード4a〜4cのピッチ角をそれぞれ独立に制御する。各ブレード4a〜4cは、それぞれ独立して少なくとも180度自在に制御される。
なお、ピッチ角とは、ロータの回転面とブレード断面翼弦とのなす角である
通常、商業用の風力発電においては、機械的強度、発電効率、および安全面を考慮して、発電に適する風速帯域が存在し、その上限であるカットアウト風速を超える風速領域では発電は行わず、暴風を回避するべく、できるだけ風荷重を軽減できる姿勢で待機するように制御される。以下、本実施形態の水平軸風車の運転モード及び待機モードについて説明する。
〔運転モード〕
発電に適する風速帯域では、風向計10により検知した風向に基づきヨー制御装置15が制御してロータをタワー1より風上に配置し、風速計13により検知した風速やロータ回転数などに基づき独立ピッチ制御装置12が適度なピッチ角にブレード4a〜4cを制御しロータが風を受けて回転する。このロータの回転力は、ハブ3に接続された主軸に伝達され、主軸に連結されるとともにナセル2の内部に収納された発電機に伝達されることで、回転運動による運動エネルギーが電気エネルギーに変換される。ヨー駆動装置14はヨー制御装置15からの制御信号を受けてナセル2を回転させるときは、ヨーブレーキを解除するか又は軽くし、ナセル2を一定方向に保持するときは、ヨーブレーキを最大にする。
〔待機モード〕
(第1ステップ)台風などの暴風時に、風速計13によって風速がカットアウト風速を超えたことが検出されると、独立ピッチ制御装置12がすべてのブレード4a〜4cをフェザーにする。これにより、ブレード4a〜4c及びタワー1に作用する風荷重を軽減する。ロータは停止し、発電は中断される。
(第2ステップ)次に、ヨー制御装置15が、風力によりナセル2に負荷されるヨー軸周りのトルクによるナセル2のヨー回転を許容する所定の制動値にヨーブレーキを制御するとともに、独立ピッチ制御装置12が1枚のブレード4aをフェザーからフラット側に変角する。
所定の制動値は、ナセル2を一定方向に保持するときの制動値より低く設定する。所定の制動値を一定値とする場合、カットアウト風速を超える風を想定したときナセル2が激しくヨー回転しない程度に高い値とする。また、所定の制動値は、ナセル2のヨー回転に応じて変動するものであっても良い。例えば、風力によりナセル2に負荷されるヨー軸周りのトルクが小さくてもナセル2のヨー回転を許容するために小さくされる一方、ナセル2のヨー回転の角速度を一定以下に制限するために大きくされることにより変動してもよい。
ブレード4aをフェザーからフラット側に変角した場合の変角後の角度は、フラット(0deg)〜45deg程度である。この角度は、得られるヨー角変位に影響する。
ヨー制御装置15が検出するナセル2のヨー角に基づき、ナセル2のヨー角変位が30deg程度生じたとき独立ピッチ制御装置12は、1枚のブレード4aをフェザーに戻す。
このヨー角変位は、30deg程度以上得ることが好ましい。ナセルが風向きに正対した状態からナセルを風力により反転させようとすると、ナセルのヨー回転開始までに大きな風力を必要とし、高風速となってからヨー回転を開始するため、急激なヨー回転となり大きな荷重が風車に負荷されるからである。
このヨー角変位が30deg程度以上得られるように、ブレード4aをフェザーからフラット側に変角した場合の変角後の角度と、ナセル2のヨー回転を許容するため制動値を設定する。
(第3ステップ)次に、上記運転モードの復帰まですべてのブレード4a〜4cを反転フェザーの状態に保持する。
ここで、改めて図1を参照しながら、以上の制御動作の実行及びこれに伴う風車の動作につき説明する。
まず、上記第1ステップの実行により、図1(a)に示すように、すべてのブレード4a〜4cがフェザーになり、ロータの回転は停止する。
次に、第2ステップに入る。ナセル2のヨー回転を許容する所定の制動値にヨーブレーキが制御されるとともに、図1(b)に示すようにブレード4aがフラット側に起こされ、ヨー軸周りのトルクは増大する。このブレード4aのフラット側への変角でブレード4aにおける揚力発生によりロータの回転力も大きくなるが、フェザーの状態を維持する他の2枚のブレード4b,4cはロータの回転に対して制動力を発揮するため、他の主軸ブレーキ手段を使用していない場合でも、ロータ回転が激しく生じることはない。
ブレード4aのフラット側への変角とヨーブレーキ制御とにより、図1(c)に示すように、ナセル2は風向きに対し40〜80[deg]程度のヨー角変位を得る。この時、風向き一定として、風向きに対するヨー角を「初期ヨー角」とする。
次に、図1(d)に示すようにブレード4aをフェザーに戻し、以後運転モードの復帰まですべてのブレード4a〜4cをフェザーの状態に保持する。この時、初期ヨー角を得ているから、ナセル2にヨートルクが負荷される。また、ヨーブレーキはナセル2のヨー回転を許容するから、図1(d)→(e)に示すように、さらにヨー角変位を得てロータがタワー1の風下側へ配置される。
その後も待機モード中は、ヨーブレーキは上述したヨー回転を許容する所定の制動値にされているから、風向きの変化に応じてナセル2がヨー軸周りに滑ってロータがタワーより風下に靡く。
暴風が生じている待機モード中、すべてのブレード4a〜4cは後縁から風を受けることとなり、翼前縁が風上側に向けられた場合に比べて風によって作用する揚力が大幅に低減され、その結果、暴風時の待機姿勢として、ブレード4a〜4c及びタワー1に最も荷重がかからない状態で待機できる姿勢が整う。
以上のように本実施形態の水平軸風車によれば、ナセル2が風力によりヨー回転しロータをタワー1より風下に靡かせるから、ヨー駆動手段が機能していなくともロータ及びブレード前縁が風下に靡く待機形態を確保でき、この待機形態により風車の暴風時設計荷重を低減することができる。
ロータが風下に靡く待機形態となるので、風向きが変化した場合であっても、ロータが常に風下側に位置するようにナセル2がヨー回転するため、ブレード4a〜4cやタワー1に作用する荷重を逃がしながら負荷を軽減することができる。したがって、例えば、台風などの暴風時においても、水平軸風車の姿勢維持のための特別な制御手段を要することなく、常にロータがタワー1の風下側に配置され、風によって受ける荷重を最小に抑えることができる。さらに、これによって水平軸風車の設計強度を大幅に緩和することができ、設計の自由度を高めることができ、コストの軽減を図ることができる。
また、本実施形態の水平軸風車によれば、例えば、台風などの暴風時に、まず、すべてのブレード4a〜4cのピッチ角をフェザーの状態にすることにより、各ブレード4a〜4cに作用する風による抗力を低減することができる。その結果、ブレード4a〜4cおよびタワー1に作用する荷重を低減することができる。
翼枚数3枚、ロータ直径80m、独立ピッチ制御、アップウィンド型の水平軸風車について以下の(1)(2)の解析を行った。
(1)初期ヨー角に対する挙動の解析
初期ヨー角θy0の種々に変更して特定の風況下で生じるヨー角、ロータ曲げモーメント、ヨー水平力の変化を解析した。本解析に適用した風況を図3に示す。風向は一定で、風速が60秒間に10[m/s]から70[m/s]まで変化する風況である。
初期ヨー角θy0は、5,15,30,45[deg]の4種を設定した。ブレードは全てフェザー(ピッチ角約86度)で、ヨーブレーキトルクは400[kNm]である。
図3に示す風況下における各初期ヨー角θy0についてのヨー角の変化、ロータ曲げモーメント、ヨー水平力の変化を表すグラフをそれぞれ順に図4、図5、図6に示す。
図4に示すように横軸0[sec]におけるヨー角は、初期ヨー角θy0であるから、各グラフは5,15,30,45[deg]の点にある。
θy0=5[deg]やθy0=15[deg]では、ロータが風下に安定するまでに比較的大きな振幅で何度か揺り動く。これに対しθy0=30[deg]やθy0=45[deg]では、ロータが風下に回った際の揺り戻しも小さく速やかにロータが風下に安定する。
θy0=5[deg]では、約48秒後まで初期ヨー角を維持してその後急速なヨー回転を開始するとともにロータ曲げモーメント、ヨー水平力の値が急激に上昇している。
θy0=15[deg]では、θy0=5[deg]のときに対し変化はやや緩和するが、約36秒後まで初期ヨー角を維持してその後ヨー回転を開始するとともにロータ曲げモーメント、ヨー水平力の値が上昇している。
以上の2例に対し、θy0=30[deg]やθy0=45[deg]では、約25秒後程度までしか初期ヨー角を維持しておらず、比較的早期にヨー回転を開始し、ロータ曲げモーメント、ヨー水平力の値は比較的低レベルに収まっている。
以上の4例についてヨー急変時刻、ヨー急変時風速、ロータ曲げモーメントの最大値、ヨー水平力の最大値を表1にまとめた。
Figure 2007016628
以上の結果から、初期ヨー角θy0が小さい場合には、高風速に至るまでロータは風上位置を維持し、急激にヨー変角するため、大きな荷重が発生するといえる。本解析例の場合、初期ヨー角θy0を30[deg]以上とれば、荷重を低減できる。
(2)ピッチ変角による挙動の解析
3枚の翼のピッチ角をθb1,θb2,θb3とする。θb1を86,60,45,30[deg]と種々に変更し、θb2=86[deg],θb3=86[deg]として、図7に示す風況下におけるナセル方位角(ヨー角)の変化を解析した。解析結果のグラフを図8に示す。カットアウト風速を25m/secと想定して、図7に示すとおり風速、風向一定の風況とした。本解析に適用した翼のフェザーのピッチ角は86[deg]である。図8に示すように、すべて例について初めのナセル方位角は0deg、すなわち、ロータは風向きに正対している状態から開始し、ヨーブレーキトルクは始終400[kNm]とした。
θb1=86[deg]及びθb1=60[deg]の例では、ナセル方位角は変化しなかった。
これに対し、θb1=45[deg]の例では、約11秒後にナセル方位角が約45度まで変化してこの角度に落ち着き、θb1=30[deg]の例では、約11秒後にナセル方位角が約77度まで変化してこの角度に落ち着いた。
本解析では、全翼フェザーとした後1枚の翼のチッピ角(θb1)のみ45[deg]程度まで戻すことにより、30[deg]以上の初期ヨー角が得られることがわかった。
(3)まとめ、
上記(1)(2)の解析例の結果をまとめると、全翼フェザーとした後1枚の翼のピッチ角のみ45[deg]程度以下まで戻すことにより、30[deg]以上の初期ヨー角θy0が得られ、フェザーのピッチ角に戻して全翼フェザーとした後も、急激なナセル回転を避け、風車に負荷される荷重を低減できることがわかった。
上記(1)(2)の解析例で得られた値は、本発明を実施した場合の水平軸風車の形状や大きさ、ヨーブレーキトルクの値に依存するため、一般論ではない。
しかしながら、全翼フェザーとした後、ヨーブレーキトルクを適度な値に制御し、1枚のブレードのピッチ角のみを適度にフラット側へ戻すことにより、適度な初期ヨー角θy0が得られて、急激なナセル回転を避け、風車に負荷される荷重を低減できることがわかった。
また、上記(1)(2)の解析例に倣い、個々の水平軸風車に対して解析や実験を行うことによって、θb1やヨーブレーキトルクの最適値を決定し、本発明を広く実用することができる。
本発明一実施形態のアップウィンド型水平軸風車を上から見た平面図である。 本発明一実施形態のアップウィンド型水平軸風車に搭載される制御部の構成を示すブロック図である。 解析の条件に係る風況を示すグラフである。 ヨー角の解析結果を示すグラフである。 ロータ曲げモーメントの解析結果を示すグラフである。 ヨー水平力の解析結果を示すグラフである。 解析の条件に係る風況を示すグラフである。 ナセル方位角の解析結果を示すグラフである。
符号の説明
1 タワー
2 ナセル
3 ハブ
4a,4b,4c ブレード

Claims (1)

  1. ハブと少なくとも2枚以上のブレードとを有するロータと、
    前記ハブに接続された主軸を介して前記ロータを軸支するナセルと、
    前記ナセルをヨー回転自在に支持するタワーと、
    前記ブレードのピッチ角をそれぞれ独立に制御する独立ピッチ制御装置と、
    前記ナセルのヨー回転を制御するヨー制御装置とを備え、
    所定値以下の風速時に前記ヨー制御装置の制御により前記ロータを前記タワーより風上に配置し前記ロータの回転を介して風力を利用する運転モードと、前記所定値を超える風速時に前記運転モードに備えて待機する待機モードとを有するアップウィンド型の水平軸風車において、
    (1)前記独立ピッチ制御装置は、前記所定値を超える風速時に、すべての前記ブレードをフェザーにする第1ステップと、前記第1ステップ後に前記ブレードを1枚のみフェザーからフラット側に変角し、前記ナセルのヨー角変位が生じた後に前記1枚のブレードをフェザーに戻す第2ステップと、前記第2ステップ後に前記運転モードの復帰まですべての前記ブレードをフェザーの状態に保持する第3ステップとからなる制御動作を有し、
    (2)前記ヨー制御装置は、前記所定値を超える風速時に、風力により前記ナセルに負荷されるヨー軸周りのトルクによるヨー回転を許容する制動値にヨーブレーキを制御する制御動作を有し、
    前記待機モードとして、前記(1)の制御動作を実行し、前記(2)の制御動作を前記第2ステップの実行前に実行して、前記ナセルのヨー角変位を前記第2ステップ及び前記第3ステップにおいて得ることにより前記ロータを前記タワーより風下に靡かせることを特徴とする水平軸風車。
JP2005196548A 2005-05-31 2005-07-05 水平軸風車 Expired - Fee Related JP4690800B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005196548A JP4690800B2 (ja) 2005-07-05 2005-07-05 水平軸風車
CN201210019304.3A CN102536658B (zh) 2005-05-31 2006-05-22 水平轴风车
CN2006800193510A CN101189430B (zh) 2005-05-31 2006-05-22 水平轴风车
EP06756444.3A EP1890034B1 (en) 2005-05-31 2006-05-22 Horizontal axis windmill
US11/920,861 US8167555B2 (en) 2005-05-31 2006-05-22 Horizontal axis wind turbine
EP12152285.8A EP2450568B1 (en) 2005-05-31 2006-05-22 Horizontal axis wind turbine
EP12152253.6A EP2450567A3 (en) 2005-05-31 2006-05-22 Horizontal axis wind turbine
CN201210020023.XA CN102518557B (zh) 2005-05-31 2006-05-22 水平轴风车
PCT/JP2006/310138 WO2006129509A1 (ja) 2005-05-31 2006-05-22 水平軸風車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005196548A JP4690800B2 (ja) 2005-07-05 2005-07-05 水平軸風車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007016628A true JP2007016628A (ja) 2007-01-25
JP4690800B2 JP4690800B2 (ja) 2011-06-01

Family

ID=37754015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005196548A Expired - Fee Related JP4690800B2 (ja) 2005-05-31 2005-07-05 水平軸風車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4690800B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2963288A1 (en) 2014-07-03 2016-01-06 Hitachi Ltd. Downwind type windturbine and method of stopping such windturbine
EP2963286A1 (en) 2014-07-03 2016-01-06 Hitachi Ltd. Windturbine and method for stopping the same
EP2966297A1 (en) 2014-07-07 2016-01-13 Hitachi Ltd. Wind power generation system
JP2016098744A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 株式会社日立製作所 風力発電装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003058062A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-17 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Eolienne de type face au vent et procede de fonctionnement correspondant
JP2004011543A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Fuji Heavy Ind Ltd 水平軸型風車
JP2004536247A (ja) * 2000-11-23 2004-12-02 アロイス・ヴォベン 風力装置の制御方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004536247A (ja) * 2000-11-23 2004-12-02 アロイス・ヴォベン 風力装置の制御方法
WO2003058062A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-17 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Eolienne de type face au vent et procede de fonctionnement correspondant
JP2004011543A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Fuji Heavy Ind Ltd 水平軸型風車

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2963288A1 (en) 2014-07-03 2016-01-06 Hitachi Ltd. Downwind type windturbine and method of stopping such windturbine
EP2963286A1 (en) 2014-07-03 2016-01-06 Hitachi Ltd. Windturbine and method for stopping the same
EP2966297A1 (en) 2014-07-07 2016-01-13 Hitachi Ltd. Wind power generation system
JP2016098744A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 株式会社日立製作所 風力発電装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4690800B2 (ja) 2011-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4690776B2 (ja) 水平軸風車
JP4690829B2 (ja) 水平軸風車
JP4468751B2 (ja) 水平軸風車およびその待機方法
EP2450568B1 (en) Horizontal axis wind turbine
US6441507B1 (en) Rotor pitch control method and apparatus for parking wind turbine
US6726439B2 (en) Retractable rotor blades for power generating wind and ocean current turbines and means for operating below set rotor torque limits
US7789624B2 (en) Methods and devices for improving efficiency of wind turbines in low speed sites
US20070231151A1 (en) Active flow control for wind turbine blades
US20120051914A1 (en) Cable-stayed rotor for wind and water turbines
WO2007043895A1 (en) Speed control system for a wind power plant's rotor and an aerodynamic brake
JP4982733B2 (ja) 空力的調速機構を備える縦軸型直線翼風車
US9581132B2 (en) Wind turbine having flow-aligned blades
JP2008303732A (ja) 水平軸風車
JP2014513768A (ja) ヨーイングによって動力出力を制御する2枚羽根付き揺動ヒンジ風力タービンにおいて動力出力を制御するために必要とされるヨートルクを最小にするためのシステム
GB1599653A (en) Form of windmill
JP2010523880A (ja) 風力タービンにおける改良又は風力タービンに関する改良
JP4690800B2 (ja) 水平軸風車
JP6345503B2 (ja) 水平軸型風車及びその待機方法
US20100303622A1 (en) Method for the emergency braking of a wind power plant and a wind power plant with a rotor blade pitch control for emergency braking
JP2004011543A (ja) 水平軸型風車
TWI708892B (zh) 風力發電裝置
WO2011039777A2 (en) System for controlling cone and pitch angle of a rotor blade assembly of a wind turbine
EP2463523B1 (en) Speed regulatable rotor assembly for wind turbine
KR101550028B1 (ko) 이중 피치 제어 시스템을 구비한 풍력 발전기
JP2006322383A (ja) ツインロ−タ式風力発電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4690800

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees