JP2007011317A - 光拡散フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 光源から出射光を拡散透過させる性質に優れ、かつ帯電防止特性に優れており、ごみの吸い寄せや他の樹脂部材との貼り付き等の静電気が原因となる取り扱い上の不具合が発生しにくい光拡散フィルムを提供する。
【解決手段】透明なシート状基材の一方の面に光拡散層、他方の面に背面層を有する光拡散フィルムであって、JIS・L1094に定める半減期測定法により測定した帯電電位の半減期が5分未満である光拡散層および/または背面層を有する光拡散フィルムを提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は光拡散性を有するフィルム、特に、液晶ディスプレイ装置のバックライトユニットの構成部品として用いられる光拡散フィルムに関する。
従来、コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等に装備されている液晶ディスプレイ装置の、一般的な構成の一例を図1に示す。光拡散フィルム7は、通常、バックライトユニット2の構成部品の一つとして使用されている。一般に光拡散フィルム7は導光板5とプリズムシート8との間に配置され、その働きは、導光板5からの出射光をプリズムシート8側へ偏角させ、また、プリズムシート8から再帰反射された光を再利用のため拡散させることにある。
また、一般的な光拡散フィルムの断面構成の一例を図2に示す。一般的に、光拡散フィルム7は、透明なシート状基材10、基材10の一方の面に形成された光拡散層11、基材10の他方の面に、スティッキング防止や光拡散フィルム基材への傷付き防止等の目的のための背面層12が設けられている。光拡散層11には、光拡散材13および樹脂バインダー14を含有する。上記の光拡散フィルムには、バックライトユニットの設計に従った形状に切り抜く工程、導光板5やプリズムシート8などの部材と組み合わせてバックライトユニット2を構成させる工程など、光拡散フィルム7を使用する工程において、他の樹脂製部材と接触・摩擦・剥離される時に光拡散フィルムに静電気が帯電することによる、部材どうしが固着してしまう現象や、ほこりを吸着して部材中に混入させる現象などを防止するという要求がある。
従来、上記のようなバックライトユニットをはじめとした、各種光源の樹脂製部材に同様に求められるこれらの要求に応えるため、次のような提案がなされている。例えば、透明な基材の表面に光拡散層を積層した光拡散フィルムにおいて、光拡散層を構成するポリマー組成物中にカチオン系帯電防止剤を含有させ、カチオン系帯電防止剤の中でもアンモニウム塩およびベタインを特に好適に含有させることにより、静電気帯電を原因としてごみを吸い寄せたり、他のフィルム状部材との重ねあわせが困難になったりするなどの不都合の発生を低減できるという提案があった(例えば、特許文献1参照)。また光拡散フィルムの表面及び/又は裏面に、帯電防止剤の塗工により形成される帯電防止層を形成することで静電気の帯電による取り扱い性の低下を低減する試みが行われ、帯電防止剤としては特にアンモニウム塩が推奨されている(例えば特許文献2参照)。また、光拡散性と帯電防止性を有する表面層が構成された多層構造フィルムにおいて、ほこり付着などによる汚れを防止する目的で、表面固有抵抗値を特定の数値未満とする提案もあった(例えば、特許文献3参照)。
前者の提案のように、帯電防止剤を、光学層を構成する樹脂バインダー中に含有させることにより、光拡散フィルムの帯電防止性を向上させる方法において、帯電防止剤の種類や化学式を特定するのみでは、物性の異なった種々の結着樹脂と拡散材を使用する光拡散フィルムに対し、ごみの吸い寄せによる汚染や光拡散フィルムの密着などを十分に防止できるものではない。また、一般にプラスチックの帯電防止に比較的効果が高いとされるカチオン系帯電防止剤の中でも、これらをごみの吸い寄せなどによる汚染を十分に防止できる程度まで添加したとき、プラスチックの着色や透過率の低下など光学的な特性を低下させたり、帯電防止剤がプラスチック表面に多量に偏在してべたつきを生じさせてしまったりし、他の部材と密着してしまうなど、取り扱い上の不具合が生じる場合がある。言い換えると、ごみの吸い寄せや光拡散フィルムの密着などによる汚染を十分に防止できる帯電防止性を発現するためには、物性上および取り扱い上不具合のない範囲を超えて、帯電防止材を添加しなければならない場合がある。このため帯電防止剤の使用にあたっては、対象の光拡散フィルムに対し少量の添加で大きな効果を発揮する帯電防止剤を選定するとともに、他の物性に悪影響を及ぼさないように、効果が維持されうる必要最低限の量に留める必要がある。
また後者の提案において、表面固有抵抗値を測定する方法は、一般にプラスチックの帯電防止性能を評価する一法であり、電気抵抗値を測定し間接的に帯電防止性能を評価する方法であるが、電極と、被測定物であるプラスチックとの密着に十分注意しないと見かけ上表面抵抗値が高く評価されてしまう可能性が高い。特に、表面に凹凸が形成された光拡散フィルムにおいてはフィルムと電極との安定した接触が困難で、測定値の再現性に乏しく信頼性の高いデータを得ることができない。このため、被測定物の帯電防止性の現実を正確に反映する評価方法とはいえない。
このように、光拡散フィルムの帯電性を適性に評価する方法はこれまで提示されていなかった。このため、工程でのごみの吸い寄せやフィルム同志の密着を防ぐために、個々の光拡散フィルムについての最適な帯電防止剤を選定することや、あるいはその最適な配合量を決定することは困難であった。
特開2004−198707号公報 特開2004−252257号公報 特開平9−97510号公報
本発明の目的は、上述のような課題を解決し、光源から出射される光を拡散透過させる性質に優れ、かつ帯電防止特性に優れており、ごみの吸い寄せによる汚染や他の樹脂製部材との貼り付きなど、静電気が原因となる取り扱い上の不具合が格段に発生し難い、光拡散フィルムを提供することにある。
さらに本発明の目的は、帯電性の新たな評価方法を用いて、使用する帯電防止剤の種類と量を決定し、ごみの吸い寄せや他の樹脂製部材との貼り付き等が生じにくい光拡散フィルムを製造する製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、透明なシート状基材の一方の面に光拡散材および樹脂バインダーを含有する光拡散層、他方の面に背面層を有する光拡散フィルムにおいて、光拡散層および/または背面層の、JIS・L1094に定める半減期測定法によって測定した帯電電位の半減期が特定の数値未満であるとき、光拡散フィルムを応用する工程において、静電気による部材同士の固着・反発やほこりの吸着を防止し、作業効率を格段に向上させることのできる光拡散フィルムが得られることを見いだし、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、透明なシート状基材の一方の面に光拡散材および樹脂バインダーを含有する光拡散層、他方の面に背面層を有する光拡散フィルムであって、JIS・L1094に定める半減期測定法によって測定した、前記光拡散層および/または前記背面層の帯電電位の半減期が5分未満であることを特徴とする光拡散フィルムを提供する。
さらに本発明は、透明なシート状基材の一方の面に光拡散材および樹脂バインダーを含有する光拡散層を形成し、他方の面に背面層を形成する光拡散フィルムの製造方法であって、前記光拡散層および/または背面層はそれぞれ結着樹脂中に帯電防止剤を含有して形成され、かつ前記帯電防止剤の種類と量は、前記光拡散層および/または背面層の、JIS・L1094に定める半減期測定法によって測定した帯電電位の半減期が5分未満となるように調整されることを特徴とする光拡散フィルムの製造方法を提供する。
本発明の光拡散フィルムは、光拡散材および樹脂バインダーを含有する光拡散層に由来する光拡散特性を維持したまま、高い帯電防止性を有することから、光拡散フィルムを応用する工程において、静電気帯電による光拡散フィルム同志、および他の部材との密着・反発や、ほこりの吸着を防止することができ、作業効率を格段に向上させることができる。
まず、本発明の光拡散フィルムの構造について説明する。本発明の光拡散フィルムは、少なくとも、透明なシート状基材、および基材の一方の面に形成された光拡散層、かつ、他方の面に形成された、背面層から構成される。光拡散層は、バックライトユニット2において、バックライト光源から導光板5を通して無数の方向へ発せられる照明光を屈折させてバックライトユニット正面方向へ集光させる機能を有するものである。背面層は、スティッキング防止機能、帯電防止機能、傷付き防止機能、第二の光拡散層としての機能などのうち一つ以上の機能を有するものである。
本発明の光拡散フィルムの光拡散層及び/または背面層はJIS・L1094に定める半減期測定法による帯電電位の半減期が5分未満である。ここでJIS・L1094による半減期測定方法は、光拡散フィルムを用いた工程における取り扱い易さを判断するのに最適である。以下にその理由を記載する。
すなわち本発明の光拡散フィルムを、バックライトユニットの設計に従った形状に切り抜く工程、導光板やプリズムシートなどの部材と組み合わせて液晶用バックライトユニットを構成させる工程において、他の樹脂製部材と接触・摩擦・剥離される時に光拡散フィルムに静電気帯電が発生した場合、通常は、帯電した静電気がほとんど減衰しないか、または減衰するのに時間がかかり過ぎて、ゴミの吸着や、他の樹脂製部材との吸着または反発が起こったり、ほこりを吸着して部材中に混入するなどの現象が発生し、取り扱い上の不具合を引き起こす。この不具合を取り除くために、工程を一時停止しなければならず、工程における作業効率を大幅に低下させる原因となってしまう。
特に、小型の液晶ディスプレイ装置用のバックライトユニットに用いられる光拡散フィルムは、ディスプレイ形状に合わせて型抜きされた光拡散フィルムが、微粘着層付きのより大きなフィルムに固定され、さらにその上からカバーフィルムで被われた形態で取り扱われることが多く、カバーフィルムや光拡散フィルムを微粘着層付きフィルムから剥離するときに、剥離帯電が発生し、帯電防止処理が不適切であるとバックライトユニットへの挿入時に該ユニットへの貼り付きが発生する。
本発明の光拡散層側の面および/または背面層側の面における、帯電防止性能の評価には、JIS・L1094に定める半減期測定法を用いた。半減期測定法は、試料にコロナ放電を印加して帯電させた後、この帯電圧が漏れ電流により減衰し初期帯電圧の1/2になるまでの時間を、半減期として測定する方法である。この方法を用いた場合、帯電した電荷の減衰を電位計により直接測定するので、被測定試料の帯電防止性能を正確に反映させることができる。また、測定により得られる半減期の数値は、ほとんどの被測定物において、「数分およびそれ未満」か、または「30分を超える」のどちらかの結果が得られ、かつこれらの結果は、静電気帯電が原因で起こる取り扱い上の不具合が「起こりにくい」または「起こりやすい」の見かけ上の評価とよく合致している。よって本発明で使用した「5分未満」との帯電電位の半減期の規定を用いることにより、従来の表面電気抵抗の測定による評価と比べて、使用時の取り扱い容易性とよく相関した結果が得られる。
さらに表面電気抵抗の大小を測定することにより、帯電防止性能を間接的に評価する従来の方法では、電極と、被測定試料の被測定面との密着に十分注意しないと見かけ上表面抵抗値が高く評価されてしまう場合がある。特に本発明の光拡散フィルムのような場合には、表面に微粒子が固定された、表面粗さの大きい被測定面となっているため、測定用電極との良好な導通状態を再現よく保つことが困難であり、被測定面の帯電防止性能の現実を正確に反映する評価方法とはいえなかった。また、光拡散フィルムが使用される工程において、作業効率に与える影響の良否を判断する限界値を決定する基準が、表面電気抵抗の測定値を用いた場合は必ずしも明確とは言えなかった。
本発明における光拡散フィルムは、光拡散層側の面、または背面層側の面のうちいずれか一方の面、または両方の面に対して、上述したJIS・L1094に定める半減期測定法による測定を行う測定装置で測定し、帯電電位の半減期が5分未満である。このように、少なくともいずれか一方の面が優れた帯電防止性能を有していれば、使用される工程における取り扱い上の不具合を十分に軽減する効果を有する。特に背面層が上述の半減期を示すことが、他の樹脂製部材との固着防止を兼ねることができることから好ましい。より好ましくは、両方の面が上述の半減期を示していれば、さらに優れた帯電防止性能を発揮することができる。
次に、本発明の光拡散フィルムの構造におけるそれぞれの構成について説明する。本発明における透明なシート状基材には、特にその材料について限定されないが、表面の平滑性や機械的強度から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用することが好ましい。基材の厚さは、10〜300μmであることが好ましい。10μmより薄い場合、取り扱いが困難となるばかりでなく、熱収縮に起因するカールが発生して作業性を著しく低下させたりするなど、加工性を低下する傾向にある。300μmより厚い場合、基材そのものの可視光透過率が低下しやすく、バックライトユニットの正面輝度が低下する傾向にある。
透明なシート状基材の表面のうち少なくとも一方の面には、光拡散層との密着性を向上させるため、易接着処理層を塗布する、あるいはコロナ処理を施すなど、易接着処理されていればより好ましい。
本発明の光拡散フィルムにおいて、光拡散層とは反対側の面への摩擦傷を防止したり、導光板とのスティッキングを防止したりするなどの目的で、背面層が設けられる。
本発明における光拡散フィルムの背面層には、少なくとも樹脂バインダーを含有する。必要に応じ、スティッキング防止のための滑剤、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤、光拡散材などを含有させることができる。後述のように光拡散フィルムへの静電気帯電を抑制するための帯電防止剤を含有させることが好ましい。
本発明の光拡散フィルムの背面層に含有する樹脂バインダーとしては、光拡散フィルムが有する透明性、光拡散性を阻害しないものであれば特に限定されないが、光線透過率が高いことからアクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂としては、熱可塑性メタクリル樹脂、熱可塑性メタクリル−スチレン共重合樹脂、メチルメタクリレートと他のアクリルモノマーとを共重合した熱可塑性アクリル樹脂、また、アクリルポリオールをポリイソシアネートで架橋した樹脂が用いられる。特にアクリルポリオールをポリイソシアネートで架橋した樹脂は、耐久性、耐擦過性に優れ好ましい。
好ましく用いられるアクリルポリオールとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどから選ばれる、水酸基を有する少なくとも1種類のアクリルモノマーを必須とし、これとメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのアクリルモノマー、およびスチレン、アクリロニトリルなどから選ばれる1種類、または2種類以上のモノマー成分との共重合体が挙げられる。
アクリルポリオールにおける固形分の水酸基価は25〜500の範囲のものが好ましい。固形分の水酸基価が25より小さい場合、架橋密度が低いために、光拡散層の硬度や耐溶剤性が低下しやすい。水酸基価が500より大きい場合、架橋密度が高いために脆くなる傾向にあり、光拡散層の割れ、欠けが生じやすくなり、加工時における作業性を低下させる傾向にある。
ポリイソシアネートとしては、アクリル樹脂の水酸基と架橋することが可能な、HDI系、XDI系などの脂肪族イソシアネートをベースにしたもの、TDI系、MDI系などの芳香族イソシアネートをベースにしたものがあるが、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系、XDI(キシレンジイソシアネート)系の脂肪族イソシアネートをベースにしたポリイソシアネートは紫外線によって黄変しやすいという弱点が無く好ましい。これらのイソシアネートをポリイソシアネートとする変性の型としては、HDI、XDIなどの脂肪族イソシアネートに多価アルコールを付加したアダクト型、HDIをベースに三量化したイソシアヌレート型、またはHDIをベースにしたビウレット型などが挙げられる。なかでも、HDIに多価アルコールを付加したアダクト型のポリイソシアネートが、光拡散フィルムの加工工程において極めて有利な機械物性を得られやすい点から、特に好ましい。
前記ポリイソシアネートの有効NCO含量については、特に限定されないが、通常、固形分中の有効NCO含有量が、5〜40%のものを用いることが好ましい。
背面層に含有させる帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤、光拡散材などは、本発明の光拡散フィルムが有する透明性、光拡散性を阻害しない限り、通常の材料が使用できる。
背面層に含有させる滑剤、または、背面層を第二の光拡散層としての機能させる場合に含有させる光拡散材は、その材料について特に限定されず、有機材料微粒子および無機材料微粒子のなかから任意の材料を使用することができる。無機材料の場合は有機材料の場合に比べて、光拡散層の光線透過率を低下させる傾向があることから、有機材料微粒子を用いることが好ましい。有機材料微粒子としては、従来光拡散層に用いられている体積平均粒径1〜30μmのメタクリル樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子などの光拡散材が使用できる。背面層に持たせる機能においても異なるが、スティッキング防止や保護層としての機能であれば樹脂バインダーの2〜7質量%、第二の光拡散層として機能させる場合には後述の光拡散層の場合の添加量に準ずる。
本発明の光拡散フィルムにおける光拡散層には少なくとも光拡散材および樹脂バインダーを含有する。
本発明の光拡散フィルムの光拡散材は、その材料について限定されることはなく、有機材料微粒子、無機材料微粒子、有機無機ハイブリッド微粒子のなかから任意の材料が使用できる。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーン、シリカ、クレー、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、などから挙げられる1種類、または2種類以上の微粒子を用いることが出来る。無機材料の場合は有機材料の場合に比べて、光拡散層の光線透過率を低下させる傾向があることから、有機材料微粒子を用いることが好ましい。有機材料微粒子のなかでも、紫外線による黄変性がきわめて小さく、光線透過率が高いことから、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂微粒子またはアクリルウレタン樹脂微粒子を用いることが好ましい。さらにアクリルウレタン樹脂微粒子を用いることがより好ましい。
光拡散材は、体積平均粒子径が1〜30μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が1より小さいと、光拡散層を透過する光が拡散されずに透過するようになり、光拡散効果が低下する傾向にある。平均粒子径が30μmを超えると、光拡散材が脱落しやすくなりため欠点を生ずる原因となりやすく、外観上も異物感のある均一性を欠いたものとなりやすい傾向にある。特に光拡散材に樹脂粒子を用いるときはその形状は真球状であることが好ましい。また樹脂微粒子の中でも特に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂微粒子およびアクリルウレタン樹脂微粒子を用いることが好ましいが、そのときでも、他の有機樹脂微粒子、無機微粒子、または無機−有機ハイブリッド材料微粒子を、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂微粒子およびアクリルウレタン樹脂微粒子の利点を阻害しない範囲で含有させてもよい。
例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーン、シリカ、クレー、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、などから挙げられる1種類、または2種類以上の微粒子を、光拡散フィルムの諸特性を阻害しない範囲で、含有させることができる。
本発明の光拡散層の樹脂バインダーとしては、その材料について限定されることはないが、光線透過率が高いことからアクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂としては、熱可塑性メタクリル樹脂、熱可塑性メタクリル−スチレン共重合体樹脂、メチルメタクリレートと他のアクリルモノマーとを共重合した熱可塑性アクリル樹脂、アクリルポリオールに必要に応じてポリイソシアネートを混合し光拡散フィルム形成後に架橋させた樹脂などを挙げることができる。
アクリルポリオールおよびポリイソシアネートとしては、上述の背面層に配合させることのできる樹脂バインダーの例と同様のものを使用することができる。
本発明の光拡散層において、樹脂バインダーに対する、光拡散材の配合量は、光拡散フィルムの用途によっても異なるが樹脂バインダーの固形分100質量部に対し、好ましくは5〜400質量部である。携帯電話等の小型ディスプレイ用途であれば5〜200質量部が好ましく、モニター等の中型以上ディスプレイ用には100〜400質量部が好ましい。樹脂微粒子が少なく樹脂バインダー100質量部に対して5質量部に満たないと、光拡散効果が小さくなる傾向にある。一方、400質量部を超えると、全光線透過率が低くなる傾向にあり、いずれも光拡散層としての実用性が低下する傾向にある。
本発明の光拡散層には、上記の材料のほか、例えば分散剤、可塑剤、帯電防止剤、劣化防止剤などが配合されていてもよい。
本発明において用いる帯電電位の測定法における半減期を前記の特定時間未満とするために、本発明の光拡散フィルムにおける光拡散層および/または背面層の樹脂バインダー中に、帯電防止剤を含有させることが好ましい。
従来、帯電防止剤としては、有機系帯電防止剤、導電性ポリマー、導電性金属酸化物などのなかから、光拡散フィルムにとして形成したとき、可視光領域の光吸収がほとんど無視できるほど透明なものから、1種類以上を選定して使用することができる。なかでも、光拡散フィルムの透明性や、表面強度などの物性をほとんど損なうことなく使用できることから、有機系帯電防止剤が好適に用いられている。
このなかでも、従来特によく用いられる有機系帯電防止剤は、第四級アンモニウム塩型カチオン性帯電防止剤、ノニオン性帯電防止剤、変性シリコーン系帯電防止剤などであるが帯電防止剤としては、カチオン系のものを用いることが好ましい。カチオン系の帯電防止剤としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3級アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン系帯電防止剤がある。しかし、通常光拡散フィルムとして必要な光学物性を損なわず、かつ添加量が多すぎて表面に偏在し、べたついて他の部材との密着するなどの取り扱い上の不具合が発生しない範囲でこれらの帯電防止剤を添加しても、上述の方法により測定した半減期が30分を超えてしまい、取り扱い時にゴミを吸い寄せたり、他の部材との静電気による吸着や反発を生じたりするなど、取り扱い性を低下させてしまう場合がある。
一方、任意の種類の帯電防止剤を、上述の半減期が5分未満になるまで多量に添加すると、光拡散フィルムとして本質的に必要な光線透過率が損なわれたり、着色したりするなど、光学物性が損なわれたり、表面へ向かって過剰にブリードアウトした過剰の帯電防止剤により他の部材と接着して干渉縞模様を生じたり、周囲を汚染させたりするなど、不具合を生じる場合がある。これらの状況を解決し、より少ない添加量で帯電防止効果をはっきさせるには、第4級アンモニウム塩タイプの帯電防止剤が好ましいが、中でも、イミダゾリン型カチオン系の帯電防止剤を用いることが、特に好ましい。
イミダゾリン型カチオン性帯電防止剤を用いた場合、理由はかならずしも明確ではないが、少ない添加量でも、他の帯電防止剤に比べて高い帯電防止性能を示すことから、光拡散フィルムに必要な物性を損なったり、周囲の部材に悪影響を及ぼしたりする可能性が非常に少なく、さらに半減期を5分未満とすることが可能であって、本発明の光拡散フィルムへ添加するのに適している。特にアクリル系樹脂をバインダー樹脂とした光拡散フィルムに対して極めて適しており、少量の添加で良好な帯電防止性能を示す。
一般にプラスチックへの帯電防止剤として広く用いられている、カチオン性、アニオン性、両性から挙げられるイオン性帯電防止剤が有する作用については、プラスチック表面に存在する帯電防止剤がこの作用に寄与するが、その作用は主としてプラスチック表面へ環境中の水分子を吸着させておき、イオン電荷を移動しやすくさせることにより、静電気帯電した電荷を環境中へ逃がしやすくすることにある。発明者らは、本発明の光拡散フィルムにおいて、上述の作用を発現させる目的で各種の帯電防止剤を検討した結果、イミダゾリン型カチオン性帯電防止剤が、その分子構造上、窒素原子の周りの立体障害から考慮して、比較的低湿度の環境中においても、環境中の水分子を吸着させておく能力に特に優れていると推定した。
また、イミダゾリン型帯電防止剤は、上述の優れた効果に加え、ポリオールとポリイソシアネートとの架橋反応中に共存したとき、架橋反応の影響を受けて、帯電防止効果が阻害されることが少ないという特徴を同時に有するため、本発明の光拡散フィルムにおいて好ましく使用される。
さらに本発明で用いた帯電電位の半減期の測定方法を用いることにより、光拡散フィルムに対して好適な帯電防止剤、およびその最適な添加量をさらに選定することが可能である。
光拡散層および/または背面層における樹脂バインダーへの帯電防止剤の添加量は、樹脂バインダーの固形分に対して、有効成分の質量比で10%以下が好ましい。帯電防止剤の含有量が10%を超えると、光拡散フィルムとして本質的に必要な光線透過率が損なわれたり、着色したりするなど、光学物性が損なわれたり、表面に移行した過剰の帯電防止剤により他の部材と接着して干渉縞模様を生じたりするなど、不具合を生じる傾向がある。7%以下であればさらに好ましく、光拡散層であれば6%以下、背面層であれば4%以下が最も好ましい。
本発明の光拡散フィルムの製造方法の一例について以下に説明する。
透明なシート状基材の少なくとも一方の面に、光拡散層用塗料を塗布して、光拡散層を形成させ、他方の面に背面層用塗料を塗布することにより背面層を形成させる。透明なシート状基材に、光拡散層用塗料を塗布する工程、および背面層用塗料を塗布する工程は、何れから行ってもよく、また同時に行ってもよい。
光拡散層用塗料は樹脂微粒子、樹脂バインダー、溶剤、帯電防止剤、その他必要に応じて配合する添加剤を、混合することにより、調製する。
さらに、背面層用塗料は樹脂バインダー、溶剤、滑剤、帯電防止剤、光拡散材などのうち、必要な原料を混合することにより、調製する。
基材の少なくとも一方の面に、光拡散層用塗料を塗布して乾燥させ、光拡散層を形成させる。塗布する方法には一般的な塗工方式が利用できる。例えば、ブレード、ナイフ、キャスト、浸漬、含浸機、スクリーン、スピン、リバースロール、エアドクター、グラビア、スプレー、カーテン、押出、ファウンテン、キス、ロッド、スクイズ、正回転ロール、キスロールなどの各塗工方式が利用できる。
塗膜の乾燥には、一般的な乾燥方式が利用でき、例えば、熱風、赤外線、マイクロ波、誘導加熱、紫外線硬化、電子線硬化などの乾燥方式が利用できる。
光拡散層の厚さは、塗布膜の乾燥後、2〜25μmが好ましい。ここで光拡散層の厚さは、突出している光拡散材の頂点からの高さを測るのではなく、光拡散材を保持している樹脂バインダー表面のシート状基材からの高さを測るものとする。
乾燥後、必要に応じ、所定の温度および時間にて熱硬化を行う。
前記光拡散層の形成工程に前後して、背面層を形成させる。前記光拡散層の反対面に、背面層用塗料を塗布して乾燥させる。塗布、乾燥の方法には、光拡散層における方法と同様の方法が利用できる。
以上のようにして製造される本発明の光拡散フィルムは、液晶表示装置用バックライトユニットを構成する光拡散フィルムとして利用するのに特に有用であるが、この用途に限定されるものではなく、光拡散光の必要な種々の用途に適用することができる。
以下に、実施例を用いて本発明を説明する。
《背面層用塗料の調製工程》
<背面層用塗料(a)の調製>
トルエン 918 質量部
熱可塑アクリル樹脂「ダイヤナールBR−80」 100 質量部
〔固形分100%、水酸基価なし、三菱レイヨン社製〕
滑剤「ケミスノーMR−10HG」 2 質量部
〔アクリル樹脂粒子、体積平均粒子径10μm、綜研化学社製〕
帯電防止剤「ノプコスタット SN A−2」 4 質量部
〔イミダゾリン型カチオン性帯電防止剤、サンノプコ社製〕
上記の材料のうち、アクリル樹脂全量とトルエン300質量部を分散攪拌機にて攪拌し十分に溶解させたのち、残りの材料を追加して分散攪拌機にて攪拌混合し、背面層用塗料(a)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリル樹脂)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、4%(質量比)であった。
<背面層用塗料(b)の調製>
トルエン 223 質量部
アクリルポリオール樹脂溶液「アクリディックA−801−P」 148 質量部
〔固形分50%、固形分の水酸基価100、大日本インキ化学工業社製〕
ポリイソシアネート溶液「コロネートHL」 35 質量部
〔固形分75%、HDI系、固形分中の有効NCO含量17%、日本ポリウレタン工業社製〕
滑剤「ケミスノーMR−10HG」 2 質量部
〔アクリル樹脂粒子、体積平均粒子径10μm、綜研化学社製〕
帯電防止剤「ノプコスタットSN A−2」 4 質量部
〔イミダゾリン型カチオン性帯電防止剤、サンノプコ社製〕
以上を分散攪拌機で攪拌混合し、背面層用塗料(b)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリルポリオールとポリイソシアネートの総和)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、4%(質量比)であった。
<背面層用塗料(c)の調製>
帯電防止剤「ノプコスタット SN A−2」の配合量を2重量部にして、それ以外は背面層用塗料(a)の調整と同様にして背面層用塗料(c)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリル樹脂)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、2%(質量比)であった。
<背面層用塗料(d)の調製>
帯電防止剤「ノプコスタット SN A−2」の配合量を0重量部にして、それ以外は背面層用塗料(a)の調整と同様にして背面層用塗料(d)を得た。
<背面層用塗料(e)の調製>
帯電防止剤を「レジスタット PU−101」〔第四級アンモニウム塩型カチオン性帯電防止剤、第一工業製薬社製〕4質量部にして、それ以外は背面層用塗料(b)の調整と同様にして背面層用塗料(e)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリルポリオールとポリイソシアネートの総和)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、4%(質量比)であった。
<背面層用塗料(f)の調製>
帯電防止剤を「レジスタット PU−101」〔第四級アンモニウム塩型カチオン性帯電防止剤、第一工業製薬社製〕2質量部にして、それ以外は背面層用塗料(a)の調整と同様にして背面層用塗料(f)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリル樹脂)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、2%(質量比)であった。
<背面層用塗料(g)の調製>
帯電防止剤を「ノプコスタット HS」〔ノニオン性帯電防止剤、サンノプコ社製〕2質量部にして、それ以外は背面層用塗料(a)の調整と同様にして背面層用塗料(g)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリル樹脂)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、2%(質量比)であった。
<背面層用塗料(h)の調製>
帯電防止剤を「ノプコスタット 092」〔第四級アンモニウム塩型カチオン性帯電防止剤、サンノプコ社製〕2質量部にして、それ以外は背面層用塗料(a)の調整と同様にして背面層用塗料(h)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリル樹脂)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、2%(質量比)であった。
<背面層用塗料(j)の調製>
帯電防止剤を「DK Q8−8011」〔変性シリコーン型帯電防止剤、ダウコーニングアジア社製〕2質量部にして、それ以外は背面層用塗料(a)の調整と同様にして、背面層用塗料(j)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリル樹脂)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、2%(質量比)であった。
<背面層用塗料(k)の調製>
帯電防止剤を「ペインタッド 32」〔変性シリコーン型帯電防止剤、ダウコーニングアジア社製〕2質量部にして、それ以外は背面層用塗料(a)の調整と同様にして、背面層用塗料(k)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリル樹脂)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、2%(質量比)であった。
《光拡散層用塗料の調製工程》
<光拡散層用塗料(i)の調製>
トルエン 292 質量部
アクリルウレタン樹脂粒子「BC−79」 150 質量部
〔体積平均粒子径約6μm、岐阜セラック製造所社製〕
アクリルポリオール樹脂溶液「アクリディックA−801−P」 148 質量部
〔固形分50%、固形分の水酸基価100、大日本インキ化学工業社製〕
ポリイソシアネート溶液「コロネートHL」 35 質量部
〔固形分75%、HDI系、固形分中の有効NCO含量17%、日本ポリウレタン工業社製〕
帯電防止剤「ノプコスタットSN A−2」 4 質量部
〔イミダゾリン型カチオン性帯電防止剤、サンノプコ社製〕
以上を分散攪拌機で攪拌混合し、光拡散層用塗料(i)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリルポリオールとポリイソシアネートの総和)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、4%(質量比)であった。
<光拡散層用塗料(ii)の調製>
トルエン 750 質量部
熱可塑アクリル樹脂「ダイヤナールBR−80」 100 質量部
〔固形分100%、水酸基価なし、三菱レイヨン社製〕
アクリルウレタン樹脂粒子「BC−79」 150 質量部
〔体積平均粒子径約6μm、岐阜セラック製造所社製〕
帯電防止剤「ノプコスタットSN A−2」 4 質量部
〔イミダゾリン型カチオン性帯電防止剤、サンノプコ社製〕
上記の材料のうち、アクリル樹脂全量とトルエン300質量部を分散攪拌機にて攪拌し十分に溶解させたのち、残りの材料を追加して分散攪拌機にて攪拌混合し、光拡散層用塗料(ii)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリル樹脂)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、4%(質量比)であった。
<光拡散層用塗料(iii)の調製>
帯電防止剤を加えない他は光拡散層用塗料(ii)の調整と同様にして、光拡散層用塗料(iii)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリル樹脂)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、0%(質量比)であった。
<光拡散層用塗料(iv)の調製>
帯電防止剤を「レジスタット PU−101」4質量部にして、それ以外は光拡散層用塗料(i)の調整と同様にして光拡散層用塗料(iv)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリルポリオールとポリイソシアネートの総和)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、4%(質量比)であった。
<光拡散層用塗料(v)の調製>
帯電防止剤を「ノプコスタット HS」〔ノニオン性帯電防止剤、サンノプコ社製〕4質量部にして、それ以外は光拡散層用塗料(ii)の調整と同様にして光拡散層用塗料(v)を得た。このとき、樹脂バインダー(アクリル樹脂)の固形分に対する帯電防止剤の添加量は、4%(質量比)であった。
《基材への塗布・乾燥・硬化工程》
基材として、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用し、この一方の面に上記背面層用塗料(a)〜(c)のいずれかを、乾燥膜厚2μmになるように塗布し、熱風乾燥させて背面層の乾燥塗膜を得たものを、それぞれ実施例1〜3とした。同様にして、上記背面層用塗料(d)〜(k)のいずれかを、乾燥膜厚2μmになるように塗布し、熱風乾燥させて背面層の乾燥塗膜を得たものを、それぞれ比較例例1〜7とした。別途、上記基材の一方の面に、上記光拡散層用塗料(i)または(ii)を、乾燥膜厚16μmになるように塗布し、熱風乾燥させて光拡散層の乾燥塗膜を得たものをそれぞれ実施例4および5とした。同様にして、上記光拡散層用塗料(iii)〜(v)のいずれかを、乾燥膜厚16μmになるように塗布し、熱風乾燥させて光拡散層の乾燥塗膜を得たものをそれぞれ比較例8〜10とした。以上の塗布工程終了後、硬化反応を促進させるため、40℃恒温室中48時間保管した。この工程で作製した、背面層用塗料における樹脂バインダーと帯電防止剤との組み合わせ一覧を表1に、光拡散層用塗料における樹脂バインダーと帯電防止剤との組み合わせ一覧を表2に、それぞれ示した。
《帯電電位の半減期の測定》
各試料は測定のため、45mm×45mmの大きさに切り出した。帯電電位の半減期の測定装置には、スタティックオネストメーター TYPE H−0110 (シシド静電気社製)を用いた。試料と装置は予め、温度20℃、相対湿度40%の試験室内に2時間保管し試験環境になじませた。試料を装置のターンテーブル上の試料枠位置にはめ込み、印加電圧を(+)10kVとして、ターンテーブルを回転させながら電圧を1分間印加した後、印加を止め、ターンテーブルを回転させながら、帯電電位が初期帯電電位の1/2になるまでの時間(半減期)を測定した。なお、電圧印加から半減期測定までの一連の動作は、装置により自動で行われた。測定結果を表1および表2に示した。
《樹脂フィルム非吸着性の評価》
帯電電位の測定の時と同程度の大きさに切り出した試料と、さらに同程度の大きさに切り出した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備し、試料とPETフィルムを軽く数回こすり合わせた後、5回以上、近づけたり離したりを繰り返し、両者が静電気により引き付けられるか否かを目視で評価した。ほとんど引き付けられない場合を“○”、近づけたり離したりを何度繰り返しても引き付けられる場合を“×”、最初の1〜2回だけ引きつけられるものを“△”と評価した。評価結果を表1に示した。
Figure 2007011317
Figure 2007011317
表1および表2からわかるように、帯電防止剤を添加し、かつ帯電電位の半減期が5分未満のとき、樹脂フィルム非吸着性が良好となり、帯電防止性に優れた光拡散フィルムが得られた。光拡散層および/または背面層の樹脂バインダー中に添加する帯電防止剤がイミダゾリン型カチオン性帯電防止剤のとき、他の種類の帯電防止剤に比べて帯電防止効果が高いことがわかった(特に実施例3と比較例3〜7との比較)。これら光拡散層や背面層に添加された帯電防止剤のうち、主に各層の表面方向に移行して表面近傍に分布する成分が静電気帯電の除去に寄与すると考えられる。各帯電防止剤が光拡散層や背面層内に均一分布している状態から、表面付近の濃度がある特定量以上となるまで表面方向に移行するためには、特定量以上を添加する必要があると考えられ、添加量が満たされないと帯電電位の半減期は顕著には低下しない。しかし一方添加量が特定量を超えると半減期は急速に低下するが特定量を大きく超える帯電防止剤の添加は、光拡散性能の低下、色つき、べたつきなどの光拡散フィルムの機能低下を招く傾向にある。上記、実施例、比較例における各帯電防止剤の添加は、光拡散フィルムの機能低下を来さない量の範囲で行っているが、イミダゾリン型カチオン性帯電防止剤がその他の帯電防止剤と比較して極めて帯電防止性能の良好であることがわかる。さらに通常は光拡散層であれば6%、背面層であれば4%を超えると表層付近へ帯電防止剤の局在が顕著になり始めるので、帯電性能を向上させるため比較例に示した帯電防止剤の量をさらに増加することは、上述の光拡散フィルムとしての機能低下を招きやすい。さらにポリオールとイソシアネートプレポリマーを架橋させる樹脂バインダー中に添加したときにも、架橋反応の影響で帯電防止効果が阻害されることがなく、良好に帯電防止機能が発揮されることがわかった(実施例2と比較例2との比較、実施例4と実施例9との比較)。
液晶ディスプレイ装置の一般的な構成の一例を示した分解図である。 光拡散フィルムの一般的な構成の一例を示した断面図である。
符号の説明
1 液晶モジュール
2 バックライトユニット
3 光源
4 反射フィルム
5 導光版
6 反射シート
7 光拡散フィルム
8 プリズムシート
9 保護フィルム
10 透明なシート基材
11 光拡散層
12 背面層
13 光拡散材
14 樹脂バインダー



Claims (4)

  1. 透明なシート状基材の一方の面に光拡散材および樹脂バインダーを含有する光拡散層、他方の面に背面層を有する光拡散フィルムであって、
    JIS・L1094に定める半減期測定法によって測定した、前記光拡散層および/または前記背面層の帯電電位の半減期が5分未満であることを特徴とする光拡散フィルム
  2. 前記光拡散層および/または背面層に、帯電防止剤を含有する請求項1に記載の光拡散フィルム。
  3. 前記帯電防止剤が、イミダゾリン型カチオン性帯電防止剤である請求項2に記載の光拡散フィルム。
  4. 透明なシート状基材層の一方の面に光拡散材および樹脂バインダーを含有する光拡散層を形成し、他方の面に背面層を形成する光拡散フィルムの製造方法であって、前記光拡散層および/または背面層はそれぞれ結着樹脂中に帯電防止剤を含有して形成され、かつ前記帯電防止剤の種類と量は、前記光拡散層および/または背面層の、JIS・L1094に定める半減期測定法によって測定した帯電電位の半減期が5分未満となるように調整されることを特徴とする光拡散フィルムの製造方法。



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