JP2007009326A - めっき処理方法、導電性膜、及び透光性電磁波シールド膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面抵抗が1〜1000Ω/□のフィルム表面を連続で電解めっきするめっき処理方法であって、めっきするべきフィルム16を、銅濃度が硫酸銅五水塩の重量換算で150g/L以上300g/L以下であり、その他硫黄化合物、窒素化合物あるいはポリマー成分を有するめっき液15からなるめっき浴11にて連続的にめっきすることを特徴とするめっき処理方法。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1では、銀塩を含有する感光材料を露光及び現像処理することによって電磁波シールドフィルムを製造する方法が開示されている。特許文献1によれば、他の方式に比べて細線パターンを精密に形成でき、高い透明性、安価に大量生産が可能などのような優れた電磁波シールドフィルムが得られることが記載されている。
通常、金属被膜を厚付けするには、生産性、コスト、厚みの制御が容易である点から電解めっき法を用いることが好ましいが、特許文献1で作製されるフィルムのように表面抵抗の大きい絶縁体フィルム上には直接電解めっきはできないので、スパッタリング法、真空蒸着法、無電解めっき法などにより予め薄い金属被膜を絶縁体フィルム上に形成したあとで、その上に電解めっきを行って、目的の厚みまで厚付けすることが行われる。電解めっきをするためには表面抵抗が1Ω/□以下になるまで無電解めっきなどを行う必要があり、そのために無電解めっきに時間をかける必要があったり、スパッタリングのラインスピードを下げなければならないなど、生産性が悪くなるという問題があった。
また、本発明のさらなる目的は、均一にめっきされた導電性膜および透光性電磁波シールド膜を提供することである。
1.表面抵抗が1〜1000Ω/□のフィルム表面を連続で電解めっきするめっき処理方法であって、めっき液の銅濃度が硫酸銅五水塩の重量換算で150g/L以上300g/L以下であることを特徴とするめっき処理方法。
2.前記めっき液が硫黄化合物を含有することを特徴とする上記1に記載のめっき処理方法。
3.前記めっき液が窒素化合物を含有することを特徴とする上記1又は2に記載のめっき処理方法。
4.前記めっき液がポリマー成分を含有することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のめっき処理方法。
5.前記フィルムが銀メッシュでパターニングされているフィルムであることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のめっき処理方法。
6.前記銀メッシュが現像銀により形成されていることを特徴とする上記5に記載のめっき処理方法。
7.上記1〜6のいずれかに記載のめっき処理方法を含む製造方法により製造された導電性膜。
8.上記7に記載の導電性膜からなる透光性電磁波シールド膜。
9.上記8に記載の透光性電磁波シールド膜と接着剤層とを備えた光学フィルター。
10.剥離可能な保護フィルムを有することを特徴とする上記9に記載の光学フィルター。
11.赤外線遮蔽性、ハードコート性、反射防止性、妨眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、ガスバリア性、及び表示パネル破損防止性、からいずれか1つ以上選ばれる機能を有する機能層を有することを特徴とする上記9又は10に記載の光学フィルター。
12.赤外線遮蔽性を有することを特徴とする上記9又は10に記載の光学フィルター。
電解めっき槽10は、めっき液15を貯留するめっき浴11を備えている。めっき浴11内には、一対のアノード板13が平行に配設され、一対のアノード板13の内側には、一対のガイドローラ14が配設されている。ガイドローラ14は垂直方向に移動可能であり、フィルム16のめっき処理時間を調整できるようになっている。
アノード板13は、電線(図示せず)を介して電源装置(図示せず)のプラス端子に接続され、給電ローラ12a,12bは、電源装置(図示せず)のマイナス端子に接続されており、所定回路により、通電量を制御しうるように構成されている。
上記のように、陰極は給電ローラの形態であることが好ましい。給電ローラは全面給電でも部分給電でもよいが、電流密度の不均一を生じにくく、めっきムラが発生しにくいことから、全面給電であることが好ましい。
また、出口側の給電ローラ12bとフィルム16とが接している面の最下部とめっき液面との距離(図1に示す距離Lb)は、0.5cm〜15cmとすることが好ましい。
めっき浴としては、硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴、シアン化銅浴、ホウフッ化銅浴等の酸性銅めっき浴を用いることが好ましく、建浴費が安く、管理が容易などの点から硫酸銅浴を用いることが好ましい。
酸性銅めっき浴において、銅イオン源としては、通常酸性溶液において溶解する銅化合物であれば特に制限なく使用することができる。この銅化合物の具体例としては、硫酸銅、酸化銅、塩化銅、炭酸銅、ピロリン銅や、メタンスルホン酸銅、プロパンスルホン酸銅などのアルカンスルホン酸銅、プロパノールスルホン酸銅などのアルカノールスルホン酸銅、酢酸銅、クエン酸銅、酒石酸銅などの有機酸銅及びその塩などがあげられる。この中でも、コスト、廃液処理などの観点から、硫酸銅、酸化銅を用いることが好ましく、硫酸銅五水和塩を用いることがより好ましい。
銅化合物は、1種を単独で使用することもでき、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
通常、電解めっきを行う場合、めっき液における銅濃度は80g〜100g/Lとすることが多い。しかしながら、本発明のように表面抵抗が高いフィルムに電解めっきを行う場合、電子が広い面積に行き渡りにくいため、単位面積辺りの電流密度が高くなり、通常用いられる範囲の銅イオン濃度では電子の供給に対して銅イオンの供給が追いつかず、フィルム表面で水素が発生して質の悪い銅めっき(いわゆる「焦げ」)が付着し、均一にムラなくめっき被膜を形成することが困難となる。そこで、本発明では、めっき液の銅濃度を150g/L以上とすることで、この「焦げ」の発生を防止し、均一でムラのないめっき被膜形成することができる。
なお、銅濃度を300g/L以下としたのは、300g/Lを超えて使用しても効果がほとんど増大せず不経済であり、また、溶解に時間が掛かる等の問題があるためである。
また、めっき浴中の硫酸の濃度としては、30〜300g/Lが好ましく、50〜150g/Lがより好ましい。
硫黄化合物としては、スルホアルキルスルホン酸及びその塩、ビススルホ有機化合物及びジチオカルバミン酸誘導体からなる群、チオ硫酸またはその塩から選ばれる化合物を用いることができる。なお、硫黄化合物は1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。硫黄化合物の濃度としては、0.02〜2000mg/Lが好ましく、0.1〜300mg/Lがより好ましい。
窒素化合物としては、ポリアルキレンイミン、1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン塩、オーラミン及びその誘導体、メチルバイオレット及びその誘導体、クリスタルバイオレット及びその誘導体、ヤノスブラック及びその誘導体、ヤノスグリーンからなる群から選ばれる化合物を用いることができる。なお、窒素化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。窒素化合物の濃度としては、0.1〜1000mg/Lが好ましく、0.5〜150mg/Lがより好ましい。
ポリマー成分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プルロニック型界面活性剤、テトロニック型界面活性剤、ポリエチレングリコール、グリセリンエーテル、ポリエチレングリコール、ジアルキルエーテルからなる群から選ばれる化合物を用いることができる。なお、ポリマー成分は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。ポリマー成分の濃度としては、0.02〜5000mg/Lが好ましく、0.1〜1000mg/Lがより好ましい。
アノード板13および給電ローラ12a,12bに電圧を印加し、フィルム16を給電ローラ12a,12bに接触させながら搬送する。フィルム16をめっき浴11に導入し、めっき液15に浸せきして銅めっきを形成する。液切りローラ17間を通過する際に、フィルム16に付着しためっき液15拭い取り、めっき浴11に回収する。これを複数の電解めっき槽で繰り返し、最後に水洗した後、巻取りリール(図示せず)に巻き取る。
印加電圧は、1V〜100Vの範囲であることが好ましく、1V〜60Vの範囲であることがより好ましい。電解めっき槽が複数設置されている場合は、徐々に印加電圧を下げることが好ましい。また、第1槽目の入り口側の電流量としては、1A〜30Aが好ましく、2A〜10Aがより好ましい。
給電ローラ12a,12bはフィルム全面(接触している面積のうちの実質的に電気的に接触している部分が80%以上)と接触していることが好ましい。
また、フィルムは銀メッシュでパターニングされているフィルムであることが望ましく、フィルム上の銀メッシュパターンは連続している(電気的に途切れていない)ことが好ましい。一部でも繋がっていればよく、導電性パターンが途切れると第1槽目の電解めっき槽でめっきがつかない部分ができたり、ムラになったりするおそれがある。この連続した銀メッシュパターン上に上記めっき処理を施すことで銀メッシュ上に導電性金属被膜が形成され、めっき処理後のフィルム(導電性膜)は、例えば絶縁体フィルム上に形成されるプリント配線基板、PDP用電磁波シールド膜等として有用である。
[乳剤層]
上記感光材料は、支持体上に、光センサーとして銀塩乳剤を含む乳剤層を有することが好ましい。支持体上に乳剤層を形成するには、公知の塗布技術を用いて行うことが可能である。また、乳剤層には、銀塩乳剤のほか、必要に応じて、染料、バインダー、溶媒等を含有することができる。以下、乳剤層を構成する各成分について説明する。
(染料)
乳剤層には染料が含まれていてもよい。該染料は、フィルター染料として若しくはイラジエーション防止その他種々の目的で含まれる。上記染料としては、固体分散染料を含有してよい。好ましく用いられる染料としては、特開平9−179243号公報記載の一般式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般式(FA3)で表される染料が挙げられ、具体的には同公報記載の化合物F1〜F34が好ましい。また、特開平7−152112号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−152112号公報記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−152112号公報記載の(IV−2)〜(IV−7)等も好ましく用いられる。
銀塩乳剤としては、ハロゲン化銀などの無機銀塩および酢酸銀などの有機銀塩が挙げられ、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀乳剤を用いることが好ましい。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本実施形態に係る感光材料においても用いることができる。
ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均一な相からなっていても異なっていてもよい。また粒子内部或いは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有していてもよい。
また、銀粒子の形成方法としては、粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。さらに、同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
またアンモニア、チオエーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して粒子形成させることも好ましい。係る方法としてより好ましくは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号、同55−77737号各公報に記載されている。
好ましいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチオンが挙げられる。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化銀1モルあたり10-5〜10-2モルが好ましい。
また、粒子サイズを均一にするためには、英国特許第1,535,016号明細書、特公昭48−36890号広報、同52−16364号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特開昭55−158124号公報に記載されているように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を越えない範囲において早く銀を成長させることが好ましい。
乳剤層の形成に用いられるハロゲン化銀乳剤は単分散乳剤が好ましく、{(粒子サイズの標準偏差)/(平均粒子サイズ)}×100で表される変動係数が20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下であることが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤は、粒子サイズの異なる複数種類のハロゲン化銀乳剤を混合してもよい。
また、高感度化のためにはK4〔Fe(CN)6〕やK4〔Ru(CN)6〕、K3〔Cr(CN)6〕のごとき六シアノ化金属錯体のドープが有利に行われる。
これらのロジウム化合物は、水或いは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、或いはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
上記ルテニウム化合物としては、ヘキサクロロルテニウム、ペンタクロロニトロシルルテニウム、K4〔Ru(CN)6〕等が挙げられる。
上記鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、チオシアン酸第一鉄が挙げられる。
〔ML6〕‐n
(ここで、MはRu、またはOsを表し、nは0、1、2、3または4を表す。)
この場合、対イオンは重要性を持たず、例えば、アンモニウム若しくはアルカリ金属イオンが用いられる。また好ましい配位子としてはハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
このようなハロゲン化銀粒子は、ハロゲン化銀粒子を形成する途中でPdを添加することにより作製することができ、銀イオンとハロゲンイオンとをそれぞれ総添加量の50%以上添加した後に、Pdを添加することが好ましい。またPd(II)イオンを後熟時に添加するなどの方法でハロゲン化銀の表層に存在させることも好ましい。
使用するPd化合物の例としては、PdCl4や、Na2PdCl4等が挙げられる。
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ乳剤層と支持体との密着を補助する目的でバインダーを用いることができる。バインダーとしては、非水溶性ポリマーおよび水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
上記バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロースおよびその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等アルコール類、アセトンなどケトン類、ホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸エチルなどのエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であることが好ましく、50〜80質量%の範囲であることがより好ましい。
感光材料に用いられる支持体としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、およびガラス板などを用いることができる。
上記プラスチックフィルムおよびプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
本発明においては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさおよび価格の点から、上記プラスチックフィルムはポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
プラスチックフィルムおよびプラスチック板の厚みは200μm以下が好ましく、更に好ましくは20μm〜180μm、最も好ましくは50μm〜120μmである。
感光材料には、乳剤層上にゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる保護層を設けていてもよい。保護層を設けることにより擦り傷防止や力学特性を改良することができる。しかし、保護層はめっき処理する上では設けない方が好ましく、設けるとしても薄い方(厚みが例えば0.2μm以下)が好ましい。上記保護層の塗布方法の形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法を適宜選択することができる。
上記の感光材料を露光、現像処理、及び必要に応じてその他の処理を施すことにより銀メッシュパターンを持つフィルムを製造することができる。以下、この各工程について説明する。
[露光]
露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線などの光、X線などの放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
現像処理は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フィルム社製のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社製のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72などの現像液、またはそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
リス現像液としては、KODAK社製のD85などを用いることができる。
上記p−アミノフェノール系補助現像主薬としては、N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン等があるが、なかでもN−メチル−p−アミノフェノールが好ましい。ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は、通常0.05〜0.8モル/Lの量で用いられるのが好ましく、0.23モル/L以上で使用するのがより好ましく、さらに好ましくは、0.23〜0.6モル/Lの範囲である。またジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類若しくはp−アミノフェノール類との組合せを用いる場合には、前者を0.23〜0.6モル/L、さらに好ましくは0.23〜0.5モル/L、後者を0.06モル/L以下、さらに好ましくは0.03モル/L〜0.003モル/Lの量で用いるのが好ましい。
また、溶解助剤として特開昭61−267759号公報記載の化合物を用いることができる。さらに現像液には、必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤等を含んでもよい。
すなわち、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、必要により酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸、イミノジ酢酸、5−スルホサリチル酸、グルコヘプタン酸、タイロン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸これらの塩等を含むことが好ましい。近年の環境保護の観点からは、ホウ酸は含まれない方が好ましい。定着液に用いられる定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどが挙げられ、定着速度の点からはチオ硫酸アンモニウムが好ましいが、近年の環境保護の観点からチオ硫酸ナトリウムが使われてもよい。これら既知の定着剤の使用量は適宜変えることができ、一般には約0.1〜約2モル/リットルである。特に好ましくは、0.2〜1.5モル/リットルである。定着液には所望により、硬膜剤(例えば水溶性アルミニウム化合物)、保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸)、pH調整剤(例えば、アンモニア、硫酸)、キレート剤、界面活性剤、湿潤剤、定着促進剤を含むことができる。
上記湿潤剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルキレングリコールなどが挙げられる。また、上記定着促進剤としては、例えば特公昭45−35754号、同58−122535号、同58−122536号の各公報に記載のチオ尿素誘導体;分子内に3重結合を持つアルコール;米国特許US第4126459号明細書記載のチオエーテル化合物;特開平4−229860号公報記載のメソイオン化合物などが挙げられ、特開平2−44355号公報記載の化合物を用いてもよい。また、上記pH緩衝剤としては、例えば酢酸、リンゴ酸、こはく酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、アジピン酸などの有機酸や、ホウ酸、リン酸塩、亜硫酸塩などの無機緩衝剤が使用できる。上記pH緩衝剤として好ましくは、酢酸、酒石酸、亜硫酸塩が用いられる。ここでpH緩衝剤は、現像液の持ち込みによる定着剤のpH上昇を防ぐ目的で使用され、好ましくは0.01〜1.0モル/リットル、より好ましくは0.02〜0.6モル/リットル程度用いる。定着液のpHは4.0〜6.5が好ましく、特に好ましくは4.5〜6.0の範囲である。また、上記色素溶出促進剤として、特開昭64−4739号公報記載の化合物を用いることもできる。
水洗処理または安定化温度における浴温度および時間は0〜50℃、5秒〜2分であることが好ましい。
また、物理現像は、上記現像処理と同時に行っても現像処理後に別途行ってもよい。
現像処理後の現像銀部に酸化処理を施してもよい。酸化処理を行うことにより、例えば、現像銀部以外の光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
酸化処理としては、例えば、Fe(III)イオン処理など、種々の酸化剤を用いた公知の方法が挙げられる。上述の通り、酸化処理は、乳剤層の露光および現像処理後、或いは物理現像またはめっき処理後に行うことができ、さらに現像処理後と物理現像またはめっき処理後のそれぞれで行ってもよい。
上記のように銀塩乳剤を含む感光材料に露光・現像処理することにより得られる銀メッシュパターンを有するフィルムに対して、上述の本発明のめっき処理方法を適用することにより、銀メッシュ上に導電性金属被膜によるめっきが施された透光性導電性膜が得られる。
この透光性導電性膜は、高い電磁波シールド性及び透光性を有しているため、CRT、EL、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、その他の画像表示グラットパネル、あるいはCCDに代表される撮像用半導体集積回路などに組み込んで、電磁波シールド膜として用いることができる。また、本発明に係る導電性金属膜の用途としては、上記表示装置等に限定されず、電磁波を発生する測定装置、測定機器や製造装置の内部をのぞくための窓や筐体や、電波塔や高圧線等により電磁波障害を受ける恐れのある建造物の窓や自動車の窓等に設けることができる。
導通部はメッシュパターンにより形成されていてもよいし、パターニングされていない、例えば金属箔ベタにより形成されていてもよいが、ディスプレイ本体のアース部との電気的接触を良好とする為には、金属箔ベタのようにパターニングされていないことが好ましい。
透光性電磁波シールド膜に接着剤層を設ける位置は、導電性金属部が形成されている側の面でも良いし、導電性金属部が形成されている側とは反対の面でもよい。透光性電磁波シールド膜と他の層(ガラス板、保護フィルム、機能性フィルム等)との貼合部分に形成してもよい。接着剤層の厚さは、金属銀部(又は導電性金属部)厚さ以上とすることが好ましく、例えば、10〜80μmの範囲とすることができ、20〜50μmとすることがより好ましい。
このような接着剤を用いることにより、透光性電磁波シールド膜を被着体であるディスプレイやプラスチック板に接着剤層を流動させて接着することができるので、ラミネートや加圧成形、特に加圧成形により、また曲面、複雑形状を有する被着体にも容易に接着することができる。
このためには、接着剤の軟化温度が200℃以下であると好ましい。透光性電磁波シールド膜の用途から、使用される環境が通常80℃未満であるので接着剤層の軟化温度は、80℃以上が好ましく、加工性から80〜120℃が最も好ましい。軟化温度は、粘度が1012ポイズ(1013Pa・s)以下になる温度のことで、通常その温度では1〜10秒程度の時間のうちに流動が認められる。
一方、接着剤ポリマーの重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したもの、以下同様)は、500以上のものを使用することが好ましい。分子量が500以下では接着剤組成物の凝集力が低すぎるために被着体への密着性が低下するおそれがある。
透光性電磁波シールド膜上に接着剤層を形成するには、上記の接着剤ポリマー、硬化剤、その他添加剤等を含む接着剤層組成物を、導電性金属部の一部または全面を被覆するように塗布し、溶媒乾燥、加熱硬化することにより形成することができる。
本発明に係る透光性電磁波シールド膜には、保護フィルムを貼付することができる。保護フィルムは、透過性電磁波シールド膜の両面に有していてもよいし、片面のみ(例えば、導電性金属部上)に有していてもよい。
透光性電磁波シールド膜は後述するように、最表面の強化、反射防止性の付与、防汚性の付与等の効果を有する機能性フィルムをさらに貼合することが多いので、このような機能性フィルムを透光性電磁波シールド膜上に設ける場合には、保護フィルムを剥離することが望ましい。そこで、保護フィルムは剥離可能なものであることが望ましい。
保護フィルムの剥離強度は、5mN/25mm幅〜5N/25mm幅であることが好ましく、より好ましくは10mN/25mm幅〜100mN/25mm幅である。下限未満では、剥離が容易過ぎ、取扱い中や不用意な接触により保護フィルムが剥離する恐れがあり、好ましくなく、また上限を超えると、剥離のために大きな力を要する上、剥離の際に、メッシュ状の金属箔が透明基材フィルム(もしくは接着剤層から)剥離する恐れがあり、やはり好ましくない。
透光性電磁波シールド膜をディスプレイ(特にプラズマディスプレイ)に用いる場合には、以下に説明する機能性を有する機能性フィルムを貼付することにより、各機能性を付与することが好ましい。機能性フィルムは粘着剤等を介して透光性電磁波シールド膜に貼付することができる。
(反射防止性・防眩性)
透光性電磁波シールド膜には、外光反射を抑制するための反射防止(AR:アンチリフレクション)性、または、鏡像の映り込みを防止する防眩(AG:アンチグレア)性、またはその両特性を備えた反射防止防眩(ARAG)性のいずれかの機能性を付与することが好ましい。
これらの性能により、照明器具等の映り込みによって表示画面が見づらくなってしまうのを防止できる。また、膜表面の可視光線反射率が低くすることにより、映り込み防止だけではなく、コントラスト等を向上させることができる。反射防止性・防眩性を有する機能性フィルムを透光性電磁波シールド膜に貼付した場合の可視光線反射率は、2%以下であることが好ましく、より好ましくは1.3%以下、さらに好ましくは0.8%以下である。
反射防止層としては、例えば、フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を例えば1/4波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、窒化物、硫化物等の無機化合物またはシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を2層以上多層積層したもの等で形成することができる。
粒子の平均粒径は、1〜40μm程度が好ましい。
また、防眩性層としては、上記の熱硬化型または光硬化型樹脂を塗布した後、所望のグロス値または表面状態を有する型を押しつけ硬化することによっても形成することができる。
防眩性層を設けた場合の透光性電磁波シールド膜のヘイズは0.5%以上20%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以上10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩性が不十分であり、ヘイズが大きすぎると透過像鮮明度が低くなる傾向がある。
透光性電磁波シールド膜に耐擦傷性を付加するために、機能性フィルムがハードコート性を有していることも好適である。ハードコート層としてはアクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形成方法も特に限定されない。ハードコート層の厚さは、1〜50μm程度であることが好ましい。ハードコート層上に上記の反射防止層および/または防眩層を形成すると、耐擦傷性・反射防止性および/または防眩性を有する機能性フィルムが得られ好適である。
ハードコート性が付与された透光性電磁波シールド膜の表面硬度は、JIS(K―5400)に従った鉛筆硬度が少なくともHであることが好ましく、より好ましくは2H、さらに好ましくは3H以上である。
静電気帯電によるホコリの付着や、人体との接触による静電気放電を防止するため、透過性電磁波シールド膜には、帯電防止性が付与されることが好ましい。
帯電防止性を有する機能性フィルムとしては、導電性の高いフィルムを用いることができ、例えば導電性が面抵抗で1011Ω/□程度以下であれば良い。
導電性の高いフィルムは、透明基材上に帯電防止層を設けることにより形成することができる。帯電防止層に用いる帯電防止剤としては、具体的には、商品名ペレスタット(三洋化成社製)、商品名エレクトロスリッパー(花王社製)等が挙げられる。他に、ITOをはじめとする公知の透明導電膜やITO超微粒子や酸化スズ超微粒子をはじめとする導電性超微粒子を分散させた導電膜で帯電防止層を形成しても良い。上述のハードコート層、反射防止層、防眩層等に、導電性微粒子を含有させる等して帯電防止性を付与してもよい。
透光性電磁波シールド膜が防汚性を有していると、指紋等の汚れ防止や汚れが付いたときに簡単に取り除くことができるので好適である。
防汚性を有する機能性フィルムは、例えば透明基材上に防汚性を有する化合物を付与することにより得られる。防汚性を有する化合物としては、水および/または油脂に対して非濡性を有する化合物であればよく、例えばフッ素化合物やケイ素化合物が挙げられる。フッ素化合物として具体的には商品名オプツール(ダイキン社製)等が挙げられ、ケイ素化合物としては、商品名タカタクォンタム(日本油脂社製)等が挙げられる。
透光性電磁波シールド膜には、後述する色素や透明基材の劣化等を防ぐ目的で紫外線カット性を付与することが好ましい。紫外線カット性を有する機能性フィルムは、透明基材自体に紫外線吸収剤を含有させる方法や透明基材上に紫外線吸収層を設けることにより形成することができる。
色素を保護するのに必要な紫外線カット能としては、波長380nmより短い紫外線領域の透過率が、20%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。紫外線カット性を有する機能性フィルムは、紫外線吸収剤や紫外線を反射または吸収する無機化合物を含有する層を透明基材上に形成することにより得られる。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等、従来公知のものを使用でき、その種類・濃度は、分散または溶解させる媒体への分散性・溶解性、吸収波長・吸収係数、媒体の厚さ等から決まり、特に限定されるものではない。
また、機能性フィルムに後述する色素を含有する層が形成されている場合は、その層よりも外側に紫外線カット性を有する層が存在することが望ましい。
透光性電磁波シールド膜を常温常湿よりも高い温度・湿度環境化で使用すると、水分により後述する色素が劣化したり、貼り合せに用いる接着剤中や貼合界面に水分が凝集して曇ったり、水分による影響で接着剤が相分離して析出して曇ったりすることがあるので、透光性電磁波シールド膜はガスバリア性を有していることが好ましい。
このような色素劣化や曇りを防ぐためには、色素を含有する層や接着剤層への水分の侵入を防ぐことが肝要であり、機能性フィルムの水蒸気透過度が10g/m2・day以下、好ましくは5g/m2・day以下であることが好適である。
プラズマディスプレイは強度の近赤外線を発生するため、透光性電磁波シールド膜を特にプラズマディスプレイに用いる場合は、赤外線遮蔽性(特に近赤外遮断性)を付与することが好ましい。
近赤外線カット性を有する機能性フィルムとしては、波長領域800〜1000nmにおける透過率を25%以下であるものが好ましく、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
また、色素によっては耐光性に乏しいものもあるが、このような色素を用いることでプラズマディスプレイの発光や外光の紫外線・可視光線による劣化が問題になる場合は、前述のように機能性フィルムに紫外線吸収剤を含有させたり、紫外線を透過しない層を設けることによって、紫外線や可視光線による色素の劣化を防止することが好ましい。
熱、光に加えて、湿度や、これらの複合した環境においても同様である。劣化すると光学フィルターの透過特性が変わってしまい、色調が変化したり近赤外線カット能が低下する場合がある。
また、透明基材を形成するための樹脂組成物や、塗布層を形成するための塗布組成物中に溶解又は分散させるために、色素は溶媒への溶解性や分散性も高いことが好ましい。
機能性フィルムに色素を含有させる場合、透明基材の内部に含有していてもよいし、基材表面に色素を含有する層をコーティングしてもよい。また、粘着剤層中に色素を含有させてもよい。また、異なる吸収波長を有する色素2種類以上を混合して一つの層中に含有させてもよいし、色素を含有する層を2層以上有していても良い。
(ハロゲン化銀感光材料の作製)
水媒体中のAg60gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する乳剤を調製した。
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10-7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、更に塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が1g/m2となるようにポリエチレンテレフタレート(PET)からなる支持体上に塗布した。この際、Ag/ゼラチン体積比は1/2とした。
PET支持体の厚さは90μm、幅30cmのものを用いた。幅30cmのPET支持体に25cmの幅で20m分塗布を行い、塗布の中央部24cmを残すように両端を3cmずつ切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料を得た。
ハロゲン化銀感光材料の露光は特開2004-1244号公報の発明に記載のDMD(デジタル・ミラー・デバイス)を用いた露光ヘッドを25cm幅になるように並べ、感光材料の感光層上にレーザー光が結像するように露光ヘッドおよび露光ステージを湾曲させて配置し、感材送り出し機構および巻取り機構を取り付けた上、露光面のテンション制御および巻取り、送り出し機構の速度変動が露光部分の速度に影響しないようにバッファー作用を有する撓みを設けた連続露光装置にて行った。露光の波長は400nmで、ビーム形は12μmの略正方形、およびレーザー光源の出力は100μJであった。
露光のパターンは、線幅12μmの格子状のパターンが45度の角度になるようにし、ピッチが300μm間隔で幅24cm長さ10m連続するように行った。後述するめっき処理後の銅のパターンが12μm線幅300ミクロンピッチであることが確認された。
・現像液1L処方(補充液も同組成)
ハイドロキノン 21 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
1,3-ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
ランニング条件として、感材の処理量を100m2/日で現像液の補充を500ml/m2、定着液を640ml/m2で3日間行った。
以上のようにして透明フィルム上に銀メッシュパターンが格子状に作製されたフィルムを作製した。このフィルムの表面抵抗は、48.57Ω/□であった。
上記処理により銀メッシュパターンが形成されたフィルムに対して、図1に示す電解めっき槽10を備えた電解めっき装置を用いてめっき処理を行った。なお、フィルムの銀メッシュ面が下向きとなるように(銀メッシュ面が給電ローラと接するように)、電解めっき装置にとり付けた。
なお、給電ローラ12a,12bとして、鏡面仕上げしたステンレス製ローラ(10cmφ、長さ70cm)の表面に0.1mm厚の電気銅めっきを施したものを使用し、ガイドローラ14およびその他の搬送ローラとしては、銅めっきしていない5cmφ、長さ70cmのローラを使用した。また、ガイドローラ14の高さを調製することで、ライン速度が違っても一定の液中処理時間が確保されるようにした。
・電解銅めっき液組成(補充液も同組成)
硫酸銅五水塩 (表1に記載)
硫酸(97%) 90g
塩酸(35%) 0.06mL
ビス−(スルホプロピル)ジスルフィド (表1に記載)
ヤーヌスグリーンB*1 (表1に記載)
ポリエチレングリコール*2 (表1に記載)
(平均分子量4000)
純水を加えて 1L
(*1,*2 和光純薬工業社製)
酸洗浄 30秒
水洗 1分
めっき1 20秒 電圧 40V
水洗 30秒
めっき2 20秒 電圧 40V
水洗 30秒
めっき3 20秒 電圧 35V
水洗 30秒
めっき4 20秒 電圧 35V
水洗 1分
めっき5 20秒 電圧 20V
水洗 1分
めっき6 20秒 電圧 20V
水洗 1分
めっき7 20秒 電圧 15V
水洗 30秒
めっき8 20秒 電圧 10V
水洗 30秒
めっき9 20秒 電圧 10V
水洗 30秒
めっき10 20秒 電圧 8V
水洗 1分
めっき11 20秒 電圧 6V
水洗 1分
めっき12 20秒 電圧 6V
水洗 1分
めっき13 20秒 電圧 5V
水洗 30秒
めっき14 20秒 電圧 5V
水洗 1分
めっき15 20秒 電圧 3V
水洗 1分
めっき16 20秒 電圧 2V
水洗 1分
めっき17 20秒 電圧 1V
水洗 1分
防錆 20秒
水洗 1分
フィルム試料を10mずつ処理し、処理後のメッシュ面の表面抵抗を測定した。表面抵抗測定は、ダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)にて行い、先頭および末尾の各50cm部分を除く任意の場所50箇所を測定し平均を求めた。各フィルムの表面抵抗を表2に示す。
また、目視によりめっきムラを評価した。めっきムラ評価の基準は以下の通りとした。
1 :ムラが殆ど見えない
2 :ムラが見える部分の面積が全体の15%未満
3 :ムラが見える部分の面積が全体の15%以上30%未満
4 :ムラが見える部分の面積が全体の30%以上80%未満
5 :80%以上の面積にムラが観察される
実施例1の感光材料の代わりに、同じPET支持体上に銅スパッタにより作製した試料(表面抵抗を50Ω/□)を使用し、上記試料107に使用しためっき液を用いて上記と同様の条件でめっき処理を行ったところ、表面抵抗が0.37となり、めっきムラの評価結果はレベル2であった。実施例1の態様(銀メッシュ)で作製したものがより好ましいことが分った。
実施例1において、24cm幅の代わりに67cm幅の試料を作製し、同様のめっき処理を行ったところ実施例1と同様の結果が得られた。
上記実施例1の試料105に対して、銅黒化処理液で処理して銅表面を黒化した。使用した黒化処理液は市販のコパーブラック(株式会社アイソレート化学研究所製)を用いた。
PET支持体の金属メッシュと反対の面側に、総厚みが28μmの保護フィルム(パナック工業(株)製、品番;HT−25)をラミネーターローラーを用いて貼り合わせを行った。また、金属メッシュ側にも、ポリエチレンフィルムにアクリル系粘着剤層が積層された総厚みが65μmの保護フィルム((株)サンエー化研製、品名;サニテクトY−26F)をラミネーターローラーを用いて貼り合わせを行った。
さらに、ガラス板には、粘着材を介して反射防止フィルム(日本油脂(株)製 商品名リアルック8201)を貼り合わせ、光学フィルターを作製した。
11 めっき浴
12a,12b 給電ローラ
13 アノード板
14 ガイドローラー
15 めっき液
16 フィルム
17 液切ローラー
Claims (12)
- 表面抵抗が1〜1000Ω/□のフィルム表面を連続で電解めっきするめっき処理方法であって、めっき液の銅濃度が硫酸銅五水塩の重量換算で150g/L以上300g/L以下であることを特徴とするめっき処理方法。
- 前記めっき液が硫黄化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のめっき処理方法。
- 前記めっき液が窒素化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のめっき処理方法。
- 前記めっき液がポリマー成分を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のめっき処理方法。
- 前記フィルムが銀メッシュでパターニングされているフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のめっき処理方法。
- 前記銀メッシュが現像銀により形成されていることを特徴とする請求項5に記載のめっき処理方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のめっき処理方法を含む製造方法により製造された導電性膜。
- 請求項7に記載の導電性膜からなる透光性電磁波シールド膜。
- 請求項8に記載の透光性電磁波シールド膜と接着剤層とを備えた光学フィルター。
- 剥離可能な保護フィルムを有することを特徴とする請求項9に記載の光学フィルター。
- 赤外線遮蔽性、ハードコート性、反射防止性、妨眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、ガスバリア性、及び表示パネル破損防止性、からいずれか1つ以上選ばれる機能を有する機能層を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の光学フィルター。
- 赤外線遮蔽性を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の光学フィルター。
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