JP2007005549A - 白色発光ｌｅｄランプ - Google Patents

Abstract

【課題】 照明として使用した場合に、演色性の良い、特に赤色の再現性が良い白色光を発光することができる白色発光ＬＥＤランプを提供する。
【解決手段】 白色発光ランプ１は、紫外線を発する紫外線ＬＥＤ２と赤色を発光する赤色ＬＥＤ３とを、紫外線で励起され発光する複数の蛍光体４（複数の青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体）を含む透明樹脂５によって封止された構造である。
【選択図】 図１

Description

本発明は、白色発光ＬＥＤランプに関する。

現在、白色を発光させられる白色発光ＬＥＤランプには主に三種類ある。一つ目は、青色ＬＥＤを、青色励起で黄色光を発光する黄色発光蛍光体を含む透明樹脂で覆ったもの（特許文献１参照）、又は、青色ＬＥＤを、青色励起で緑色光を発光する緑色発光蛍光体と青色励起で赤色光を発光する赤色発光蛍光体を含む透明樹脂で覆ったランプパッケージであり、青色ＬＥＤからの青色光とこれにより励起した黄色発光蛍光体からの黄色光とを混合、あるいは青色ＬＥＤからの青色光とこれにより励起した、緑色発光蛍光体からの緑色光および赤色発光蛍光体からの赤色光とを混合することにより、白色光とするものがある。

二つ目は、紫外線ＬＥＤを、紫外線励起で青色光を発光する青色発光蛍光体と紫外線励起で緑色光を発光する緑色発光蛍光体と紫外線励起で赤色光を発光する赤色発光蛍光体とを含む透明樹脂で覆ったランプパッケージであり、青色ＬＥＤからの紫外線で励起した、青色発光蛍光体からの青色光、緑色発光蛍光体からの緑色光および赤色発光蛍光体からの赤色光を混合することにより、白色光を得るものである（特許文献２参照）。

三つ目は、パッケージ内に青、赤、緑それぞれに対応する３つのＬＥＤチップを搭載して樹脂封止したランプであり、各色のＬＥＤを同時発光させ、混色し白色とするものがある（特許文献２参照）。
特開２００４−５５７７２号公報（図８） 特開２００１−１１１１１４号公報

しかし、上述した３タイプの白色発光ＬＥＤランプのうち、赤色発光蛍光体を使用するものに関しては、現在、赤色を発光する蛍光体で青色や紫外線を赤色に変換する変換効率の高いものが実用化されていない為、照明として使用した場合、赤色の色再現が不十分である。また、青色ＬＥＤの発光と黄色発光蛍光体の発光とによって白色を作り出しているものでも、赤色成分がほとんど含まれていないため、照明に適用する場合に赤色の再現が非常に低い。

さらに、青、赤、緑の３色のＬＥＤチップを使用する場合は、各色のＬＥＤが優れた単色性ピークを有するために、色むらが生じやすいという問題があるとともに、３つのＬＥＤそれぞれに電源回路が必要になるのでコストが高くなるといった問題もある。

そこで、本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み、蛍光体を使用した白色発光ＬＥＤランプを照明として使用した場合に、演色性の良い、特に赤色の再現性が良い白色光を発光することができる白色発光ＬＥＤランプを提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本発明の白色発光ＬＥＤランプは、紫外線ＬＥＤと赤色ＬＥＤが、紫外線で励起され発光する複数の青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体を含む透明樹脂によって封止されていることを特徴とする。

このような構成では、紫外線励起で青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体から放出された青色光および緑色光と、赤色ＬＥＤからの赤色光とが透明樹脂内で混色され、その結果白色光がランプ外部に発せられる。このように、赤色の発光スペクトルを、非常に効率の悪い赤色発光蛍光体からではなく赤色ＬＥＤから直接生成しているので、本発明の白色発光ＬＥＤランプを照明に使用した場合には赤色の再現性が良い。つまり、赤色を含む物体のより現実に近い色が目に見えて、演色性が向上する。

以上説明したように本発明によれば、照明として使用した場合に、演色性の良い、特に赤色の再現性が良い白色光を発光する白色発光ＬＥＤを提供することができる。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

図１は本発明の実施形態による白色発光ＬＥＤランプの構造を示す模式的断面図である。

図１に示されるように、白色発光ランプ１は、紫外線を発する紫外線ＬＥＤ２と赤色を発光する赤色ＬＥＤ３とを、紫外線で励起され発光する複数の蛍光体４を含む透明樹脂５によって封止された構造である。より具体的には、紫外線ＬＥＤ２と赤色ＬＥＤ３がプラスチックやセラミック等でできた凹状のパッケージ６の底面に金ワイヤー７でボンディング実装されており、パッケージ６の凹部内に透明樹脂５を充填することで、紫外線ＬＥＤ２と赤色ＬＥＤ３が封止されている。ＬＥＤの実装方法に関しては図のようなワイヤーボンディングに限られず、ボールバンプを用いたフェースボンディングでも構わない。また、パッケージ６も図１の態様に限定されず、様々な形状を採ることができる。

透明樹脂５の材料は、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂などを使用することができる。

紫外線ＬＥＤ２は例えば、ＧａＮ／ＧａＩｎＮ／ＧａＮダイオードを使用できる。また、赤色ＬＥＤ３は例えば、ＡｌＩｎＧａ系、ＧａＡｓＰ系、またはＧａＡｌＡｓ系のＬＥＤを使用することができる。

また、透明樹脂５に含まれる蛍光体４は、紫外線ＬＥＤ２が発する紫外線の波長帯域と赤色ＬＥＤ３が発光する赤色の波長帯域との間の波長帯域の発光強度を補う発光スペクトルを発光する。このために、蛍光体４としては、紫外線励起で青色光を発光する青色発光蛍光体と、紫外線励起で緑色光を発光する緑色発光蛍光体の両方を使用する。青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体はそれぞれ、例えば、Ｚｎ、Ｍｇ、ＣｄおよびＢｅのうちの少なくとも１つの元素を含み、Ｓｅ、Ｓ、ＴｅおよびＯのうちの少なくとも１つの元素を含むＩＩ−ＶＩ族半導体およびＧａ、ＡｌおよびＩｎのうちの少なくとも１つの元素を含み、Ａｓ、ＰおよびＮのうちの少なくとも１つの元素を含むＩＩＩ−Ｖ族半導体よりなる群から選ばれる半導体によって形成されている。

青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体はそれぞれ複数、透明樹脂５内に分散状態で配置されるが、複数の青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体は、紫外線ＬＥＤ２からの紫外線によって均一に励起されるように樹脂内に配置するのが良い。

以上のように構成された白色発光ランプ１は、以下のようにして白色光を発することができる。まず、紫外線ＬＥＤ２および赤色ＬＥＤ３にそれぞれ電圧を印加することによって、紫外線ＬＥＤ２は紫外線を発し、赤色ＬＥＤ３は赤色光を発光する。

紫外線ＬＥＤ２から発せられた紫外線は、透明樹脂５内に分散配置された複数の蛍光体４としての複数の青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体を励起する。青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体は、紫外線によって励起され、それぞれ、青色光および緑色光を放出する。

青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体から放出された青色光および緑色光と、赤色ＬＥＤ３からの赤色光とが透明樹脂５内で混色され、その結果白色光がランプ外部に発せられる。

このような本実施形態の白色発光ＬＥＤランプでは、赤色の発光スペクトルを、非常に効率の悪い赤色発光蛍光体からではなく赤色ＬＥＤ３から直接生成しているので、赤色の再現性の良い白色光を得ることができる。また、各々のＬＥＤ２，３の発光強度をコントロールすることで、青みの強い白色光から赤みの強い白色光まで様々な白色を発光させることができる。

なお、上記とは別の実施形態として、紫外線ＬＥＤ２を青色ＬＥＤに代え、蛍光体４に青色励起で発光するＹＡＧ系蛍光体（黄色発光蛍光体または緑色発光蛍光体）を使用し、青色ＬＥＤとともに赤色ＬＥＤをＹＡＧ系蛍光体の含まれた透明樹脂で覆った構造の白色発光ＬＥＤランプも考えられ、この場合も上述の実施形態と同様、赤色の再現性の良い白色光を得られる効果がある。

本発明の実施形態による白色発光ＬＥＤランプの構造を示す模式的断面図である。

符号の説明

１ 白色発光ＬＥＤランプ
２ 紫外線ＬＥＤ
３ 赤色ＬＥＤ
４ 蛍光体（青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体）
５ 透明樹脂
６ パッケージ
７ 金ワイヤー

Claims (2)

1. 紫外線ＬＥＤと赤色ＬＥＤが、紫外線で励起され発光する複数の青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体を含む透明樹脂によって封止されている白色発光ＬＥＤランプ。
2. 前記透明樹脂内に前記複数の青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体が分散状態で配置されている、請求項１に記載の白色発光ＬＥＤランプ。

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