JP2007002002A - 伝熱性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い伝熱性を持ち、柔軟性及び加工性にも優れた伝熱性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 以下の成分(A)〜(D)を含む伝熱性樹脂組成物。
(A)熱可塑性エラストマー : 10〜60重量%
(B)固相線温度が100℃以上300℃未満の合金 : 5〜50重量%
(C)融点が300℃以上の単体金属粉末又は、固相線温度が300℃以上の合金粉末 : 5〜30重量%
(D)非金属無機質充填剤 : 10〜60重量%
[前記各成分の配合量は、成分(A)〜(D)の合計量に対する重量分率である。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、伝熱性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、伝熱性と柔軟性、加工性に優れ、放熱シート、放熱緩衝材及び放熱シール材等として好適な樹脂組成物に関するものである。
集積回路の処理速度や実装密度は、年々向上しており、その結果として半導体素子等からの発熱量も増大しつつある。このため放熱シートをはじめとする種々の放熱部品に対する要求性能も年々高くなっている。
放熱シート用の材料に要求される、最も基本的な特性は、高い伝熱性と柔軟性である。このため伝熱性の高いフィラーを充填したエラストマーが用いられる場合が多い。
しかしながら、高い伝熱性を得るために、フィラーの充填率を高めると、柔軟性が低下する上、流動性が低下して成形加工性が著しく損なわれる問題があった。
このような問題に対し、エラストマーの通常の加工温度で一部が溶融する合金を利用することで、流動性低下を抑える技術が知られている。
例えば、特許文献1では熱可塑性樹脂/鉛フリーハンダ/(前記鉛フリーハンダを前記熱可塑性樹脂中に細かく分散させることを補助する金属粉末又は金属粉末と金属短繊維の混合物)からなる鉛フリー超高導電性プラスチックが示されている。
また、例えば特許文献2では、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー/融点300℃以下の金属/金属粉末/カーボン系フィラーからなる導電性樹脂組成物が示されている。
しかし、特許文献1は、熱可塑性樹脂としてエラストマーを選んだ場合、高い柔軟性を得にくい問題がある。理由は不明であるが、当該発明によって得られる、組成物全体にわたる高度な金属ネットワークが、柔軟性を著しく損ねるためと推測する。
また、特許文献2は、高い伝熱性を得にくい問題がある。理由は不明であるが、当該発明は高い伝熱性を得ることを目的としておらず、伝熱に有効な金属ネットワークが形成されていないと推測する。
特開平10−237331号公報 特開2002−212443号公報
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、高い伝熱性を持ち、柔軟性及び加工性にも優れた伝熱性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の範囲に固相線温度を持つ低融点金属を用いること、及びその添加量を適切に設計すること等で、加工性や柔軟性の低下を抑えながら伝熱性を高められることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は、
1.以下の成分(A)〜(D)を含む伝熱性樹脂組成物。
(A)熱可塑性エラストマー : 10〜60重量%
(B)固相線温度が100℃以上300℃未満の合金 : 5〜50重量%
(C)融点が300℃以上の単体金属粉末又は、固相線温度が300℃以上の合金粉末 : 5〜30重量%
(D)非金属無機質充填剤 : 10〜60重量%
[前記各成分の配合量は、成分(A)〜(D)の合計量に対する重量分率である。]
2.前記(A)熱可塑性エラストマーが、エチレン単位を主とするセグメントを持つ熱可塑性エラストマーである、1に記載の伝熱性樹脂組成物。
3.前記(B)合金が錫−銅合金であり、前記(C)金属粉末又は合金粉末が銅粉である1又は2に記載の伝熱性樹脂組成物。
4.前記(D)非金属無機質充填剤が黒鉛である1〜3のいずれかに記載の伝熱性樹脂組成物。
5.上記1〜4のいずれかに記載の伝熱性樹脂組成物の製造方法であって、前記(B)成分の固相線温度をTb[℃]、前記(C)成分である金属粉末又は合金粉末の融点又は固相線温度をTc[℃]としたときに、前記(A)〜(D)成分をTb[℃]以上Tc[℃]未満の温度で溶融混練する伝熱性樹脂組成物の製造方法。
6.上記1〜4のいずれかに記載の伝熱性樹脂組成物からなる、厚さ0.02mm〜3.0mmのシート。
7.上記1〜4のいずれかに記載の伝熱性樹脂組成物からなる層を一層以上有する、厚さ0.02mm〜3.0mmの積層シート。
を提供するものである。
本発明によれば、高い伝熱性を持ち、柔軟性及び加工性にも優れた樹脂組成物が得られる。
この高伝熱性樹脂組成物は、放熱シートに特に好適である。
以下、本発明の伝熱性樹脂組成物を具体的に説明する。
本発明の伝熱性樹脂組成物は、(A)熱可塑性エラストマー、(B)固相線温度が100℃以上300℃未満の合金、(C)融点が300℃以上の単体金属粉末又は、固相線温度が300℃以上の合金粉末、及び(D)非金属無機質充填剤を含む。
本発明の伝熱性樹脂組成物において、(A)〜(D)成分の合計量に対する、上記各成分の配合量[重量%]をそれぞれ[a]〜[d]とすると、以下の関係式(1)〜(4)を満足する。
(1)10≦[a]≦60
(2)5≦[b]≦50
(3)5≦[c]≦30
(4)10≦[d]≦60
(A)成分の配合量[a]は10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは30〜40重量%である。
[a]が10重量%以上であると、得られる樹脂組成物は実用的な流動性及び柔軟性を有する。また、[a]が60重量%以下であると、得られる樹脂組成物は実用的な伝熱性を有する。
(B)成分の配合量[b]は5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%である。
[b]が5重量%以上であると、得られる樹脂組成物は実用的な流動性を有する。また、[b]が50重量%以下であると、(B)成分が良好に分散した均質な樹脂組成物となる。
(C)成分の配合量[c]は5〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%である。
[c]が5重量%以上であると、(B)成分が良好に分散した均質な樹脂組成物となる。また[c]が30重量%以下であると、得られる樹脂組成物は実用的な流動性を有する。
(D)成分の配合量[d]は10〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%である。
[d]が10重量%以上であると、得られる樹脂組成物は実用的な伝熱性を有する。また、[d]が60重量%以下であると、得られる樹脂組成物は実用的な流動性及び柔軟性を有する。
本発明の伝熱性樹脂組成物において、(A)成分の熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー(プロピレン単位を主とするものを除く)、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、結晶性ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー及び塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
主鎖が炭素のみからなる重合体で主に構成され、かつプロピレン単位を主としない熱可塑性エラストマーは、本発明の(B)成分や(C)成分による分解等を受けにくく、耐久性の高い樹脂組成物が得られ易い。尚、主鎖末端等、ごく限られた部分では、炭素以外の元素が存在しても良い。
上記熱可塑性エラストマーは市販されており、こうした市販品を用いることができる。
熱可塑性エラストマーは、1種のみでも良く、2種以上を用いても良い。
本発明の熱可塑性エラストマーにおいて、エチレン単位を主とするセグメントを持つ熱可塑性エラストマーが特に好ましい。
このような熱可塑性エラストマーとしては、エチレン/α−オレフィン共重合体及び水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)等が挙げられる。
エチレン/α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンを共重合することで得られる。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン、1−ペンテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−エイコセン等が挙げられる。
2種類以上のα−オレフィンをエチレンと共重合しても良い。
尚、エチレンとα−オレフィンの共重合以外の方法で得たものでも、エチレン/α−オレフィン共重合体に相当する化学構造を持つものであれば、本発明の(A)成分として用いることができる。
例えば、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン化合物を(共)重合した後に、水素添加して生成する熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
エチレン/α−オレフィン共重合体は、α−オレフィン分率を高める等の手法により結晶性を抑制すると、密度が低くなり、柔軟性は高くなる。
本発明の高伝熱性樹脂組成物においては、用いるエチレン/α−オレフィン共重合体は、ある程度低い密度のものが好ましく、特に密度900kg/m以下のものが好ましい。より好ましくは880kg/m以下である。
本発明の伝熱性樹脂組成物において、(B)成分、即ち、固相線温度が100℃以上300℃未満の合金としては、例えば、市販されている種々のハンダを用いることができる。市販ハンダの多くは、固相線温度が表示されているが、以下の方法で測定することもできる。
まず、合金が完全に溶融するまで加熱した後に、完全に固化するまで徐々に冷却する。冷却過程での温度変化を熱電対等で測定し、熱分析曲線を作成する。この曲線から得られる、最も低温側の変態点が、固相線温度にあたる。固相線温度が100℃以上300℃未満の合金として好適なのは、錫を主成分とする合金である。副成分として好適な金属としては、例えば、銅、ニッケル、銀、ビスマス、亜鉛、インジウム、アルミニウム、マグネシウム等が挙げられる。副成分は2種以上であっても良い。
本発明の伝熱性樹脂組成物において、(C)成分である融点が300℃以上の単体金属粉末又は、固相線温度が300℃以上の合金粉末としては、例えば、銅粉、ニッケル粉、亜鉛粉、銀粉、ステンレス粉等が挙げられる。組成や粒径の異なる2種以上の金属粉末を混合しても良い。
尚、粉末の平均粒径は10〜500μmが好ましく、20〜100μmが特に好ましい。
本発明の(B)成分と(C)成分の組み合わせにおいて、錫−銅合金と銅粉の組み合わせが特に好ましい。理由は第一に、低価格で伝熱性に優れる銅粉を(C)成分に用いることで、伝熱性の高い樹脂組成物を低コストで得やすいためである。第二に、錫−銅合金は、銅粉との親和性に優れるため、(B)成分の凝集等のない均質な樹脂組成物を得やすいためである。
本発明の伝熱性樹脂組成物において、(D)成分、即ち、非金属無機質充填剤としては、例えば、アルミナやマグネシア等の酸化物系充填剤、窒化アルミニウムや立方晶窒化ホウ素等の窒化物系充填剤、シリカやガラス繊維等のガラス系充填剤、及び黒鉛や炭素繊維等の炭素系充填剤が挙げられる。粒径や組成の異なる2種以上の充填剤を混合しても良い。また分散性を高める目的等で、有機物コート等表面処理しても良い。
本発明の非金属無機質充填剤においては、黒鉛が特に好ましい、理由は伝熱性に優れ、多くの熱可塑性エラストマーに分散しやすいためである。
本発明の伝熱性樹脂組成物には、発明の目的を損ねない範囲で常用の樹脂添加剤を加えることができる。例えば可塑剤、粘着性付与剤、離型剤、補強剤、難燃剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、相溶化剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、公知の溶融混練法によって製造できる。例えば、(A)〜(D)成分、及び必要に応じて用いられる他の添加剤成分を所定の割合でドライブレンドした後、市販の二軸混練押出機に供給する方法が挙げられる。
混練中の樹脂温度は、(B)成分の固相線温度をTb[℃]、(C)成分の融点又は固相線温度をTc[℃]としたとき、Tb以上Tc未満の温度が良い。
このような温度に制御して混練すると、溶融した(B)成分が(C)成分を取り巻く形で安定化し、良好な分散状態を得やすい。
特に好ましいのは、TbとTcの差が100K以上になるよう(B)成分と(C)成分を選んだ上で、混練中の樹脂温度を(Tb+20)℃〜(Tc−20)℃に制御することである。
本発明の組成物は、高い伝熱性を持ち、柔軟性や加工性にも優れる。このため、放熱シート用の材料に特に好適である。
本発明の伝熱性樹脂組成物は、プレス成形、押出成形等、公知の一般的な手法でシートに加工することができる。
本発明のシートの厚さは、0.02〜3.0mm、好ましくは0.05〜2.0mm、より好ましくは0.1〜1.0mmである。
得られたシートは、単独でも放熱シートとして用いられるが、他のシート状物、例えば、紙、不織布、織布、金属箔、樹脂フィルム等と積層して用いても良い。
本発明の積層シートは、本発明の伝熱性樹脂組成物からなる層を一層以上有し、厚さが0.02〜3.0mm、好ましくは0.05〜2.0mm、より好ましくは0.1〜1.0mmの積層シートである。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
実施例1
(A)〜(D)成分として、それぞれ下記(A1)〜(D1)を用い、さらに添加剤として下記(X)〜(Z)を用いた。
(A1):タフマーIT103〔エチレン系熱可塑性エラストマー、三井化学(株)製〕
(B1):M705〔鉛フリーハンダ、千住金属工業(株)製、固相線温度217℃〕
(C1):MD−1〔銅粉、三井金属鉱業(株)製、融点1083℃〕
(D1):PAG−5〔黒鉛、日本黒鉛工業(株)製〕
(X):Irganox MD1024〔金属不活性化剤、チバ・スペシャルティケミカルズ社製〕
(Y):Irganox1076〔酸化防止剤、チバ・スペシャルティケミカルズ社製〕
(Z):Irganox1010〔酸化防止剤、チバ・スペシャルティケミカルズ社製〕
(A1)〜(D1)を、その合計重量に対する各成分の分率が30.7重量%、26.9重量%、18.5重量%、23.9重量%になるよう、それぞれ量りとった。
さらに(X)〜(Z)を、量りとった(A1)に対して0.1重量%ずつ量りとった。量りとったすべての原料をドライブレンドし、東芝機械(株)TEM37BS(二軸混練押出機)を用いて混練した。バレルとダイスの設定温度は250℃とし、原料は8kg/hrの速度で投入した。ダイスから出た組成物のストランドを水冷し、ペレット状にカットした。得られた樹脂組成物は、合金の凝集等が見られず、良好であった。得られた樹脂組成物から、70mm角×2mm厚の平板を250℃でプレス成形した。得られた平板を用いて、下記の要領で熱伝導率を測定した。また40mm角×0.4mm厚のシートを250℃でプレス成形し、下記の要領で貯蔵弾性率を測定した。さらに、ペレットを用いて溶融粘度を測定した。
熱伝導率は、TPA−501〔京都電子工業(株)〕を用いて測定した。測定条件は、センサー直径を7mm、測定モードを“Slab Sheets”とした。
貯蔵弾性率は、DMS6100〔セイコーインスツル(株)製〕を用い、0.4mm厚のプレス成形シートから、長さ40mm、幅10mmの短冊状試験片を切り出して測定に供した。測定温度は23℃、周波数は0.1Hzとした。
溶融粘度は、キャピログラフ1C〔東洋精機工業(株)〕を用いて測定した。測定条件は、温度260℃、バレル内径9.55mm、毛管内径1mm、毛管長さ40mm、プランジャー速度20mm/minとした。
得られた結果を、表1に示す。
Figure 2007002002
実施例1の樹脂組成物は、熱伝導率が高く、低い貯蔵弾性率、即ち高い柔軟性を持ち、流動性も高いことが判明した。
実施例2
(A)成分として下記(A2)を用いた。
(A2):タフテックH1141〔SEBS、旭化成(株)製〕
(A2)及び(B1)〜(D1)を、その合計重量に対する各成分の分率が32.0重量%、26.4重量%、18.2重量%、23.4重量%になるよう、それぞれ量りとった。さらに(X)〜(Z)を、量りとった(A2)に対して0.1重量%ずつ量りとった。量りとったすべての原料をドライブレンドし、実施例1と同様にして、樹脂組成物を製造し、プレス成形後、熱伝導率、貯蔵弾性率及び溶融粘度を測定した。得られた結果を、表1に示す。
実施例2の樹脂組成物は、実施例1と同じく高い熱伝導率を示し、柔軟性、流動性も高いことが判明した。
実施例3
(A)成分として下記(A3)を用いた。
(A3):デンカレオマーG8053〔塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、電気化学工業(株)製〕
(A3)及び(B1)〜(D1)を、その合計重量に対する各成分の分率が38.4重量%、23.9重量%、16.5重量%、21.2重量%になるよう、それぞれ量りとった。さらに(X)〜(Z)を、量りとった(A3)に対して0.1重量%ずつ量りとった。量りとったすべての原料をドライブレンドし、実施例1と同様にして、樹脂組成物を製造し、プレス成形後、熱伝導率、貯蔵弾性率及び溶融粘度を測定した。得られた結果を、表1に示す。
実施例3の樹脂組成物は、実施例1と同じく高い熱伝導率を示し、柔軟性、流動性も高いことが判明した。
実施例4
(D)成分として下記(D2)を用いた。
(D2):トーヤルナイト・スーパーFLA〔窒化アルミニウム粉末、東洋アルミニウム(株)製〕
(A1)〜(C1)及び(D2)を、その合計重量に対する各成分の分率が23.1重量%、13.7重量%、8.3重量%、54.9重量%になるよう、それぞれ量りとった。さらに(X)〜(Z)を、量りとった(A1)に対して0.1重量%ずつ量りとった。量りとったすべての原料をドライブレンドし、実施例1と同様にして、樹脂組成物を製造し、プレス成形後、熱伝導率、貯蔵弾性率及び溶融粘度を測定した。得られた結果を、表1に示す。
実施例4の樹脂組成物は、実施例1に比べると熱伝導率が少し低いものの、高い熱伝導率との両立が難しい絶縁性を有する(体積抵抗率20GΩm)。
実施例5
(A1)〜(D1)を用い、その合計重量に対する各成分の分率が30.7重量%、26.9重量%、18.5重量%、23.9重量%になるよう、それぞれ量りとった。さらに下記(W)を、量りとった(A1)に対して50重量%、(X)〜(Z)を、量りとった(A1)に対して0.1重量%ずつ量りとった。
(W):CR−733S〔難燃剤、大八化学工業(株)製〕
量りとったすべての原料をドライブレンドし、実施例1と同様にして、樹脂組成物を製造し、プレス成形後、熱伝導率、貯蔵弾性率及び溶融粘度を測定した。得られた結果を、表1に示す。
実施例5の樹脂組成物は、実施例1に比べると熱伝導率が少し低いものの、UL−94に準拠した燃焼試験の結果、(1.6mm)V−0の難燃性を持つことが判明した。
比較例1
(A1)、(C1)及び(D1)を、その合計重量に対する各成分の分率が29.1重量%、48.3重量%、22.6重量%になるよう、それぞれ量りとった。さらに(X)〜(Z)を、量りとった(A1)に対して0.1重量%ずつ量りとった。量りとったすべての原料をドライブレンドし、実施例1と同様にして、樹脂組成物を製造し、プレス成形後、熱伝導率、貯蔵弾性率及び溶融粘度を測定した。得られた結果を、表1に示す。
比較例1の樹脂組成物は、実施例1の半分以下の熱伝導率であり、流動性も低いことが判明した。これは(B)成分を含まないため、(B)成分が(C)成分を介して適度な連結構造をとるといった、効果的な伝熱経路を形成していないためと考えられる。また(A)成分と並んで溶融流動に寄与する(B)成分を含まないため流動性も低い。
比較例2
(A1)〜(D1)を、その合計重量に対する各成分の分率が25.6重量%、56.8重量%、17.2重量%、0.4重量%になるよう、それぞれ量りとった。さらに(X)〜(Z)を、量りとった(A1)に対して0.1重量%ずつ量りとった。量りとったすべての原料をドライブレンドし、実施例1と同様にして、樹脂組成物を製造し、プレス成形後、熱伝導率、貯蔵弾性率及び溶融粘度を測定した。得られた結果を、表1に示す。
比較例2の樹脂組成物は、特許文献2、即ち、特開2002−212443号公報の発明に属する組成物であるが、熱伝導率が低いことが判明した。また貯蔵弾性率が高い、即ち柔軟性が低いことも判明した。
比較例3
(A1)〜(D1)を、その合計重量に対する各成分の分率が14.9重量%、53.6重量%、6.5重量%、25.0重量%になるよう、それぞれ量りとった。さらに(X)〜(Z)を、量りとった(A1)に対して0.1重量%ずつ量りとった。量りとったすべての原料をドライブレンドし、実施例1と同様にして、樹脂組成物を製造した。しかし合金の凝集が著しく、均質な組成物を得ることができなかった。(B)成分が過多であり、(B)成分の分散安定化が充分になされなかったと考えられる。
本発明の伝熱性樹脂組成物は、放熱シート、電子部品向けの放熱緩衝材、熱交換器向けの放熱シール材等に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 以下の成分(A)〜(D)を含む伝熱性樹脂組成物。
    (A)熱可塑性エラストマー : 10〜60重量%
    (B)固相線温度が100℃以上300℃未満の合金 : 5〜50重量%
    (C)融点が300℃以上の単体金属粉末又は、固相線温度が300℃以上の合金粉末 : 5〜30重量%
    (D)非金属無機質充填剤 : 10〜60重量%
    [前記各成分の配合量は、成分(A)〜(D)の合計量に対する重量分率である。]
  2. 前記(A)熱可塑性エラストマーが、エチレン単位を主とするセグメントを持つ熱可塑性エラストマーである、請求項1に記載の伝熱性樹脂組成物。
  3. 前記(B)合金が錫−銅合金であり、前記(C)金属粉末又は合金粉末が銅粉である請求項1又は2に記載の伝熱性樹脂組成物。
  4. 前記(D)非金属無機質充填剤が黒鉛である請求項1〜3のいずれかに記載の伝熱性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の伝熱性樹脂組成物の製造方法であって、
    前記(B)成分の固相線温度をTb[℃]、前記(C)成分である金属粉末又は合金粉末の融点又は固相線温度をTc[℃]としたときに、前記(A)〜(D)成分をTb[℃]以上Tc[℃]未満の温度で溶融混練する伝熱性樹脂組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の伝熱性樹脂組成物からなる、厚さ0.02mm〜3.0mmのシート。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の伝熱性樹脂組成物からなる層を一層以上有する、厚さ0.02mm〜3.0mmの積層シート。
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